(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セルアクセスモードが前記所定のモードであり、かつ前記登録移動端末が前記第1のセルに接続した場合に前記第1のセルの所定の通信容量を超えてしまい、かつハンドオーバさせる先である他のセルが存在するときは、既に接続されている移動端末のうち前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかを前記他のセルに強制的にハンドオーバさせる移動端末接続制御部を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信基地局。
前記移動端末接続制御部は、前記強制的にハンドオーバさせる先である他のセルが存在しないときは、前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかの接続を強制的に切断する、
ことを特徴とする請求項2に記載の移動通信基地局。
前記移動端末接続制御部は前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えた後に、入力される前記モニタ信号が周辺の第2のセルが運用状態であることを示している場合は、前記セルアクセスモードを元のモードに切り戻す、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の移動通信基地局。
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して、前記登録移動端末に対するものより狭い帯域を割り当てる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の移動通信基地局。
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して前記第1のセルへの接続開始時刻に制限を加える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の移動通信基地局。
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末の前記第1のセルへの接続時間に制限を加える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動通信基地局。
【背景技術】
【0002】
複数の移動無線端末で無線チャネルを共有する移動通信システムにおいて、フェムトセルと呼ばれる小無線エリアをサービスエリアとして提供する、特に小容量の無線基地局(以降、フェムトセル基地局とする)の導入が進められている。これは関連技術であるマクロセルを構成する無線基地局(以降、マクロセル基地局とする)の構成する無線エリアでカバーしきれない地域の補完、および宅内等での高品質通信サービスの提供などを目的とするものである。
【0003】
このフェムトセル基地局で提供する機能の1つに、CSG(Closed Subscriber Group)がある。これは、フェムトセル基地局がフェムトセル内に存在する各移動端末について、予め所定のグループとして登録された移動端末か否かを認識し、その結果に応じたサービスを移動端末に提供する機能である。
【0004】
この機能では、セルアクセスモードとして、3つの動作モードが規定されている。1つ目は、グループ登録・未登録に関わらずフェムトセル内に存在する全ての移動端末に通信サービスを提供するオープンモードである。2つ目は、当該フェムトセル内にグループ登録された移動端末に対してのみ通信サービスを提供し、登録外の移動端末には通信サービスの提供をしないクローズドモードである。そして、3つ目は、グループ登録外の移動端末には通常の通信サービスのみを提供し、グループ登録された移動端末に対しては、他の移動端末と比べて高優先・高品質となる専用サービスを提供するハイブリッドモードである。
【0005】
通信サービスの保守者はフェムトセル基地局によるフェムトセルのサービス開始時に、当該フェムトセルを前記セルアクセスモードの3つの動作モードのうち何れのセルアクセスモードで動作させるかを予め設定する。
【0006】
設定するセルアクセスモードがクローズドモードおよびハイブリッドモードの場合は更に、グループ登録の識別子(CSGグループの識別子)が設定される。フェムトセル基地局は配下のフェムトセルのセルアクセスモードおよびCSGグループ識別子を、システム情報として、フェムトセル内の各移動端末に報知チャネルを用いて報知している。
【0007】
報知チャネル上で報知されている情報は、セルアクセスモードの内容に関わらず、フェムトセル内の全移動端末が受信することができる。従って報知チャネル上で報知されている情報であるシステム情報を受信することで、各移動端末は、該当フェムトセル基地局にアクセス可能かどうかを判断することができる。
【0008】
一方、移動通信システムのサービスの一つにETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)がある。これは地震・津波警報を移動端末に通知することで、使用者に災害発生を通知し、避難等を促すことにより災害時の被害を軽減するものである。
【0009】
このサービスにおいて無線基地局は、コアネットワークノードから制御メッセージ(地震・津波警報送信要求)を受信した場合に以下のように動作する。即ち、無線基地局は、その制御メッセージの内容である地震・津波警報を、一定期間、フェムトセルエリア内の全移動端末に、前述の移動端末向けに送信された情報とは異なるシステム情報として報知する。
【0010】
ここで、もし大規模災害が発生した場合を考えると、例えば大規模地震によるビル・鉄塔倒壊等で、マクロセルを構成する無線基地局がサービス不可状態となることも予想され、その場合の、代替の通信経路手段としてフェムトセル基地局を活用することも考えられる。
【0011】
しかしその場合でも、フェムトセル基地局が前述のクローズドモードで動作している場合はグループ登録済みの移動端末しか通信することができないことになる。また、関連する技術のフェムトセル基地局は自動でセルアクセスモードを切り替えることができず、セルアクセスモードを切り替えるためには通常のフェムトセル基地局の立上げと同様に、保守者が手動で制御する必要がある。そのため、セルアクセスモードを切り替える為には作業者及び作業時間を要し、緊急時の通信経路として十分にその有効性が活用できない、という問題が生じていた。
【0012】
上記に関連する技術として特許文献1には通常時は無線通信システムのセキュリティを維持しつつ、災害発生等、必要時には通信装置の有効活用を図る、という技術が記載されている。これは無線通信基地局装置が、災害発生時等必要な場合には、外部からの開放指示を受けて、全ての無線端末局装置に対して接続を許可することを示すコンフィギュレーションデータを開放データ記憶部から読み出すものである。その後当該無線通信基地局装置は通信制御部が接続を許可する条件とするように無線通信基地局装置の状態を変更する、というものである。
【0013】
また特許文献2には、小型移動通信基地局が、加入者端末以外の無線端末である非加入者端末との接続を許可していないために生ずる以下の問題を解決する技術が記載されている。即ち非加入者端末は、近くに小型移動通信基地局があっても、その小型移動通信基地局を利用できず、高速で安定した通信を行うことができないという問題を解決するという技術が記載されている。これは、非加入者端末との接続を許可するモードが設定されていると、携帯端末が登録されていなくても、つまり、携帯端末が非加入者端末であっても、携帯端末が小型移動通信基地局20と接続される、というものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における移動通信システム構成例を示す。101はフェムトセル基地局、102はフェムトセル基地局101のサービスエリアであるフェムトセル、103、104は移動端末、105は移動体コアノード、106は保守管理システムである。
【0024】
フェムトセル基地局101は、予め保守管理システム106より、運用開始時にクローズドモードとしてCSGグループ識別子が設定されており、フェムトセル102内の同一CSGグループ識別子を持つ移動端末のみと通信する。更にフェムトセル基地局101は、通信モード切替機能を有する。この通信モード切替機能は、移動体コアノード105からの地震・津波警報送信要求(災害警報送信要求)受信時にクローズドモードとして動作している場合は、動作をハイブリッドモードに切り替えることで、グループ登録されていない移動端末104との通信を許可する機能である。
【0025】
この実施形態では移動端末103は、フェムトセル基地局101と同一CSGグループに登録されており、フェムトセル102内にて、フェムトセル基地局101と通信する。
【0026】
なお、移動端末のグループ登録は事前に行われているものとしている。移動端末104は、CSGグループに登録されておらず、フェムトセル102内に存在しているが、フェムトセル基地局101とは通信不可の状態である。
【0027】
移動体コアノード105は、フェムトセル基地局101とNW(Network:ネットワーク)とのデータ送受信を中継、および各移動端末のモビリティ等を管理すると共に、各フェムトセル基地局101に設定しているCSGグループを管理している。また、地震・津波警報(災害警報)が発令された場合は、警報が発令された地域に存在する全無線基地局(マクロセル基地局・フェムトセル基地局を含む)に対して、地震・津波警報送信要求を制御メッセージとして送信する機能を有している。
【0028】
保守管理システム106は、フェムトセル基地局101の設定、運用管理を行なうものである。また、フェムトセル基地局101には、予め運用開始時に、保守管理システム106より、本実施形態の通信モード切替機能を適用するかどうかを判断するための通信モード切替許可設定がされているものとする。
【0029】
図2は、
図1の101で示される本実施形態のフェムトセル基地局の機能ブロック構成例である。
【0030】
RF処理部201は、無線変復調など、無線通信処理を行なうものである。信号処理部202は、移動無線端末と送受信するデータについて各種信号処理を行なうものである。移動端末と送受信するデータがユーザーデータの場合はNW通信部203と、また移動端末との制御メッセージの場合は制御部205と、それぞれ送受信を行なう。
【0031】
また、RF処理部201と信号処理部202は、制御部205からの制御により、一般的なネットワークモニタリング機能として、周辺の他の無線基地局からの受信電波を測定し、その測定結果を制御部205に通知する機能を有する。
【0032】
NW通信部203は接続する移動体コアノード105とデータ送受信するものであり、データが移動体コアノード105との制御メッセージの場合は、制御部205との間でデータ送受信を行なう。
【0033】
保守インタフェース部204は、保守管理システム106と制御メッセージを送受信するものであり、制御部205との間でデータ送受信を行なう。制御部205は、RF処理部201、信号処理部202、NW通信部203の設定・管理機能を有する。更に制御部205は、移動端末103、移動体コアノード105、保守管理システム106からの各種制御メッセージを終端する機能を有する。更に制御部205は、フェムトセル基地局101と通信する各移動無線端末の制御、接続状態管理など、フェムトセル基地局101全体の制御・管理を行なう。
【0034】
ネットワークモニタリング機能として、RF処理部201と信号処理部202を使用して、周辺のマクロセル無線基地局の送信電波の受信測定を行ない、その受信強度等により、周囲にマクロセル無線基地局が存在していることを識別する機能を持つ。
【0035】
また制御部205は、地震・津波警報発令時の通信モード切替機能を具備する。この地震・津波警報発令時の通信モード切替機能は現在のセルアクセスモード、通信モード切替許可設定、ネットワークリスニングの結果から、セルアクセスモードをハイブリッドモードに変更するかどうかの判定を行なう通信モード切替判定機能を有する。更に、セルアクセスモードをハイブリッドモードに変更しない場合には、予め設定された通信モード切替再判定タイマを設定し、タイマ満了後に再度通信モード切替判定を行なう機能を有する。
【0036】
(動作の説明)
次に、本実施形態の緊急時の通信モード切替方式について
図3、
図4、
図5、
図6を用いて説明する。
図3は、本実施形態における通信モード切替制御のシーケンス図である。
図4は、本実施形態における通信モード切替判定動作のフローチャートである。
図5は、本実施形態における通信モード切替後の通信モード切り戻し判定動作フローである。
図6は第1の実施形態のハイブリッドモード時の動作フローの図である。
【0037】
フェムトセル基地局101は、通常時にフェムトセル102内の全移動端末に向けて報知情報として、システム情報を定期的に報知している。システム情報の要素の1つとしてセルアクセスモードとCSGグループ識別子が報知されている(301)。ここでは、セルアクセスモードとしてクローズドモードを設定しており、その結果CSGグループ識別子で示されるグループ登録がされていない移動端末104はフェムトセル基地局101と通信ができない状態である(302)。
【0038】
そこで、地震・津波警報が発令され、フェムトセル基地局101が、移動体コアノード105より、地震・津波警報送信要求(303)を受信した場合は以下のように動作する。即ちフェムトセル基地局101は、フェムトセル102内の全移動端末に対して、報知された情報が変更されたことを通知するための報知情報変更通知(304)および地震・津波警報通知(305)を報知する。と共に、フェムトセル基地局101は、制御部205にて、
図4の判定フローに従い、通信モード切替判定を行なう(306)。
【0039】
その結果、通信モード切替ありと判断した場合は、フェムトセル基地局101は、制御部205にて、セルアクセスモードをクローズドモードからハイブリッドモードに変更する。そのために制御部205内でセルアクセスモードを管理する為の管理情報(図示せず)を変更し(307)(308)、通信モード切り戻し抑止タイマを設定する(310)。
【0040】
また通信モード切替なしと判断した場合は、予め設定された通信モード再判定タイマを設定し、何もせずに処理を終了する(309)。次に通信モード切替ありと判断し通信モード切替を設定した場合、フェムトセル基地局101は以下のように動作する。即ちフェムトセル基地局101は移動体コアノード105に基地局設定変更通知メッセージを送信し(311)セルアクセスモードをハイブリッドモードに変更したことを、保守管理システム106に通知する(312)。なお、
図3のステップ311、ステップ312で使用するメッセージについては、新規にメッセージを定義するものであってよいし、他の既存のメッセージに情報を追加するものであってもよい。
【0041】
次に、フェムトセル基地局101は現在報知しているシステム情報のセルアクセスモードをハイブリッドモードに変更し、報知された情報が変更されたことを通知するための報知情報変更通知(313)、および新しいシステム情報を報知する(314)。このシステム情報を移動端末104が受信することで、移動端末104はフェムトセルがハイブリッドモードで動作しており、フェムトセル基地局101と通信可能であると認識することができる(315)。
【0042】
また、フェムトセル基地局101の制御部205は、通信モード切替判定にて通信モード切替なしと判断された場合(307の"NO")に設定した通信モード切替再判定タイマが満了した場合に(317の"YES")、以下の動作を行う。即ち制御部205は、再度通信モード切替判定を行ない(306)、その結果通信モード切替ありと判断された場合(307で"YES")は、ステップ310〜ステップ312と同様にセルアクセスモードをハイブリッドモードに切り替える。それにより、フェムトセルが地震・津波警報送信要求を受信した後に周辺のマクロセル基地局がサービス不可状態になるまでにタイムラグがあった場合に以下の様に動作する。即ち周辺のマクロセル基地局がサービス不可状態になり次第、速やかにフェムトセル基地局101がハイブリッドモードに切り替わり、非常時の通信手段として使用可能となる。
【0043】
なお、
図3に図示されていないが、通信モード切替再判定タイマの再判定の繰り返し回数を別途設定するとしても良い。その場合、通信モード切替なしの場合には、通信モード切替再判定タイマ満了による通信モード切替の再判定(306)を予め設定した再判定回数分だけ繰り返す。
【0044】
また、セルアクセスモードをハイブリッドモードに切り替えた後、フェムトセル基地局101の制御部205は、設定した通信モード切替抑止タイマが満了した場合、
図5の判定フローに従い、通信モード切り戻し判定を行なう(316)。
【0045】
なおセルアクセスモードをハイブリッドモードからクローズドモードに戻す通信モード切り戻しに関しては以下の方法が考えられる。即ち、
図5に示す様な判定フローに従うものであっても、通信モード切替抑止タイマ満了後、自動的に切り戻すものであっても、CSG通信モード変更通知(312)を受信した保守管理システム106から保守者により設定されるものであってもよい。なお、通信モード切り戻しの制御シーケンスについては、
図3に於いてハイブリッドモードとクローズドモードとが入れ替わるのみで
図3に示すシーケンスがそのまま適用できる。
【0046】
次に、
図4の通信モード切替判定動作フローについて説明する。フェムトセル基地局101の制御部205は、現在のセルアクセスモードがクローズドモードであるか否かをチェックする(401)。その結果がクローズドモード以外の場合はグループ登録されていない移動端末でも既にフェムトセルで通信可能であるので、通信モード切替の必要なしと判断する(406)。
【0047】
セルアクセスモードがクローズドモードの場合は、予め保守管理システム106より通信モード切替許可設定がされているかをチェックする(402)。設定されていない場合は通信モード切替なしと判断する(406)。設定されている場合は、ネットワークモニタリング機能を実行し(403)、周囲のマクロセル基地局から正常に電波受信できているかどうかをチェックする(404)。正常に電波受信できている場合は、周囲のマクロセル基地局が正常に動作しているので通信モード切替の必要なしと判断し(406)、正常受信できない場合は、通信モード切替の必要ありと判断する(405)。以上の動作フローにより、フェムトセル基地局101は、通信モード切替の実施をするか否かを判断する。
【0048】
次に、
図5の通信モード切替切り戻し判定動作フローについて説明する。
【0049】
フェムトセル基地局101の制御部205は、切り戻し抑止タイマ満了か否かをチェックし(500)、満了の場合(500の"YES")は現在のセルアクセスモードがハイブリッドモードで、かつ通信モード切替許可設定があるかをチェックする(501、502)。
【0050】
いずれかのチェックがNOの場合は、既に保守管理システム106より設定変更されていると判断し、何もせずに処理を終了する。両方のチェックがYESの場合は、ネットワークモニタリングを実行し(503)、その結果、周囲のマクロセル基地局からの電波が正常受信できるかをチェックする(504)。正常受信できた場合は、マクロセルの通信状況が復旧していると認識し、通信モードを元のモード、即ちクローズドモードに切り戻すと判断する(506)。正常受信できない場合は、マクロセルの通信状況が復旧していないと判断し、再度通信モード切り戻し抑止タイマを設定する(505)。その後、再度通信モード切り戻し抑止タイマが満了した場合は、同様に切り戻し判定を行なう。以上の動作フローにより、フェムトセル基地局101は、通信モード切り戻しすべきか否かを判断する。
【0051】
次に、ハイブリッドモード時の動作について
図6のフローチャートを用いて説明する。
移動端末103がフェムトセル102のエリア内に進入する(601)。するとフェムトセル基地局101は進入した移動端末103が登録ユーザか否かを判断する(602)。登録ユーザと判断した場合は(602の"Yes")、フェムトセル基地局101は、当該移動端末103がセルを接続した場合に所定のフェムトセル容量の収容可能な範囲内であるかを判断する(603)。判断した結果、収容可能と判断したならば当該移動端末103のフェムトセル102への接続を許可する(604)。一方、収容可能な範囲内とはならないと判断した場合は、その時点で当該フェムトセル102に接続中の任意の非登録ユーザを他のセルに強制的にハンドオーバさせる(605)。その後、603の処理に戻り、収容可能となるまで(603で"Yes"となるまで)、非登録ユーザの強制ハンドオーバを繰り返す。
【0052】
一方フェムトセル102内に進入した移動端末104が非登録ユーザである場合(602で"No"の場合)、603と同様にセル収容可能範囲内か否かを判断する(606)。セル収容可能範囲内であれば(606の"Yes")当該移動端末104のフェムトセル102への接続を許可し、セル収容可能でないと判断した場合は(606の"No")当該非登録ユーザの接続は拒否する。
【0053】
図6のハイブリッドモード時の動作ではフェムトセル102に進入した移動端末103が登録ユーザの場合は以下のように動作する。即ち移動端末103が当該フェムトセル102に優先的に接続すべき移動端末であると判断し、その時点で接続されている非登録ユーザを強制的にハンドオーバさせて当該セル外に移動させている。
【0054】
従って災害発生時にはフェムトセルの登録ユーザの接続に影響が及ぶことを極力回避しつつ非登録ユーザの非常接続を許可することができる。
【0055】
なお、上記の
図6のステップ605では接続中の非登録ユーザを他セルに強制的にハンドオーバさせることとしている。しかし、ハンドオーバ先が無い等、強制的ハンドオーバが行えない場合には、やむを得ず強制的に当該非登録ユーザの接続を切断するとしても良い。ハンドオーバ先が無い場合とは、他セルが存在しない場合、他セルが運用停止状態である場合、他セル自体が既にセル収容可能範囲を超えている等が考えられる。
【0056】
更に
図6に示すフェムトセルに進入した移動端末が登録ユーザか否かの判断(602)後の処理は以下のようなものも採用しうる。
1)登録ユーザに対しては所定の通信帯域を割り当て、高速回線を確保する。一方、非登録ユーザに対しては音声通話が可能な程度の狭い帯域を割り当てることにより通信帯域の無駄な消費を回避し、その分、多数のユーザを収容出来るようにする。
2)登録ユーザは接続開始時刻に特に制限を設けないが、非登録ユーザは接続開始時刻に制限を加える。例えば登録ユーザの利用が多いと思われる時間帯は非登録ユーザからの接続を拒否する。それによって、登録ユーザの利用に支障を与えることを避けつつ、非登録ユーザからの接続を許可することができる。
3)登録ユーザは接続開始後の連続接続時間に特に制限を設けないが、非登録ユーザは接続時間、つまり通話時間に制限を加えて、その分、多数のユーザに当該フェムトセルを用いて接続する機会を与えるようにする。
(効果の説明)
以上説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏する。
即ち、災害発生時に、ビル・鉄塔倒壊等により、マクロセルを構成する無線基地局がサービス不可状態となった場合にも、エリア内のフェムトセル基地がセルアクセスモードを自律的にハイブリッドモードに切り替える。そのことにより、当該フェムトセルの登録ユーザの利便性を損なうことなく、登録ユーザとの差別化を図りながら、全ての移動端末で災害発生時の通信手段として活用を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を実施するための第2の実施形態について説明する。
【0057】
図7に第2の実施形態の移動通信基地局の構成を示す。
【0058】
第2の実施形態の移動通信基地局701は、所定の警報を報知させる要求である警報送信要求を受信する警報送信要求受信部711と、第1のセルの周辺の第2のセルの運用状況をモニタしその結果をモニタ信号として送信するモニタ部712とを有する。更に、移動通信基地局701は、セルアクセスモード切替部713を有する。セルアクセスモード切替部713は入力される前記モニタ信号が前記第2のセルが運用停止状態であることを示している場合に以下のように動作する。即ち、前記第1のセルのセルアクセスモードを、所定の登録が行われている登録移動端末以外の移動端末の接続を登録移動端末とは異なる条件にて許容する所定のモードに切り換える。
【0059】
以上説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏する。
即ち、災害発生時に、ビル・鉄塔倒壊等により、第2のセルを構成する移動通信基地局がサービス不可状態となった場合にも、エリア内の第1のセルの移動通信基地局がセルアクセスモードを自律的に所定のモードに切り替える。そのことにより、登録ユーザとの差別化を図りながら全ての移動端末で災害発生時の通信手段として活用を図ることができる。
【0060】
なお、ここまで説明した各実施形態では、専用の装置を想定したが、次のようなものでもよい。即ち例えば各種データ処理を行うパーソナルコンピュータ装置に、本例に相当する処理を行うボードやカードなどを装着し、各処理を、コンピュータ装置側で実行させる。このようにして、その処理を実行するソフトウェアをパーソナルコンピュータ装置に実装させて実行する構成としても良い。
【0061】
以上に述べた実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
所定の警報を報知させる要求である警報送信要求を受信する警報送信要求受信部と、
第1のセルの周辺の第2のセルの運用状況をモニタしその結果をモニタ信号として送信するモニタ部と、
入力される前記モニタ信号が前記第2のセルが運用停止状態であることを示している場合に、前記第1のセルのセルアクセスモードを、所定の登録が行われている登録移動端末以外の移動端末の接続を前記登録移動端末とは異なる条件にて許容する所定のモードに切り換えるセルアクセスモード切替部と、
を有することを特徴とする移動通信基地局。
(付記2)
前記セルアクセスモードが前記所定のモードであり、かつ前記登録移動端末が前記第1のセルに接続した場合に前記第1のセルの所定の通信容量を超えてしまい、かつハンドオーバさせる先である他のセルが存在するときは、既に接続されている移動端末のうち前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかを前記他のセルに強制的にハンドオーバさせる移動端末接続制御部を更に有する、
ことを特徴とする付記1に記載の移動通信基地局。
(付記3)
前記移動端末接続制御部は、前記強制的にハンドオーバさせる先である他のセルが存在しないときは、前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかの接続を強制的に切断する、
ことを特徴とする付記2に記載の移動通信基地局。
(付記4)
前記移動端末接続制御部は前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えた後に、入力される前記モニタ信号が周辺の第2のセルが運用状態であることを示している場合は、前記セルアクセスモードを元のモードに切り戻す、
ことを特徴とする付記1乃至付記3の何れかに記載の移動通信基地局。
(付記5)
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して、前記登録移動端末に対するものより狭い帯域を割り当てる
ことを特徴とする付記1乃至付記4の何れかに記載の移動通信基地局。
(付記6)
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して前記第1のセルへの接続開始時刻に制限を加える、
ことを特徴とする付記1乃至付記5の何れかに記載の移動通信基地局。
(付記7)
前記移動端末接続制御部が前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末の前記第1のセルへの接続時間に制限を加える、ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれかに記載の移動通信基地局。
(付記8)
前記警報は災害警報であり、
前記警報送信要求は災害警報送信要求であり、
前記警報送信要求受信部は災害警報送信要求受信部であり、
前記第1のセルはフェムトセルであり、
前記第2のセルはマクロセルであり、
前記所定のモードはハイブリッドモードである、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の移動通信基地局。
(付記9)
前記登録移動端末は、予め前記フェムトセルの移動通信基地局に設定されているCSGグループ識別子が一致する移動端末である
ことを特徴とする付記8に記載の移動通信基地局。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の移動通信基地局と、該移動通信基地局と接続され前記移動通信基地局の設定・運用管理を行なう保守管理システムと、前記移動通信基地局と接続されネットワークとのデータ送受信を中継する移動体コアノードと、
を備えることを特徴とする移動通信システム。
(付記11)
所定の警報を報知させる要求である警報送信要求を受信し、
第1のセルの周辺の第2のセルの運用状況をモニタしその結果をモニタ信号として送信し、
入力される前記モニタ信号が前記第2のセルが運用停止状態であることを示している場合に、前記第1のセルのセルアクセスモードを、所定の登録が行われている登録移動端末以外の移動端末の接続を前記登録移動端末とは異なる条件にて許容する所定のモードに切り換える、
ことを特徴とする移動通信基地局制御方法。
(付記12)
前記セルアクセスモードが前記所定のモードであり、かつ前記登録移動端末が前記第1のセルに接続した場合に、前記第1のセルの所定の通信容量を超えてしまい、かつハンドオーバさせる先である他のセルが存在するときは、既に接続されている移動端末のうち前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかを前記他のセルに強制的にハンドオーバさせて登録移動端末の通信回線を確保する、
ことを特徴とする付記11に記載の移動通信基地局制御方法。
(付記13)
前記強制的にハンドオーバさせる先である他のセルが存在しないときは、前記登録移動端末以外の移動端末のいずれかの接続を強制的に切断する、
ことを特徴とする付記12に記載の移動通信基地局制御方法。
(付記14)
前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えた後に、入力される前記モニタ信号が運用状態であることを示している場合は、前記セルアクセスモードを元のモードに切り戻す、
ことを特徴とする付記11乃至付記13の何れかに記載の移動通信基地局制御方法。
(付記15)
前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して、前記登録移動端末に対するものより狭い帯域を割り当てる
ことを特徴とする付記11乃至付記14の何れかに記載の移動通信基地局制御方法。
(付記16)
前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末に対して前記第1のセルへの接続開始時刻に制限を加える、
ことを特徴とする付記11乃至付記15の何れかに記載の移動通信基地局制御方法。
(付記17)
前記セルアクセスモードを前記所定のモードに切り換えたときは、前記登録移動端末以外の移動端末の前記第1のセルへの接続時間に制限を加える、ことを特徴とする付記11乃至付記16のいずれかに記載の移動通信基地局制御方法。
(付記18)
前記警報は災害警報であり、
前記警報送信要求は災害警報送信要求であり、
前記警報送信要求受信部は災害警報送信要求受信部であり、
前記第1のセルはフェムトセルであり、
前記第2のセルはマクロセルであり、
前記所定のモードはハイブリッドモードである、
ことを特徴とする付記11乃至付記17のいずれかに記載の移動通信基地局制御方法
(付記19)
前記登録移動端末は、予め前記フェムトセルの移動通信基地局に設定されているCSGグループ識別子が一致する移動端末である
ことを特徴とする付記18に記載の移動通信基地局制御方法。
(付記20)
所定の警報を報知させる要求である警報送信要求を受信する処理と、
第1のセルの周辺の第2のセルの運用状況をモニタしその結果をモニタ信号として送信する処理と、
入力される前記モニタ信号が前記第2のセルが運用停止状態であることを示している場合に、前記第1のセルのセルアクセスモードを、所定の登録が行われている登録移動端末以外の移動端末の接続を登録移動端末とは異なる条件にて許容する所定のモードに切り換える処理と、
をコンピュータに実施させることを特徴とする移動通信基地局制御プログラム。