(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する比較用認証コード格納手段と、
前記特定端末が前記無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信手段と、
この認証情報受信手段によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示手段と、
この名称表示手段によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択手段と、
この電話帳データ選択手段によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出手段と、
この比較用認証コード読出手段によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択手段で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較手段と、
このコード比較手段により一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求手段と、
この電話帳データ送信要求手段の要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納手段と、
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを送信する電話帳データ取得依頼用メール送信手段と、
この電話帳データ取得依頼用メール送信手段の送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から認証コードを抽出する認証コード抽出手段と、を具備し、
前記比較用認証コード格納手段は、前記認証コード抽出手段によって抽出した認証コードをその携帯端末としての特定端末の比較用認証コードとして格納する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
前記無線暗号通信で前記特定端末の探索を行う端末探索信号を送信する端末探索信号送信手段を備え、前記受信エリアに存在する前記特定端末がこの端末探索信号を受信して前記認証情報を送信してきたとき前記認証情報受信手段は前記認証情報を受信することを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
前記特定端末は、所定の時間間隔を置いて前記認証情報を送信しており、前記認証情報受信手段はこれら特定端末が前記受信エリアに入ったとき前記認証情報を受信することを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する比較用認証コード格納手段と、
前記特定端末が前記無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信手段と、
この認証情報受信手段によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示手段と、
この名称表示手段によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択手段と、
この電話帳データ選択手段によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出手段と、
この比較用認証コード読出手段によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択手段で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較手段と、
このコード比較手段により一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求手段と、
この電話帳データ送信要求手段の要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納手段と、
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを送信する電話帳データ取得依頼用メール送信手段と、
この電話帳データ取得依頼用メール送信手段の送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から認証コードを抽出する認証コード抽出手段と、を具備するファクシミリ装置と、
自端末の電話帳データを格納した電話帳データ格納手段と、前記無線暗号通信で前記ファクシミリ装置と通信を行う無線暗号通信手段とを具備する携帯端末と、を具備し、
前記ファクシミリ装置の前記比較用認証コード格納手段は、前記認証コード抽出手段によって抽出した認証コードをその携帯端末としての特定端末の比較用認証コードとして格納する、
ことを特徴とする電話帳データ管理システム。
予め定めた携帯端末としての特定端末が自装置の無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記自装置にて、前記特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際、認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードと特定端末の名称を認証情報として、前記自装置の前記無線暗号通信にて受信し、
受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を前記自装置の名称表示手段にて表示し、
表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを、前記名称表示手段にて表示された中から、利用者の選択操作に基づいて選択された場合、利用者が選択した電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記特定端末ごとに取り決めた認証コードの格納している前記自装置の比較用認証コード格納手段にて読み出し、
読み出した比較用認証コードと選択した特定端末に対応する前記認証コードとを前記自装置のコード比較手段にて比較し、
前記比較用認証コードと前記認証コードとが一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信に前記自装置の電話帳データ送信要求手段にて要求し、
この要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを前記自装置の電話帳データ格納手段にて前記自装置の所定の場所に格納し、
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを前記自装置の電話帳データ取得依頼用メール送信手段にて送信し、
送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から前記自装置の認証コード抽出手段にて認証コードを抽出し、
前記比較用認証コード格納手段は、前記認証コード抽出手段にて抽出した認証コードを、その携帯端末として特定端末の比較用認証コードとして格納する、
ことを特徴とする電話帳データ管理方法。
自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する比較用認証コード格納手段と、
前記特定端末が前記無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信手段と、
この認証情報受信手段によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示手段と、
この名称表示手段によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択手段と、
この電話帳データ選択手段によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出手段と、
この比較用認証コード読出手段によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択手段で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較手段と、
このコード比較手段により一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求手段と、
この電話帳データ送信要求手段の要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納手段と、
自装置を使用してファクシミリ通信あるいはメール通信を行う操作者の指紋パターンを格納する指紋パターン格納手段と、
この指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと前記比較用認証コードを対応付けるコード対応付け手段と、
前記操作者の指紋パターンを読み取る指紋パターン読取手段と、
この指紋パターン読取手段の読み取った指紋パターンを指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと比較する指紋パターン比較手段と、を具備し、
前記コード比較手段は前記指紋パターン読取手段の読み取った指紋パターンが前記指紋パターン比較手段で前記指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと一致すると判別したとき比較結果が一致すると判別する、
ことを特徴とするファクシミリ装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明のファクシミリ装置のクレーム対応図を示したものである。本発明のファクシミリ装置10は、比較用認証コード格納手段11と、認証情報受信手段12と、名称表示手段13と、電話帳データ選択手段14と、比較用認証コード読出手段15と、コード比較手段16と、電話帳データ送信要求手段17と、電話帳データ格納手段18を備えている。ここで、比較用認証コード格納手段11は、自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する。認証情報受信手段12は、前記した特定端末が前記した無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記した認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記した無線暗号通信によって受信する。名称表示手段13は、認証情報受信手段12によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する。電話帳データ選択手段14は、名称表示手段13によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する。比較用認証コード読出手段15は、電話帳データ選択手段14によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを比較用認証コード格納手段11から読み出す。コード比較手段16は、比較用認証コード読出手段15によって読み出した比較用認証コードと電話帳データ選択手段14で選択した特定端末に対応する前記した認証コードとを比較する。電話帳データ送信要求手段17は、コード比較手段16により一致するとされた前記した認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記した無線暗号通信で要求する。電話帳データ格納手段18は、電話帳データ送信要求手段17の要求に応じて前記した無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する。
【0021】
図2は、本発明の電話帳データ管理システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の電話帳データ管理システム20は、ファクシミリ装置21と、携帯端末22を備えている。ここで、ファクシミリ装置21は、比較用認証コード格納手段21aと、認証情報受信手段21bと、名称表示手段21cと、電話帳データ選択手段21dと、比較用認証コード読出手段21eと、コード比較手段21fと、電話帳データ送信要求手段21gと、電話帳データ格納手段21hを備えている。比較用認証コード格納手段21aは、自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する。認証情報受信手段21bは、前記した特定端末が前記した無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記した認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記した無線暗号通信によって受信する。名称表示手段21cは、認証情報受信手段21bによって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する。電話帳データ選択手段21dは、名称表示手段21cによって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する。比較用認証コード読出手段21eは、電話帳データ選択手段21dによって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを比較用認証コード格納手段21aから読み出す。コード比較手段21fは、比較用認証コード読出手段21eによって読み出した比較用認証コードと電話帳データ選択手段21dで選択した特定端末に対応する前記した認証コードとを比較する。電話帳データ送信要求手段21gは、コード比較手段21fにより一致するとされた前記した認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記した無線暗号通信で要求する。電話帳データ格納手段21hは、電話帳データ送信要求手段21gの要求に応じて前記した無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する。携帯端末22は、電話帳データ格納手段22aと、無線暗号通信手段22bを備えている。電話帳データ格納手段22aは、自端末の電話帳データを格納している。無線暗号通信手段22bは、前記した無線暗号通信でファクシミリ装置21と通信を行う。
【0022】
図3は、本発明の電話帳データ管理方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の電話帳データ管理方法30は、認証情報受信ステップ31と、名称表示ステップ32と、電話帳データ選択ステップ33と、比較用認証コード読出ステップ34と、コード比較ステップ35と、電話帳データ送信要求ステップ36と、電話帳データ格納ステップ37を備えている。ここで、認証情報受信ステップ31では、予め定めた携帯端末としての特定端末が自装置の無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、これら特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の認証用に前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードと特定端末の名称を認証情報として前記した無線暗号通信によって受信する。名称表示ステップ32では、認証情報受信ステップ31によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する。電話帳データ選択ステップ33では、名称表示ステップ32によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する。比較用認証コード読出ステップ34では、電話帳データ選択ステップ33で選択した電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードの格納を行う所定の比較用認証コード格納手段から読み出す。コード比較ステップ35では、比較用認証コード読出ステップ34によって読み出した比較用認証コードと電話帳データ選択ステップ33で選択した特定端末に対応する前記した認証コードとを比較する。電話帳データ送信要求ステップ36では、コード比較ステップ35で一致するとされた前記した認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記した無線暗号通信で要求する。電話帳データ格納ステップ37では、電話帳データ送信要求ステップ36での要求に応じて前記した無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する。
【0023】
図4は、本発明の電話帳データ管理プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の電話帳データ管理プログラム40は、ファクシミリ装置のコンピュータに、認証情報受信処理41と、名称表示処理42と、電話帳データ選択処理43と、比較用認証コード読出処理44と、コード比較処理45と、電話帳データ送信要求処理46と、電話帳データ格納処理47を実行させるようにしている。ここで、認証情報受信処理41では、予め定めた携帯端末としての特定端末が自装置の無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、これら特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の認証用に前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードと特定端末の名称を認証情報として前記した無線暗号通信によって受信する。名称表示処理42では、認証情報受信処理41によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する。電話帳データ選択処理43では、名称表示処理42によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する。比較用認証コード読出処理44では、電話帳データ選択処理43で選択した電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記した特定端末ごとに取り決めた認証コードの格納を行う所定の比較用認証コード格納手段から読み出す。コード比較処理45では、比較用認証コード読出処理44によって読み出した比較用認証コードと電話帳データ選択処理43で選択した特定端末に対応する前記した認証コードとを比較する。電話帳データ送信要求処理46では、コード比較処理45で一致するとされた前記した認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記した無線暗号通信で要求する。電話帳データ格納処理47では、電話帳データ送信要求処理46での要求に応じて前記した無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する。
【0026】
図5は、本発明の実施の形態による電話帳データ管理システムの構成の一例を表わしたものである。この電話帳データ管理システム100は、電話帳データを使用してファクシミリ通信や電子メールによるメール通信を行うネットワークファクシミリ装置101を、システムを構成する装置の1つとして備えている。
【0027】
ネットワークファクシミリ装置101は、幾つかの通信手段を使用して各種の通信端末とファクシミリ通信やメール通信を行うことができる。たとえば、PSTN(Public Switched Telephone Networks)102と呼ばれる一般の加入電話回線ネットワークを使用して第1の通信端末103との間でファクシミリ通信やメール通信を行うことができる。また、LAN(Local Area Network)104を使用して、有線または無線のローカルネットワークに接続された第2の通信端末105との間でファクシミリ通信やメール通信を行うことができる。更に、インターネット106を使用して、第3の通信端末107との間でファクシミリ通信やメール通信を行うことができる。インターネット106は、PSTN102あるいはLAN104を介してアクセスしてもよい。
【0028】
ところで、本実施の形態のネットワークファクシミリ装置101は、後に説明するその無線通信部を用いて短距離無線暗号通信を行うことができるようになっている。ネットワークファクシミリ装置101が短距離無線暗号通信を行うことができるエリアを、無線エリア110と称することにする。無線エリア110は、通信方式にもよるが、一例としては数十センチメートルから数メートル程度の半径の短距離無線通信エリアである。この無線エリア110には、たとえば第1の携帯端末111と第2の携帯端末112が存在している。第3の携帯端末113は、無線エリア110外に存在している。第1〜第3の携帯端末111〜113は、共に携帯端末、PHS(Personal Handy-phone System)、スマーンフォン等の比較的高機能の通信端末であり、電話帳データを保持しているものとする。
【0029】
本実施の形態の電話帳データ管理システム100では、無線エリア110内に存在する第1の携帯端末111および第2の携帯端末112に対する認証が成功するという条件で、これらに格納された電話帳データをネットワークファクシミリ装置101が利用可能にして、第1〜第3の通信端末103、105、107へのファクシミリ通信やメール通信を行うことになっている。
【0030】
図6は、電話帳データ管理システムを構成するネットワークファクシミリ装置の外観を表わしたものである。このネットワークファクシミリ装置101は、装置本体121と、その一端部に着脱自在に配置したハンドセット122から構成されている。ハンドセット122は音声通話を行うための送受話器のセットである。
【0031】
装置本体121の前面のハンドセット122が配置される近傍には表示部123と複数の機能ボタン124が配置されている。また、装置本体121の前面の中央部には十字選択キー125が配置されており、その上には電話帳キー126等の複数のキーが配置されている。電話帳キー126は所定の場合に電話帳機能を起動するために使用するキーである。
【0032】
十字選択キー125の下側には、認証に使用する指紋センサ129とスタートキー130が配置されている。指紋センサ129は、認証のために操作者の指紋を採取するセンサである。スタートキー130は、ファクシミリ通信やメール通信等の所定の動作の開始を指示するキーである。十字選択キー125の右側には、ダイヤル情報等の数値情報を入力するためのダイヤルキー131と複数のファンクションキー132が配置されている。
【0033】
また、装置本体121の上部からは、
図5に示したPSTN102通信に用いる電話線ケーブル136と、LAN104通信に用いるLANケーブル137が繰り出されている。
図5に示したインターネット106には、たとえば電話線ケーブル136やLANケーブル137を介して接続されるようになっている。
【0034】
図7は、本実施の形態で使用するネットワークファクシミリ装置の回路構成の概要を表わしたものである。ネットワークファクシミリ装置101は、CPU(Central Processing Unit)141と、このCPU141が実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)142を備えた制御部144を有している。制御部144は、バス等の通信手段145を介して装置内の各部と接続されており、これらの制御を行うようになっている。
【0035】
このうち読取部146は、図示しない原稿供給部から装置本体121の内部に送り込まれた原稿を1次元イメージセンサ(図示せず)で読み取るようになっている。読取部146で読み取った画像データは、画像処理部147でファクシミリあるいはメール通信に適した画像形式および品質の画像データに変換処理する。記録部148は、ファクシミリ通信あるいは電子メールの受信によって得られた画像データをプリントする。プリントは、図示しない感熱紙に対して行ってもよいし、静電記録方式あるいはインクジェット方式で裁断紙またはロール紙に対して行ってもよい。プリントされた用紙は装置本体121の下方から図示しない排出トレイに排出される。
【0036】
表示部123は液晶ディスプレイあるいは有機EL(organic electroluminescence)ディスプレイとその駆動回路によって構成されている。表示部123は、たとえばメニューを表示するユーザインタフェースで電話帳を表示するようになっている。入力部149は、
図6に示した機能ボタン124、十字選択キー125、スタートキー130、ダイヤルキー131ならびにファンクションキー132によって構成されており、たとえばファクシミリの送信先のダイヤル情報を入力したり、認証コードを入力するために使用する。
【0037】
センサ部151は、このネットワークファクシミリ装置101に備えられた各種のセンサの検出データを制御部144が処理するための入力に用いられる。センサ部151を代表するセンサとしては、
図6に示した指紋センサ129がある。指紋センサ129は、このネットワークファクシミリ装置101を操作する者の指紋を取得して、予め登録した指紋パターンとの一致の有無を判別するために使用するセンサである。
【0038】
PSTN通信部152は、音声通話およびファクシミリ通信を行うために一般の加入電話回線ネットワークを使用した通信に使用する。LAN通信部153は、電子メールを用いたメール通信をローカルネットワークを使用して行う際に使用する。無線通信部154は、
図5に示した所定の無線エリア110内に位置する第1の携帯端末111および第2の携帯端末112と無線暗号通信を行う際に使用する。
【0039】
主記憶部155は、ネットワークファクシミリ装置101の動作に必要な各種データの保持を行う。主記憶部155は、また他端末電話帳データ格納部156および認証データ格納部157を備えている。他端末電話帳データ格納部156は他の通信端末から取得した電話帳データを一時的に格納する。認証データ格納部157は、指紋センサ129を用いた認証を成功させるための前記した指紋パターンを格納する。
【0040】
本実施の形態では、
図5に示すネットワークファクシミリ装置101の操作者の指紋パターンが、電話帳データ管理システム100を構成する第1〜第3の携帯端末111〜113の各ユーザが認証用に使用する認証コードと対応して認証データ格納部157に格納されている。認証コードは、4桁を超えるランダムな数値列または文字列あるいはこれらの組み合わせから構成されている。ネットワークファクシミリ装置101の操作者は、指紋パターンが登録されるまで認証コードを仮に使用するようになっている。
【0041】
ネットワークファクシミリ装置101が複数存在する場合や、1台のネットワークファクシミリ装置101を複数の者が共同使用する可能性がある場合、指紋パターンはそれぞれの者に対応する数だけ登録可能である。指紋パターンの登録の一部を削除することも可能である。指紋パターンの登録については、後に説明する。
【0042】
補助記憶部158は、受信したファクシミリあるいは電子メールによるテキスト情報および画像情報を保存するために使用する。補助記憶部158は、また自装置電話帳データ格納部159を備えている。自装置電話帳データ格納部159は、自装置としてのネットワークファクシミリ装置101で登録した電話帳データを格納している。
【0043】
図8は、
図5に示した電話帳データ管理システムを使用してネットワークファクシミリ装置のユーザが電話帳データを取得する原理を表わしたものである。
図5〜
図7と共に説明する。
【0044】
ネットワークファクシミリ装置101は、無線通信部154によって無線エリア110内に存在する第1の携帯端末111と無線暗号通信を行うことができる。この例で第3の携帯端末113は無線エリア110の外に存在するので、ネットワークファクシミリ装置101と無線暗号通信を行うことができない。第1の携帯端末111を所持する者を第1のユーザ161であるとし、第3の携帯端末113を所持する者を第3のユーザ163であるとする。また、ネットワークファクシミリ装置101を操作する者をファクシミリ操作者171であるとする。第1のユーザ161とファクシミリ操作者171は、それぞれ別々の人物であってもよいし、同一人物であってもよい。
【0045】
ネットワークファクシミリ装置101は、無線通信部154を用いて無線エリア110内に通信可能な携帯端末が存在するかを定期的にチェックしている。ネットワークファクシミリ装置101は、
図8に示すように第1の携帯端末111が存在することを検知すると、第1の携帯端末111の電話帳データを受信することができる。このためには、ファクシミリ操作者171が表示部123に表示された通信可能な携帯端末の中から第1の携帯端末111を選択し、かつ電話帳キー126を押して他端末電話帳データ登録モードになり、また所定の認証が成立したことを条件とする。第1の携帯端末111から送られてきた電話帳データは、他端末電話帳データ格納部156に格納されることになる。以上の操作に関して第1のユーザ161の関与は必要としない。
【0046】
第3の携帯端末113は無線エリア110外に存在するため、その時点ではネットワークファクシミリ装置101がその存在を検知しない。したがって、ネットワークファクシミリ装置101のファクシミリ操作者171は、第3の携帯端末113が無線エリア110内に入るまで、その電話帳データを受信することができない。
【0047】
図9は、携帯端末に格納されている電話帳データがネットワークファクシミリ装置に格納される様子を原理的に示したものである。
図7および
図8と共に説明する。
【0048】
第1の携帯端末111は、自装置用の電話帳データ格納部181を備えている。電話帳データ格納部181には、その各ページごとに宛先となる人物の名前、読み仮名(読みカナ)、所属会社名、URL(Uniform Resource Locator)、第1の電話番号、第2の電話番号、第1のメールアドレス、第2のメールアドレス等の項目(フィールド)が登録されるようになっている。登録する項目の内容やデータの構造は携帯端末の種類によって異なるが、大筋で一致している。
【0049】
ネットワークファクシミリ装置101は、既に説明したように自装置電話帳データ格納部159にファクシミリ操作者171が登録した電話帳データを保持している他に、他端末電話帳データ格納部156に他の携帯端末の電話帳データを一時的に保持することができる。ネットワークファクシミリ装置101によっては他端末電話帳データ格納部156だけを備えるようになっていてもよい。
【0050】
本実施の形態では、一例として自装置電話帳データ格納部159および他端末電話帳データ格納部156に登録する項目が、名前、読み仮名、電話番号、メールアドレスといったファクシミリ通信あるいは電子メールによる通信に最低限必要な事項となっている。
【0051】
ところで本実施の形態の電話帳データ管理システム100を構成する第1〜第3の携帯端末111〜113は、近距離無線を送受信する機能を備えた通常の携帯端末で構成されているが、これらにはネットワークファクシミリ装置101と共に電話帳データ管理システム100を構成するためのアプリケーションソフトウェアが予めインストールされている。このアプリケーションソフトウェアが実行される結果として、第1〜第3の携帯端末111〜113はそれらの図示しない記憶部に、ネットワークファクシミリ装置101に対する自装置の認証コードを格納するようになっている。
【0052】
また、これら第1〜第3の携帯端末111〜113には、自装置に格納された電話帳データを、ネットワークファクシミリ装置101に適合する電話帳データに変換する変換プログラムが組み込まれている。電話帳として登録する項目の名称や登録データの表記形式やデータ構造は、装置の種類や製造メーカ、製品の販売国によって相違する場合が多いので、これに対処するためである。この変換プログラムは、インターネットを使用したバージョンアップによって、電話帳データ管理システム100を構成する新規のネットワークファクシミリ装置101の登場に対応できるようになっている。
【0053】
図10は、本実施の形態の電話帳データ管理システムで適用される携帯端末のネットワークファクシミリ装置に対する制御の様子を表わしたものである。
図5と共に説明する。ここでは第1の携帯端末111を例に挙げて説明する。
【0054】
第1の携帯端末111は、ネットワークファクシミリ装置101から近距離無線による端末探索信号(パケット信号)を受信するか、あるいは電話帳データの送信を要求する電話帳要求を受信するかを待機している(ステップS201、ステップS202)。端末探索信号を受信したら(ステップS201:Y)、自端末の携帯端末名とその認証コードを返送する(ステップS203)。そして、第1の携帯端末111に格納されている自端末用の電話帳データをネットワークファクシミリ装置101に対応した電話帳形式に変換して、自端末の図示しない作業用メモリに格納して(ステップS204)、ステップS201の待機状態に戻る(リターン)。
【0055】
これに対して、ネットワークファクシミリ装置101から電話帳要求を受信した場合には(ステップS201:N、ステップS202:Y)、第1の携帯端末111は前記した自端末の作業用メモリに対応する変換後の電話帳データが存在するかをチェックする(ステップS205)。対応する電話帳データが存在しなかった場合には(N)、ネットワークファクシミリ装置101に対してエラーを返信して(ステップS206)、ステップS201の待機状態に戻る(リターン)。
【0056】
一方、ステップS205で変換後の電話帳データが存在した場合(Y)、第1の携帯端末111は自端末の作業用メモリからその電話帳データを読み出してネットワークファクシミリ装置101に転送する(ステップS207)。そして、ネットワークファクシミリ装置101から電話帳データの正常受信を確認する信号が送られてきたら(ステップS208:Y)、作業用メモリの該当する電話帳データを削除して(ステップS209)、ステップS201の待機状態に戻る(リターン)。
【0057】
ネットワークファクシミリ装置101から電話帳データの正常受信を確認する信号が送られてこない場合には(ステップS207:N)、ステップS207の転送処理を繰り返す。もちろん、タイムアウトによるエラー処理を行ってもよい。
【0058】
なお、ステップS204で説明したネットワークファクシミリ装置101に対応した電話帳形式への電話帳データの変換は、ネットワークファクシミリ装置101側で行ってもよい。この場合、ステップS207では第1の通信端末103に格納されている電話帳データをそのままネットワークファクシミリ装置101に転送することになる。
【0059】
図11は、本実施の形態の電話帳データ管理システムで適用されるネットワークファクシミリ装置の電話帳を表示する制御の様子を表わしたものである。
図5〜
図8と共に説明する。
【0060】
ファクシミリ操作者171がファクシミリ通信あるいはメール通信を行うものとする。制御部144は電話帳キー126が押下されるのを待機している(ステップS221)。ファクシミリ操作者171が宛先を選択するためにネットワークファクシミリ装置101の電話帳キー126を押下すると(Y)、入力部149が制御部144にこれを通知する。制御部221はこの通知があると無線通信部154に端末探索信号を送信させる(ステップS222)。
【0061】
端末探索信号は無線エリア110内に位置する携帯端末に伝達される。
図5を例に採ると、このとき第1の携帯端末111および第2の携帯端末112が端末探索信号を受信する。第3の携帯端末113は、この時点で無線エリア110外に存在するので端末探索信号を受信しない。
図10で説明したように端末探索信号を受信した第1の携帯端末111および第2の携帯端末112は、自動的に自端末の携帯端末名とその認証コードを返送する(ステップS203)。
【0062】
ネットワークファクシミリ装置101の制御部144は、ステップS222で端末探索信号を送信すると、これから予め定めた短時間が経過するまでに、携帯端末から携帯端末名と認証コードが送られてくるのを待機する(ステップS223)。予め定めた短時間を待機時間として設定したのは、複数の携帯端末の応答が時間的に競合したときの再送信に要する時間を考慮したためである。この時間内にいずれの携帯端末からも携帯端末名と認証コードが送られてこなかったとき(N)、制御部144は自装置電話帳データ格納部159に格納された電話帳データを用いて表示部123に電話帳を表示して(ステップS224)、処理をステップS221の待機状態に戻す(リターン)。すなわち、この場合、ファクシミリ操作者171はネットワークファクシミリ装置101に元々用意している電話帳データを参照するだけで、拡張的に他の電話帳データを参照して宛先を指定することができない。
【0063】
これに対して、時間内に携帯端末から携帯端末名と認証コードが送られてきた場合(ステップS223:Y)、制御部144はこれらを受信した全携帯端末を表示部123に表示する(ステップS225)。ファクシミリ操作者171は、自装置の電話帳だけでなく、表示された携帯端末の電話帳も選択対象とすることができる(ステップS226)。
【0064】
図12は、ステップS225で表示部に表示された電話帳の選択画面の一例を示したものである。
図6にも示した表示部123には、ネットワークファクシミリ装置101の電話帳と、第1の携帯端末111としてのスマートフォン(hoge)の電話帳および第2の携帯端末112としてのスマートフォン(moge)の電話帳の3種類の電話帳が表示されている。ファクシミリ操作者171は、十字選択キー125を操作することで、図で枠191で示したハイライト領域を上下に移動させて、所望の電話帳を選択することができる。
【0065】
図12に示した例では、第1の携帯端末111としてのスマートフォン(hoge)の電話帳が選択対象となっている。したがって、この表示状態で十字選択キー125の中央のキーを押すと、第1の携帯端末111の電話帳が選択されることになる。
【0066】
このようにして電話帳の選択が行われたら(ステップS226:Y)、制御部144は、それが自装置電話帳データ格納部159に格納されたネットワークファクシミリ装置101自体の電話帳以外のものであるかをチェックする(ステップS227)。もし自装置電話帳データ格納部159に格納されたネットワークファクシミリ装置101自体の電話帳が選択されたのであれば(N)、制御部144は処理をステップS224に進める。すなわちこの場合には、自装置電話帳データ格納部159に格納された電話帳データを用いて表示部123に電話帳を表示することになる。
【0067】
これに対してファクシミリ操作者171が、たとえば
図12に示したように第1の携帯端末111の電話帳のように自装置以外の電話帳を選択した場合(ステップS227:Y)、制御部144は認証要求を行うと共に、受信した認証コードに対応する指紋パターンを認証データ格納部157から読み出す(ステップS228)。制御部144は、ファクシミリ操作者171が認証要求に応じて予め指定した指を指紋センサ129の場所に置くことで指紋の入力を検知すると(ステップS229:Y)、その指紋のパターンを認証データ格納部157から読み出したパターンと比較照合する(ステップS230)。
【0068】
この結果、両指紋のパターンが一致しなかった場合には(ステップS231:N)、所定のエラー処理を行って(ステップS232)、次の処理のためにステップS221の処理に戻る(リターン)。たとえば、このエラー処理ではファクシミリ操作者171に認証が不成功に終わったことを通知して、ステップS224に進み、代りにネットワークファクシミリ装置101自体の電話帳を表示するようにしてもよい。
【0069】
一方、両指紋のパターンが一致して認証が成功した場合(ステップS231:Y)、制御部144はその選択した携帯端末に対する電話帳要求を無線通信部154から送信する(ステップS233)。そして、該当する携帯端末(この例では第1の携帯端末111)から電話帳データが送られてきたら(ステップS234:Y)、制御部144はこれを他端末電話帳データ格納部156に格納する(ステップS235)。そして、この他端末電話帳データ格納部156に格納された電話帳データを用いて表示部123に電話帳を表示して(ステップS236)、処理をステップS221の待機状態に戻す(リターン)。すなわち、この場合、ファクシミリ操作者171は付近に存在した携帯端末の電話帳データを参照して宛先を指定することができる。
【0070】
電話帳データ管理システム100によっては、このとき利用できる電話帳データを、自装置電話帳データ格納部159に格納された電話帳データと他端末電話帳データ格納部156にこの時点で格納した電話帳データの双方としてもよい。この場合には、統合された電話帳データを基にして、より広い範囲内で宛先を選択することができるようになる。
【0071】
なお、以上説明した電話帳の表示制御では、ファクシミリ操作者171が電話帳キー126を押下することで電話帳データの取得処理が開始することにしたが、これ以外の手法を採ってもよい。たとえば、ネットワークファクシミリ装置101が常に所定の時間間隔でステップS222による端末探索信号を送信し、これに対して応答を行う携帯端末を常に把握するようにしておく。そして、ファクシミリ操作者171が電話帳キー126を押下したら、ステップS225による電話帳データを利用可能な全携帯端末の表示を行うようにしてもよい。これにより、電話帳データを利用可能な携帯端末の表示までの時間を短縮することができるという利点がある。これに対して、
図11で説明した処理の方が携帯端末の電力使用量を低く抑えることができるという利点がある。
【0072】
図13は、表示部に電話帳の一部が表示された場合の一例を示したものである。表示部123には、対応する電話帳データを用いて電話や電子メールの宛先の名前のリストが表示される。
図8に示すファクシミリ操作者171が
図6に示す十字選択キー125等の操作を行って枠191で示したハイライト領域を所望の名前に合わせて選択操作を行うことで、ファクシミリ通信あるいはメール通信の宛先を指定することができることになる。
【0073】
図14は、電話帳で宛先を選択した後のネットワークファクシミリ装置の送信処理の概要を表わしたものである。
図6〜
図8と共に説明する。
【0074】
図11のステップS224あるいはステップS236で電話帳を表示部123に表示したら(ステップS251)、制御部144はファクシミリ操作者171が入力部149の操作により送信先を選択するのを待機する(ステップS252)。送信先が選択されたら(Y)、制御部144は選択された送信先と、通信の種類としてのファクシミリあるいは電子メールの別を表示部123に表示して、ファクシミリ操作者171に確認を求める(ステップS253)。
【0075】
この確認表示を見たファクシミリ操作者171がスタートキー130を押下すると(ステップS254:Y)、ネットワークファクシミリ装置101の読取部146が原稿の読み取りを行う(ステップS255)。そして、読み取った画像データを送信の宛先に適合するデータ形式に変換する(ステップS256)。この変換は、ステップS252における送信先の選択で決定されたファクシミリ通信のデータ形式への変換か、メール通信への変換となる。
【0076】
データ形式の変換が終了したら、宛先へのファクシミリあるいは電子メールによる送信が行われ(ステップS257)、全部の送信が終了したら(ステップS258:Y)、制御部144は送信完了画面を表示して(ステップS259)、送信処理を終了する(エンド)。
【0077】
ステップS254でファクシミリ操作者171がスタートキー130の代りに、入力部149を操作して図示しないキャンセルキーを押下した場合には(ステップS260)、送信が行われることなくファクシミリあるいは電子メールの送信が終了する(エンド)。
【0078】
ところで本実施の形態では、既に説明したように
図8に示す無線エリア110内に位置する第1および第2の携帯端末111、112による認証を条件として、これらの電話帳をネットワークファクシミリ装置101に取り込むことが可能である。しかしながら、プライバシの保護の観点からは、
図7に示す他端末電話帳データ格納部156に格納するこれらの電話帳データができるだけ他人の目に触れない段階でネットワークファクシミリ装置101内部から消去されることが好ましい。
【0079】
図15は、他端末電話帳データ格納部に格納された電話帳データの消去処理の様子を表わしたものである。
図6〜
図8と共に説明する。
【0080】
制御部144はファクシミリあるいは電子メールによる送信が完了するのを監視している(ステップS271)。送信が完了すると(Y)、他端末電話帳データ格納部156に他端末の電話帳データが格納されているかをチェックする(ステップS272)。他端末の電話帳データが格納されていない場合には(N)、そのまま処理を終了して、ステップS271の待機状態に戻る(リターン)。
【0081】
一方、他端末電話帳データ格納部156に他端末の電話帳データが格納されていた場合には(ステップS272:Y)、図示しないタイマの計時を開始する(ステップS273)。そして、制御部144は電話帳キー126が押下されない状態での計時時間tが予め定めた待機上限時間t
1を経過するかを判別する(ステップS274、ステップS275)。これは、原稿の送信を終了したファクシミリ操作者171が次の原稿の送信を行うために再び電話帳を使用するときに備えて待機上限時間t
1を超えるまでは他端末電話帳データ格納部156に格納した他端末の電話帳データを消去しないようにしているためである。
【0082】
したがって、電話帳キー126が押下されずに(ステップS274:N)、計時時間tが待機上限時間t
1を超えると(ステップS275:Y)、制御部144はタイマの計時を終了する(ステップS276)。そして、他端末電話帳データ格納部156に格納した他端末の電話帳データをすべて消去して(ステップS277)、処理を終了する(エンド)。
【0083】
この一方で、計時時間tが待機上限時間t
1を超える前に電話帳キー126が押下された場合(ステップS274:Y)、制御部144はタイマの計時内容を「0」にクリアして(ステップS278)、ステップS273に戻って経時を再開することになる。
【0084】
なお、タイマはCPU141がその処理に使用するクロックあるいはこれを分周したクロックをカウントすることで、ソフトウェア的に実現することができる。また、待機上限時間t
1はファクシミリ操作者171がネットワークファクシミリ装置101の設定操作を行う際に自在に変更することができる。
【0085】
次に、認証用の指紋の登録についての処理について説明する。既に説明したように本実施の形態では、
図8に示すネットワークファクシミリ装置101についてのファクシミリ操作者171の指紋パターンが、
図7に示す認証データ格納部157に認証コードと対応させて格納されるようになっている。
【0086】
図16は、本実施の形態の電話帳データ管理システムにおける認証コードの取得を依頼する処理の流れを表わしたものである。ここでは、
図8に示すファクシミリ操作者171が第3の携帯端末113の第3のユーザ163の電話帳データを電話帳データ管理システム100で利用可能にする場合を例に採って説明する。
図6〜
図8と共に説明する。
【0087】
制御部144はネットワークファクシミリ装置101にインストールされている電話帳登録用の専用アプリ(アプリケーション)が起動するのを待機している(ステップS291)。ファクシミリ操作者171が、たとえば
図6に示すファンクションキー132のうちの特定のキーを押すと電話帳登録用の専用アプリが起動する(Y)。これにより、表示部123には他の携帯端末の電話帳データの登録を行う際の許可の依頼を行うためのメール作成画面が表示される(ステップS292)。
【0088】
図17は、電話帳データの登録の許可依頼用のメール作成画面の要部を示したものである。表示部123には、メール本文として、認証コード返送の依頼文および認証コードの返送の仕方を説明した文章が記載されている。
【0089】
ファクシミリ操作者171(
図8)は、自分の名前が表示されていない場合にはこれを入力すると共に、第3の携帯端末113の受信する電子メールのアドレス等の必要事項を入力して(ステップS293)、送信開始を示すスタートキー130を押して(ステップS294:Y)、制御部144によるメールの送信を実行させて(ステップS295)、認証コードの取得依頼処理を終了する(エンド)。
【0090】
図18は、携帯端末による認証コード返送処理の様子を表わしたものである。ここでは
図8を用いて第3の携帯端末113側で行う処理として説明する。
【0091】
第3のユーザ163は、
図17に示した内容を本文とするメールをその所持する第3の携帯端末113の表示画面に表示しているものとする(ステップS301)。この第3の携帯端末113には、電話帳データ管理システム100を実現するために必要なアプリケーションソフトウェアが格納されているものとする。
【0092】
第3のユーザ163は、
図17に示したメール文を読んで、自分の地域活動に使用している電話帳をファクシミリ操作者171に利用してもらってよいと考えたものとする。そこで第3のユーザ163は、第3の携帯端末113の図示しないキーを押して認証コードの返送用に用意された専用アプリの起動の指示を行う。第3の携帯端末113の図示しない制御部はこの指示を検出すると(ステップS302:Y)、この第3の携帯端末113に登録されている電話帳の中から所望の電話帳を選択する画面を表示する(ステップS303)。電話帳が1種類しか登録されていない場合には、これを第3の携帯端末113の表示部に表示する。
【0093】
この例で、第3のユーザ163がその地域活動に使用している電話帳を選択すると(ステップS304:Y)、第3の携帯端末113の制御部は、この電話帳に対応する認証コードを所定のプログラムを用いて自動的に生成する(ステップS305)。そして、この認証コードを組み込んだ返信用メールを自動生成する(ステップS306)。生成した返信用メールは第3の携帯端末113の表示部に表示される(ステップS307)。返信用メールには、第3のユーザ163が地域活動用の電話帳の使用をファクシミリ操作者171に許可する旨の記載と、認証コードが記載されている。
【0094】
第3のユーザ163はこの返信用メールの内容を確認してこれを送信するか、送信を中止する(ステップS308、ステップS309)。送信用の操作が行われた場合(ステップS308:Y)、第3の携帯端末113の制御部は電子メールをネットワークファクシミリ装置101のファクシミリ操作者171宛に送信して(ステップS310)、処理を終了する(エンド)。返信用メールの送信が中止された場合には(ステップS308:N、ステップS309:Y)、認証コードを返送することなく処理を終了する(エンド)。
【0095】
図19は、ネットワークファクシミリ装置側における認証コードの登録処理の様子を表わしたものである。
図6〜
図8と共に説明する。
【0096】
ネットワークファクシミリ装置101の制御部144は、電子メールが受信されると(ステップS321:Y)、その本文が
図18で説明した認証コード取得用の返信用メールであるかをチェックする(ステップS322)。認証コード取得用の返信用メールでない場合には(N)、通常行われるメール受信処理を実行して、処理をステップS321に戻す(リターン)。
【0097】
これに対して、認証コード取得用の返信用メールが受信された場合には(ステップS322:Y)、その電子メールから抽出して、これを認証データ格納部157に登録する(ステップS324)。そして、該当する宛先の認証データがファクシミリ操作者171用に登録されたことを表示部123に表示して(ステップS325)、処理をステップS321に戻す(リターン)。
【0098】
なお、ファクシミリ操作者171は、第3のユーザ163に電話を行ったり、以上説明した書式に沿わない電子メールを送信して、電話帳の利用を打診することができることは当然である。この場合に、第3のユーザ163から認証コードを教えてもらい、これを人手で認証データ格納部157に登録してもよい。不要となった認証コードを同様にファクシミリ操作者171がマニュアルで消去することも当然可能である。
【0099】
本実施の形態の電話帳データ管理システム100では、ファクシミリ操作者171が電話帳データの利用を許可した携帯端末の所持者から認証コードを教えてもらえば、これをネットワークファクシミリ装置101から入力することで電話帳データを取得することが不可能ではない。しかしながら、このためにはファクシミリ操作者171がランダムな数値列または文字列等から構成される認証コードをネットワークファクシミリ装置101にマニュアルで入力する必要がある。また、教えてもらった認証コードを他人が知ると、その他人が電話帳データを取得することも可能になる。
【0100】
更に、ファクシミリ操作者171が、一度入手した他の携帯端末の電話帳データをネットワークファクシミリ装置101に長期間保存しておくことは、既に説明したようにプライバシの保護上で問題が発生するおそれがある。そこで本実施の形態ではファクシミリ操作者171が自分の指紋を登録した場合には、これと個々の認証コードを連結することで、ネットワークファクシミリ装置101における認証コードの個々の入力の手間を省くことができるようにしている。
【0101】
図20は、認証コードの入力の手間を省くための指紋の登録処理を示したものである。ここでは
図8に示すファクシミリ操作者171が認証コードに対応する自分の指紋を登録する場合を例に採って説明する。
図6および
図8と共に説明する。
【0102】
制御部144は、
図11のステップS236のように表示部123に他端末の電話帳が表示されている状態で(ステップS341)、ファクシミリ操作者171が入力部149から指紋登録を入力するか(ステップS342)、あるいはそれ以外の処理を行うか(ステップS343)を監視している。指紋登録の入力は、たとえばメニュー画面の表示を行わせて「指紋登録」という項目をこの中から選択することで行ってもよいし、他端末の電話帳が表示されている状態で専用のファンクションキーを押してもよい。
【0103】
指紋登録の入力が行われた場合には(ステップS342:Y)、制御部144は表示部123に指紋登録指示画面を表示する(ステップS344)。この指紋登録指示画面の指示に沿ってファクシミリ操作者171がセンサ部151に指を置いて、たとえばスタートキー130を押下して登録指示を行うと(ステップS345:Y)、指紋センサ129が指紋の画像を読み取る(ステップS346)。制御部144は、読み取った指紋の画像としての指紋パターンとステップS341で表示した電話帳の認証コードとを連結して認証データ格納部157に登録して(ステップS347)、処理をステップS341に戻す。
【0104】
一方、ステップS341で表示部123に他端末の電話帳が表示されている状態でファクシミリ操作者171が他の処理を選択した場合には(ステップS342:N、ステップS343:Y)、その選択した処理を制御部144が実行して(ステップS348)、電話帳の表示処理を終了することになる(エンド)。
【0105】
この
図20で説明したように認証データ格納部157に指紋パターンと認証コードが組となって登録される。したがって、これ以後は
図11のステップS228で示したように認証コードに対応する指紋パターンが読み出され、指紋パターンが一致すれば電話帳データの取得が可能になる。
【0106】
以上説明した本実施の形態の電話帳データ管理システム100によれば、第1の携帯端末111等の電話帳データの利用を許諾した携帯端末のユーザが特別の操作を行う必要なく、それらに内蔵されている電話帳データをネットワークファクシミリ装置101に利用させることができる。しかも、一定時間が経過するとネットワークファクシミリ装置101に転送した携帯端末の電話帳データが消去されるので、個人情報の秘匿性・安全性を十分確保することができる。
【0107】
また、本実施の形態では短距離無線暗号通信を行うと共に、ブルートゥースによるペアリング以外の手法による認証処理で電話帳データの取得を行う。しかも認証コードは、第1の携帯端末111等の携帯端末側で自動生成させる等により安全性の高いものに設定することができる。
【0108】
更に条件ではネットワークファクシミリ装置101に転送した電話帳データは利用終了後、これを削除するようになっている。したがって、携帯端末に転送した電話帳データがネットワークファクシミリ装置101を通じて流出するという危険性を低減することができ、個人情報の安全性を確保することができる。
【0109】
また、本実施の形態では認証をパスワードと指紋認証の二段階にしているので、認証の安全性を高めることができる。また、認証後に指紋登録した状態には、携帯端末での操作なしに電話帳データをネットワークファクシミリで利用することができる。
【0110】
更に本実施の形態によれば、携帯端末の電話帳データを、短距離無線暗号通信を通じて自動的にネットワークファクシミリ装置に同期させることも可能であり、これによりネットワークファクシミリ装置で電話帳から宛先選択するのと同じ操作で、携帯端末の電話帳データを選択することが可能となる。
【0112】
以上説明した実施の形態では、ネットワークファクシミリ装置101に指紋パターンを用意して指紋認証を行うことにしたが、本発明はこれに限るものではない。ファクシミリ操作者171が本人確認を行うための既知の固定文字列を登録しておき、これをID(identification)として照合に用いることで、指紋認証の代わりとすることができる。
【0113】
これにより、ネットワークファクシミリ装置101から指紋センサ129を省略することができ、そのコストダウンを図ることができる。しかも認証と電話帳データの転送処理に携帯端末側の操作が不要であるという本発明の利便性を確保することができる。IDとして使用する固定文字列は、ファクシミリ操作者171が任意に定めることができる他、携帯端末の電話番号の全部または一部分、SIM(Subscriber Identity Module)番号等のその他携帯端末に付属するIDを使用することも可能である。
【0114】
また、以上説明した実施の形態では
図8に示す無線エリア110内に携帯端末が入った状態で、あるいは電話帳キーが押されたとき(
図11ステップS221参照)に携帯端末の探索が行われるようにしたが、これに限るものではない。ファクシミリ操作者171がネットワークファクシミリ装置101の特定の専用アプリを立ち上げない限り、電話帳データを取得するための携帯端末の探索を開始しないようにしてもよい。
【0115】
更に、実施の形態では電話帳データを所定の時間以上使用しないときに、他端末電話帳データ格納部156に格納した他端末の電話帳データをすべて消去することにした(ステップS277)。本発明はこのようにタイマの制御で電話帳データを消去する以外の手法を採って電話帳データの消去あるいは削除を行うことができる。
【0116】
図21は、本発明の変形例としての電話帳の削除処理を説明するための表示部の表示状態の一例を表わしたものである。この変形例で
図6に示すネットワークファクシミリ装置101の表示部123には、たとえば
図8に示す第1の携帯端末111の電話帳データを参照している状態を示す「宛先を選択中」という文字が表示されている。この文字のすぐ下には、回線を切断する切断ボタン401が表示されている。
【0117】
ファクシミリ操作者171は、第1の携帯端末111の電話帳データを参照して必要な宛先指定を行ったら、まだその宛先へのファクシミリ通信あるいはメール通信を開始していない状態でも、切断ボタン401を押すことができる。これにより、ネットワークファクシミリ装置101と第1の携帯端末111の無線暗号通信が直ちに停止する。また、ネットワークファクシミリ装置101の制御部144は、回線の切断を検出すると、第1の携帯端末111から取得していた電話帳データを他端末電話帳データ格納部156から削除する。電話帳データを他端末電話帳データ格納部156に格納せず、バッファメモリに一時的に格納していた状態であれば、このバッファメモリ内の第1の携帯端末111から取得した電話帳データを削除する。このようにして無線暗号通信に要する電力消費の低減と、電話帳データのセキュリティの確保を図ることができる。
【0118】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0119】
(付記1)
自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する比較用認証コード格納手段と、
前記特定端末が前記無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信手段と、
この認証情報受信手段によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示手段と、
この名称表示手段によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択手段と、
この電話帳データ選択手段によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出手段と、
この比較用認証コード読出手段によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択手段で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較手段と、
このコード比較手段により一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求手段と、
この電話帳データ送信要求手段の要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納手段
とを具備することを特徴とするファクシミリ装置。
【0120】
(付記2)
前記無線暗号通信で前記特定端末の探索を行う端末探索信号を送信する端末探索信号送信手段を備え、前記受信エリアに存在する前記特定端末がこの端末探索信号を受信して前記認証情報を送信してきたとき前記認証情報受信手段は前記認証情報を受信することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0121】
(付記3)
前記特定端末は、所定の時間間隔を置いて前記認証情報を送信しており、前記認証情報受信手段はこれら特定端末が前記受信エリアに入ったとき前記認証情報を受信することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0122】
(付記4)
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを送信する電話帳データ取得依頼用メール送信手段と、
この電話帳データ取得依頼用メール送信手段の送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から認証コードを抽出する認証コード抽出手段を更に具備し、
前記比較用認証コード格納手段は前記認証コード抽出手段によって抽出した認証コードをその携帯端末としての特定端末の比較用認証コードとして格納することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0123】
(付記5)
自装置を使用してファクシミリ通信あるいはメール通信を行う操作者の指紋パターンを格納する指紋パターン格納手段と、
この指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと前記比較用認証コードを対応付けるコード対応付け手段と、
前記操作者の指紋パターンを読み取る指紋パターン読取手段と、
この指紋パターン読取手段の読み取った指紋パターンを指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと比較する指紋パターン比較手段
とを更に具備し、
前記コード比較手段は前記指紋パターン読取手段の読み取った指紋パターンが前記指紋パターン比較手段で前記指紋パターン格納手段に格納した指紋パターンと一致すると判別したとき比較結果が一致すると判別することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0124】
(付記6)
前記認証コードは4桁を超えるランダムな数値列または文字列あるいはこれらの組み合わせから構成されていることを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0125】
(付記7)
前記認証コードは前記特定端末側で自動生成されることを特徴とする付記4記載のファクシミリ装置。
【0126】
(付記8)
前記電話帳データ格納手段に格納した前記特定端末から送られてきた電話帳データの未使用状態での経過時間を測定する経過時間測定手段と、
この経過時間測定手段が予め定めた有限時間を測定したとき前記電話帳データ格納手段に格納した前記特定端末から送られてきた電話帳データを消去する電話帳データ消去手段
とを更に具備することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0127】
(付記9)
前記特定端末と前記無線暗号通信で通信中であることを表示する通信中表示手段と、
この通信中表示手段が通信中であることを表示中に通信の切断を指示するボタンが押下を検出する切断指示検出手段と、
この切断指示検出手段が前記通信の切断の指示を検出したとき前記特定端末との通信を切断すると共に、この特定端末から受信した前記電話帳データを前記電話帳データ格納手段から消去する切断対応手段
とを更に具備することを特徴とする付記1記載のファクシミリ装置。
【0128】
(付記10)
自装置が予め定めた携帯端末としての特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の無線暗号通信での認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードをそれぞれ比較用認証コードとして格納する比較用認証コード格納手段と、前記特定端末が前記無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、前記認証コードとその特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信手段と、この認証情報受信手段によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示手段と、この名称表示手段によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択手段と、この電話帳データ選択手段によって選択された電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出手段と、この比較用認証コード読出手段によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択手段で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較手段と、このコード比較手段により一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求手段と、この電話帳データ送信要求手段の要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納手段とを具備するファクシミリ装置と、
自端末の電話帳データを格納した電話帳データ格納手段と、前記無線暗号通信で前記ファクシミリ装置と通信を行う無線暗号通信手段とを具備する携帯端末
とを具備することを特徴とする電話帳データ管理システム。
【0129】
(付記11)
前記携帯端末は、前記ファクシミリ装置が前記認証コードの通知を要求してきたときこの認証コードを自動生成する認証コード自動生成手段を更に具備することを特徴とする付記10記載の電話帳データ管理システム。
【0130】
(付記12)
予め定めた携帯端末としての特定端末が自装置の無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、これら特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードと特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信ステップと、
この認証情報受信ステップによって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示ステップと、
この名称表示ステップによって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択ステップと、
この電話帳データ選択ステップで選択した電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記特定端末ごとに取り決めた認証コードの格納を行う所定の比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出ステップと、
この比較用認証コード読出ステップによって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択ステップで選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較ステップと、
このコード比較ステップで一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求ステップと、
この電話帳データ送信要求ステップでの要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納ステップ
とを具備することを特徴とする電話帳データ管理方法。
【0131】
(付記13)
自装置を使用してファクシミリ通信あるいはメール通信を行う操作者の指紋パターンを格納する指紋パターン格納ステップと、
この指紋パターン格納ステップで格納した指紋パターンと前記比較用認証コードを対応付けるコード対応付けステップと、
前記操作者の指紋パターンを読み取る指紋パターン読取ステップと、
この指紋パターン読取ステップで読み取った指紋パターンを指紋パターン格納ステップで格納した指紋パターンと比較する指紋パターン比較ステップ
とを更に具備し、
前記コード比較ステップでは、前記指紋パターン読取ステップで読み取った指紋パターンが前記指紋パターン比較ステップで前記指紋パターン格納ステップによって格納した指紋パターンと一致すると判別したとき比較結果が一致すると判別することを特徴とする付記12記載の電話帳データ管理方法。
【0132】
(付記14)
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを送信する電話帳データ取得依頼用メール送信ステップと、
この電話帳データ取得依頼用メール送信ステップで送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から認証コードを抽出する認証コード抽出ステップを更に具備し、
前記比較用認証コード格納ステップでは前記認証コード抽出ステップによって抽出した認証コードをその携帯端末としての特定端末の比較用認証コードとして格納することを特徴とする付記12記載の電話帳データ管理方法。
【0133】
(付記15)
ファクシミリ装置のコンピュータに、
予め定めた携帯端末としての特定端末が自装置の無線暗号通信の受信エリアに存在するとき、これら特定端末の所持する電話帳の内容を表わした電話帳データを受信する際の認証用に前記特定端末ごとに取り決めた認証コードと特定端末の名称を認証情報として前記無線暗号通信によって受信する認証情報受信処理と、
この認証情報受信処理によって受信した特定端末あるいは電話帳データの名称を表示する名称表示処理と、
この名称表示処理によって表示した特定端末あるいは電話帳データの名称を基に取得を希望する電話帳データを選択する電話帳データ選択処理と、
この電話帳データ選択処理で選択した電話帳データを所持する特定端末についての比較用認証コードを前記特定端末ごとに取り決めた認証コードの格納を行う所定の比較用認証コード格納手段から読み出す比較用認証コード読出処理と、
この比較用認証コード読出処理によって読み出した比較用認証コードと前記電話帳データ選択処理で選択した特定端末に対応する前記認証コードとを比較するコード比較処理と、
このコード比較処理で一致するとされた前記認証コードに対応する特定端末に対して電話帳データの送信を前記無線暗号通信で要求する電話帳データ送信要求処理と、
この電話帳データ送信要求処理での要求に応じて前記無線暗号通信で電話帳データが送られてきたときこれを自装置の電話帳データを格納する場所に格納する電話帳データ格納処理
とを実行させることを特徴とする電話帳データ管理プログラム。
【0134】
(付記16)
電話帳データの受信を希望する携帯端末に対して前記無線暗号通信の認証用に使用する認証コードを記載して返信を行うことを依頼する電子メールを送信する電話帳データ取得依頼用メール送信処理と、
この電話帳データ取得依頼用メール送信処理で送信した電子メールに対して電話帳データ取得を許可する電子メールが返送されてきたとき、このメール文から認証コードを抽出する認証コード抽出処理を更に前記コンピュータが実行し、
前記比較用認証コード格納処理では前記認証コード抽出処理によって抽出した認証コードをその携帯端末としての特定端末の比較用認証コードとして格納することを特徴とする付記15記載の電話帳データ管理プログラム。