(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれアクティブ領域とデッド領域を有し、互いに対向する第1バッファ層及び第2バッファ層上に、トランジスタ及び有機発光ダイオードアレイと、タッチ電極アレイを有する有機発光表示装置において、
前記第2バッファ層のデッド領域のうち一部に形成されたタッチパッド部と、
前記タッチパッド部にそれぞれ離隔して形成された複数個のタッチパッドと、
前記第1バッファ層のデッド領域に、前記複数個のタッチパッドのそれぞれに対応する複数個の第1バッファ層のパッドを含む第1バッファ層のパッド部と、
前記タッチパッド部と前記第1バッファ層のパッド部との間に複数個の導電性ボールを含むシール材と、を含んでなり、
前記タッチパッド部周辺のデッド領域及び複数個のタッチパッド間で、前記シール材と接する前記第2バッファ層の最上面は無機膜であることを特徴とする、有機発光表示装置。
前記タッチパッドは、それぞれ前記第2バッファ層上に形成されている金属層と、前記金属層との間に層間絶縁膜を介在されてコンタクトしている透明導電パターンとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
前記シール材の縁部で接する前記第2バッファ層の最上面は、前記層間絶縁膜が除去された前記第2バッファ層であることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光表示装置。
前記二重層の透明導電膜材料の第1層は、前記タッチ電極アレイをなす互いに交差する第1、第2電極と同一層であり、第2層は、前記第1、第2電極を覆う共通電極パターンと同一層であることを特徴とする、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、有機発光表示装置(Organic Emitting Display Device)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、量子ドット表示装置(Quantum Dot Display Device)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display Device:EPD)などを挙げることができる。これらは共通して画像を具現する平板表示パネルを必須の構成要素としており、平板表示パネルは、固有の発光または偏光、或いは、その他の光学物質層を介して一対の透明絶縁基板を貼り合せた構成を有する。
【0003】
最近、表示装置の大型化に伴い、空間の占有が少ない平面表示素子としての要求が増大しており、このような平面表示素子のうちの一つとして、有機発光表示装置に関する技術が急速に発展している。
【0004】
有機発光表示装置は、別途の光源を必要とせず、内部にピクセル単位で自発光の有機発光ダイオードを含んで表示がなされるもので、光源及びこれを表示パネルと組み立てるための構造物を省略できる利点がある。したがって、薄型軽量化の利点が大きいので、次世代の表示装置として考慮されている。
【0005】
前記有機発光ダイオードは、電子注入電極(陰極)と正孔注入電極(陽極)との間に形成された有機膜に電荷を注入すると、電子と正孔が対をなした後に、消滅しながら光を発する素子である。
【0006】
一方、このような有機発光表示装置に、人の手や別途の入力手段を通じてタッチ部位を認識し、これに対応して別途の情報を伝達できるタッチスクリーンを付加する要求が増加している。現在、このようなタッチスクリーンは、表示装置の外部表面に付着する形態で適用されている。
【0007】
そして、タッチ感知方式によって、抵抗方式、静電容量方式、赤外線感知方式などに分類され、製造方式の容易性及びセンシング力などを勘案して、小型モデルにおいては、最近、静電容量方式が注目されている。
【0008】
以下、図面を参照して、従来のタッチスクリーン付き有機発光表示装置について説明する。
【0009】
図1は、従来のタッチスクリーン付き有機発光表示装置を示す断面図である。
【0010】
図1のように、従来のタッチスクリーン付き有機発光表示装置は、下から順に、有機発光表示パネル1、タッチスクリーン2及びカバーウィンドウ3が積層されており、各層の間に第1、第2接着層15,25が備えられる。
【0011】
ここで、前記有機発光表示パネル1は、基板と、基板上のマトリックス状の配列を有する薄膜トランジスタアレイと、薄膜トランジスタアレイの各薄膜トランジスタと接続された有機発光ダイオードとを含み、有機発光ダイオードの上部を覆うように保護膜及び偏光層が備えられる。この場合、前記有機発光表示パネル1の偏光層上に第1接着層15が対応する。そして、タッチスクリーン2とカバーウィンドウ3との間に、これらを接着する第2接着層25が形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来のタッチスクリーン付き有機発光表示装置は、次のような問題点がある。
【0013】
第一、各々独立して有機発光表示パネルとタッチスクリーンを形成した後、タッチスクリーンを前記有機発光表示パネルに付着する場合、有機発光表示パネルとタッチスクリーンのそれぞれのガラスが要求される。したがって、ガラスを備えることにより、硬度が高く、厚さが厚いため、薄膜化及びフレキシブルな形態の具現が不可能である。
【0014】
第二、有機発光表示パネルとタッチスクリーンが全て個別的なパネルの形態を有するため、これを形成するための工程が複雑であり、これによって収率が低下し、価格競争力が低下する。
【0015】
第三、有機発光表示パネルの外部光視認を防止するために偏光板が備えられるが、偏光板は、約150μm以上の厚さを有し、高価であり、また、透過率を低下させる要素である。したがって、偏光板は、表示装置に用いられる場合、装置の柔軟性を低下させる構成要素であるだけでなく、コスト的に負担が大きいため、視認性の低下を防止できる他の構成への代替が要求されている。
【0016】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、インセル型のタッチ電極アレイを備えた構造において、透湿防止に効果的な有機発光表示装置を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記のような目的を達成するための本発明の有機発光表示装置は、それぞれアクティブ領域とデッド領域を有し、互いに対向する第1バッファ層及び第2バッファ層上に、トランジスタ及び有機発光ダイオードアレイと、タッチ電極アレイを有する有機発光表示装置において、前記第2バッファ層のデッド領域のうち一部に形成されたタッチパッド部と;前記タッチパッド部にそれぞれ離隔して形成された複数個のタッチパッドと;前記第1バッファ層のデッド領域に、前記複数個のタッチパッドのそれぞれに対応する複数個のダミーパッドを含むダミーパッド部と;前記タッチパッド部と前記ダミーパッド部との間に複数個の導電性ボールを含むシール材と;を含んでなり、前記タッチパッド部周辺のデッド領域及び複数個のタッチパッド間に、前記シール材と接する前記第2バッファ層の最上面は無機膜であることにその特徴がある。
【0018】
前記タッチパッドは、それぞれ前記第2バッファ層上に形成されている金属層と、前記金属層との間に層間絶縁膜を介在されてコンタクトしている透明導電パターンとを含むことができる。
【0019】
また、前記シール材の縁部で接する前記第2バッファ層の最上面は、SiNxまたはSiOxであってもよい。
【0020】
または、前記シール材の縁部で接する前記第2バッファ層の最上面は、透明導電膜であってもよい。
【0021】
前記シール材の縁部で接する前記第2バッファ層の最上面は、前記層間絶縁膜が除去された第2バッファ層であってもよい。
【0022】
ここで、前記タッチパッドの層間絶縁膜の側壁は、前記SiNxまたはSiOxが覆うことが好ましい。
【0023】
そして、前記タッチパッドの層間絶縁膜は、有機絶縁膜であってもよい。
【0024】
また、前記タッチパッドの透明導電パターンと前記透明導電膜は、同一層であってもよい。
【0025】
前記透明導電パターンは、前記複数個のタッチパッド間に離隔して分離されていることが好ましい。
【0026】
また、前記透明導電パターンは、二重層の透明導電膜材料からなるものであってもよい。
【0027】
そして、前記二重層の透明導電膜材料の第1層は、前記タッチ電極アレイをなす互いに交差する第1、第2電極と同一層であり、第2層は、前記第1、第2電極を覆う共通電極パターンと同一層であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
上記のような本発明の有機発光表示装置は、次のような効果がある。
【0029】
第一、インセル型のタッチ電極アレイを含む有機発光表示装置は、カバーガラスの内側面にタッチ電極パターン、及びそれを駆動するためのタッチパッドが形成される。したがって、前記タッチパッドと、これと対向する薄膜トランジスタアレイ及び有機発光アレイの面に形成されたパッド側とを連結するFPCB(Flexible Printed Circuit Bonding)作業を行う。この場合、タッチパッドと、対向する薄膜トランジスタアレイ及び有機発光アレイ面のパッド間のコンタクトは、導電性ボールを含むシール材でなされ、本発明のように、シール材の縁部と接するタッチ電極アレイが形成された第2バッファ層の最上面を無機膜で維持して、特定の高温及び高湿の条件に耐える環境信頼性の評価後にもコンタクト特性をよく維持することができる。
【0030】
第二、このような無機膜を形成する時、別途の工程を追加することなく、タッチ電極アレイの形成に用いられる層間絶縁膜及び透明導電膜を用いるので、マスクの追加なしに、信頼性が改善された構造を形成することができる。
【0031】
第三、シール材の縁部の最上面だけでなく、タッチパッド間の側壁にも無機膜を覆うようにして、水分及び高温に弱い有機保護膜の露出を防止して信頼性向上を最適化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の有機発光表示装置及びその製造方法を詳細に説明すると、次の通りである。
【0034】
最近、有機発光表示装置は、タッチ認識の要求と共に薄膜化及びフレキシブル化の要求が急増している。そこで、薄膜トランジスタ及び有機発光アレイを第1基板に形成し、タッチ電極アレイを第2基板に形成した後に、これらを貼り合せた後、材質が硬く、厚い第1、第2基板をレーザーまたは蝕刻方式で除去して、薄膜化及びフレキシブル化を図る方式が紹介されている。この場合、タッチ電極アレイのパッド部は、前記有機発光アレイのパッド部と対向し、導電性ボールを通じて接続されて、タッチ電極アレイへの信号伝達及びタッチ電極アレイからの信号検出が可能である。
【0035】
以下、タッチ電極アレイをカバーガラスの内側に備えたインセル(In cell)型の有機発光表示装置について説明する。
【0036】
図2は、本発明の有機発光表示装置を示す平面図で、
図3は、
図2のI〜I’線上の断面図である。
【0037】
図2及び
図3のように、本発明の有機発光表示装置は、互いに異なる大きさのフィルム基板1000とカバーガラス3000のそれぞれの内側面に形成された有機発光アレイ150とタッチ電極アレイ230とが接着層400により貼り合わせられている。
【0038】
また、本発明の有機発光表示装置は、これらのアレイがそれぞれフィルム基板1000やカバーガラス3000に直接形成されるのではなく、別途のガラス素材の第1基板(図示せず)、第2基板(図示せず)を設けて、これらの基板上に形成した後、有機発光アレイ150とタッチ電極アレイ230との間の接着層により貼り合わせた(すなわち、第1、第2基板を維持した状態で貼り合わせ工程が行われる)後に、薄膜化及びフレキシブル化のためにレーザ照射または蝕刻などの方法によって第1、第2基板を除去したものである。この場合、
図2では、ガラス成分の第1、第2基板が除去されて露出されたアレイの背面側に、保護のためにフィルム基板1000及びカバーガラス3000を付着して対応したことを示す。
【0039】
ここで、前記フィルム基板1000上には、フィルム接着層1100、第1蝕刻防止層120、第1バッファ層130、薄膜トランジスタアレイ140及び有機発光アレイ150が順次形成され、前記有機発光アレイ150を覆うように保護層160が形成されている。前記カバーガラス3000上には、第2蝕刻防止層210、第2バッファ層220及びタッチ電極アレイ230が配置される。ここで、前記タッチ電極アレイ230が前記有機発光アレイ150と対向するように位置する。このとき、前記接着層400によって直接接する面はそれぞれ、下部では保護層160であり、上部ではタッチ電極アレイ230である。
【0040】
前記第1バッファ層130及び第2バッファ層220は、それぞれアクティブ領域とデッド領域が定義されており、タッチ電極アレイ230、有機発光アレイ150及びパッド部を除外した薄膜トランジスタアレイ140内の薄膜トランジスタは、前記アクティブ領域内に形成される。そして、デッド領域のうち一部にタッチ電極パッド部2350及び薄膜トランジスタアレイのパッド部が定義される。
【0041】
ここで、第1蝕刻防止層120及び第2蝕刻防止層210は、レーザ照射や蝕刻工程において、第1、第2基板のガラス素材の他に、内部のアレイの損傷を防止するために備えられる層である。場合によって、前記第1、第2基板の除去時に、下部に位置した第1、第2バッファ層130,220の損傷がない水準に維持されれば、前記第1又は/及び第2蝕刻防止層120,210は省略してもよい。
【0042】
そして、前記第1バッファ層130及び第2バッファ層220は、それぞれ酸化膜(SiO
2)または窒化膜(SiNx)のような無機膜を同一種類で連続して積層したり、または互いに異なる無機膜を交互に積層してなされる。前記第1、第2バッファ層130,220は、前記第1基板上に前記第2基板を貼り合わせる以後の工程で、前記有機発光アレイ150へ水分や外気が浸透することを防止するバリアとして機能するようにする。
【0043】
そして、前記タッチ電極アレイ230と共にタッチパッド部2350が第2バッファ層220の同一面に形成される。
【0044】
前記タッチパッド部2350は、前記接着層400による上下貼り合わせ過程で、導電性ボール455を含むシール材450によって薄膜トランジスタアレイ140のパッド部に接続される。前記接着層400は、透湿を防止する機能を有し、前記有機発光アレイ150を覆う保護層160と直接対面して接して、前記保護層160が有する機能に加えて、有機発光アレイ150へ外気が入ることを防止し、水分透湿をより確実に防ぐ。
【0045】
ここで、前記パッド部を含む薄膜トランジスタアレイ140は、前記タッチ電極アレイ230より一側が突出するように形成される。これは、突出した部分に、前記タッチ電極アレイ及び薄膜トランジスタアレイと有機発光アレイを共に駆動するための信号を伝達するIC500を備えるためである。図示してはいないが、前記IC500と薄膜トランジスタアレイ駆動パッド、ダミーパッドは、前記IC500と第1バッファ層130に形成された配線(図示せず)によって接続される。そして、前記IC500は、FPCB(Flexible Printed Circuit Board)(図示せず)とボンディングされて接続され、FPCBに備えられたコントローラ(図示せず)により制御され得る。前記ダミーパッドは、アクティブ領域の外郭のデッド領域のうち前記タッチパッド部と対応する領域に、ゲートラインまたはデータラインをなす金属と同一層に形成する。
【0046】
前記タッチパッド部2350は、前記第2バッファ層220上に形成され、前記第1バッファ層130が第2バッファ層220に比べて相対的に突出した部分と隣接した辺の両外郭に形成される。そして、これらのタッチパッド部2350において、両外郭のうち一つは、タッチ電極アレイのうちX軸方向の第1電極の電圧印加または検出のための複数個のパッド電極に区分されて形成され、残り一つは、Y軸方向の第2電極の電圧印加または検出のための複数個のパッド電極に区分されて形成される。
【0047】
前記タッチパッド部2350と接続される導電性ボール455は、前記薄膜トランジスタアレイ140の外郭側に形成されたダミー電極(図示せず)に電気的に接続される。
【0048】
ここで、実際の工程時に、接着層400とシール材450はそれぞれ、互いに領域を区分して塗布して形成する。
【0049】
一方、前記シール材450の縁部で接する前記第2バッファ層220の最上面は無機膜で、これは、一種のバリアであって、外部の水分あるいは外気などが前記シール材450を伝って入って来てタッチ電極及びダミー電極間のコンタクト特性の劣化を起こすことを防止する。
【0050】
一方、
図2のように、本発明の有機発光表示装置は、フィルム基板1000と、前記フィルム基板1000上に順次形成された第1蝕刻防止膜120及び第1バッファ層130と、前記第1バッファ層130上にマトリックス状に画素が定義され、各画素別に薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタアレイ140と、前記各画素の薄膜トランジスタと接続された有機発光アレイ150と、パッド部を除外した前記薄膜トランジスタアレイ140及び有機発光アレイ150を覆う保護層160と、前記保護層160との間に接着層400を介在して接着されたタッチ電極アレイ230と、前記タッチ電極アレイ230上に順次形成された第2バッファ層220及び第2蝕刻防止膜210と、前記第2蝕刻防止膜210の上側に位置するカバーガラス3000と、を含んでなる。
【0051】
ここで、前記カバーガラス3000は、前記第2蝕刻防止膜210との間に別途の接着層を介在して付着してもよく、又は、機構的な方法あるいはその他の方法を使用して、前記第2蝕刻防止膜210の上側に載せるだけでもよい。このようなカバーガラス3000は、使用者の直接的なタッチ動作から内部のアレイの損傷が生じることを防止し、保護する機能をする。
【0052】
このような本発明の有機発光表示装置においては、約0.7mm程度で、表示装置において最も大きい厚さを有するガラス基板の使用を、出来上がった装置において省略して薄膜化が可能であり、薄膜トランジスタアレイ140、有機発光アレイ150及びタッチ電極アレイ230などを支持する機能を有する基板として、プラスチック絶縁性フィルムであるフィルム基板1000を用いることにより、撓ませたり曲げることができる柔軟性のある表示装置の具現が可能である。
【0053】
また、薄膜トランジスタアレイ140、有機発光アレイ150及びタッチ電極アレイ230などのアレイ形成工程時には、直接フィルム基板上に形成する場合、蒸着、パターニングなどのための装備から加わる熱などの条件で、フィルム基板の熱膨張が生じるため、工程が正常に行われることができない。そのため、これを防止するために、前記薄膜トランジスタアレイ140の形成前及びタッチ電極アレイ230の形成前に、その下部にそれぞれ蝕刻防止膜120,210とバッファ層130,220をガラス基板上に形成した後、実質的にアレイの形成は、ガラス基板を蒸着またはパターニング装備にローディングしてなされる。
【0054】
一方、前記薄膜トランジスタアレイ140は、互いに交差して画素を定義するゲートラインとデータライン、及び前記ゲートラインとデータラインの交差部に形成された薄膜トランジスタを含んで形成され、前記薄膜トランジスタアレイ140のパッド部は、前記ゲートライン及びデータラインの形成工程でパッド部金属を形成する。
【0055】
そして、前記有機発光アレイ150は、少なくとも前記画素に形成された第1電極と、これと離隔した上部層に形成された第2電極と、前記第1、第2電極間の層間に形成された有機発光層とを含む。ここで、前記第1電極は、前記薄膜トランジスタのドレーン電極と接続されることができる。
【0056】
また、前記第1蝕刻防止膜120及び第2蝕刻防止膜210は、例えば、ポリイミド(polyimide)またはフォトアクリル(photo acryl)などであってもよい。
【0057】
前記第1、第2蝕刻防止膜120,210は、約1μm〜20μmの範囲の厚さに形成する。
【0058】
そして、前記第1バッファ層130及び第2バッファ層220は、有機発光アレイに備えられた有機膜に酸素や水分の浸透が発生することを防止するために備えられたもので、一種の下部から入る外気または水分の浸透を防止するバリアとして機能するものである。
【0059】
前記第1バッファ層130及び第2バッファ層220は、複数層の無機膜で形成する。例えば、前記複数層の無機膜は、SiNxまたはSiO
2の連続積層または交互積層によりなされることができる。実験上、前記第1、第2バッファ層130,220を、2層以上で約5000Å〜6500Åの厚さに積層する時に、外気または水分の浸透が防止されることを確認することができた。前記第1、第2バッファ層130,220のそれぞれの総厚さは1μm以下にして、タッチスクリーン一体型表示装置の厚さを増加させないようにする。
【0060】
一方、
図4は、比較例の有機発光表示装置のパッド部の水分透湿現象を示した断面図である。
【0061】
すなわち、
図4のような比較例のように、シール材450と直接接する第2層間絶縁膜64が、フォトアクリル(PA:Photo Acryl)のような有機絶縁膜材料である場合、露出された第2層間絶縁膜64の側部から水分あるいは外気などが伝って入って来て導電性ボール4550に直接的に影響を与えたり、またはタッチパッド側の金属層61と透明導電層63、65との間の第1層間絶縁膜62に影響を与える。したがって、外部の水分による影響により、タッチパッドと導電性ボールとの間のコンタクト特性が低下し、また、アクティブ領域と連結されている第1層間絶縁膜62または第2層間絶縁膜64を有する構造において、タッチ電極アレイ内の特性の低下を生じさせ得る原因になることもある。
【0062】
本発明の有機発光表示装置は、このような問題を解決するために案出されたもので、特に、前記シール材の縁部で直接接する第2バッファ層の最上面の成分を無機膜とすることで、高温あるいは高湿の条件で信頼性のある材料によりシール材の縁部領域の透湿を防止したものである。
【0063】
以下、本発明のタッチ電極アレイの具体的な構成を説明すると、次の通りである。
【0064】
図5は、本発明の第1実施例に係る平面図で、
図6は、
図5のII〜II'線上の断面図で、
図7は、
図5のIII〜III'線上の断面図である。
【0065】
図5乃至
図7のように、本発明の第1実施例の第2バッファ層220上の構造は、次の通りである。
【0066】
図5のように、第2バッファ層220は、タッチを感知できる互いに交差する形態の第1電極2331及び第2電極2332が形成されたアクティブ領域と、その外郭のデッド領域とに区分できる。
【0067】
ここで、前記第2バッファ層220のデッド領域のうち一部に、複数個の離隔したタッチパッド2351bを含むタッチパッド部が定義される。
図2を参照すると、前記タッチパッド部2350は、第2バッファ層220の両縁部に位置することがわかる。
【0068】
そして、前記デッド領域において前記第1電極2331及び第2電極2332の端部は、ルーティング配線231b,231cを通じて前記タッチパッド2351bと連結される。
【0069】
図5乃至
図7を通じて、タッチパッド及びその周辺部の断面を見ると、前記タッチパッドは、第2バッファ層220上に、金属層231と、コンタクトホール232aを備えて形成された第1層間絶縁膜232と、前記第1層間絶縁膜232上に前記コンタクトホールを通じて前記金属層231と接続した第1透明導電膜233と、前記第1透明導電膜233上に形成された第2層間絶縁膜234と、前記第2層間絶縁膜234上に形成された共通電極パターン235とを含んでなる。
【0070】
そして、前記露出された第2バッファ層220の上部及びタッチパッドの側壁を覆うように前記第3層間絶縁膜236が形成される。
【0071】
ここで、前記第3層間絶縁膜236は、SiNxまたはSiOxのような無機膜であり、シール材450と縁部で直接接して、外気または水分が、タッチパッドが存在する領域に入ることを防止する。
【0072】
ここで、金属層231は、前記アクティブ領域の金属ブリッジ231と同一層であり、前記第1透明導電膜233は、アクティブ領域の互いに交差する第1、第2電極2331,2332と同一層である。一方、説明していない2332cは、前記縦方向の第2電極2332と一体型の連結パターンであって、横方向の離隔した第1電極2331の間に存在する。そして、前記金属ブリッジ231は、離隔して隣接した第1電極2331を、前記第2電極連結パターン2332cを横切って接続する。
【0073】
一方、前記第1層間絶縁膜232は、前記タッチパッドの金属層231及び第1透明導電膜233の層間だけでなく、前記金属ブリッジ231及び第1、第2電極2331、2332、2332c間の接続部を除外した層間にも形成される。
【0074】
また、前記第2層間絶縁膜234は、前記第1電極2331及び第2電極2332と共通電極2335との間の層間に位置する。ここで、前記共通電極2335は、パッドと連結されないフローティングパターンであって、対向する薄膜トランジスタアレイあるいは有機発光ダイオードの駆動遮蔽機能をすることができる。
【0075】
また、前記第3層間絶縁膜236は、前記アクティブ領域に全面形成されることができ、前記複数個のタッチパッドの間及び残りのデッド領域に全面形成されることができる。
【0076】
そして、シール材450の内部の導電性ボール455は、互いに連続接続されてコンタクトされた第1、第2透明導電膜233,235の上部面(図面上の第2透明導電膜235)と接続する。
【0077】
ここで、前記共通電極2335及び前記第2透明導電膜235は省略することができ、この場合、第2層間絶縁膜234が無機絶縁膜成分になって前記タッチパッド間に存在して、シール材450の縁部において透湿防止機能を代替することができる。
【0078】
図8は、本発明の第2実施例に係る平面図で、
図9は、
図8のIV〜IV’線上の断面図である。
【0079】
図8及び
図9のように、本発明の第2実施例に係る有機発光表示装置の第2バッファ層は、前記第3層間絶縁膜がタッチパッド及び周辺部に形成された点(アクティブ領域において前記第3層間絶縁膜が省略された点)を除いては、同じ構造からなる。
【0080】
この場合にも、前記シール材の縁部において、前記シール材450と無機膜成分の前記第3層間絶縁膜236とが直接接するので、水分などのバリア機能を有する無機膜成分がシール材450の縁部に存在して、高温高湿または高温などの条件で長時間放置する環境信頼性検査を経た後にも、タッチパッドの安定したコンタクト特性を維持できるようになる。
【0081】
以下の実施例は、別途のマスク追加工程なしに、水分及び外気に強い構造を提案したものである。
【0082】
図10は、本発明の第3実施例に係る平面図で、
図11は、
図10のV〜V’線上の断面図である。
【0083】
図10及び
図11のように、本発明の第3実施例は、タッチパッドの上部層を透明導電膜233,235とするだけでなく、シール材450の縁部と接する前記第2バッファ層220の最上面を透明導電膜233,235としたものである。この場合、タッチパッド部2350の内部の複数個のタッチパッド2351bの間は、離隔した透明導電膜233,235に分離され、タッチパッド部2350の外郭のデッド領域に透明導電膜233A,235Aを形成して、タッチパッドを除外した部位においてシール材450と接する面及び露出されたデッド領域の表面が透明導電膜になって、水分及び外気がタッチパッドの層間絶縁膜に影響を及ぼすことを防止する。
【0084】
ここで、前記ルーティング配線231bのそれぞれは、その上部に透明導電膜233,235が覆われるように形成されるので、ルーティング配線231bが酸化することを前記透明導電膜233,235が防止している。ここで、前記透明導電膜233,235の幅は、前記ルーティング配線231bに比べて大きく形成され、ルーティング配線231b,231cのそれぞれに対して互いに分けて形成してショートを防止する。
【0085】
このような構造において、第2バッファ層220の最上層は第2層の透明導電膜235になって、マスクの追加なしにこのような構造の形成が可能である。
【0086】
また、この場合、前記タッチパッド間の層間絶縁膜の側壁を前記透明導電膜233,235が覆っており、シール材450と直接有機絶縁膜成分の層間絶縁膜が接しないので、前記層間絶縁膜232,234の材料の選択に制限がない。すなわち、層間絶縁膜の成分が誘電率の低い無機絶縁膜に限定されない。したがって、水分に脆弱なフォトアクリルや、透明性の低い材料でも透明導電膜233,235が覆っており、外気または水分の浸透を防止することができる。
【0087】
その他のタッチパッドをなす構成は、前述した実施例と同一であるので、その説明を省略する。
【0088】
図12は、本発明の第4実施例に係る平面図で、
図13は、
図12のVI〜VI’線上の断面図である。
【0089】
図12及び
図13のように、本発明の第4実施例において、タッチパッド部及びルーティング配線部のみ透明導電膜を残し、残りのデッド領域は、第2バッファ層220が露出するように形成したものである。
【0090】
この場合、ルーティング配線部及びタッチパッドの構成は、前記第3実施例と同一であるので、その説明を省略する。
【0091】
図14は、本発明の第5実施例に係る平面図で、
図15は、
図14のVII〜VII’線上の断面図である。
【0092】
図14及び
図15のように、本発明の第5実施例は、金属層231と第1層の透明導電層233との間の第1層間絶縁膜232の成分を、透明性は劣るが透湿に強いポリイミド(PI)、或いは、SiNxまたはSiOxなどの無機絶縁膜としたものである。そして、タッチパッド部2350において複数個のタッチパッド2351bの間に、絶縁膜あるいは透明導電膜を除去する。この場合、無機絶縁膜あるいはポリイミド成分が残っていても、前記シール材は、側壁の部分でのみ水分及び外気の浸透に耐性がある材料の第1層間絶縁膜232が残っているので、これもまた、信頼性ある構造が予想される。
【0093】
この場合、タッチパッド部を除外したデッド領域及びルーティング配線部は全て第1、第2層間絶縁膜232,234が残っており、これらの材料は、第1層間絶縁膜232は前記タッチパッド部において選択された材料で、第2層間絶縁膜234は何でも構わない。
【0094】
場合によって、前記タッチパッドを除外したデッド領域に第1、第2層間絶縁膜232,234を共に残すことができる。
【0095】
このような第1乃至第5実施例の構造と、
図4の比較例に、次のような環境信頼性評価を実施した。
【0096】
まず、
図4の比較例に高温高湿の条件を与えた時、投入前の正常チャネルの数に対する投入後の非正常チャネルの数により評価する不良率が約53%〜96%になって、略75%の不良率を示すことを観測した。
【0097】
また、高温の条件のみを与える環境では、投入前の正常チャネルの数に対する投入後の非正常チャネルの数により評価する不良率が約16%〜62%で、平均33.8%の不良率があることを観測した。
【0098】
また他の実験で、熱衝撃があった時、投入前の正常チャネルの数に対する投入後の非正常チャネルの数により評価する不良率が約42%〜81%で、平均57.4%の不良率があることを観測した。
【0099】
これに対比された、本発明の第1実施例を基準とした高温保存評価条件において、投入前の正常チャネルの数に対する投入後の非正常チャネルの数により評価する不良率が約0%〜5%で、平均3%の不良率があることを観測した。
【0100】
また、上述した第1乃至第3実施例に対して、それぞれ高温及び高湿条件の評価条件においても、投入前の正常チャネルの数に対する投入後の非正常チャネルの数により評価する不良率が約5%以内で、平均3%以下の不良率があることを観測した。
【0101】
すなわち、本発明の有機発光表示装置は、高温あるいは高温高湿の条件においても、シール材の縁部に対応する材料を無機膜として、外部透湿を防止することにより、長時間の駆動の際にもタッチパッドのコンタクト特性の維持を期待することができる。
【0102】
すなわち、本発明の有機発光表示装置は、第2バッファ層のタッチパッドと第1バッファ層のダミーパッド部との間のコンタクト特性の向上、及び環境信頼性評価のようなストレス条件においてもコンタクト特性をよく維持できるという特徴がある。
【0103】
そのために、単純に第2バッファ層に形成される層間絶縁膜の成分を2μm以上に維持する有機絶縁膜に限定せず、デッド領域及び複数個のタッチパッド部間に無機絶縁膜を残したり、または透明導電膜のような無機膜を残して、外部の水分及び外気による影響を防止した。すなわち、タッチパッド自体の下部絶縁膜は有機絶縁膜を維持しても、シール材の縁部において外気と直接接する部位の材料を無機膜とすることで、外部水分透湿防止構造を図ったものである。このような無機膜の使用は、層間絶縁膜のうち一つを利用してもよいので、マスク数を増加することなく、環境信頼性が改善された本発明の構造に適用することもできる。
【0104】
以上で説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明白であるだろう。