(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンピュータ作動可能媒体に記録されたコンピュータプログラムは、前記第1の電極に適用される前記治療振幅を前記第1の治療振幅範囲内に制限し、かつ前記第2の電極に適用される前記治療振幅を前記第2の治療振幅範囲内に制限するようにプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記前記第1の治療振幅範囲は、前記第1の領域に対する(a)感覚閾値及び/又は治療閾値と(b)不快閾値との間にあり、前記第2の治療振幅範囲は、前記第2の領域に対する(a)感覚閾値及び/又は治療閾値と(b)不快閾値との間にあり、
前記システムは、変更指令を発生するコントローラと前記埋め込み型装置に該変更指令を送信するように構成された送信機とを有する患者入力装置とを更に含み、
前記変更指令が前記埋め込み型装置によって受信された時に、前記コンピュータ作動可能媒体に記録されたコンピュータプログラムは、(a)第1の増分量だけ前記第1の電極に適用される前記波形の前記治療振幅を変え、かつ(b)第2の増分量だけ前記第2の電極に適用される前記波形の前記治療振幅を変えるようにプログラムされている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記コンピュータ作動可能媒体に記録されたコンピュータプログラムは、前記患者の前記第1の領域が該患者の前記第2の領域にリンクされていないと判断した時に、該コンピュータ作動可能媒体に記録されたコンピュータプログラムは、前記第1の電極に適用される前記第1の治療振幅を変え、かつ互いに独立に前記第2の電極に適用される前記第2の治療振幅を設定するようにプログラムされることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
前記コンピュータ作動可能媒体に記録されたコンピュータプログラムは、前記治療振幅が前記第1又は第2の領域の一方に対する最大値を超えた時に、前記第1及び第2の電極に適用される前記治療振幅の制御を分離するように更にプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に説明する発明は、処理、方法、ルーチン、デバイス、装置、システム、物質の組成、電気波形、コンピュータ可読記憶媒体のようなコンピュータ可読又は作動可能媒体、又は光又は電気通信上で送られるプログラム命令がリンクするコンピュータネットワークとしてなどの多くの方法に実施することができる。本明細書において、これらの実施又は本発明が取ることができるあらゆる他の形態は、この技術又は発明として参照することができる。
【0008】
本発明の技術は、一般的に、脊髄刺激(SCS)システム、及び電気波形(例えば、電気信号)を用いて患者において疼痛を管理する方法のためのものである。本発明の開示のある一定の実施形態の特定の詳細は、脊髄刺激装置を使用して患者の異なる領域に適用される電気波形の1つ又はそれよりも多くのパラメータを変更することを参照して以下に説明する。しかし、開示するシステム及び方法は、他の刺激装置及び/又は他の患者の病状の関連で使用することができる。従って、技術の一部の実施形態は、本節に説明するものと異なる構成、構成要素、又は手順を有することができ、他の実施形態は、以下に説明する特定の構成要素又は手順を排除することができる。当業者は、従って、本発明の技術が、
図1A〜
図7を参照して図示して以下に説明する特徴のいくつかがなくても更に別の要素及び/又は他の実施形態と共に他の実施形態を有することができることを理解するであろう。
【0009】
概説
試験期間及びSCS治療それ自体の進行中に、患者は、通常は、治療を最適化するために脊髄に沿って異なる領域に適用される波形のパラメータを変更する。例えば、患者が時間、患者の位置、及び他のファクタで変動する脚痛及び/又は背痛を受けた場合、患者は、パルス発生器に電気波形の1つ又はそれよりも多くのパラメータを増加又は低減させる患者プログラマーを通じて変更指令を入力する。殆どのSCSシステムにおいて、振幅は、患者により調節することができるパラメータである。しかし、現在のSCSシステム及び処理では、複数の領域にわたって振幅を変えるために複数の設定を有する複雑な装置を使用する。従来のシステムは、通常、患者がこのような領域に適用すべき領域及び振幅の適切な組合せを実験的に判断する手動モードを含む。患者は、通常は試行錯誤でこれを行うので、僅かに有効であるのみであり、かつ時間を消費することが多い。従来のシステムはまた、患者が振幅を調節するだけであるように、1つ又はそれよりも多くの領域に適用される波形の振幅が互いに結合されるリンクされたモードを含むことができる。従来のリンクモードシステムは、各領域にわたって等しく振幅を調節するが、これは、領域が異なると通常は患者が疼痛レベルの増大を受ける最大振幅閾値が異なるので効果的ではない可能性がある。従って、既存のリンクモードシステムは、刺激が最低の最大振幅閾値を有する領域のレベルを超えない範囲で振幅を調節することができるのみであるので制限されている。本発明の技術のある一定の態様により、この処理が簡素化され、複数の領域にわたって振幅又は他の波形パラメータを迅速に変える機能が高められる。
【0010】
一部の実施形態では、本発明の技術は、患者の第1の領域に関連付けられた少なくとも第1の電極と、患者の第2の領域に関連付けられた第2の電極とを含む複数の電極を有する電極装置を含む。第1の領域は、波形パラメータに対する第1の治療範囲を有し、第2の領域は、波形パラメータに対する第2の治療範囲を有する。電極装置は、患者に埋め込まれるように構成することができる。本発明の技術は、電源と、波形を発生するように構成された波形発生器と、波形発生器に作動的に結合されたコンピュータ可読媒体とを含む。一部の実施形態では、本発明の技術は、更に、電極装置に結合されるように構成された埋め込み型装置を含み、埋め込み型装置は、電源と、波形を発生するように構成された波形発生器と、波形発生器に作動的に結合されたコンピュータ作動可能媒体とを含む。
【0011】
本発明の技術は、第1の領域に位置する第1の電極に波形パラメータの第1のレベル、及び第2の領域に位置する第2の電極に波形パラメータの第2のレベルで電気波形を送出する段階を含むことができる。本発明の技術は、波形パラメータの第1のレベルを更新された第1のレベルに変更する段階と、倍率に基づいて波形パラメータの第2のレベルを更新された第2のレベルに設定する段階と、第1の電極にパラメータの更新された第1のレベル、及び第2の電極にパラメータの更新された第2のレベルで電気波形を送出する段階とを更に含むことができる。様々な実施形態では、これは、波形パラメータの第1のレベルを変更する段階と、第1の治療範囲と第2の治療範囲の間の比率又は他の関係に基づいて波形パラメータの第2のレベルを自動的に設定する段階と、第1の電極に第1のレベル及び第2の電極に第2のレベルで電気波形を送出する段階とを含むことができる。
【0012】
一部の実施形態では、コンピュータ作動可能媒体は、第1の電極に適用される波形パラメータを変え、かつ第1の治療範囲と第2の治療範囲の間の関係(例えば、治療範囲比率又は他の倍率)に基づいて第2の電極に適用される波形のためのパラメータを自動的に設定するようにプログラムされる。例えば、変更指令が埋め込み型装置によって受信された時に、コンピュータ作動可能媒体は、(a)第1の増分により第1の電極に適用される波形パラメータを変え、かつ(b)第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率に正比例した第2の増分により第2の電極に適用される波形パラメータを設定するようにプログラムすることができる。異なる例では、コンピュータ作動可能媒体は、1組の変更指令が埋め込み型装置などにより受信された時に、(a)埋め込み型装置によって受信された各変更指令に対する変更増分により第1の電極に適用される波形パラメータを変え、かつ(b)治療範囲比率の最良適合近似に従って第2の電極に適用される波形パラメータを設定するようにプログラムされる。この後者の例では、コンピュータ作動可能媒体は、第1の電極と同一量によって第2の電極に適用されるパラメータを変更することにより、又は患者が変更指令を入力する時に第2の電極に適用されるパラメータを一定に保持することにより、第2の電極に適用される波形パラメータを設定するようにプログラムすることができる。
【0013】
一部の実施形態では、本発明の技術は、第1及び第2の治療範囲の間の関係に基づいて波形パラメータの倍率を判断及び/又は受信する段階を更に含む。コンピュータ作動可能媒体は、患者の第1の領域での波形パラメータの第1の治療範囲と患者の第2の領域での波形パラメータの第2の治療範囲との間の関係に基づいて波形パラメータの所定の倍率を受信するようにプログラムすることができる。代替的に、コンピュータ作動可能媒体は、第1及び第2の治療範囲に基づいて倍率を自動的に計算することができる。
【0014】
一部の実施形態では、本発明の技術は、第1の領域に位置する第1の電極に波形パラメータの第1のレベル及び第2の電極に波形パラメータの第2のレベルで電気波形を送出する段階と、更新された第1のレベルを第1の電極に送出して波形パラメータの更新された第2のレベルを第2の電極に送出する段階とを更に含む。1つの特定の例では、コンピュータプログラムは、患者の第1の領域で埋め込まれた第1の電極に適用される波形パラメータのレベルを更新された第1のレベルに変更し、第1の治療範囲と第2の治療範囲の間の比率又は他の関係に基づいて波形パラメータの第2のレベルを更新された第2のレベルに自動的に設定し、かつ第1の電極に更新された第1のレベル及び第2の電極に更新された第2のレベルで電気波形を送出するようにプログラムされる。
【0015】
一部の実施形態では、コンピュータ作動可能媒体は、第1の領域に適用される波形パラメータが第1の最大値を超えることを防止し、及び/又は第2の領域に適用される波形パラメータが第2の最大値を超えることを防止するようにプログラムされる。
【0016】
上述の技術の波形パラメータは、振幅、インピーダンス、電圧、パルス幅、周波数、負荷サイクル、及び他のパラメータを含むことができる。例えば、波形パラメータは、所定の期間にわたって第1の電極及び/又は第2の電極を通じて送出される電力を含むことができる。
【0017】
代表的なシステム及び方法
以下に説明する内容において、
図1A〜
図1Bは、患者190の脊髄領域内に埋め込まれたシステム100の代表的な例を示し、
図2〜
図7は、患者の複数の領域にわたって疼痛を管理するためのシステムの代表的な構成要素、方法、ルーチン、関連の回路、及び/又は波形を示している。
図1Aは、慢性的疼痛及び/又は他の病状からの緩和をもたらすために患者の脊髄191の全体的な生体組織に対して配置された治療システム100を概略的に示している。システム100は、患者190内に皮下に埋め込んで電極装置109に結合することができる波形発生器101(例えば、信号送出要素)を含むことができる。代表的な例では、電極装置109は、埋め込みの後に患者190に治療を行う特徴又は要素を担持するリード又はリード本体110を含む。パルス発生器101は、リード111に直接に接続することができ、又は通信リンク102(例えば、延長コード)を通じてリード110に結合することができる。本明細書で使用する時に、リード及びリード本体という用語は、患者190に治療信号を供給する装置を担持するいくつかの適切な担体及び/又は支持部材のいずれかを含む。例えば、リード本体110は、患者の組織に電気信号を誘導する1つ又はそれよりも多くの電極又は電気接点を含むことができる。他の実施形態では、電極109は、患者190に同じく電気信号及び/又は他のタイプの信号を誘導するリード本体(例えば、パドル)以外の装置を含むことができる。
【0018】
波形発生器101は、ターゲット神経を上方制御し(例えば、刺激するか又は興奮させる)、及び/又は下方制御する(例えば、遮断又は抑止する)電極装置109に電気信号(すなわち、波形)を送信することができる。本明細書で使用する時及び特に断らない限り、用語「刺激する」及び「刺激」は、ターゲット神経にあらゆる種類の影響を与える信号を一般的に指し、用語「電気信号」及び「電気波形」を交換可能に使用する。波形発生器101は、プログラム済みか又は適切な治療波形を他の方法で生成及び送信する命令を含む機械可読媒体(例えば、コンピュータ作動可能媒体又はコンピュータ可読媒体)を含むことができる。波形発生器101及び/又はシステム100の他の要素は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ107、メモリ108、及び/又は入出力装置を含むことができる。従って、複数の領域にわたって疼痛を管理する処理は、コンピュータ作動可能媒体(例えば、プロセッサ107及び/又はメモリ108)上に含まれたコンピュータ実行可能命令によって実行することができる。パルス発生器101は、
図1Aに示すように、単一のハウジング内に又は複数のハウジング内に収容された複数の部分、要素、及び/又はサブシステム(例えば、複数の信号送出パラメータに従って信号を誘導するための)を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、システム100の波形発生器101及び/又は他の埋め込まれた構成要素は、患者の動き、インピーダンス変化、又は他の変数を検出及び応答する要素を含むことができる。
【0019】
一部の実施形態では、波形発生器101は、外部電源103から電力を受け取る。外部電源103は、電磁誘導(例えば、RF信号)を使用して埋め込まれたパルス発生器101に電力を伝達することができる。例えば、外部電源103は、埋め込み型パルス発生器101内の対応する内部コイル(図示せず)と通信する外部コイル104を含むことができる。外部電源103は、使いやすいように携帯型及び再充電可能にすることができる。
【0020】
別の実施形態では、波形発生器101は、外部電源103に加えて又はその代わりに内部電源から電力を受け取ることができる。例えば、埋め込まれた波形発生器101は、電力を供給するために非充電式又は再充電式であるバッテリを含むことができる。内部電源が充電式バッテリを含む時に、外部電源103は、バッテリを再充電するのに使用することができる。外部電源103は、適切な電源(例えば、従来の壁面コンセント)から再充電することができる。
【0021】
一部の場合には、外部プログラマー105(例えば、試験刺激装置)は、波形発生器101を埋め込む前に試験手順中に電極装置109に結合することができる。例えば、施術者(例えば、内科医及び/又は会社代表者)は、外部プログラマー105を使用して、リアルタイムで電極装置109に供給された変調パラメータを変えて最適又は特に有効なパラメータを選択することができる。試験期間中に、施術者は、電極装置109の位置を変えることができる。外部プログラマー105を使用して電極装置109の位置及び初期信号送出パラメータを確立した後に、試験期間は、外部プログラマー105によって生成された信号を通じて患者190に治療を供給することによって限られた期間にわたって続く。代表的な用途において、患者190は、1週間試験治療を受ける。試験治療が有効であるか又は有効であるという見込みを示す場合、施術者は、外部プログラマー105に代わって埋め込まれたパルス発生器101を使用する。施術者は、任意的に、同時に電極装置109を交換するか又は再位置決めすることができる。波形パラメータは、初めは試験期間の経験に基づくが、これらのパラメータは、いつでも無線内科医用プログラマー(例えば、内科医用リモコン)111及び/又は無線患者プログラマー106(例えば、患者リモコン)を通じて遠隔操作で更に調節することができる。一般的に、患者190が制御するパラメータ数は、施術者よりも少ない。例えば、患者プログラマー106の機能は、波形発生器101の開始/停止、及び電極装置109の近くの1つ又はそれよりも多くの領域に印加された刺激振幅の調節に限定することができる。
【0022】
上述の実施形態のいずれにおいても、波形パラメータは、電極装置109の近くの領域の1つ又はそれよりも多くにわたって治療投与の各部分中に調節することができる。例えば、周波数、振幅、パルス幅、及び/又は信号送出位置は、予め設定されたプログラム、患者、及び/又は内科医入力に従って、及び/又はランダムに又は疑似乱数的に調節することができる。このようなパラメータ変動は、疼痛の患者の知覚の変化、好ましいターゲット神経母集団の変化、及び/又は患者適応化又は慣れを含むいくつかの潜在的な臨床状況に対処するのに使用することができる。本発明の技術に従って信号送出要素109の近くの領域の1つ又はそれよりも多くの組は、各組内の個々の領域間の倍率に基づいて波形パラメータの1つ又はそれよりも多くを調節するために互いにリンクされる。以下でより詳細に説明するように、リンクされた対において各領域に適用される波形パラメータのレベルは、対応する領域間の倍率に基づいて調節することができる。
【0023】
図1Bは、波形発生器101に接続することができる代表的なリード110を示している。リード110は、患者に電気治療を送出する長さLに沿って位置決めされたあらゆる適切な数の接点Cを有することができる。例示を目的として、リード110は、11個の接点C(接点C1、C2、...C11として個々に特定)を有することができる。作動面では、接点Cの1つ又はそれよりも多くは、陰極であり、接点Cの別の1つ又はそれよりも多くは陽極である。接点Cは、あらゆる接点C又は接点Cの組合せが陰極として作動することができ、あらゆる接点C又は接点Cの組合せが陽極として作動することができるように個々にアドレス可能にすることができる。接点Cは、広範な組合せのいずれにおいても電気的にグループ分けすることができ、個々の接点Cは、治療投与中に異なる時点に異なる機能(例えば、陰極機能及び/又は陽極機能)を実行することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、各接点Cは、波形発生器101に対応する導体111と結合することができる。導体111は、長さに沿って(例えば、波形発生器101を有する接合部で及び任意的に延長コードを有する接合部で)、1つ又はそれよりも多くの接続点を有することができる。従って、接点Cの特定の対の回路は、接点C、接点間の患者組織T、個々の導体111、導体111に沿った接続点、及び導体111と波形発生器101の間の接続点を含む。
【0024】
図2は、電気波形を用いて患者において疼痛を管理する本発明の技術の特定の実施形態による全体的な処理を示している。この実施形態では、患者は、波形パラメータに対する第1の治療範囲を有する第1の領域と、波形パラメータに対する第2の治療範囲を有する第2の領域とを有する。方法200は、患者の第1の領域に位置する第1の電極に適用される波形パラメータのレベルを変更する段階(ブロック210)と、患者の第2の領域に位置する第2の電極に適用される波形パラメータのレベルを自動的に設定する段階(ブロック220)とを含むことができる。第1の電極に適用される波形パラメータの変更のマグニチュード及び第1の治療範囲と第2の治療範囲の間の関係に基づいてコンピュータ作動可能媒体により第2の電極に適用される波形パラメータのレベルを自動的に設定する(ブロック220)。波形パラメータは、例えば、振幅、パルス幅、負荷サイクル、周波数、電力、又は他の変数とすることができる。第1の治療範囲と第2の治療範囲の間の関係は、第1及び第2の領域の間の異なる感覚、治療、及び疼痛閾値を補償する倍率とすることができる。従って、方法200は、波形パラメータに関する第1及び第2の治療範囲の間の関係に基づいて患者の第2の領域に適用される波形パラメータのレベルを患者の第1の領域に適用される波形パラメータのレベルにリンクする。
【0025】
方法200は、患者の異なる領域にわたって単一波形パラメータのレベルの調節をリンクする段階に限定されず、むしろ、方法200は、倍率に基づいて、患者の1つの領域に適用される波形の1組のパラメータのレベルの変化を患者の別の領域に適用される波形の同じ組のパラメータのレベルにリンクさせる段階を含むことができる。方法200はまた、患者の第1及び第2の領域のみのレベルに対する調節をリンクする段階に限定されず、むしろ、方法200は、患者の第1及び第2の領域に位置する第1及び第2の電極に適用される波形パラメータをリンクさせる段階に加えて又はその代わりに、波形パラメータのレベルを患者の人体のあらゆる数の領域にリンクさせる段階を含むことができる。従って、全体を通じて「第1」及び「第2」の使用は、付加的な同様の特徴を含み、従って、明示的に特に断らない限り、全体を通じて「第1」及び「第2」の使用は、あらゆる付加的な同様又は類似の特徴を排除しない。一部の実施形態では、方法200は、第1の電極に適用される波形パラメータのレベルを変更して、同時に第2の電極に適用される波形パラメータのレベルを設定する段階を含むが、他の実施形態では、第1の電極に適用される波形パラメータのレベルを変更する段階と、第2の電極に適用される波形パラメータのレベルを設定する段階との間に遅延がある可能性がある。
【0026】
患者の異なる領域は、患者の脊髄に対する領域とすることができる。例えば、第1及び第2の領域は、第1の領域に適用される電気波形がニューロンの第1の母集団に影響を与え、一方、第2の領域に適用される波形がニューロンの第2の母集団に影響を与えるように患者の脊髄の近くに位置することができる。第1及び第2のニューロン母集団は、互いとは完全に別のものとすることができ、又は他の関連では、異なるニューロン母集団間に何らかの重複があることが可能である。
【0027】
患者の異なる領域は、患者により感知される疼痛の異なる領域に一般的に関連している。
図1Bを参照すると、例えば、電極C1〜C11のいずれも、患者の異なる領域に関連付けられた疼痛信号の送信を制御するか又は他の方法でそれに関わっているニューロンの異なる母集団にエネルギを印加するために患者の個々の領域に関連付けることができる。方法200は、患者の各個々の領域で1つよりも多い電極を位置付ける段階を更に含むことができる。例えば、電極C1〜C4は、患者の第1の領域A
1に位置することができ、電極C5〜C8は、患者の第2の領域A
2の近くに位置することができ、電極C9は、患者の第3の領域A
3の近くに位置することができ、電極C10は、患者の第4の領域A
4に位置することができる。他の実施形態では、電極C1〜C11のうちの単一電極のみが、患者の単一領域に位置するか及び/又はそれを活性化させることができる。
図1Bに示す領域A
1〜A
4の構成は、単に1つの例であり、SCSシステムを実施する当業者は、領域の数及び領域当たりの電極の数が変動し、かつ
図1Bに示すものに限定されないことを理解するであろう。
【0028】
方法200は、少なくとも1つの波形パラメータの変調を患者の2つの領域にわたってリンクさせる。例えば、患者A
1〜A
4の異なる領域の2つ又はそれよりも多くは、倍率が1組の異なる領域間の波形パラメータの変化に適用される1つ又はそれよりも多くの組において互いにリンクさせることができる。一実施形態では、領域A
1及びA
2は、倍率S
1が領域A
1及びA
2の各々に適用される波形パラメータに適用される第1の領域の組を定めるために互いにリンクさせることができる。同様に、第3の領域A
3及び第4の領域A
4は、領域A
1及びA
2に倍率S
1を適用することに加えて又はその代わりに、倍率S
2が第3及び第4の領域A
3及びA
4に適用される波形パラメータに適用される第2の領域の組において互いにリンクさせることができる。
図1Bは、第2の領域A
2及び第3の領域A
3が、倍率S3が領域A
22及びA
3に適用される波形パラメータに適用される第3の領域の組において互いにリンクさせることができることを更に示している。1つ又はそれよりも多くの領域の組の異なる領域の間の波形パラメータを制御する領域及び倍率のあらゆる数の異なる組合せを実施することができる。
【0029】
方法200のいくつかの実施形態は、特に、背中及び/又は下肢(例えば、脚、臀部、足)の異なる領域において感知される疼痛を制御するのに有用である。引用により本明細書に組み込まれている2009年5月8日出願の米国特許出願第61/176,868号明細書を参照すると、電極は、背中及び下肢痛を治療するために椎体T9〜T12の近くに、より具体的には椎体T10〜T11に沿って位置することができる。しかし、他の実施形態では、電極は、他のタイプの疼痛又は他の病状を治療するために他の椎体の近くに位置することができる。
【0030】
倍率は、患者の個々の領域に関する波形パラメータの治療範囲の間の関係に基づくことができる。所定の領域の治療範囲は、不快(例えば、鋭痛、意に添わない筋肉効果、又は他の不要な効果)を誘起することなく望ましい疼痛制御を行う波形パラメータの範囲とすることができる。例えば、所定の領域の治療範囲の下限値は、特定領域に関連の感覚閾値及び/又は治療閾値での波形パラメータのレベルに基づくことができる。特定の領域の治療範囲の上限値は、不快閾値での波形パラメータのレベルに基づくことができる。「感覚閾値」は、患者が最初に特定の領域に適用される電気波形を感知する波形パラメータのレベル又は範囲とすることができる。「治療閾値」は、患者が対応する領域に関連付けられた疼痛を軽減することなどの治療効果を受ける波形パラメータのレベル又は範囲とすることができる。感覚閾値及び治療閾値は、波形パラメータの同じか又は類似のレベルとすることができる。「不快閾値」は、疼痛、不要な筋肉効果、又は対応する領域に関連付けられた他の望ましくない効果を誘起する波形パラメータのレベル又は範囲とすることができる。治療波形の下限値は、患者が望ましい治療を受けるマージンを提供することを保証するために感覚閾値及び/又は治療閾値よりも僅かに上方に設定することができる。逆に、治療範囲の上限値は、患者が不快を受けないことを保証するマージンを提供するように不快閾値よりも小さいとすることができる。
【0031】
方法200は、患者の領域の各々での波形パラメータに対する最大レベルを設定する段階を更に含むことができる。例えば、方法200は、第1の領域に対して波形パラメータの第1の最大値を設定し、第2の領域に対して波形パラメータの第2の最大値を設定する段階を更に含むことができる。それぞれ、波形パラメータの第1及び第2の最大値は、第1及び第2の不快閾値よりも小さいとすることができる。方法200は、電気波形がリンクされた領域のいずれにおいても望ましくない副作用を誘起しないように、波形パラメータの第1又は第2のレベルがそれぞれ第1又は第2の最大値を超えることを防止する段階を更に含むことができる。
【0032】
患者の個々の領域の治療範囲は、試験期間中に及び/又は最終埋め込み後の治療を通して判断することができる。
図3Aは、患者の領域に関連付けられた波形パラメータの治療範囲を判断するルーチンの実施形態を示す流れ図である。上述のように、電極は、患者内に埋め込まれ、電気波形は、電気信号が特定の患者に対して治療効果を与えるか否かを判断するために波形発生器によって発生される。
図3Aに示すルーチン300の実施形態は、電極と患者の領域間の相関関係を判断する段階(ブロック310)と、患者の対応する領域で少なくとも1つの電極に電気波形を送出する段階(ブロック320)と、電極に適用される波形パラメータを調節する段階(ブロック330)とを含む。電極と患者の領域の相関関係は、互いに個々に又は様々な組合せで1つ又はそれよりも多くの電極に電気波形を適用して患者が感覚、すなわち、治療効果又は不快を感知する対応する領域を記録することによって判断することができる。波形パラメータの変調に基づいて、方法300は、不快なしで患者が電気波形の適用を感知する波形パラメータのレベルを判断する段階(ブロック340)と、患者が望ましくない効果を感知する波形パラメータのレベルを判断する段階(ブロック350)とを更に含む。患者が不快なしに電気波形の適用を感知する(ブロック340)波形パラメータのレベルは、感覚閾値及び/又は治療閾値に対応することができ、患者が望ましくない効果を感知する(ブロック350)波形パラメータのレベルは、不快閾値に対応することができる。上述のように、治療範囲の下限及び上限は、これらの閾値に基づくことができる。
【0033】
治療範囲は、試験期間中及び/又はパルス発生器の最終埋め込みの後に患者使用履歴に基づいて判断することができる。
図3Bは、本発明の技術の実施形態により治療範囲を判断するルーチン312を示している。この実施形態では、ルーチン312は、患者の異なる領域で電極に電気波形を適用する段階(ブロック322)を含む。電気波形は、上述のように、対応する領域に対して治療範囲を判断するために患者の個々の領域で1つ又はそれよりも多くの電極に適用することができる。ルーチン312は、時間と共に患者の異なる領域で異なる電極に適用される波形パラメータレベルを記録する段階(ブロック332)を更に含む。波形パラメータの使用履歴は、埋め込み型装置の本体搭載メモリに記録し、次に、充電中に又は他の時点で無線通信リンクを通じて外部プログラマーにダウンロードすることができる。ルーチン312は、使用データから感覚閾値又は治療閾値のうちの少なくとも一方を判断する段階(ブロック342)と、使用データから不快閾値を判断する段階(ブロック352)とを更に含む。ルーチン312は、ブロック362で判断された閾値に加えて使用データから感覚閾値又は治療閾値のうちの他方を判断する段階(ブロック362)を任意的に含むことができる。使用データから判断された感覚閾値、不快閾値、及び/又は治療閾値は、治療を通して静的なままに留めることができ、又はルーチンは、連続的又は周期的にこれらの閾値の1つ又はそれよりも多くを更新する段階(ブロック372)を更に含むことができる。
【0034】
ブロック342、352、及び362での様々な閾値は、患者が、感覚、治療効果、又は波形に関連の望ましくない効果を感知した時に、患者に入力を供給させることによって判断することができる。患者入力は、感覚閾値、治療閾値、及び/又は不快閾値の各々を判断する一連のデータ点が得られるように波形パラメータのレベルと相関させることができる。異なる実施形態では、閾値は、患者の習慣の評価に基づくことができる。例えば、治療範囲の下限値は、患者により一貫して使用される波形パラメータレベルの下部範囲を識別することによって判断することができ、その理由は、このような使用であれば患者がこのようなレベルよりも小さい波形又は治療効果を感知しないことを示すと思われるからである。不快閾値は、患者が迅速にパラメータのマグニチュード及び/又は患者によって使用される波形パラメータレベルの上部範囲を低減する波形パラメータのレベルを確認することによって評価することができる。波形パラメータのマグニチュードの急速な低減は、疼痛又は他の望ましくない効果の急激な増加を示すことができ、一方、上部範囲は、患者がこのようなレベルを超える不快を感知することを示している。治療閾値も、波形パラメータが長期間にわたって維持されるレベルを識別することによって判断することができ、その理由は、これによって電気波形が患者の疼痛を制御するか又は他の方法で管理する望ましい治療効果を供給していることを示すからである。
【0035】
治療範囲の間の関係に基づく実際のリンクされた変調は、いくつかの異なる方法で行うことができる。例えば、方法200の一実施形態は、第1の増分により第1の領域に適用される波形パラメータのレベルを変更して、第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率に正比例した第2の増分により第2の領域に適用される波形パラメータのレベルを自動的に変える。第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率は、個々の範囲のサイズにより、1:1よりも小さいか、1:1に等しいか、又は1:1よりも大きいとすることができる。比率は、異なる領域内の波形パラメータレベルが正に相関する時に正値、及び波形パラメータレベルが負に相関する時に負値を有することができる。例えば、負の相関は、患者が1つの領域内の望ましい刺激よりも強くかつ別の領域内の望ましい刺激よりも弱く体験した時に存在する可能性がある。このような例において、倍率は、患者入力により任意的に修正された上述の比率を含むことができる。
【0036】
振幅が調節中の波形パラメータである時に、患者の第2の領域の第2の治療範囲に対する患者の第1の領域の第1の治療範囲の比率は、次式によって定めることができる。
【0038】
この式において、A
1Pは、患者が第1の領域で疼痛を受ける振幅であり、A
2Tは、患者が第1の領域で治療効果を受ける振幅であり、A
2Pは、患者が第2の領域で疼痛を受ける振幅であり、A
2Tは、患者が第2の領域で治療効果を受ける振幅である。この実施形態では、第2の領域に適用される波形パラメータのレベルの変化は、波形パラメータが第1の領域で変更された第1の増分のマグニチュードと、第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率との積である。
【0039】
図4は、治療範囲比率に正比例して第2の電極に適用される波形パラメータを設定する特定の例を示している。
図4に示す例は、例示を目的としたものであっていかなる点においても制限的なものではない。この例では、患者の第1の領域が6mAの疼痛閾値(A
1P)及び3mAの治療閾値(A
1T)を有する場合、かつ患者の第2の領域が7mAの疼痛閾値(A
2P)及び5mAの治療閾値(A
2T)を有する場合に、第1の治療範囲は、3mAであり、第2の治療範囲は、2mAである。従って、上述の方程式に基づいて3:2の治療範囲比率になる。従って、波形パラメータが第1の領域A
1で変更されるあらゆる第1の増分に対して、波形パラメータが第2の領域A
2で変更される第2の増分は、第1の増分の2/3である。第2の治療範囲の治療範囲に対する第1の治療範囲比率が2:1である場合、第2の増分は、第1の増分の50%である。
【0040】
図5は、第1及び第2の治療範囲の間の関係の最良適合近似値をもたらすために波形パラメータのレベルが調節される方法200の実施形態を実施する別の例を示している。この実施形態では、第1の電極に適用される波形パラメータがある一定の増分量により変更される度に、第2の電極に適用される波形パラメータは、(a)同じ増分量により第2の領域に適用される波形パラメータを変更するか、又は(b)第2の領域に適用される波形パラメータを一定に保持することによって設定される。例えば、第2の治療範囲の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率が上述のように3:2である時に、第2の電極に適用される波形パラメータのレベルは、波形パラメータのレベルが第1の電極で変更される3つ毎の増分量に対して増分量のうちの2つにより変更される。換言すると、患者が波形パラメータを増加又は低減するためにボタンを押す度に、第1の電極の波形パラメータは、全増分により変更されるが、パラメータ波形は、患者がボタンを押す3回のうち2回毎でのみ第2の領域で変更される。
図5は、時間t
1、t
2、及びt
3での3:2の治療比率の例に関するこの点を示している。より具体的には、患者がボタンを押すか又は時点t
1で患者プログラミングを使用して他の方法で変更指令を入力した時に、パラメータのレベルは、第1の領域A
1及び第2の領域A
2の両方で第1の増分1.0だけ増大する。それによって3:2の治療比率に対して最良適合が得られ、その理由は、領域A
2に1.0の増分変化を適用する方が値を一定に保持することよりも治療比率に近くなるように、第2の領域A
2での正比例の増加が約0.67になるからである。時点t
2で、患者は、領域A
1で別の全増分により波形パラメータを2.0に増大させるために別の指令を入力するが、領域A
2に適用される波形パラメータの値は、一定に保持される。これは、領域A
1に適用される増分値の2つの増加の後に、第2の領域に適用される波形パラメータを1.0で一定に保持することによって第2の電極に適用される波形パラメータを2.0に増大させることよりも良好な適合が得られるように、領域A
2の波形パラメータの正比例の値が1.33であるからである。時点t
3で、患者は、第1の領域A
1に関連のパラメータが波形のレベルが3.0に増加し、第2の領域A
1に関連の波形パラメータのレベルが2.0に増加するように波形パラメータを変更するために別の入力を入力する。3:2の比率を使用する上述の例は、単に例示のためのものであり、第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の実際の比率は、第1及び第2の治療範囲の値によってあらゆる比率とすることができることは認められるであろう。
【0041】
方法200は、第1の領域に適用される波形パラメータが第1の最大値を超えることを防止し、第2の領域に適用される波形パラメータが第2の最大値を超えることを防止する段階を更に含むことができる。患者の各領域が波形パラメータに対して異なる最大値を有することができるので、方法200は、第1の領域に関連付けられた波形パラメータに対して第1の最大値を判断し、波形の適用が超えると領域の一方又は両方で不快を引き起こす第2の領域に関連付けられた波形パラメータに対して第2の最大値を判断する段階を含むことができる。波形パラメータが第1及び/又は第2の最大値の一方又は両方を超えることを防止することにより、患者は、別の領域に適用される振幅を増大させようとしながら1つの領域の痛覚閾値を超えない。
【0042】
図6は、本発明の技術の別の実施形態による方法600を示す流れ図である。この実施形態では、方法600は、第1の領域で第1の電極に波形パラメータの第1のレベル及び第2の領域で第2の電極に波形パラメータの第2のレベルの電気波形を送出する(ブロック610)段階を含む。方法600は、波形パラメータの第1のレベルを変更して(ブロック620)、第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の比率に基づいてパラメータの第2のレベルを設定する(ブロック630)段階を更に含む。次に、第1の電極にパラメータの第1のレベル及び第2の電極にパラメータの第2のレベルで電気波形を送出する(ブロック640)。
【0043】
図7は、本発明の技術の更に別の実施形態による方法700を示している。この実施形態では、方法700は、波形パラメータのリンクされた変調のために波形パラメータに対する第1の治療範囲を有する第1の領域と波形パラメータに対する第2の治療範囲を有する第2の領域とを含む少なくとも2つの領域を選択する(ブロック710)段階を含む。方法700は、第1及び第2の治療範囲の間の関係に基づいて波形パラメータの倍率を判断する(ブロック720)段階を更に含む。方法700は、第1の領域に位置する第1の電極に波形パラメータの第1のレベル及び第2の領域に位置する第2の電極に波形パラメータの第2のレベルで電気波形を送出する(ブロック730)ことによって続く。方法700は、波形パラメータの第1のレベルを更新された第1のレベルに変更する(ブロック740)段階と、倍率及び波形パラメータの第1のレベルの変化のマグニチュードに基づいて波形パラメータの第2のレベルを更新された第2のレベルに設定する(ブロック750)段階とを更に含む。次に、第1の電極にパラメータの更新された第1のレベル及び第2の電極にパラメータの更新された第2のレベルで電気波形を送出する(ブロック760)。
【0044】
上述の実施形態のいずれにおいても、システム100のコンピュータ作動可能媒体は、上述の方法の実施形態のいずれか又は全てを実施するようにプログラムすることができる。更に、システム100は、第1及び第2の電極に適用される波形の患者使用パターンの履歴を収容するメモリを更に含むことができ、コンピュータ作動可能媒体は、患者の第1の領域が患者の第2の領域にリンクされたか否かを判断するようにプログラムすることができる。更に付加的な実施形態では、コンピュータ作動可能媒体は、患者の第1の領域が患者の第2の領域にリンクされていないか否かを判断し、このような関連では、第1の電極に適用される第1の波形パラメータを変えて互いとは独立して適用される第2の波形パラメータを第2の電極に設定するようにプログラムすることができる。
【0045】
上述の方法及びシステムのいずれも、患者の位置に波形パラメータのリンクされた変調を適合させる更に別の実施形態を含むことができる。例えば、システム100は、患者の第1の位置に関連の第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の第1の比率と、患者の第2の位置に関連の第2の治療範囲に対する第1の治療範囲の第2の比率とを含むメモリを更に含むことができる。システムは、位置検出器を更に含むことができ、コンピュータ作動可能媒体は、第1の電極に適用される第1の波形パラメータを変えて、(a)位置検出器が患者が第1の患者位置にあることを示す時の第1の比率、又は(b)位置検出器が患者が第2の患者位置にあることを示す時の第2の比率に基づいて、互いとは独立して適用される第2の波形パラメータを第2の電極に設定するようにプログラムすることができる。位置検出器は、加速度計を含むことができ、又は位置検出器は、インピーダンス検出器を含むことができる。
【0046】
上述の本発明の技術のシステム、方法、及びルーチンのいくつかの実施形態は、患者のいくつかの領域にわたって波形パラメータを変更する機能を簡素化及び強化することができる。例えば、患者は、単に波形パラメータの強度を増加又は低減することができ、システム及び方法は、最低痛覚閾値又は最高治療閾値を有する領域により制限されることなく、異なる領域にわたって波形パラメータを自動的に調節する。上述のように、様々な領域の間にスケーリングを行わない既存のリンクモードシステムは、最低痛覚閾値を有する領域の疼痛閾値レベルを超えないように波形パラメータの強度を増大させることに制限される。本発明の技術の多くの実施形態は、このような制限を回避するか又は緩和するものであり、その理由は、倍率が、異なる痛覚閾値に依存して領域にわたってパラメータの強度を個別に増大することを可能にするからである。それによって一部の領域は、そうでなければより低い痛覚閾値を有する領域に疼痛を引き起こすより強い刺激を受けることができる。本発明の技術のいくつかの実施形態は、より一貫した結果が得られるように長い期間にわたって波形パラメータの相対レベルを維持する。既存のリンクモードシステムは、各変更指令に対して等しい増分により異なる領域で波形パラメータの強度を変えて単に波形パラメータが各領域で上限値を超えることを防止するものであるが、これらのシステムは、次に、患者が変更指令を入力した時に波形パラメータを等しい増分により最大値から低減することを許すものである。本発明の技術のいくつかの実施形態は、この問題を回避又は緩和するが、その理由は、倍率が、波形パラメータを異なる領域で異なる量により変えることを可能にするからである。従って、本発明の技術のいくつかの実施形態は、波形パラメータの進行中の変調を簡素化し、かつ疼痛を管理する有効性を高めるものである。
【0047】
上記により本発明の特定の実施形態を例示を目的として本明細書に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることは認められるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除き限定されない。