特許第5676752号(P5676752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5676752画像処理装置、画像処理方法およびコンピュータプログラム、並びに、画像処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676752
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法およびコンピュータプログラム、並びに、画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   H04N1/387
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-509777(P2013-509777)
(86)(22)【出願日】2012年4月3日
(86)【国際出願番号】JP2012002311
(87)【国際公開番号】WO2012140849
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】特願2011-89519(P2011-89519)
(32)【優先日】2011年4月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】實藤 俊史
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−281291(JP,A)
【文献】 特開2007−206939(JP,A)
【文献】 特開2006−157784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
H04N 1/00
H04N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像の方向を検出する方向検出手段と、
前記方向検出手段の検出結果に基づいて前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する像処理手段と
を備え
前記画像処理手段は、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記方向検出手段は、画像の視覚的な方向を検出するように構成されており、
前記画像処理手段は、前記画像の方向が第1方向であれば前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域を出力画像として出力し、前記画像の方向が第2方向であれば前記画像を所定の角度だけ回転してから前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域を出力画像として出力するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記方向検出手段は、前記画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを検出するように構成されており、
前記画像処理手段は、前記画像の方向が上方向であれば前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域を出力画像として出力し、前記画像の方向が下方向であれば前記画像を180度回転してから前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域を出力画像として出力するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記有効画像領域は、前記出力画像の上下方向の長さによって定義された領域であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像領域検出手段は、原稿の上端を前記特定領域の先頭として検出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像領域検出手段は、前記画像の原稿領域の先頭を前記特定領域の先頭として検出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像領域検出手段は、前記画像の上端を前記特定領域の先頭として検出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記方向検出手段は、
前記画像に含まれる文字を認識し、認識した文字の方向または認識率に基づいて、前記画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定するか、
前記原稿に設けられたパンチ穴の位置を前記画像から認識し、前記パンチ穴の位置に基づいて前記画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定するか、または、
操作者によって入力された情報に基づいて前記画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像入力手段は、
複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る画像読取手段であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像入力手段は、
複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る画像読取装置から送信された画像を受信する受信手段であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
原稿の画像を入力する画像入力ステップと、
前記画像の方向を検出する方向検出ステップと、
前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出ステップと、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定ステップと、
前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理ステップと
を有し、
前記画像処理ステップは、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力するステップを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
原稿の画像を入力する画像入力ステップと、
前記画像の方向を検出する方向検出ステップと、
前記方向検出ステップにおいて前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出ステップと、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定ステップと、
前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理ステップと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記画像処理ステップは、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力するステップを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
原稿の画像を入力するスキャナ装置と、前記スキャナ装置と通信するホスト装置とを含む画像処理システムであって、
前記スキャナ装置または前記ホスト装置は、
前記スキャナ装置により入力された前記画像の方向を検出する方向検出手段と、
前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理手段と
を備え、
前記画像処理手段は、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理システム。
【請求項14】
原稿の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像の方向の指定を受け付ける受付手段と、
前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理手段と
を備え、
前記画像処理手段は、前記受付手段によって指定された前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項15】
原稿の画像を入力するスキャナ装置と、前記スキャナ装置と通信するホスト装置とを含む画像処理システムであって、
前記スキャナ装置または前記ホスト装置は、
前記画像の方向の指定を受け付ける受付手段と、
前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理手段と
を備え、
前記画像処理手段は、前記受付手段によって指定された前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置などの画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像読取装置は、原稿台にセットされた原稿を、順次、一枚ずつその読み取り位置まで自動搬送する自動原稿送り機構(ADF:Auto Document Feeder)を備えている。ADFは原稿を給紙口から一枚ずつ自動搬送する。画像読取装置(以下、スキャナ)は、ラインイメージセンサによって原稿を1ラインずつ光学的に読み取り、画像データとして出力する。出力画像の上端には、最初に読み取られたラインの画像が配置される。次に読み取られたラインの画像は上端から二番目に配置される。このように、各ラインの画像は、読み込まれた順に出力画像の上端から配置される。そのため、スキャナからの出力画像は、原稿の上端と下端のどちらを給紙口に向けるかで、異なる画像になる。たとえば、原稿の上端を給紙口に向ける(以下、上端から読み取る)場合には、出力される画像は原稿上端が上に配置されたものになる。一方、原稿の下端を給紙口に向ける(以下、下端から読み取る)場合には、出力される画像は原稿下端が上に配置された画像になる。したがって、下端から読み取った場合の出力画像は原稿を上端から読み取った場合の出力画像を180度回転した画像になる。
【0003】
しかし、原稿をセットする向きによって出力画像が変わってしまうと、画像の視認性が低下する。たとえば、文字が書かれた原稿の場合、180度回転した出力画像では、文字を読み取るのが困難になってしまう。この視認性の低下を防ぐために、特許文献1では、原稿が上下反対にセットされていることを検知したときに、出力画像を180度回転することで、複数の出力画像の向きを揃えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−251494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スキャナは、出力画像の長さをユーザーにより指定されてもよい。スキャナは、ユーザーが指定した出力画像の長さが原稿の長さよりも長いことを検知すると、余白を付加することでユーザーが指定した長さとなるように出力画像を整形する。
【0006】
図1は、2つのケースを示している。第1のケースにおいて、a1はユーザーが指定した出力画像の長さ(指定長)を示している。a2は原稿の長さ(実長)が指定長よりも短いことを示している。a3は、指定長と実長の差だけ、画像の下端に余白を付加した出力画像を示している。図1の第2のケースにおいて、b1はユーザーが指定した出力画像の指定長を示している。b2は原稿の実長を示している。b3は指定長の分だけ原稿を読み取り、残りの部分は読み取らないようにすることで出力された出力画像を示している。
【0007】
特開2001−251494号公報に記載の発明に、出力画像の長さ調整機能を組み合わせると、原稿の上端と下端のどちらから搬送するかで、出力画像が異なってしまう。図2を用いて、出力画像が異なってしまう理由を述べる。図2のc1は指定長よりも短い原稿を示している。c2は、原稿を上端から読み取った場合の出力画像を示している。この出力画像c2では、原稿の上端、原稿領域、原稿の下端、余白という順に画像が配置されている。c3は、原稿を下端から読み取った場合の出力画像を180度回転した画像を示している。原稿を下端から読み取った場合の出力画像は、まず、原稿下端、原稿領域、原稿上端、余白という順に配置され、そのあとで、全体が180度回転される。したがって、最終的に得られる出力画像は、余白、原稿の上端、原稿領域、原稿の下端の順番で配置された画像となってしまう。つまり、原稿上端から読み取った場合の出力画像c2と、原稿下端から読み取った場合の出力画像c3は一致しない。指定長が実長よりも短いケースでも同様の課題が存在する。図2のd1は、原稿の実長を示している。d2は、原稿を上端から読み取った場合の出力画像である。出力画像d2には原稿上端、原稿領域という順に画像が配置される。それに対して、d3は、原稿を下端から読み取った場合の出力画像を示している。出力画像d3は、原稿下端、原稿領域という順に画像が配置されたあとに、180度回転されている。このように、原稿上端から読み取った場合の出力画像d2と、原稿下端から読み取った場合の出力画像d3は一致しない。
【0008】
このような課題を解決するための一手法としては、ユーザーが手動ですべての原稿の上下を揃えてからスキャナに読み取らせる手法が考えられる。この手法によれば、指定長と実長とが一致していなくても、ユーザーにとって視認性の高い出力画像が得られるようになろう。しかし、ユーザーの作業負担が増加してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、指定長と実長とが一致していなくても、原稿の上下方向または左右方向をそろえるためのユーザーの作業負担を増加させることなく、ユーザーにとって視認性の高い出力画像が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、原稿の画像を入力する画像入力手段と、
原稿の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像の方向を検出する方向検出手段と、
前記方向検出手段の検出結果に基づいて前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する像処理手段と
を備え
前記画像処理手段は、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0011】
本発明は、
原稿の画像を入力する画像入力ステップと、
前記画像の方向を検出する方向検出ステップと、
前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出ステップと、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定ステップと、
前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理ステップと
を有し、
前記画像処理ステップは、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力するステップを含むことを特徴とする画像処理方法を提供する。
原稿の画像を入力する画像入力ステップと、
前記画像の方向を検出する方向検出ステップと、
前記方向検出ステップにおいて前記画像の方向を検出した後で前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出ステップと、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定ステップと、
前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理ステップと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記画像処理ステップは、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出ステップにおいて検出された特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定ステップにおいて指定された前記有効画像領域を出力画像として出力するステップを含むことを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【0012】
また、本発明は、原稿の画像を入力するスキャナ装置と、前記スキャナ装置と通信するホスト装置とを含む画像処理システムであって、
前記スキャナ装置または前記ホスト装置は、
前記スキャナ装置により入力された前記画像の方向を検出する方向検出手段と、
前記画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段と、
前記画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段と、
前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力する画像処理手段と
を備え、
前記画像処理手段は、前記画像の方向が所定の方向でない場合には前記画像を前記所定の方向となるように処理してから、前記画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として前記有効画像領域指定手段により指定された前記有効画像領域を出力画像として出力することを特徴とする画像処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指定長と実長とが一致していなくても、原稿の上下方向または左右方向をそろえるためのユーザーの作業負担を増加させることなく、ユーザーにとって視認性の高い出力画像が得られるようになる。
【0014】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】出力画像の例を示す図
図2】比較例における給紙方向の違いに応じた出力画像の例を示す図
図3】スキャナの構成を示す断面図
図4A】スキャナの電気的なハードウエアを示すブロック図
図4B】ホスト装置の電気的なハードウエアを示すブロック図
図5】ホスト装置で動作するアプリケーションおよびドライバとスキャナとの関係を示す図
図6】ユーザーインターフェイスの一例を示す図
図7】実施例1にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図8】ユーザーインターフェイスの一例を示す図
図9】実施例2にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図10】実施例3にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図11】実施例4にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図12】実施例5にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図13】実施例6にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図14】実施例7にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
図15】実施例8にかかる画像読み取り処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例1]
図3は、本発明に係るスキャナの構成を示す図である。スキャナ301は、複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る画像読取装置の一例である。ピックアップローラ302は、上端または下端を給紙口に向けられた原稿束Dをピックアップする。給送ローラ303は、ピックアップローラ302によりピックアップされた原
稿束Dを搬送路に沿って給送する。分離ローラ304は、ピックアップされた原稿束Dを1枚ずつ分離する。複数の搬送ローラ308は、給紙した原稿を排紙口まで搬送する。ラインイメージセンサ305は、原稿の上面の画像情報を読み取る。ラインイメージセンサ305は、原稿の画像を入力する画像入力手段の一例であり、主走査方向(原稿搬送方向と直交する方向)に並んだ画素からなる1ラインを読み取る。搬送ローラ308が原稿を搬送することで、副走査が実行される。対向面307は、ラインイメージセンサ305の対向位置に配置された白色基準板である。レジストセンサ306は、搬送路を搬送されてきた原稿を検知するセンサである。原稿検知センサ309は、給紙口にセットされている原稿を検知するセンサである。
【0017】
なお、本実施例では、ラインイメージセンサ305として、1ラインのイメージセンサ、赤色の光源、緑色の光源および青色の光源を備えている。これらの光源は、赤、緑、青の順に点灯する。ただしラインイメージセンサは、これに限るものではない。たとえば光源の点灯順序が緑、青、赤のように異なるイメージセンサであってもよいし、赤緑青それぞれの色フィルタを備えた3ラインのセンサと白色の光源を有したイメージセンサであってもよい。画像が読み取られた後、原稿はスキャナ301の外部へ排出される。
【0018】
図4Aは、スキャナ301の電気的なハードウエアを示すブロック図である。インターフェイス部402は、パソコン等のホスト装置と通信するための通信ユニットである。インターフェイス部402は、信号ケーブル403を通してホスト装置と接続されている。A/D変換部(ADC)404は、ラインイメージセンサ305の出力信号を増幅し、黒レベルクランプなどのアナログ処理を施し、最後にデジタルデータ(画像データ)に変換するユニットである。画像処理部405は、ラインイメージセンサ305、A/D変換部404などを制御するとともに、画像データに各種の画像処理を行う。画像処理部405が実行する画像処理には、たとえば、原稿が上端から給紙されているか下端から給紙されているかを判定する処理、画像の180度回転処理、画像中から原稿の上端を検出する処理、ラインイメージセンサ305の光源の点灯順序に基づいた画像補正処理が含まれている。なお、これらの処理のすべてまたは一部は、ホスト装置のドライバが実行してもよい。画像メモリ406は、画像データを記憶する記憶装置である。CPU407は、スキャナ301が備える各ユニットを統括的に制御する制御ユニットである。画像処理部405およびCPU407は、バス408を介して接続されている。CPU407は画像処理部405を介して画像メモリ406にアクセスすることができる。モータ409は原稿を搬送する各ローラを駆動する駆動ユニットである。モータドライバ410は、CPU407からの指示にしたがってモータ409を駆動する。
【0019】
図4Bは、ホスト装置401の電気的なハードウエアを示すブロック図である。ホスト装置401は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。インターフェイス部412は、信号ケーブル403を通してスキャナ301と通信する通信ユニットである。インターフェイス部412は、スキャナ301から送信された画像データを受信するため、原稿の画像を入力する画像入力手段として機能する。つまり、インターフェイス部412は、複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る画像読取装置から送信された画像を受信する受信手段として機能する。CPU417は、ホスト装置401が備える各ユニットを統括的に制御する制御ユニットである。ROM419は、アプリケーションソフトウエア、ドライバソフトウエア、オペレーティングシステムなどを記憶した記憶装置であり、マスクROM、EEPROM、ハードディスクドライブなどである。RAM418は、CPU417のワークエリアとして機能する揮発性のメモリである。入力装置420は、キーボードやポインティングデバイスなどであり、ユーザーなどの操作者が情報を入力するために使用する装置である。表示装置421は、操作者に情報を出力する装置である。
【0020】
図5は、ホスト装置401で動作するアプリケーションおよびドライバとスキャナ301との関係を示す図である。ユーザーは、あらかじめアプリケーション501とドライバ502などのコンピュータプログラムをホスト装置401にインストールする。CPU417は、アプリケーション501を起動すると、ドライバ502を介してスキャナ301と通信する。アプリケーション501とドライバ502は所定のプロトコルで通信している。本実施例では、アプリケーション501とドライバ502はTwainという規格で決められたプロトコルで通信を行い、ドライバ502とスキャナ301は、SCSIという規格で決められたプロトコルで通信を行う。しかし、プロトコルはこれらに限るものではない。たとえば、アプリケーション501とドライバ502の間の通信規格はISISやWIAであってもよい。またドライバ502とスキャナ301の間の通信規格はUSBやBluetoothであってもよい。
【0021】
図6は、CPU417がアプリケーション501にしたがって表示装置421に表示するユーザーインターフェイスを示す図である。ユーザーインターフェイス601では、入力画像のうち出力画像として出力される有効画像領域を指定するラジオボタン602と、読み取り開始を指示するスキャンボタン603と、読み取りをキャンセルするキャンセルボタン604を含んでいる。この例では、画像の副走査方向における長さ(指定長)によって有効画像領域を指定できるようになっている。有効画像領域の主走査方向の長さは、固定値であってもよいし、動的に決定されてもよい。具体的には、有効画像領域における指定長は、たとえば、原稿の定型サイズ(A4)に準じて選択できるようにしてもよいし、ユーザーが任意に入力指定できるようにしてもよいし、所定の長さ寸法に対して任意又は固定の長さ(正負の値)を別途指定できるようにしてもよい。この場合、入力画像からコントラスト検出によって原稿の主走査方向の長さを認識し、認識された長さを有効画像領域の主走査方向の長さとして採用する。また、有効画像領域の主走査方向の長さは、操作者によって入力装置420を通じて指定されてもよい。このように、有効画像領域は、出力画像の上下方向の長さによって定義された領域である。
【0022】
図6において、操作者はホスト装置401に接続された入力装置420であるマウスを操作して、ユーザーインターフェイス601上のラジオボタン602やチェックボックスを操作する。この例では、指定長として10cm、20cm、30cmのうちいずれか1つが選択され、スキャンボタン603の押圧を検出すると、CPU417は、指定長に対応した画像の読み取りをスキャナ301に開始させる。CPU417は、画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段として機能する。ユーザーインターフェイス601上のキャンセルボタン604の押圧を検出すると、CPU417は、ユーザーインターフェイス601を閉じる。本実施例では、ホスト装置401に接続されたマウスを用い読み取り条件を指定するものとして説明するが、キーボードや、スキャナ301に接続されたタッチパネルで指定が実行されてもよい。
【0023】
図7は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S101で、操作者がユーザーインターフェイス601上で希望する画像の指定長を選択し、スキャンボタン603を押すと、CPU417は、アプリケーション501にしたがって画像読み取り開始命令を作成して、ドライバ502に送信する。
【0024】
S102で、CPU417は、ドライバ502にしたがって画像読み取り開始命令を受け取り、読み取り設定を作成し、読み取り設定をスキャナ301に送信する。S103で、CPU417は、ドライバ502にしたがって画像読み取り開始命令をスキャナ301に送信する。
【0025】
S104で、スキャナ301の画像処理部405は、ホスト装置401のドライバ502から読み取り設定と画像読み取り開始命令を受信し、ラインイメージセンサ305とモータ409を制御して原稿の全体を読み取る。画像処理部405は、原稿全体が写った画像を生成する。
【0026】
S105で、スキャナ301の画像処理部405は、原稿の給紙方向を検出する。つまり、画像処理部405は、画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを検出する。たとえば、画像処理部405は、読み取った画像(入力画像)を解析し、原稿が上端、下端のどちらから給紙されたかの判定処理を実行する。本実施例は、搬送方向の判定処理に依存しない発明であるため、判定処理としてはどのようなものが使用されてもよい。入力画像の上方向は原稿の上端方向に一致し、入力画像の下方向は原稿の下端方向に一致している。そこで、たとえば、画像処理部405は、文字認識処理を実行して、文字の視覚的な上方向を原稿の上端方向として確定してもよい。あるいは、画像処理部405は、画像からパンチ穴を検出し、検出したパンチ穴が原稿の左側に並んでいたら原稿が上端から給紙されたと判定し、パンチ穴がそれ以外の方向に並んでいたら下端から給紙されたと判定してもよい。画像から搬送方向を判定する代わりに、特開2001−251494号公報に記載された技術のように、スキャナ301に取り付けられているセンサを用いて搬送方向を判定してもよい。こように、画像処理部405は、方向検出手段として機能する。さらに、画像処理部405は、画像に含まれる文字を認識し、認識した文字の方向または認識率に基づいて、画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定するか、原稿に設けられたパンチ穴の位置を画像から認識し、パンチ穴の位置に基づいて画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定するか、または、操作者によって入力された情報に基づいて画像の方向が視覚的に上方向なのか下方向なのかを判定する方向検出手段として機能する。本実施例によれば、スキャナ301の給紙口に向けられた原稿の状態によって原稿の向きが異なっても、原稿画像の方向を特定できるため、当該原稿画像の方向から出力画像の向きや出力画像の上端を一律に揃える処理を行うことができる。これにより、たとえば、給紙口に原稿の向きがバラバラにセットされたとしても、原稿の向きに応じて、出力画像の出力状態を一律に揃えることができる。なお、このような処理は、1枚毎に処理を行ってもよいし、複数の原稿をまとめて読み取った後に一括処理してもよい。
【0027】
S106で、画像処理部405は判定結果に基づいて原稿が下端から給紙されたことを示しているか否かを判定する。原稿が下端から給紙されたのであれば、S108に進み、原稿が上端から給紙されたのであれば、S107に進む。
【0028】
S107で、画像処理部405は、原稿が上端から給紙されているため、ラインイメージセンサ305の光源の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。本実施例において画像処理部405は、赤、緑、青の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。ただし光源の点灯順序に基づいた画像補正処理とは、たとえば、画像処理部405が、画像を上端から走査し、白、赤、黒の画素の並びを見つけたら白、黒、黒の画素の並びに変換し、また黒、青、白の画素の並びを見つけたら、黒、白、白と変換するという補正処理である。なお、この処理によって、画像が補正される理由は、以下の通りである。赤、緑、青の順に点灯する3つの光源と1つのラインセンサからなるイメージセンサによる原稿読み取りでは、まず赤の光源だけを点灯させてその反射光をイメージセンサで読み取り、次に緑の光源だけを点灯させてその反射光をイメージセンサで読み取り、さらに青の光源だけを点灯させてその反射光をイメージセンサで読み取り、それらの読み取った画像データを重ね合わせることで1ラインの画像を生成している。しかし、各光源が点灯、消灯を繰り返している間にも原稿は搬送されるため、ある光源が点灯しているときに読み取った原稿の部位と、他の光源が点灯しているときに読み取った原稿の部位とでは、若干のずれがある。そのため、白原稿中の黒線を読み取ると、線の上部が赤く、線の下部が青くなる。したがって、黒線の上部の赤と下部の青を、それぞれ黒と白に変更すれば、原稿の線を復元することができる。
【0029】
原稿が下端から給紙されたのであれば、S108で、画像処理部405は、入力画像を180度回転する。S109で、画像処理部405は、ラインイメージセンサの光源の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。ただし、画像が180度回転されているため、画像処理部405は、逆転した点灯順序である青、緑、赤の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。たとえば、画像処理部405は、画像を上端から走査し、白、青、黒の画素の並びを見つけたら白、黒、黒の画素の並びに変換し、黒、赤、白の画素の並びを見つけたら黒、白、白と変換する。
【0030】
S110で、画像処理部405は、読み取った画像における特定領域の上端を検出する。具体的には、画像中で原稿の上端(原稿領域の先頭)、あるいは画像の上端がどこに位置するかを検出する。一般に、読み取られる画像のサイズは原稿のサイズよりも大きいため、読み取った画像には原稿の輪郭が含まれている。よって、原稿の上端を検出できるのである。本実施例においては、原稿上端の位置の検出は、レジストセンサ306を用いて行うものとする。画像処理部405は、原稿上端がレジストセンサ306を通過した時刻tと、レジストセンサ306とラインイメージセンサ305の距離l、原稿搬送速度vをもとに、ラインイメージセンサ305に原稿上端が到達する時刻t’を算出する。
t’=t+l/v
さらに、画像処理部405は、算出した時刻t’に読み取ったラインを原稿上端のラインと判断する。ただし原稿上端の位置の検出方法は、本実施例における方法以外のものでもよく、たとえば画像の中から原稿の影を検出する方法であってもよい。同様に画像処理部405は画像の下端も検出する。このように、画像処理部405は、画像の特定領域の先頭を検出(たとえば、入力画像のうち原稿に対応した原稿領域の先頭を検出)する画像領域検出手段として機能する。つまり、画像処理部405は、原稿の上端を特定領域となる原稿領域の先頭として検出する画像領域検出手段として機能する。ここで、画像の特定領域とは、実際に読み取った画像領域であってもよいし、読み取った画像領域に含まれる実際の原稿領域であってもよい。
【0031】
S111で、画像処理部405は、原稿上端の位置から画像の下端までの長さ(実長)が、ドライバ502から受け取った読み取り設定の中の指定長よりも長ければ、S112に進む。S112で、画像処理部405は、入力画像のうち原稿上端の位置から指定長となる位置までの画像を有効画像として特定する(本実施例では有効画像を切り出す)。一方、実長が指定長よりも長くなければ、S113に進む。S113で、画像処理部405は、原稿上端の位置から原稿下端までの位置に対応した画像を入力画像から切り出す。S114で、画像処理部405は、指定長と実長との差だけ余白を画像の下端に付加する。ここで、画像に余白を付加する際においては、ラインイメージセンサ305によって実際の原稿領域の読み取りに連続して対向面307、すなわち、背景(本実施例では白背景)を読み取ることで行われる。もちろん、ラインイメージセンサ305によって実際の原稿領域を読み取った後、その原稿画像データに余白データを合成処理してもよい。なお、このような画像に余白を付ける処理は、本実施例ではスキャナ301内で行うようにしたが、スキャナ301を制御するPC側(ドライバ側)で行うようにしてもよい。S115で、画像処理部405は、作成した画像をドライバ502に転送する。
【0032】
S116で、CPU417は、ドライバ502にしたがって、受信した画像をアプリケーション501に転送する。S117で、CPU417は、アプリケーション501にしたがって、受信した画像を表示装置421に表示する。
【0033】
本実施例によれば、画像処理部405は、画像の方向が上方向であれば画像領域検出手段が検出した画像の特定領域の先頭、ここでは原稿領域の先頭を基準として出力画像を生成し、画像の方向が下方向であれば画像を180度回転し、原稿領域の先頭を基準として出力画像を生成する画像処理手段として機能する。よって、操作者が指定した出力画像の指定長と原稿の実長とが一致していなくても、ユーザーにとって視認性の高い出力画像が得られるようになる。また、原稿の上下方向をそろえるための操作者の作業は必要ないため、操作者の作業負担が軽減される。
【0034】
[実施例2]
実施例1では、給紙方向(入力画像の視覚的な方向)を画像処理部405が検出するものとして説明した。実施例2では、操作者が予め給紙方向を指定するものとして説明する。なお、実施例2では、実施例1と共通する事項についての説明は説明の簡潔化のために省略する。
【0035】
図8は、本実施例におけるアプリケーション501にしたがって表示されるユーザーインターフェイスを示す図である。図6に示したユーザーインターフェイス601と比較して、ユーザーインターフェイス801では、原稿の給紙方向を指定するためのラジオボタン802が追加されている。操作者は入力装置420を操作して、上端から、下端からのどちらからを給紙方向として指定する。
【0036】
図9は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S201で、操作者がユーザーインターフェイス801上で希望する画像の指定長と給紙方向を選択し、スキャンボタン603を押すと、CPU417は、アプリケーション501にしたがって画像読み取り開始命令を作成して、ドライバ502に送信する。
【0037】
S202で、CPU417は、ドライバ502にしたがって画像読み取り開始命令を受け取り、読み取り設定を作成し、読み取り設定をスキャナ301に送信する。S203で、CPU417は、ドライバ502にしたがって画像読み取り開始命令をスキャナ301に送信する。
【0038】
S204で、スキャナ301の画像処理部405は、ホスト装置401のドライバ502から読み取り設定と画像読み取り開始命令を受信し、ラインイメージセンサ305とモータ409を制御して原稿の全体を読み取る。画像処理部405は、原稿全体が写った画像を生成する。
【0039】
S206で、画像処理部405は、読み取り設定の中で指定されている給紙方向が、原稿が下端から給紙されたことを示しているか否かを判定する。原稿が下端から給紙されたのであれば、S108に進み、原稿が上端から給紙されたのであれば、S107に進む。
これ以降の処理は、実施例1と共通しているため、説明を省略する。
【0040】
本実施例によれば、操作者が原稿の上端を揃える必要があるものの、上端検出機構が不要となるため、製造コストの点で有利である。その他の効果については、実施例1で説明したとおりである。
【0041】
[実施例3]
実施例1では、画像処理のほとんどをスキャナ301が担当していたが、実施例3では、ドライバ502が画像処理のほとんどを担当することを特徴とする。なお、実施例3では、実施例1と共通する事項についての説明は説明の簡潔化のために省略する。S101ないしS105が終了すると、S301に進む。なお、S306以降の処理は、S106
以降の処理に対応しており、実行主体が画像処理部405からCPU417に代わっているにすぎない。
【0042】
図10は実施例3にかかる画像読み取り処理を示すフローチャートである。S301で、画像処理部405は、画像中で原稿の上端(先頭)がどこに位置するかを検出する。この処理は、上述したS110に相当する。
【0043】
S302で、画像処理部405は、入力画像を転送するとともに、方向検出結果と上端検出結果をドライバ502へ送信する。CPU417は、ドライバ502にしたがって、入力画像、方向検出結果および上端検出結果を受信し、RAM418に保存する。
【0044】
S306で、CPU417は、ドライバ502にしたがって、原稿が下端から給紙されたか否かを判定する。CPU417は、方向検出結果に基づいてこの判定処理を実行する。原稿が下端から給紙されたのであれば、S308に進み、原稿が上端から給紙されたのであれば、S307に進む。
【0045】
S307で、CPU417は、原稿が上端から給紙されているため、ラインイメージセンサ305の光源の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。原稿が下端から給紙されたのであれば、S308で、CPU417は、受信した入力画像を180度回転する。S309で、CPU417は、ラインイメージセンサ305の光源の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。
【0046】
S311で、CPU417は、実長が指定長よりも長いか否かを判定する。実長が指定長よりも長ければ、S312に進む。S312で、CPU417は、上端検出結果に基づいて、入力画像のうち原稿上端の位置から指定長となる位置までの画像を有効画像として切り出す。一方、実長が指定長よりも長くなければ、S313に進む。S313で、CPU417は、上端検出結果に基づいて、原稿上端の位置から原稿下端までの位置に対応した画像を入力画像から切り出す。S314で、画像処理部405は、指定長と実長との差だけ余白を画像の下端に付加する。S316で、CPU417は、ドライバ502にしたがって、受信した画像をアプリケーション501に転送する。S117で、CPU417は、アプリケーション501にしたがって、受信した画像を表示装置421に表示する。
【0047】
このように、実施例3では、CPU417が、上述した画像処理手段として機能する。実施例3では画像処理の一部をドライバ502が負担しても、実施例1と同様の効果を奏することができる。とりわけ、ホスト装置401のCPU417が処理を負担することで、スキャナ301の処理を軽減できる。つまり、スキャナ301に要求される処理能力を低下させることできるため、スキャナ301を安価に製造しやすくなる。その他の効果については、実施例1で説明したとおりである。
【0048】
[実施例4]
実施例4は、実施例2と実施例3とを組み合わせた発明である。実施例2の給紙方向の指定処理と、実施例3のドライバ502による画像処理とが組み合わされている。
【0049】
図11は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。実施例2のS201ないしS204が実行されると、続いて実施例3のS301が実行される。
【0050】
S402で、画像処理部405は、入力画像と上端検出結果をドライバ502に送信する。上端検出結果は、S312とS313の画像切り出し処理で使用される。
【0051】
S406で、CPU417は、アプリケーション501から受信した給紙方向の指定情報にしたがって原稿が下端から給紙されたのか上端から給紙されたのかを判定する。原稿が下端から給紙されたのであれば、S308に進み、原稿が上端から給紙されたのであれば、S307に進む。これ以降の処理は、実施例2と共通である。
【0052】
このように、実施例4では、CPU417が、画像処理手段として機能する。また、実施例4は、実施例2と実施例3を組み合わせたものであり、その効果も実施例2の効果と実施例3の効果とを組み合わせたものとなる。
【0053】
[実施例5]
実施例5は、実施例3を変形したものである。実施例5では、原稿の上端検出処理をドライバ502が実行することを特徴としている。
【0054】
図12は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S101ないし105を実行した後で、S501に進む。S501で、画像処理部405は、入力画像と方向検出結果をドライバ502に送信する。
【0055】
さらに、S306ないしS309を実行した後で、S510に進む。S510で、CPU417は、入力画像から画像の上端を検出する。たとえば、CPU417は、入力画像に含まれる原稿の影を上端として検出する。その後、S311ないしS316を実行する。
【0056】
実施例5は、画像上端検出処理もホスト装置401が担当するため、実施例3と比較し、さらにスキャナ301の処理負荷を軽減できる。実施例5のその他の効果は実施例3と共通である。このように、実施例5では、CPU417が、画像処理手段や画像領域検出手段、有効画像領域指定手段として機能する。
【0057】
[実施例6]
実施例6は、実施例2と実施例5を組み合わせた発明である。つまり、実施例6は、実施例2の給紙方向の指定処理を実施例5に組み込んだ発明である。
【0058】
図13は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S201ないしS204が終了すると、S601に進む。S601で、画像処理部405は、入力画像をホスト装置401のドライバ502に転送する。
【0059】
S606で、CPU417は、アプリケーション501が指定された給紙方向が下端からの給紙方向か否かを判定する。原稿の上端から給紙されたのであればS307に進み、原稿の下端からの給紙されたのであればS308に進む。これ以降の処理は、実施例5と共通である。
【0060】
このように、実施例6では、操作者に給紙方向を指定させることで、ホスト装置401の給紙方向の検出処理を省略できる利点がある。実施例6のその他の効果は実施例5と共通である。実施例6では、CPU417が、画像処理手段や画像領域検出手段、有効画像領域指定手段として機能する。
【0061】
[実施例7]
実施例7は、実施例3を変形したものであり、スキャナ301が実行していた給紙方向の検出処理をホスト装置401のドライバ502が実行することに特徴がある。
【0062】
図14は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S101ないしS301は実施例3と共通である。S701で、画像処理部405は、入力画像と上端検出結果をホスト装置401のドライバ502に送信する。
【0063】
S702で、ホスト装置401のCPU417は、給紙方向の検出処理を実行する。たとえば、CPU417は、入力画像に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を行い、検出された文字数n0をRAM418に記憶する。CPU417は、入力画像を180度回転し、回転した画像に対してOCR処理を行い、検出された文字数n180をRAM418に記憶する。その後、CPU417は、1画像をさらに180度回転する。CPU417は、n0とn180を比較し、n0≧n180であれば、原稿は上端から給紙されたと判定し、n0<n180であれば、原稿は下端から給紙されたと判定する。なお、ここで行うOCR処理は公知のものでよい。このような給紙方向の検出処理は、上述した実施例において実行されてもおよい。その後、S306ないしS316が実行される。
【0064】
このように、実施例7では、給紙方向の検出処理をホスト装置401で実行することで、スキャナ301の処理負荷を軽減し、製造コストを低減できる利点がある。実施例7のその他の効果は実施例3と共通である。実施例7では、CPU417が、画像処理手段や有効画像領域指定手段、方向検出手段として機能する。
【0065】
[実施例8]
実施例8は、実施例6と実施例7とを組み合わせた発明である。つまり、実施例8は、実施例7の画像の上端検出処理をホスト装置401のドライバ502が担当することに特徴がある。
【0066】
図15は、画像読み取り処理を示すフローチャートである。S101ないしS104は、実施例1や実施例7と共通である。S801で、画像処理部405は、入力画像をドライバ502へ送信する。
【0067】
S802で、CPU417は、方向検出処理を実行する。この方向検出処理は、実施例7のS702と共通である。その後、実施例6で説明したS306からS316を実行する。
【0068】
このように、実施例8では、給紙方向の検出処理に加えて上端検出処理もホスト装置401で実行することで、スキャナ301の処理負荷を軽減し、製造コストを低減できる利点がある。実施例8のその他の効果は実施例7と共通である。実施例8では、CPU417が、画像処理手段や有効画像領域指定手段、方向検出手段、画像領域検出手段として機能する。
【0069】
[その他]
上述した実施例では、ユーザーインターフェイスを通じて出力画像の長さ(指定長)や原稿の給紙方向を指定できるものとして説明したが、ユーザーインターフェイスを通じて解像度や読み取り領域を選択できるようにしてもよい。
【0070】
指定長として、10cm、20cm、30cmのいずれか1つを選択できるものとして説明したが、たとえば1mやA4サイズの長さなど、別の数値が追加されてもよい。また、具体的な数値を入力するためのテキストボックスがユーザーインターフェイスに設けられてもよい。
【0071】
上述した実施例では、原稿束を180度回転させて画像読取装置にセットすることを前提としている。つまり、原稿の上端と下端のどちらかを給紙口に向けた状態を前提としている。しかし、本発明は、原稿束の回転角度が90度や270度などでも適用できる。つまり、原稿の右端や左端が給紙口に向いていても本発明を適用できる。すなわち、原稿の出力画像が所定の方向となるように、読み取った原稿の画像の方向を修正する場合にも本発明を適用できる。ここでは、実施例1に則して説明する。なお、実施例1と共通する事項については説明を省略する。
【0072】
S101で、操作者がユーザーインターフェイス上で出力画像の幅と長さ(指定サイズ、横方向の指定長と縦方向の指定長)を選択し、スキャンボタン603を押すと、CPU417は、アプリケーション501にしたがって画像読み取り開始命令を作成して、ドライバ502に送信する。CPU417は、画像に対する有効画像領域を指定する有効画像領域指定手段として機能する。その後、S103ないしS104を実行する。
【0073】
S105で、画像処理部405は方向検出処理を実行する。画像処理部405は、画像の視覚的な方向を検出する方向検出手段として機能する。S106で、画像処理部405は原稿が上端、下端、左端、右端のうちどの端から読み取られたかを判定する。この判定手法はすでに説明したとおりである。たとえば、画像処理部405は、原稿画像を時計の回転方向に0度、90度、180度、270度の4つの場合でそれぞれ回転させて文字認識を実行し、認識率の一番高い回転角度を採用する。なお、0度、90度、180度、270度は、それぞれ上端、右端、下端、左端に対応している。上端または下端から原稿が読み取られた場合には、実施例1と同じ処理を行う。
【0074】
一方、右端または左端から原稿が読み取られたと判定された場合には、S107ないしS109は次のような処理に置換される。まず、画像処理部405は、ラインイメージセンサの光源の点灯順序に基づいた画像補正処理を行う。この画像処理は回転前の画像に対して行われるため、点灯順序(赤⇒緑⇒青の順序)どおりの補正処理となる。右端から読み取られたと判定すると、画像処理部405は、画像を時計回りに所定の角度として90度回転し、左端から読み取られたと判定すると、画像を反時計回りに所定の角度として90度回転する。画像処理部405は、画像の特定領域の上端と、特定領域の左端と右端の位置を検出する。つまり、読み取った全体画像に含まれている原稿画像の4つの辺のうち上辺、左辺、右辺の各位置が検出される。上辺、左辺、右辺の検出方法は一般的なものでよく、たとえば画像の中から原稿の影を検出する方法などを採用できる。このように、画像処理部405は、画像の特定領域の先頭を検出する画像領域検出手段として機能する。
【0075】
次に、S111、S112、S113、S114と同様の方法を用いて、画像処理部405は、画像の切り出しと余白の付加を行う。さらに、画像処理部405は、画像の幅方向の指定長(指定幅)に基づいて画像の幅方向についても切り出しと、余白の付加を行う。たとえば、画像処理部405は、ユーザーインターフェイスを通して指定された指定幅と比べて、特定領域の幅が小さい場合には、特定領域の左端より左側の画像と右端より右側の画像を、画像から切り捨て、その後、指定幅と特定領域の幅との差の1/2の長さだけ、画像の左右に余白を付加する。また、指定幅と比べて特定領域の幅が大きい場合には、特定領域から指定幅の画像を切り出す。このように、画像処理部405は、画像の方向が第1方向であれば画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として有効画像領域を出力画像として出力し、画像の方向が第2方向であれば画像を所定の角度だけ度回転し、画像領域検出手段が検出した特定領域の先頭を基準として有効画像領域を出力画像として出力する画像処理手段として機能する。その後、S115、S116、S117と同様にして、画像の転送、表示を行う。
【0076】
このように本発明は給紙口に対する原稿束の方向が上端方向、下端方向、左端方向、右端方向のいずれであっても、ユーザーにとって視認性の高い出力画像が得られるようになる。もちろん、指定サイズと実サイズとが一致していなくても、原稿の上下方向をそろえるためのユーザーの作業負担を軽減できる。
【0077】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0078】
本願は、2011年 4月13日提出の日本国特許出願特願2011−089519を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
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図8
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