(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1配線の長さと前記第2配線の長さと前記第3配線の長さとを合計した値のばらつきは、それぞれの前記バッテリセル群の間において、すべての配線長の平均値に対してそれぞれの配線長が±5%以内である、請求項1に記載の作業車両用バッテリ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る作業車両用充電システムを示す図である。本実施形態においては、作業車両として、バッテリ式フォークリフト1を例として説明するが、作業車両はこれに限定されない。例えば、作業車両は、バッテリからの電力又はエンジン等によって駆動される発電機から得られた電力で駆動されるホイールローダ又は油圧ショベル等であってもよい。
【0017】
作業車両用充電システム100は、バッテリ式フォークリフト1と、充電装置2とを含む。バッテリ式フォークリフト1は、作業車両用バッテリとしてのバッテリ30及びこのバッテリ30から供給される電力によって駆動される少なくとも1個の電動機を備える、バッテリ式の作業車両である。少なくとも1個の電動機は、例えば、バッテリ式フォークリフト1を走行させるための電動機である。充電装置2は、建屋HT内又は建屋HTの軒下等に設置される定置式の装置である。充電装置2は、建屋HT内の配電盤3から3相交流が供給される。配電盤3は、例えば柱上トランス4から交流電力が供給される。柱上トランス4は、電力線5を介して変電所から交流電力が供給される。バッテリ式フォークリフト1は、例えば、休憩時間等に充電用コネクタ23に充電装置2の充電装置側コネクタ24が接続されて、バッテリ30が充電される。休憩時間を利用する場合、バッテリ30は急速充電される。
【0018】
図2は、本実施形態に係るバッテリ式フォークリフトを左側から見た状態を示した側面図である。
図3は、本実施形態に係るバッテリ式フォークリフトを左後方斜め上側から見た状態を示した斜視図である。以下において、バッテリ式フォークリフト1は、フォーク13が設けられている側が前方であり、カウンタウエイト20が設けられている側が後方である。作業車両がバッテリ式フォークリフトでない場合、運転席34から操作装置としてのハンドル36に向かう側が前方であり、ハンドル36から運転席34に向かう側が後方である。操作装置としては、作業車両の操舵に用いるハンドル36の他、油圧ショベル又はホイールローダ等においては作業機を操作するための操作レバーも含まれる。
【0019】
本実施形態においては、左右とは前方に対する左右をいうものとする。左右方向は、作業車両の本体としての車体10の幅方向である。上方は、前輪11及び後輪12のうち少なくとも3個と接触する平面(接地平面)に直交し、かつ接地平面から前輪11又は後輪12の回転中心軸に向かう側である。下方は、前輪11又は後輪12の回転中心軸から接地平面に向かう側である。車体10の前後方向に向かい、かつ車体10の幅方向中心を通る軸を前後軸といい、前後軸に直交し、設置平面と平行かつ車体10の左右方向に向かう軸を左右軸という。車体10の上下方向に向かう軸を上下軸という。上下軸は、前後軸と左右軸との両方に直交する。以下において、平面視とは、上方から見た状態をいうものとする。
【0020】
<バッテリ式フォークリフト1の全体構成>
バッテリ式フォークリフト1は、車体10の前方の隅部にそれぞれ前輪11を備え、車体10の後方の隅部にそれぞれ後輪12を備える。バッテリ式フォークリフト1は、前輪11の後方に設けられた走行用の電動機(走行用電動機)50によって前輪11が駆動されることにより走行する。より具体的には、走行用電動機50の出力は、減速機能を有する動力伝達装置51を介して両方の前輪11、11に伝達されて、これらを駆動する。
【0021】
本実施形態において、走行用電動機50には、例えば、PM(Permanent Magnet)型、すなわちローターが永久磁石を有する形式の電動機を用いることができる。PM型の電動機が走行用電動機50として用いられる場合、SPM(Surface Permanent Magnet)型であってもよいし、IPM(Interior Permanent Magnet)型であってもよい。
【0022】
車体10の前方には、荷物の積み降ろし又は移動を行うためのフォーク13が設けられている。フォーク13は、上下方向に沿って設けられたマスト14に支持されている。フォーク13は、マスト14との間に設けたマストシリンダ15の駆動により、マスト14に沿って昇降する。図には明示していないが、マスト14は、その下端部において左右軸回りに回転可能に車体10に取り付けられている。さらに、マスト14は、車体10との間に、図示しないチルトシリンダを備えている。マスト14は、チルトシリンダの駆動により、車体10に対して前傾姿勢又は後傾姿勢をとることが可能である。
【0023】
車体10の後端部には、カウンタウエイト20が設けられている。このように、バッテリ式フォークリフト1は、カウンタバランス型のフォークリフトであるが、これに限定されるものではない。カウンタウエイト20は、フォーク13が荷物を支持した場合に釣合いをとるためのウエイトである。カウンタウエイト20は、例えば、金属が用いられるがこれに限定されるものではない。カウンタウエイト20は、車体10において後輪12の上方となる部位から後端にわたる部位に配設してある。
【0024】
バッテリ式フォークリフト1は、アクセルペダル37、ブレーキペダル38及び進行方向切替レバー39を備えている。アクセルペダル37は、走行用電動機50の出力及び回転方向を制御する操作用の部材である。ブレーキペダル38は、バッテリ式フォークリフト1を停止させるための操作用の部材である。進行方向切替レバー39は、バッテリ式フォークリフト1の進行方向を前方又は後方のいずれか一方に切り替えるための操作用の部材である。バッテリ式フォークリフト1は、充電用コネクタ23を備えている。充電用コネクタ23は、バッテリ30を充電する際に、
図1に示す充電装置2の充電装置側コネクタ24が接続される。充電用コネクタ23は、充電装置側コネクタ24が接続されないときには、防水のための蓋が取り付けられる。
【0025】
図3に示すように、バッテリ式フォークリフト1は、ハンドル36の前方に、表示装置としての表示パネル52を備えている。表示パネル52は、バッテリ式フォークリフト1に対して様々な設定をするための入力部と、バッテリ式フォークリフト1の状態等に関する情報を表示する表示部とを有している。バッテリ式フォークリフト1のオペレータは、表示パネル52を介して、バッテリ式フォークリフト1に対して様々な設定をする。表示パネル52の表示部に表示されるバッテリ式フォークリフト1の状態等に関する情報としては、例えば、バッテリ30の状態又はマストシリンダ15等に供給される作動油の油圧等である。作動油は後述する荷役用電動機55により駆動される油圧ポンプ56から供給される。車載制御装置60は、走行用電動機50及び荷役用電動機55を制御する。
【0026】
<バッテリ30の構造>
図4−1は、本実施形態に係るバッテリ式フォークリフトが備えるバッテリの説明図である。
図4−2は、本実施形態に係るバッテリの配線を説明するための図である。バッテリ30は、複数のバッテリセル32を備える。本実施形態において、バッテリセル32は、制御弁式の蓄電池(例えば、鉛蓄電池)である。このようなバッテリセル32は、急速充電に適している。それぞれのバッテリセル32は、端子間電圧が12Vである。本実施形態では、複数(この例では6個)のバッテリセル32を直列に接続して複数(この例では6個)のバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6を形成する。これらを区別しない場合、適宜バッテリセル群32Lという。それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6を、例えば、銅製のバスバーBBp、BBmによって並列接続する。このように、バッテリ30は、複数のバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6が並列接続された並列組電池である。
【0027】
第1導体としてのバスバーBBpは、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の正極側の端子を電気的に接続する。第2導体としてのバスバーBBmは、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の負極側の端子を電気的に接続する。バスバーBBpとそれぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6との間には、ヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6が接続される。すなわち、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6が備えるバッテリセル32の端子は、ヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6に接続される。バスバーBBpと充電用コネクタ23との間には、コンタクタ66が設けられている。
【0028】
図4−2に示すように、バッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の正極とバスバーBBpとは、第1配線41によって電気的に接続されている。第1配線41は、配線41aと配線41bとを有する。配線41aは、バスバーBBpとヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6とを電気的に接続する。配線41bは、ヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6とバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の正極とを電気的に接続する。
【0029】
バッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の負極とバスバーBBmとは、第2配線42によって接続されている。バッテリセル群バッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6が有する複数のバッテリセル32同士は、第3配線43によって電気的に接続されている。
【0030】
第3配線43は、5本の配線43a、43b、43c、43d、43eを有する。配線43aは、バスバーBBpに最も近いバッテリセル32の負極と、これに隣接するバッテリセル32の正極とを電気的に接続する。配線43b、43c、43d、43eは、順次、隣接する5個のバッテリセルの負極と正極とを電気的に接続する。
【0031】
<バッテリ30及びバッテリケース31>
図5は、本実施形態に係るバッテリ及びバッテリケースを示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係るバッテリ及びバッテリケースを示す平面図である。
図7は、本実施形態に係るバッテリ及びバッテリケースを示す右側面図である。
図8は、本実施形態に係るバッテリ及びバッテリケースを示す左側面図である。バッテリ30は、バッテリケース31内に、前述した複数のバッテリセル32が収納されている。バッテリケース31は、底部31B、底部31Bと対向する上部31T及び底部31Bと上部31Tとを接続する側部31SF、31SB、31SL、31SRを有する。バッテリケース31は、上部31Tと底部31Bと側部31SF、31SB、31SL、31SRとで囲まれた空間に、複数のバッテリセル32の少なくとも1つの側面の少なくとも一部同士を接触させて収納する。
【0032】
図6に示すように、バッテリ30は、前方にバッテリケース31の側部31SFが向き、後方にバッテリケース31の側部31SBが向く。また、バッテリ30は、左側にバッテリケース31の側部31SLが向き、右側にバッテリケース31の側部31SRが向く。前方、後方は、
図2及び
図3に示すバッテリ式フォークリフト1の前方及び後方に対応する。すなわち、バッテリ30は、バッテリ式フォークリフト1に搭載されると、側部31SFが前方を向き、側部31SBが後方を向く。
【0033】
図5及び
図7に示すように、4個の側部31SF、31SB、31SL、31SRのうち、右側の側部31SRは、自身に開口する吸気口31Hiを有する。吸気口31Hiは、バッテリケース31内に気体を導入する。この気体は、本実施形態では空気である。本実施形態において、側部31SRは、複数(本例では3個)の吸気口31Hiを有するが、吸気口31Hiの数はこれに限定されるものではない。
図5、
図8に示すように、4個の側部31SF、31SB、31SL、31SRのうち、吸気口31Hiが開口する側部31SRと対向する側部、すなわち左側の側部31SLは、自身に開口する排気口31Heを有する。排気口31Heは、バッテリケース31内に導入された気体を排出する。本実施形態において、側部31SLは、複数(本例では4個)の排気口31Heを有するが、排気口31Heの数はこれに限定されるものではない。
【0034】
バッテリケース31は、ファン31Fを有する。ファン31Fは、吸気口31Hiからバッテリケース31内に気体を導入して複数のバッテリセル32の上面及び下面に気体を接触させながら流した後、バッテリケース31内から気体を排出する。本実施形態において、バッテリケース31は、複数(本例では4個)のファン31Fを有する。ファン31Fの個数は4個に限定されるものではない。それぞれのファン31Fは、排気口31Heに取り付けられる。このような構造により、複数のファン31Fは、バッテリケース31内から気体を吸引して外部に排出する。ファン31Fは、バッテリケース31内から気体を吸引するため、バッテリケース31内に吸気口31Hiから排気口31Heに向かう気体の流れを安定して作り出すことができる。
【0035】
複数のファン31Fがバッテリケース31内から気体を排出すると、バッテリケース31内の圧力が外側よりも低くなる。このため、吸気口31Hiからバッテリケース31の内部に気体が導入される。本実施形態において、気体は、
図6の矢印ARで示すように、バッテリケース31の右側から内部に導入されて、左側から排出される。このようにすることで、バッテリケース31内に収納された複数のバッテリセル32が冷却される。
【0036】
図2に示すバッテリ式フォークリフト1の車体10との関係では、バッテリ式フォークリフト1の幅方向における一方に吸気口31Hiが配置され、前記幅方向における他方に排気口31Heが配置される。本実施形態では、吸気口31Hiは車体10の右側に配置され、排気口31Heは車体10の左側に配置される。気体は、車体10の右側からバッテリケース31内に導入され、左側から排出される。ファン31Fは、排気口31Heに取り付けられるため、ファン31Fは、車体10の左側に配置される。このため、バッテリケース31にファン31Fを取り付けたことによる車体10の前後方向における寸法の増加を抑制することができる。
【0037】
バッテリケース31は、上部31Tに、安全回路を収納する収納ケース31SCが取り付けられる。収納ケース31SCには、前述したヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6、
図4−1に示すコンタクタ66及びバスバーBBm、BBpが収納される。バッテリケース31は、
図5に示すように、直方体形状の構造体である。上部31Tと底部31Bと側部31SF、31SB、31SL、31SRとは、いずれも板状かつ長方形(正方形を含む)形状の部材である。
【0038】
バッテリケース31の上部31Tは、開口部31THを有する。開口部31THは、バッテリケース31内に収納された複数のバッテリセル32に接続された第1配線41及び第2配線42をバッテリケース31の外部に引き出すための開口である。開口部31THから引き出された第1配線41及び第2配線42は、第1コネクタCNaを介して収納ケース31SCに収納された安全回路に接続される。
【0039】
本実施形態においては、バッテリケースの外部において、1つのバッテリセル群32Lから引き出された第1配線41及び第2配線42を束ねてある。束ねられた第1配線41及び第2配線42を、適宜配線束という。本実施形態において、バッテリケース31の内部には、6個のバッテリセル群32Lが収納されている。このため、配線束は、6本になる。それぞれの配線束を区別する場合、符号LGa、LGb、LGc、LGd、LGe、LGfで表し、区別しない場合は、符号LGで表す。
【0040】
本実施形態において、配線束LGは、バッテリケース31内におけるバッテリセル群32Lの位置に応じて、バッテリケース31の外部で屈曲してから、バスバーBBm、BBpに接続される。
【0041】
本実施形態では、
図5及び
図6に示すように、配線束LGa、LGbは、開口部31THから収納ケース31SCまでの間でほとんど屈曲していない。すなわち、配線束LGa、LGbは、開口部31THと収納ケース31SCとをほぼ直線で接続している。これに対して、配線束LGc、LGd、LGe、LGfは、開口部31THから収納ケース31SCまでの間で屈曲している。このため、配線束LGc、LGd、LGe、LGfは、開口部31THから収納ケース31SCまでの長さが、配線束LGa、LGbよりも長くなっている。また、配線束LGc、LGd、LGe、LGfの中では、配線束LGe、LGfは、開口部31THから収納ケース31SCまでの長さが、配線束LGc、LGdよりも長くなっている。
【0042】
図9は、本実施形態に係るバッテリが備えるバッテリセルの一例を示す斜視図である。バッテリセル32の形状は、略直方体形状である。バッテリセル32は、端子32BTが設けられる平面視が長方形の上面32Tと、上面32Tと対向する平面視が長方形の下面32Bと、上面32Tと下面32Bとを接続する平面視が長方形の4個の側面32SL、32SL、32SS、32SSとを有する。
【0043】
下面32Bにおいて、平面視が長方形形状であって隣接する一辺の寸法Wは、他の辺の寸法Lよりも小さい。寸法Wはバッテリセル32の幅、寸法Lはバッテリセル32の長さである。また、上面32Tと下面32Bとの距離(最短距離)Hは、バッテリセルの高さである。すなわち、バッテリセル32は、高さHは幅Wよりも大きい。本実施形態においては、バッテリセル32の長さLは高さHよりも大きい。すなわち、バッテリセル32は、長さLが最も大きく、幅Wが最も小さく、高さHは両者の間である直方体形状の構造体である。対向する側面32SL、32SLのそれぞれの面積は、対向する側面32SS、32SSそれぞれの面積よりも大きい。以下において、側面32SL、32SLを、適宜大側面32SL、32SLと呼び、側面32SS、32SSを、適宜小側面32SS、32SSと呼ぶ。
【0044】
バッテリセル32は、上面32Tと、上面32Tに隣接するそれぞれの側面32SL、32SL、32SS、32SSとの間に、段差部32Dを有する。段差部32Dは、上面32T及び下面32Bと平行な段差部上面32DTと、段差部上面32DTから立ち上がる段差部側面32DWとを有している。本実施形態において、段差部側面32DWは、段差部上面32DTと略直交している。
【0045】
複数のバッテリセル32は、バッテリケース31内に収納される。そして、各バッテリセル32の端子32BTには、第3配線43、第1配線41及び第2配線43が接続される。バッテリケース31内において、第1配線41、第2配線42及び第3配線43は、バッテリセル32の段差部32Dに収められる。
【0046】
バッテリ30は、並列組電池であるため、各バッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6に温度のばらつきが発生すると、温度が高いバッテリセル32の内部抵抗が低くなって電流が流れやすくなる。その結果、各バッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6において充電率のばらつき又はバッテリセル32の耐久性低下が発生する可能性がある。一般には、充電時に、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6に流れる電流を制御することによって充電率のばらつき及び耐久性低下を抑制している。
【0047】
本実施形態において、第1配線41の長さと第2配線42の長さと第3配線43の長さとを合計した値(以下、適宜配線長という)のばらつきは、所定の範囲内に収められている。本実施形態において、第1配線41の長さは、配線41aの長さと配線41bの長さとの和である。第3配線43の長さは、配線43a、43b、43c、43d、43eそれぞれの長さの和である。配線長のばらつきが所定の範囲内に収められているとは、すべての配線長の平均値に対してそれぞれの配線長が±5%以内であり、好ましくは3%以内であることをいう。本実施形態では、それぞれの配線長を同等、すなわち配線長のばらつきを0%とすることがより好ましい。
【0048】
このようにすると、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6の抵抗のばらつきを抑えることができるので、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6に発生する温度のばらつきを抑制できる。その結果、バッテリ30は、充電時においてそれぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3、32L4、32L5、32L6に流れる電流が個別に制御されなくても、充電率のばらつきを簡易に抑制することができる。
【0049】
本実施形態においては、
図5に示すように、第1配線41及び第2配線42が上部31Tの開口部31THからバッテリケース31の外部に引き出される。各バッテリセル群32LからバスバーBBp、BBmが収納される収納ケース31SCまでの距離は、それぞれのバッテリセル群32Lによって異なる。特に、上段のバッテリセル群32Lと下段のバッテリセル群32Lとでは、前述した距離の差が大きくなる。
【0050】
前述したように、配線長のばらつきを所定の範囲内に収める場合、前述した第1配線41、第2配線42及び第3配線43それぞれの長さを各バッテリセル群32Lの間で同等にすることが好ましい。このようにすると、各バッテリセル群32LからバスバーBBp、BBmまでの距離が異なると、各バッテリセル群32Lの間で第1配線41及び第2配線42の長さが余るものが発生する。
【0051】
本実施形態において、各バッテリセル群32Lに対応する第1配線41及び第2配線42の長さが余る場合、その余った部分をバッテリケース31の外部に配置している。例えば、
図5及び
図6に示す例では、配線束LGc、LGd、LGe、LGfに対応するバッテリセル群32LのバスバーBBp、BBmまでの距離は、配線束LGa、LGbよりも短い。また、配線束LGe、LGfに対応するバッテリセル群32LのバスバーBBp、BBmまでの距離は、配線束LGc、LGdよりも短い。
【0052】
このため、バッテリケース31の開口部31THから引き出された配線束LGc、LGd、LGe、LGfは、
図5及び
図6に示すように、バッテリケース31の外部で屈曲している。これに対して、配線束LGa、LGbは、バッテリケース31の外部でほとんど屈曲していない。配線束LGc、LGd、LGe、LGfの中では、この順に屈曲量、すなわちバッテリケース31の外部に配置される第1配線41及び第2配線42の長さが長くなる。
【0053】
図10は、
図6のA−A矢視図である。
図11は、バッテリケースと桟との関係を示す図である。
図11中の矢印ARは、気体の流れを示す。
図12は、バッテリケースの上部を取り外した状態を示す平面図である。
図10に示すように、本実施形態において、バッテリケース31は、上部31Tと下部31Bとの間にバッテリケース31の内部を区画する区画用部材31SPを有している。複数のバッテリセル32は、上部31Tと区画用部材31SPとの間及び区画用部材31SPと下部31Bとの間にそれぞれ配置される。区画用部材31SPは、板状の部材である。区画用部材31SPは、平面視が長方形(正方形を含む)である。区画用部材31SPは、バッテリケース31の側部31SF、31SB、31SL、31SRのそれぞれの内側に配置されている。
【0054】
バッテリ30は、
図5、
図7に示す吸気口31Hiから排気口31Heに向かって延在する複数の棒状の部材として複数の桟31Rを有している。複数の桟31Rは、区画用部材31SPの表面であって、バッテリケース31の上部31T側に設置される。同様に、複数の桟31Rは、バッテリケース31の底部31Bの表面であって、バッテリケース31の上部31T側に設置される。本実施形態において、複数の桟31Rは、自身の延在する方向(長手方向)と、バッテリケース31の左右方向(幅方向)とが平行になるように設置されている。
【0055】
図10に示すように、それぞれの桟31Rは、バッテリセル32の下面32Bと接して、バッテリセル32を支持している。バッテリセル32の下面32Bと区画用部材31SPとの間及び底部31Bとの間に複数の桟31Rが設置されているので、バッテリセル32の下面32Bと区画用部材31SPとの間及び底部31Bとの間には、それぞれ気体が通過する気体通路ARPが形成される。また、バッテリケース31の上部31Tと複数のバッテリセル32の上部32Tとの間及び区画用部材31SPと複数のバッテリセル32の上部32Tとの間にも、それぞれ気体が通過する気体通路ARPが形成される。
【0056】
このような構造により、
図5、
図7に示す吸気口31Hiからバッテリケース31内に導入された気体は、気体通路ARP内を通過する過程で、上部31Tと区画用部材31SPとの間に配置された複数のバッテリセル32の上面32T及び下面32B並びに区画用部材31SPと下部31Bとの間に配置された複数のバッテリセル32の上面32T及び下面32Bに接触しながら流れる。このようにして、バッテリセル32が冷却される。特に、バッテリ30を急速充電する場合、それぞれのバッテリセル32は熱を発するので、気体通路ARPに気体を流すことにより、複数のバッテリセル32が発する熱をバッテリケース31の外部に放出させる。
【0057】
本実施形態において、バッテリケース31は、4個の気体通路ARPを有している。これらの気体通路ARPは、気体の流れる方向と直交する断面の面積が同等になることが好ましい。このようにすれば、すべての気体通路ARPを流れる気体の量が同等になるので、複数のバッテリセル32間における冷却のばらつきを抑制できる。
【0058】
図10及び
図11に示すように、桟31Rは、2個のバッテリセル32の下面32Bと接するものと、1個のバッテリセル32の下面32Bと接するものとがある。それぞれの桟31Rは、吸気口31Hiから排気口31Heに向かって延在している。このため、複数の桟31Rは、複数のバッテリセル32と区画用部材31SPとの間の気体通路ARP及び複数のバッテリセル32と底部31Bとの間の気体通路ARPを、複数の通路に区画する。このような構造により、吸気口31Hiからバッテリケース31内に導入された気体は、複数の桟31Rによって分割されて、それぞれの通路に流れるので、桟31Rの延在方向と直交する方向において、気体の分布の均一化を実現することができる。その結果、複数のバッテリセル32間における温度のばらつきを抑制できる。
【0059】
前述したように、バッテリケース31内において、第1配線41、第2配線42及び第3配線43は、バッテリセル32の段差部32Dに収められる。このため、バッテリケース31内において、第1配線41、第2配線42及び第3配線43、すなわち電力ケーブルCABがバッテリケース31内の気体通路ARPに張り出すことを抑制できる。その結果、バッテリ30は、気体通路ARPを通過する気体の流量低下が抑制されるので、自身が備える複数のバッテリセル32の冷却効率が低下すること及び温度のばらつきを抑制できる。
【0060】
本実施形態においては、バッテリケース31内における複数のバッテリセル群32Lの位置に応じて、バッテリケース31の外部における配線束LG、すなわち第1配線41及び第2配線42の屈曲量を異ならせる。より具体的には、バッテリセル群32LからバスバーBBp、BBmまでの距離に応じて、バッテリケース31の外部における配線束LG、すなわち第1配線41及び第2配線42の屈曲量を異ならせる。このようにすることで、バッテリケース31の内部に存在する第1配線41及び第2配線42を最小限に抑えることができる。また、バッテリケース31の外部において配線束LG、すなわち第1配線41及び第2配線42を引き出して屈曲させることによっても、バッテリケース31の内部に存在する第1配線41及び第2配線42を最小限に抑えることができる。結果として、気体通路ARPの通路断面積の低下が抑制されるので、気体通路ARPを通過する気体の流量低下が抑制される。このため、バッテリ30は、バッテリケース31に収納された複数のバッテリセル32の冷却効率の低下及び温度のばらつきを抑制できる。
【0061】
本実施形態では、例えば、
図12に示すように、8個のバッテリセル32がそれぞれの大側面32SL同士の少なくとも一部を接触又は対向させた状態でバッテリセル32の列(以下、適宜セル列という)を形成している。バッテリケース31内には、セル列が2列配置されている。それぞれのセル列同士は、バッテリセル32の小側面32SS同士の少なくとも一部が接触している。また、バッテリケース31内には、2個のバッテリセル32が、1個のセル列と近接して配置されている。それぞれのバッテリセル32は、それぞれの大側面32SLの少なくとも一部と、1個のセル列に含まれる複数のバッテリセル32の小側面32SSの少なくとも一部とが近接している。
【0062】
セル列の両端に配置されるバッテリセル32は、一方の大側面32SLのみが隣接するバッテリセル32の大側面32SLと接しており、他方の大側面32SLは、バッテリケース31の側部31SL又は側部31SRのいずれか1つに面している。1個のセル列に大側面32SLが接する2個のバッテリセル32は、小側面32SSと接しない大側面32SLがバッテリケース31の側部31SFに面しており、1つの小側面32SSは、バッテリケース31の側部31SL又は側部31SRのいずれか一方に面している。また、2個のバッテリセル32同士は、側部31SL又は側部31SRと面していない小側面32SS同士が対向している。
【0063】
図12は、前述した区画用部材31SPの上部に設置された複数のバッテリセル32の配置を示している。バッテリケース31の底部31Bの上部も、区画用部材31SPの上部と同様に複数のバッテリセル32が配置されている。本実施形態において、区画用部材31SPの上部には、計18個のバッテリセル32が配置されるので、バッテリケース31内には、計36個のバッテリセル32が配置される。前述したように、バッテリ30は、直列に接続された6個のバッテリセル32を1つのバッテリセル群32Lとし、複数(本実施形態では6個)のバッテリセル群32Lを並列に接続している。本実施形態では、1個のセル列の両端に配置された2個のバッテリセル32を除く6個のバッテリセル32が1つのバッテリセル群32L(32L1、32L2)を形成する。また、それぞれのセル列の両端に配置された計4個のバッテリセル32と、1個のセル列に大側面32SLが接する2個のバッテリセル32との計6個で、1つのバッテリセル群32L(32L3)が形成される。
【0064】
バッテリセル群32L1、32L2、32L3に含まれる複数のバッテリセル32の正極と負極とは、第3配線43によって電気的に接続される。バッテリセル群32L1、32L2、32L3の正極には第1配線41が電気的に接続され、負極には第2配線が電気的に接続される。第1配線41、第2配線42及び第3配線43は、各バッテリセル32の上面に沿って配置される。各バッテリセル群32L1、32L2、32L3から引き出された第1配線41及び第2配線42は、バッテリケース31内の配線通路31PSに導かれる。配線通路31PSに導かれた第1配線41及び第2配線42は、
図5及び
図6に示すバッテリケース31の開口部31THからバッテリケース31の外部に引き出される。
【0065】
バッテリケース31内において、それぞれのバッテリセル群32L1、32L2、32L3の正極及び負極と配線通路31PSとの距離は、バッテリセル群32L3、バッテリセル群32L1、バッテリセル群32L2の順に短くなる。このため、バッテリケース31の外部における第1配線41及び第2配線42の屈曲量は、バッテリセル群32L3、バッテリセル群32L1、バッテリセル群32L1の順に大きくなる。また、バッテリケース31内における上段と下段とでは、上段の方が
図5及び
図6に示す収納ケース31SCまでの距離が近い。このため、バッテリケース31の外部における第1配線41及び第2配線42の屈曲量は、バッテリケース31内の上段に収納されるバッテリセル群32Lの方が、下段に収納されるバッテリセル群32Lよりも大きくなる。
【0066】
本実施形態においては、
図10及び
図12に示すように、複数のバッテリセル32とバッテリケース31の側部31SFの内側との間に、断熱材HIが設けられる。断熱材HIは、バッテリセル32とバッテリケース31の側部31SFの内側との両方に接する。また、一部のバッテリセル32の間にも、断熱材HIが設けられる。断熱材HIは、バッテリケース31の外部へのバッテリセル32の放熱を抑制する。このようにすることで、バッテリセル32の温度のばらつきを抑制できる。このため、特に、充電時においてバッテリセル32の温度のばらつきが抑制されるので、充電率のばらつきの抑制及びバッテリセル32の耐久性低下の抑制に効果的である。また、断熱材HIは、バッテリケース31内でバッテリセル32が移動することを抑制することもできる。さらに、バッテリ式フォークリフト1が急発進又は急停止した場合等に、バッテリセル32に与えられる衝撃力を緩和することもできる。
【0067】
ファン31Fは、
図2に示す車載制御装置60によって制御される。本実施形態においては、車載制御装置60は、少なくともバッテリ30が備える複数のバッテリセル32の充電中に、バッテリケース31の内部から気体を吸引して、複数のバッテリセル32を冷却する。このようにすることで、充電時における各バッテリセル32の温度のばらつきを抑制できるので、充電率のばらつきの抑制及びバッテリセル32の耐久性低下の抑制に効果的である。本実施形態において、車載制御装置60は、さらに、バッテリ30が備える複数のバッテリセル32の放電中にも、バッテリケース31の内部から気体を吸引して、バッテリセル32の昇温を抑制することができる。
【0068】
図13は、収納ケースの構造を示す図である。収納ケース31SC内には、ヒューズFuが収納される。ヒューズFuは、
図4に示すヒューズFu1、Fu2、Fu3、Fu4、Fu5、Fu6に相当する。ヒューズFuは、バッテリセル32の端子32BTと電力ケーブルCABを介して電気的に接続される。複数のバッテリセル群32Lから引き出された電力ケーブルCABとヒューズFuとは、コネクタCNによって接続される。コネクタCNは、第1コネクタCNaと第2コネクタCNbとを有する。電力ケーブルCABは、第1コネクタCNaに接続され、ヒューズFuは第2コネクタCNbに接続される。第2コネクタCNbは、収納ケース31SCに取り付けられている。
【0069】
収納ケース31SCには、蓋CBが取り付けられる。蓋CBは、第1コネクタCNaを通すための開口CBHを有している。第1コネクタCNaは、開口CBHを通して第2コネクタCNbに差し込まれる。蓋CBを取り外して収納ケース31SC内を点検等する場合は、蓋CBを取り外す必要がある。第1コネクタCNaが第2コネクタCNbに接続されている状態で蓋CBを取り外そうとすると、第1コネクタCNaが蓋CBの開口CBHに係り合うので、第1コネクタCNaを第2コネクタCNbから取り外さない限り、蓋CBを取り外すことはできない。第1コネクタCNaを第2コネクタCNbから取り外すと、蓋CBを取り外すことができる。第1コネクタCNaを第2コネクタCNbから取り外すと、バッテリセル32からの電力がヒューズFuに印加されることはない。このため、収納ケース31SC内の部品等に触れても安全である。
【0070】
本実施形態では、収納ケース31SCの蓋CBに設けた開口CBHに、バッテリセル32の電力ケーブルCABが接続される第1コネクタCNを設ける。このような構造により、第1コネクタCNaを第2コネクタCNbから取り外さない限り蓋CBを取り外すことができないため、安全性が向上する。
【0071】
図6に示すように、収納ケース31SCは、バッテリケース31の後方に設けられる。
図2に示すバッテリ式フォークリフト1の車体10との関係では、収納ケース31SCは、車体10の後方側に設けられる。バッテリ30は、
図2に示すように、バッテリ式フォークリフト1の運転席34の下方に設置される。ヒューズFuの交換等で収納ケース31SCの蓋CBを取り外す場合、
図2に示すように、支持軸33aの軸心回りに運転席34を回動させてバッテリ30の上方を開放する。このとき、収納ケース31SCが車体10の後方側に設けられているため、作業車は収納ケース31SCにアクセスしやすくなるので、ヒューズFuの交換又は収納ケース31SCの点検が容易になる。
【0072】
バッテリケース31は、断熱材HI及びファン31Fによって、バッテリ30の充電時における各バッテリセル32の温度のばらつきを抑制できるので、充電率のばらつきの抑制及びバッテリセル32の耐久性低下の抑制に効果的である。このため、
図2に示す車載制御装置60は、バッテリ30の充電時に並列制御を実行する必要がなくなるので、充電時における制御を簡単にすることができる。並列制御とは、複数のバッテリセルを並列に接続した組電池を充電する場合、各バッテリセルの充電量が平準化されるように充電量を調整する制御である。ファン31Fによってバッテリセル32を冷却する場合、隣接するバッテリセル32の間に隙間を設けることが好ましい。しかし、隙間を設けると、バッテリケース31の寸法の増加を招いてしまう。バッテリ式フォークリフト1は、小回りが要求されるため、車体10は可能な限りコンパクトであることが好ましい。また、バッテリ式フォークリフト1は、運転席34の下方にバッテリ30を収納するため、バッテリセル32間に隙間を設けると、必要な数のバッテリセル32を収納できない可能性もある。
【0073】
このため、本実施形態では、セル列を形成するバッテリセル32は、4個の側面32SL、32SL、32SS、32SSのうち少なくとも1つの少なくとも一部同士を敢えて接触させた状態で、バッテリケース31内に収納される。このようにすることで、バッテリセル32間に隙間を設ける必要はないため、バッテリケース31の寸法の増加を抑制できる。そして、各バッテリセル32の上面32Tと下面32Bとに気体を接触させながら流すことにより、各バッテリセル32を冷却する。このように、バッテリ30は、寸法増加の抑制とバッテリセル32の冷却の確保との両立を実現することができる。
【0074】
本実施形態では、バッテリケース31が区画用部材31SPを備えていなくてもよい。すなわち、複数のバッテリセル32は、上部31T側と底部31B側とにそれぞれ一段ずつ配置されず、上部31Tと底部31Bとの間に一段のみが配置されていてもよい。また、複数のファン31Fは、バッテリケース31内から気体を吸引するのではなく、バッテリケース31内に気体を送り込んでもよい。
【0075】
充電装置2を用いてバッテリ30を急速充電する場合、通常の充電に比べて交流を直流に変換する装置等の発熱量が大きくなるため、装置が大型化する。急速充電が可能な充電装置をバッテリ式フォークリフト1に搭載する場合、バッテリ式フォークリフト1自体が大型化する他、質量の増加によりバッテリ式フォークリフト1の稼働時間が短くなってしまう可能性もある。本実施形態は、充電装置2を定置式としているため、急速充電が可能な充電装置をバッテリ式フォークリフト1に搭載する必要はない。その結果、バッテリ式フォークリフト1の大型化及び質量の増加による稼働時間の減少を抑制しつつ、バッテリ30のマネジメントを行うことができる。
【0076】
以上、本実施形態を説明したが、上述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
バッテリ30は、複数のバッテリセルを直列に接続した複数のバッテリセル群と、複数のバッテリセルを収納するバッテリケース31と、各バッテリセル群の正極同士を接続するバスバーと、各バッテリセル群の負極同士を接続するバスバーと、正極とバスバーとを接続する第1配線41、負極とバスバーとを接続する第2配線42及びバッテリセル群が有するバッテリセル同士を接続する第3配線と、を含む。第1配線41及び第2配線42は、バッテリケース31の外部に引き出されてからそれぞれのバスバーに接続され、かつ、バッテリケース31内におけるバッテリセル群の位置に応じて、対応する第1配線41及び第2配線42がバッテリケース31の外部で屈曲されてからそれぞれのバスバーに接続される。