(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5676788
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】エレベータのディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20150205BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20150205BHJP
【FI】
B66B3/00 G
G06F3/048 651C
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-6100(P2014-6100)
(22)【出願日】2014年1月16日
【審査請求日】2014年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】伊 澤 裕 孝
【審査官】
篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−051387(JP,A)
【文献】
特開2011−164742(JP,A)
【文献】
特開2009−109742(JP,A)
【文献】
特開2008−263536(JP,A)
【文献】
特開2007−086213(JP,A)
【文献】
特開平10−162004(JP,A)
【文献】
特開平10−104655(JP,A)
【文献】
特開平10−063458(JP,A)
【文献】
特開平05−139646(JP,A)
【文献】
特開平04−272075(JP,A)
【文献】
特開昭62−196284(JP,A)
【文献】
実開昭63−116479(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00
G06F 3/01
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の切欠きを有するエレベータの操作パネルの切欠き背面に設置され、切欠きの形状より大きな形状をもつディスプレイと、
切欠きの4隅をディスプレイ上に入力することにより、ディスプレイの表示領域を特定する画面調整部と、
画面調整部で特定されたディスプレイ上の表示領域内に画像を表示する画面表示部とを備えたことを特徴とするエレベータのディスプレイシステム。
【請求項2】
画面調整部に調整スイッチが接続され、調整スイッチをONとすることによって、画面調整部を作動モードとし、調整スイッチをOFFとすることによって、画面調整部を非作動モードとすることを特徴とする請求項1記載のエレベータのディスプレイシステム。
【請求項3】
画面表示部は、調整スイッチをONとすることによりディスプレイの背景を第1色とし、画面調整部による表示領域の特定が終了したときディスプレイの背景を第1色と異なる第2色とすることを特徴とする請求項2記載のエレベータのディスプレイシステム。
【請求項4】
画面調整部に、切欠き情報を送る切欠き情報出力部が接続され、切欠き情報出力部からの切欠き情報に基づいて画面調整部においてディスプレイの表示領域を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータのディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、エレベータの操作パネルに設置されるディスプレイを含むエレベータのディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図3(a)(b)に示すように、従来より切欠き2aを有するエレベータの操作パネル2が知られている。そして操作パネル2の切欠き2aの背面にディスプレイ10が設置されて、エレベータのディスプレイシステム1が構成される。この場合、ディスプレイ10としては1行用ディスプレイと(
図3(a)参照)、2行用ディスプレイとがある(
図3(b)参照)。また、1行用ディスプレイ10は操作パネル2の小さな切欠き2aの背面に設置され、2行用ディスプレイ10は操作パネル2の大きな切欠き2aの背面に設置されている。
【0003】
また操作パネル2上には、戸閉/戸開ボタン3および行き先階ボタン4が設置されている。
【0004】
操作パネル2の背面に設置されたディスプレイ10を改良、交換する場合、その都度1行用ディスプレイあるいは2行用ディスプレイを準備して取換える必要があり、このため多種のディスプレイを準備しなければならない。
【0005】
また、ディスプレイは近年、特開2004−109396のように薄型表示装置として開発され、市場投入されるが、液晶パネルの進化に伴い、半年周期で市場の製品が改廃する状態となっている。そのため、エレベータで採用したディスプレイが経年変化により、使用できなくなり、交換するタイミングでは市場に同じディスプレイがなく、交換が難しい状態となる。また、交換を考慮して買いだめを行い、交換部品の確保をするが、在庫が増える問題もあり、財務的にも難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−109396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、汎用のディスプレイを用いたエレベータのディスプレイシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、矩形状の切欠きを有するエレベータの操作パネルの切欠き背面に設置され、切欠きの形状より大きな形状をもつディスプレイと、切欠きの4隅をディスプレイ上に入力することにより、ディスプレイの表示領域を特定する画面調整部と、画面調整部で特定されたディスプレイ上の表示領域内に画像を表示する画面表示部とを備えたことを特徴とするエレベータのディスプレイシステムである。
【0009】
本発明は、画面調整部に調整スイッチが接続され、調整スイッチをONとすることによって、画面調整部を作動モードとし、調整スイッチをOFFとすることによって、画面調整部を非作動モードとすることを特徴とするエレベータのディスプレイシステムである。
【0010】
本発明は、画面表示部は、調整スイッチをONとすることによりディスプレイの背景を第1色とし、画面調整部による表示領域の特定が終了したときディスプレイの背景を第1色と異なる第2色とすることを特徴とするエレベータのディスプレイシステムである。
【0011】
本発明は、画面調整部に、切欠き情報を送る切欠き情報出力部が接続され、切欠き情報出力部からの切欠き情報に基づいて画面調整部においてディスプレイの表示領域を調整することを特徴とするエレベータのディスプレイシステムである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、汎用のディスプレイを用いたエレベータのディスプレイシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(a)(b)は本実施の形態によるエレベータのディスプレイシステムを示す外観図。
【
図2】
図2は本実施の形態によるエレベータのディスプレイシステムを示すブロック図。
【
図3】
図3(a)(b)は従来のエレベータのディスプレイシステムを示す外観図。
【0014】
次に
図1(a)(b)および
図2により、本発明のエレベータのディスプレイシステムについて説明する。
エレベータのディスプレイシステム1は、矩形状の切欠き2aを有する操作パネル2のうち、切欠き2a背面に設置されたタッチパネル機能をもつディスプレイ10と、切欠き2aの4隅(4点)をタッチパネル機能をもつディスプレイ10上に入力する入力部17と、入力部17からの情報に基づいてディスプレイ10の表示領域10aを判定する画面調整部14と、画面調整部14で特定された表示領域10aを構成する画面構成情報部13とを備えている。
【0015】
また画面構成情報部13で構成された表示領域10aの設定情報は画面表示部11に送られ、画面表示部11はディスプレイ10上の表示領域10aを確定する。
【0016】
他方、映像信号が映像信号入力部12に送られ、映像信号入力部12からの映像信号は画面表示部11に送られた後、ディスプレイ10に送られる。
【0017】
また画像調整部14には調整スイッチ16が接続され、この調整スイッチ16をONとした場合に画面調整部14は作動モードをとり、調整スイッチ16をOFFとした場合に画面調整部14は非作動モードをとる。また調整スイッチ16をONとした場合、画面調整部14は画面構成情報部13を介して画面表示部11を作動させて、ディスプレイ10の背景を第1色(例えば赤色)とする。また画面表示部11において、ディスプレイ10上の入力部17から4点情報が入力され画面調整部14においてディスプレイ10の表示領域10aを特定し、画面表示部11により表示領域10aを確定した際、画面表示部11はディスプレイ10の背景を第1色と異なる第2色(例えば青色)とする。
【0018】
また画面調整部14には、切欠き情報出力部15が接続されている。切欠き情報出力部15には、予め正確な切欠き2aの形状に関する切欠き情報が内蔵されており、入力部17から不正確な切欠き2aの4点摩擦の情報が入力された場合、画面調整部14は入力部17からの4点摩擦の情報を調整する。
【0019】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、
図1(a)(b)に示すように、エレベータのディスプレイシステム1として、小さな形状の切欠き2aを有する操作パネル2(
図1(a)参照)と、大きな形状の切欠き2aを有する操作パネル(
図1(b)参照)とが準備され、各操作パネル2の切欠き2aの背面にディスプレイ10が設置される。
【0020】
この場合、
図1(a)に示す小さな形状の切欠き2aの背面に設置されたディスプレイ10は1行用ディスプレイとして機能し、
図1(b)に示す大きな形状の切欠き2aの背面に設置されたディスプレイ10は2行用ディスプレイとして機能する。また操作パネル2の背面に設けられたディスプレイ10は、小さな形状の切欠き2a(
図1(a)参照)および大きな形状の切欠き2bのいずれに対しても、より大きな形状をもつ。
【0021】
次に
図2に示すように、調整スイッチ16をONさせる。このとき画面調整部14に調整スイッチ16から調整信号が入力され、ディスプレイ10の背景色が赤色に変化し、ディスプレイパネル10のタッチパネル機能が動作すると共に調整モードとなる。背景色が赤色に変化することで、操作員に調整モードに入った事を知らせる事ができる。
【0022】
調整モード後、操作員が切欠き2aの4隅(A、B、C、D)の座標をディスプレイ10上でタッチする(入力部17による入力)。このとき4点座標(A、B、C、D)が画面調整部14に入力される。これにより、画面調整部14は映像を表示させるディスプレイ10上の表示領域10aを特定する。この場合、小さい切欠き2aを有する操作パネル2においては、切欠き2aに対応した小さな表示領域10aが特定され、大きい切欠き2aを有する操作パネル2においては、切欠き2aに対応した大きな表示領域10aが特定される。4点座標を入力後、ディスプレイ10の背景色が赤から青色に変化し、4点座標の入力が完了したことを操作員に知らせる。
【0023】
ところで、4点座標を入力する際、表示させる範囲について、操作員が手作業にて入力するため、誤差が生じることがある。このため予め切欠き情報を画面調整部14に入力しておくことで、画像調整部14は例えばディスプレイ10のA座標を基準として、縦、横の長さにB、Cの座標がある事を確認し、その後、画面調整部14は誤差調整後にディスプレイ10の表示領域10aを特定する。
【0024】
表示位置の情報は画面構成情報13に転送され、画面表示部11でディスプレイ10の表示領域10aを確定する。これにより、操作パネル2(1行用ディスプレイ)や操作パネル2(2行用ディスプレイ)の切欠き2aの位置に正確に映像を表示する事が可能となる。
【0025】
その後、調整スイッチ16をOFFとすることで、ディスプレイ10のタッチパネル機能が使えなくなり、ディスプレイ10に乗客が触れても誤動作はしない。
【0026】
次に映像信号が映像信号入力部12に送られ、映像信号入力部12からの映像信号は画面表示部11に送られた後、画像調整部14により特定されたディスプレイ10の表示領域10aに表示される。
【0027】
この場合、ディスプレイ10の表示領域10aは操作パネル2の切欠き2aに対応している。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば、操作パネル2の切欠き2aの形状に合わせて各種のディスプレイを設置する必要はなく、汎用のディスプレイを用いることができる。このため維持管理費用を少なく抑えることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 エレベータのディスプレイシステム
2 操作パネル
2a 切欠き
3 戸閉/戸開ボタン
4 行き先階ボタン
10 ディスプレイ
10a 表示領域
11 画面表示部
12 映像信号入力部
13 画面構成情報部
14 画面調整部
15 切欠き情報出力部
16 調整スイッチ
17 入力部
【要約】
【課題】エレベータの操作パネルの裏面に汎用のディスプレイを設置する。
【解決手段】エレベータのディスプレイシステム1は操作パネル2の切欠き2aの背面に設置されたディスプレイ10と、ディスプレイ10上に切欠き2aの4点座標を入力する入力部17とを備えている。入力部17から切欠き2aの4点座標を入力することにより、画面調整部14において、ディスプレイ10上の表示領域10aを特定する。
【選択図】
図2