特許第5676812号(P5676812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5676812魚床ブロックとそれを利用した魚床ブロック漁法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5676812
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】魚床ブロックとそれを利用した魚床ブロック漁法
(51)【国際特許分類】
   A01K 69/06 20060101AFI20150205BHJP
   A01K 61/00 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   A01K69/06 Z
   A01K61/00 313
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-159124(P2014-159124)
(22)【出願日】2014年8月5日
【審査請求日】2014年8月5日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597116252
【氏名又は名称】村山 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】村山哲夫
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−210880(JP,A)
【文献】 特開平10−262489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 69/06
A01K 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックであって、
前記魚床ブロックは、周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴を設けると共に、該魚床穴の最奥部に水流が流入する小形の通水孔を連通し、下面には位置決め用の複数の突起部を設け、上面には該突起部が嵌め込まれる形状を有する嵌め込み凹部を設け、さらに、前記魚床ブロックの魚床穴の開口部中央付近の上面にスリット溝を設けると共に、該魚床穴の開口部中央付近から下面にかけて窪み部を設け、該スリット溝と窪み部に先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックを嵌め込んで係止したことを特徴とする魚床ブロック。
【請求項2】
前記魚床ブロックの魚床穴が延設される方向と平行する両側中央に上面から下面まで貫通させて前記魚床ブロック同士を針金で連結することができる連結孔を穿設したことを特徴とする請求項1記載の魚床ブロック。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2の魚床ブロックを利用した追い出し漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックを魚床穴に差し込んで袋小路状の魚床穴内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網で漁獲することを特徴とする魚床ブロック漁法。
【請求項4】
前記請求項1または請求項2の魚床ブロックを利用した餌置き漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックの先端部に返り部を形成し、その返り部に餌付けした状態で魚床穴に差し込むと同時に、前記魚床ブロックのスリット溝に前記仕掛け係止フックのクリップ状の基端部を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴内に魚類を誘い込むと共に、潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網で漁獲することを特徴とする魚床ブロック漁法。
【請求項5】
前記請求項1または請求項2記載の魚床ブロックを利用した仕掛け針漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックの先端部に釣針を連結し、その釣針に餌付けをして魚床穴に差し込むと同時に、前記魚床ブロックのスリット溝に前記仕掛け係止フックのクリップ状の基端部を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴に入り込んだ魚類を釣針で釣り上げて漁獲することを特徴とする魚床ブロック漁法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋小路状の魚床構造と連結機能を有する漁礁暗渠構造を備え、さらにその構造を利用した魚床ブロック漁法ができる自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりの河川の護岸や川底に敷設される漁礁ブロックは、護岸ブロックの下端に直線的且つ画一的な形状と空間を形成したフリュームブロックや、規格統一された型枠によって一体成型される魚床ブロックや、袋状の金網に玉石を投入した漁礁暗渠や、上方が開口される枠型金網に玉石を投入した移動式の漁礁暗渠などが知られている。
【0003】
しかしながら、上記のフリュームブロックや漁礁暗渠は、護岸や川底に敷設される際に大掛かりな護岸工事を必要としたり、広範囲に亘った施工工事を行なわなければならず、多額な工事費用と長期的な工事期間を要するものであった。
一方、移動式の漁礁暗渠は、移動の度に枠型金網に投入されている玉石を水中で出し入れしなければならず、多大な労力と作業時間を要するものであった。
【0004】
従来における河川の護岸や川底に敷設されている漁礁ブロックの多くは、護岸や川底を保護する擁壁としてや、魚類が棲息する漁礁ブロックとしてその目的を達成することができる構造ならびに機能は備えているものではあるが、魚類を漁獲する構造ならびに機能は備えているものではなかった。
【0005】
上記の実例としては、例えば、自然石風の六面体に貫通穴、直進穴、斜め穴を穿設して連結した「貫通孔付き石」(特許文献1参照)が提案されている。
しかしながら、かかる提案は、自然石風の六面体に貫通穴が放射状に空けられていることによって、複数の穴数を確保するには穴径の大きさが制限されるため魚類の種類が限定されると共に、漁獲する際に穴が貫通していることによって一方の穴から魚類が逃げてしまう問題があった。
【0006】
また、自然石を三次元的に連結して魚が隠れる空間を形成した「自然石を用いた漁礁ブロック」(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、かかる提案は、自然石が三次元的に連結していることから、魚の隠れる空間が三次元的に開放されていることによって、漁獲する際にその隙間から魚類が逃げてしまう問題があった。
【0007】
また、塊状のコンクリートブロックに貫通口を設けて連結する「コンクリートブロック擁壁構造物及び漁礁構造物」(特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、かかる提案は、塊状のコンクリートブロックが三次元的に連結していることから、塊状のコンクリートブロックよって形成される魚の隠れる空間が三次元的に開放されていることによって、上記同様に漁獲する際にその隙間から魚類が逃げてしまう問題があった。
【0008】
以上のコンクリートブロックによる漁礁ブロックは、護岸や川底を保護する擁壁としてや、魚類が棲息する漁礁ブロックとしてはその目的を達成することができる構造ならびに機能を備えているが、従来のものと同じように魚類を漁獲する構造ならびに機能は備えているものではなかった。
【0009】
本出願人は、上記の人工的に製造されるコンクリートブロックによる魚床ブロックの魚類を漁獲する構造ならびに機能に着目し、簡易的な構造と安価な手段で魚床ブロックに魚類を漁獲する構造ならびに機能を備えることができないものかという着想の下、袋小路状の魚床構造と連結機能を有する漁礁暗渠構造を備え、さらにその構造を利用した魚床ブロック漁法ができる自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックを開発し、本発明における「魚床ブロックとそれを利用した魚床ブロック漁法」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−219656号
【特許文献2】特開平6−1417296号
【特許文献3】特開平10−18317号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題点に鑑み、袋小路状の魚床構造と連結機能を有する漁礁暗渠構造を備え、さらにその構造を利用した魚床ブロック漁法ができる自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックの提供を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされるもので、本発明の魚床ブロックは、上面と下面が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックであって、前記魚床ブロックは、周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴を設けると共に、該魚床穴の最奥部に水流が流入する小形の通水孔を連通し、下面には位置決め用の複数の突起部を設け、上面には該突起部が嵌め込まれる形状を有する嵌め込み凹部を設け、さらに、前記魚床ブロックの魚床穴の開口部中央付近の上面にスリット溝を設けると共に、該魚床穴の開口部中央付近から下面にかけて窪み部を設け、該スリット溝と窪み部に先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックを嵌め込んで係止した手段を採る。
【0013】
また本発明の魚床ブロックは、前記魚床ブロックの魚床穴が延設される方向と平行する両側中央に上面から下面まで貫通させて前記魚床ブロック同士を針金で連結することができる連結孔を穿設した手段を採る。
【0015】
また本発明の魚床ブロック漁法は、前記請求項1または請求項2の魚床ブロックを利用した追い出し漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックを魚床穴に差し込んで袋小路状の魚床穴内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網で漁獲する手段を採る。
【0016】
また本発明の魚床ブロック漁法は、前記請求項1または請求項2の魚床ブロックを利用した餌置き漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックの先端部に返り部を形成し、その返り部に餌付けした状態で魚床穴に差し込むと同時に、前記魚床ブロックのスリット溝に前記仕掛け係止フックのクリップ状の基端部を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴内に魚類を誘い込むと共に、潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網で漁獲する手段を採る。
【0017】
また本発明の魚床ブロック漁法は、前記請求項1または請求項2記載の魚床ブロックを利用した仕掛け針漁法であって、先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックの先端部に釣針を連結し、その釣針に餌付けをして魚床穴に差し込むと同時に、前記魚床ブロックのスリット溝に前記仕掛け係止フックのクリップ状の基端部を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴に入り込んだ魚類を釣針で釣り上げて漁獲する手段を採る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の魚床ブロックによれば、上面と下面が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模した形状に成型されることによって、河川の環境を壊すことなく水中に自然の玉石に近い魚床ブロックを設置することができると共に、形状全体が扁平で丸みを帯びていることから、釣り人の水中での歩行の安全も確保できる上、針掛かりなどが防止できるといった優れた効果を奏する。
【0019】
また本発明の魚床ブロックによれば、上面と下面が扁平に成型されることによって製造工程ならびに流通過程で重ね合わせた時に安定して積み重ねられると共に、下面に設けられる位置決め用の複数の突起部が上面に設けられる嵌め込み凹部に嵌め込まれることによって河川設置現場においてもズレ落ちすることなく容易に且つ安全に設置することができるといった優れた効果を奏する。
【0020】
また本発明の魚床ブロックによれば、自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックの周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴を設けることによって、魚類の逃げる方向が前方に限定されることで容易に手網でもって漁獲できると共に、魚床穴の最奥部に水流が流入する小形の通水孔を連通させることによって、魚床穴の酸素供給ができることから魚類の棲息環境を良好なものとすると同時に、仕掛けられた餌の匂いが下流まで届くため漁法の効果が確実に上がるといった優れた効果を奏する。
【0021】
また本発明の魚床ブロックによれば、自然石を模した魚床ブロック同士を針金で連結することができる構造を有していることから、魚床ブロック同士をその河川の護岸や川底の状況に合わせて設置することによって、漁場の養生が簡単且つ容易にできるといった優れた効果を奏する。
【0022】
また本発明の魚床ブロックによれば、魚床ブロックの上面にスリット溝を設けると共に、下面に窪み部を設けたことによって、仕掛けられた仕掛け係止フックが安定した状態で魚床ブロックに係止されるといった優れた効果を奏する。
【0023】
また本発明の魚床ブロック漁法によれば、請求項3記載の魚床ブロックを利用して魚床穴内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網で漁獲する漁法を採用することによって、魚床穴内に潜んでいる魚類を取り逃がすことなく確実に漁獲できるといった優れた効果を奏する。
【0024】
また本発明の魚床ブロック漁法によれば、請求項3記載の魚床ブロックを利用して袋小路状の魚床穴内に餌を置いて魚を誘き寄せることができることから魚床穴内に入り込んだ魚類を確実に漁獲できるといった優れた効果を奏する。
【0025】
また本発明の魚床ブロック漁法によれば、請求項3記載の魚床ブロックを利用して袋小路状の魚床穴内に釣り針を仕掛けて魚を釣り上げて漁獲する漁法を採用することによって、狙った魚類を確実に漁獲できるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の魚床ブロックを単独で使用する場合の実施形態を示す説明図である。(実施例1)
図2】本発明の魚床ブロックを連結状態で使用する場合の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
図3】本発明の魚床ブロックにおける請求項記載の実施形態を示す説明図である。(実施例3)
図4】本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
図5】本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。(実施例5)
図6】本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。(実施例6)
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の魚床ブロック10は、上面20と下面21が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模したコンクリート製の魚床ブロック10であって、該魚床ブロック10は、周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴22を設けると共に、該魚床穴22の最奥部に水流Sが流入する小形の通水孔23を連通させ、下面21には位置決め用の複数の突起部24を設け、上面20には該突起部24が嵌め込まれる形状を有する嵌め込み凹部25を設け、さらに、魚床ブロック10の魚床穴22の開口部29中央付近の上面にスリット溝27を設けると共に、該魚床穴22の開口部29中央付近から下面にかけて窪み部28を設け、該スリット溝27と窪み部28に先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フック30を嵌め込んで係止した手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。
【0028】
尚、本発明における魚床ブロック10とそれを利用した魚床ブロック漁法は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で適宜変更することができる。
【0029】
また本明細書中に記載されている内容は、主に河川で使用される場合を想定して説明しているが、海、湖、池、渓流、沢、小川、魚道、水路などで使用することもできるもので、例えば、海中の岩礁などの間に本発明の魚床ブロック10を設置することによって、定められた漁場で安定的に漁獲量が確保できる素潜り漁の手段として利用することができる。
【実施例1】
【0030】
図1は、本発明の魚床ブロックを単独で使用する場合の実施形態を示す説明図である。
図1(a)は魚床ブロック10の前方から見た全体図を示し、図1(b)は魚床ブロック10を裏返して後方から見た全体図を示す。
本発明の魚床ブロック10は、上面20と下面21が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模したコンクリート製の魚床ブロック10であって、該魚床ブロック10は、周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴22を設けると共に、該魚床穴22の最奥部に水流Sが流入する小形の通水孔23を連通させ、下面21には位置決め用の複数の突起部24を設け、上面20には該突起部24が嵌め込まれる形状を有する嵌め込み凹部25を設けて形成される。
【0031】
また本発明のコンクリート製の魚床ブロック10は、セメントと砂と小砂利を一定の割合で混ぜ合わせて型枠で成型加工されて製造されるもので、重量的に重く頑丈であるといった利点があるが、モルタル製と比して価格的にはやや割高になり、施工設置作業が重労働となるといった難点があるが、流れのある河川や海流の速い海中に設置するには好適な魚床ブロックである。
一方、モルタル製の魚床ブロック10は、セメントと砂を一定の割合で混ぜ合わせて型枠で成型加工されて製造されるもので、コンクリート製と比して価格的には安価で軽量であることから、施工ならびに設置作業が軽微であるといった利点があるが、構造的に脆いといった難点があるが、流れの無い湖や池に設置するには好適な魚床ブロックである。
尚、本発明のコンクリート製の魚床ブロック10は、コンクリート製とモルタル製を総称してコンクリート製として表記している。
【0032】
上面20は、表面が扁平に形成されていることによって、製造工程ならびに流通過程で重ね合わせた時に安定して積み重ねられると共に、下面21に設けられる位置決め用の複数の突起部24が、上面20に設けられる嵌め込み凹部25に嵌め込まれることによって、河川設置現場においてもズレ落ちすることなく容易に且つ安全に設置することができる形状に形成される。
【0033】
下面21は、表面が扁平に形成されていることによって、製造工程ならびに流通過程で重ね合わせた時に安定して積み重ねられると共に、上面20に設けられる嵌め込み凹部25に下面21に設けられる位置決め用の突起部24を嵌め込むことによって、河川設置現場においてもズレ落ちすることなく容易に設置することができる形状に形成される。また、川底Rに設置した場合、複数の突起部24が川底Rに食い込んで安定的に設置される役目も果たす。
【0034】
魚床穴22は、周縁の一端に1または複数の袋小路状に設けられると共に、最奥部には水流Sが流入する小形の通水孔23を設けて形成される。魚床穴22が袋小路状に設けられることによって、袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で簡単に漁獲することができる。
尚、袋小路状に形成される最奥部のコーナー部は、潜んでいる魚類を容易に探り寄せることができるようにR状に丸く形成してもよい。
【0035】
通水孔23は、魚床穴22の最奥部に魚床穴22の大きさと比して小形に形成されて設けられるもので、袋小路状の魚床穴22の酸素供給の役目と、魚床穴22内に仕掛けられる餌の匂いを下流まで到達させる目的で設けられる。
【0036】
図1(c)は本発明の魚床ブロック10の断面形状を示す説明図である。
魚床ブロック10は、筐体内に魚類の寝床と隠れ処を形成する魚床穴22を備えるもので、魚床ブロック10を利用する魚類にとっては、暗くて狭く、かつ安全な格好の住処となるものである。
また、上面20と下面21の表面が扁平に形成されていることによって、製造工程ならびに流通過程で重ね合わせた時に安定して積み重ねられると共に、上面20に設けられる嵌め込み凹部25に下面21に設けられる位置決め用の突起部24を嵌め込むことによって、河川設置現場においてもズレ落ちすることなく容易に且つ安全に設置することができる形状に形成される。
【0037】
図1(d)〜図1(f)は本発明の魚床ブロック10のその他の形状を示す説明図である。
本発明の魚床ブロック10の他の形状を漁獲対象の魚類に合わせて魚床ブロック10ならびに魚床穴22の形状を替えて設置することができるもので、例えば海中での岩礁に魚床ブロック10を設置することにより、伊勢海老、石鯛、タコなどの高級魚類を素潜り漁でもって漁獲する手段として利用することができる。
【0038】
以上で構成される本発明の魚床ブロック10は、筐体内に魚類の寝床と隠れ処を形成する魚床穴22を備えるもので、魚床ブロック10を利用する魚類にとっては、暗くて狭く、かつ安全な格好の住処となるものである。
また魚床ブロック10は、全体が丸みを帯びて川底Rにある玉石と同じような自然石を模していることによって表面に藻や水苔が生えやすくなることで川底Rの玉石と一体化することで河川の環境にも優しく設置することができる。
また、今や対策のしようがない鮎やハヤなどの川鵜の被害対策としても安全な魚床ブロック10を設置することでその効果が期待できると共に、絶滅危惧種となっている日本うなぎの棲息保護と漁獲手段の両方の目的を達成する手段として有効に利用することができる。
【実施例2】
【0039】
図2は、本発明の魚床ブロックを連結状態で使用する場合の実施形態を示す説明図である。
図2(a)は魚床ブロック10の前方から見た全体図を示し、図2(b)は魚床ブロック10を裏返して後方から見た全体図を示す。
本発明の魚床ブロック10は、魚床ブロック10の魚床穴22が延設される方向と平行する両側中央に上面20から下面21まで貫通させて魚床ブロック10同士を針金35(鉄筋を括る番線のようなもの)で連結することができる連結孔26を穿設する形状に形成される。
【0040】
図2(c)は魚床ブロック10の断面説明図を示し、図2(d)は魚床ブロック10の河川の設置状態を示す説明図である。
本発明の魚床ブロック10は、魚床ブロック10同士が針金35で連結されることで大掛かりな護岸Gの魚礁や暗渠としてではなく、河川の環境ならびに形状に合わせて規模や形状ならびに漁場の大きさに合わせて任意に設置することができる。
【0041】
図2(e)本発明の魚床ブロック10の魚床ブロック10の河川の設置状態を示す鳥瞰図である。
魚床ブロック10の上面20から下面21まで貫通する連結孔26が形成されることで、針金35でもって横方向ならびに縦方向に安全且つ簡単に魚床ブロック10同士を連結して漁場を養生することができる。
【0042】
図2(f)は本発明の魚床ブロック10の河川に設置した状態を示す断面説明図である。
針金36でもって横方向ならびに縦方向に魚床ブロック10同士を連結させることによって、重ね合わせた状態ならびに連結した状態で川底Rに設置することができるため、漁獲する魚類に合った魚場を簡単且つ容易に養生することができる。また流れの速い流域では、川底Rにアンカーフックを打ち込んで魚床ブロック10を固定することもできる。
【0043】
以上で構成される本発明の魚床ブロック10は、河川の状況に合わせて連結する個数や段数を変えることによって漁場を簡単且つ容易に養生することができる。
また、大洪水で連結した魚床ブロック10が流されたとしても、魚床ブロック10を持ち運びできる大きさに分断し、該魚床ブロック10を連結している針金35を切断して移動することによって、大型の起重機を利用することなく、手作業で元の状態に容易に復元することができる。
【実施例3】
【0044】
図3は、本発明の魚床ブロックにおける請求項記載の実施形態を示す説明図である。
図3(a)は魚床ブロック10の前側の全体図を示し、図3(b)は魚床ブロック10の裏返した後側の全体図を示す。
本発明の魚床ブロック10は、魚床ブロック10の魚床穴22の開口部29中央付近の上面20にスリット溝27を設けると共に、該魚床穴22の開口部29中央付近から下面21にかけて窪み部28を設け、該スリット溝27と窪み部28に略S字状の仕掛け係止フック30を嵌め込んで係止する形状に形成される。
【0045】
仕掛け係止フック30は、ばね鋼線材が用いられ、先端部32が渦巻状に巻き返されると共に、基端部31がスプリング状に屈曲成形された略S字状に形成されて魚床穴22内の魚類を手前に探り寄せる役目を果たし、基端部31が魚床ブロック10の魚床穴22の開口部29中央付近の上面20のスリット溝27にスプリング状に内側へ付勢して略S字状の仕掛け係止フック30を魚床穴22の開口部29にスリット溝27に沿った直立した状態で係止することによって、袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で容易に漁獲することができる。
また、渦巻状に巻き返される先端部32をスプリング状に屈曲成形された基端部31に対して直交する状態に屈曲成形して袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せ易い形状とすることもできる。
【0046】
図3(c)は本発明の魚床ブロック10の設置状態を示す説明図である。
魚床ブロック10の上面20と下面21にスリット溝27と窪み部28を設けることによって、略S字状の仕掛け係止フック30を魚床ブロック10に係止させておくことができる。
【0047】
図3(d)は本発明の魚床ブロック10の使用状態を示す説明図である。
魚床ブロック10の魚床穴22に略S字状の仕掛け係止フック30を差し込んで袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せる状態で使用される。
【0048】
以上で構成される本発明の魚床ブロック10は、漁場によっては魚床ブロック10に略S字状の仕掛け係止フック30を係止させた状態で使用する場合と、略S字状の仕掛け係止フック30を携帯した状態で魚床ブロック10に差し込んで使用する場合の両方を使い分けて使用することができる。
【実施例4】
【0049】
図4は、本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。
図4(a)は魚床ブロック漁法における使用状態を示す説明図である。
本発明における請求項1または請求項2の魚床ブロック10を利用した追い出し漁法は、略S字状の仕掛け係止フック30を魚床穴22に差し込んで袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で漁獲することができる魚床ブロック10を利用した漁法である。
【0050】
図4(b)は仕掛け係止フック30の全体図を示す説明図である。
仕掛け係止フック30は、ばね鋼線材が用いられ、先端部32が渦巻状に巻き返されると共に、基端部31がスプリング状に屈曲成形された略S字状に形成されて魚床穴22内の魚類を手前に探り寄せる役目を果たし、基端部31が魚床ブロック10の魚床穴22の開口部29中央付近の上面20のスリット溝27にスプリング状に内側へ付勢して略S字状の仕掛け係止フック30を魚床穴22の開口部29にスリット溝27に沿った直立した状態で係止することによって、袋小路状の魚床穴22内に潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で容易に漁獲することができる。
【0051】
以上で構成される本発明の魚床ブロック10は、漁場によっては魚床ブロック10に略S字状の仕掛け係止フック30を係止させた状態で使用する場合と、仕掛け係止フック30を携帯した状態で魚床ブロック10に差し込んで使用する場合の両方で使い分けて使用することができる。
【実施例5】
【0052】
図5は、本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。
図5(a)は魚床ブロック漁法における使用状態を示す説明図である。
本発明における請求項1または請求項2の魚床ブロック10を利用した餌置き漁法は、略S字状に形成された仕掛け係止フック30の先端部32に返り部33を形成し、その返り部33に餌付けした状態で魚床穴22に差し込むと同時に、魚床ブロック10のスリット溝27に略S字状の仕掛け係止フック30のクリップ状の基端部31を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴22内に魚類を誘い込むと共に、潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で容易に漁獲することができる魚床ブロック10を利用した漁法である。
【0053】
図5(b)は仕掛け係止フック30の全体図を示す説明図である。
仕掛け係止フック30は、ばね鋼線材が用いられ、先端部32が鋭利に折り返えして略S字状に屈曲成形されて魚床穴22内の魚類を手前に探り寄せる役目を果たし、基端部31が魚床ブロック10の魚床穴22の開口部29中央付近の上面20にスリット溝27にスプリング状に内側へ付勢して仕掛け係止フック30を魚床穴22の開口部29に立脚した状態で係止する役目を果たすことによって、袋小路状の魚床穴22内に魚類を誘い込むと共に、潜んでいる魚類を手前に探り寄せて待ち構えた手網36で容易に漁獲することができる。
【0054】
以上で構成される魚床ブロック漁法は、河川で使用される場合は主に魚の死骸や小魚などを餌にするカニやうなぎなどの定置漁に用いられ、海中で使用される場合は、伊勢海老などの素潜り漁に用いられる。
【実施例6】
【0055】
図6は、本発明の魚床ブロック漁法における請求項記載の実施形態を示す説明図である。
図6(a)は魚床ブロック漁法における使用状態を示す説明図である。
本発明における請求項1または請求項2の魚床ブロック10を利用した仕掛け針漁法は、略S字状に形成された仕掛け係止フック30の先端部32に釣針34を連結し、その釣針34に餌付けをして魚床穴22に差し込むと同時に、魚床ブロック10のスリット溝27に略S字状の仕掛け係止フック30のクリップ状の基端部31を嵌め込んで待機し、袋小路状の魚床穴22に入り込んだ魚類を釣針34で釣り上げて漁獲する魚床ブロック10を利用した漁法である。
【0056】
図6(b)は仕掛け係止フック30の全体図を示す説明図である。
仕掛け係止フック30は、ばね鋼線材が用いられ、先端部32が渦巻状に巻き返されると共に、基端部31がスプリング状に屈曲成形された略S字状に形成された仕掛け係止フック30の先端部32に釣針34を連結する形状に形成される。
【0057】
以上で構成される魚床ブロック漁法は、河川で使用される場合は、主に魚肉片や小魚などを餌にするナマズやうなぎなどの定置漁に用いられ、海中で使用される場合は、石鯛やあなごなどの素潜り漁に用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の魚床ブロックとそれを利用した魚床ブロック漁法は、単純に魚床ブロックを水中に沈めるだけで魚床ブロック漁法ができると共に、魚床ブロック同士を連結することで延縄的な漁法も労を費やすことなく小船に乗った状態でも容易にできる。
また、海、湖、池の水底に設置して定期的な漁獲量が確保できる漁法として利用できることから、本発明における「魚床ブロックとそれを利用した魚床ブロック漁法」の産業上の利用可能性は極めて高いものと解する。
【符号の説明】
【0059】
10 魚床ブロック
20 上面
21 下面
22 魚床穴
23 通水孔
24 突起部
25 嵌め込み凹部
26 連結孔
27 スリット溝
28 窪み部
29 開口部
30 仕掛け係止フック
31 基端部
32 先端部
33 返り部
34 釣針
35 針金
36 手網
R 川底
S 水流
G 護岸
【要約】
【課題】袋小路状の魚床構造と連結機能を有する漁礁暗渠構造を備え、さらにその構造を利用した魚床ブロック漁法ができるコンクリート製の魚床ブロックの提供を図る。
【解決手段】上面と下面が扁平で周縁全体が丸みを帯びた所定の厚みを有する自然石を模したコンクリート製の魚床ブロックであって、該魚床ブロックは、周縁の一端に1または複数の袋小路状の魚床穴を設けると共に、該魚床穴の最奥部に水流が流入する小形の通水孔を連通し、下面には位置決め用の複数の突起部を設け、上面には該突起部が嵌め込まれる形状を有する嵌め込み凹部を設け、さらに、魚床ブロックの魚床穴の開口部中央付近の上面にスリット溝を設けると共に、該魚床穴の開口部中央付近から下面にかけて窪み部を設け、該スリット溝と窪み部に先端部が渦巻状に巻き返されると共に、基端部がスプリング状に屈曲成形された略S字状の仕掛け係止フックを嵌め込んで係止した手段を採る。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6