(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676817
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】並列データランダムアクセスを保証するための方法およびユーザ装置
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20150205BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20150205BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20150205BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W72/04 111
H04W72/12 150
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-501439(P2014-501439)
(86)(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公表番号】特表2014-512123(P2014-512123A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】CN2012082063
(87)【国際公開番号】WO2013044806
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2013年9月25日
(31)【優先権主張番号】201110288396.0
(32)【優先日】2011年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 玉▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】曾 清海
(72)【発明者】
【氏名】常 俊仁
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲ジエン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ ▲広▼林
【審査官】
川崎 優
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−529403(JP,A)
【文献】
特表2013−545329(JP,A)
【文献】
特表2014−511640(JP,A)
【文献】
Panasonic,RACH on Scell for supporting Multiple Timing Advance[online],3GPP TSG-RAN WG2#74 R2-112806,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_74/Docs/R2-112806.zip>,2011年 5月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24−26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、前記PRACHの電力伝送の優先順位、および前記他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの電力伝送の優先順位を制御するステップであって、
上りリンク制御情報(UCI)を備えない物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)伝送の電力伝送の優先順位がUCIを備えるPUSCH伝送の電力伝送の優先順位よりも低くなるように、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の電力伝送の優先順位よりも低くなるように、および前記PUCCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PRACHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御するステップに従ったステップ
を備える、並列データランダムアクセスを保証するための方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置が、競合ベースのランダムアクセス手順でPUSCHを通じてMSG3をネットワーク側に伝送する場合、前記競合ベースのランダムアクセス手順および前記他の上りリンク伝送における前記MSG3の伝送が同時に実行できるように、電力が限られているときに、前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位、UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位、および前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の優先順位を制御するステップであって、
前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位と等しくなるように制御され、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、または、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、または、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御されるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
競合ベースのランダムアクセス手順において前記ユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じて前記MSG3を伝送するステップをさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始される場合、グループA内の前記ランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップ、または、前記補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に応じて、前記グループAまたはグループB内の前記ランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するステップを含み、
前記他の上りリンク伝送が実行される前記上りリンクチャネルが物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)および物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を備える場合、前記PRACHを通じて前記ユーザ装置によって伝送された前記ランダムアクセスシーケンスが前記他の上りリンク伝送と前記同一のサブフレーム内で送信されないように制御する前記ステップが、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、前記PUCCHおよび前記PUSCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されないように、前記PRACHの優先順位が前記PUCCHの優先順位および前記PUSCHの優先順位よりも低くなるように制御するステップ、または、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するための前記PRACHがある、選択されたサブフレーム内に前記PUCCHおよび前記PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、前記PUCCHおよび前記PUSCHを通じて実行される前記上りリンク伝送がキャンセルされるように、前記PRACHの優先順位が前記PUCCHの優先順位および前記PUSCHの優先順位よりも高くなるように制御するステップ、または、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、前記PUCCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されず、また、前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するための前記PRACHがある前記選択されたサブフレーム内に前記PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、前記PUSCHを通じて実行される前記上りリンク伝送がキャンセルされるように、前記PRACHの優先順位が前記PUSCHの優先順位よりも高いが前記PUCCHの優先順位よりも低くなるように制御するステップを備える、並列データランダムアクセスを保証するための方法。
【請求項6】
競合ベースのランダムアクセス手順において前記ユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じて前記MSG3を伝送するステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始される場合、グループA内の前記ランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップ、または、前記補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に応じて、前記グループAまたはグループB内の前記ランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップをさらに備える、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通じて自装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、電力が限られているときに、前記PRACHの電力伝送の優先順位、および前記他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの電力伝送の優先順位を制御するように構成された電力制御ユニットを備え、
前記電力制御ユニットが、
上りリンク制御情報(UCI)を備えない物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)伝送の電力伝送の優先順位が前記UCIを備えるPUSCH伝送の電力伝送の優先順位よりも低くなるように、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)伝送の電力伝送の優先順位よりも低くなるように、および前記PUCCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PRACHの電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御するように構成されている、ユーザ装置。
【請求項9】
前記ユーザ装置が、競合ベースのランダムアクセス手順でPUSCHを通じてMSG3をネットワーク側に伝送する場合、前記競合ベースのランダムアクセス手順および前記他の上りリンク伝送における前記MSG3の伝送が同時に実行できるように、前記ユーザ装置が、電力が限られているときに、前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位、UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位、および前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位を制御するように構成された電力割当てユニットをさらに備え、
前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位と等しくなるように制御され、または、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、または、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、または、
前記UCIを備えない前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記UCIを備える前記PUSCH伝送の電力伝送の前記優先順位が前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御され、前記PUCCHの電力伝送の前記優先順位が前記MSG3を伝送する前記PUSCHの電力伝送の前記優先順位よりも低くなるように制御される、請求項8に記載のユーザ装置。
【請求項10】
競合ベースのランダムアクセス手順において前記ユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、前記ユーザ装置が、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じて前記MSG3を伝送するように構成された伝送ユニットをさらに備える、請求項8または9に記載のユーザ装置。
【請求項11】
補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始される場合、前記ユーザ装置が、グループA内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するか、前記補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に応じて、グループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するように構成された送信ユニットをさらに備える、請求項8から10のいずれか一項に記載のユーザ装置。
【請求項12】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を通じて自装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するように構成された制御ユニットを備え、
前記制御ユニットが、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択されるとき、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)および物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されないように、前記PRACHの優先順位が前記PUCCHの優先順位および前記PUSCHの優先順位よりも低くなるように制御するか、または、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するための前記PRACHがある選択されたサブフレーム内に前記PUCCHおよび前記PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在するとき、前記PUCCHおよび前記PUSCHを通じて実行される前記上りリンク伝送がキャンセルされるように、前記PRACHの優先順位が前記PUCCHの優先順位および前記PUSCHの優先順位よりも高くなるように制御するか、または、
前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択されるとき、前記PUCCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されず、また、前記ランダムアクセスシーケンスを伝送するための前記PRACHがある前記選択されたサブフレーム内に前記PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在するとき、前記PUSCHを通じて実行される前記上りリンク伝送がキャンセルされるように、前記PRACHの優先順位が前記PUSCHの優先順位よりも高いが前記PUCCHの優先順位よりも低くなるように制御するように構成される、ユーザ装置。
【請求項13】
競合ベースのランダムアクセス手順において前記ユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、前記ユーザ装置が、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じて前記MSG3を伝送するように構成された伝送ユニットをさらに備える、請求項12に記載のユーザ装置。
【請求項14】
補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始される場合、前記ユーザ装置が、グループA内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するか、前記補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に応じて、グループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するように構成された送信ユニットをさらに備える、請求項12または13に記載のユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年9月26日に中国専利局に出願された中国特許出願第201110288396.0号「METHOD FOR ENSURING PARALLEL DATA RANDOM ACCESS AND USER EQUIPMENT」の優先権を主張し、その内容全体を参照して本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は通信技術の分野に関し、より詳細には、並列データランダムアクセスを保証するための方法およびユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ランダムアクセス手順は、LTE(Long Term Evaluation、ロングタームエボリューションシステム)における基本機能である。ランダムアクセス手順を通じてユーザ装置がシステムの上りリンクと同期した後のみ、上りリンク伝送(たとえば、上りリンクデータの伝送または上りリンク制御情報の伝送)を実行するようユーザ装置をシステムによってスケジューリングできる。LTEにおけるランダムアクセスは、競合ベースのランダムアクセス(すなわち、ネットワーク側は専用ランダムアクセスシーケンスをユーザ装置に割り当てない)と、非競合ランダムアクセスとの2つの形式に分類される。
【0004】
図1に示されるように、競合ベースのランダムアクセス手順は以下の4つのステップを含む。
【0005】
第1ステップ(MSG1): ユーザ装置が、ユーザ装置によって選択されたランダムアクセスシーケンス(Random access preamble、ランダムアクセスプリアンブル)を、ユーザ装置によって選択されたPRACH(Physical Random Access Channel、物理ランダムアクセスチャネル)を介してネットワーク側に送信する。ランダムアクセスシーケンスは、ネットワーク側によってグループAとグループBとに分割され、送信される必要があるメッセージのサイズ、およびユーザ装置の現在の下りリンクパスの損失に従って、ユーザ装置はグループA内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するか、またはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するかを決定する。
【0006】
第2ステップ(MSG2): ネットワーク側が、ランダムアクセス応答(Random access response)をユーザ装置に送信する。ランダムアクセス応答は、検出されたプリアンブルシーケンスの指数、上りリンク同期に使用される時間調整情報、初期上りリンクリソース割当て(後続のMSG3の送信に使用される)、および一時的C-RNTI(Cell-RNTI、サービングセル無線ネットワーク一時的識別子、ここでMSG4において一時的C-RNTIが持続的C-RNTIに変換されるべきかどうかが決定される)を含む。ユーザ装置は、RA-RNTI(Random Access-RNTI、ランダムアクセス無線ネットワーク一時的識別子)によってスクランブルをかけられたPDCCH(Physical Downlink Control Channel、物理下りリンク制御チャネル)への傍受を通じて対応するMSG2(ランダムアクセス応答)を受信する必要がある。
【0007】
ユーザ装置がMSG2を傍受するが、ユーザ装置によって送信されたMSG1がパブリックリソースからランダムに選択されるために、同じ時間および周波数のPRACHリソースを介して異なるユーザ装置が同じMSG1(ランダムアクセスシーケンス)を送信することが可能なので、ユーザ装置は後続のMSG3およびMSG4(競合解決メッセージ)を通じてこのランダムアクセス競合を解決する必要がある。
【0008】
第3ステップ(MSG3): ユーザ装置がMSG3をネットワーク側に送信する。MSG3の内容は限定されない。MSG3は、RRC(Radio Resource Control、無線リソース制御プロトコル)接続要求を搬送し、いくつかの制御情報またはサービスデータパケットを搬送し、またMSG3は、異なるユーザ装置を区別するために、ユーザ装置の特定のIDも搬送することがある。MSG3は、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel、物理上りリンク共有チャネル)を介して伝送されるメッセージである。
【0009】
第4ステップ(MSG4): ネットワーク側が、競合解決メッセージ(Contention Resolution)をユーザ装置に送信する。ユーザ装置によって受信される競合解決メッセージにおいて搬送されたユーザ装置IDが、MSG3においてユーザ装置によって送信されたユーザ装置の特定のIDと一致すると、または、搬送された競合検出識別子がMSG3においてユーザ装置によって送信されたRRCと一致すると、ランダムアクセスが成功する。
【0010】
競合ベースのランダムアクセス手順と同様に、
図2に示されるように、非競合ランダムアクセス手順は以下を含む。まず、ネットワーク側が専用ランダムアクセスシーケンスをユーザ装置に割り当てて、ネットワーク側がランダムアクセスシーケンス割当て(Random Access Preamble assignment、ランダムアクセスプリアンブル割当て)、すなわちMSG0をユーザ装置に送信する。次に、ユーザ装置が、選択されたPRACHを介して、ユーザ装置に割り当てられた専用ランダムアクセスシーケンス、すなわちMSG1をネットワーク側に送信する。最後に、ネットワーク側がランダムアクセス応答、すなわちMSG2をユーザ装置に送信する。ユーザ装置がランダムアクセス応答を受信すると、ランダムアクセスが成功する。
【0011】
ランダムアクセスが成功した後、ユーザ装置は上りリンクデータ伝送を実行する。上りデータ伝送に必要な合計電力がユーザ装置の最大電力伝送能力を上回る場合、すなわち、電力が限られている場合、伝送電力をスケーリングする必要がある。電力が限られている場合の上りリンクチャネルの伝送電力の優先順位は次のようになる。UCI(Uplink Control Information、上りリンク制御情報)を含まないPUSCH伝送の優先順位はUCIを含むPUSCH伝送の優先順位よりも低く、UCIを含むPUSCH伝送の優先順位はPUCCH(Physical Uplink Control Channel、物理上りリンク制御チャネル)の優先順位よりも低い。
【0012】
現在のランダムアクセス手順は、キャリアアグリゲーションにおける複数の上りリンクキャリアが同じパスを通過する場合の状況に適用でき、全てのキャリアが同じタイミングアドバンスを共有する。ランダムアクセス手順はプライマリサービングセル内でのみ開始され、ランダムアクセス手順には、他の上りリンク伝送の状況は存在しない。
【0013】
しかし、キャリアアグリゲーションにおける上りリンクキャリアが異なるパスを通過する場合、全てのキャリアはもはや同じタイミングアドバンスを共有せず、ランダムアクセス手順は補助サービングセル内で開始される必要があり、一方、他の上りリンク伝送が別の同期されたキャリアに存在しうる(たとえば、上りリンク同期において使用されるタイミングアドバンスを取得するために、プライマリサービングセル内で上りリンクデータ伝送が実行され、補助サービングセル内でランダムアクセス手順が実行される)。この時点で、上りリンクデータ伝送とランダムアクセス手順との間の競合が、現在のランダムアクセス手順において発生しうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の実施形態は、他の上りリンク伝送とランダムアクセス手順との間の競合を回避する、並列データランダムアクセスを保証するための方法およびユーザ装置を提供する。
【0015】
本発明の実施形態は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するステップ、または、PRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、電力が限られているときに、PRACHの伝送電力の優先順位、および他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの伝送電力の優先順位を制御するステップを含む、並列データランダムアクセスを保証するための方法を提供する。
【0016】
本発明の実施形態は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するように構成された制御ユニットを含むか、PRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、電力が限られているときに、PRACHの伝送電力の優先順位、および他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの伝送電力の優先順位を制御するように構成された電力制御ユニットを含むユーザ装置をさらに提供する。
【0017】
本発明の実施形態によって提供される技術的ソリューションから分かるように、ランダムアクセスシーケンスの伝送および他の上りリンク伝送が連続的に実行されるように制御されることが実現されるか、ランダムアクセスシーケンスの伝送および他の上りリンク伝送が同時に実行されるように制御されることが実現され、並列データランダムアクセス手順における上りリンク伝送とランダムアクセス手順との間の競合を回避する。
【0018】
本発明の実施形態による技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下で、実施形態を説明するための添付の図面を簡単に紹介する。以下の記述における添付の図面は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者は創造的努力なしに添付の図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術における競合ベースのランダムアクセス手順の流れ図である。
【
図2】従来技術における非競合ベースのランダムアクセス手順の流れ図である。
【
図3】本発明の実施形態による、ユーザ装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下で、添付の図面を参照して本発明の技術的ソリューションを明確かつ完全に説明する。説明する実施形態は、本発明の全ての実施形態ではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者によって創造的努力なしに得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内であるものとする。
【0021】
本発明の実施形態は、PRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するステップを含む、並列データランダムアクセスを保証するための方法を提供する。
【0022】
さらに、本方法はPRACHおよびPUCCH/PUSCHが、異なるキャリアの同じサブフレーム内にある状況に適用可能である。他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルがPUCCHおよびPUSCHを含む場合、PRACHの優先順位、PUCCHの優先順位、およびPUSCHの優先順位が制御されて、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送の連続的伝送を実現できるようになる。
【0023】
特に、ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、PUCCHおよびPUSCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されないように、PRACHの優先順位がPUCCHの優先順位およびPUSCHの優先順位よりも低くなるように制御
される。
【0024】
または、特に、ランダム
アクセスシーケンスを伝送するためのPRACHがある、選択されたサブフレーム内にPUCCHおよびPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、PUCCHおよびPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送がキャンセルされるように、PRACHの優先順位がPUCCHの優先順位およびPUSCHの優先順位よりも高くなるように制御
される。
【0025】
または、特に、ランダム
アクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、PUCCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されず、また、ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHがある選択されたサブフレーム内にPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送がキャンセルされるように、PRACHの優先順位がPUSCHの優先順位よりも高いがPUCCHの優先順位よりも低くなるように制御される。
【0026】
本発明の実施形態は、PRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、電力が限られているときに、PRACHの
電力伝送の優先順位、および他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの
電力伝送の優先順位を制御するステップを含む、並列データランダムアクセスを保証するための別の方法を提供する。
【0027】
さらに、他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルがPUCCHおよびPUSCHを含む場合、電力が限られているときに、PRACHの
電力伝送の優先順位、PUCCHの
電力伝送の優先順位、およびPUSCHの
電力伝送の優先順位が制御され、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送の同時伝送の制御を実現できるようになる。
【0028】
特に、上りリンク制御情報UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、PRACHの
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御
される。
【0029】
または、特に、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、PUCCHの
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御
される。
【0030】
または、特に、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、PRACHの
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御される。
【0031】
上記の実施形態によって提供される並列データランダムアクセスを保証するための2つの方法に基づいて、本方法は、ランダムアクセス手順および他の上りリンク伝送におけるMSG3の伝送が同時に実行できるように、ユーザ装置が、既存の電力が限られるときに上りリンクチャネルの
電力伝送の優先順位に基づいて、競合ベースのランダムアクセス手順でPUSCHを通じてMSG3をネットワーク側に伝送する場合、すなわち、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低く、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低い場合、電力が限られているときに、PUCCHの
電力伝送の優先順位、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位、およびMSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位を制御するステップをさらに含む。
【0032】
特に、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がMSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位と等しくなるように制御される。既存の電力が限られる場合、上りリンクチャネルの優先順位を参照して、ランダムアクセス手順および他の上りリンク伝送におけるMSG3の伝送が同時に実行できる
ようになる。
【0033】
または、特に、ランダムアクセス手順および他の上りリンク伝送におけるMSG3の伝送が同時に実行できるように、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がMSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、MSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御
される。
【0034】
または、特に、ランダムアクセス手順および他の上りリンク伝送におけるMSG3の伝送が同時に実行できるように、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がMSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、MSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御
される。
【0035】
または、特に、ランダムアクセス手順および他の上りリンク伝送におけるMSG3の伝送が同時に実行できるように、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御され、PUCCHの
電力伝送の優先順位がMSG3を伝送するPUSCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御される。
【0036】
さらに、競合ベースのランダムアクセス手順においてユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、MSG3は、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じて伝送される。
【0037】
上記の方法は、補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始されると、グループA内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップ、あるいは、補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に従って、グループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するステップも含みうる。
【0038】
特に、補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始される場合、一般にプライマリサービングセル内のランダムアクセス手順は完了して他の上りリンク伝送が実行されているので、ネットワーク側は、プライマリサービングセル内で実行された上りリンク伝送の間に搬送されたパラメータ(たとえば、バッファ状態(
buffer state)を通じてネットワーク側のバッファの状況が分かる。したがって、補助サービングセル内のユーザ装置は送信されるメッセージのサイズを考慮する必要がなく、現在の下りリンクパスの損失に従ってグループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するか、グループA内のランダムアクセスシーケンスを直接選択して送信するだけでよい。このようにして、ネットワーク側は競合の検出前に最小グラント(grant)を割り当てることができる。
【0039】
本発明の実施形態はユーザ装置も提供する。
図3に示されるように、ユーザ装置は制御ユニット31または電力制御ユニット32を含む。
【0040】
制御ユニット31は、物理ランダムアクセスチャネルPRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが、他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御するように構成される。
【0041】
さらに、上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルがPUCCHおよびPUSCHを含む場合、制御ユニット31は、PRACHの優先順位、PUCCHの優先順位、およびPUSCHの優先順位を制御して、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送の連続的伝送を実現できるように構成される。
【0042】
特に、制御ユニット31は、ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、PUCCHおよびPUSCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されないように、PRACHの優先順位がPUCCHの優先順位およびPUSCHの優先順位よりも低くなるように制御するように構成
される。
【0043】
または、特に、制御ユニット31は、ランダム
アクセスシーケンスを伝送するためのPRACHがある、選択されたサブフレーム内にPUCCHおよびPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、PUCCHおよびPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送がキャンセルされるように、PRACHの優先順位がPUCCHの優先順位およびPUSCHの優先順位よりも高くなるように制御するように構成
される。
【0044】
または、特に、制御ユニット31は、ランダムアクセスシーケンスを伝送するためのPRACHサブフレームが選択される場合、PUCCHを通じて上りリンク伝送が実行される必要があるサブフレームが選択されず、ランダム
アクセスシーケンスを伝送するためのPRACHがある選択されたサブフレーム内にPUSCHを通じて実行される上りリンク伝送が存在する場合、PUSCHを通じて実行される上りリンク伝送はキャンセルされるように、PRACHの優先順位がPUSCHの優先順位よりも高いがPUCCHの優先順位よりも低くなるように制御するように構成される。
【0045】
電力制御ユニット32は、PRACHを通じてユーザ装置によって伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信される場合、電力が限られているときに、PRACHの
電力伝送の優先順位、および他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの
電力伝送の優先順位を制御するように構成される。
【0046】
さらに、他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルがPUCCHおよびPUSCHを含む場合、電力制御ユニット32は、電力が限られているときは、PRACHの
電力伝送の優先順位、PUCCHの
電力伝送の優先順位、およびPUSCHの
電力伝送の優先順位を制御して、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送の同時伝送の制御を実現できるように構成される。
【0047】
特に、電力制御ユニット32は、上りリンク制御情報UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、およびPRACHの
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御するように構成
される。
【0048】
または、特に、電力制御ユニット32は、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、UCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、およびPUCCHの
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御するように構成
される。
【0049】
または、特に、電力制御ユニット32は、UCIを含まないPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPRACHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、PRACHの
電力伝送の優先順位がUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位よりも低くなるように、およびUCIを含むPUSCH伝送の
電力伝送の優先順位がPUCCHの
電力伝送の優先順位よりも低くなるように制御するように構成される。
【0050】
競合ベースのランダムアクセス手順においてユーザ装置がMSG3をネットワーク側に伝送する場合、ユーザ装置は、受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じてMSG3を伝送するように構成された伝送ユニットも含みうる。
【0051】
補助サービングセル内で競合ベースのランダムアクセス手順が開始されると、ユーザ装置は、グループA内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するか、補助サービングセルの現在の下りリンクパスの損失に従って、グループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信するように構成された送信ユニットも含みうる。
【0052】
ユーザ装置に含まれるユニットの処理機能の特定の実装方法は上記の方法実施形態に記述されているので、ここでは再び記述しない。
【0053】
上記のノード実施形態に含まれるユニットは論理的機能によってのみ分割されているが、本発明は、対応する機能が実現されうる限りその分割に限定されず、機能ユニットの特定の名称はユニットを互いに区別するために提供されるに過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない点に留意されたい。
【0054】
さらに、当業者は、実施形態による方法のステップの全てまたは一部は、関連ハードウェアに命令するプログラムによって実装されうることを理解するべきである。対応するプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されうる。記憶媒体は読出し専用メモリ、磁気ディスク、または光ディスクでよい。
【0055】
本発明の実施形態では、ユーザ装置が、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送が、PRACHを通じて伝送されたランダムアクセスシーケンスが他の上りリンク伝送と同一のサブフレーム内で送信されないように制御することによって連続的に伝送されることを可能にするか、電力が限られている場合に、ユーザ装置が、ランダムアクセスシーケンスおよび他の上りリンク伝送が、PRACHの
電力伝送の優先順位、および他の上りリンク伝送が実行される上りリンクチャネルの
電力伝送の優先順位を制御することによって同時に伝送されることを可能にし、それによって他の上りリンク伝送とランダムアクセス手順との間の競合を回避する。さらに、競合ベースのランダムアクセス手順において受信したランダムアクセス応答内の割り当てられた上りリンクリソースを通じてMSG3が伝送され、MSG3が他の同期されたセル内で上手く送信された場合にユーザ装置が間違ったタイミングアドバンスを取得する可能性を回避し、それによってランダムアクセス手順における競合検出の精度を保証する。一方、競合ベースのランダムアクセス手順が補助サービングセル内のユーザ装置によって開始されると、ユーザ装置はグループA内のランダムアクセスシーケンスを直接選択して送信してもよく、現在の下りリンクパスの損失だけに従って、グループAまたはグループB内のランダムアクセスシーケンスを選択して送信してもよく、それによって判断プロセスを節約して、より正確な選択を実現する。
【0056】
上記の説明は本発明の例示的実施形態についての説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明の技術的範囲内の、当業者が容易に想到しうる全ての変形および置換は、本発明の保護範囲内であるものとする。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲による。
【符号の説明】
【0057】
31 制御ユニット
32 電力制御ユニット