特許第5676820号(P5676820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アナログ ディヴァイスィズ インクの特許一覧

特許5676820増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法
<>
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000005
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000006
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000007
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000008
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000009
  • 特許5676820-増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676820
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】増幅器のためのノイズ消去システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 27/02 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   G11C27/02 602D
   G11C27/02 601N
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-508354(P2014-508354)
(86)(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公表番号】特表2014-517438(P2014-517438A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012030074
(87)【国際公開番号】WO2012148598
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2013年10月25日
(31)【優先権主張番号】13/096,283
(32)【優先日】2011年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503062253
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・カプスタ
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ライデン
(72)【発明者】
【氏名】ハイヤン・ジュウ
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−016699(JP,U)
【文献】 特表2007−534280(JP,A)
【文献】 特開昭62−231499(JP,A)
【文献】 特開昭61−179610(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0001518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング位相中にサンプリングされるノイズを消去するための集積回路であって、
力電圧に接続される入力と、
前記サンプリング位相中に前記入力電圧のサンプルを蓄積するコンデンサであって、前記ノイズも、前記コンデンサ上でサンプリングされる、コンデンサと、
ノイズ消去のための配設であって、前記コンデンサ上でサンプリングされた前記ノイズに対応する電圧を取得し、取得した前記電圧を使用してホールド位相中に前記ノイズを消去する、配設と、
を備える、集積回路。
【請求項2】
サンプリング位相中にサンプリングされるノイズを消去するための集積回路であって、
力電圧に接続される入力と、
前記サンプリング位相中に前記入力電圧の第1のサンプルを蓄積する第1のコンデンサであって、前記ノイズも、前記第1のコンデンサ上でサンプリングされる、第1のコンデンサと、
第2のサンプルを蓄積する第2のコンデンサであって、前記第2のサンプルの値は、前記第1のサンプルの前記ノイズの値に実質的に等しい、第2のコンデンサと、
を備える、集積回路。
【請求項3】
前記第2のコンデンサ上に蓄積される前記第2のサンプルのは、前記第1のサンプルの前記ノイズを消去するために使用される、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1および第2のコンデンサを分離するために、バッファをさらに備える、請求項2に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第1および第2のコンデンサを分離するために、増幅器をさらに備える、請求項2に記載の集積回路。
【請求項6】
前記増幅器は、前記サンプリングされた入力電圧を増幅する、請求項5に記載の集積回路。
【請求項7】
前記増幅器は、前記第2サンプルの値を使用して前記第1のサンプルの前記ノイズを消去する、請求項5に記載の集積回路。
【請求項8】
前記第2のコンデンサを前記集積回路の出力から隔離する、追加的な増幅器をさらに備える、請求項5に記載の集積回路。
【請求項9】
前記追加的な増幅器は、前記集積回路全体の利得を増加させる、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
前記追加的な増幅器の出力および前記増幅器の入力に接続する、フィードバックループをさらに備える、請求項8に記載の集積回路。
【請求項11】
前記フィードバックループは、前記集積回路全体の利得を制御する、請求項10に記載の集積回路。
【請求項12】
前記フィードバックループは、第3のコンデンサを含む、請求項10に記載の集積回路。
【請求項13】
集積回路でのサンプリング位相中にサンプリングされるノイズを消去するための方法であって、
コンデンサ上に入力電圧をサンプリングすることであって、前記サンプリングされた入力電圧は、前記ノイズを含む、サンプリングすることと、
前記コンデンサ上にサンプリングされた前記ノイズを取得する第1の配設によって前記サンプリングされた入力電圧の前記ノイズを監視することと、
ホールド位相中に、前記第1の配設によって前記ノイズを消去することと、
を含む、方法。
【請求項14】
集積回路でのサンプリング中にサンプリングされるノイズを消去するための方法であって、
第1の位相中に、第1のコンデンサ上に入力電圧をサンプリングすることであって、前記サンプリングされた入力電圧は、前記ノイズを含む、サンプリングすることと、
第2の位相中に、バッファから第2のコンデンサ前記ノイズに対応する電圧を出力することと、
第3の位相中に、前記第1のコンデンサの電荷を転送することであって、前記サンプリングされた入力電圧に対応する電荷は、第3のコンデンサに転送されるが、前記第2のコンデンサに出力された前記電圧は、前記ノイズが前記第3のコンデンサに転送されることを阻止するために使用される、転送することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1の位相中に、前記第2のコンデンサを定電圧に接続することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
集積回路でのサンプリング中にサンプリングされるノイズ成分を消去するための方法であって、
第1の位相中に、第1のコンデンサ上に入力電圧をサンプリングすることであって、前記サンプリングされた入力電圧は、前記ノイズを含む、サンプリングすることと、
第2の位相中に、第1の増幅器を通して、第2のコンデンサへの前記ノイズに対応する電圧を増幅することと、
第3の位相中に、
(i)前記第1のコンデンサの信号電荷を前記第2のコンデンサの底部プレートに転送するステップと、
(ii)前記集積回路の出力として、第2の増幅器を通して、前記第2のコンデンサの頂部プレートでの電圧電位を出力するステップと、
(iii)前記集積回路の利得を制御するために、フィードバックループを生成するステップであって、前記集積回路の前記出力での電圧電位は、前記ノイズを伴わない前記サンプリングされた入力電圧に利得係数を乗じたものに相関する、生成するステップと、を行うことと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記第1の位相中に、前記第2のコンデンサを定電圧に接続することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路のコンデンサ上でサンプリングされるノイズを消去するためのプロセスに関する。本発明はさらに、高精度および高解像度集積回路における熱ノイズを消去するための方法に関する。本発明はさらに、入力信号がサンプリングされた後に、サンプリングされた入力信号に付随するノイズを消去する、集積回路の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路に関するサンプリングプロセスの実現は、しばしば、サンプリングネットワークまたはスイッチドキャパシタ回路の使用を必要とする。スイッチドキャパシタ回路は、接続スイッチが閉じられるときに、コンデンサに入力信号を印加することによって、離散時間信号処理を可能にする。図1は、標準的な容量性サンプリング回路を図示する。位相φ1中にスイッチ20が閉じられると、入力信号が印加され、入力信号に比例する対応する電荷がコンデンサ10に蓄積され、この電荷は、スイッチ20が開かれるときにコンデンサ10上に保持される。
【0003】
図1で図示されるような基本的なスイッチドキャパシタ回路は、サンプリングプロセスを実現する際に有用であるが、いくつかの欠点を有する。スイッチドキャパシタ回路で入力信号をサンプリングすることは、意図する入力信号だけでなく、任意の付随する熱ノイズもサンプリングする。このノイズは、主に、図1のスイッチ20等の、スイッチドキャパシタ回路の中のスイッチによって生じ、特に、小型のコンデンサと併せて使用されるときに問題点を残す。スイッチドキャパシタ回路を使用する集積回路を設計するときには、特に高精度(高精度サンプルホールド回路等)または高解像度(高解像度データ変換器等)を必要とする集積回路において、サンプリングされたノイズの存在を考慮しなければならない。特に、サンプリングされたノイズによって生じる電力の補償を考慮しなければならない。スイッチ20がRONの抵抗を有する単純な抵抗素子によって表される場合、スイッチドキャパシタ回路におけるサンプリングされたノイズの熱ノイズ電力は、式(i)で表すことができる。
【0004】
【数1】
【0005】
式中、k=ボルツマン定数、T=絶対温度(ケルビン)、RON=スイッチングデバイスの等価抵抗、C=サンプリングコンデンサの静電容量である。
【0006】
式(i)はさらに、式(ii)に単純化することができる。
【0007】
【数2】
【0008】
米国特許第7,298,151号(「151号特許」)等の、以前の集積回路を設計するための手法は、サンプリングされるノイズの大きさを低減することに注目していた。図2は、151号特許で説明されるように、サンプリングノイズを低減させるために、ホールド増幅器を有する、容量性サンプリング回路を図示する。位相φ1中に、スイッチ20および22が閉じられ、底部プレートの入力にコンデンサ10を接続する。スイッチ20が閉じられると、入力信号がコンデンサ10に印加され、蓄積される。図2で図示されるように、スイッチ22を閉じることで、コンデンサ10の頂部プレート上のDC電位電圧を設定することが可能になり、ノードS1の電荷の設定を可能にする。したがって、コンデンサ10上の電荷は、S1でのDC電位を除いた入力電圧と比例する。φ2中に、スイッチ21が閉じられ、S1の電荷が凍結される。増幅器30は、ノードS1でコンデンサ10に接続され、ホールド位相φ2中に、サンプリングされた入力電圧をバッファリングするために使用される。このホールド位相中に、スイッチ23が閉じられ、コンデンサ12を通して増幅器30のフィードバックループを作成する。151号特許で説明されるように、この配設は、サンプリングされたノイズが、事実上、
【数3】
未満である電力を有することを可能にする。このプロセスは、集積回路の中のノイズの低減を可能にするが、回路の中のノイズの事実上の消去を提供しない。したがって、サンプリングされたノイズは、システムの中に存在し続け、集積回路の電力出力を増加させる。
【0009】
他の以前の構成は、サンプリングされたノイズを低減させようとする代わりに、設計された集積回路において、DC電圧にリセットされるコンデンサ上のノイズを低減させようと、または消去しようとしてきたか、または信号がサンプリングされる前に存在するノイズに依存する撮像装置において、相関二重サンプリングを使用してきた。これらの他の以前の実現されたシステムのいずれも、サンプリングが既に行われた後に、サンプリングされた信号からのノイズ成分の事実上の消去を可能にしなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7298151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、当技術分野には、入力信号が既にサンプリングされた後に、サンプリングコンデンサ上でサンプリングされるノイズを消去する、システムおよびプロセスに対する必要性が存在したままである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】標準的な容量性サンプリング回路の図である。
図2】サンプリングノイズを低減させるために、ホールド増幅器を有する、容量性サンプリング回路の図である。
図3】本発明による、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するために、ノイズ消去ユニットを有する、集積回路の図である。
図4】本発明による、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するために、サンプルホールド増幅器機能を有する、集積回路の図である。
図5】本発明による、集積回路のクロック位相のタイミング図である。
図6】本発明による、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するために、制御サンプルホールド増幅器利得を有する、集積回路の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、対象の発明を、特定の本発明の好適な実施形態について説明するが、これらの実施形態は、単に実例となる実施例を意図したものに過ぎず、本発明は、それらに限定されないことを理解されたい。
【0014】
種々の入力信号をサンプリングするために使用されるスイッチドキャパシタ回路において、入力信号に付随するノイズ成分の消去は、熱ノイズを含む任意の入力信号をサンプリングし、そして、一連のクロック位相中に複数のスイッチングデバイスを選択的に制御することによってサンプリングした後に、熱ノイズを消去することによって行われ得る。本発明の実施形態は、入力コンデンサと、ノイズ消去ユニットとを提供し得る。ノイズ消去ユニットは、バッファと、補助コンデンサと、追加的なスイッチとを含み得る。補助コンデンサは、サンプリングされた信号から熱ノイズを消去することを可能にするために、熱ノイズに等しい電圧を蓄積するために使用され得る。本発明の実施形態はまた、サンプリングされた信号の中の熱ノイズを消去するために回路の利得を制御し得る負のフィードバックを有する、一対の増幅器を含む、ノイズ消去ユニットも提供し得る。
【0015】
図3は、本発明の、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するためのノイズ消去ユニットを有する、集積回路の図を示す。集積回路100は、入力コンデンサCin120を含み得る。入力コンデンサ120の底部プレートは、集積回路100の入力に接続され得、ここで、入力電圧VINが印加され得る。入力コンデンサ120の頂部プレートは、スイッチングデバイス140を通して接地され得るか、または定電圧に接続され得、また、ノイズ消去ユニット130に接続され得る。スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの入力端子において、コンデンサ140の頂部プレートおよびノイズ消去ユニット130への入力に接続され得る。スイッチングデバイス140の出力端子は、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。代替の実施形態において、スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの出力端子において、コンデンサ140の頂部プレートおよびノイズ消去ユニット130に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得る。クロック位相φ1中に、スイッチングデバイス140が閉じられ得、この位相は、サンプリングモード中の位相に対応し得る。
【0016】
ノイズ消去ユニット130は、ノイズ消去ユニット130の入力において、入力コンデンサ120に接続され得る。ノイズ消去ユニット130の出力は、集積回路100のサンプリングセグメントの出力に対応し得る。ノイズ消去ユニット130はまた、スイッチングデバイス142を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。図3で示されるように、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの入力端子において、ノイズ消去ユニット130に接続され得、また、スイッチングデバイスの出力端子において、接地され得る。代替の実施形態において、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの出力端子において、ノイズ消去ユニット130に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。
【0017】
動作中に、入力信号VINは、入力コンデンサ120の底部プレートに印加され得る。クロック位相φ1中に、スイッチングデバイス140が閉じられ得、入力コンデンサ120の頂部プレートを接地する。スイッチングデバイス140が開かれると、電荷がコンデンサ120上に維持され得、VINがコンデンサ120に蓄積され得る。入力コンデンサ120上でサンプリングされた信号はまた、入力電圧がサンプリングされ、コンデンサに蓄積されたときにVINに付随する、熱ノイズも含み得る。VINおよびサンプリングされた熱ノイズは、ノイズ消去ユニット130に出力され得る。クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス142が閉じられ得、ノイズ消去ユニット130を接地する。このクロック位相中に、ノイズ消去ユニット130は、サンプリングされた熱ノイズを消去し得る。ノイズ消去ユニット130は、VINに相関する信号を出力し得るが、いかなるサンプリングされた熱ノイズも含まない。
【0018】
図4は、本発明の、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するためのサンプルホールド増幅器機能を有する、集積回路の図を示す。集積回路100は、入力コンデンサCin120を含み得る。入力コンデンサ120の底部プレートは、スイッチングデバイス144を通して、集積回路100の入力に選択的に接続され得る。クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス144が閉じられ得、スイッチングデバイスの入力端子において、集積回路100の入力に接続され得る。スイッチングデバイス144は、スイッチングデバイスの出力端子において、入力コンデンサ120の底部プレートに接続され得る。
【0019】
代替として、入力コンデンサ120の底部プレートは、スイッチングデバイス146を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。クロック位相φ3中に、スイッチングデバイス146は選択的に閉じられ得る。スイッチングデバイス146は、スイッチングデバイスの入力端子において、入力コンデンサ120の底部プレートに接続され得る。スイッチングデバイス146はまた、その入力端子において、スイッチングデバイス144の出力端子にも接続され得る。
【0020】
入力コンデンサ120の頂部プレートは、スイッチングデバイス140を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得、また、バッファ150に接続され得る。スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの入力端子において、入力コンデンサ120の頂部プレートおよびバッファ150の入力端子に接続され得る。スイッチングデバイス140の出力端子は、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。代替の実施形態において、スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの出力端子において、入力コンデンサ120の頂部プレートおよびバッファ150に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得る。クロック位相φ1中に、スイッチングデバイス140が閉じられ得、この位相は、サンプリングモード中の位相に対応し得る。
【0021】
集積回路100はまた、補助コンデンサCaux122も含み得る。バッファ150、補助コンデンサ122、およびスイッチングデバイス142は、ノイズ消去ユニット130を形成することができる。バッファ150の出力端子は、補助コンデンサ122の底部プレートに接続され得る。補助コンデンサ122の頂部プレートの電圧は、集積回路100のサンプリングセグメントの出力に対応し得る。補助コンデンサ122の頂部プレートはまた、スイッチングデバイス142を通して、接地され得る。図4で図示されるように、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの入力端子において、補助コンデンサ122の頂部プレートに接続され得、また、スイッチングデバイスの出力端子において、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。他の実施形態において、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの出力端子において、補助コンデンサ122に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得る。
【0022】
動作中に、集積回路100は、指定されたクロック位相φ1、φ2、およびφ3に従って動作し得る。図5は、種々のクロック位相のタイミングを図示する。クロック位相φ1中に、最初にスイッチングデバイス140が閉じられ得、入力コンデンサ120の頂部プレートを接地する。クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス144が閉じられ得、集積回路100の入力を入力コンデンサ120に接続する。入力信号VINは、入力コンデンサ120の底部プレートに印加され得、入力信号は、クロック位相φ1の残りの間にサンプリングされ得る。また、クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス142が閉じられ得、補助コンデンサ122の頂部プレートを接地する。
【0023】
φ1の後にスイッチングデバイス140が開かれると、電荷がコンデンサ120上に維持され得、VINがコンデンサ120に蓄積され得る。入力コンデンサ120の頂部プレートは、VINが入力コンデンサ120に蓄積されたときに同時にサンプリングされた熱ノイズの存在のため、接地と異なる電圧であり得る。熱ノイズに対応する入力コンデンサ120の頂部プレートでの電圧は、バッファ150に出力され得、該バッファは、補助コンデンサ122の底部プレートへの電圧をバッファリングし得る。補助コンデンサ122の頂部プレートは、スイッチングデバイス142が閉じたままであるクロック位相φ2の期間中、接地したままであり得る。補助コンデンサ122上でサンプリングされた電圧は、入力コンデンサ120上でサンプリングされた熱ノイズに等しくなり得、入力コンデンサ120の頂部プレートでの電圧電位、およびスイッチングデバイス142から加えられる追加的なノイズを表す。スイッチングデバイス142から加えられる追加的なノイズは、補助コンデンサ122に対してより大きい静電容量を選択することによって打ち消され得る。補助コンデンサ122に対する大静電容量の選択は、スイッチングデバイス142によって生じる熱ノイズを効果的に低減させ得る。補助回路122がVINによって駆動されないので、補助コンデンサ122に対する大静電容量を選択することは、集積回路100への入力に追加的な負荷を加え得ない。
【0024】
図5で図示されるように、クロック位相φ1およびφ2は、重なり得る。クロック位相φ1は、クロック位相φ2が終わる前に終わり得る。クロック位相φ2がクロック位相φ1を超えて延びる期間は、時間枠tcancelを表し得、この時間枠の後に、スイッチングデバイス140が開かれ、入力コンデンサ120の頂部プレートからのサンプリングされた熱ノイズが補助コンデンサ122へバッファリングされる。
【0025】
クロック位相φ3中に、スイッチングデバイス146が閉じられ得る。スイッチングデバイス146を閉じることは、入力コンデンサ120の底部プレートを接地に短絡させ得る。入力コンデンサ120を接地に短絡させることは、補助コンデンサ122の頂部プレートでの電位電圧を−VINに変化させ得る。集積回路100は、次いで、いかなるサンプリングされた熱ノイズも存在することなく、回路のサンプリングステージの出力において、VINを生じ得る。
【0026】
図6は、本発明の、サンプリングされた入力信号から熱ノイズを消去するための制御サンプルホールド増幅器利得を有する、集積回路の図を示す。集積回路100は、入力コンデンサCin120を含み得る。入力コンデンサ120の底部プレートは、スイッチングデバイス144を通して、集積回路100の入力に選択的に接続され得る。クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス144が閉じられ得、スイッチングデバイスの入力端子において、集積回路100の入力に接続され得る。スイッチングデバイス144は、スイッチングデバイスの出力端子において、入力コンデンサ120の底部プレートに接続され得る。
【0027】
代替として、入力コンデンサ120の底部プレートは、スイッチングデバイス146を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。クロック位相φ3中に、スイッチングデバイス146は選択的に閉じられ得る。スイッチングデバイス146は、スイッチングデバイスの入力端子において、入力コンデンサ120の底部プレートに接続され得る。スイッチングデバイス146はまた、その入力端子において、スイッチングデバイス144の出力端子にも接続され得る。
【0028】
入力コンデンサ120の頂部プレートは、スイッチングデバイス140を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得、また、増幅器160の反転入力に接続される。スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの入力端子において、入力コンデンサ120の頂部プレートおよび増幅器160の反転入力端子に接続され得る。スイッチングデバイス140の出力端子は、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。代替の実施形態において、スイッチングデバイス140は、スイッチングデバイスの出力端子において、入力コンデンサ120の頂部プレートおよび増幅器160の反転入力に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得る。クロック位相φ1中に、スイッチングデバイス140が閉じられ得、この位相は、サンプリング中の位相に対応し得る。
【0029】
集積回路100はまた、一対の増幅器160および162も含み得る。図6で図示されるように、増幅器160および162はそれぞれ、それぞれの増幅器への入力を増幅し得る開ループ利得を有し得るが、集積回路100全体の閉ループ利得は、接続フィードバックループによって制御され得る。増幅器160の反転入力は、入力コンデンサ120の頂部プレートに接続され得、また選択的に、スイッチングデバイス140を通して、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。増幅器160の非反転入力端子は、接地され得る。増幅器160は、補助コンデンサCaux122の底部プレートに接続され得る。
【0030】
補助コンデンサ122の頂部プレートは、スイッチングデバイス142を通して、接地され得、また、増幅器162の反転入力端子に接続され得る。図6で図示されるように、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの入力端子において、補助コンデンサ122の頂部プレートおよび増幅器162の反転入力に接続され得、また、スイッチングデバイスの出力端子において、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。他の実施形態において、スイッチングデバイス142は、スイッチングデバイスの出力端子において、補助コンデンサ122および増幅器162の反転入力に接続され得、また、スイッチングデバイスの入力端子において、接地され得る。
【0031】
増幅器162の非反転入力端子は、接地され得るか、または定電圧に接続され得る。増幅器162の出力はまた、集積回路100のサンプリングセグメントの出力にも対応し得る。増幅器162は、サンプルホールド増幅器利得を増加させ得、また、補助コンデンサ124を出力から隔離し得る。フィードバックループはまた、増幅器162の出力と増幅器160の反転入力の間にも接続され得る。スイッチングデバイス148は、フィードバックループの中のフィードバックコンデンサCfb124に増幅器162の出力を接続し得る。クロック位相φ3中に、スイッチングデバイス148が閉じられ得る。
【0032】
スイッチングデバイス148が閉じられると、フィードバックコンデンサ124の底部プレートが増幅器162の出力に接続され得る。フィードバックコンデンサ124の頂部プレートは、増幅器160の反転入力端子に接続され得、また、入力コンデンサ120の頂部プレートに接続され得、したがって、フィードバックコンデンサ124および入力コンデンサ120の頂部プレートでの電位電圧は、同じであり得る。フィードバックコンデンサ124の頂部プレートはまた、スイッチングデバイス140を通して、接地され得る。スイッチングデバイス148が閉じられる、クロック位相φ3中にだけ、フィードバックループを通して、フィードバックが提供され得る。フィードバックループの存在は、集積回路100のサンプルホールド増幅器利得を制御することを可能にし得る。
【0033】
動作中に、集積回路100は、指定されたクロック位相φ1、φ2、およびφ3に従って動作し得る。クロック位相φ1中に、最初にスイッチングデバイス140が閉じられ得、入力コンデンサ120の頂部プレートを接地する。クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス144が閉じられ得、集積回路100の入力を入力コンデンサ120に接続する。入力信号VINは、入力コンデンサ120の底部プレートに印加され得、入力信号は、クロック位相φ1の残りの間にサンプリングされ得る。また、クロック位相φ2中に、スイッチングデバイス142が閉じられ得、補助コンデンサ122の頂部プレートを接地する。
【0034】
φ1の後にスイッチングデバイス140が開かれると、電荷がコンデンサ120上に維持され得、VINがコンデンサ120に蓄積され得る。入力コンデンサ120の頂部プレートは、VINが入力コンデンサ120に蓄積されたときに同時にサンプリングされた熱ノイズの存在のため、接地と異なる電圧であり得る。サンプリングされた熱ノイズに対応する入力コンデンサ120の頂部プレートでの電圧は、増幅器160に出力され得、該増幅器は、補助コンデンサ122の底部プレート上へのこの信号を増幅し得る。増幅器160はまた、スイッチングデバイス142から加えられる追加的なノイズの影響も低減させ得、したがって、補助コンデンサ122上でサンプリングされた入力換算電圧が、入力コンデンサ120上でサンプリングされた熱ノイズと相関し得るのであれば、スイッチングデバイス142からの追加的な熱ノイズは最小である。補助コンデンサ122の頂部プレートは、スイッチングデバイス142が閉じたままであるクロック位相φ2の期間中、接地したままであり得る。クロック位相φ2中に、増幅器162の入力端子双方への印加入力は、接地され得、また、増幅器162は、その出力において電圧を出力し得ない。
【0035】
クロック位相φ3中に、スイッチングデバイス146が閉じられ得る。スイッチングデバイス146を閉じることは、入力コンデンサ120の底部プレートを接地に短絡させ得る。負のフィードバック構成とともに、増幅器162の高利得のため、入力コンデンサ120を接地させることで、入力コンデンサ120上の電荷をフィードバックコンデンサ124へ転送させ得、よって、増幅器162の出力は、−VIN×CIN/CFBとなる。加えて、補助コンデンサ122は、入力コンデンサ120上でサンプリングされたノイズ電圧に対応する蓄積電荷を有するので、入力コンデンサ120上のいかなるノイズ電荷も、フィードバックコンデンサ124に転送しない。このように、集積回路100は、次いで、いかなるサンプリングされた熱ノイズも存在することなく、回路のサンプリングステージの出力において、−(−VIN×CIN/CFB)を生じ得る。
【0036】
本発明の複数の実施形態が、本明細書で具体的に図示され、および/または説明される。しかしながら、本発明の修正および変形は、上の教示によって網羅され、本発明の趣旨および主旨から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6