(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、前記大小関係に対応する制御信号を出力する検出回路と、
前記第1スイッチをオンするための所定パルス幅の第1パルス信号を生成する第1のタイマ回路と、
前記第2スイッチをオンするための所定パルス幅の第2パルス信号を生成する第2のタイマ回路と、
前記制御信号に応答して、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを、前記接続点の電圧値と基準値との差を小さくするスイッチングタイミングに調整し、前記制御信号に応じて前記第1パルス信号又は前記第2パルス信号の所定パルス幅を調整する調整回路と、を含む制御回路を有する電源装置と、
前記電源装置にて生成された電圧が供給される内部回路と、
を含むことを特徴とする電子機器。
前記制御信号は、前記接続点の電圧値と正値である第1基準値との比較結果と、前記接続点の電圧値と負値である第2基準値との比較結果とに応じて生成されることを特徴とする請求項5に記載の電源の制御方法。
前記接続点の電圧値が前記第1基準値よりも高い場合に、前記第2スイッチのオフタイミングを速くするように調整する一方で、前記接続点の電圧値が前記第2基準値よりも低い場合に、前記第2スイッチのオフタイミングを遅くするように調整することを特徴とする請求項5又は6に記載の電源の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
図1に示すように、DC−DCコンバータ1は、入力電圧Vi(第1電位)に基づいて出力電圧Voを生成するコンバータ部2と、コンバータ部2を制御する制御回路3とを含む。
【0011】
コンバータ部2は、メイン側のトランジスタT1と、同期側のトランジスタT2と、コイルL1と、コンデンサC1とを含む。
メイン側のトランジスタT1及び同期側のトランジスタT2は、NチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT1は、その第1端子(ドレイン)が入力電圧Viの供給される入力端子Piに接続されるとともに、第2端子(ソース)がトランジスタT2の第1端子(ドレイン)に接続されている。このトランジスタT2の第2端子(ソース)は、入力電圧Viよりも低い電位の電源線(ここでは、グランド)に接続されている。このように、入力端子Piとグランド(第2電位)との間には、トランジスタT1とトランジスタT2とが直列に接続されている。
【0012】
また、トランジスタT1の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DHが供給されるのに対し、トランジスタT2の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DLが供給される。これらトランジスタT1,T2は、制御信号DH,DLに応答してオンオフする。制御回路3は、トランジスタT1,T2を相補的にオンオフするように制御信号DH,DLを生成する。すなわち、トランジスタT1,T2はスイッチ回路の一例として挙げられる。なお、
図1には、トランジスタT2のボディダイオードを示している。
【0013】
両トランジスタT1,T2間のノードLXは、コイルL1の第1端子(入力側端子)に接続されている。このコイルL1の第2端子(出力側端子)は、出力電圧Voを出力する出力端子Poに接続されている。このように、入力端子Piと出力端子Poとの間には、メイン側のトランジスタT1とコイルL1とが直列に接続されている。また、上記コイルL1の第2端子は平滑用コンデンサC1の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC1の第2端子はグランドに接続されている。なお、このコンデンサC1は、出力電圧Voを平滑化する平滑回路に含まれる。
【0014】
このようなコンバータ部2では、メイン側のトランジスタT1がオンし同期側のトランジスタT2がオフした場合に、コイルL1に入力電圧Viと出力電圧Voとの差に応じたコイル電流ILが流れる。これにより、コイルL1にはエネルギー(電力)が蓄積される。一方、メイン側のトランジスタT1がオフし同期側のトランジスタT2がオンすると、コイルL1が蓄えたエネルギーを放出するため、そのコイルL1に誘導電流(コイル電流IL)が流れる。このような動作により、入力電圧Viよりも降圧された出力電圧Voが生成される。そして、その出力電圧Voが出力端子Poに接続される負荷(図示略)に出力される。また、負荷には出力電流Ioが供給される。
【0015】
次に、制御回路3の内部構成を説明する。
制御回路3は、抵抗R1,R2と、比較器10と、メイン側タイマ20と、同期側タイマ30と、同期整流期間調整回路(調整回路)40と、アンチシュートスルー(AST)50と、ドライバ回路51,52とを含む。
【0016】
比較器10の反転入力端子には、出力電圧Voに基づく電圧が供給される。本実施形態では、抵抗R1,R2により生成された電圧が供給される。抵抗R1の第1端子に出力電圧Voが帰還され、抵抗R1の第2端子は抵抗R2の第1端子に接続され、抵抗R2の第2端子はグランドに接続されている。抵抗R1と抵抗R2の間の接続点は比較器10の非反転入力端子に接続されている。これら抵抗R1,R2は、それぞれの抵抗値に応じて、出力電圧Voを分圧した電圧(分圧電圧、フィードバック電圧)VFBを生成する。このフィードバック電圧VFBの値は、抵抗R1,R2の抵抗値の比と、出力電圧Voとグランドの電位差に対応する。したがって、抵抗R1,R2は、出力電圧Voに比例したフィードバック電圧VFBを生成する。
【0017】
比較器10の非反転入力端子には、基準電圧Vrが供給される。比較器10は、フィードバック電圧VFBと基準電圧Vrとを比較し、その比較結果に応じた信号S1を生成する。本実施形態において、比較器10は、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも高いときにLレベルの信号S1を生成し、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低いときにHレベルの信号S1を生成する。この信号S1は、メイン側タイマ20と、同期側タイマ30と、調整回路40とに供給される。なお、上記基準電圧Vrは、出力電圧Voの目標電圧に応じて設定される。
【0018】
メイン側タイマ20は、Hレベルの信号S1に応答して、その信号S1の立ち上がりタイミングから所定時間だけHレベルとなるメイン側パルス信号PHを生成する。ここで、所定時間は、例えば入力電圧Viと出力電圧Voに依存する時間である。すなわち、メイン側タイマ20は信号S1の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間だけHレベルとなるメイン側パルス信号PHを生成する。そして、このメイン側パルス信号PHは、同期側タイマ30とAST50とに供給される。
【0019】
同期側タイマ30は、コイル電流ILが連続的に変化する電流連続モード(CCM)では、メイン側パルス信号PHの立ち下がりに応答してHレベルの同期側パルス信号PLを生成し、信号S1の立ち上がりに応答してLレベルの同期側パルス信号PLを生成する。また、同期側タイマ30は、コイル電流ILの変化が不連続となる電流不連続モード(DCM)では、Lレベルのメイン側パルス信号PHに応答して、そのパルス信号PHの立ち下がりタイミングから所定時間だけHレベルとなる同期側パルス信号PLを生成する。ここで、所定時間は、例えば入力電圧Viと出力電圧Voに依存する時間であって、調整回路40によって調整された時間である。そして、この同期側パルス信号PLは、調整回路40とAST50とに供給される。
【0020】
調整回路40には、メイン側のトランジスタT1と同期側のトランジスタT2との間のノードLXが接続されている。この調整回路40は、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXに応じて、同期側のトランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を最適化するように調整信号SG1を同期側タイマ30に出力する。ここで「トランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を最適化する」というのは、コイル電流ILが0Aの時にトランジスタT2がオフされるようにトランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を調整することである。なお、以下の説明でも同様である。
【0021】
すなわち、調整回路40は、コイル電流ILの逆流が発生する前に同期側のトランジスタT2がオフしている場合、つまりトランジスタT2のオフタイミングが早い場合には、トランジスタT2のオフタイミングを遅らせるように調整信号SG1を生成する。一方、調整回路40は、コイル電流ILの逆流が発生した後に同期側のトランジスタT2がオフしている場合、つまりトランジスタT2のオフタイミングが遅い場合には、トランジスタT2のオフタイミングを速くするように調整信号SG1を生成する。
【0022】
AST50は、メイン側パルス信号PHと同期側パルス信号PLとに基づいて、コンバータ部2のトランジスタT1,T2を相補的にオンオフするように、且つ両トランジスタT1,T2が同時にオンしないように、制御信号SH,SLを生成する。
【0023】
ドライバ回路51は、Hレベルの制御信号SHに応答してHレベルの制御信号DHをメイン側のトランジスタT1に出力するとともに、Lレベルの制御信号SHに応答してLレベルの制御信号DHをトランジスタT1に出力する。なお、トランジスタT1は、Hレベルの制御信号DHに応答してオンするとともに、Lレベルの制御信号DHに応答してオフする。
【0024】
ドライバ回路52は、Hレベルの制御信号SLに応答してLレベルの制御信号DLを同期側のトランジスタT2に出力するとともに、Lレベルの制御信号SLに応答してLレベルの制御信号DLをトランジスタT2に出力する。なお、トランジスタT2は、Hレベルの制御信号DLに応答してオンするとともに、Lレベルの制御信号DLに応答してオフする。
【0025】
本実施形態において、メイン側のトランジスタT1は、Hレベルのメイン側パルス信号PHに基づくHレベルの制御信号DHに応答してオンし、Lレベルのメイン側パルス信号PHに基づくLレベルの制御信号DHに応答してオフする。すなわち、メイン側パルス信号PHを生成するメイン側タイマ20は、メイン側のトランジスタT1のオン期間を決定する。同様に、同期側のトランジスタT2は、Hレベルの同期側パルス信号PLに基づくHレベルの制御信号DLに応答してオンし、Lレベルの同期側パルス信号PLに基づくLレベルの制御信号DLに応答してオフする。すなわち、同期側パルス信号PLを生成する同期側タイマ30は、同期側のトランジスタT2のオン期間を決定する。
【0026】
次に、メイン側タイマ20の一例を
図2に従って説明する。
図2に示すように、メイン側タイマ20は、オペアンプ21,22と、抵抗R21と、コンデンサC21と、トランジスタT21〜T24と、RS−フリップフロップ回路(RS−FF回路)23とを含む。
【0027】
オペアンプ21の非反転入力端子には入力電圧Viが供給される。オペアンプ21の反転入力端子は抵抗R21の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R21の第2端子はグランドに接続されている。また、抵抗R21の第1端子はNチャネルMOSトランジスタT21のソースに接続されている。このトランジスタT21は、そのゲートがオペアンプ21の出力端子に接続されるとともに、ドレインがPチャネルMOSトランジスタT22のドレインに接続されている。
【0028】
抵抗R21の両端子間には、この抵抗R21に流れる電流と抵抗値に応じた電位差が生じる。オペアンプ21は、抵抗R21とトランジスタT21の間のノードの電位を、入力電圧Viと等しくするように、トランジスタT21のゲート電圧を生成する。すなわち、抵抗R21の第1端子の電圧が入力電圧Viになるように制御される。したがって、抵抗R21の両端子間には、この抵抗R21の抵抗値と、両端子間の電位差(入力電圧Vi)とに応じた電流I21aが流れる。このため、電流I21aは、
【0030】
上記トランジスタT22のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT22のゲートは、同トランジスタT22のドレインとPチャネルMOSトランジスタT23のゲートとに接続されている。なお、バイアス電圧VBは、入力電圧Vi、または図示しない電源回路により生成された電圧である。上記トランジスタT23のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT22とトランジスタT23とはカレントミラー回路に含まれる。ここで、トランジスタT22とトランジスタT23とは、同一の電気的特性を持つ。このため、このカレントミラー回路は、トランジスタT22に流れる電流と同一の電流値の電流I21(=Vi/R21)をトランジスタT23に流す。
【0031】
トランジスタT23のドレインは、コンデンサC21の第1端子とNチャネルMOSトランジスタT24のドレインとに接続されている。コンデンサC11の第2端子及びトランジスタT24のソースはグランドに接続されている。このように、トランジスタT24は、コンデンサC21に並列に接続されている。なお、コンデンサC21には、トランジスタT23から入力電圧Viに依存した電流I21が流れる。
【0032】
トランジスタT23,T24間のノードN2は、オペアンプ22の非反転入力端子に接続されている。このオペアンプ22の反転入力端子には、出力電圧Voが供給される。このオペアンプ22は、ノードN2の電圧VN2と出力電圧Voとの比較結果に応じた信号S2をRS−FF回路23のリセット端子に出力する。具体的には、オペアンプ22は、電圧VN2が出力電圧Voよりも低いときにLレベルの信号S2を出力する一方、電圧VN2が出力電圧Voよりも高くなるとHレベルの信号S2を出力する。
【0033】
RS−FF回路23のセット端子には、比較器10から信号S1が供給される。このRS−FF回路23は、Hレベルの信号S1に応答してHレベルのメイン側パルス信号PHを出力する一方、Hレベルの信号S2に応答してLレベルのメイン側パルス信号PHを出力する。すなわち、RS−FF回路23に対して、Hレベルの信号S1はセット信号であるとともに、Hレベルの信号S2はリセット信号である。そして、RS−FF回路23の出力端子から出力されるメイン側パルス信号PHは、同期側タイマ30とAST50とに供給される。
【0034】
また、RS−FF回路23は、Hレベルの信号S1に応答してLレベルの反転信号PHxを出力する一方、Hレベルの信号S2に応答してHレベルの反転信号PHxを出力する。そして、RS−FF回路23の反転出力端子から出力される反転信号PHxは、トランジスタT24のゲートに供給される。
【0035】
ここで、メイン側パルス信号PHがHレベルであるときにメイン側のトランジスタT1(
図1参照)がオンする一方、メイン側パルス信号PHがLレベルであるときにトランジスタT1がオフする。これに対し、トランジスタT24は、反転信号PHxがHレベルであるとき、つまりメイン側パルス信号PHがLレベルであるときに(トランジスタT1がオフのときに)オンする。このようにトランジスタT24がオンすると、コンデンサC21の両端子が互いに接続されるため、コンデンサC21の第1端子(ノードN2)の電圧VN2はグランドレベルになる。一方、トランジスタT24は、反転信号PHxがLレベルであるとき、つまりメイン側パルス信号PHがHレベルであるときに(トランジスタT1がオンのときに)オフする。このようにトランジスタT24がオフすると、コンデンサC21は、トランジスタT23から供給される電流I21(入力電圧Viに依存した電流)により充電される。この結果、ノードN2の電圧VN2は、グランドレベルから入力電圧Viに応じて上昇する。
【0036】
すなわち、メイン側タイマ20は、メイン側のトランジスタT1がオフしているときにコンデンサC21の両端子間を短絡することにより、ノードN2の電圧VN2をグランドレベルにリセットする。次に、メイン側タイマ20は、トランジスタT1がオンすると、コンデンサC21の充電を開始する。その結果、ノードN2の電圧VN2が入力電圧Viに応じて上昇する。そして、この電圧VN2が出力電圧Voよりも高くなると、オペアンプ22からHレベルの信号S2(リセット信号)が出力される。すると、メイン側パルス信号PHがLレベルに立ち下がり、メイン側のトランジスタT1がオフする。したがって、メイン側パルス信号PHがHレベルに立ち上がってからHレベルの信号S2(リセット信号)が出力されるまでの期間(メイン側パルス信号PHのパルス幅)は、入力電圧Viと出力電圧Voに依存する。具体的には、メイン側のトランジスタT1がオンしている時間、つまりオン時間Tonは、
【0038】
ところで、入力電圧Viと出力電圧Voが安定している場合、出力電圧Voは、入力電圧Viと、メイン側のトランジスタT1のオンデューティとに応じた電圧になる。トランジスタT1のオンデューティは、トランジスタT1をオンする周期、すなわちスイッチング周期Tと、トランジスタT1のオン時間Tonとの比で表わされる。したがって、出力電圧Voは、
【0040】
スイッチング周期Tは、オン時間Tonと、トランジスタT1がオフしている時間(オフ時間Toff)との合計値である。したがって、オン時間Tonは、
【0041】
【数4】
と表わすこともでき、オフ時間Toffは、
【0042】
【数5】
と表わすことができる。上記式(2)及び式(4)から、
【0044】
次に、同期側タイマ30の一例を
図3に従って説明する。
図3に示すように、同期側タイマ30は、オペアンプ31,32と、抵抗R31と、コンデンサC31と、トランジスタT31〜T34と、オア回路33と、D−フリップフロップ回路(D−FF回路)34とを含む。
【0045】
オペアンプ31の非反転入力端子には入力電圧Viが供給される。オペアンプ31の反転入力端子は抵抗R31の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R31の第2端子はグランドに接続されている。また、抵抗R31の第1端子はNチャネルMOSトランジスタT31のソースに接続されている。このトランジスタT31は、そのゲートがオペアンプ31の出力端子に接続されるとともに、ドレインがPチャネルMOSトランジスタT32のドレインに接続されている。
【0046】
抵抗R31の両端子間には、この抵抗R31に流れる電流と抵抗値に応じた電位差が生じる。オペアンプ31は、抵抗R31とトランジスタT31の間のノードの電位を、入力電圧Viと等しくするように、トランジスタT31のゲート電圧を生成する。すなわち、抵抗R31の第1端子の電圧が入力電圧Viになるように制御される。したがって、抵抗R31の両端子間には、この抵抗R31の抵抗値と、両端子間の電位差(入力電圧Vi)とに応じた電流I31aが流れる。このため、電流I31aは、
【0048】
上記トランジスタT32のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT32のゲートは、同トランジスタT32のドレインとPチャネルMOSトランジスタT33のゲートとに接続されている。上記トランジスタT32のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT32とトランジスタT33とはカレントミラー回路に含まれる。ここで、トランジスタT32とトランジスタT33とは、同一の電気的特性を持つ。このため、このカレントミラー回路は、トランジスタT32に流れる電流と同一の電流値の電流I31(=Vi/R31)をトランジスタT33に流す。
【0049】
トランジスタT33のドレインは、コンデンサC31の第1端子とNチャネルMOSトランジスタT34のドレインとに接続されている。コンデンサC31の第2端子及びトランジスタT34のソースはグランドに接続されている。このように、トランジスタT34は、コンデンサC31に並列に接続されている。なお、コンデンサC31には、上記電流I31に応じた電流Ic1が流れる。
【0050】
トランジスタT33,T34間のノードN3は、オペアンプ32の非反転入力端子に接続されている。このオペアンプ32の反転入力端子には、入力電圧Vi及び出力電圧Voに依存した第1電圧V1(=Vi−Vo)が供給される。このオペアンプ32は、ノードN3の電圧VN3と第1電圧V1との比較結果に応じた信号S3をオア回路33に出力する。具体的には、オペアンプ32は、電圧VN3が第1電圧V1よりも低いときにLレベルの信号S3を出力する一方、電圧VN3が第1電圧V1よりも高くなるとHレベルの信号S3を出力する。
【0051】
オア回路33には、オペアンプ32からの信号S3と併せて、比較器10(
図1参照)からの信号S1が供給される。オア回路33は、オペアンプ32からの信号S3と比較器10からの信号S1とを論理和演算して信号S4を生成する。具体的には、オア回路33は、信号S1,S3のいずれか一方がHレベルである場合には、Hレベルの信号S4(リセット信号)を生成する。また、オア回路33は、信号S1,S3の両方がLレベルである場合には、Lレベルの信号S4を生成する。この信号S4は、D−FF回路34のリセット端子に入力される。
【0052】
D−FF回路34の入力端子には、高電位側電源電圧VDDが供給される。また、D−FF回路34の反転クロック端子には、メイン側パルス信号PHが供給される。このD−FF回路34は、メイン側パルス信号PHの立ち下がりエッジに同期して、入力端子に入力される電源電圧VDDのレベルを持つ同期側パルス信号PL、すなわちHレベルの同期側パルス信号PLを出力する。また、D−FF回路34は、Hレベルの信号S4(リセット信号)に応答して、Lレベルの同期側パルス信号PLを出力する。そして、D−FF回路34の出力端子から出力される同期側パルス信号PLは、調整回路40とAST50とに供給される。
【0053】
また、D−FF回路34は、メイン側パルス信号PHの立ち下がりエッジに同期してLレベルの反転信号PLxを出力する一方、Hレベルの信号S4に応答してHレベルの反転信号PLxを出力する。そして、D−FF回路34の反転出力端子から出力される反転信号PLxは、トランジスタT34のゲートに供給される。
【0054】
ここで、同期側パルス信号PLがHレベルであるときに同期側のトランジスタT2(
図1参照)がオンする一方、同期側パルス信号PLがLレベルであるときにトランジスタT2がオフする。これに対し、トランジスタT34は、反転信号PLxがHレベルであるとき、つまり同期側パルス信号PLがLレベルであるときに(トランジスタT2がオフのときに)オンする。このようにトランジスタT34がオンすると、コンデンサC31の両端子が互いに接続されるため、コンデンサC31の第1端子(ノードN3)の電圧VN3はグランドレベルになる。一方、トランジスタT34は、反転信号PLxがLレベルであるとき、つまり同期側パルス信号PLがHレベルであるときに(トランジスタT2がオンのときに)オフする。このようにトランジスタT34がオフすると、コンデンサC31は、トランジスタT33から供給される電流I31に応じた電流Ic1により充電される。この結果、ノードN3の電圧VN3は、グランドレベルから入力電圧Viに応じて上昇する。
【0055】
すなわち、同期側タイマ30は、同期側のトランジスタT2がオフしているときにコンデンサC31の両端子間を短絡することにより、ノードN3の電圧VN3をグランドレベルにリセットする。次に、同期側タイマ30は、トランジスタT2がオンすると、コンデンサC31の充電を開始する。その結果、ノードN3の電圧VN3が入力電圧Viに応じて上昇する。そして、この電圧VN3が第1電圧V1(=Vi−Vo)よりも高くなると、オペアンプ32からHレベルの信号S3が出力され、オア回路33からHレベルの信号S4(リセット信号)が出力される。すると、同期側パルス信号PLがLレベルに立ち下がり、メイン側のトランジスタT1がオフする。したがって、同期側パルス信号PLがHレベルに立ち上がってからHレベルの信号S3が出力されるまでの期間(同期側パルス信号PLのパルス幅)は、入力電圧Viと出力電圧Voに依存する。具体的には、同期側パルス信号PLがHレベルに立ち上がってからHレベルの信号S3が出力されるまでの時間Ts1は、
【0056】
【数8】
と表わすことができる。ここで、本実施形態では、抵抗R21,R31の抵抗値を同一値に設定しており、コンデンサC21,C31の容量値を同一値に設定している。このため、上記時間Ts1は、
【0058】
さらに、同期側パルス信号PLのパルス幅、つまり同期側のトランジスタT2のオン期間は、調整回路40から入力される調整信号SG1に応じて微調整される。すなわち、上記式(9)で表わされる時間Ts1は、調整信号SG1によって調整されず、同期側タイマ30のみによって設定される時間である。
【0059】
一方、オペアンプ32からHレベルの信号S3が出力される前に、比較器10からHレベルの信号S1が出力される場合(例えば、CCMの場合)には、そのHレベルの信号S1に応答して同期側パルス信号PLが立ち下がる。
【0060】
ここで、第1電圧V1を生成する回路の一例を
図4に従って説明する。
図4に示すように、オペアンプ35の非反転入力端子には、入力電圧Viが抵抗R32を介して供給される。また、オペアンプ35の反転入力端子には、出力電圧Voが抵抗R33を介して供給される。このオペアンプ35の出力端子は、NチャネルMOSトランジスタT35,T36のゲートに接続されている。これらトランジスタT35,T36のソースはグランドに接続されている。
【0061】
トランジスタT35のドレインはオペアンプ35の非反転入力端子に接続されている。また、トランジスタT36のドレインは、PチャネルMOSトランジスタT37のドレインに接続されている。
【0062】
上記トランジスタT37のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT37のゲートは、同トランジスタT37のドレインとPチャネルMOSトランジスタT38のゲートとに接続されている。上記トランジスタT38のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT37とトランジスタT38とはカレントミラー回路に含まれる。ここで、トランジスタT37とトランジスタT38とは、同一の電気的特性を持つ。このため、このカレントミラー回路は、トランジスタT37に流れる電流と同一の電流値の電流をトランジスタT38に流す。
【0063】
トランジスタT38のドレインが抵抗R34の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R34の第2端子がグランドに接続されている。ここで、抵抗R32〜R34の抵抗値は同一値に設定されている。そして、トランジスタT38と抵抗R34との間のノードからは、トランジスタT38のドレイン電流が抵抗R34によって電流電圧変換されて上記第1電圧V1(=Vi−Vo)として出力される。
【0064】
次に、同期整流期間調整回路40の一例を
図3に従って説明する。
図3に示すように、調整回路40は、比較器41,42と、アンド回路43,44と、オア回路45と、D−FF回路46と、ワンショット回路47,48と、スイッチSW1,SW2と、電流源A1,A2と、コンデンサC41と、トランスコンダクタンスアンプ49とを含む。
【0065】
ここで、ノードLXの電圧VLXは、同期側のトランジスタT2のオフするタイミングによってその挙動が
図5(a)〜(c)に示されるように変化する。すなわち、理想的な場合、つまりコイル電流ILがゼロのときにトランジスタT2がオフされる場合には、
図5(a)に示すように、トランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXがほぼ0(ゼロ)Vとなる。また、同期側のトランジスタT2のオフタイミングが速い場合、つまりコイル電流ILの逆流が発生する前にトランジスタT2がオフされる場合には、
図5(b)に示すように、トランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXは0Vよりも低い電圧値となる。逆に、同期側のトランジスタT2のオフタイミングが遅い場合、つまりコイル電流ILの逆流が発生した後にトランジスタT2がオフされる場合には、
図5(c)に示すように、トランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXは0Vよりも高い電圧値となる。このため、トランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXの電圧値を監視することで、トランジスタT2のオフタイミングが速いか遅いかを判断することができる。
【0066】
比較器41の非反転入力端子には、トランジスタT1,T2間のノードLXの電圧VLXが供給される。また、比較器41の反転入力端子には、第1基準電圧Vr1が供給される。ここで、この第1基準電圧Vr1は、正の電位(例えば、+0.2V)に設定されている。この比較器41は、ノードLXの電圧VLXと第1基準電圧Vr1との比較結果に応じた信号S5をアンド回路43に出力する。具体的には、比較器41は、電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも低いときにLレベルの信号S5を出力する一方、電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも高いときにHレベルの信号S5を出力する。すなわち、トランジスタT2のオフタイミングが遅いことに起因して電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも高くなると、Hレベルの信号S5が出力される。
【0067】
比較器42の反転入力端子は、トランジスタT1,T2間のノードLXの電圧VLXが供給される。また、比較器42の非反転入力端子には、第2基準電圧Vr2が供給される。ここで、この第2基準電圧Vr2は、負の電位(例えば、−0.2V)に設定されている。この比較器42は、ノードLXの電圧VLXと第2基準電圧Vr2との比較結果に応じた信号S6をアンド回路44に出力する。具体的には、比較器42は、電圧VLXが第2基準電圧Vr2よりも高いときにLレベルの信号S6を出力する一方、電圧VLXが第2基準電圧Vr2よりも低いときにHレベルの信号S6を出力する。すなわち、トランジスタT2のオフタイミングが速いことに起因して電圧VLXが第2基準電圧Vr2よりも低くなると、Hレベルの信号S6が出力される。
【0068】
アンド回路43,44には、D−FF回路46から出力される出力信号が供給される。アンド回路43は、比較器41からの信号S5とD−FF回路46の出力信号とを論理積演算した結果を持つ出力信号を、オア回路45とワンショット回路47とに出力する。アンド回路44は、比較器42からの信号S6とD−FF回路46の出力信号とを論理積演算した結果を持つ出力信号を、オア回路45とワンショット回路47とに出力する。
【0069】
オア回路45には、比較器10(
図1参照)から信号S1が供給される。このオア回路45は、アンド回路43,44の出力信号と比較器10からの信号S1とを論理和演算して信号S7を生成する。具体的には、オア回路45は、入力される信号のいずれか一つがHレベルである場合には、Hレベルの信号S7(リセット信号)を生成する。また、オア回路45は、入力される信号の全てがLレベルである場合には、Lレベルの信号S7を生成する。この信号S7は、D−FF回路46のリセット端子に供給される。
【0070】
D−FF回路46の入力端子には、高電位側電源電圧VDDが供給される。また、D−FF回路46の反転クロック端子には、同期側パルス信号PLが供給される。このD−FF回路46は、同期側パルス信号PLの立ち下がりエッジに同期して、入力端子に入力される電源電圧VDDのレベルを持つ出力信号、すなわちHレベルの出力信号を出力する。このように、D−FF回路46は、同期側のトランジスタT2がオフされるときにHレベルの出力信号をアンド回路43,44に出力する。
【0071】
このとき、比較器41からHレベルの信号S5が出力されると(トランジスタT2のオフタイミングが速い場合)、アンド回路43からHレベルの出力信号が出力される。また、比較器42からHレベルの信号S6が出力されると(トランジスタT2のオフタイミングが遅い場合)、アンド回路44からHレベルの出力信号が出力される。また、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると、比較器10からHレベルの信号S1が出力される。上記いずれの場合であっても、オア回路45からHレベルの信号S7が出力されることになる。このHレベルの信号S7(リセット信号)に応答して、D−FF回路46は、Lレベルの出力信号をアンド回路43,44に出力する。すると、アンド回路43,44は、比較器41,42から出力される信号S5,S6に関わらず、常にLレベルの出力信号を出力する。すなわち、この場合のアンド回路43,44はそれぞれ、比較器41,42の信号S5,S6を無効にする無効回路として機能する。
【0072】
ワンショット回路47は、アンド回路43から出力されるHレベルの出力信号に応答して、固定時間だけHレベルとなる制御信号S8をスイッチSW1に出力する。ワンショット回路48は、アンド回路44から出力されるHレベルの出力信号に応答して、固定時間だけHレベルとなる制御信号S9をスイッチSW2に出力する。
【0073】
本実施形態では、比較器41,42、アンド回路43,44、オア回路45、D−FF回路46及びワンショット回路47,48が、電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との大小関係に対応する制御信号S8,S9を生成する検出回路として機能する。
【0074】
スイッチSW1の第1端子は電流源A1の第1端子に接続され、スイッチSW1の第2端子はスイッチSW2の第1端子に接続されている。電流源A1の第2端子には、バイアス電圧VBが供給される。スイッチSW2の第2端子は電流源A2の第1端子に接続され、その電流源A2の第2端子はグランドに接続されている。スイッチSW1は、Hレベルの制御信号S8に応答してオンし、Lレベルの制御信号S8に応答してオフする。また、スイッチSW2は、Hレベルの制御信号S9に応答してオンし、Lレベルの制御信号S9に応答してオフする。これらスイッチSW1,SW2間のノードN4はコンデンサC41の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC41の第2端子はグランドに接続されている。また、上記ノードN4は、トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)49の非反転入力端子に接続されている。なお、電流源A1,A2は、それぞれ所定の電流を流す。
【0075】
gmアンプ49の非反転入力端子には、基準電圧Vr3が供給される。このgmアンプ49の出力端子は、上記同期側タイマ30のノードN3に接続されている。gmアンプ49は、コンデンサC41の第1端子(上記ノードN4)の電圧VN4と基準電圧Vr3との電位差に応じた電流信号を調整信号SG1として同期側タイマ30のノードN3に供給する。
【0076】
本実施形態では、スイッチSW1,SW2、電流源A1,A2、コンデンサC41及びgmアンプ49が、制御信号S8,S9に応じて、電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との差が小さくなるようにトランジスタT2のオン期間を調整する調整回路として機能する。
【0077】
このように構成された同期整流期間調整回路40では、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも高い場合(トランジスタT2のオフタイミングが遅い場合)に、比較器41からHレベルの信号S5が出力される。すると、ワンショット回路47からHレベルの制御信号S8が出力されるため、スイッチSW1がオンされ、電流源A1が流す電流によってコンデンサC41が充電される。これにより、コンデンサC41の第1端子(上記ノードN4)の電圧VN4は、電流源A1が流す電流に応じて上昇する。このとき、電圧VN4が基準電圧Vr3よりも高くなると、gmアンプ49から吐き出される調整信号SG1の電流値が増大する。すると、同期側タイマ30のコンデンサC31に流れる電流Ic1が増大することになるため、ノードN3の電圧VN3の上昇が急峻となる。これにより、オペアンプ32からHレベルの信号S3(リセット信号)が出力されるタイミングが速くなるため、同期側のトランジスタT2のオフタイミングを速くすることができる。
【0078】
一方、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXが第2基準電圧Vr2よりも低い場合(トランジスタT2のオフタイミングが速い場合)に、比較器42からHレベルの信号S6が出力される。すると、ワンショット回路48からHレベルの制御信号S9が出力されるため、スイッチSW2がオンされ、電流源A2が流す電流に応じてコンデンサC41に蓄えられた電荷が放電される。これにより、コンデンサC41の第1端子(上記ノードN4)の電圧VN4は、電流源A2が流す電流に応じて低下する。このとき、電圧VN4が基準電圧Vr3よりも低くなると、gmアンプ49に流入する調整信号SG1の電流値が増大する。すると、同期側タイマ30のコンデンサC31に流れる電流Ic1が減少することになるため、ノードN3の電圧VN3の上昇が緩やかになる。これにより、オペアンプ32からHレベルの信号S3(リセット信号)が出力されるタイミングが遅くなるため、同期側のトランジスタT2のオフタイミングを遅くすることができる。
【0079】
次に、このように構成されたDC−DCコンバータ1の動作を
図6〜
図8に従って説明する。なお、
図6〜
図8において、横軸及び縦軸は、説明の簡便化のため、適宜拡大、縮小して示している。
【0080】
まず、出力電流Ioのピーク値が高くなる重負荷時(具体的には、電流連続モード時)におけるDC−DCコンバータ1の動作について説明する。
今、時刻t0において、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると、比較器10からHレベルの信号S1が出力される。このHレベルの信号S1に応答して、メイン側タイマ20からHレベルのメイン側パルス信号PHが出力されるとともに、同期側タイマ30からLレベルの同期側パルス信号PLが出力される。続いて、Lレベルの同期側パルス信号PLに応答して制御信号DLがHレベルからLレベルに遷移した後に、Hレベルのメイン側パルス信号PHに応答して制御信号DHがLレベルからHレベルに遷移する(時刻t1)。そして、Hレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオンされ、Lレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT2がオフされる。すると、入力電圧ViからコイルL1を介して出力端子Poに至る電流経路が形成され、コイルL1に流れるコイル電流ILが増大してコイルL1にエネルギーが蓄積される。これにより、出力電圧Vo(フィードバック電圧VFB)が徐々に上昇する(時刻t1〜t2)。
【0081】
次に、上記Hレベルの信号S1が出力されてから所定時間が経過すると、メイン側タイマ20からLレベルのメイン側パルス信号PHが出力される(時刻t2)。このLレベルのメイン側パルス信号PHに応答して、Lレベルの制御信号DHが出力されるとともに、Hレベルの同期側パルス信号PLが出力される。その後、Hレベルの同期側パルス信号PLに応答してHレベルの制御信号DLが出力される。このとき、Lレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオフされ、Hレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT2がオンされる。すると、グランドから出力端子Poに至る電流経路が形成され、この電流経路に流れるコイル電流ILが減少してコイルL1に蓄積されたエネルギーが出力端子Poに向けて放出される。これにより、出力電圧Vo(フィードバック電圧VFB)が徐々に減少する。そして、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると(時刻t3)、再度、メイン側のトランジスタT1がオンされ、同期側のトランジスタT2がオフされる。
【0082】
このような電流連続モード時においては、
図6に示すように、メイン側のトランジスタT1がオフしているオフ時間Toffと、同期側のトランジスタT2がオンしている時間Ts2との長さが略等しくなる。ここで、トランジスタT1のオフ時間Toffは、上述したように、
【0083】
【数10】
と表わすことができ、さらに上記式(6)より、
【0084】
【数11】
と表わすことができる。したがって、同期側のトランジスタT2がオンしているオン時間Ts2は、
【0085】
【数12】
となる。上式より明らかなように、同期側のトランジスタT2がオンしている時間Ts2は、同期側パルス信号PLがHレベルに立ち上がってからHレベルの信号S3が出力されるまでの時間Ts1と略等しくなる。
【0086】
次に、出力電流Ioのピーク値が低くなる軽負荷時(具体的には、電流不連続モード時)におけるDC−DCコンバータ1の動作について説明する。
今、時刻t4において、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると、比較器10からHレベルの信号S1が出力される。このHレベルの信号S1に応答して、重負荷時と同様に、メイン側のトランジスタT1がオンされ、同期側のトランジスタT2がオフされる。このようにトランジスタT1がオンされると、コイル電流ILが徐々に増加するとともに、出力電圧Voが徐々に上昇する。次に、上記Hレベルの信号S1が出力されてから所定時間が経過すると、メイン側タイマ20からLレベルのメイン側パルス信号PHが出力される(時刻t5)。このLレベルのメイン側パルス信号PHに応答して、重負荷時と同様に、メイン側のトランジスタT1がオフされ、同期側のトランジスタT2がオンされる。このようにトランジスタT1がオフされると、コイル電流ILが徐々に減少するとともに、出力電圧Voが徐々に低下する。
【0087】
次に、Lレベルのメイン側パルス信号PHが出力されてから所定時間Ts3が経過すると、同期側タイマ30からLレベルの同期側パルス信号PLが出力される(時刻t6)。このLレベルの同期側パルス信号PLに応答して同期側のトランジスタT2がオフされる。これにより、メイン側のトランジスタT1のオフ期間において、同期側のトランジスタT2がオフされ、両トランジスタT1,T2がオフされる。すると、コイル電流ILが0Aに維持されコイル電流ILの変化が不連続となる(電流不連続モード)。その後、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると(時刻t7)、再度、メイン側のトランジスタT1がオンされる。なお、同期側パルス信号PLは、メイン側パルス信号PHが立ち下がるまでLレベルが維持される。
【0088】
このように、電流不連続モードでは、同期側のトランジスタT2が所定時間Ts3だけオンされる。ここで、上記所定時間Ts3は、同期側パルス信号PLがHレベルに立ち上がってからHレベルの信号S3が出力されるまでの時間Ts1を基準にした時間である。また、上述したように、電流連続モード時におけるトランジスタT2がオンしている時間Ts2は、上記時間Ts1に略等しい。このため、電流連続モード時におけるトランジスタT2のオン時間Ts2と、電流不連続モード時におけるトランジスタT2のオン時間Ts3とは、略等しいと言える。これにより、負荷が軽負荷に急変したとしても、上記時間Ts1(重負荷時におけるオン時間Ts2)を基準にして、その時間Ts1を微調整するだけによって、トランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を最適化することができる。したがって、負荷急変後から短時間に同期側のトランジスタT2のオフタイミングを最適化することができる。
【0089】
次に、調整回路40によってトランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を微調整する際のDC−DCコンバータ1の動作について
図7及び
図8に従って説明する。
まず、トランジスタT2のオフタイミングが速い場合の動作について
図7に従って説明する。
【0090】
今、時刻t8において、Lレベルの同期側パルス信号PLが出力されると、そのLレベルの同期側パルス信号PLに応答して、Lレベルの制御信号DLが出力され、同期側のトランジスタT2がオフされる。この時のトランジスタT1,T2間のノードLXの電圧VLXが第2基準電圧Vr2よりも低い。このため、調整回路40の比較器42からHレベルの信号S6が出力される。なお、このように電圧VLXが第2基準電圧Vr2(負の電位)よりも低い場合には、上述したように、トランジスタT2のオフタイミングが速い、すなわちトランジスタT2のオン時間が不足していると言える。そこで、以下に説明する動作によって、当該サイクルP1の次のサイクルP2におけるトランジスタT2のオフタイミングが遅くなるように、すなわちトランジスタT2のオン時間が長くなるように調整される。
【0091】
上記Hレベルの信号S6が出力されると、ワンショット回路48からHレベルの制御信号S9が出力され、スイッチSW2がオンされるため、電流源A2が流す電流に応じてコンデンサC41に蓄えられた電荷が放電される。これにより、コンデンサC41の第1端子(ノードN4)の電圧VN4は、電流源A2が流す電流に応じて低下する。このため、gmアンプ49から出力される調整信号SG1の電流値が減少する。具体的には、
図7に示すように、電圧VN4が基準電圧Vr3よりも低くなると、gmアンプ49に流入する調整信号SG1の電流値が増大する。ここで設定された調整信号SG1は、次のサイクルP2のトランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を設定する際に利用される。
【0092】
その後、時刻t9において、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると、比較器10からHレベルの信号S1が出力される。このHレベルの信号S1に応答して、トランジスタT1がオンされ、トランジスタT2がオフされる。続いて、上記Hレベルの信号S1の出力から所定時間経過した時刻t10において、Lレベルのメイン側パルス信号PHが出力され、そのLレベルのメイン側パルス信号PHに応答してLレベルの制御信号DHが出力される。また、上記Lレベルのメイン側パルス信号PHに応答してHレベルの同期側パルス信号PL及びLレベルの反転信号PLxが出力される。これにより、この時刻t10から同期側タイマ30内のコンデンサC31の充電が開始される。このとき、前のサイクルP1において設定された調整信号SG1は、gmアンプ49に流入する電流である。このため、この調整信号SG1の電流値をIsgとすると、コンデンサC31に流れる電流Ic1は、
【0093】
【数13】
となる。したがって、Isg=0(調整なし)の場合に比べて電流Ic1の電流値が小さくなる。この結果、ノードN3の電圧VN3が緩やかに上昇することになる。これにより、オペアンプ32からHレベルの信号S3(リセット信号)が出力されるタイミングが遅くなり、同期側パルス信号PLの立ち下がりタイミングが前のサイクルP1よりも遅くなる。すなわち、時刻t10から同期側パルス信号PLが立ち下がる時刻t11までの時間、つまり同期側パルス信号PLのパルス幅PL2(トランジスタT2のオン時間)が前のサイクルP1における同期側パルス信号PLのパルス幅PL1よりも長くなる。換言すると、同期側のトランジスタT2のオフタイミングを前のサイクルよりも遅くすることができる。
【0094】
なお、
図7の例では、時刻t11におけるノードLXの電圧VLXも第2基準電圧Vr2よりも低いため、上述した動作が再度繰り返し実行され、時刻t12においてトランジスタT2のオフタイミングが最適化されている。
【0095】
次に、トランジスタT2のオフタイミングが遅い場合の動作について
図8に従って説明する。
今、時刻t13において、Lレベルの同期側パルス信号PLが出力されると、そのLレベルの同期側パルス信号PLに応答して、Lレベルの制御信号DLが出力され、同期側のトランジスタT2がオフされる。この時のトランジスタT1,T2間のノードLXの電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも高い。このため、調整回路40の比較器41からHレベルの信号S5が出力される。なお、このように電圧VLXが第1基準電圧Vr1(正の電位)よりも高い場合には、上述したように、トランジスタT2のオフタイミングが遅い、すなわちトランジスタT2のオン時間が長いと言える。そこで、以下に説明する動作によって、当該サイクルP3の次のサイクルP4におけるトランジスタT2のオフタイミングが速くなるように、すなわちトランジスタT2のオン時間が短くなるように調整される。
【0096】
上記Hレベルの信号S5が出力されると、ワンショット回路47からHレベルの制御信号S8が出力され、スイッチSW1がオンされるため、電流源A1が流す電流によってコンデンサC41が充電される。これにより、コンデンサC41の第1端子(ノードN4)の電圧VN4は、電流源A1が流す電流に応じて上昇する。このため、gmアンプ49から出力される調整信号SG1の電流値が増加する。具体的には、電圧VN4が基準電圧Vr3よりも高くなると、gmアンプ49から吐き出される調整信号SG1の電流値が増加する。すると、同期側タイマ30のコンデンサC31に流れる電流Ic1が増加することになるため、ノードN3の電圧VN3の上昇が急峻になる。これにより、次のサイクルP4において、オペアンプ32からHレベルの信号S3(リセット信号)が出力されるタイミングを速くすることができる。具体的には、次のサイクルP4における同期側パルス信号PLのパルス幅PL4を、当該サイクルP3における同期側パルス信号PLのパルス幅PL3よりも短くすることができる。換言すると、次のサイクルにおいて、同期側のトランジスタT2のオフタイミングを速くすることができる。
【0097】
このように
図7及び
図8に従って説明した動作が繰り返し実行されることにより、トランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を最適化することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0098】
(1)同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との大小関係に基づいて、これら電圧VLXと基準電圧Vr1,Vr2との差を小さくするようにトランジスタT2のオフタイミングを調整するようにした。これにより、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との大小関係の判定のみで、トランジスタT2のオフタイミング(オン時間)を調整することができる。このため、従来技術のように容量への充電量とその容量からの電荷の引き抜き量とを釣り合わせる必要がないため、従来技術で発生するようなオフセット時間をなくすことができる。すなわち、本実施形態のDC−DCコンバータ1では、コイル電流ILが0Aになるタイミング(もしくはそのタイミングに限りなく近いタイミング)でトランジスタT2をオフさせることができる。したがって、DC−DCコンバータ1では、その変換効率を向上させることができる。
【0099】
また、コイル電流ILの逆流を検出する構成が必要ないため、その構成のプロセスばらつき等に起因してDC−DCコンバータの変換効率が悪化するという問題の発生を未然に防止することができる。
【0100】
さらに、同期整流期間調整回路40等の回路構成にプロセスばらつき等が発生したとしても、そのばらつき等が発生した状態においてトランジスタT2のオフタイミングが最適化されるため、上記ばらつき等に起因して変換効率が低下することを好適に抑制することができる。
【0101】
(2)トランジスタT2がオフした時の電圧VLXが正の電位であるか負の電位であるかに基づいて、その電圧VLXが0VになるようにトランジスタT2のオフタイミングを調整するようにした。具体的には、トランジスタT2がオフした時の電圧VLXが正の電位であるときには、トランジスタT2のオフタイミングが遅い場合であるため、そのトランジスタT2のオフタイミングを速くするように(電圧VLXが低くなるように)調整する。また、トランジスタT2がオフした時の電圧VLXが負の電位であるときには、トランジスタT2のオフタイミングが速い場合であるため、そのトランジスタT2のオフタイミングを遅くするように(電圧VLXが高くなるように)調整する。このような動作により、トランジスタT2がオフした時の電圧VLXが0Vになると、コイル電流ILが0AになるタイミングでトランジスタT2がオフされたことになる。したがって、このような動作により、トランジスタT2のオフタイミングを最適なタイミングに確実に収束させることができる。
【0102】
(3)メイン側のトランジスタT1のオン時間を設定するメイン側パルス信号PHを生成するメイン側タイマ20と、同期側のトランジスタT2のオン時間を設定する同期側パルス信号PLを生成する同期側タイマ30と、同期側パルス信号PLのパルス幅を調整する調整回路40とを設けるようにした。この構成では、メイン側のトランジスタT1のオン時間がメイン側パルス信号PHによって固定時間に設定されているため、負荷急変等に関係なく、トランジスタT2のオフタイミングの最適化については、同期側タイマ30で設定される時間Ts1からの微調整によって行われる。したがって、負荷が軽負荷に急変したとしても、その負荷急変後から短時間にトランジスタT2のオフタイミングを最適化することができる。
【0103】
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態では、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との大小関係に基づいて、トランジスタT2のオン時間を調整することで、トランジスタT2のオフタイミングを最適化するようにした。これに限らず、例えば同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr1,Vr2との大小関係に基づいて、トランジスタT1のオン時間を調整することで、トランジスタT2のオフタイミングを最適化するようにしてもよい。この場合、例えばメイン側タイマ20、同期側タイマ30及び調整回路40を
図9及び
図10に示されるメイン側タイマ20a、同期側タイマ30a及び調整回路40aに変更してもよい。すなわち、調整回路40a内のgmアンプ49aの出力端子を、同期側タイマ30aのノードN3ではなく、メイン側タイマ20aのノードN2に接続する。詳述すると、gmアンプ49aの反転入力端子には、スイッチSW1,SW2間のノードN4の電圧VN4が供給される。そして、gmアンプ49aの非反転入力端子には、基準電圧Vr3が供給される。このgmアンプ49aは、ノードN4の電圧VN4と基準電圧Vr3との電位差に応じた電流信号を調整信号SG2としてメイン側タイマ20aのノードN2に供給する。
【0104】
このように構成されたメイン側タイマ20a及び同期整流期間調整回路40aでは、同期側のトランジスタT2がオフした時のノードLXの電圧VLXが第1基準電圧Vr1よりも高い場合(
図11の時刻t15参照)、つまりトランジスタT2のオフタイミングが遅い場合に、比較器41からHレベルの信号S5が出力される。すると、ワンショット回路47からHレベルの制御信号S8が出力されるため、スイッチSW1がオンされ、電流源A1が流す電流によってコンデンサC41が充電される。このとき、電圧VN4が基準電圧Vr3よりも高くなると、gmアンプ49aに流入する調整信号SG2の電流値が増大する。すると、メイン側タイマ20aのコンデンサC21に流れる電流Ic2が減少することになるため、ノードN2の電圧VN2の上昇が緩やかになる。これにより、オペアンプ22からHレベルの信号S2(リセット信号)が出力されるタイミングが遅くなり、メイン側パルス信号PHの立ち下がりタイミングが遅くなる。この結果、当該サイクルP5の次のサイクルP6において、メイン側のトランジスタT1のオン時間Tonが長くなる。具体的には、当該サイクルP5におけるトランジスタT1のオン時間Ton1よりも、次のサイクルP6におけるトランジスタT1のオン時間Ton2の方が長くなる。これにより、トランジスタT2がオフする時の電圧VLXを0Vに近づけることができ、同期側のトランジスタT2のオフタイミングを最適なタイミングに近づけることができる。なお、電流不連続モードでは、同期側タイマ30aによって生成される同期側パルス信号PLのパルス幅(=上記時間Ts1)は固定である。
【0105】
・上記第1実施形態において、メイン側タイマ20,20aを、信号S1の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間だけHレベルとなるメイン側パルス信号PHを出力するように構成した。このメイン側タイマ20,20aの構成を適宜変更してもよい。例えば、メイン側タイマ20を固定された時間だけHレベルのメイン側パルス信号PHを出力するように構成してもよい。
【0106】
・上記第1実施形態における同期側タイマ30,30aの構成を適宜変更してもよい。
・上記第1実施形態における同期整流期間調整回路40,40aの構成を適宜変更してもよい。
【0107】
・上記第1実施形態では、コンパレータ方式のDC−DCコンバータ1に具体化したが、これに制限されない。例えばエラーアンプを用いたDC−DCコンバータに具体化してもよい。
【0108】
・上記第1実施形態では、出力電圧Voを抵抗R1,R2にて分圧した分圧電圧をフィードバック電圧VFBとしたが、これに限らず、例えば出力電圧Voそのものをフィードバック電圧VFBとしてもよい。
【0109】
・上記第1実施形態では、スイッチ回路の一例としてNチャネルMOSトランジスタを開示したが、PチャネルMOSトランジスタを用いてもよい。また、スイッチ回路としてバイポーラトランジスタを用いてもよい。あるいは、複数のトランジスタを含むスイッチ回路を用いてもよい。
【0110】
・上記第1実施形態におけるトランジスタT1,T2を制御回路3に含めるようにしてもよい。また、コンバータ部2を制御回路3に含めるようにしてもよい。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を
図12〜
図16に従って説明する。
【0111】
図12に示すように、DC−DCコンバータ4は、入力電圧Viに基づいて出力電圧Voを生成するコンバータ部5と、コンバータ部5を制御する制御回路6とを含む。
コンバータ部5は、メイン側のトランジスタT11と、同期側のトランジスタT12と、コイルL11と、コンデンサC11と、抵抗Rsと、コンデンサCsとを含む。
【0112】
メイン側のトランジスタT11及び同期側のトランジスタT12は、NチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT11は、その第1端子(ドレイン)が入力電圧Viの供給される入力端子Piに接続されるとともに、第2端子(ソース)がトランジスタT12の第1端子(ドレイン)に接続されている。このトランジスタT12の第2端子(ソース)は、入力電圧Viよりも低い電位の電源線(ここでは、グランド)に接続されている。このように、入力端子Piとグランドとの間には、トランジスタT11とトランジスタT12とが直列に接続されている。
【0113】
また、トランジスタT11の制御端子(ゲート)には制御回路6から制御信号DHが供給されるのに対し、トランジスタT12の制御端子(ゲート)には制御回路6から制御信号DLが供給される。これらトランジスタT11,T12は、制御信号DH,DLに応答してオンオフする。制御回路6は、トランジスタT11,T12を相補的にオンオフするように制御信号DH,DLを生成する。すなわち、トランジスタT11,T12はスイッチ回路の一例として挙げられる。
【0114】
両トランジスタT11,T12間のノードLXは、コイルL11の第1端子(入力側端子)に接続されている。このコイルL11の第2端子(出力側端子)は、出力電圧Voを出力する出力端子Poに接続されている。このように、入力端子Piと出力端子Poとの間には、メイン側のトランジスタT11とコイルL11とが直列に接続されている。
【0115】
また、コイルL11の第1端子は抵抗Rsの第1端子に接続されるとともに、その抵抗Rsの第2端子はコンデンサCsの第1端子に接続されている。コンデンサCsの第2端子は、コイルL11の第2端子に接続されている。このように、コイルL11には、抵抗RsとコンデンサCsが並列に接続されている。なお、コイルL11に直列に接続される抵抗は、コイルL11に含まれる等化直流抵抗DCRである。ここで、抵抗RsとコンデンサCsの時定数は、コイルL11と等化直流抵抗DCRの時定数と等しくなるように設定されている。これにより、コンデンサCsの両端子間の電位差を検出することにより、コイルL11の等化直流抵抗DCRの電圧降下を擬似的に検出することができ、コイルL11に流れるコイル電流ILを検出することができる。
【0116】
また、上記コイルL11の第2端子は平滑用コンデンサC11の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC11の第2端子はグランドに接続されている。なお、このコンデンサC11は、出力電圧Voを平滑化する平滑回路に含まれる。
【0117】
このようなコンバータ部5では、メイン側のトランジスタT11がオンし同期側のトランジスタT12がオフした場合に、コイルL11に入力電圧Viと出力電圧Voとの差に応じたコイル電流ILが流れる。これにより、コイルL11にはエネルギー(電力)が蓄積される。一方、メイン側のトランジスタT11がオフし同期側のトランジスタT12がオンすると、コイルL11が蓄えたエネルギーを放出するため、そのコイルL11に誘導電流(コイル電流IL)が流れる。このような動作により、入力電圧Viよりも降圧された出力電圧Voが生成される。そして、その出力電圧Voが出力端子Poに接続される負荷(図示略)に出力される。また、負荷には出力電流Ioが供給される。
【0118】
制御回路6は、コンバータ部5から帰還される出力電圧Voに基づいて、制御信号DH,DLのパルス幅を調整する。この制御回路6は、抵抗R11,R12と、比較器60と、RS−FF回路61と、タイマ回路62と、アンチシュートスルー(AST)70と、ドライバ回路71,72とを含む。また、制御回路6は、RS−FF回路73と、ナンド回路74と、逆流検出コンパレータ75(逆流検出回路)と、インバータ回路76と、補正回路80とを含む。
【0119】
比較器60の反転入力端子には、出力電圧Voに基づく電圧が供給される。本実施形態では、比較器60の反転入力端子に、抵抗R11,R12により生成された電圧が供給される。具体的には、抵抗R11の第1端子には、出力端子Poが接続されることにより、出力電圧Voが帰還される。また、抵抗R11の第2端子が抵抗R12の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R12の第2端子がグランドに接続されている。これら抵抗R11,R12間の接続点は比較器60の反転入力端子に接続されている。ここで、抵抗R11,R12は、それぞれの抵抗値に応じて、出力電圧Voを分圧した分圧電圧(フィードバック電圧)VFBを生成する。このフィードバック電圧VFBの値は、抵抗R11,R12の抵抗値の比と、出力電圧Voとグランドの電位差とに対応する。このため、抵抗R11,R12は、出力電圧Voに比例したフィードバック電圧VFBを生成することになる。
【0120】
比較器60の非反転端子には、基準電圧Vrが供給される。ここで、基準電圧Vrは、出力電圧Voの目標値に応じて設定される電圧である。比較器60は、フィードバック電圧VFBと基準電圧Vrとの比較結果に応じた信号S11を生成する。本実施形態において、比較器60は、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも高いときにLレベルの信号S11を生成する一方、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低いときにHレベルの信号S11を生成する。そして、この信号S11は、RS−FF回路61のリセット端子に供給される。
【0121】
RS−FF回路61のセット端子には、タイマ回路62から出力される信号S13が供給される。このRS−FF回路61は、Hレベルの信号S11に応答してHレベルの信号S12を出力する一方、Hレベルの信号S13に応答してLレベルの信号S12を出力する。すなわち、RS−FF回路61に対して、Hレベルの信号S11はセット信号であるとともに、Hレベルの信号S13はリセット信号である。そして、RS−FF回路61から出力される信号S12は、タイマ回路62とAST70とに供給される。
【0122】
タイマ回路62は、Hレベルの信号S12に応答して、その信号S12の立ち上がりタイミングから所定時間経過後にHレベルのパルス信号S13を出力する。ここで、この所定時間は、例えば入力電圧Viと出力電圧Voに依存する時間である。つまり、タイマ回路62は、出力信号S12の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間経過後にHレベルのパルス信号S13を出力する。
【0123】
AST70は、RS−FF回路61から出力される信号S12に基づいて、コンバータ部2のトランジスタT11,T12を相補的にオンオフするように、且つ両トランジスタT11,T12が同時しないように制御信号SH,SLを生成する。具体的には、AST70は、Hレベルの信号S12に応答してHレベルの制御信号SHとLレベルの制御信号SLを生成する。また、AST70は、Lレベルの信号S12に応答してLレベルの制御信号SHとHレベルの制御信号SHを生成する。そして、AST70は、制御信号SHをドライバ回路71に出力するとともに、制御信号SLをRS−FF回路73とナンド回路74に出力する。
【0124】
ドライバ回路71は、Hレベルの制御信号SHに応答してHレベルの制御信号DHをメイン側のトランジスタT11に出力するとともに、Lレベルの制御信号SHに応答してLレベルの制御信号DHをトランジスタT11に出力する。なお、トランジスタT11は、Hレベルの制御信号DHに応答してオンするとともに、Lレベルの制御信号DHに応答してオフする。
【0125】
RS−FF回路73のセット端子には、AST70からの制御信号SLが供給される。また、RS−FF回路73のリセット端子には、ナンド回路74の出力信号S14が供給される。
【0126】
ここで、ナンド回路74には、逆流検出コンパレータ(コンパレータ)75から出力される検出信号SDがインバータ回路76を介して反転信号SDxとして供給される。このコンパレータ75の反転入力端子には、コンバータ部5のコンデンサCsの第1端子(抵抗RsとコンデンサCs間のノード)が接続されている。また、コンパレータ75の非反転入力端子には、コンデンサCsの第2端子(コイルL11とコンデンサCs間のノード)が接続されている。このコンパレータ75は、コンデンサCsの第1端子の電圧VC1と第2端子の電圧VC2との電位差に基づいて、コイルL11に流れるコイル電流ILを検出し、該検出結果に応じてHレベル又はLレベルの検出信号SDをインバータ回路76に出力する。具体的には、コンパレータ75は、電圧VC1が電圧VC2よりも高いとき、つまりグランドから出力端子Poに向かってコイル電流ILが流れるときに、同期側のトランジスタT12をオンするためのLレベルの検出信号SDを出力する。また、コンパレータ75は、電圧VC1が電圧VC2よりも低いとき、つまり出力端子Poからグランドに向かって逆流電流が流れるときに、同期側のトランジスタT12をオフするためのHレベルの検出信号SDを出力する。
【0127】
インバータ回路76は、Hレベルの検出信号SDに応答してLレベルの反転信号SDxをナンド回路74に出力するとともに、Lレベルの検出信号SDに応答してHレベルの反転信号SDxをナンド回路74に出力する。
【0128】
ナンド回路74は、制御信号SLとインバータ回路76からの反転信号SDxとを排他的論理積演算した結果を持つ信号S14を上記RS−FF回路73のリセット端子に出力する。詳述すると、ナンド回路74は、コンパレータ75からHレベルの検出信号SDが出力された場合にはインバータ回路76からLレベルの反転信号SDxが入力されるため、制御信号SLに関わらず、Hレベルの信号S14(リセット信号)を出力する。
【0129】
上記RS−FF回路73は、Hレベルの制御信号SLに応答してHレベルの出力信号を出力する一方、Hレベルの信号S14に応答してLレベルの出力信号を出力する。すなわち、RS−FF回路73に対して、Hレベルの制御信号SLはセット信号であるとともに、Hレベルの信号S14はリセット信号である。さらに詳述すると、このRS−FF回路73は、Hレベルの制御信号SL(セット信号)がセット端子に入力されている状態であっても、コンパレータ75からHレベルの検出信号SDが出力されてナンド回路74からHレベルの信号S14(リセット信号)に入力されると、Lレベルの出力信号を出力する。すなわち、このRS−FF回路73では、リセット動作(Lレベルの出力信号の出力)が優先される。
【0130】
ドライバ回路72は、RS−FF回路73から入力するHレベルの出力信号に応答してHレベルの制御信号DLを同期側のトランジスタT12に出力する。また、ドライバ回路72は、RS−FF回路73から入力するLレベルの出力信号に応答してLレベルの制御信号DLをトランジスタT12に出力する。なお、トランジスタT12は、Hレベルの制御信号DLに応答してオンするとともに、Lレベルの制御信号DLに応答してオフする。
【0131】
本実施形態では、コイル電流ILの逆流を検出してコンパレータ75からHレベルの検出信号SDが出力されると、RS−FF回路73からLレベルの出力信号が出力され、ドライバ回路72からLレベルの制御信号DLが出力される。これにより、同期側のトランジスタT12がオフされる。
【0132】
補正回路80には、メイン側のトランジスタT11と同期側のトランジスタT12との間のノードLXが接続されている。この補正回路80は、同期側のトランジスタT12がオフした時のノードLXの電圧VLXに応じて、コンパレータ75における逆流検出のタイミングを補正(最適化)するように補正信号SG11を生成する。具体的には、補正回路80は、逆流検出のタイミングが速い場合、つまりトランジスタT12のオフタイミングが速い場合には、コンパレータ75の検出速度(動作速度)を低下させるように補正信号SG11を生成する。具体的には、補正回路80は、コイル電流ILの逆流が発生する前にコンパレータ75からHレベルの検出信号SDが出力されている場合には、コンパレータ75の検出速度(動作速度)を低下させるように補正信号SG11を生成する。また、補正回路80は、逆流検出のタイミングが遅い場合、つまりトランジスタT12のオフタイミングが遅い場合、コンパレータ75の検出速度(動作速度)を上昇させるように補正信号SG11を生成する。具体的には、補正回路80は、コイル電流ILの逆流が発生した後にコンパレータ75からHレベルの検出信号SDが出力されている場合には、コンパレータ75の検出速度(動作速度)を上昇させるように補正信号SG11を生成する。
【0133】
本実施形態において、上記比較器60は、出力電圧Voに応じたフィードバック電圧VFBが基準電圧Vrより低いときにHレベルの信号S11を出力する。このHレベルの信号S11に応答して、RS−FF回路61は、Hレベルの信号S12を出力する。そして、AST70は、そのHレベルの信号S12に応答してHレベルの制御信号SHとLレベルの制御信号SLを生成する。このため、ドライバ回路71からはHレベルの制御信号DHが出力され、ドライバ回路72からはLレベルの制御信号DLが出力される。したがって、制御回路6は、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると(フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrを横切ると)、メイン側のトランジスタT11をオンするとともに、同期側のトランジスタT12をオフする。
【0134】
一方、上記Hレベルの信号S12に応答して、タイマ回路62は、信号S12の立ち上がりタイミングから所定時間経過後にHレベルのパルス信号S13を出力する。すると、RS−FF回路61は、そのHレベルの信号S13に応答してLレベルの信号S12を出力する。そして、AST70は、Lレベルの信号S12に応答してLレベルの制御信号DHとHレベルの制御信号DLを生成する。このため、ドライバ回路71からLレベルの制御信号DHが出力され、ドライバ回路72からHレベルの制御信号DLが出力される。したがって、制御回路6は、メイン側のトランジスタT11をオンしてからタイマ回路62によって設定される所定時間経過後に、メイン側のトランジスタT11をオフするとともに、同期側のトランジスタT12をオンする。すなわち、タイマ回路62によって、RS−FF回路61から出力される信号S12のパルス幅、つまりメイン側のトランジスタT11のオン時間Tonが決定される。
【0135】
このようにトランジスタT11がオフされトランジスタT12がオンされた状態において、コンパレータ75においてコイル電流ILの逆流が検出されHレベルの検出信号SDが出力されると、ドライバ回路72からLレベルの制御信号DLが出力される。すると、トランジスタT12がオフされる。これにより、メイン側のトランジスタT11のオフ期間において、コンバータ部5の両トランジスタT11,T12がオフされる。
【0136】
次に、上記タイマ回路62の一例を
図13に従って説明する。
図13に示すように、タイマ回路62は、オペアンプ63,64と、インバータ回路65と、コンデンサC61と、抵抗R61と、トランジスタT61〜T64とを含む。
【0137】
オペアンプ63の非反転入力端子には入力電圧Viが供給される。オペアンプ63の反転入力端子は抵抗R61の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R61の第2端子はグランドに接続されている。また、抵抗R61の第1端子はNチャネルMOSトランジスタT61のソースに接続されている。このトランジスタT61は、そのゲートがオペアンプ63の出力端子に接続されるとともに、ドレインがPチャネルMOSトランジスタT62のドレインに接続されている。
【0138】
抵抗R61の両端子間には、この抵抗R61に流れる電流と抵抗値に応じた電位差が生じる。オペアンプ63は、抵抗R61とトランジスタT61の間のノードの電位を、入力電圧Viと等しくするように、トランジスタT61のゲート電圧を生成する。従って、トランジスタT61には、入力電圧Viに応じた電流が流れる。
【0139】
上記トランジスタT62のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT62のゲートは、同トランジスタT62のドレインとPチャネルMOSトランジスタT63のゲートとに接続されている。なお、バイアス電圧VBは、入力電圧Vi、または図示しない電源回路により生成された電圧である。上記トランジスタT63のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT62とトランジスタT63とはカレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT62,T63の電気的特性に応じて、トランジスタT62に流れる電流に比例した電流(入力電圧Viに依存した電流)をトランジスタT63に流す。
【0140】
トランジスタT63のドレインは、コンデンサC61の第1端子とNチャネルMOSトランジスタT64のドレインとに接続されている。コンデンサC61の第2端子及びトランジスタT64のソースはグランドに接続されている。このように、トランジスタT64は、コンデンサC61に並列に接続されている。なお、コンデンサC61には、トランジスタT63から入力電圧Viに依存した電流が流れる。
【0141】
トランジスタT64のゲートには、上記RS−FF回路61から出力される信号S12をインバータ回路65によって論理反転させた信号S12xが供給される。ここで、信号S12がHレベルであるときにメイン側のトランジスタT11(
図12参照)がオンする一方、信号S12がLレベルであるときにトランジスタT11がオフする。これに対し、トランジスタT64は、信号S12xがHレベルであるとき、つまり信号S12がLレベルであるときに(トランジスタT11がオフのときに)オンする。このようにトランジスタT64がオンすると、コンデンサC61の両端子が互いに接続されるため、コンデンサC61の第1端子(ノードN12)の電圧VN12はグランドレベルになる。
【0142】
一方、トランジスタT64は、信号S12xがLレベルであるとき、つまり信号S12がHレベルであるときに(トランジスタT11がオンのときに)オフする。このようにトランジスタT64がオフすると、コンデンサC61は、トランジスタT63から供給される電流(入力電圧Viに依存した電流)により充電される。この結果、ノードN12の電圧VN12は、グランドレベルから入力電圧Viに応じて上昇する。すなわち、タイマ回路62は、メイン側のトランジスタT11がオフしているときにコンデンサC61の両端子間を短絡することにより、ノードN12の電圧VN12をグランドレベルにリセットする。そして、タイマ回路62は、トランジスタT11がオンすると、コンデンサC61の充電を開始する。その結果、ノードN12の電圧VN12が入力電圧Viに応じて上昇する。
【0143】
ノードN12はオペアンプ64の非反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ64の反転入力端子には、出力電圧Voが供給される。このオペアンプ64は、ノードN12の電圧VN12と出力電圧Voとの比較結果に応じた信号S13を出力する。具体的には、オペアンプ64は、電圧VN12が出力電圧Voよりも低いときにLレベルの信号S13を出力する一方、電圧VN12が出力電圧Voよりも高くなるとHレベルの信号S13を出力する。ここで、上述のように、ノードN12の電圧VN12は、メイン側のトランジスタT11がオンしたとき、入力電圧Viに応じて上昇する。したがって、トランジスタT11がオンしてからHレベルの信号S13が出力されるまでの期間(トランジスタT11のオン期間)は、入力電圧Viと出力電圧Voに依存する。
【0144】
次に、上記補正回路80の一例を
図14に従って説明する。
図14に示すように、補正回路80は、比較器81,82と、アンド回路83,84と、オア回路85と、D−FF回路86と、ワンショット回路87,88と、スイッチSW11,SW12と、電流源A11,A12,A13とを含む。また、補正回路80は、コンデンサC81と、トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)89と、PチャネルMOSトランジスタT81,T82とを含む。
【0145】
比較器81の非反転入力端子は、トランジスタT11,T12間のノードLXの電圧VLXが供給される。また、比較器81の反転入力端子には、第1基準電圧Vr11が供給される。ここで、この第1基準電圧Vr11は、正の電位(例えば、+0.2V)に設定されている。この比較器81は、ノードLXの電圧VLXと第1基準電圧Vr11との比較結果に応じた信号S15をアンド回路83に出力する。具体的には、比較器81は、電圧VLXが第1基準電圧Vr11よりも低いときにLレベルの信号S15を出力する一方、電圧VLXが第1基準電圧Vr11よりも高いときにHレベルの信号S15を出力する。すなわち、トランジスタT12のオフタイミングが遅い(逆流検出のタイミングが遅い)ことに起因して電圧VLXが第1基準電圧Vr11よりも高くなると、Hレベルの信号S15が出力される。
【0146】
比較器82の反転入力端子は、トランジスタT11,T12間のノードLXの電圧VLXが供給される。また、比較器82の非反転入力端子には、第2基準電圧Vr12が供給される。ここで、この第2基準電圧Vr12は、負の電位(例えば、−0.2V)に設定されている。この比較器82は、ノードLXの電圧VLXと第2基準電圧Vr12との比較結果に応じた信号S16をアンド回路84に出力する。具体的には、比較器82は、電圧VLXが第2基準電圧Vr12よりも高いときにLレベルの信号S16を出力する一方、電圧VLXが第2基準電圧Vr12よりも低いときにHレベルの信号S16を出力する。すなわち、トランジスタT12のオフタイミングが速い(逆流検出のタイミングが速い)ことに起因して電圧VLXが第2基準電圧Vr12よりも低くなると、Hレベルの信号S16が出力される。
【0147】
アンド回路83,84には、D−FF回路86から出力される出力信号が供給される。アンド回路83は、比較器81からの信号S15とD−FF回路86の出力信号とを論理積演算した結果を持つ出力信号を、オア回路85とワンショット回路87とに出力する。アンド回路84は、比較器82からの信号S16とD−FF回路86の出力信号とを論理積演算した結果を持つ出力信号を、オア回路85とワンショット回路87とに出力する。
【0148】
オア回路85には、比較器60(
図12参照)から信号S11が供給される。このオア回路85は、アンド回路83,84の出力信号と比較器60からの信号S11とを論理和演算して信号S17を生成する。具体的には、オア回路85は、入力される信号のいずれか一つがHレベルである場合には、Hレベルの信号S17(リセット信号)を生成する。また、オア回路85は、入力される信号の全てがLレベルである場合には、Lレベルの信号S17を生成する。この信号S17は、D−FF回路86のリセット端子に供給される。
【0149】
D−FF回路86の入力端子には、高電位側電源電圧VDDが供給される。また、D−FF回路86の反転クロック端子には、制御信号DLが供給される。このD−FF回路86は、制御信号DLの立ち下がりエッジに同期して、入力端子に入力される電源電圧VDDのレベルを持つ出力信号、すなわちHレベルの出力信号を出力する。このように、D−FF回路86は、同期側のトランジスタT12がオフされるときにHレベルの出力信号をアンド回路83,84に出力する。
【0150】
このとき、比較器81からHレベルの信号S15が出力されると(逆流検出のタイミングが速い場合)、アンド回路83からHレベルの出力信号が出力される。また、比較器82からHレベルの信号S16が出力されると(逆流検出のタイミングが遅い場合)、アンド回路84からHレベルの出力信号が出力される。また、フィードバック電圧VFBが基準電圧Vrよりも低くなると、比較器60からHレベルの信号S11が出力される。上記いずれの場合であっても、オア回路85からHレベルの信号S17が出力されることになる。このHレベルの信号S17(リセット信号)に応答して、D−FF回路86は、Lレベルの出力信号をアンド回路83,84に出力する。すると、アンド回路83,84は、比較器81,82から出力される信号S15,S16に関わらず、常にLレベルの出力信号を出力する。すなわち、この場合のアンド回路83,84はそれぞれ、比較器81,82の信号S15,S16を無効にする無効回路として機能する。
【0151】
ワンショット回路87は、アンド回路83から出力されるHレベルの出力信号に応答して、固定時間だけHレベルとなる制御信号S18をスイッチSW11に出力する。ワンショット回路88は、アンド回路84から出力されるHレベルの出力信号に応答して、固定時間だけHレベルとなる制御信号S19をスイッチSW12に出力する。
【0152】
本実施形態では、比較器81,82、アンド回路83,84、オア回路85、D−FF回路86及びワンショット回路87,88が、電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr11,Vr12との大小関係に対応する制御信号S18,S19を生成する検出回路として機能する。
【0153】
スイッチSW11の第1端子は電流源A11の第1端子に接続され、スイッチSW11の第2端子はスイッチSW12の第1端子に接続されている。電流源A11の第2端子には、バイアス電圧VBが供給される。スイッチSW12の第2端子は電流源A12の第1端子に接続され、その電流源A12の第2端子はグランドに接続されている。スイッチSW11は、Hレベルの制御信号S18に応答してオンし、Lレベルの制御信号S18に応答してオフする。また、スイッチSW12は、Hレベルの制御信号S19に応答してオンし、Lレベルの制御信号S19に応答してオフする。これらスイッチSW11,SW12間のノードN13はコンデンサC81の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC81の第2端子はグランドに接続されている。また、上記ノードN13は、gmアンプ89の非反転入力端子に接続されている。なお、電流源A11,A12は、それぞれ所定の電流を流す。
【0154】
gmアンプ89の非反転入力端子には、基準電圧Vr13が供給される。このgmアンプ89は、ノードN13の電圧VN13と基準電圧Vr13との電位差に応じた電流信号を補正信号SG11として生成する。gmアンプ89の出力端子は、電流源A13の第1端子とトランジスタT81のドレインとに接続されている。電流源A13の第2端子はグランドに接続されている。この電流源A13は、所定の電流を流す。
【0155】
上記トランジスタT81のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT81のゲートは、同トランジスタT81のドレインとトランジスタT82のゲートとに接続されている。上記トランジスタT82のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT81とトランジスタT82とはカレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT81,T82の電気的特性に応じて、トランジスタT81に流れる電流に比例した電流を補正信号SG11として上記コンパレータ75に供給する。
【0156】
なお、コンパレータ75では、例えばコンパレータ75内の差動入力回路等に補正信号SG11が供給され、その補正信号SG11の電流量に応じて上記差動入力回路等の動作速度が変更され、コンパレータ75全体の動作速度が変更される。すなわち、補正信号SG11の電流値が増加するとコンパレータ75の動作速度が上昇するのに対し、補正信号SG11の電流値が減少するとコンパレータ75の動作速度が低下する。
【0157】
本実施形態では、スイッチSW11,SW12、電流源A11,A12,A13、コンデンサC81、gmアンプ89及びトランジスタT81,T82が、制御信号S18,S19に応じて、電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr11,Vr12との差が小さくなるようにコンパレータ75の動作速度を補正する補正回路として機能する。
【0158】
次に、このように構成されたDC−DCコンバータ4(特に、補正回路80)の動作を
図15及び
図16に従って説明する。具体的には、電流不連続モード時におけるDC−DCコンバータ4の動作を説明する。なお、
図15及び
図16において、横軸及び縦軸は、説明の簡便化のため、適宜拡大、縮小して示している。
【0159】
まず、コンパレータ75においてコイル電流ILの逆流を検出するタイミングが速い場合のDC−DCコンバータ4の動作について
図15に従って説明する。
メイン側のトランジスタT11のオフ期間中の時刻t21において、コンパレータ75に入力される電圧VC2が電圧VC1よりも高くなってHレベルの検出信号SDが出力されると、Lレベルの制御信号DLが出力される。このLレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT12がオフされる。これにより、両トランジスタT11,T12がオフされる。
図15に示すように、上記トランジスタT12がオフした時(時刻t21)のトランジスタT11,T12間のノードLXの電圧VLXは、第2基準電圧Vr12よりも低い。このため、補正回路80の比較器82からHレベルの信号S16が出力される。なお、このように電圧VLXが第2基準電圧Vr12(負の電位)よりも低い場合には、コンパレータ75における逆流検出のタイミングが速いと言える。そこで、以下に説明する動作によって、次のサイクルにおけるコンパレータ75の動作速度(逆流検出タイミング)が遅くなるように補正(調整)される。
【0160】
上記Hレベルの信号S16が出力されると、ワンショット回路88からHレベルの制御信号S19が出力され、スイッチSW12がオンされるため、電流源A12が流す電流に応じてコンデンサC81に蓄えられた電荷が放電される(時刻t21〜t22)。これにより、コンデンサC81の第1端子(ノードN13)の電圧VN13は、電流源A12が流す電流に応じて低下する。このため、gmアンプ89から出力される出力信号の電流値が減少する。具体的には、電圧VN13が基準電圧Vr13よりも低くなると、gmアンプ89から吐き出される電流が増加する。すると、コンパレータ75に供給される補正信号SG11の電流値が減少する。これにより、当該サイクルP11の次のサイクルP12において、コンパレータ75の動作速度を遅くすることができ、コンパレータ75における逆流検出タイミングを遅くすることができる。この結果、次のサイクルP12において、同期側のトランジスタT12のオン時間が長くなる。具体的には、当該サイクルP11におけるトランジスタT12のオン時間Ts11よりも、次のサイクルP12におけるトランジスタT12のオン時間Ts12の方が長くなる。
【0161】
次に、コンパレータ75においてコイル電流ILの逆流を検出するタイミングが遅い場合のDC−DCコンバータ4の動作について
図16に従って説明する。
図16に示すように、同期側のトランジスタT12がオフした時(時刻t23)のノードLXの電圧VLXが第1基準電圧Vr11よりも高い場合には、補正回路80の比較器81からHレベルの制御信号S18が出力される。なお、このように電圧VLXが第1基準電圧Vr11(正の電位)よりも高い場合には、コンパレータ75における逆流検出のタイミングが遅いと言える。そこで、以下に説明する動作によって、次のサイクルにおけるコンパレータ75の動作速度(逆流検出タイミング)が速くなるように補正(調整)される。
【0162】
上記Hレベルの信号S15が出力されると、ワンショット回路87からHレベルの制御信号S18が出力され、スイッチSW11がオンされるため、電流源A11が流す電流によってコンデンサC81が充電される(時刻t23〜t24)。これにより、コンデンサC81の第1端子(ノードN13)の電圧VN13は、電流源A11が流す電流に応じて上昇する。このため、gmアンプ89から出力される出力信号の電流値が増加する。具体的には、電圧VN13が基準電圧Vr13よりも高くなると、gmアンプ89に流入する出力信号の電流値が増加する。すると、コンパレータ75に供給される補正信号SG11の電流値が増加する。これにより、当該サイクルP13の次のサイクルP14において、コンパレータ75の動作速度を速くすることができ、コンパレータ75における逆流検出タイミングを速くすることができる。この結果、次のサイクルP14において、同期側のトランジスタT12のオン時間が短くなる。具体的には、当該サイクルP13におけるトランジスタT12のオン時間Ts13よりも、次のサイクルP14におけるトランジスタT12のオン時間Ts14の方が短くなる。
【0163】
このように
図15及び
図16に従って説明した動作が繰り返し実行されることにより、コンパレータ75における逆流検出タイミングを最適化することができ、トランジスタT2のオン時間(オフタイミング)を最適化することができる。
【0164】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)同期側のトランジスタT12がオフした時のノードLXの電圧VLXと第1及び第2基準電圧Vr11,Vr12との大小関係に基づいて、これら電圧VLXと基準電圧Vr11,Vr12との差を小さくするようにコンパレータ75の動作速度を補正する補正回路80を設けるようにした。これにより、コイルL1のインダクタ値や等化直流抵抗DCRのばらつき、直流重畳特性や温度特性等に起因して、コンパレータ75におけるコイル電流ILの逆流検出のタイミングがずれたとしても、上記補正回路80によってそのずれを補正することができる。したがって、コイル電流ILの逆流の検出精度を向上させることができ、ひいては当該DC−DCコンバータ4における変換効率を向上させることができる。
【0165】
(2)さらに、抵抗Rs及びコンデンサCsで見立てるコイルL11の等化直流抵抗DCRと、実際のコイルL11の等化直流抵抗DCRとが異なることに起因して、コンパレータ75におけるコイル電流ILの逆流検出のタイミングがずれたとしても、上記補正回路80によってそのずれを補正することができる。
【0166】
(3)コイルL11に抵抗Rs及びコンデンサCsを並列に接続し、DCRセンスによりコイル電流ILを検出するようにした。この構成によれば、等化直流抵抗DCRの抵抗値が低い場合であっても、抵抗Rsの抵抗値及びコンデンサCsの容量値を調整することにより、等化直流抵抗DCRを比較的大きくセンスすることができる。これにより、コンパレータ75の入力電圧スルーレートを大きくすることができるため、コイル電流ILの逆流を高速に検出することが可能となる。
【0167】
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第2実施形態では、コイルL11に抵抗Rs及びコンデンサCsを並列に接続し、DCRセンスによりコイル電流ILを検出するようにした。これに限らず、例えば
図17に示されるように、コイルL11と出力端子Poとの間にセンス抵抗Rs1を挿入接続し、そのセンス抵抗Rs1の両端の電位差に基づいてコイル電流ILを検出するようにしてもよい。なお、この場合のコンパレータ75は、その反転入力端子にセンス抵抗Rs1の第1端子(入力側端子)の電圧VR1が供給され、非反転入力端子にセンス抵抗Rs1の第2端子(出力側端子)の電圧VR2が供給される。
【0168】
また、
図18に示されるように、同期側のトランジスタT12のオン抵抗をセンス抵抗としてコイル電流ILを検出するようにしてもよい。なお、この場合のコンパレータ75は、その非反転入力端子にトランジスタT12のドレイン(ノードLX)の電圧VLXが供給され、反転入力端子にトランジスタT12のソース電圧、すなわちグランド電圧GNDが供給される。
【0169】
・上記第2実施形態において、タイマ回路62を、信号S12の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間経過後にHレベルとなるパルス信号S13を出力するように構成した。このタイマ回路62の構成を適宜変更してもよい。例えば、タイマ回路62を固定された時間経過後にHレベルのパルス信号S13を出力するように構成してもよい。また、タイマ回路62を、入力電圧Viのみ(もしくは出力電圧Voのみ)に依存したタイミングでHレベルのパルス信号S13を出力するように構成してもよい。
【0170】
・上記第2実施形態における補正回路80の構成を適宜変更してもよい。
・上記第2実施形態では、コンパレータ方式のDC−DCコンバータ4に具体化したが、これに制限されない。例えばエラーアンプを用いたDC−DCコンバータに具体化してもよい。
【0171】
・上記第2実施形態では、出力電圧Voを抵抗R11,R12にて分圧した分圧電圧をフィードバック電圧VFBとしたが、これに限らず、例えば出力電圧Voそのものをフィードバック電圧VFBとしてもよい。
【0172】
・上記第2実施形態では、スイッチ回路の一例としてNチャネルMOSトランジスタを開示したが、PチャネルMOSトランジスタを用いてもよい。また、スイッチ回路としてバイポーラトランジスタを用いてもよい。あるいは、複数のトランジスタを含むスイッチ回路を用いてもよい。
【0173】
・上記第2実施形態におけるトランジスタT11,T12を制御回路6に含めるようにしてもよい。また、コンバータ部5を制御回路6に含めるようにしてもよい。
(他の実施形態)
図19に、上記DC−DCコンバータ1又はDC−DCコンバータ4を備える電子機器100の一例を示す。電子機器100は、本体部110(内部回路)と、電源部130とを有する。
【0174】
本体部110は、プログラムを実行するCPU111と、そのCPU111で実行されるプログラム又はCPU111が処理するデータを記憶するメモリ112とを有する。また、本体部110は、インタフェース(I/F)113を介してCPU111に接続されるキーボード114A及びポインティングデバイス114Bを有する。ポインティングデバイス114Bは、例えばマウス、トラックボール、タッチパネルや静電センサを有するフラットデバイス等である。
【0175】
また、本体部110は、インタフェース115を介してCPU111に接続されるディスプレイ116を有する。ディスプレイ116は、例えば液晶ディスプレイやEL(エレクトロルミネッセンス)パネル等である。
【0176】
また、本体部110は、インタフェース117を介してCPU111に接続される通信部118を有する。通信部118は、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)ボード等である。
【0177】
また、本体部110は、インタフェース119を介してCPU111に接続される外部記憶装置120を有する。外部記憶装置120は、例えばハードディスクである。
また、本体部110は、インタフェース121を介してCPU111に接続される着脱可能記録媒体アクセス装置122を有する。ここで、着脱可能な記録媒体としては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリカード等が挙げられる。
【0178】
この本体部110には、電源部130から電力が供給される。電源部130は、スイッチSWを介して、DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ4)と交流アダプタ131に接続されている。これらDC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ4)及び交流アダプタ131のいずれか一方から電力が本体部110に供給される。DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ4)は、
図19の例では、例えば電池132からの電圧(入力電圧Vi)を出力電圧Voに変換し、その出力電圧Voを本体部110に供給する。
【0179】
このような電子機器としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の通信機器、携帯情報端末(PDA)等の情報処理装置、デジタルカメラやビデオカメラ等の映像機器、テレビジョン装置等の受信機などが挙げられる。
【0180】
以上の様々な実施の形態をまとめると、以下のようになる。
(付記1)
電源の制御回路であって、
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、前記大小関係に対応する制御信号を出力する検出回路と、
前記制御信号に応答して、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを、前記接続点の電圧値と基準値との差を小さくするスイッチングタイミングに調整する調整回路と
を有することを特徴とする電源の制御回路。
(付記2)
前記検出回路は、
前記接続点の電圧値と正値である第1基準値とを比較する第1比較器と、
前記接続点の電圧値と負値である第2基準値とを比較する第2比較器と、を含み、
前記第1及び第2比較器の比較結果に応じて、前記接続点の電圧値と前記第1及び第2基準値との大小関係に対応する前記制御信号を生成することを特徴とする付記1に記載の電源の制御回路。
(付記3)
前記調整回路は、
前記制御信号に応答して、前記第2のスイッチがオフした時の前記接続点の電圧値が前記基準値に近づくように、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを調整することを特徴とする付記2に記載の電源の制御回路。
(付記4)
前記第1スイッチをオンさせるための所定パルス幅の第1パルス信号を生成する第1のタイマ回路と、
前記第2スイッチをオンさせるための所定パルス幅の第2パルス信号を生成する第2のタイマ回路と、を有し、
前記調整回路は、前記制御信号に応じて前記第2パルス信号の所定パルス幅を調整することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の電源の制御回路。
(付記5)
前記第1スイッチをオンさせるための所定パルス幅の第1パルス信号を生成する第1のタイマ回路と、
前記第2スイッチをオンさせるための所定パルス幅の第2パルス信号を生成する第2のタイマ回路と、を有し、
前記調整回路は、前記制御信号に応じて前記第1パルス信号の所定パルス幅を調整することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の電源の制御回路。
(付記6)
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチを含むコンバータ部と、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンオフ制御する制御回路と、を有し、
前記制御回路は、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、前記大小関係に対応する制御信号を出力する検出回路と、
前記制御信号に応答して、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを、前記接続点の電圧値と基準値との差を小さくするスイッチングタイミングに調整する調整回路と、を含むことを特徴とする電源装置。
(付記7)
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、前記大小関係に対応する制御信号を出力する検出回路と、
前記制御信号に応答して、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを、前記接続点の電圧値と基準値との差を小さくするスイッチングタイミングに調整する調整回路と、を含む制御回路を有する電源装置と、
前記電源装置にて生成された電圧が供給される内部回路と、
を含むことを特徴とする電子機器。
(付記8)
電源の制御方法であって、
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、
前記大小関係に対応する制御信号を生成し、
前記制御信号に応答して、前記第2スイッチのスイッチングタイミングを、前記接続点の電圧値と基準値との差を小さくするスイッチングタイミングに調整する
ことを特徴とする電源の制御方法。
(付記9)
前記制御信号は、前記接続点の電圧値と正値である第1基準値との比較結果と、前記接続点の電圧値と負値である第2基準値との比較結果とに応じて生成されることを特徴とする付記8に記載の電源の制御方法。
(付記10)
前記接続点の電圧値が前記第1基準値よりも高い場合に、前記第2スイッチのオフタイミングを速くするように調整する一方で、前記接続点の電圧値が前記第2基準値よりも低い場合に、前記第2スイッチのオフタイミングを遅くするように調整することを特徴とする付記9に記載の電源の制御方法。
(付記11)
電源の制御回路であって、
チョークコイルに流れるコイル電流の逆流を検出する逆流検出回路と、
第1電位と第2電位との間に直列に接続された第1スイッチ及び第2スイッチの接続点の電圧値と基準値との大小関係を前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがオフである期間に検出し、前記大小関係に対応する制御信号を出力する検出回路と、
前記制御信号に応答して、前記接続点の電圧値と基準値との差が小さくなるように、前記逆流検出回路の動作速度を補正する補正回路と
を有することを特徴とする電源の制御回路。