(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)50〜100質量%の1種以上のビニル芳香族モノマー及び0〜50質量%の少なくとも1種の共重合可能なモノマーを含むベースを重合することによって調製されるポリマーマトリックス;
b)ポリマー(a)に対して計算して1〜10質量%の、前記ポリマーマトリックス中に組み込まれる発泡剤;並びに
以下を含む遮熱充填剤:
c)ポリマー(a)に対して計算して0.05〜25質量%の、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する粒状コークス;及び
d)ポリマー(a)に対して計算して0.05〜10質量%の、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する粒状発泡グラファイト、
を含む発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物。
ポリマー(a)に対して0.1乃至8質量%の臭素化自己消火性添加剤、及びまたポリマー(a)に基づいて0.05乃至2質量%の、少なくとも1つの不安定なC−C又はO−O結合を含有する相乗剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
10乃至200g/lの範囲の密度、0.01乃至1.00mmの範囲の平均セルサイズを有するビニル芳香族ポリマーのセルマトリックスを含み、かつ0.5乃至100μmの範囲中の平均粒子直径(d50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する発泡粒状形態のグラファイトとを含む、0.1乃至35質量%の遮熱充填剤を含有する、ビニル芳香族ポリマーの押出発泡シート。
水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、ビニル芳香族ポリマーを前記ビニル芳香族モノマーの質量に対して1乃至30質量%の範囲の濃度にまで該溶液中に溶解することによって増加される、請求項8又は9に記載のプロセス。
水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、1乃至30質量%の範囲のポリマー濃度が得られるまでモノマー又はモノマー混合物を塊状予備重合することによって増加される、請求項8又は9に記載のプロセス。
顆粒化の終了時に、0.2乃至3mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形の発泡性ポリマービーズ/顆粒が得られ、その中に前記遮熱充填剤が均質に分散される、請求項13又は14に記載のプロセス。
前記ビニル芳香族ポリマーのペレットが、前記遮熱充填剤がマスターとして又は消費後製品からの派生物として分散されているビニル芳香族ポリマーによって、完全に又は部分的に置換される、請求項16又は17に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カーボンコークス(又は単純にコークス)は、0.5乃至100μm、好ましくは2乃至20μmの範囲の粒子サイズ(MT50)を備えた細粉として利用可能である。粒子サイズ(MT50又は等しくはd
50)はレーザー粒子サイズ解析器を用いて測定され、50質量%がより小さな直径を有し、50質量%がより高い直径値を有する粒子に対応する直径の値である。直径は、上記されるようなレーザー粒子サイズ解析器により測定された粒子のサイズを意味する。
【0017】
コークスは有機物の熱分解によって製造され、炭化プロセスの間に少なくとも部分的に液体状態又は液晶状態を介して通過する。開始有機物は、好ましくは、石油、石炭又は亜炭である。
【0018】
顆粒のポリマー組成物、本発明の対象物の調製において使用されるコークスは、より好ましくは、重質残渣画分として通常は公知である石油の蒸留に由来する高沸点炭化水素の画分の炭化製品である。特に、コークスは、重質残渣画分のコークス化、いくつかの軽質画分及び固体(石油コークス)を再び製造する高温で行われる操作から開始して得られる。このように得られた石油コークスは、1000乃至1600℃の範囲の温度でか焼される(か焼コークス)。
【0019】
芳香族成分を多く含む重質残渣画分が使用されるならば、コークスは1800〜2200℃でか焼後に結晶性針状構造を備えて製造される(針状コークス)。
【0020】
コークス、製造方法及び商業的に入手可能な様々なグレード(生コークス、石炭由来のピッチコークス、ディレードコークス、フルードコークス、針状コークス、プレミアムコークス、か焼コークス、ショットコークス、スパンジ(spange)コークスなど)の特徴評価に関するさらなる情報は、ウェブサイトgoldbook.iupuac.orgで、又はPure Appl. Chem., 1995, vol. 67, Nr. 3, pages 473-506「Recommended terminology for the description of carbon as a solid (IUPAC Recommen-dations 1995)」において、オンラインで利用可能である。
【0021】
発泡グラファイトは市場で利用可能な製品であり、その調製は当業者に公知である。発泡グラファイトに関するより詳細な情報は、Nyacol Nano Technologies社(項目「報告書/要約」下のwww.nyacol.com/)のサイトでネットワークにおいて見出すことができる。
【0022】
コークス濃度がゼロに等しい場合、発泡グラファイトは1乃至15(14.99)μm、好ましくは2乃至10μmの範囲の粒子サイズを有する。
【0023】
本発明によれば、ビニル芳香族ポリマーに加えられる上記遮熱充填剤(コークス及び発泡グラファイト)は、10乃至500nmの平均粒子サイズ(d
50)、及び5乃至40m
2/gの範囲の表面積を有するカーボンブラックを、ポリマー(a)に対して計算して最大5質量%含むことができる。
【0024】
本明細書及び請求項において使用される「ビニル芳香族モノマー」という用語は、本質的には、下記一般式:
【化1】
(式中、Rは水素又はメチル基であり、nはゼロ又は1乃至5の範囲の整数であり、Yは、ハロゲン、例えば、塩素若しくは臭素、又は1乃至4の炭素原子を有するアルキルラジカル又はアルコキシルラジカルである)に対応する製品を意味する。
【0025】
上記に同定された一般式を有するビニル芳香族モノマーの例は、
スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ジメチルスチレン、モノ−クロロスチレン、ジ−クロロスチレン、トリ−クロロスチレン、テトラ−クロロスチレン、ペンタ−クロロスチレン、ブロモ−スチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレンなどである。好ましいビニル芳香族ポリマーは、スチレン及びα−メチルスチレンである。
【0026】
一般式(I)に対応するビニル芳香族モノマーは、単独で、又は他の共重合可能なモノマーと共に最大50質量%の混合物で使用することができる。上記モノマーの例は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のC
1−C
4アルキルエステル(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート等)、(メタ)アクリル酸のアミド及び(メタ)アクリル酸のニトリル(アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ブタジエン、エチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸などである。好ましい共重合可能なモノマーは、アクリロニトリル、メチルメタクリレートである。
【0027】
ポリマービニル芳香族化合物マトリックス中に組み込むことができる任意の発泡剤は、本発明の発泡性ポリマー対象物と組み合わせて使用することができる。代表例は、脂肪族炭化水素、フレオン及び二酸化炭素、エチルアルコール等のアルコール、水などである。
【0028】
コークス及び発泡グラファイトを含む遮熱充填剤は、懸濁重合又は再懸濁重合によって、連続塊技術によって、又は直接押出を通じて、ビニル芳香族ポリマーに加えることができ、その結果ポリマー中のその最終的な全濃度は0.1乃至35質量%、好ましくは1乃至15質量%の範囲である。
【0029】
従来の材料と共に一般的に使用される従来の添加剤、例えば、色素、安定化剤、成核剤、難燃性システム、帯電防止剤、剥離剤等は、本発明の対象物である発泡性ポリマーの組成物に加えることができる。特に、難燃性システムは、ポリマー(a)に対して0.1乃至8%の自己消火性(self-extinguishing)臭素化添加剤、例えば、少なくとも30質量%の臭素を含有する自己消火性臭素化添加剤、及びポリマー(a)に対してで0.05乃至2質量%の、以下に記載されるような、少なくとも1つのC−C又はO−Oの不安定結合を含有する相乗的製品を含み、本組成物に加えることができる。
【0030】
遮熱充填剤、発泡剤及び可能な添加剤の追加の終了時に、発泡性ポリマーは顆粒で得られ、それは転換して5乃至50g/l、好ましくは10乃至25g/lの範囲の密度を有する発泡品を製造することができる。他方では、直接押出のためには20乃至40g/lの密度を使用する。
【0031】
これらの発泡品は25乃至50mW/mK、好ましくは30乃至45mW/mKの範囲の熱伝導率によって表現される優れた断熱能力を有し、現在のところ市場に出回っている充填剤を不含有の同等の発泡材、例えば、Polimeri Europa社のEXTIR A−5000の熱伝導率に対して一般的に10%以上低い。
【0032】
本発明の発泡性ポリマー対象物のこれらの特徴の結果、材料を有意に節約して断熱品を調製すること、又は例えば従来の充填されていないポリマーにより調製されたシートよりも薄い厚みで空間及び製品が結果として節約できるシートを調製することが可能である。
【0033】
10乃至200g/lの範囲の密度、0.01乃至1.00mmの範囲の平均セル寸法を有する、ビニル芳香族ポリマー、例えば、ポリスチレンのセルマトリックスを含み、かつ0.5乃至100μm、好ましくは2乃至20μmの範囲の平均粒子直径(d
50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積を有する粒子形態の上記コークスと、1乃至30μm、好ましくは2乃至10μmの範囲の平均粒子直径(d
50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積、及び好ましくは1.5乃至5g/cm
3の範囲の密度を有する粒子形態の上記発泡グラファイトとを含む、ポリマーに対して計算して0.1乃至35質量%、好ましくは1乃至15質量%の上記遮熱充填剤を含有する、ビニル芳香族ポリマーの発泡押出シートが発泡品の定義中に含まれる。
【0034】
発泡押出シートのビニル芳香族ポリマーに加えられるコークス及び発泡グラファイトの遮熱充填剤は、ポリマーに対して計算して最大5質量%、例えば、上記されるように、0.01乃至5質量%、好ましくは0.05乃至4.5質量%のカーボンブラックを含むことができる。
【0035】
従来の材料と共に通常使用される従来の添加剤、例えば、色素、安定剤、成核剤、上記されるような難燃性システム、帯電防止剤、剥離剤等も、上記発泡押出シートに加えることができる。
【0036】
本発明のさらなる対象は、減少した熱伝導率及び50g/l以下の発泡後の密度を有する、発泡性ビニル芳香族ポリマーをベースにした組成物を、例えばビーズ又は顆粒で調製するプロセスに関する。
【0037】
特に、本発明のさらなる対象は、上で示された発泡性ビニル芳香族ポリマーをビーズ又は顆粒で調製するプロセスであって、場合によっては最大50質量%の量の少なくとも1種の重合可能なコモノマーと共に、上述の特徴を有する、0.5乃至100μm、好ましくは2乃至20にμmの範囲の平均粒子直径(d
50)(サイズ)、及び5乃至200m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積を有する粒子形態の上記コークスと、1乃至30μm、好ましくは2乃至10μmの範囲の平均粒子直径(d
50)(サイズ)、及び5乃至500m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積、及び好ましくは1.5乃至5g/cm
3に範囲の密度を有する粒子形態の上記発泡グラファイトとを含む遮熱充填剤の存在下において、並びに少なくとも、重合の前、重合の間、又は重合の終了時に加えられる過酸化物ラジカル開始剤及び発泡剤の存在下において、1種以上のビニル芳香族モノマーを水性懸濁液中で重合することを含むプロセスに関する。
【0038】
遮熱充填剤は、ポリマーに対して計算して最大5質量%、例えば、0.01乃至5質量%、好ましくは、0.05乃至4.5質量%のカーボンブラックもまた含むことができる。カーボンブラックは、5〜40m
2/gの表面積で10乃至500nmの粒子サイズ(d
50)を有することができる。
【0039】
重合は、リン酸の無機塩、例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸マグネシウムを含有する水性懸濁液中で行なわれる。これらの塩は、既に微細に細分された重合混合物、又は例えば、ピロリン酸ナトリウムと硫酸マグネシウムとの間の反応によってインシチュで合成した重合混合物のいずれかに加えることができる。
【0040】
米国特許3,631,014中に記載されるように、上記無機塩の懸濁作用は、陰イオン界面活性剤、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、又はメタ重亜硫酸ナトリウム等のそれらの前駆体によって支援される。
【0041】
重合は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の有機懸濁化剤の存在下でも行なうことができる。
【0042】
開始システムは、通常、2つの過酸化物を含み、第1のものは85〜95℃で1時間の半減期を有し、及び他方は110〜120℃で1時間の半減期を有する。これらの開始剤の例は、tert−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸エチル及びtert−ブチルペルベンゾアートである。
【0043】
得られるビニル芳香族ポリマー又はビニル芳香族コポリマーは、50000乃至250000、好ましくは70000乃至200000の範囲の平均分子量Mwを有する。一般に、水性溶液中の発泡性ビニル芳香族ポリマーの調製のための手順、又はより一般的には懸濁重合(polymerization in suspension)に関するより詳細な情報は、Journal of Macromolecular Science, Review in Macromolecular Chemistry and Physics C31 (263) 215-299 (1991)中で見出すことができる。
【0044】
懸濁の安定性を改善するために、水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの試薬溶液の粘度を、その中にビニル芳香族ポリマーを、モノマーに対して計算して1乃至30質量%、好ましくは5乃至20質量%の濃度にまで溶解することによって、増加させることが可能である。溶液は、試薬混合物中で予備形成したポリマー、例えば、新鮮なポリマー又は以前の重合及び/又は発泡からの廃産物を溶解することによって、又は先に述べられた濃度が得られるまでモノマー若しくはモノマーのブレンドを塊状予備重合すること、及び続いて残存する添加剤の存在下において水性懸濁重合を継続することによって、得ることができる。
【0045】
懸濁重合の間に、重合添加剤は当業者に周知の方法に従って使用され、典型的には、発泡性ビニル芳香族ポリマーの製造のために使用されるものであり、例えば、懸濁安定化剤、連鎖移動剤、発泡共補助剤、成核剤、可塑剤等である。特に、重合の間に、0.1乃至8%の範囲の量で難燃剤、及びもたらされるポリマーの質量に対して0.05乃至2%の範囲の量で相乗的製品を含む防火システムを加えることが好ましい。本発明の発泡性ビニル芳香族ポリマー対象物のために特に適切な難燃剤は、脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘキサブロモシクロドデカン、ペンタブロモモノクロロシクロヘキサン及びペンタブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノール−Aアリルエーテル等の臭素化芳香族化合物である。上記難燃剤は熱的に安定化させることができる。この目的のために、例えばジマレイン酸ジブチルスズ若しくはラウリン酸ジオクチルスズ等の有機スズ添加剤、又は例えばハイドロタルサイト、ハイドロタルサイトの誘導体(Baerlocher社のベロスタブLUC)等の遊離臭素をブロックできる物質、エポキシ基を含有する有機分子、例えば、Eurobrom社が販売するF2200HMを有利に使用することができる。
【0046】
使用することができる相乗的製品は、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロペルオキシド、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニル−ヘキサン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルブタン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキシイノナン(triperoxyinonane)である。
【0047】
発泡剤は、好ましくは、重合相の間に、又はその後に再懸濁技術を用いて加えられる。特に、後者は、
少なくともコークス及び発泡グラファイトを含む遮熱充填剤の存在下において、1種以上のビニル芳香族モノマーを水性懸濁重合する相;
このように得られたビーズ又は顆粒を分離する相;
水中でビーズ又は顆粒を再懸濁し球形になるまで加熱する相;
懸濁液に発泡剤を加えて充満するまでビーズとの接触を保つ相;及び
再びビーズを分離する相
を含む。
【0048】
発泡剤は、n‐ペンタン、イソ−ペンタン又はシクロペンタン又はそのブレンド等の3乃至6の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素;例えばジクロロジフルオロメタン、1,2,2−トリフルオロ−エタン、1,1,2−トリフルオロエタン等の1乃至3の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素のハロゲン化誘導体;二酸化炭素、水;及びエチルアルコールから選択される。
【0049】
重合の終了時に、発泡性ポリマーの実質的に球形のビーズ/顆粒は、懸濁又は再懸濁であるかにかかわらず、0.2乃至3mm、好ましくは1乃至1.5mmの範囲の平均直径で得られ、その中でコークス及び発泡グラファイトを含む上記遮熱充填剤並びに上記他の可能な添加剤は均質に分散される。
【0050】
次いで、顆粒を重合反応器から放出し、非イオン性界面活性剤又は、あるいは、米国特許5,041,465中に記載されるように酸により、連続的に又はバッチで、洗浄する。ポリマー顆粒は、その後に30乃至60℃の範囲の熱風により熱処理することができる。
【0051】
本発明のさらなる対象物は、ビーズ又は顆粒で、発泡性ビニル芳香族ポリマーをベースにした組成物を連続塊状(in continuous mass)で調製するプロセスであって、以下の一連の工程を含むプロセス:
i.50000乃至250000、好ましくは70000乃至200000の範囲の平均分子量Mwを有する、顆粒形態若しくは粉末形態又は既に溶融状態のビニル芳香族ポリマーを、上述の特徴を有する、0.5乃至100μm、好ましくは2乃至20μmの範囲の平均粒子直径(d
50)、及び5乃至200m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積を有する粒子形態の上記コークスと、1乃至30μm、好ましくは2乃至10μmの範囲の平均粒子直径(d
50)(サイズ)、5乃至500m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積、及び好ましくは1.5乃至5g/cm
3の範囲の密度を有する粒子形態の上記発泡グラファイトとを含む上記遮熱充填剤と、混合する工程。
遮熱充填剤は、ポリマーに対して計算して最大5質量%、例えば0.01乃至5質量%、好ましくは0.05乃至4.5質量%のカーボンブラックもまた含むことができる。カーボンブラックは、10乃至500nmの範囲の平均粒子サイズ(d
50)、及び5乃至40m
2/gの範囲の表面積を有することができる。既に記載された他のあり得る添加剤、その中でも色素、安定剤、成核剤、上記難燃性システム、帯電防止剤、剥離剤なども、この工程の全てに又は部分的に加えることができる;
ii.任意に、既に溶融状態でないならば、ビニル芳香族ポリマーの融点よりも高い温度にポリマー混合物を至らせる工程;
iii.上記発泡剤及び場合によっては上記他の添加剤の一部又は全てを溶融ポリマー中に組み入れる工程;
iv.静的混合要素又は動的混合要素を用いて、このように得られたポリマー組成物を混合する工程;及び
v.ダイ、切断チャンバー及び切断システムを含む装置中で、このように得られた組成物を顆粒状にする工程。
【0052】
顆粒化の終了時に、発泡性ポリマーのビーズ/顆粒は、0.2乃至3mm、好ましくは1乃至1.5mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形で得ることができる。
【0053】
本発明によれば、工程(i)は、既に形成された、場合によっては加工廃産物と混合された、ポリマー顆粒を押出機中に供給することによって行うことができる。本発明の対象組成物の単一のコンポーネントはその中で混合され、その後にポリマーの一部分は融解され、次いで発泡剤及び他のあり得る添加剤は加えられる。
【0054】
あるいは、ポリマーは、「連続塊プロセス」として当業者に公知のプロセスに従って溶液で重合プラントに、特に相対液化ユニットに直接由来して、既に溶融状態で使用することができる。溶融ポリマーは、適切な装置、例えば、動的混合機、静的混合機に供給され、添加剤と、例えば、遮熱充填剤と、発泡剤と、及び難燃性システムと混合され、続いてダイの孔を介して通過させて発泡性のビーズ/顆粒、本発明の対象物を与える。
【0055】
別の手順によれば、難燃性システムは、先に記載された連続塊プロセスの工程(iv)と(v)との間でポリマー組成物中に組み入れて混合することができる。
【0056】
ポリマー組成物の顆粒(又はビーズ)は、場合によっては圧力下で、ガラス転移温度(Tg)以下の温度、又はわずかに高い、例えば、Tgの最大8℃まで増加させた温度で再びベークすることができる。連続塊状でビニル芳香族ポリマーを調製する詳細な方法は、国際特許出願WO03/53651中に記載される。
【0057】
一般に、50000乃至250000、好ましくは70000乃至200000の範囲の平均分子量Mwを有するビニル芳香族ポリマーをベースにしたマスターバッチ中に少なくとも前記遮熱添加剤を組み入れて、ポリマー流(polymeric stream)とそれらが混合されることを容易にし、プラント管理を単純化することが可能である。マスターバッチ中に、上記コークス及び上記発泡グラファイト及び場合によっては上記カーボンブラックを含む遮熱充填剤の含有量は、15乃至60質量%の範囲である。
【0058】
特に、水性懸濁重合の事例において、ペレット状のマスターバッチはビニル芳香族モノマー中に溶解することができる。他方では、塊状重合の事例において、ペレット形態のマスターバッチは、顆粒と混合されるか、又は溶液中の重合に由来する溶融状態中のポリマーと混合することができる。
【0059】
さらにより具体的には、連続塊状重合(polymerization in continuous mass)の事例において、溶液中の重合反応器に供給される前に、ペレット状のマスターバッチをビニル芳香族モノマー/溶媒混合物中に溶解することができる。
【0060】
重合の終了時に、得られた発泡性のビーズ又は顆粒は、懸濁又は連続塊であろうとなかろうと、従来の発泡性組成物に通常適用される前処理にかけられ、前処理は本質的には、以下からなる。
1.アミン、エトキシ化第三級アルキルアミン、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー等の液体帯電防止剤によりビーズ又は顆粒を覆うこと。上記薬剤は、コーティングが付着することを可能にし、ビーズのスクリーニングを容易にする;
2.上記ビーズ又は顆粒にコーティングを適用することであって、上記コーティングは、グリセリンのモノエステル、ジエステル及びトリエステル(又は他のアルコール)と、脂肪酸及びステアリン酸金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛及び/又はステアリン酸マグネシウムとの混合物から本質的に成る。
【0061】
本発明のさらなる対象物は、ビニル芳香族ポリマーの発泡押出シートを製造するプロセスであって、
a1.ペレット又は顆粒又はビーズの形態のビニル芳香族ポリマー、並びに、ポリマーに対して計算して0乃至25質量%、好ましくは0.05乃至25質量%、より好ましくは0.5乃至10質量%の、0.5乃至100μm、好ましくは2乃至20μmの範囲の平均粒子直径(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m
2/g、好ましくは8乃至50m2/gの範囲の表面積を有する粒子形態の上記コークスと、ポリマーに対して計算して0.05乃至10質量%、好ましくは0.5乃至5質量%の、1乃至30μm、好ましくは2乃至10μmの範囲の平均粒子直径(d
50)、ASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m
2/g、好ましくは8乃至50m
2/gの範囲の表面積、及び好ましくは1.5乃至5g/cm
3の範囲の密度を有する粒子形態の上記発泡グラファイトとを含む少なくとも1種の遮熱充填剤を混合すること;
b1.180乃至250℃の範囲の温度に混合物(a1)を加熱して、ポリマー溶融物を得、均質化すること;
c1.ポリマー溶融物に、少なくとも1種の発泡剤、及び場合によっては上記添加剤、例えば、上記難燃性システムを添加すること;
d1.発泡剤を取り込んだポリマー溶融物を均質化すること;
e1.200℃を超えず、かつ結果として生じるポリマー組成物のTgを下回らない温度に、ポリマー溶融物(d1)を均質に冷却すること;
f1.ポリマー溶融物をダイを介して押出して、発泡ポリマーシートを得ること
を含むプロセスに関する。
【0062】
本発明のさらなる対象物である発泡押出シートを製造するプロセスの1つの実施形態によれば、ビニル芳香族ポリマーに加えたコークスの遮熱充填剤は、ポリマーに対して計算して最大5質量%、例えば0.01乃至5質量%、好ましくは0.05乃至4.5質量%のカーボンブラックを含むことができる。カーボンブラックは、10乃至500nmの範囲の平均粒子サイズ(d
50)、及び5乃至40の範囲の表面積を有することができる。
【0063】
本発明の対象物である発泡押出シートを製造するプロセスの代替の実施形態によれば、ペレット形態のビニル芳香族ポリマーは、ビニル芳香族ポリマーの組成物によって、本発明に従って上記されたプロセスの1つに従って記載又は調製されるビーズ/顆粒で、完全又は部分的のいずれかで置換される。
【0064】
また、ビニル芳香族ポリマーをベースにした発泡押出シートを製造するプロセスにおいて、上記遮熱充填剤は上記マスターバッチを用いて使用され得る。
【0065】
ビニル芳香族ポリマーの発泡押出シートを調製するプロセスに関するより詳細な情報は、国際特許出願WO06/128656中に見出すことができる。いくつかの例示的非限定的実施例は、本発明をより理解するために、及びその具体化のために以下に提供される。
【実施例】
【0066】
実施例1(比較)
150質量部の水、0.2部のピロリン酸ナトリウム、100部のスチレン、0.25部のtert−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸エチル、0.25部のtert−ブチルペルベンゾアート及び2部のAsbury Graphite Mills社(USA)によって販売され、約5μmのサイズ(d
50)、約20m
2/gのBETを有するか焼コークス4023から成る混合物を密閉された撹拌容器の中へチャージする。混合物を撹拌下で90℃まで加熱する。
【0067】
90℃で約2時間後に、4部の10%のポリビニルピロリドンの溶液を加える。混合物を撹拌下でさらに2時間100℃までさらに加熱し、7部のn−ペンタン及びi−ペンタンの70/30混合物を加え、全混合物をさらに4時間125℃まで加熱し、次いでそれを冷却し、バッチを放出する。
【0068】
このように製造した発泡性ポリマーの顆粒をその後に回収し、水で洗浄する。次いで顆粒を暖気流中で乾燥させ、グリセリンベースのエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合物から成り、Dow社(Voranol CP4755)によって販売される0.02%の非イオン性界面活性剤を加え、それらを続いてスクリーニングして1乃至1.5mmの範囲の直径を有する画分を分離する。
【0069】
この画分は40%に相当することが示され、30%は0.5〜1mmの間の画分、15%は0.2〜0.5mmの間の画分、及び15%は肉眼的画分(1.5乃至3mmの間)であった。
【0070】
次いで、0.2%のモノステアリン酸グリセリン及び0.1%のステアリン酸亜鉛を1乃至1.5mmの画分に加える。
製品は100℃の温度で17g/lまで蒸気により前発泡させ、エイジングのため1日間放置し、ブロック(1040×1030×550mmの大きさを有する)の成型に使用した。
【0071】
次いで、ブロックを切断して平らなシートを調製し、その上で熱伝導率を測定する。70℃のオーブン中で5日置いた後に測定した熱伝導率は34.5mW/mKであった。遮熱充填剤のない試料で測定した熱伝導率は17g/lで40mW/mKに等しかった。
【0072】
実施例2
コークスが、1部の、Superior Graphite社によって製造されたタイプABG1005の発泡グラファイトで置換される以外は、実施例1におけるものと同じ手順が取り入れられる。この発泡グラファイトは、およそ6.5μmの粒子サイズ(d
50)、約16.5m
2/gの表面積(BET)、及び2.15g/cm
3の密度を有する。得られたシートは34mW/mKの熱伝導率を有する。
【0073】
実施例3
150質量部の水、0.2部のリン酸ナトリウム三カルシウム、100部のスチレン、0.25部のtert−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸エチル、0.25部のtert−ブチルペルベンゾアート、0.01部のメタ重亜硫酸ナトリウム、2部の比較の実施例1において使用したコークス、及び1部の実施例2において使用した発泡グラファイトから成る混合物を密閉された撹拌容器の中へチャージする。混合物を撹拌下で90℃まで加熱する。
【0074】
90℃で約2時間後に、混合物をさらに2時間100℃まで加熱し、7部のn−ペンタン及びi−ペンタンの70/30混合物を加え、混合物をさらに4時間125℃まで加熱し、次いでそれを冷却し、放出する。
【0075】
このように製造した発泡性ポリマーの顆粒を比較の実施例1のように加工し、1乃至1.5mmの範囲の直径を有する画分を分離する。
【0076】
この画分は60%に相当することが示され、25%は0.5乃至1mmの画分、5%は0.2乃至0.5mmの画分、及び10%は肉眼的な画分(1.5乃至3mm)であった。
【0077】
0.2%のモノステアリン酸グリセリン及び0.1%のステアリン酸亜鉛を1乃至1.5mmの画分に加える。
【0078】
実施例1において記載されるように発泡及び成型を行った。熱伝導率は17g/lで32mW/mKであることが証明された。
【0079】
実施例4(比較)
150質量部の水、0.2部のリン酸ナトリウム三カルシウム、100部のスチレン、0.30部のtert−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸エチル、0.25部のtert−ブチルペルベンゾアート、0.01部のメタ重亜硫酸ナトリウム、及び4部の実施例1において使用したコークスから成る混合物を密閉された撹拌容器の中へチャージする。混合物を撹拌下で90℃まで加熱する。
【0080】
90℃で約2時間後に、混合物をさらに2時間100℃まで加熱し、7部のn−ペンタン及びi−ペンタンの70/30混合物を加え、混合物をさらに4時間125℃まで加熱し、次いでそれを冷却し、放出する。
【0081】
このように製造した発泡性ポリマーの顆粒を実施例1のように加工し、1乃至1.5mmの範囲の直径を有する画分を分離する。
【0082】
この画分は60%に相当することが示され、25%は0.5乃至1mmの画分、5%は0.2乃至0.5mmの画分、及び10%肉眼的な画分(1.5乃至3mm)であった。
【0083】
0.2%のモノステアリン酸グリセリン及び0.1%のステアリン酸亜鉛を1乃至1.5mmの画分に加える。
【0084】
実施例1において記載されるように発泡及び成型を行った。熱伝導率は17g/lで33mW/mKであることが証明された。
【0085】
実施例5(比較)
比較の実施例4は、か焼コークス4023を、約6ミクロンのサイズMT50%、約11m
2/gのBETを有する、Asbury Graphite Mills社(USA)によって販売される針状コークス4727タイプで置換して反復した。熱伝導率は17g/lで32.5mW/mKであることが証明された。
【0086】
実施例6
3%の針状コークス4727及び1%のグラファイトABG1005を加えて、比較の実施例5を反復した。熱伝導率は17g/lで31.2mW/mKであることが証明された。
【0087】
実施例7
製品を耐火性にするために1.5%のヘキサブロモ−シクロドデカン(Albmarle社によって販売されるSaytex HP900)及び0.3%のジクミルパーオキサイドを加えて、実施例6を反復した。次いで1乃至1.5mmの画分を実施例1のように加工する。シートを2日間70℃のオーブン中に置いて残留ペンタンを除去した。次いで、試験試料を規則DIN4102に記載の燃焼挙動試験のために採取する(9cm×19cm×2cm)。試験試料は試験に合格した。熱伝導率は変化がないままである。
【0088】
実施例8(比較)
78部のPolimeri Europa社によって製造されたポリスチレンN1782、2部のエチレン−ビス−ステレアミド(stereamide)、20部の実施例1において使用したか焼コークス4023を、二軸スクリュー押出機中で混合する。押出製品は、以下に例証された本発明の発泡性組成物の製造においてマスターバッチとして使用される。
【0089】
89.8部のエチルベンゼン、730.0部のスチレン、56.2部のα−メチルスチレン及び0.2部のジビニルベンゼンを、撹拌反応器に供給する。
【0090】
上で示されるように調製された123.8部のマスターバッチを反応器の中へ供給し、溶解する(合計:1000部)。次いで、反応は125℃で、2時間の平均滞留時間で実行される。次いで、反応が135℃で、2時間の平均滞留時間で完了したところで、流出口の液体組成物を第2の反応器に供給する。
【0091】
生じた組成物(以下「組成物(A)」とし、72%の転換である)を240℃まで加熱し、続いて液化装置に供給して溶媒及び残留モノマーを除去する。それは、104℃のガラス転移温度、8g/10分の溶融流れ指数(MFI 200℃、5kg)、200000g/molの分子量Mw、及び2.8のMw/Mn比(Mwは重量平均分子量及びMnは数平均分子量)によって特徴づけられる。
【0092】
組成物(A)を液化装置から熱交換器に供給して、170℃までその温度を低下させる。
【0093】
120.7部のPolimeri Europa社によって製造されたポリスチレンN2982、24.2部のBR−E 5300(Chemtura社によって販売される安定化ヘキサブロモシクロドデカン)及び5.1部のPerkadox 30(登録商標)(Akzo Nobel社によって販売される2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン)を、合計150部で、第2の二軸スクリュー押出機に供給する。ギヤーポンプにより、この溶融添加剤の供給圧力を260bargまで増加させる。次いで47部のn‐ペンタン(75%)及びイソ−ペンタン(25%)の混合物を加圧し、添加剤の供給の中へ注入する。混合はおよそ190℃の温度で静的混合機の使用により行われる。このように得られた組成物は「組成物(B)」として以下に記載される。
【0094】
組成物(B)を、熱交換器からの850部の組成物(A)に加える。次いで、成分は7分の計算平均滞留時間で静的混合要素を用いて混合される。次いで組成物をダイに配給し、直径が0.5mmである多数の孔を介して押出し、直ちに水流で冷却し、一連の回転ナイフで切断する(米国特許7320585で記載されていた方法に従って)。
【0095】
顆粒化チャンバー中の圧力は5barであり、剪断速度は平均直径が1.2mmの顆粒を得るように選択される。水を冷却噴霧液として使用し、窒素をキャリヤーガスとして使用する。
【0096】
生じた顆粒を回転式乾燥器で乾燥し、次いでコーティングにより覆う。コーティングは、1000部の乾燥顆粒当たり、3部のモノステアリン酸グリセリン、1部のステアリン酸亜鉛及び0.2部のグリセリンを、顆粒に加えることによって調製する。連続スクリュー混合機を用いて、コーティングの添加剤を顆粒と混合する。
【0097】
実施例1において記載されるように、顆粒の発泡及び成型を行った。熱伝導率は32.0mW/mKであることが証明された。
【0098】
実施例1において記載されるように得られたシートのいくつかを、2日間70℃のオーブン中に入れる。次いで、試験試料を規則DIN4102に記載の燃焼挙動試験のために採取する(9cm×19cm×2cm)。試験試料は試験に合格した。
【0099】
実施例9
88部のポリスチレンN1782、2部のエチレン−ビス−ステレアミド及び10部の発泡グラファイトABG1005を、二軸スクリュー押出機中で混合する。押出製品(以下「組成物C」とする)を本発明の発泡性組成物の製造においてマスターバッチとして使用する。
【0100】
89.8部のエチルベンゼン、853.8部のスチレン、56.4部のα−メチルスチレン(合計:1000部)を撹拌反応器に供給する。反応は2時間の平均滞留時間で125℃で実行される。次いで反応が2時間の平均滞留時間で135℃で完了したところで、出射液体組成物を第2の反応器に供給する。
【0101】
生じた組成物(以下「組成物D」とし、72%の転換である)を240℃まで加熱し、続いて液化装置に供給して溶媒及び残留モノマーを除去する。組成物を液化装置から熱交換器に供給して、170℃までその温度を低下させる。
【0102】
154.0部のポリスチレンN2982、24.2部のBR−E 5300(Chemtura社によって販売される安定化したヘキサブロモシクロドデカン)、5.1部のPerkadox 30(登録商標)(Akzo Nobel社によって販売される2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン)及び100部の上で示された組成物Cを、合計283.3部で、第2の二軸スクリュー押出機に供給する。ギヤーポンプにより、この溶融添加剤の供給圧力を260bargまで増加させる。次いで47部のn‐ペンタン(75%)及びイソ−ペンタン(25%)の混合物を加圧し、添加剤の供給の中へ注入する。混合はおよそ190℃の温度で静的混合機により行われる。
【0103】
このように混合された組成物を熱交換器からの716.7部の組成物(D)に加える。次いで、成分は7分の計算平均滞留時間で静的混合要素を用いて混合される。次いで組成物をダイに配給し、直径が0.7mmである多数の孔を介して押出し、比較の実施例8でのよう、直ちに水流で冷却し、一連の回転ナイフで切断し、従って、しかしながら、平均直径が1.4mmの顆粒を得た。
【0104】
比較の実施例8において記載されるように、生じた顆粒を回転式乾燥器で乾燥し、次いでコーティングにより覆った。
【0105】
実施例1において記載されるように、顆粒の発泡及び成型を行った。熱伝導率は32.2mW/mKであることが証明された。
【0106】
実施例1において記載されるように得られたシートのいくつかを、2日間70℃のオーブンで入れた。次いで、試験試料を規則DIN 4102に記載の燃焼挙動試験のために採取する(9cm×19cm×2cm)。試験試料は試験に合格した。
【0107】
実施例10
71.33部のPolimeri Europa社によって製造されたポリスチレンN1782、2部のエチレン−ビス−ステレアミド、20部のか焼コークス4023、6.67部のグラファイトABG1005を、17g/lで発泡及び成型した最終的な顆粒が31.2mW/mKの熱伝導率を示す限り、このマスターバッチの両方の調製において、及びその他全ての相において、比較の実施例8の同じ操作手順を使用して、二軸スクリュー押出機中で混合した。
【0108】
実施例11
97質量部のポリスチレンN1782及び2部のか焼コークス4023及び実施例1の1部の発泡グラファイトから成る混合物(A)を、2つの押出機のシステムに連続的に一続きで供給する。
【0109】
第1の押出機の内部の温度は220℃であり、ポリスチレンを融解し、添加剤と混合することが可能になる。
【0110】
発泡剤として2部のエチルアルコール及び4部の二酸化炭素を、100部の混合物(A)に対して、このように得られた混合物に供給する。
【0111】
発泡システムを含むポリマー溶融物を均質化し、120℃まで冷却し、矩形の横断面で300mm×1.5mmの大きさを有するダイを介して押出す。
【0112】
厚みが120mmである連続シートが得られる。シートの密度は35g/lであり、シートの内部のセル(実質的に球形)の平均サイズは、約500μmである。熱伝導率は33mW/mKであることが証明された。
【0113】
実施例11(比較)
遮熱剤が組み入れられない以外は、実施例11と同じ手順が反復される。得られたシートは35g/lの密度であり、シートの内部のセルの平均サイズは再び約500μmであった。熱伝導率は38mW/mKであることが証明された。
本発明の一態様として、例えば以下のものがある。
〔1〕a)50〜100質量%の1種以上のビニル芳香族モノマー及び0〜50質量%の少なくとも1種の共重合可能なモノマーを含むベースを重合することによって調製されるポリマーマトリックス;
b)ポリマー(a)に対して計算して1〜10質量%の、前記ポリマーマトリックス中に組み込まれる発泡剤;並びに
以下を含む遮熱充填剤:
c)ポリマー(a)に対して計算して0〜25質量%の、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する粒状カーボンコークス;及び
d)ポリマー(a)に対して計算して0.05〜10質量%の、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する粒状発泡グラファイト、
を含む発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物であって、ただし、カーボンコークスが0%である場合、発泡グラファイトの平均粒子直径は1乃至10μmの範囲である、発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物。
〔2〕前記遮熱充填剤が、ポリマー(a)に対して計算して最大5質量%のカーボンブラックを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記カーボンブラックが、10乃至500nmの範囲の平均粒子サイズ(d50)及び5乃至40m2/gの範囲の表面積を有する、前記〔2〕に記載の組成物。
〔4〕ポリマー(a)に対して0.1乃至8質量%の臭素化自己消火性添加剤、及びまたポリマー(a)に基づいて0.05乃至2質量%の、少なくとも1つの不安定なC−C又はO−O結合を含有する相乗剤を含む、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔5〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔6〕5乃至50g/lの範囲の密度及び25乃至50mW/mKの範囲の熱伝導率を有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物により得られる発泡品。
〔7〕10乃至200g/lの範囲の密度、0.01乃至1.00mmの範囲の平均セルサイズを有するビニル芳香族ポリマーのセルマトリックスを含み、かつ0.5乃至100μmの範囲中の平均粒子直径(d50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態のグラファイトとを含む、0.1乃至35質量%の前記遮熱充填剤を含有する、ビニル芳香族ポリマーの押出発泡シート。
〔8〕前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%の前記カーボンブラックを含む、前記〔7〕に記載の押出シート。
〔9〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔7〕又は〔8〕に記載の押出シート。
〔10〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物をビーズ又は顆粒の形態で調製するプロセスであって、場合によっては最大50質量%の量の少なくとも1種の重合可能なコモノマーと共に、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態のグラファイトとを含む前記遮熱充填剤の存在下において、並びに少なくとも、重合の前、重合の間、又は重合の終了時に加えられる過酸化物ラジカル開始剤及び発泡剤の存在下において、1種以上のビニル芳香族モノマーを水性懸濁液中で重合することを含むプロセス。
〔11〕前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%の前記カーボンブラックをまた含む、前記〔10〕に記載のプロセス。
〔12〕水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、ビニル芳香族ポリマーを前記ビニル芳香族モノマーの質量に対して1乃至30質量%の範囲の濃度にまで該溶液中に溶解することによって増加される、前記〔10〕又は〔11〕に記載のプロセス。
〔13〕水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、1乃至30質量%の範囲のポリマー濃度が得られるまでモノマー又はモノマー混合物を塊状予備重合することによって増加される、前記〔10〕又は〔11〕に記載のプロセス。
〔14〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔10〕〜〔13〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔15〕重合の終了時に、0.2乃至3mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形の発泡性ポリマービーズ/顆粒が得られ、その中に前記遮熱充填剤が均質に分散される、前記〔10〕〜〔14〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔16〕連続的な塊状重合を通じて、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物をビーズ又は顆粒として調製するプロセスであって、以下の一連の工程を含むプロセス:
i.50000乃至250000の範囲の平均分子量Mwを有する、顆粒形態若しくは粉末形態又は既に溶融状態のビニル芳香族ポリマーを、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態グラファイトとを含む前記遮熱充填剤と、並びにあり得るさらなる添加剤と混合する工程;
ii.場合によっては、既に溶融状態でないならば、前記ビニル芳香族ポリマーの融点よりも高い温度に前記ポリマー混合物を至らせる工程;
iii.発泡剤、及び前記消火性システム等のあり得る他の添加剤を溶融ポリマー中に組み入れる工程;
iv.静的混合要素又は動的混合要素を用いて、このように得られたポリマー組成物を混合する工程;及び
v.ダイ、切断チャンバー及び切断システムを含む装置中で、このように得られた組成物を顆粒状にする工程。
〔17〕前記遮熱充填剤が、最終的なポリマーに対して計算して最大5質量%の前記カーボンブラックをまた含む、前記〔16〕に記載のプロセス。
〔18〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔16〕又は〔17〕に記載のプロセス。
〔19〕顆粒化の終了時に、0.2乃至3mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形の発泡性ポリマービーズ/顆粒が得られ、その中に前記遮熱充填剤が均質に分散される、前記〔16〕〜〔18〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔20〕50000乃至250000の範囲の平均分子量のビニル芳香族ポリマーをベースにしたマスターバッチ中に少なくとも前記遮熱添加剤を組み入れることが可能である、前記〔10〕〜〔19〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔21〕前記コークス、前記発泡グラファイト及び場合によっては前記カーボンブラックを含む遮熱充填剤の含有量が、マスターバッチ中、15乃至60質量%の範囲にある、前記〔20〕に記載のプロセス。
〔22〕ペレットマスターバッチが、ビニル芳香族モノマーの中に溶解される、前記〔10〕〜〔15〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔23〕ペレットマスターバッチが、顆粒状材料と又は溶液重合に由来する溶融状態ポリマーと混合される、前記〔16〕〜〔19〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔24〕溶液重合反応器に供給される前に、ペレットマスターバッチがビニル芳香族モノマー/溶媒混合物中に溶解される、前記〔16〕〜〔19〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔25〕前記〔7〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の押出発泡ビニル芳香族ポリマーシートを製造するプロセスであって、
a1.ペレット形態のビニル芳香族ポリマー、並びに、ポリマーに対して計算して0乃至25質量%の、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、ポリマーに対して計算して0.05乃至10質量%の、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態グラファイトとを含む少なくとも1種の遮熱充填剤を混合すること;
b1.混合物(a1)を180乃至250℃の範囲の温度に加熱して、ポリマー溶融物を得、均質化すること;
c1.前記ポリマー溶融物に、少なくとも発泡剤、及び場合によっては前記添加剤、例えば前記消火性システムを添加すること;
d1.発泡剤を組み入れている前記ポリマー溶融物を均質化すること;
e1.200℃を超えず、かつ結果として生じるポリマー組成物のTgを下回らない温度に、ポリマー溶融物(d1)を均質に冷却すること;
f1.ポリマー溶融物をダイを通して押出して、ポリマー発泡シートを得ること
を含むプロセス。
〔26〕ビニル芳香族ポリマーに添加される前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%の前記カーボンブラックを含む、前記〔25〕に記載のプロセス。
〔27〕前記発泡グラファイトが、1.5から5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔25〕又は〔26〕に記載のプロセス。
〔28〕前記ペレットのビニル芳香族ポリマーが、前記〔10〕〜〔24〕のいずれか一項に記載又は従って調製される、ビーズ/顆粒の形態のビニル芳香族ポリマー組成物によって、完全に又は部分的に置換される、前記〔25〕〜〔27〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔29〕前記ビニル芳香族ポリマーのペレットが、前記遮熱充填剤がマスターとして又は消費後製品からの派生物として分散されているビニル芳香族ポリマーによって、完全に又は部分的に置換される、前記〔25〕〜〔27〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔1’〕a)50〜100質量%の1種以上のビニル芳香族モノマー及び0〜50質量%の少なくとも1種の共重合可能なモノマーを含むベースを重合することによって調製されるポリマーマトリックス;
b)ポリマー(a)に対して計算して1〜10質量%の、前記ポリマーマトリックス中に組み込まれる発泡剤;並びに
以下を含む遮熱充填剤:
c)ポリマー(a)に対して計算して0〜25質量%の、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する粒状カーボンコークス;及び
d)ポリマー(a)に対して計算して0.05〜10質量%の、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する粒状発泡グラファイト、
を含む発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物であって、ただし、カーボンコークスが0%である場合、発泡グラファイトの平均粒子直径は1乃至10μmの範囲である、発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物。
〔2’〕前記遮熱充填剤が、ポリマー(a)に対して計算して最大5質量%のカーボンブラックを含む、前記〔1’〕に記載の組成物。
〔3’〕前記カーボンブラックが、10乃至500nmの範囲の平均粒子サイズ(d50)及び5乃至40m2/gの範囲の表面積を有する、前記〔2’〕に記載の組成物。
〔4’〕ポリマー(a)に対して0.1乃至8質量%の臭素化自己消火性添加剤、及びまたポリマー(a)に基づいて0.05乃至2質量%の、少なくとも1つの不安定なC−C又はO−O結合を含有する相乗剤を含む、前記〔1’〕〜〔3’〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔5’〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔1’〕〜〔4’〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔6’〕5乃至50g/lの範囲の密度及び25乃至50mW/mKの範囲の熱伝導率を有する前記〔1’〕〜〔5’〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物により得られる発泡品。
〔7’〕10乃至200g/lの範囲の密度、0.01乃至1.00mmの範囲の平均セルサイズを有するビニル芳香族ポリマーのセルマトリックスを含み、かつ0.5乃至100μmの範囲中の平均粒子直径(d50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する発泡粒状形態のグラファイトとを含む、0.1乃至35質量%の遮熱充填剤を含有する、ビニル芳香族ポリマーの押出発泡シート。
〔8’〕前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%のカーボンブラックを含む、前記〔7’〕に記載の押出シート。
〔9’〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔7’〕又は〔8’〕に記載の押出シート。
〔10’〕前記〔1’〕〜〔5’〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物をビーズ又は顆粒の形態で調製するプロセスであって、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態のグラファイトとを含む前記遮熱充填剤の存在下において、並びに少なくとも、重合の前、重合の間、又は重合の終了時に加えられる過酸化物ラジカル開始剤及び発泡剤の存在下において、1種以上のビニル芳香族モノマーを水性懸濁液中で重合することを含むプロセス。
〔11’〕前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%のカーボンブラックをまた含む、前記〔10’〕に記載のプロセス。
〔12’〕水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、ビニル芳香族ポリマーを前記ビニル芳香族モノマーの質量に対して1乃至30質量%の範囲の濃度にまで該溶液中に溶解することによって増加される、前記〔10’〕又は〔11’〕に記載のプロセス。
〔13’〕水中に懸濁されるビニル芳香族モノマーの反応溶液の粘度が、1乃至30質量%の範囲のポリマー濃度が得られるまでモノマー又はモノマー混合物を塊状予備重合することによって増加される、前記〔10’〕又は〔11’〕に記載のプロセス。
〔14’〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔10’〕〜〔13’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔15’〕重合の終了時に、0.2乃至3mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形の発泡性ポリマービーズ/顆粒が得られ、その中に前記遮熱充填剤が均質に分散される、前記〔10’〕〜〔14’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔16’〕連続的な塊状重合を通じて、前記〔1’〕〜〔5’〕のいずれか一項に記載の発泡性ビニル芳香族ポリマー組成物をビーズ又は顆粒として調製するプロセスであって、以下の一連の工程を含むプロセス:
i.50000乃至250000の範囲の重量平均分子量Mwを有する、顆粒形態若しくは粉末形態又は既に溶融状態のビニル芳香族ポリマーを、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態グラファイトとを含む前記遮熱充填剤と混合する工程;
ii.既に溶融状態でないならば、前記ビニル芳香族ポリマーの融点よりも高い温度に前記ポリマー混合物を至らせる工程;
iii.発泡剤を溶融ポリマー中に組み入れる工程;
iv.静的混合要素又は動的混合要素を用いて、このように得られたポリマー組成物を混合する工程;及び
v.ダイ、切断チャンバー及び切断システムを含む装置中で、このように得られた組成物を顆粒状にする工程。
〔17’〕前記遮熱充填剤が、最終的なポリマーに対して計算して最大5質量%のカーボンブラックをまた含む、前記〔16’〕に記載のプロセス。
〔18’〕前記発泡グラファイトが、1.5乃至5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔16’〕又は〔17’〕に記載のプロセス。
〔19’〕顆粒化の終了時に、0.2乃至3mmの範囲の平均直径を有する実質的に球形の発泡性ポリマービーズ/顆粒が得られ、その中に前記遮熱充填剤が均質に分散される、前記〔16’〕〜〔18’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔20’〕50000乃至250000の範囲の重量平均分子量のビニル芳香族ポリマーをベースにしたマスターバッチ中に少なくとも遮熱添加剤を組み入れることが可能である、前記〔10’〕〜〔19’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔21’〕前記コークス及び前記発泡グラファイトを含む遮熱充填剤の含有量が、マスターバッチ中、15乃至60質量%の範囲にある、前記〔20’〕に記載のプロセス。
〔22’〕ペレットマスターバッチが、ビニル芳香族モノマーの中に溶解される、前記〔10’〕〜〔15’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔23’〕ペレットマスターバッチが、顆粒状材料と又は溶液重合に由来する溶融状態ポリマーと混合される、前記〔16’〕〜〔19’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔24’〕溶液重合反応器に供給される前に、ペレットマスターバッチがビニル芳香族モノマー/溶媒混合物中に溶解される、前記〔16’〕〜〔19’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔25’〕前記〔7’〕〜〔9’〕のいずれか一項に記載の押出発泡ビニル芳香族ポリマーシートを製造するプロセスであって、
a1.ペレット形態のビニル芳香族ポリマー、並びに、ポリマーに対して計算して0乃至25質量%の、0.5乃至100μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至200m2/gの範囲の表面積を有する前記粒状コークスと、ポリマーに対して計算して0.05乃至10質量%の、1乃至30μmの範囲の平均粒子直径(d50)(サイズ)、及びASTM D−3037−89(BET)に従って測定して5乃至500m2/gの範囲の表面積を有する前記発泡粒状形態グラファイトとを含む少なくとも1種の遮熱充填剤を混合すること;
b1.混合物(a1)を180乃至250℃の範囲の温度に加熱して、ポリマー溶融物を得、均質化すること;
c1.前記ポリマー溶融物に、少なくとも発泡剤を添加すること;
d1.発泡剤を組み入れている前記ポリマー溶融物を均質化すること;
e1.200℃を超えず、かつ結果として生じるポリマー組成物のTgを下回らない温度に、ポリマー溶融物(d1)を均質に冷却すること;
f1.ポリマー溶融物をダイを通して押出して、ポリマー発泡シートを得ること
を含むプロセス。
〔26’〕ビニル芳香族ポリマーに添加される前記遮熱充填剤が、ポリマーに対して計算して最大5質量%のカーボンブラックを含む、前記〔25’〕に記載のプロセス。
〔27’〕前記発泡グラファイトが、1.5から5g/cm3の範囲の密度を有する、前記〔25’〕又は〔26’〕に記載のプロセス。
〔28’〕前記ペレットのビニル芳香族ポリマーが、前記〔10’〕〜〔24’〕のいずれか一項に記載又は従って調製される、ビーズ/顆粒の形態のビニル芳香族ポリマー組成物によって、完全に又は部分的に置換される、前記〔25’〕〜〔27’〕のいずれか一項に記載のプロセス。
〔29’〕前記ビニル芳香族ポリマーのペレットが、前記遮熱充填剤がマスターとして又は消費後製品からの派生物として分散されているビニル芳香族ポリマーによって、完全に又は部分的に置換される、前記〔25’〕〜〔27’〕のいずれか一項に記載のプロセス。