(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱可塑性材料が、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ならびにそれらの共重合体、三共重合体、およびそれらの充填複合材料からなるグループから選択される、請求項12に記載のシリンジプランジャ。
熱硬化性材料が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、エステル、ビニルエステル、エポキシポリエステル、アクリルウレタン、およびフルオロビニルからなるグループから選択される、請求項12に記載のシリンジプランジャ。
エポキシ樹脂材料が、可視、紫外線、および熱の架橋結合からなるグループから選択される方法により硬化されることができる反応官能性を含む、請求項16に記載のシリンジプランジャ。
熱可塑性材料が、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ならびにそれらの共重合体、三共重合体、およびそれらの充填複合材料からなるグループから選択される、請求項34に記載の自動注入機器。
熱硬化性材料が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、エステル、ビニルエステル、エポキシポリエステル、アクリルウレタン、およびフルオロビニルからなるグループから選択される、請求項34に記載の自動注入機器。
エポキシ樹脂材料が、可視、紫外線、および熱の架橋結合からなるグループから選択される方法により硬化されることができる反応官能性を含む、請求項38に記載の自動注入機器。
【発明を実施するための形態】
【0033】
例示的実施形態が、始動機構に係合するために必要とされるFtFを改善することにより、従来の自動注入機器の上記で説明される欠陥を是正する。例示的実施形態は、部分的に、改善されたFtFを有する始動機構組立体、改善されたFtFを有する始動機構組立体を含む自動注入機器、自動注入機器でのFtFを改善する方法、および改善されたFtFを有する自動注入機器を使用して物質を患者の体の中に送達する方法を提供する。例示的実施形態により提供される自動注入機器は、液体治療薬、たとえばアダリムマブ(adalimumab)(ヒュミラ(登録商標)(HUMIRA
(R)))を含むがそれに限定されない任意のタイプの物質を患者の体の中に投与するために使用されることができる。
【0034】
自動注入機器は便利で、痛みが少なく、「針恐怖症」の患者のために不安および心配を取り除く隠れた針を有する。例示的自動注入機器は安全性の利点を提供する。従来のシリンジと異なり、自動注入機器では針の露出がない。例示的実施形態は針を囲み、使用前後に患者を針刺しのけがから守る針スリーブを含むことができる。さらに、自動注入機器上の安全キャップが、あらかじめ充填されたシリンジで発生する可能性のある偶然の誤発射を防止することができる。聞こえる「クリック」が注入の開始を告知することができ、検査窓内の弁別的指標が、全投与量が完全に投与されたことを患者に示すことができる。
【0035】
定義
本節では、例示的実施形態の理解を容易にするために、ある種の用語が定義される。
【0036】
例示的実施形態の自動注入機器、たとえば自動注入ペンは「治療上効果的量」または「予防上効果的量」の本発明の抗体または抗体部分を含むことができる。「予防上効果的量」は、投与量において、および必要な期間に所望の治療結果を達成するのに効果的量を指す。治療上効果的量の抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤は、因子たとえば患者の病期、年齢、性別、および体重、ならびに抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤が患者に所望の反応を引き出す能力に従って変わり得る。治療上効果的量はまた、抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤の任意の有毒なまたは有害な効果が治療上有益な効果により上回られる量である。「予防上効果適量」は、投与量において、および必要な期間に所望の予防効果を達成するのに効果的量を指す。典型的には、予防的投与量は疾病前または疾病の初期段階で患者に使用されるので、予防上効果適量は治療上効果的量よりも少ない。
【0037】
「物質」は、例示的自動注入機器を利用している患者に治療上効果的量を投与されることができる任意のタイプの薬物、生物学的活性薬剤、生物学的物質、化学物質、または生化学物質を指す。例示的物質が、液体状態の薬剤を含むがそれに限定されない。そのような薬剤は、アダリムマブ(HUMIRA
(R))、および溶液状態のタンパク質、たとえば融合タンパク質および酵素を含むことができるがそれに限定されない。溶液の状態のタンパク質の例が、パルモザイム(Pulmozyme)(ドルナーゼアルファ(Dornase alfa))、レグラネクス(Regranex)(ベカプレルミン(Becaplermin))、アクティバーゼ(Activase)(アルテプラーゼ(Atleplase))、アルドラザイム(Aldurazyme)(ラロニダーゼ(Laronidase))、アメビブ(Amevive)(アレファセプト(Alefacept))、アラネスプ(Aranesp)(ダルベポエチンアルファ(Darbepoetin alfa))、ベカプレルミン濃縮物、ベタセロン(Betaseron)(インターフェロンベータ−1b(Interferon beta−1b))、ボトックス(BOTOX)(A型ボツリヌス毒素(Botulinum Toxin Type A))、エリテック(Elitek)(ラスブリカーゼ(Rasburicase))、エルスパ(Elspar)(アスパラギナーゼ(Asparaginase))、エポジェン(Epogen)(エポエチンアルファ(Epoetin alfa))、エンブレル(Enbrel)(エタネルセプト(Etanercept))、ファブラザイム(Fabrazyme)(アガルシダーゼベータ(Agalsidase beta))、インファージェン(Infergen)(インターフェロンアルファコン−1(Interferon alfacon−1))、イントロンA(Intron A)(インターフェロンアルファ−2a(Interferon alfa−2a))、キネレット(Kineret)(アナキンラ(Anakinra))、マイオブロック(MYOBLOC)(B型ボツリヌス毒素(Botulinum toxin type B))、ニューラスタ(Neulasta)(ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim))、ニューメガ(Neumega)(オプレルベキン(Oprelvekin))、ノイプジェン(Neupogen)(フィルグラスチム(Filgrastim))、オンタック(Ontak)(デニロイキンディフチトクス(Denileukin diftitox))、ペガシス(PEGASYS)(ペグインターフェロンアルファ−2a(Peginterferon alfa−2a))、プロリュウキン(Proleukin)(アルデスロイキン(Aldesleukin))、パルモザイム(Pulmozyme)(ドルナーゼアルファ(Dornase alfa))、レビフ(Rebif)(インターフェロンベータ−1a(Interferon beta−1a))、レグラネクス(Regranex)(ベカプレルミン(Becaplermin))、レタバーゼ(Retavase)(レテプラーゼ(Reteplase))、ロフェロン−A(Roferon−A)(インターフェロンアルファ−2(Interferon alfa−2))、TNKアーゼ(TNKase)(テネクテプラーゼ(Tenecteplase))、ならびにザイグリス(Xigris)(ドロトレコギンアルファ(Drotrecogin alfa))、アーカリスト(Arcalyst)(リロナセプト(Rilonacept))、エヌプレート(NPlate)(ロミプロスチム(Romiplostim))、ミルセラ(Mircera)(メトキシポリエチレングリコールエポエチンベータ)、シンライズ(Cinryze)(C1エステラーゼ阻害剤)、エラプラーゼ(Elaprase)(イデュルスルファーゼ(idursulfase))、ミオザイム(Myozyme)(アルグルコシダーゼアルファ)、オレンシア(Orencia)(アバタセプト(abatacept))、ナグラザイム(Naglazyme)(ガルスルファーゼ)、ケピバンス(Kepivance)(パリフェルミン(palifermin))、およびアクティミューン(Actimmune)(インターフェロンガンマ−1b)を含むがそれに限定されない。
【0038】
溶液中のタンパク質がまた、免疫グロブリンまたはその抗原結合断片、たとえば抗体、または抗体の抗原結合部分でもよい。例示的自動注入機器で使用されることができる抗体の例が、キメラ抗体、非ヒト抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、およびドメイン抗体(domain antibody、dAb)を含むがそれに限定されない。例示的実施形態では、免疫グロブリンまたはその抗原結合断片は、抗TNFαおよび/または抗インターロイキン12抗体(たとえば、二重可変ドメイン免疫グロブリン(dual variable domain immunoglobulin)(DVD)Ig
(TM)でもよい)である。例示的実施形態の方法および構成で使用されることができる免疫グロブリンまたはその抗原結合断片の別の例が、1D4.7(抗インターロイキン12/インターロイキン23抗体;Abott Laboratories)、2.5(E)mg1(抗インターロイキン18;Abott Laboratories)、13C5.5(抗インターロイキン13抗体;Abott Laboratories)、J695(抗インターロイキン12;Abbott Laboratories)、アフェリモマブ(Afelimomab)(Fab2抗TNF;Abbott Laboratories)、ヒュミラ(アダリムマブ)Abott Laboratories)、キャンパス(Campath)(アレムツズマブ(Alemtuzumab))、CEA−Scanアルシツモマブ(Arcitumomab)(fab断片)、エルビタックス(Erbitux)(セツキシマブ(Cetuximab))、ハーセプチン(Herceptin)(トラスツズマブ(Trastuzumab))、ミオシント(Myoscint)(イムシロマブペンテテート(Imciromab Pentetate))、プロスタシント(ProstaScint)(カプロマブペンデチド(Capromab Pendetide))、レミケード(Remicade)(インフリキシマブ(Infliximab))、レオプロ(ReoPro)(アブシキシマブ(Abciximab))、リツキサン(Rituxan)(リツキシマブ(Rituximab))、シムレクト(Simulect)(バシリキシマブ(Basiliximab))、シナジス(Synagis)(パリビズマブ(Palivizumab))、ベルルマ(Verluma)(ノフェツモマブ(Nofetumomab))、ゾーレア(Xolair)(オマリズマブ(Omalizumab))、ゼナパックス(Zenapax)(ダクリズマブ(Daclizumab))、ゼバリン(Zevalin)(イブリツモマブチウキセタン(Ibritumomab Tiuxetan))、オルソクローンOKT3(Orthoclone OKT3)(ムロモナブ−CD3(Muromonab−CD3))、パノレックス(Panorex)(エドレコロマブ(Edrecolomab))、マイロターグ(Mylotarg)(ゲムツズマブオゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin))、ゴリムマブ(golimumab)(Centocor社)、シムジア(Cimzia)(セルトリズマブペゴール(Certolizumab pegol))、ソリリス(Soliris)(エクリズマブ(Eculizumab))、CNTO1275(ウステキヌマブ(ustekinumab))、ベクチビックス(Vectibix)(パニツムマブ(panitumumab))、ベクザー(Bexxar)(トシツモマブ(tositumomab)およびI
131トシツモマブ)、およびアバスチン(Avastin)(ベバシズマブ(bevacizumab))を含むがそれに限定されない。
【0039】
例示的実施形態の方法および構成で使用されることができる免疫グロブリンまたはそれの抗原結合断片の追加の例が、以下の、すなわちD2E7軽鎖可変領域(配列番号:1)、D2E7重鎖可変領域(配列番号:2)、D2E7軽鎖可変領域CDR3(配列番号:3)、D2E7重鎖可変領域CDR3(配列番号:4)、D2Eおよび軽鎖可変領域CDR2(配列番号:5)、D2E7重鎖可変領域CDR2(配列番号:6)、D2E7軽鎖可変領域CDR1(配列番号:7)、D2E7重鎖可変領域CDR1(配列番号:8)、2SD4軽鎖可変領域(配列番号:9)、2SD4重鎖可変領域(配列番号:10)、2SD4軽鎖可変CDR3(配列番号:11)、EP B12軽鎖可変CDR3(配列番号:12)、VL10E4軽鎖可変CDR3(配列番号:13)、VL100A9軽鎖可変CDR3(配列番号:14)、VLL100D2軽鎖可変CDR3(配列番号:15)、VLL0F4軽鎖可変CDR3(配列番号:16)、LOE5軽鎖可変CDR3(配列番号:17)、VLLOG7軽鎖可変CDR3(配列番号:18)、VLLOG9軽鎖可変CDR3(配列番号:19)、VLLOH1軽鎖可変CDR3(配列番号:20)、VLLOH10軽鎖可変CDR3(配列番号:21)、VL1B7軽鎖可変CDR3(配列番号:22)、VL1C1軽鎖可変CDR3(配列番号:23)、VL0.1F4軽鎖可変CDR3(配列番号:24)、VL0.1H8軽鎖可変CDR3(配列番号:25)、LOE7.A軽鎖可変CDR3(配列番号:26)、2SD4重鎖可変領域CDR(配列番号:27)、VH1B11重鎖可変領域CDR(配列番号:28)、VH1D8重鎖可変領域CDR(配列番号:29)、VH1A11重鎖可変領域CDR(配列番号:30)、VH1B12重鎖可変領域CDR(配列番号:31)、VH1E4重鎖可変領域CDR(配列番号32)、VH1F6重鎖可変領域CDR(配列番号:33)、3C−H2重鎖可変領域CDR(配列番号:34)、およびVH1−D2.N重鎖可変領域CDR(配列番号:35)の1つまたは複数を含むタンパク質を含むがそれに限定されない。
【0040】
「ヒトTNFα」(本明細書ではhTNFαまたは簡単にhTNFと省略される)は、生物学的活性形態が非共有結合17kD分子の三量体から作り出される17kD分泌形態および26kD膜結合性形態として存在するヒトサイトカインを指す。hTNFαの構造は、たとえばPennica、D.ら(1984)Nature 312:724−729;Davis、J.M.ら(1987)Biochem.26:1322−1326;およびJones、E.Y.ら(1989)Nature 338:225−228でさらに説明されている。用語ヒトTNFαは、標準的組換え発現法により準備される、または商業的に購入される(R&D Systems社、カタログ番号210−TA、Minneapolis、MN)ことができる遺伝子組換えヒトTNFα(rhTNFα)を含むことが意図される。TNFαはTNFとも呼ばれる。
【0041】
用語「TNFα阻害剤」は、TNFα活性を妨げる薬剤を指す。用語はまた、抗TNFαヒト抗体(本明細書においてTNFα抗体と同じ意味で使用される)および本明細書で説明される抗体部分だけではく米国特許第6,090,382号明細書、第6,258,562号明細書、第6,509,015号明細書、第7,223,394号明細書、および第6,509,015号明細書で説明されるものそれぞれを含む。一実施形態では、本発明で使用されるTNFα阻害剤は、抗TNFα抗体またはその断片であり、インフリキシマブ(レミケード(登録商標)(Remicade
(R))、Johnson and Johnson社;米国特許第5,656,272号明細書で説明されている);CDP571(ヒト単クローン抗TNFαIgG4抗体);CDP870(ヒト化単クローン抗TNFα抗体断片);抗TNF dAb(Peptech社);CNTO 148(ゴリムマブ;Centocor社、国際公開第02/12502号パンフレットおよび米国特許第7,521,206号明細書および米国特許第7,250,165号明細書を参照のこと);およびアダリムマブ(HUMIRA
(R) Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb、米国特許第6,090,382号明細書でD2E7として説明されている)を含む。本発明で使用されることができる別のTNF抗体が、米国特許第6,593,458号明細書、第6,498,237号明細書、第6,451,983号明細書、および第6,448,380号明細書で説明されている。別の実施形態では、TNFα阻害剤はTNF融合タンパク質、たとえばエタネルセプト(エンブレル(登録商標)(Enbrel
(R)、Amgen社;国際公開第91/03553号パンフレットおよび国際公開第09/406476号パンフレットで説明されている)。別の実施形態では、TNFα阻害剤は遺伝子組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono社)である。
【0042】
一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」はインフリキシマブを除外する。一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」はアダリムマブを除外する。別の実施形態では、用語「TNFα阻害剤」はアダリムマブおよびインフリキシマブを除外する。
【0043】
一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」はエタネルセプト、ならびに任意選択でアダリムマブ、インフリキシマブ、およびアダリムマブとインフリキシマブを除外する。
【0044】
一実施形態では、用語「TNFα抗体」はインフリキシマブを除外する。一実施形態では、用語「TNFα抗体」はアダリムマブを除外する。別の実施形態では、用語「TNFα抗体」はアダリムマブおよびインフリキシマブを除外する。
【0045】
「抗体」は、一般にジスルフィド結合により相互接続される4つのポリペプチド鎖、すなわち2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖からなる免疫グロブリン分子である。各重鎖は重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと省略される)および重鎖定常部からなる。重鎖定常部は3つのドメイン、すなわちCH1、CH2、およびCH3からなる。各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと省略される)および軽鎖定常部からなる。軽鎖定常部は1つのドメインCLからなる。VHおよびVLの領域は、フレームワーク領域(framework region、FR)と呼ばれるより保存される領域と共に散在する相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼ばれる高頻度可変性の領域にさらに細分されることができる。各VHおよびVLは、以下の順序で、すなわちFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で、アミノ末端からカルボキシ末端まで配列される3つのCDRおよび4つのFRから作り出される。本発明の抗体は、米国特許第6,090,382号明細書、第6,258,562号明細書、および第6,509,015号明細書でさらに詳細に説明されている。
【0046】
抗体の「抗原結合部分」(または簡単に「抗体部分」)は、抗原(たとえばhTNFα)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数の断片を指す。全長の抗体の断片が抗体の抗原結合機能を実行することができる。抗体の用語「抗原結合部分」内部に包含される結合断片の例が、(i)VL、VH、CL、およびCH1のドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結される2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)
2断片、(iii)VHおよびCH1のドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHのドメインからなるFv断片、(v)VHおよびVLのドメインからなるdAb断片(Wardら(1984)Nature 341:544−546)、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、および(vii)二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)を含む。さらに、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは別個の遺伝子によりコードされるが、VLおよびVHの領域対が一価分子を形成する単一タンパク質鎖として2つのドメインが作られることができるようにする合成リンカ(synthetic linker)により遺伝子組換え法を使用して2つのドメインが連結されることができる(単鎖Fv(scFv)として知られている;たとえばBirdら(1988)Science 242:423−426、およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照のこと)。そのような単鎖抗体はまた、抗体の用語「抗原結合部分」の中に包含される。単鎖抗体の別の形態、たとえば二重特異性抗体も包含される。短すぎて同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を考慮することができず、それによりドメインを別の鎖の相補ドメインと対形成させ、2つの抗原結合部位を生成するリンカを使用することを除いて、二重特異性抗体は、VHおよびVLのドメインが単一ポリペプチド鎖上で発現される二価の二重特異性抗体である(たとえばHolligerら(1993)Proc.Natl.Acad.Aci.USA 90:6444−6448、およびPoljakら(1994)Structure 2:1121−1123を参照のこと)。本発明の抗体部分が、米国特許第6,090,382号明細書、第6,258,562号明細書、および第6,509,015号明細書でさらに詳細に説明されている。
【0047】
「遺伝子組換えヒト抗体」は、遺伝子組換え手段により準備される、発現される、生成される、または単離されるすべてのヒト抗体を指し、たとえば宿主細胞(以下でさらに説明される)の中にトランスフェクトされる組換え発現ベクタを使用して発現される抗体、遺伝子組換えの組合せヒト抗体ライブラリ(以下でさらに説明される)から単離される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対して遺伝子導入した動物(たとえばマウス)から単離される抗体(たとえばTaylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287を参照のこと)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を別のDNA配列にスプライスすることを伴う任意の別の手段により準備される、発現される、生成される、または単離される抗体を指す。そのような遺伝子組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列から得られる可変領域および定常部を有する。しかし、ある種の実施形態では、そのような遺伝子組換えヒト抗体はインビボの突然変異誘発(またはヒトIg配列遺伝子組換え動物が使用されるとき、インビボの体細胞突然変異誘発)を受け、したがって、遺伝子組換え抗体のVHおよびVLの領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVLの配列から得られそれに関連付けられるが、インビボのヒト抗体生殖系列レパートリの中に天然に存在しないことがあり得る配列である。
【0048】
そのようなキメラのヒト化されたヒトのおよび二重特異性の抗体は、当技術分野で知られている遺伝子組換えDNA技術により、たとえば、PCT国際出願第PCT/US86/02269号明細書;欧州特許出願第184,187号明細書;欧州特許出願第171,496号明細書;欧州特許出願第173,494号明細書;PCT国際公開第86/01533号パンフレット;米国特許第4,816,567号明細書;欧州特許出願第125,023号明細書;Betterら(1988)Science 240:1041−1043;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521−3526;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218;Nishimuraら(1987)Cancer Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559;Morrison(1985)Science 229:1202−1207;Oiら(1986)BioTechniques 4:214;米国特許第5,225,539号明細書;Jonesら(1986)Nature 321:552−525;Verhoeyanら(1988)Science 239:1534;ならびにBeidlerら(1988)J.Immunol.141:4053−4060、Queenら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033(1989);米国特許第5,530,101号明細書;米国特許第5,585,089号明細書;米国特許第5,693,761号明細書;米国特許第5,693,762号明細書;国際公開第90/07861号パンフレット、および米国特許第5,225,539号明細書で説明される方法を使用して生成されることができる。
【0049】
「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する別の抗体を実質的に含まない抗体を指す(たとえばhTNFαに特異的に結合し、hTNFα以外の抗原に特異的に結合する抗体が実質的にない単離された抗体)。hTNFαに特異的に結合する単離された抗体は、別の抗原に対する、たとえば別の種からのTNFα分子に対する交差結合性を有することができる。さらに、単離された抗体は、別の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まないことがある。
【0050】
「中和抗体」(またはhTNFα活性を中和した抗体)は、hTNFαへの結合がhTNFαの生物活性の阻害をもたらす抗体を指す。hTNFαの生物活性のこの阻害は、hTNFα生物活性の1つまたは複数の指標、たとえばhTNFα誘発生物毒性(インビボまたはインビトロ)、hTNFα誘発細胞活性化、およびhTNFα受容体へのhTNFα結合を測定することにより評価されることができる。hTNFα生物活性のこれらの指標は、当技術分野で知られているいくつかの標準的インビトロまたはインビボの試験法の1つまたは複数により評価されることができる(米国特許第6,090,382号明細書を参照のこと)。好ましくは、抗体がhTNFα活性を中和する能力は、L929細胞のhTNFα誘発細胞毒性の阻害により評価される。hTNFα活性の追加のまたは代替のパラメータとして、抗体がHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)上でのELAM−1(血管内皮白血球接着分子1)のhTNFα誘発発現を阻害する能力が、hTNFα誘発細胞活性化の尺度として評価されることができる。
【0051】
「表面プラズモン共鳴」は、バイオセンサマトリックス内部のタンパク質濃度の変化の検出により、たとえばBIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB社、Uppsala、Sweden and Piscataway、NJ)を使用して、リアルタイムの生体特異相互作用の分析を考慮する光学現象を指す。それ以上の説明については、米国特許第6,258,562号明細書の実施例1、およびJonssonら(1993)Ann.Biol.Clin.51:19;Jonssonら(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnssonら(1995)J.Mol.Recognit.8:125;およびJohnssonら(1991)Anal.Biochem.198:268を参照のこと。
【0052】
「K
off」は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に対するオフ速度定数を指す。
【0053】
「K
d」は、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数を指す。
【0054】
「IC
50」は、対象とする生物学的終点を阻害するために、たとえば細胞毒性活性を中和するために必要とされる阻害剤の濃度を指す。
【0055】
「投与量」は、好ましくは本発明の自動注入機器を使用して患者に投与される物質、たとえばTNFα阻害剤の量を指す。一実施形態では、投与量は、たとえば20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、および160mgのTNFα阻害剤アダリムマブを含む効果的量を含む。
【0056】
「投薬」は、治療目的(たとえば慢性関節リウマチの治療)を達成するための物質(たとえば抗TNFα抗体)の投与を指す。
【0057】
「投薬計画」は、物質、たとえばTNFα阻害剤に対する処置計画、たとえば長期間にわたるおよび/または治療の経過の全体にわたる処置計画を説明し、たとえば0週目にTNFα阻害剤の第1の投与量を投与し、続けて隔週の投与計画でTNFαの第2の投与量を投与する。
【0058】
「隔週の投薬計画」、「隔週の投薬」、および「隔週の投与」は、治療目的を達成するために物質(たとえば抗TNFα抗体)を患者に投与する時間経過、たとえば治療の経過全体にわたる時間経過を指す。隔週の投薬計画は毎週の投薬計画を含むことが意図されない。好ましくは、物質は9日から19日ごとに、より好ましくは11日から17日ごとに、さらにより好ましくは13日から15日ごとに、および最も好ましくは14日ごとに投与される。一実施形態では、隔週の投薬計画は処置の0週目に患者において開始される。別の実施形態では、維持量が隔週の投薬計画で投与される。一実施形態では、負荷投与量も維持量も、隔週の投薬計画に従って投与される。一実施形態では、隔週の投薬は、TNFα阻害剤の投与量が0週目で始まる隔週で患者に投与される投与計画を含む。一実施形態では、隔週の投薬は、TNFα阻害剤の投与量が、所与の期間に、たとえば4週間、8週間、16週間、24週間、26週間、32週間、36週間、42週間、48週間、52週間、56週間など隔週で連続して患者に投与される投薬計画を含む。隔週の投与法はまた、米国特許出願第2003/0235585号明細書で説明されている。
【0059】
「第2の薬剤と組み合わせた第1の薬剤」という表現にあるように「組合せ」は、たとえば薬剤的に受け入れ可能な同じキャリア内で溶解されるまたは混合されることができる第1の薬剤および第2の薬剤の同時投与、または第1の薬剤に続いて第2の薬剤の投与、または第2の薬剤に続いて第1の薬剤の投与を含む。
【0060】
「併用治療処置」という表現にあるように「併用」は第2の薬剤のあるところで薬剤を投与することを含む。併用治療処置法は、第1、第2、第3、または追加の物質が同時投与される方法を含む。併用治療処置法はまた、第1または追加の薬剤が、たとえば前に投与されたことがある第2または追加の物質のあるところで投与される方法を含む。併用治療処置法は、異なる患者により段階的に実行されることができる。たとえば、1つの課題で第1の薬剤を患者に投与してもよく、第2の課題で第2の物質を患者に投与されてもよく、第1の物質(および追加の物質)が第2の物質(または追加の物質)のあるところでの投与後である限り、投与段階は同時に、またはほぼ同時に、または時間を離して実行されることができる。行為者および患者は同じ実体(たとえばヒト)でもよい。
【0061】
「併用療法」は、2つ以上の治療物質、たとえば抗TNFα抗体および別の薬物の投与を指す。1つまたは複数の別の薬物は、抗TNFα抗体の投与と併用して、その前に、またはその次に投与されることができる。
【0062】
「処置」は、治療処置だけでなく、疾患たとえばTNFαが有害な疾患、たとえば慢性関節リウマチの治療のための予防手段または抑制手段を指す。
【0063】
「患者」は、例示的自動注入機器を使用して物質を注入されることができる任意のタイプの動物、ヒト、またはヒト以外を指す。
【0064】
「自動注入機器」(または「オートインジェクタ(autoinjector)」)は、患者が物質、たとえば液体薬物の投与量を自己投与することができるようにする機器を指し、自動注入機器は、始動機構組立体が係合されたときに注入により患者の体の中に物質を自動的に送達するための始動機構組立体を含むことが標準的シリンジと異なる。例示的実施形態では、自動注入機器は患者の体に着用できる。
【0065】
「始動機構」は始動係合機構により係合されたとき、自動注入機器内に含まれる物質を患者の体の中に自動的に送達する仕組みを指す。始動係合機構は、始動機構をトリガするために患者により押されることができる始動ボタンを含むがそれに限定されない、始動機構に係合してトリガする任意のタイプの仕組みでもよい。
【0066】
「始動させる力」(または「FtF」)は、始動機構が機器内に含まれる物質を排出するように始動機構をトリガするために自動注入機器の始動係合機構に加えられなければならない最小の力を指す。必要とされるFtF以上の力を始動係合機構に加えることが、始動機構が機器から物質を排出するように、始動係合機構に始動機構をトリガさせる。他方、必要とされるFtFより低い力を始動係合機構に加えることは始動機構をトリガせず、したがって、始動機構は機器から物質を排出しない。自動注入機器に対する例示的FtFが、約5Nから約25Nまでの間の範囲でもよい。自動注入機器に対する別の例示的FtFが、約10Nから約15Nまでの間の範囲でもよい。自動注入機器に対するさらに別の例示的FtFが、最小値約25Nを有する。
【0067】
FtFは、患者により手動で、または作動機構により自動的に始動係合機構に加えられることができる。例示的実施形態では、FtFは、始動機構をトリガするために、最小期間、たとえば5秒間、10秒間など連続して加えられる必要があり得る。
【0068】
「曲げ弾性率」は、曲げ試験で得られる応力−ひずみ線図から得られるような材料の弾性限界の範囲内での最大応力対最大歪みの比を指す。材料の曲げ弾性率は材料の弾性の尺度、すなわち材料が変形させられ、引き続いて材料の元の形状に戻る能力である。
【0069】
「タブをつけられた足部(tabbed foot)」(または「タブ足部(tab foot)」)はシリンジプランジャの二またに分けられた末端の一方または両方のアームに取り付けられるまたはそこから突き出す材料を指し、始動係合機構に接触し、係合するように構成される。
【0070】
「初期接触面」(または「ICS」)は、シリンジプランジャの二またに分けられた末端で形成されるタブをつけられた足部の外面の部分を指す。ICSはタブをつけられた足部の上面とタブをつけられた足部の第2の接触面(SCS)の間に形成され、始動係合機構、たとえば始動ボタンに接触するように構成される。
【0071】
「第2の接触面」(または「SCS」)は、シリンジプランジャの二またに分けられた末端に形成されるタブをつけられた足部の外面の部分を指す。SCSはタブをつけられた足部のICSとタブをつけられた足部の底面の間に形成される。
【0072】
「初期接触面角」または「ICS角」はプランジャアームの縦軸に対してICSにより形成される角度を指す。
【0073】
「初期接触面長」または「ICS長」は、縦軸を横断する軸に沿って測定されるような、ICSとSCSの間の遷移点でのタブをつけられた足部の長さを指す。
【0074】
「プランジャアーム幅」は、シリンジプランジャの二またに分けられた末端のアーム間の長さを指す。
【0075】
「プランジャ・ベース・ブリッジ角」(または「PBB角」)は、シリンジプランジャの二またに分けられた末端のアーム間に形成される角度を指す。たとえば、PBB角0°は、プランジャアームが互いに平行にされていることを意味する。PBB角を増大させるとプランジャアーム幅が増大し、PBB角を減少させるとプランジャアーム幅が減少するという点で、PBB角とプランジャアーム幅の間に直接の関係がある。
【0076】
「あらかじめ充填されたシリンジ/機器」は、物質を患者に投与する直前に物質で満たされるシリンジ/機器、および物質で満たされ、物質を患者に投与する前のある期間このあらかじめ充填された形態で貯蔵されるシリンジ/機器を包含する。
【0077】
「熱可塑性材料」は、加熱されたときに軟化または融合する性質、ならびに冷却されたときに硬化して堅くなる特性を有する材料を指す。熱可塑性材料は、十分加熱されたときに液体に戻り、十分に冷却されたときに真のガラス状態に凝固する重合体である。熱可塑性材料は、材料がはっきりと感知できる任意の化学的変化を受けることなく繰り返し再び溶解され冷却されることができる。
【0078】
大部分の熱可塑性物質は、弱いファン・デル・ワールス(Van der Waals)力(ポリエチレン)、より強い双極子間相互作用および水素結合(ナイロン)、またはさらに芳香環のスタッキング(ポリスチレン)より鎖が結合する高分子量重合体である。熱可塑性重合体は、熱硬化性重合体と異なり、再び溶解され再び成型されることができるので、熱硬化性重合体(加硫ゴム)と異なる。多くの熱可塑性材料は付加重合体、たとえばビニル連鎖成長重合体、たとえばポリエチレンおよびポリプロピレンである。
【0079】
「熱硬化性材料」は、最初に加熱されたときに軟化して、次に、堅い永久的形態に凝縮する(しばしば架橋結合する)重合体材料を指す。熱硬化性材料は引き続く熱の適用により軟化されることができない、または再加工されることができない。
【0080】
熱硬化性材料は、不可逆的に硬化する重合体材料である。硬化は化学反応(たとえば二元エポキシ)により、または照射(たとえば電子線処理)により熱(一般に摂氏200℃を超える)を加えることにより行われることができる。熱硬化性材料は、熱放射、紫外線(UV)放射、および/または可視光により硬化された後、ならびに/あるいは加熱された後に、互いに架橋結合する長鎖重合体から作られる。硬化過程は材料を永久に堅くする。熱硬化性プラスチックは、硬化前には通常液体であるまたは可鍛性があり、最終形態に成型されるまたは接着剤として使用されるように設計される重合体材料である。一部の熱硬化性プラスチックは、典型的には半導体および集積回路で使用される成型材料のように固体である。
【0081】
例示的自動注入機器
例示的実施形態がある種の図示する実施形態を参照して以下で説明される。例示的実施形態が、自動注入機器を使用して液体投薬の投与量の注入を提供することに関して説明されるが、例示的実施形態が図示する実施形態に限定されないこと、および例示的自動注入機器が任意の適切な物質を患者の中に注入するために使用されることができることを当業者は認識されよう。さらに、例示的自動注入機器の構成要素、および例示的自動注入機器を作り使用する方法が、以下で説明される図示する実施形態に限定されない。
【0082】
「遠位の」は、機器が注入のためまたは注入を模倣するために患者に対して保持されるとき、患者の体の注入部位から最も遠い、例示的自動注入機器の部分または末端、あるいは構成要素を指す。
【0083】
「近位の」は、機器が注入のためまたは注入を模倣するために患者に対して保持されるとき、患者の体の注入部位に最も近い、例示的自動注入機器の部分または末端、あるいは構成要素を指す。
【0084】
図1および
図2は、物質、たとえば液体薬物の投与量を患者の中に注入するのに適した例示的自動注入機器10を図示する。図は、ハウジングの近位端および遠位端を覆うキャップが取り除かれた例示的自動注入機器10の斜視図を示す。
図2は、ハウジングの近位端および遠位端がキャップをかぶせられた
図1の例示的自動注入機器10の斜視図を示す。
【0085】
図1を参照すると、自動注入機器10は、患者の体の中に注入される物質の投与量を含む容器、たとえばシリンジを収容するためのハウジング12を含む。ハウジング12は、好ましくは管状構成を有するが、ハウジング12はシリンジまたは別の容器を収容するための任意の適したサイズ、形状、および構成を有することができることを当業者は認識されよう。例示的実施形態が、ハウジング12内に搭載されるシリンジに関して説明されるが、自動注入機器10は物質を貯蔵するおよび調剤するための任意の適した容器を利用することができることを当業者は認識されよう。
【0086】
例示的シリンジは、好ましくは以下で詳細に説明されるようにハウジング12内で滑動自在に搭載される。機器が非活動化された位置にあるとき、シリンジはケースに収められ、ハウジング12内部に引っ込められる。機器10が活動化されるとき、シリンジの針がハウジング12の第1の近位端20から突き出て、シリンジから患者の体の中への物質の放出を可能にする。示されるように、ハウジング12の第1の近位端20は機器10の作動中にシリンジの針が突き出る開口部28を含む。
【0087】
図1をさらに参照すると、ハウジング12の第2の遠位端30が、始動機構を作動させるための始動係合機構、たとえば始動ボタン32を含む。ハウジング12はまた、シリンジをハウジング12に対して引っ込められた位置から突き出る位置に移動させ、引き続いて物質をシリンジから患者の体の中に排出する始動機構、たとえば1つまたは複数のアクチュエータを収容する。
【0088】
例示的自動注入機器10はまた、ハウジング12の第1の末端20を覆って注入前の針の露出を防止するための第1の取り外しできるキャップ24(または針のキャップ)を含むことができる。図示される実施形態では、第1のキャップ24は、患者が機器10を活動化させる準備ができるまで機器10のキャップ24をロックするおよび/または連結するためのボス26を含むことができる。あるいは、第1のキャップ24はねじ山を切られたスクリュ部分を含むことができ、開口部28にあるハウジング12の内面がねじ山を含むことができる。任意の適切な嵌め合い機構が例示的実施形態の教示に従って使用されることができる。
【0089】
ハウジング12およびキャップ24、34は、自動注入機器10の使用を容易にするための図形、記号、および/または数字をさらに含むことができる。たとえば、ハウジング12は、
図2に示されるように、機器10が患者に対して(すなわち注入部位に隣接する第1の末端20に対して)どのように保持されるべきかを示すために機器10の第1の末端20に向く矢印125を外面上に含む。さらに、第1のキャップ24は、まず患者が機器の第1のキャップ24を取り除くべきであることを示す「1」のラベルをつけられ、第2のキャップは、第1のキャップ24が取り除かれた後、図示される自動注入機器10を使用してその後の注入の準備および注入中に第2のキャップ34が取り除かれるべきであることを示す「2」のラベルをつけられる。自動注入機器10は、患者への指示を容易にするための任意の適切な図形、記号、および/または数字を有してもよい、あるいは自動注入機器はそのような図形、記号、および/または数字を省いてもよいことを当業者は認識されよう。
【0090】
図2に示されるように、ハウジング12の第1の末端20は第2の末端30よりも広い直径を有することができる。第2のキャップ34を収容するため、およびハウジングの第2の末端30上に第2のキャップ34を設置するのを容易にするために、2つの直径の間の遷移のところに段29が形成されることができる。
【0091】
ハウジング12はまた、好ましくは患者がハウジング12内部に収容されるシリンジの内容を見ることができるようにする表示窓130を含むことができる。窓130は、ハウジング12の側壁に開口部を含むことができ、または機器10の内部を見ることができるようにするためにハウジング12内に半透明材料を含むことができる。
【0092】
ハウジング12はプラスチックまたは別の知られている材料を含むがそれに限定されない任意の適切な外科用材料から形成されることができる。
【0093】
図3から
図5(従来技術)は、例示的自動注入機器10の内部構成要素の略図である。
図3(従来技術)は使用前の例示的自動注入機器の横断面略図を示す。
図4(従来技術)は中間段階の動作中での
図3の例示的自動注入機器の横断面略図を示す。
図5(従来技術)は注入後の段階の動作中の
図3および
図4の例示的自動注入機器の横断面略図を示す。
【0094】
図3から
図5をさらに参照すると、シリンジ50または物質のための別の適切な容器が、ハウジング12の内部の内側に配置される。例示的シリンジ50が、患者の体の中に注入される液体物質の投与量を保持するための中空円筒部分53を含むことができる。例示的円筒部分53は形状が実質的に円柱形であるが、円筒部分53は任意の適切な形状または構成を有することができることを当業者は認識されよう。栓54として図示されるシールが、円筒部分53内部の投与量を密封する。シリンジ50はまた、栓54に圧力を加えることにより投与量が放出される、円筒部分53に接続され円筒部分53と液体でつながっている中空針55を含むことができる。中空針55は、円筒部分53の第1の近位端53aから延びる。円筒部分53の第2の遠位端53bは、以下で説明されるように、シリンジ50の動きをハウジング12内部に制限するために、ハウジング12内の(123として概略的に表される)止め具を寄りかからせるためのフランジ56または別の適切な仕組みを含む。例示的実施形態はシリンジ50の図示する実施形態に限定されないこと、および注入される物質の投与量を含むための任意の適切な容器が例示的実施形態の教示に従って使用されることができることを当業者は認識されよう。
【0095】
例示的実施形態では、針55は、固定された27ゲージ0.5インチ針でもよい。例示的中空針55の先端は、挿入を容易にするためのいくつかのベベルを、たとえば5つのベベルを含むことができる。しかし針55は、物質を患者の体に送達するために患者の皮膚を穿孔するのに適した任意の適切なサイズ、形状、および構成を有することができ、図示する実施形態に限定されない。適切なタイプの針が当技術分野で知られている。
【0096】
図3から
図5に示される自動注入機器10は、シリンジ50を選択的に動かし作動させて、シリンジ50内に含まれる投与量を患者の体の中に注入するための、プランジャとして図示される例示的シリンジアクチュエータ70を含むことができる。例示的プランジャ70は、栓54に選択的に圧力を加えて投与量を針55から排出するための、栓54と一体の、たとえば栓54に接続されるおよび/または栓54と流体でつながっている第1の末端71aを有する棒部分71を含むことができる。プランジャ70は、フランジをつけられる第2の末端72を含むことができる。例示的実施形態では、プランジャ70は
図3から
図5で図示される構成要素よりの複数の構成要素を含むことができる。例示的実施形態では、機器10は
図3から
図5で図示されるアクチュエータよりも多いまたは少ないアクチュエータを含むことができる。
【0097】
プランジャ70は、プランジャ70のフランジをつけられる第2の末端72の周りまたは上方に配置される、コイルばね88として図示される第1のバイアス機構により機器10の第1の末端20に向けて前方に片寄らせられることができる。コイルばね88の近位端88aが、プランジャ70のフランジをつけられた第2の末端72に当接し、圧力をプランジャ70に選択的に加え、プランジャ70を近位に動かすことができる。あるいは、プランジャ70は、ばね88の中心を通り延びることができる。
【0098】
図3に示されるように、機器10を使用する前に、コイルばね88(または別の適切な仕組み)はプランジャ70とハウジング12の間で圧縮されることができ、したがって、エネルギを蓄積する。適切な作動手段、たとえば始動ボタン32により活動化されることができる起動子91が、始動ボタン32が活動化される前に、プランジャ70、および第1のバイアス機構88を引っ込められ係止された位置に保持することができる。起動子91は、プランジャ70のフランジをつけられた第2の末端72を係止することができる。始動ボタン32または別の作動手段が活動化されたとき、止め金91はプランジャ70のフランジをつけられた第2の末端72を解放することができ、コイルばね88がプランジャ70を機器10の第1の末端に向けて進ませる。
【0099】
例示的コイルばね89として図示される第2のバイアス機構が、
図3に示されるように、使用前にハウジング12内部の引っ込められた位置にシリンジ50を保持することができる。引っ込められた位置では、針55は好ましくはハウジング12内部に完全にケースに収められることができる。例示的シリンジコイルばね89は、円筒部分53の近位部分の周りに配置されることができ、ハウジング内部の中に形成されるシェルフ121内に設置される。コイルばね89の上端は、シリンジ50のフランジをつけられた第2の末端56に当接させることができる。第2のバイアス機構89のばね力は、シリンジ50のフランジをつけられた第2の末端56をハウジング12の第1の末端20から押し離すことができ、それにより、シリンジ50を活動化されるまで引っ込められた位置に保持する。機器10の別の構成要素がまた、ハウジング12に対してシリンジ50を配置することができる。
【0100】
第1のバイアス機構88および第2のバイアス機構89は、機器のある種の構成要素を片寄らせる際に使用するのに適した任意の適切な構成および張力を有することができる。たとえば、第1のバイアス機構88は、解放されたときにプランジャ70およびシリンジ50を前方に動かすのに適した任意の適切なサイズ、形状、エネルギ、および特性を有することができる。第2のバイアス機構89は、活動化前にシリンジ50を引っ込めるのに適した任意の適切なサイズ、形状、エネルギ、および特性を有することができる。プランジャ70および/またはシリンジ50の動きを容易にするための別の適切な手段も使用されることができる。
【0101】
図3から
図5の図示する実施形態をさらに参照すると、プランジャ70は、たとえばプランジャ70の中心に例示的な半径方向に圧縮できる広がった部分76を含むことができる。図示する実施形態では、棒71が、たとえば中心部分で裂かれて、放射状に圧縮できる広がった部分76を規定する1対の突き出るエルボを78形成するために広げられることができる。突き出るエルボ78は、成型されるプランジャ70の一部としてあらかじめ形成されることができる、または代わりに、プランジャ70に別個に取り付けられることができる。突き出るエルボ78は、棒71のその部分に棒71の残りに類似する外周を取らせるために半径方向内側に動かされることができるように圧縮されることができる。圧縮できる広がった部分76は、シリンジ50の動きを容易にして、以下で説明されるように、2つの引き続く別個の段階で投与量の排出が続く。
【0102】
図4を参照すると、活動化手段320が止め金91を活動化してプランジャ70を解放するとき、コイルばね88のばね力がプランジャ70を前方に(近位に)進ませる。第1の動作段階中、動いているプランジャ70は、針55の先端がハウジング12の第1の末端20から突き出るように、シリンジ50を前方に押す。第1のコイルばね88により提供される初期バイアス力は、第2のコイルばね89のバイアス力に打ち勝つために十分であり、第2のコイルばね89の後ろ向きのバイアス力に対するシリンジ50の動きを可能にする。第1の動作段階では、突き出るエルボ78により形成されるプランジャ70の広がった領域76は、円筒部分53の第2の末端56に対して静止している。このことは、プランジャ70がシリンジ円筒部分53内部を移動するのを防止する。このやり方では、第1のコイルばね88からの全バイアス力が、シリンジ50を機器10の第1の末端20に向けて前方に動かすように加えられる。
【0103】
活動化手段320は、プランジャ70を解放する、または別の方法で機器10を活動化させるのに適した任意の適切なサイズ、形状、構成、および位置を有することができる。たとえば、活動化手段320はハウジング12の遠位端30上に形成される始動ボタン32を含むことができ、および/または別の適切な機器、たとえば掛け金、回転活動化スイッチ(twist−activated switch)、および当技術分野で知られている別の機器を含むことができる。図示する活動化手段320は機器10の遠位端30の方向に配置されるが、活動化手段320は機器10上の任意の適切な位置に配置されることができることを当業者は認識されよう。
【0104】
図4に示されるように、円筒部分53のフランジをつけられた末端56がハウジング12上の止め具123、たとえば突出部またはフランジと当接し、それにより停止機構56、123を形成するまで、コイルばね89のバイアス力に逆らって機器10の近位端20に向けたシリンジ50の前方への動きが続くことができる。代替の停止機構が採用されることができること、および例示的実施形態が、図示する停止機構に限定されないことを当業者は認識されよう。
【0105】
図4にさらに示されるように、第1の動作段階は、機器10の第1の末端20にある開口部28を通して針55の先端を進ませることができ、その結果、針55は患者の皮膚を穿孔することができる。この段階中、シリンジ円筒部分53は、好ましくは針55を通して物質を排出することなく密封されたままでいることができる。停止機構56、123により引き起こされる妨害は、次の段階中に機器10の近位開口端28から広がる選択された位置に針55を保持することができる。停止機構56、123がシリンジ50の動きを停止するまで、プランジャ70の圧縮できる広がった部分76が円筒部分53に対するプランジャ70の動きを防止することができる。停止機構56、123は、シリンジ50が注入に適した任意の適切な深さまで皮膚に侵入することができるようにするように開いた第1の末端20に対して任意の適切な位置に配置されることができる。
【0106】
ハウジング12の止め具123がフランジをつけられた部分56を捕まえた後、第2操作段階が円筒部分53のさらなる動きを停止し始める。この段階中、コイルばね88の連続したバイアス力が、
図5に示されるように、ハウジング12に対してプランジャ70を押し続けることができる。バイアス力は、プランジャ70のエルボ78を半径方向内側に圧縮させて円筒部分53の内側に滑らせることができる。構成要素123と56の間の妨害は選択された位置(針55が露出される)に円筒部分53を保持することができ、エルボ78がつぶされた段階では、コイルばね88は円筒部分53内部でプランジャ70を押すことができる。プランジャ70がエルボ78を圧縮し円筒部分53内へと延びるのに必要な力を克服した後、プランジャ70は圧力を栓54に加えることができ、突き出る針55を通して、シリンジ50の中に含まれる物質の放出を引き起こす。針55は、第1の動作段階で患者の皮膚に侵入するように作られたので、シリンジ50の円筒部分53内に含まれる物質は、患者の体の一部の中に直接注入される。
【0107】
図6は、シリンジハウジング組立体および始動機構組立体を含む例示的自動注入機器10の斜視図を示す。例示的実施形態では、自動注入機器10は2つのインターロッキング構成要素、すなわち機器10の近位構成要素(たとえばシリンジ円筒53、コイルばね89、針55、およびその他の近位構成要素)を含むシリンジハウジング組立体121および機器10の遠位構成要素(たとえばシリンジ50を作動させるための手段)を含む始動機構組立体122を含むことができる。シリンジハウジング組立体121および始動機構組立体122は、任意の適切な手段により連結されることができる。例示的実施形態では、始動機構組立体122の近位端122aは、シリンジハウジング組立体121の遠位端121bの中に挿入されるようなサイズに作られ、そのように構成されることができる。さらに、始動機構組立体122の近位端122a上の1つまたは複数のタブ127が、シリンジハウジング組立体122の遠位端121b上の対応する開口部126の中にスナップフィットして、2つの組立体121、122とその中に収容される構成要素の整列および連結を保証することができる。
【0108】
図7は、
図6の例示的自動注入機器の始動機構組立体の斜視図を示す。始動機構組立体122は例示的始動ボタン32、例示的アクチュエータキャップ34、例示的遠位ハウジング構成要素12b(始動体)、および例示的コイルばね88または別のバイアス機構を含むことができる。始動機構組立体122はまた、第1段階でシリンジ50をハウジング12内部で前方に動かすため、および第2段階でシリンジ50の内容物を排出するようにシリンジ50を作動させるために、遠位ハウジング構成要素12bの近位端122aから延びる、シリンジ作動構成要素700’として図示されるシリンジアクチュエータを含むことができる。
【0109】
図2および
図8のシリンジ作動構成要素700’は、エルボ78から遠位の中実棒部分70内の指標190をさらに含むことができる。機器10の動作中および注入の完了後、指標190は、ハウジング12上の窓130と一列に並んで、注入の少なくとも一部の完了を示すように構成される。指標190は、好ましくは注入の完了を表すための弁別的色または設計を有する。
【0110】
図8に示されるように、図示するシリンジ作動構成要素700’は、作動まで作動コイルばね88を圧縮された位置に保持するための保持フランジ720’をさらに含む。保持フランジ720’は所定のサイズに作られる、特定の寸法に合わせて作られる、および好ましくは、機器10が作動されたときにシリンジ作動構成要素700’がハウジング12内部で滑って容易に動くことができるような材料から形成される。保持フランジ720’から遠位に延びて、シリンジ作動構成要素700’は、作動コイルばね88に対する基部788’を形成する。基部788’は起動子固定部分789’で終端する。図示する基部788’は、ばね88が周りに巻きつく可撓性のあるアーム788a’、788b’を含むことができる。起動子固定部分789’は、基部788’から延びて、固定キャップ12cおよび/または遠位ハウジング構成要素12bと選択的に係合するように構成されるタブをつけられた足部7891’を含むことができる。遠位ハウジング構成要素12bの遠位端に連結される始動ボタン32は、活動化まで止め金固定部分789’を保持するように構成される。活動化されたとき、始動ボタン32は起動子固定部分789’を解放し、コイルばね88が、上記で説明される動作で機器10の近位端20に向けてシリンジ作動構成要素700’を進めることができるようにする。
【0111】
図7および
図8で示される、引っ込められ固定された位置では(
図3の概略図に対応する)、起動子固定部分789’はハウジング12と相互作用して、そのことが、タブをつけられた足部7891’をコイルばね88のバイアス力に逆らって係止位置に保持して、引っ込められた位置にシリンジ作動構成要素700’を維持する。この位置では、フランジ720’は、遠位ハウジング構成要素12bの背面遠位壁712’に対してばね88を引っ込める。固定キャップ12c内の開口部713’が、固定部分789’への始動ボタン32の接近を可能にする。引っ込められた位置では、シリンジ作動構成要素700’の加圧器754’は、遠位ハウジング構成要素12bの近位端122a上の開口部228から外へ延びる。また、
図9を参照すると、遠位ハウジング構成要素12bが、対応するシリンジ作動機構121に連結するとき、加圧器754’はシリンジの中に収容されるシリンジの円筒部分の中に延びる。加圧器754’は、機器10内に収容されるシリンジ50の栓54と一体化する、それと同じである、それに接続される、または別の方法でそれとつながることができ、栓54に圧力を加えるのに適した任意の適切なサイズ、形状、および構成を有することができる。一実施形態では、加圧器754’は円筒部分53を実質的に密封するように、対応するシリンジ50の円筒部分53の形状に対応する横断面を有し、加圧器754’は円筒部分53内部で滑動して栓54に圧力を加えシリンジ50を作動させるように構成される。
【0112】
図7および
図8の図示する実施形態では、シリンジ作動構成要素700’は、対応するシリンジ50、ばね88、および別の構成要素を固定し、シリンジ50を始動させて引き延ばされた位置に動かし、シリンジ50の内容物を別個に排出するための単一の一体化された機構を構成する。
【0113】
図9は、
図7および
図8のFM組立体122に連結してそれと相互作用するように構成される、本発明の図示する実施形態のシリンジハウジング組立体121の分解図である。図示するシリンジハウジング組立体121は近位ハウジング構成要素12a、近位キャップ24、近位の第2のバイアス機構89、シリンジ容器500、および組み立てられたときにハウジング12の近位部分20を形成する段付き側板12dを含み、
図2にも示されるような近位開口部28を含む。構成要素12a、12d、89、500、および24は協力して、注入される物質を含むシリンジ50を収容し、上記で説明されるような2つの異なる動作段階で機器10の動作を容易にする。
【0114】
ここで
図1、
図2、および
図9を参照すると、図示する実施形態のシリンジ容器500は、機器10内で使用されるシリンジ50の遠位半分をおおう。シリンジ50は搬器500内に置かれ、両方ともハウジング12内に含まれる。動作中、シリンジ50および搬器500はハウジング12内部で前方に(たとえば近位に)動く。ハウジング12は搬器500の動きを止めて制限し、搬器500はシリンジ50の動きを止めて制限する。図示するシリンジ搬器500は、患者が動作前にシリンジ50の内容物を見ることができるようにするために、ハウジング12a上の窓130と好ましくは一列に並ぶ窓カットアウト501を含む実質的に管状の構造を有する。シリンジ搬器500は、シリンジ50のフランジをつけられた遠末端56(
図3に示される)とぶつかり合うように構成されるフランジをつけられた遠位端562を含むことができる。
図9を参照すると、フランジをつけられた遠位端562は、シリンジ50にとってダンパの役割を果たすことができる。シリンジ搬器500は、図示する実施形態では、近位ハウジング構成要素12a上の内部止め具256(
図10Aおよび
図10Bに示される)とぶつかり合って、シリンジ50の前方への動きを制限する、シリンジ50のための止め具を形成する中間フランジ563をさらに含むことができる。
図9を再度参照すると、図示するシリンジ搬器500は、遠位の背後方向へのシリンジ50の動きを制限する近位アンカ部分503をさらに含むことができる。図示する実施形態では、近位アンカ部分503は内部止め具256に係合するように構成される径方向溝を含む。シリンジ搬器カプラ504は近位アンカ部分503を通過して前方に延びて、シリンジ搬器500と、ばね89の遠位端および段付き側板12dとの連結を容易にする。一実施形態では、シリンジ搬器500はハウジング12内部で静止し、シリンジ50はシリンジ容器500内部でおよびそれに対して選択的に制御できるように滑動する。あるいは、シリンジ容器500はハウジング12内部で滑動することができるように配置され、ハウジング12内部でシリンジ50を選択的に運ぶ。シリンジ搬器500はハウジング12内部でシリンジ50を運び誘導するのに適した任意の適切な構成およびサイズを有することができる。
【0115】
図9を再度参照すると、図示する段付き側板12dは、ハウジング12の近位端20を形成する。図示する段付き側板12dは、機器10の動作中にシリンジの針55が突き出る機器10の近位開口部28を規定する近位突起112を含む実質的に管状の本体を有する。主要な管状の本体部分116からの段113が、段付き側板12dの主要な管状の本体部分116よりも小さい直径の近位突起112を形成する。
図10Aに示されるように、段113はばね89に対する前方止め具を形成して、ばね89を閉じ込めて、機器10の近位端20に向かうばね89の前方への動きを防止する。
図10Aに示される図示する実施形態では、段付き側板12dの遠位縁115が、近位ハウジング構成要素12aの止め具256の近位側と隣接する。ここで
図9を参照すると、遠位アーム114は段付き側板12dから延びて、段付き側板12dをロックして偶然の針刺しを防止する。
【0116】
図10Aおよび
図10Bは、組み立てられた自動注入機器10を図示する、互いに90°のオフセット角での横断面図であり、
図6のシリンジハウジング組立体121およびFM組立体122が一緒に連結され、その結果、シリンジ作動構成要素700’の加圧器754’は、シリンジハウジング組立体121内に収容されシリンジ50の栓54とつながっているシリンジ50の円筒部分53の中に延びる。再び
図8および
図10Bを参照すると、シリンジ作動構成要素700’はその近位端700aのところに、圧力を栓54に加えるための加圧端754’、圧縮できる広がった部分76(プランジャエルボ78として図示される)を有するプランジャ棒部分70だけでなく別の構成要素、たとえば以下で説明されるような、コイルばね88をシリンジ作動構成要素700’に固定するための構成要素を含む。圧縮できる広がった部分76は、本明細書で説明されるように、2つの別個の段階で、引き延ばされた位置への対応するシリンジ50の動き、およびシリンジ50の内容物の排出を容易にする。あるいは、シリンジ作動構成要素700’はシリンジ50を動かす、および/またはシリンジ50の排出を促進するための複数のアクチュエータを含むことができる。
【0117】
図10Bに示されるように、シリンジ作動構成要素700’の起動子固定部分789’は、始動ボタン32によりハウジング12の遠位端に向けて固定される。患者が始動ボタン32を押し下げるとき、始動ボタン32に接続される駆動アーム32aが、起動子固定部分789’のタブをつけられた足部7891’を内側に圧縮し、それによりプランジャアーム788a’、788bのタブをつけられた足部間の距離(プランジャアーム幅)を低減し、シリンジ作動機構700’を解放し、ばね88を解放する。動作前に、シリンジ作動構成要素700’の、エルボ78として図示される圧縮できる広がった部分76はシリンジ50のフランジ56の上方に静止して、解放されるコイルばね88により押されたとき、圧縮できる広がった部分76が圧力をシリンジ円筒部分53に加えることができるようにし、それにより作動させられたときにシリンジ50をハウジング12内部の前方に向けて動かす。上記で説明されるように、
図10Bで示される近位ハウジング構成要素12a上の止め具、たとえば止め具256がシリンジ50を捕まえて、突き出るシリンジ50のさらなる前方への動きを停止させると、ばね88の連続したバイアス力が、シリンジ作動構成要素700’を前方に動かし続け、圧縮できる広がった部分76を圧縮させ、シリンジ50の円筒部分53の中に移動させる。円筒部分53内部でのシリンジ作動構成要素700’の前方への動きは、加圧器754’に圧力を栓54に加えさせ、注入部位の中へのシリンジ内容物の排出を引き起こす。
【0118】
さらに
図10Aおよび
図10Bに示されるように、アクチュエータキャップ34は、アクティベータボタン32を通り、シリンジ作動構成要素700’のタブをつけられた足部7891’間に広がって活動化前に機器の構成要素を安定させる安定化突出部340を含むことができる。
【0119】
図11Aから
図11Cは、例示的実施形態により提供される、
図7の始動機構組立体のシリンジ作動構成要素の横断面図を示し、作動の様々な段階でのプランジャアームの位置を示す。
図11Aでは、シリンジ作動構成要素700’は、始動ボタンの作動前に第1のバイアス機構88によりあらかじめロードされる。プランジャアームは離れて広がり、プランジャアーム幅は第1の、より広い幅になる。
図11Bでは、プランジャアームは共に始動ボタンの作動の開始のときに押される。
図11Cではプランジャは始動ボタンの作動中に解放される。プランジャアームは互いにより近く配置され、プランジャアーム幅は第2の、より狭い幅になる。
【0120】
図12は、本発明の図示する実施形態による組み立てられた自動注入機器10’の横断面図である。自動注入機器10’の図示する実施形態は、2つの嵌まり合う近位および遠位のハウジング構成要素12a、12bを含む。近位および遠位のハウジング構成要素12a、12bは嵌まり合って完全なハウジング12を形成する。示されるように、ハウジング12の近位端を形成する近位ハウジング構成要素12aは、遠位ハウジング構成要素12bの近位端を受け入れる。協力する突出物312および溝313、または複数の協力する突出物312および溝313が、図示する実施形態での近位および遠位のハウジング構成要素12a、12bの嵌まり合いを容易にする。別の適切な嵌まり合い機構が代わりに利用されることができる。遠位ハウジング構成要素12bの外面上に形成されるシェルフ29が第2の取り外しできるキャップ34に対する止め具を形成することができる。
【0121】
示されるように、始動ボタン32’は遠位ハウジング構成要素12bの遠位端を覆うキャップでもよい。図示する始動ボタン32’は遠位ハウジング構成要素12bに対して滑動して、シリンジアクチュエータ、たとえばプランジャ70を作動させる。図示する始動ボタン32’はプランジャ70’の可撓性のある固定アーム172を解放できるように保持する。押し下げられたとき、始動ボタン32’は可撓性のある固定アーム172を解放して、ばね88’として図示される第1のバイアス機構が機器10’の近位端に向けてプランジャ70’を進ませることができるようにする。
【0122】
図12の実施形態では、プランジャ70’は、圧縮できる広がった部分78’とプランジャ棒71’の遠位端の間に配置されるフランジ72’をさらに含む。第1のバイアス機構88’は、ハウジング12’の近位端に向けてプランジャ70を片寄らせるために、ハウジング12’の内部遠位端とフランジ72’の間に固定される。上記で説明されるように、始動ボタン34’が固定アーム172を解放するとき、コイルばね88’または別の適切なバイアス機構がプランジャ70’を機器10の近位端20に向けて進ませる。
【0123】
図示する実施形態10’は、フランジ72’と、可撓性のあるエルボ78’として図示される圧縮できる広がった部分76との間のプランジャ棒71’の中間部分に形成される指標190をさらに含む。
【0124】
図12のシリンジ50’は、突出物、またはハウジング12’内部でのシリンジの制御された動きを容易にするための別の適切な構成要素を含むことができる。たとえば、
図12を参照すると、シリンジ50’は、ハウジング12’内部の遠位方向でのシリンジ50’の制限された動きのために、ハウジング12’の内面上に形成される第1の突出物168の近位側と隣接するための近位突出物158を形成するスリーブ157を含む。スリーブ157はまた、第1の突出物168の遠位側と隣接して、注入中に近位方向でのシリンジ50’の動きを制限することができるフランジ159を形成することができる。
【0125】
図12の実施形態では、コイルばね89’として図示される第2のバイアス機構が、シリンジ50’の近位部分の周りに配置される。ハウジング12’の近位内面に形成されるシェルフ169が、コイルばね89’の近位端を受け入れる。シリンジスリーブ157の近位突出物158、または別の適切に配置される機構が、コイルばね89’の遠位端を受け入れる。上記で説明されるように、第2のバイアス機構89’は、機器10の活動化までハウジング12’内部の引っ込められた位置にシリンジ50’を片寄らせる。
【0126】
図10A、
図10B、および
図12で示されるように、自動注入機器10’は、シリンジ50からの投与量が完全にまたは実質的に完全に放出されたとき、機器10’の患者に示す指標190を組み入れる。図示する実施形態では、指標190は圧縮できる広がった中心部分76とフランジ72’の間のプランジャ棒71’の一部の上に形成される。プランジャ棒71が動作中に動くにつれ、指標190は窓130に向けて進み、投与量がシリンジから空になるとき窓130と一列に並ぶ。指標190は、好ましくは注入されている物質と異なる色またはパターンであるが、投与量が放出されたことを示すように窓130全体を満たす。任意の適切な指標が使用されることができる。
【0127】
針55を介して機器10’からの投与量の注入後、側板12dの近位端20により形成されることができる針のケース112が、ハウジング近位端20から延びる露出された針55の上を自動的に進んで、偶然の針刺しを防止することができる。
【0128】
シリンジ作動構成要素700’またはその遠位部分は、少なくとも複数の任意の適切な材料、たとえばアセタールベースのプラスチックから作り上げられることができるが、別の適切な材料も使用されることができる。例示的実施形態では、シリンジ作動構成要素700’は、少なくとも部分的に複数の熱可塑性材料または熱硬化性材料から作れることができる。
【0129】
熱可塑性材料はポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ならびにそれらの共重合体、三共重合体、およびそれらの充填複合材料を含む。ポリアセタール材料はアセタールホモポリマ、共重合体、およびそれらの充填材料を含む。Hostaform C共重合体は例示的アセタールポリオキシメチレン(POM)共重合体である。アセタール共重合体、たとえばHostaform C共重合体は充填材料でもよく、Hostaform C共重合体のガラス球充填材料およびガラス繊維充填材料でもよい。
【0130】
熱硬化性材料はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、エステル、ビニルエステル、エポキシポリエステル、アクリルウレタン、およびフルオロビニルを含む。例示的実施形態では、アクリル樹脂材料は反応官能性、たとえば酸および水酸基を含むことができる。一実施形態では、エポキシ樹脂材料は、可視、紫外線、および熱の架橋からなるグループから選択される方法により硬化されることができる反応官能性を含む。例示的熱硬化性材料が、フォトポリマでもよい異なる種類のステレオリソグラフィ樹脂(たとえばSomos 9420、protoGen O−XT 18420、Watershed 11120、DMX−SL100、Prototherm 12120、Nanoform 15120、Waterclear Ultra 10122、およびProtoCast AF 19120)を含むがそれに限定されない。一実施形態では、熱硬化性材料はエポキシ樹脂ホモポリマ、共重合体、またはそれらの充填複合材料である。
【0131】
例示的実施形態では、シリンジ作動構成要素700’を作り上げる材料は、約1000MPaから約6000MPaまでの間の曲げ弾性率を有することができる。別の例示的実施形態では、材料は約2000MPaから約5500MPaまでの間の曲げ弾性率を有することができる。別の例示的実施形態では、材料は約3000MPaから約5000MPaまでの間の曲げ弾性率を有することができる。さらに別の例示的実施形態では、材料は約3800MPaの曲げ弾性率を有することができる。
【0132】
図13Aは、シリンジ作動構成要素700’の遠位端700b’、すなわち栓54からもっと遠くに離れて配置される末端の横断面略図を示す。シリンジ作動構成要素700’の遠位端700b’は1対のプランジャアーム788a’および788b’に二またに分けられることができる。各プランジャアーム788a’、788b’は、始動ボタン32に最も近い遠位端にタブをつけられた足部7891’を有することができる。シリンジ作動構成要素700’の縦軸Yに沿って、それぞれのタブをつけられた足部7891’は、始動ボタン32に最も近い遠位端211、および始動ボタン32から最も遠い近位端213を有することができる。それぞれのタブをつけられた足部7891’は、シリンジ作動構成要素700’の横軸Xに沿って実質的に平坦な遠位端211に配置される上面215、および横軸Xに沿って実質的に平坦な近位端213に配置される底面219を有することができる。
【0133】
それぞれのタブをつけられた足部7891’は、最初に始動ボタン32と接触させるように構成される、タブをつけられた足部7891’の上面215と第2の接触面(SCS)218との間に形成される第1の外側の円錐面――初期接触面(ICS)216――を有することができる。ICSは、シリンジ作動構成要素700’の縦軸Yに対して角度――ICS角――を形成することができる。例示的実施形態では、ICS角は約0°から約90°までの間である。別の例示的実施形態では、ICS角は約40°から約80°までの間である。別の例示的実施形態では、ICS角は約28°である。さらに別の例示的実施形態では、ICS角は約38°である。さらに別の例示的実施形態では、ICS角は約48°である。タブをつけられた足部7891’は、上面215とICS216の間に形成される第1の遷移エッジ217を有することができる。
【0134】
タブをつけられた足部7891’は、始動ボタン32がICS216と接触した後に引き続き始動ボタン32と接触するように構成される、ICS216とタブをつけられた足部7891’の底面219との間に配置される第2の外側の円錐面――SCS218――を有することができる。SCS218は縦軸Yに対して角度――SCS角――を形成することができる。例示的実施形態では、SCS角は約0°から約90°までの間である。別の例示的実施形態では、SCS角は約6°から約38°までの間である。別の例示的実施形態では、SCS角は約8°から約25°までの間である。タブをつけられた足部7891’は、ICS216とSCS218の間に配置される第2の遷移エッジ221、およびSCS218と底面219の間に配置される第3の遷移エッジ223を有することができる。
【0135】
例示的実施形態では、第1の接触面が、2つのプランジャアーム788a’および788b’の2つのタブをつけられた足部7891’の第1の外側の円錐面ICS216により形成される。第1の接触面は2つのプランジャアーム788a’と788b’の間に少なくとも1つの開いたセグメントを含み、その結果、2つのICS216は不連続である。円錐接触面が2つのプランジャアーム788a’および788b’の2つのタブをつけられた足部7891’の第2の外側の円錐面SCS218により形成される。第2の接触面は、2つのプランジャアーム788a’と788b’の間に少なくとも1つの開いたセグメントを含み、その結果、2つのSCS218は不連続である。第1および第2の接触面は、始動ボタン32と接触するように構成される。第1の接触面は始動ボタン32と最初に接触し、第1の接触面が始動ボタン32と最初に接触した後、第2の接触面が始動ボタン32と引き続いて接触する。
【0136】
例示的実施形態では、ICS角およびSCS角は異なることがある。別の例示的実施形態では、ICS角およびSCS角は同じでもよい。
【0137】
例示的実施形態では、タブをつけられた足部7891’は、円錐であっても円錐でなくてもよい第3の外面225を有することができる。第3の外面225を含む例示的実施形態では、SCS218はICS216と第3の面225の間に配置され、第3の面はSCS218とタブをつけられた足部7891’の底面29の間に配置される。第3の面225は、始動体12bと接触させるように構成されることができる。第3の面225は長軸Yに対して角度――突出角――を形成することができる。例示的実施形態では、突出角は約0°から約90°までの間の範囲でもよい。別の例示的実施形態では、突出角は約62°から約82°までの間の範囲でもよい。別の例示的実施形態では、突出角は約65°から約79°までの間の範囲でもよい。別の例示的実施形態では、突出角は約68°から約76°までの間の範囲でもよい。
【0138】
第3の面225は、SCS218から突き出て、SCS218を超えて縦軸Yに沿って測定されるような特定の高さ――突出高さ――まで延びることができる。例示的実施形態では、突出高さは約0.17mmから約0.47mmまでの間の範囲である。別の例示的実施形態では、突出高さは約0.20mmから約0.42mmまでの間の範囲である。別の例示的実施形態では、突出高さは約0.23mmから約0.37mmまでの間の範囲である。
【0139】
始動体12bは、第3の外面225と接触させるように構成される始動体円錐面(firing body conical surface、FBCS)212を含むことができる。始動ボタン32が押し下げられたとき、第3の外面225とFBCS212の間の接触がプランジャを少し上に動かす。
【0140】
図13Bは、シリンジ作動構成要素700’の遠位端700b’に配置されるプランジャアーム788a’/788b’の横断面の概略の輪郭図を示す。
図13Bはまた、ICS角、SCS角、および第2の遷移エッジ221(ICS−SCS遷移エッジ)での横軸Xに沿ったタブをつけられた足部7891’の長さであるICS長Lを図で示す。
【0141】
始動機構組立体122の活動化中、ボタン32が押されたとき、プランジャ70を所定の位置に保持するばね88は動かない。始動ボタン32およびICS216が相互作用する間、始動体12bとプランジャ70の下側の角度が相互作用する。始動ボタン32は始動機構組立体の縦軸Yに沿って下に動き、タブをつけられた足部7891’は内側に曲がる。タブをつけられた足部7891’が始動ボタン32に入るとき、プランジャ70は曲がる動きでつぶれる。
【0142】
例示的実施形態では、ICS角は約40°から約58°までの間、約38°から約48°までの間、約38°から約54°までの間、約38°から約50°までの間、または約48°から約58°までの間である。別の例示的実施形態では、ICS角は約38°、約48°、または約58°である。別の例示的実施形態では、ICS角は約45°である。列挙された範囲の中間の数値も本発明に含まれる。
【0143】
例示的実施形態では、ICS長は約2.64mmから約3.03mmまでの間である。別の例示的実施形態では、ICS長は約2.84mmから約3.03mmまでの間である。別の例示的実施形態では、ICS長は約3.00mmである。
【0144】
例示的実施形態では、SCS角は約9°から約25°までの間である。別の例示的実施形態では、SCS角は約9°である。別の例示的実施形態では、SCS角は約23°である。
【0145】
例示的実施形態では、シリンジ作動構成要素700’の1つまたは複数のパラメータが単独でまたは協力してFtFを改善するように構成される。例示的実施形態では、熱硬化性材料については、FtFは以下のパラメータ、すなわちa)プランジャ材料の曲げ弾性率、b)ICS角、c)ICS長、d)PBB角、およびe)プランジャ幅のうちの1つまたは複数を修正することにより改善されることができる。別の例示的実施形態では、熱可塑性材料については、FtFは以下のパラメータ、すなわちa)プランジャ材料の曲げ弾性率、およびb)成型条件のうちの1つまたは複数を修正することにより改善されることができる。別の例示的実施形態では、FtFは突出高さおよび/または突出角を修正することにより改善されることができる。
【0146】
別の例示的実施形態では、以下のパラメータ、すなわちa)プランジャ材料の曲げ弾性率、b)突出角(PA)または突出高さ(PH)、c)ICS角、d)ICS長、およびe)PBB角の1つまたは複数が、FtFを増大させるために様々な組合せで、単独でまたは協力して構成される。たとえば、そのような組合せは、2つの因子、たとえばa)曲げ弾性率およびPA、b)曲げ弾性率およびICS角、c)曲げ弾性率およびICS長、d)曲げ弾性率およびPBB角、e)PAおよびICS角、f)PAおよびICS長、g)PAおよびPBB角、h)ICS角およびICS長、i)ICS角およびPBB角、ならびにj)ICS長およびPBB角を変えることを含むことができる。
【0147】
別の例示的実施形態では、そのような組合せは3つの因子、たとえばa)曲げ弾性率、PA、およびICS角、b)曲げ弾性率、PA、およびICS長、c)曲げ弾性率、PA、およびPBB角、d)曲げ弾性率、ICS角、およびICS長、e)曲げ弾性率、ICS角、およびPBB角、f)曲げ弾性率、ICS長、およびPBB角、g)PA、ICS角、およびICS長、h)PA、ICS角、およびPBB角、i)PA、ICS長、およびPBB角、ならびにj)ICS角、ICS長、およびPBB角を変えることを含むことができる。
【0148】
別の例示的実施形態では、そのような組合せは4つの因子、たとえばa)曲げ弾性率、PA、ICS角、およびICS長、b)曲げ弾性率、PA、ICS角、およびPBB角、c)曲げ弾性率、ICS角、ICS長、およびPBB角、ならびにd)PA、ICS角、ICS長、およびPBB角などを変えることを含むことができる。
【0149】
別の例示的実施形態では、そのような組合せは5つの因子、たとえば曲げ弾性率、PA、ICS角、ICS長、およびPBB角を変えることを含むことができる。これらのパラメータの例示的範囲が表1で得られることができる。
【0150】
表1はFtFを変えるために単独でまたは組み合わせて変動されることができる、プランジャに関連する5つの例示的因子、すなわち曲げ弾性率、PA、ICS角、ICS長、およびPBB角を表にしている。表1は5つの因子の例示的範囲、好ましい範囲、および最も好ましい範囲を要約する。
【表1】
【0151】
例示的実施形態では、プランジャアーム788a’、788b’の間の幅220(プランジャアーム幅)は、約2.55mmから約3.45mmの間である。別の例示的実施形態では、プランジャアーム幅220は約2.55mmから約5.15mmまでの間である。別の例示的実施形態では、プランジャアーム幅220は約2.55mmから約4.25mmまでの間である。別の例示的実施形態では、プランジャアーム幅220は約2.85mmから約3.45mmまでの間である。別の例示的実施形態では、プランジャアーム幅220は約3.05mmである。
【0152】
例示的自動注入機器で使用するための物質
本発明の方法および構成は、注入による投与に適した本質的に任意の物質または投薬を投与する自動注入機器と共に使用されることができる。典型的には、物質または投薬は、流体、たとえば液体の形態となるが、自動注入機器がそのような形態の投薬の投与を許容するように設計されている場合、別の形態の投薬、たとえばゲルまた半固体、スラリ(slurry)、微粒子溶液などがまた、使用するのに適し得る。
【0153】
好ましい投薬は生物学的薬剤、たとえば抗体、サイトカイン、ワクチン、融合タンパク質、および成長因子である。抗体を作る方法が上記に説明される。
【0154】
自動注入機器で投薬として使用されることができる別の生物学的薬剤の限定しない例が、ヒトサイトカインまたは成長因子に対する抗体または拮抗薬、たとえばTNF、LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、IL−21、IL−23、インターフェロン、EMAP−II、GM−CSF、FGF、およびPDGF;細胞表面分子に対する抗体、たとえばCD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLA、またはCD154(gp39またはCD40L)を含むそれらのリガンド;TNFα転換酵素(TACE)阻害剤;IL−1阻害剤(インターロイキン1転換酵素阻害剤、IL−1RAなど);インターロイキン11;IL−18抗体または可溶性IL−18受容体を含むIL−18拮抗薬、あるいはIL−18結合タンパク質;非枯渇性(non−depleting)抗CD4阻害剤;抗体、可溶性受容体、または拮抗薬リガンドを含む共刺激経路CD80(B7.1)またはCD86(B7.2)の拮抗薬;炎症性サイトカイン、たとえばTNFαまたはIL−1(たとえばIRAK、NIK、IKK、p38、またはMAPキナーゼ阻害剤)により信号伝達を妨げる薬剤;IL−1β転換酵素(ICE)阻害剤;T細胞信号伝達阻害剤、たとえばキナーゼ阻害剤;メタロプロテイナーゼ阻害剤;アンギオテンシン転換酵素阻害剤;可溶性サイトカイン受容体およびその誘導体(たとえば可溶性p55またはp75TNF受容体および誘導体p75TNFRIgG(エンブレル(商標)(Enbrel
(TM))およびp55TNFRIgG(レネルセプト(Lenercept))、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R);抗炎症性サイトカイン(たとえばIL−4、IL−10、IL−11、IL−13、およびトランスフォーミング増殖因子β(TGF−beta);リツキシマブ;IL−1 TRAP;MRA;CTLA4−Ig;IL−18 BP;抗IL−18;抗IL−15;IDEC−CE9.1/SB 210396(非枯渇性霊長類化(primatized)抗CD4抗体;IDEC社/SmithKline社;たとえばArthritis&Rheumatism(1995)Vol.38;S185を参照のこと);DAB 486−IL−2および/またはDAB 389−IL−2(IL−2融合タンパク質;Seragen社;たとえばArthritis&Rheumatism(1993)Vol.36;1223を参照のこと);抗Tac(ヒト化抗IL−2Ra;Protein Design Labs/Roche社);IL−4(抗炎症性サイトカイン;DNAX/Schering社);IL−10(SCH 52000;遺伝子組換えIL−10、抗炎症性サイトカイン;DNAX/Schering社);IL−10および/またはIL−4作動薬(たとえば作動薬抗体);IL−1RA(IL−1受容体拮抗薬;Synergen社/Amgen社);アナキンラ(Kineret
(R)/Amgen社);TNF−bp/s−TNF(可溶性TNF結合タンパク質;たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement);S284;Amer.J.Physiol.−Heart and Circulatory Physiology(1995)268:37−42を参照のこと);R973401(リン酸ジエステルIV型阻害剤;たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement);S282を参照のこと);MK−966(COX−2阻害剤;たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement);S81を参照のこと);イロプロスト(Iloprost)(たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement);S82を参照のこと);zap−70および/またはlck阻害剤(チロシンキナーゼzap−70またはlckの阻害剤);VEGF阻害剤および/またはVEGF−R阻害剤(血管内皮細胞成長因子または血管内皮細胞成長因子受容体の阻害剤;血管形成の阻害剤);TNF−コンバターゼ阻害剤;抗IL−2抗体;抗IL−18抗体;インターロイキン11(たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement)、S296を参照のこと);インターロイキン13(たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement)、S308を参照のこと);インターロイキン−17阻害剤(たとえばArthritis&Rheumatism(1996)39(9、supplement)、S120を参照のこと);抗胸腺細胞グロブリン;抗CD4抗体;CD5毒素;ICAM−1アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(ISIS 2302;Isis Pharmacerticals、Inc.社);可溶性補体受容体1(TP10;T Cell Sciences、Inc.社);および抗IL−2R抗体を含むがそれに限定されない。
【0155】
例示的実施形態で使用するためのTNFα阻害剤
本発明の一実施形態によれば、図示する自動注入機器は、関節炎および別の疾病を処置するために使用されるTNF阻害剤の投与量を送達するために使用することができる。一実施形態では、シリンジ内に含まれ溶液は、40mgまたは80mgの製剤(TNFα遮断剤または阻害剤)/1mL、たとえば40mgまたは80mgのアダリムマブ、4.93mgの塩化ナトリウム、0.69mgの第一リン酸ナトリウム脱水物、1.22mgの第二リン酸ナトリウム脱水物、0.24mgのクエン酸ナトリウム、1.04mgのクエン酸一水和物、9.6mgのマンニトール、0.8mgのポリソルベート50、および注入のための水を含み、pHを約5.2に調節するために必要に応じてUSP水酸化ナトリウムが加えられる。
【0156】
本発明は物質、たとえば液体薬物、たとえばTNFα阻害剤の投与量を患者に投与するために使用されることができる。一実施形態では、本発明の自動注入機器により送達される投与量は、ヒトTNFα抗体またはその抗原結合タンパク質を含む。
【0157】
一実施形態では、本発明の方法および構成で使用されるTNF阻害剤は、高い親和性および低いオフ速度でヒトTNFαに結合し高い中和能を有する単離されたヒト抗体またはその抗原結合部分を含む。好ましくは、本発明のヒト抗体は、遺伝子組換え中和ヒト抗hTNFα抗体、たとえばHUMIRA
(R)またはアダリムマブ(Abbott Laboratories;D2E7 VL領域のアミノ酸配列は、米国特許第6,090,382号明細書の配列番号:1に示されている。D2E7 VH領域のアミノ酸配列は、米国特許第6,090,382号明細書の配列番号:2に示されている)とも呼ばれるD2E7と呼ばれる遺伝子組換え中和抗体などである。D2E7の特性は、Salfeldらの米国特許第6,090,382号明細書、第6,258,562号明細書、および第6,509,015号明細書で説明されている。TNFα阻害剤の別の例が、慢性関節リウマチの処置のための臨床試験を受けたキメラおよびヒト化マウス抗hTNFα抗体を含む(たとえばElliottら(1994)Lancet 344:1125−1127;Elliotら(1994)Lancet 344:1105−1110;およびRankinら(1995)Br.J.Rheumatol.34:334−342を参照のこと)。
【0158】
抗TNFα抗体(本明細書ではTNFα抗体とも呼ばれる)またはその抗原結合断片が、キメラの、ヒト化の、およびヒトの抗体を含む。本発明で使用されることができるTNFα抗体の例が、インフリキシマブ(Remicade
(R)、Johnson and Johnson社;参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,656,272号明細書で説明されている)、CDP571(ヒト化単クローン抗TNFαIgG4抗体)、CDP870(ヒト化単クローン抗TNFα抗体断片)、抗TNF dAb(Peptech社)、およびCNTO 148(ゴリムマブ;Medarex社およびCentocor社、国際公開第02/12502号パンフレットを参照のこと)を含むがそれに限定されない。本発明で使用されることができる追加のTNF抗体が、米国特許第6,593,458号明細書、第6,498,237号明細書、第6,451,983号明細書、および第6,448,380号明細書で説明されている。
【0159】
本発明の方法および構成で使用されることができるTNFα阻害剤の別の例が、エタネルセプト(Enbrel、国際公開第91/03553号パンフレットおよび第09/406476号パンフレットで説明されている)、可溶性TNF受容体I型、ペグ化された可溶性TNF受容体I型(PEGs TNF−R1)、p55TNFR1gG(レネルセプト)、および遺伝子組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono社)を含む。
【0160】
一実施形態では、例示的実施形態が、TNFαが有害である疾患、たとえば慢性関節リウマチを、自動注入機器を通してTNFα阻害剤、たとえばヒトTNFα抗体またはその抗原結合部分を使って処置するための改善された使用法および構成を提供する。
【0161】
TNFα阻害剤は、TNFα活性を妨げる任意の薬剤(または物質)を含む。好ましい実施形態では、TNFα阻害剤は、TNFα活性を、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、強直性脊椎炎、クローン病、乾癬、および乾癬性関節炎を含むがそれに限定されない、TNFα活性が有害な疾患に関連する特に有害なTNFα活性を中和することができる。
【0162】
医薬組成品
医薬組成品が、患者への送達のために本発明の自動注入機器の中に供給されることができる。一実施形態では、抗体、抗体部分だけでなく別のTNFα阻害剤も、本発明の機器を使用して患者に投与するのに適した医薬組成品の中に組み入れられることができる。典型的には、医薬組成品は、抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤、および薬剤的に受け入れられるキャリアを含む。「薬剤的に受け入れられるキャリア」は、任意のおよびすべての溶剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張(isotonic)遅延剤および吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合する同種のものを含む。薬剤的に受け入れられるキャリアの例が、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ブドウ糖、グリセリン、エタノール、および同種のものだけでなくそれらの組合せの1つまたは複数を含む。多くの場合では、組成中に等張剤、たとえば糖、多価アルコールたとえばマンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。薬剤的に受け入れられるキャリアは、抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤の貯蔵寿命または有効性を高める少量の補助物質、たとえば湿潤剤または乳化剤、防腐剤、あるいは緩衝剤をさらに含むことができる。
【0163】
本発明の方法および構成で使用するための組成は、たとえば溶液(たとえば注入可能で溶解しない溶液)、分散した状態、または懸濁を含む、本発明の機器を介した投与に従う様々な形態とすることができる。好ましい実施形態では、抗体または別のTNFα阻害剤は、本発明の機器を使用して皮下注射により投与されることができる。一実施形態では、患者は、本発明の機器を使用して彼自身/彼女自身にTNFα抗体、またはその抗体結合部分を含むがそれに限定されないTNFα阻害剤を投与する。
【0164】
治療組成品は、典型的には製造および貯蔵の条件下で無菌であり安定していなければばらない。組成品は溶液、マイクロエマルジョン、分散した状態、リポソーム、または高い薬剤濃度に適した別の規則構造として処方されることができる。無菌の注入できる溶液は、必要に応じて上記で列挙される成分の1つまたは組合せと一緒に適切な溶剤中に必要とされる量、活性化合物(すなわち抗体、抗体部分、または別のTNFα阻害剤)を組み入れ、続けてフィルタをかけられた滅菌により準備されることができる。一般に、分散した状態は、活性化合物を基本分散媒、および上記で列挙される成分から必要とされる別の成分を含む無菌媒介物の中に組み入れることにより準備される。無菌の注入できる溶液の準備のための無菌粉末の場合、準備の好ましい方法は、真空乾燥、および活性成分に、前に無菌のフィルタにかけられた活性成分の溶液からの任意の追加の所望の成分を加えた粉末をもたらす凍結乾燥である。溶液の適切な流動性が、たとえばコーティングたとえばレシチンの使用により、分散した状態の場合に必要とされる粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持されることができる。注入できる組成品の吸収延長が、吸収を遅らす薬剤、たとえばモノステアレート塩およびゼラチンを組成中に含むことにより引き起こされることができる。
【0165】
一実施形態では、例示的実施形態は効果的TNFα阻害剤および薬剤的に受け入れられるキャリアを含む自動注入機器、たとえばオートインジェクタペンを提供する。したがって、本発明はTNFα阻害剤を含むあらかじめ充填された自動注入機器を提供する。
【0166】
一実施形態では、本発明の方法で使用するための抗体または抗体部分は、国際出願第PCT/IB03/04502号明細書、および米国特許公開第2004/0033228号明細書で説明されるような薬剤処方に組み入れられる。この処方は濃度50mg/mlの抗体D2E7(アダリムマブ)を含み、自動注入機器は皮下注射のための40mgの抗体を含む。一実施形態では、本発明の自動注入機器(またはより具体的には機器のシリンジ)は以下の処方箋、すなわちアダリムマブ、塩化ナトリウム、第一リン酸ナトリウム二水和物、第二リン酸ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸第一水和物、マンニトール、ポリソルベート80、および水、たとえば注入用の水を有するアダリムマブの処方を含む。別の実施形態では、自動注入機器は、40mgのアダリムマブ、4.93mgの塩化ナトリウム、0.69mgの第一リン酸ナトリウム二水和物、1.22mgの第二塩酸ナトリウム二水和物、0.24mgのクエン酸ナトリウム、1.04mgのクエン酸第一水和物、9.6mgのマンニトール、0.8mgのポリソルベート80、および水、たとえば注入用の水を含むアダリムマブの分量を含む。一実施形態では、pHを調節する必要に応じて、水酸化ナトリウムが加えられる。
【0167】
自動注入機器のTNFα阻害剤の投与量は、処置するためにTNFα阻害剤が使用されている疾患に従って変わり得る。一実施形態では、本発明は約20mgのアダリムマブ、40mgのアダリムマブ、80mgのアダリムマブ、および160mgのアダリムマブの投与量のアダリムマブを含む自動注入機器を含む。投与量範囲を含む、本明細書で説明されるすべての範囲について、列挙される値の中間のすべての数値、たとえば36mgのアダリムマブ、48mgのアダリムマブなどが本発明に含まれることに留意されたい。さらに、前記数値を使用して列挙される範囲、たとえば40mgから80mgのアダリムマブもまた含まれる。本明細書で列挙される数値は、本発明の範囲を限定することを意図されない。
【0168】
本発明で使用されるTNFα抗体および阻害剤はまた、コートされた粒子を形成するために重合体キャリア内部にカプセル化されるタンパク質結晶の組合せを含むタンパク質結晶処方の形で投与されることができる。タンパク質結晶処方のコートされた粒子は、球状形態を有することができ、直径500マイクロメートルまでのミクロスフェアでもよい、または何らかの別の形態を有しても、微粒子でもよい。タンパク質結晶の高められた濃度が、本発明の抗体が皮下に送達されることができるようにする。一実施形態では、本発明のTNFα抗体は、タンパク質結晶処方または組成の1つまたは複数がTNFαに関係のある疾患にかかっている患者に投与されるタンパク質送達システムを介して送達される。完全な抗体結晶または抗体断片結晶の安定した処方を準備する組成および方法がまた、参照により本明細書に組み入れられる国際公開第02/072636号パンフレットで説明されている。一実施形態では、国際公開第PCT/IB03/04502号明細書および米国特許公開第2004/0033228号明細書で説明される結晶化した抗体断片を含む処方が、本発明の方法を使用して慢性関節リウマチを処置するために使用される。
【0169】
補充の活性化合物も組成の中に組み入れられることができる。ある種の実施形態では、本発明の方法で使用するための抗体または抗体部分が、慢性関節リウマチ阻害剤または拮抗薬を含む1つまたは複数の追加の治療薬と同時に処方される、および/または同時に投与される。たとえば、抗hTNFα抗体または抗体部分が、TNFαに関係のある疾患に関連する別のターゲットに結合する1つまたは複数の追加の抗体(たとえば別のサイトカインに結合する抗体、または細胞表面分子に結合する抗体)、1つまたは複数のサイトカイン、可溶性TNFα受容体(たとえば国際公開第94/06476号パンフレットを参照のこと)、および/またはhTNFαの産生または活性を阻害する1つまたは複数の化学剤(たとえば国際公開第93/19751号パンフレットで説明されるようなシクロヘキサンイリデン(cyclohexane−ylidene)誘導体)、またはそれらの任意の組合せと同時に処方される、および/または同時に投与されることができる。さらに、本発明の1つまたは複数の抗体が前述の治療薬の2つ以上と組み合わせて使用されることができる。そのような組合せ治療は投与される治療薬のより低い投与量を有利に利用することができ、したがって、あり得る副作用、合併症、または様々な単剤治療に関連する、患者による低レベルの応答を避ける。TNFα抗体または抗体部分と組み合わせて使用されることができる追加の薬剤が、全体が本明細書に組み入れられる米国特許出願第11/800531号明細書で説明されている。
【0170】
本発明の機器、および機器を作り使用する方法が以下の実施例でより詳細に以下で説明される。
【0171】
例証
例示的実施形態により提供されるプランジャが、自動注入機器のFtFに影響を及ぼすプランジャの構造、機能、および動作の特性を決定するために様々な対照プランジャに対して比較された。例示的実施形態が、自動注入機器のFtFを決定するため、自動注入機器のFtFに影響を及ぼす因子を試験するため、そのような因子を構成することによりFtFを調節する方法を決定するため、およびそのような因子を構成することにより機器のFtFを改善するための方法を提供する。例示的実施形態はまた、自動注入機器のFtFを決定するため、自動注入機器のFtFに影響を及ぼす因子を試験するため、およびそのような因子を構成することにより機器のFtFを改善するためのシステムを提供する。例示的実施形態は、機器を始動させるために必要とされるFtFを改善するために単独でまたは組み合わせて構成された1つまたは複数の特徴を有する自動注入機器を提供する。
【0172】
方法および材料
本明細書で論じられる例示的プランジャは、特に明言されない限り、アセタールポリオキシメチレン(polyoxymethylene、POM)共重合体、たとえばTicona社のHostaform C 13031から少なくとも部分的に作り出される。例示的プランジャはまた、別の熱可塑性物質から作り出されることができ、本明細書では熱硬化性材料が以下の表2および表3で提供される。
【0173】
表2は例示的プランジャを作るために使用されることができる異なる熱可塑性材料、材料のベンダ、材料グレード、材料密度、融解容積、引張弾性率、曲げ弾性率を表にしている。引張弾性率は材料の堅さの尺度であり、曲げ弾性率は材料が曲がる傾向の尺度である。
【表2】
【0174】
http://tools.ticona.com/tools/mcbasei/product−tools.php?sPolymer=POM&sProduct=HOSTAFORM、およびhttp://love8ff.diytrade.com/sdp/450410/4/pd−2493053/3735737−1249560.htmlから提供される表2以外のポリアセタールの追加のHostaformグレードは、HOSTAFORM AM90S、HOSTAFORM AM90S Plus、HOSTAFORM C 13021、HOSTAFORM C 13021 RM、HOSTAFORM C 13031、HOSTAFORM C 13031 K、HOSTAFORM C 13031 XF、HOSTAFORM C 2521、HOSTAFORM C 2521 G、HOSTAFORM C 2552、HOSTAFORM C 27021、HOSTAFORM C 27021 AST、HOSTAFORM C 27021 GV3/30、HOSTAFORM C 52021、HOSTAFORM C 9021.HOSTAFORM C 9021 10/1570、HOSTAFORM C 9021 AW、HOSTAFORM C 9021 G、HOSTAFORM C 9021 GV1/10、HOSTAFORM C 9021 GV1/20、HOSTAFORM C 9021 GV1/20 XGM、HOSTAFORM C 9021 GV1/30、HOSTAFORM C 9021 GV1/30 GT、HOSTAFORM C 9021 GV3/10、HOSTAFORM C 9021 GV3/20、HOSTAFORM C 9021 GV3/30、HOSTAFORM C 9021 GV3/30 TF2、HOSTAFORM C 9021 K、HOSTAFORM C 9021 M、HOSTAFORM C 9021 SW、HOSTAFORM C 9021 TF、HOSTAFORM C 9021 TF5、HOSTAFORM C 9021 XAP
(R)、HOSTAFORM CP15X、HOSTAFORM EC140CF10、HOSTAFORM EC140XF(POM)、HOSTAFORM EC270TX、HOSTAFORM FK 1:25、HOSTAFORM FK 2:25、HOSTAFORM LM140LG、HOSTAFORM LM140LGZ、HOSTAFORM LM25、HOSTAFORM LM90、HOSTAFORM LU−02XAP
(R)、HOSTAFORM LW15EWX、HOSTAFORM LW90BSX、HOSTAFORM LW90EWX、HOSTAFORM M15HP、HOSTAFORM M25AE、HOSTAFORM M90XAP
(R)、HOSTAFORM MR130ACS、HOSTAFORM MT12R01、HOSTAFORM MT12U01、HOSTAFORM MT12U03、HOSTAFORM MT24F01、HOSTAFORM MT24U01、HOSTAFORM MT8F01、HOSTAFORM MT8F02、HOSTAFORM MT8R02、HOSTAFORM MT8U01、HOSTAFORM S 27063、HOSTAFORM S 27064、HOSTAFORM S 27072 WS 10/1570、HOSTAFORM S 9063、HOSTAFORM S 9064、HOSTAFORM S 9243、HOSTAFORM S 9244、HOSTAFORM S 9364、HOSTAFORM TF−10XAP
(R)、およびHOSTAFORM WR140LGを含むがそれに限定されない。
【0175】
表3は、例示的プランジャを作るために使用されることができる異なる熱硬化性材料、およびたとえばASTM D790M(www.DSMSOMOS.comから提供される)につき測定された熱硬化性材料の曲げ弾性率を表にしている。曲げ弾性率は材料が曲がる傾向の尺度である。表3で識別される樹脂から作製されるプランジャの曲げ弾性率は、製造精度だけでなく硬化のタイプおよびレベルにも部分的に依存し、したがって、変わることがあり、提供される範囲に反映される。
【表3】
【0176】
自動注入機器のFtFを決定するために力試験器が使用されることができる。FtFを決定する前に、自動注入機器の始動機構(Firing Mechanism、FM)部分組立体が分解され、元のプランジャが取り除かれることができる。分解されたFMからのその他の構成要素と共に例示的プランジャがFMの中に組み立てられる。ストッパが、シリンジ内のあらかじめ設定された(高さ)位置でとどまるように、中空の金属管の助けによって(この場合、ストッパは中空管内部にあり、次に、下に押される)シリンジの中に所望の位置まで挿入されることができる。シリンジはシリンジハウジング部分組立体の中に挿入されることができる。ハウジングおよびFM部分組立体は自動注入機器の中に組み立てられることができる。この方法では、完全な自動注入機器は、元のプランジャの代わりに例示的プランジャを使って組み立てられる。
【0177】
力試験器が、たとえばZwick社の力試験器がFtFを測定するために使用されることができる。まず、試験が、たとえば押下適合性試験(PUSH Suitability Test)が、力試験器が力を正しく測定していたことを確認するために実行されることができる。次に、実際のFtF試験が実行されることができる。この試験では、2つの具体的固定具が力試験器で使用されることができる。一方の固定具は自動注入機器を垂直位置に保持することができる。他方の固定具は、自動注入機器の始動ボタンを押下するために使用されることができるディスクとすることができる。自動注入機器を保持する固定具は、力試験器マシンの底部に取り付けられることができるが、ディスクは上面部分に取り付けられることができる。これらの固定具が力試験器マシン上で組み立てられると、自動注入機器および力試験器はFtF試験の準備ができた状態になり得る。
【0178】
力試験の間、キャップ24および34が自動注入機器10から取り除かれることができ、自動注入機器は、始動ボタン32を上向きにして自動注入機器ホルダ固定具の中に置かれることができる。機器10は、試験されるあらゆる自動注入機器が固定具で同じ高さに置かれることができるようにこの固定具内の場所の中にロックされることができる。自動注入機器10は、始動ボタン32を上向きにして固定具内に置かれることができる。
【0179】
FtF試験が開始されるとき、ディスクは下に動き、始動ボタン32を押し始めることができる。一例では、始動ボタンが押される距離は、典型的には2.4mmで指定されることができる。計画が開始されるとき、力試験器マシンは、マシンのロード・セル・センサにより経験された力を記録し始めることができる。始動ボタンが押下される距離に対する力のグラフが記入されることができる。自動注入機器を始動させるために必要とされる最小の力が力のグラフから読み取られることができ、FtFと規定された。
【0180】
方法は自動的に実行されることができ、データが試験器のスクリーン上に表示されることができる。方法が完了したとき、自動注入機器は固定具から取り除かれることができる。1回の試験シリーズの中で複数のシリンジを分析する場合、試験される各自動注入機器に対して上記のステップが繰り返されることができる。
【0181】
FtFが第1の最適レベルよりも低い場合、従来の自動注入機器は時期尚早に活動化する(始動する)ことがある。FtFが第2の最適レベルを超える場合、従来の自動注入機器を活動化させることができない患者がいる。例示的機器および方法は、本明細書で説明されるように、改善されたFtF、および改善されたFtFをもたらし使用する方法を備える自動注入機器を提供することによりこの問題を克服する。
【0182】
例示的実施形態は、自動注入機器の始動機構で使用されるプランジャで単独でまたは組み合わせて構成されることができる1つまたは複数のパラメータを特定する。FtF増大(たとえば5Nを超える)が、たとえばICS角、成型条件、または樹脂材料、あるいはそれらの任意の組合せを構成することにより達成されることができる。一実施形態では、自動注入機器の始動機構のFtFは、修正されたプランジャの使用に基づき、5Nよりも大きい、約10Nから約25Nまで、または約10Nから約20Nまでの範囲である。本明細書で説明されるFtFの範囲内に含まれるすべての数値、たとえば6N、7N、8N、9N、10N、11N、12N、13N、14N、15N、16N、17N、18N、19N、20N、21N、22N、23N、24N、25Nなどがまた例示的実施形態の一部として意図されることが留意されるべきである。本明細書で列挙される数値を含む範囲も、たとえば約6Nから約19Nまでも、FtFに対する例示的実施形態の一部として含まれる。追加の制御できる因子の数値が、たとえばプランジャの成型条件(成型温度および冷却時間)が、FtFを増大させるまたは低減するように構成されることができる。
【0183】
上記の制御できる因子のそれぞれが、FtFを増大させるための自分自身の重み関数を有する。FtFに対する所与の因子の重み関数は、プランジャ材料の曲げ弾性率に依存し得る。たとえば、FtFに対するICS角の影響は、プランジャが、より低い係数の材料から作られたプランジャの曲げ弾性率よりも高い係数の材料から作られるとき、より顕著となり得る。重み関数の一例がFtF=a(ICS角)+b(ICS長)であり、ここで、「a」はICS角の重み関数であり、「b」はICS長の重み関数であり、「a」も「b」もプランジャ材料の弾性率に依存する。
【0184】
実施例1:プランジャアーム幅とFtFの間の関係
例示的始動機構組立体の例示的プランジャが、2つのプランジャアームに二またに分けられることができる。始動機構の活動化中、始動ボタンが下の方へ動くことができる。始動ボタンが下の方へ動くとき、始動ボタンと接触させるプランジャアームの部分に対して圧力を加えることができ、プランジャアームを変形させ、互いに向かって動かす。
【0185】
プランジャアーム幅はプランジャアーム間の距離である。プランジャアーム幅は物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように、始動機構を活動化するために必要とされる最小の力に影響を及ぼし得る。このため、プランジャアーム幅は始動機構組立体のFtFに影響を及ぼす。
【0186】
プランジャアーム幅とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。対照プランジャでは、プランジャアーム幅は約3.05mmであった。始動機構およびシリンジハウジングの中に組み立てられた10の対照プランジャに対して基礎研究が行われた。結果は、対照プランジャが約8.3Nから約11.7Nまでの間のFtFを有し、平均FtFが約10.2Nであったことを示している。
【0187】
プランジャアーム幅は異なる方法を使用して調節された。反復始動の回数を修正することがFtFに及ぼす影響が試験された。以下の研究の目的は、反復始動の回数を変更することによりプランジャアーム幅を修正することがFtFに影響を及ぼすかどうかを調査することであった。
図14Aはプランジャを10回始動させた後の第1のシリンジ作動構成要素のFtFのグラフを示す。
図14Bはプランジャを10回始動させた後の第2のシリンジ作動構成要素のFtFのグラフを示す。結果は、所与のプランジャについて、繰り返される始動と共にFtFが減少することを示す。
【0188】
以下の研究の目的は、プランジャアーム幅を修正することがFtFに影響を及ぼすかどうか調査することであった。ある種のプランジャが始動機構組立体の中に組み立て直され、5日間貯蔵された(すなわち機器のばねの引張り力条件の下にある)。次に、始動機構が10回始動させられた。
図15は組み立ての5日後(すなわちばね力にさらされている状態)、プランジャを10回始動させた後のシリンジ作動構成要素のFtFのグラフを示す。結果は、FtFはばね力に5日さらされている状態の後でより低いままであり、組立て後に低いままであり(約4.1Nから約6.5N)、平均が約5.1Nであることを示す。
【0189】
プランジャを成型するための成型条件を修正することがFtFに及ぼす影響が試験された。以下の研究の目的は、成型条件を変更することによりプランジャアーム幅を修正することがプランジャのFtFに影響を及ぼすかどうかを調査することであった。ある種の条件下でプランジャを成型することがプランジャアーム間の幅を増大させ、そのことが今度はFtFを増大させると理解された。
【0190】
プランジャアーム幅を修正することがFtFに及ぼす影響が試験された。プランジャアーム幅が、3日間60℃でオーブン加熱の間に開始時点の約2.55mm〜3.05mmから約5mmまで広げられた。始動機構のその他の構成要素(たとえば始動体および始動ボタン)は加熱されなかった。加熱後、2つのプランジャアームが、オーブンから取り出された後、平行となるのではなく外側に開かれた。アーム間の幅が約5mmで測定された(プランジャアーム幅約3mmを有していた加熱されない対照プランジャと比較される)。結果は、対照プランジャと比較してプランジャアーム幅が約5mmまで広げられたとき、FtFが約8.3N〜約9.6Nまで増大し、平均が約9.0Nであったことを示す。
【0191】
ある種のプランジャがオーブンで温度調節され、始動機構の中に組み立て直され、ばね力がFtF試験前に3日間プランジャに加えられた。プランジャアーム間の幅は約5mm幅から約3.5mmまで低減したことが注目された。
図16は、3日間組み立て直された後、プランジャを10回始動させた後のシリンジ作動構成要素のFtFのグラフを示す。結果は、このことがアーム幅を低減し、より低いFtF(約5.8Nから約6.9Nまで)をもたらしたことを示す。
【0192】
例示的実施形態が、プランジャアーム幅を修正することにより、始動機構組立体で改善されたFtFを達成するようにプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、プランジャはより高いFtFを達成するために大きなプランジャアーム幅を有するように構成される。別の例示的実施形態では、プランジャはより低いFtFを達成するために小さなプランジャアーム幅を有するように構成される。プランジャアーム幅はFtFを増大させるために増大させられ、FtFを低減するために低減される。
【0193】
例示的実施形態が、始動機構組立体のプランジャアーム幅が、FtFを改善するように単独でまたは別の因子と組み合わせて構成される自動注入機器を提供する。例示的実施形態では、プランジャアーム幅は約5.0mmである。
【0194】
以下の研究の目的は、成型条件を変更することによりおよび/またはより高い曲げ弾性率材料を使用することにより、プランジャアーム幅を増大させることがFtFを増大させることになるのかどうかを調査することであった。研究の目標はまた、改善されたFtFを達成するが、機器の全体設計を変更しないことであった。この目標は、修正された1組の成型パラメータ、および/または新しい樹脂グレードのより高い曲げ弾性率材料を使用することにより達成された。成型パラメータを変更すること、および/または異なるタイプの樹脂グレードを使用することにより、改善されたFtFを有する改善されたプランジャが作り出された。
【0195】
2つの異なるポリアセタール(POM)樹脂グレードが、すなわち無充填樹脂グレード(3,050MPa;対照プランジャ)および充填樹脂グレード(30%球グレードガラス球充填;3,800MPa)が研究された。例示的プランジャに対する成型条件は、充填樹脂(3,800MPa)を使用して100°F/25秒(成型温度/冷却時間)を含んでいた。試験された対照成型条件が、無充填樹脂グレード(3,050MPa)を使用して200°F/10秒(成型温度/冷却時間)を含んでいた。プランジャアーム幅が成型後に測定された。ICS角に関してこの研究では設計変更はなく、ICS角は約38°に保たれた。
【0196】
様々な樹脂および成型条件の分析が、プランジャアーム幅は、冷却時間が増大されかつ成型温度が低減されるときに増大することを明らかにする。プランジャのFtFは、プランジャアーム幅の増大と共に増大し、同様に、より低い成型温度を伴うより長い冷却時間と共に増大する。結果はまた、プランジャのFtFは、樹脂材料の弾性率が増大すると共に増大することを明らかにする。FtF値は、増大された樹脂材料の弾性率と修正された成型過程パラメータの両方の組合せに基づき約7.68Nから約13.52Nまで76%増大する。
【0197】
表4は、プランジャ材料の樹脂材料グレードとプランジャの成型条件の異なる組合せに対して達成されたFtFを要約する。より具体的には、表4は、対照成型条件と代替成型条件、すなわち100°F/25秒の両方の下で30%球充填樹脂材料と対照プランジャ(Hostaform C 13031共重合体)を比較する。表4に説明されるように、FtFはプランジャアーム幅の増大と共に増大する。さらに、充填樹脂を有するプランジャが、より低い弾性率を有する対照プランジャよりも高いFtF(増大させられたプランジャ材料弾性率(充填グレード))を有していた。
【表4】
表4で説明される2つの成型条件下で使用される10%ガラス繊維充填樹脂(約4,800MPaでの弾性率)が、所与の成型パラメータ(200°F/10秒で約8.1Nおよび110°F/25秒で約10.4N)で対照に対してFtFを増大させる。充填樹脂(3,800MPa)を使用する2つの別の成型条件、すなわち約100°F/10秒(成型温度/冷却時間)および約200°F/25秒(成型温度/冷却時間)がまた、FtFの増大をもたらす。
【0198】
要するに、FtFは、成型条件、およびプランジャ材料の曲げ弾性率を構成することにより増大させられることができる。前記実験はまた、プランジャアーム幅はある種の成型条件および/または弾性率に従って増大させられることができることを明らかにする。したがって、FtFはプランジャのICS角を変えることなく修正されることができる。
【0199】
実施例2:ICS角とFtFの間の関係
例示的始動機構組立体の例示的プランジャアームが、タブをつけられた足部を含むヘッド部分を有することができる。ICSは、始動係合機構、たとえば始動ボタンと接触させるように構成されるプランジャ・アーム・ヘッドの一部である。ICS角は、プランジャの縦軸に対してICSにより形成される角度である。
【0200】
始動機構の活動化中、始動ボタンは下の方へ動くことができる。始動ボタンが下の方へ動くとき、ICSに対して圧力を加えることができ、プランジャアームを変形させ、互いに向かって動かす。ICS角は、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように、始動機構を活動化させるために必要とされる最小の値に影響を及ぼし得る。このため、ICS角は始動機構組立体のFtFに影響を及ぼし得る。
【0201】
ICS角とFtFの間の関係を決定するための研究が立案された。第1の組の実験では、ICS角(逆に傾斜した円錐面)が変えられるように、タブをつけられた足部の先端上に様々な量で様々な位置に、ある量の接着剤が置かれた。タブをつけられた足部の傾斜は、ICS角38°を有する対照プランジャの傾斜から、4つの異なるICS角まで変えられた。タブをつけられた足部のできあがった傾斜は、以下の通りであった。すなわち接着剤でつけられたプランジャ(d)(最小のICS角)<元のプランジャ(a)<接着剤でつけられたプランジャ(e)<接着剤でつけられたプランジャ(b)<接着剤でつけられたプランジャ(c)(最大のICS角)。
図17は、例示的実施形態に従って提供されたシリンジ作動構成要素のプランジャアームの側面図を示し、3つの例示的ICS角(28°、対照プランジャとしての38°、48°)を示す。力試験器を使用して各プランジャに対してFtFが測定された。
【0202】
表5は例示的プランジャに対するFtF測定値を表にする。
【表5】
結果は、FtFは、最も低いICS角を有する接着剤でつけられたプランジャ(d)に対しては最小の約3.7N、2番目に低いICS角を有する対照プランジャ(a)に対しては2番目に低い平均約4.8N、3番目に低いICS角を有する接着剤でつけられたプランジャ(e)に対しては3番目に低い約21.5N、2番目に高いICS角を有する接着剤でつけられたプランジャ(b)に対しては2番目に高い約29.4N、および最も高いICS角を有する接着剤でつけられたプランジャ(c)に対しては最も高い平均約42.3Nであったことを示す。
【0203】
要約すると、結果は、タブをつけられた足部のICS角が高いほど、それだけFtFが高いことを実証する。したがって、タブをつけられた足部のICS角はFtFを制御して、改善されたFtFを達成するように構成されることができる。
【0204】
第2の組の実験では、異なるICS角を達成するために、プランジャがソフトウェア、たとえば3D CADソフトウェア(Solidworks社、Concord、MA)により再設計された。例示的ICS角が、ICS角約38°を有する対照プランジャと比較して約28°および約48°であった。プランジャは熱硬化性材料11120および12120を使用して作り出された。ポリアセタール(ポリオキシメチレン;POM)共重合体、たとえばHostaform C 13031からなる対照プランジャの38°のICS角と比較してFtFが測定された。曲げ弾性率3,000MPaを有する対照プランジャと比較して、1120プランジャは曲げ弾性率約2200MPaを有し、12120プランジャは曲げ弾性率約3320MPaを有した。
【0205】
図18は、様々なICS角(28°、38°、48°)を有し、様々な材料(POM、11120、および12120)から作り出されたプランジャの平均FtFのグラフを示す。FtFは、プランジャ製造のために使用される材料グレード(たとえばグレード11120および12120)に関係なく、ICS角の増大だけでなく曲げ弾性率の増大と共に増大する。ICS角38°を有するポリアセタール(POM)プランジャについては、FtFは約10.8Nであった。11120プランジャについては、FtFは、ICS角約28°、38°、および48°に対してそれぞれ約14.8N、27.4N、および38.1Nであった。12120プランジャについては、FtFは、ICS角約28°、38°、および48°に対してそれぞれ約14.9N、39.3N、および49.2Nであった。
【0206】
図19は、様々なICS角(28°、38°、48°)および材料(POM、11120、および12120)を有するプランジャの平均FtFのグラフを示す。12120プランジャに対するFtFは、ICS角を約28°から38°に変更することにより24Nだけ増大させられ、ICS角をさらに10°だけ増大させることによりさらに10Nだけ増大させられた。同様に、11120プランジャに対するFtFは、ICS角を28°から38°に変更することにより約13Nだけ増大させられ、ICS角をさらに約10°だけ増大させることによりさらに10Nだけ増大させられた。したがって、高い曲げ弾性率材料(グレード12120)が、同じICS角に対して、より低い弾性率の材料(グレード11120)のFtFを超えて増大したFtFを有した。ICS角が38°を超えたとき、増大はより顕著になった。さらに、FtFに対するICS角の重み関数は、プランジャ材料の弾性率と共に変わる。
【0207】
したがって、ICS角は、FtFを制御して、最適なFtFを達成するように構成されることができる。
【0208】
例示的実施形態が、ICS角を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、プランジャは、より高いFtFを達成するためにより大きなICS角(たとえば38°よりも大きい)を有するように構成される。別の例示的実施形態では、プランジャは、より低いFtFを達成するためにより小さなICS角(たとえば38°よりも小さい)を有するように構成される。ICS角は、FtFを増大させるために増大させられ、FtFを低減するために低減されることができる。例示的実施形態はまた、ICS角とプランジャ材料の曲げ弾性率との組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0209】
例示的実施形態が、ICS角がFtFを改善するように構成される自動注入機器を提供する。例示的実施形態では、ICS角は約48°である。
【0210】
実施例3:プランジャ材料とFtFの間の関係
例示的始動機構組立体のプランジャは、特定のプランジャ材料から少なくとも部分的に作り出されることができる。例示的実施形態では、プランジャ材料は熱可塑性材料でもよい。別の例示的実施形態では、プランジャ材料は熱硬化性材料でもよい。
【0211】
始動機構の活動化中、始動ボタンは下の方へ動くことができる。始動ボタンが下の方へ動くとき、始動ボタンと接触させるプランジャアームの部分に対して圧力を加えることができ、プランジャアームを変形させ、互いに向けて動かす。材料の曲げ弾性率は、材料の可撓性のある変形での応力対ひずみの比であり、材料が応力の下で曲がる傾向を決定する。曲げ弾性率は、始動機構の活動化中にプランジャアームがどのように変形するかを調節し、今度は、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように始動機構を活動化させるために必要とされる最小の力に影響を及ぼす。より具体的には、プランジャがより高い曲げ弾性率材料から作り出される場合、プランジャアームを曲げるためにより強い力が必要とされることができ、FtFを増大させる。
【0212】
プランジャ材料の曲げ弾性率とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。異なる曲げ弾性率(表3で説明される9420、18420、11120、12120、15120)を有する異なるプランジャ材料が試験された。プランジャはすべて一定のICS角約38°を有していた。
図20はプランジャの平均FtFのグラフを示す。研究の結果は、FtFがプランジャ材料の曲げ弾性率増大と共に増大することを実証する。より高い曲げ弾性率を有する樹脂で作られたプランジャが、より低い曲げ弾性率を有する樹脂から作られたプランジャよりも高いFtFをもたらす。
【0213】
例示的実施形態が、プランジャ材料の曲げ弾性率を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、プランジャは、より高いFtFを達成するために高い曲げ弾性率を有する材料から作り上げられる。別の例示的実施形態では、プランジャは、より低いFtFを達成するために低い曲げ弾性率を有する材料から作り上げられる。プランジャ材料は、FtFを増大させるためにより高い曲げ弾性率の材料に、およびFtFを低減させるためにより低い曲げ弾性率の材料に変更されることができる。例示的実施形態はまた、FtFを改善するために、プランジャ材料の曲げ弾性率が単独でまたは別の因子と組み合わせて構成される自動注入機器を提供する。
【0214】
プランジャ材料の曲げ弾性率を変更することが、すべての物質をシリンジから放出するために必要とされる時間に影響を及ぼすかどうかを決定するために別の研究が行われた。研究では、0.8mLの緩衝液で満たされたシリンジが、シリンジハウジング部分組立体の中に組み立てられた。シリンジと、プランジャを含む始動機構部分組立体とを含むシリンジハウジング部分組立体が、自動注入機器の中に組み立てられた。注入ための皮膚を模倣するためにテープが使用された。各機器に対して、機器の針が、注入を模倣するためにテープの上に置かれた。始動ボタンおよびストップウォッチが、模倣された注入の開始と同時に押された。シリンジ内の全物質の放出に必要とされる時間が記録された。
【0215】
図21は、異なる曲げ弾性率(11120、DMX−SL100、POM、および12120 Prototherm)を有する様々な材料から作り出されたプランジャに対して記録された放出時間のグラフを示す。すべての例示的プランジャ(広範囲の弾性率を有する)が実質的に同じ放出時間を有した。結果は、0.8mLの物質の調剤時間、放出時間、または注入時間がプランジャ材料の曲げ弾性率に関係なく実質的に同じまままであったことを示す。
【0216】
実施例4:プランジャ表面テクスチャとFtFの間の関係
例示的始動機構組立体のプランジャアームのヘッド表面は特定の表面テクスチャを有することができる。例示的実施形態では、プランジャヘッドの表面は実質的に滑らかなテクスチャを有することができる。別の例示的実施形態では、プランジャヘッドの表面は実質的に粗いテクスチャを有することができる。
【0217】
始動機構の活動化中、始動ボタンが下の方に動くことができる。始動ボタンが下の方に動くとき、始動ボタンと接触させるプランジャアームの部分に対して圧力を加えることができ、プランジャアームを変形させ、互いに向けて動かす。プランジャアーム表面のテクスチャは静止摩擦抵抗をもたらすことができる。したがって、テクスチャは、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように始動機構を活動化させるために必要とされる最小の力に影響を及ぼし得る。このため、プランジャアームのヘッド表面の表面テクスチャは、始動機構組立体のFtFに影響を及ぼし得る。
【0218】
表面テクスチャとFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。異なる曲げ弾性率を有し、活動化中に始動ボタンと接触する実質的に滑らかなまたは実質的に粗いICSおよび/またはSCSを有するプランジャが作製された。
【0219】
図22は、表面材料が粗いまたは滑らかな、変化する曲げ弾性率を有するプランジャのFtFのグラフを示す。結果は、粗いプランジャがより高いFtFを有していたこと、およびこの効果が、より高い係数のプランジャ材料でより顕著であったことを示す。
【0220】
例示的実施形態が、プランジャアームの表面テクスチャを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、プランジャ表面は、より高いFtFを達成するために実質的に粗く作られる。別の例示的実施形態では、プランジャ表面はより低いFtFを達成するために実質的に滑らかに作られる。プランジャ材料は、より高いFtFを達成するためにより粗く作られる、またはより低いFtFを達成するためにより滑らかに作られることができる。したがって、プランジャアームの表面テクスチャはFtFを制御し、FtFを改善するように構成されることができる。例示的実施形態はまた、ICSおよび/またはSCSの表面テクスチャが単独でまたは別の因子と組み合わせてFtFを改善するように構成される自動注入機器を提供する自動注入機器を提供する。
【0221】
実施例5:FtFに対するPBB角、プランジャアーム幅の間の関係
例示的始動機構組立体の例示的プランジャが、2つのプランジャアームに二またに分けられることができる。PBB角はプランジャアーム間に形成される角度である。例示的実施形態では、PBB角は約0°であり、プランジャアームは実質的に互いに平行である。別の例示的実施形態では、PBB角は0°よりも大きく、プランジャは互いに平行ではない。
【0222】
始動機構の活動化中、始動ボタンが下の方に動くことができる。始動ボタンが下の方に動くとき、始動ボタンと接触するプランジャアームの部分に対して圧力を加えることができ、プランジャアームを変形させ、互いに向けて動かす。プランジャアーム間に形成されるPBB角は、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように始動機構を活動化させるために必要とされる最小の力に影響を及ぼし得る。このため、プランジャアーム間に形成されるPBB角が始動機構組立体のFtFに影響を及ぼし得る。
【0223】
PBB角とプランジャアーム幅の間の関係が試験された。プランジャは様々なPBB角(0°、1°、2°、3°、4°)で作られた。1°、2°、3°、4°のPBB角を有するプランジャの構成が、3D CADファイルの構成から読み出されるような、およびプランジャサンプルから測定されるような以下のプランジャアーム幅をもたらす。これらの幅が表6に要約されている。表6は、PBB角0°、1°、2°、3°、および4°、3D CADファイルから読み出された対応するプランジャアーム幅、Watershed 11120ラピッド・プロトタイプ・プランジャ(Rapid Prototype Plunger、RPT)サンプルの対応する測定された平均幅、ならびにPrototherm 12120 RPTサンプルの対応する測定平均幅を表にする。表6では、各PBB角に対するプランジャ構成は同じであったが、異なるRPT材料が異なるプランジャアーム幅をもたらすことが理解される。
【表6】
【0224】
PBB角とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。異なる材料(表3で説明される11120または12120)から作られ様々なPBB角(0°、0.5°、1°、1.5°、2°)を有する異なるプランジャが試験された。
図23は、11120または12120から作られ様々なPBB角を有するプランジャアームに対するFtFのグラフを示す。結果は、FtFはPBB角の増大と共に増大することを示す。さらに、高い弾性率のプランジャ材料たとえば12120が、より低い弾性率の材料たとえば11120よりもPBB角の増大と共にFtFの増大が顕著であった。
【0225】
研究の結果は、PBB角を増大させることがプランジャアーム幅を増大させ、そのことが、今度はFtFを増大させることを示す。増大するPBB角に対して、より高い曲げ弾性率の材料(ProtoTherm 12120)が、より低い曲げ弾性率の材料(Watershed 11120)よりもFtFが顕著に増大した。すなわち、FtFはプランジャアーム幅と材料の曲げ弾性率の両方により影響を及ぼされた。この研究では、ProtoTherm 12120の材料の曲げ弾性率がFtFに対して支配的因子であった。プランジャアーム幅は、PBB角あたり、Watershed 11120から作られたプランジャよりもProtoTherm 12120から作られたプランジャで小さかったが、ProtoTherm 12120から作られたプランジャがより高いFtFをもたらした。
【0226】
例示的実施形態が、プランジャアーム間に形成されるPBB角を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、PBB角は、より高いFtFを達成するために増大させられる。別の例示的実施形態では、PBB角は、より低いFtFを達成するために低減される。したがって、PBB角はFtFを制御して、FtFを改善するように構成されることができる。
【0227】
例示的実施形態はまた、プランジャアーム間に形成されるPBB角とプランジャ材料の曲げ弾性率の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0228】
例示的実施形態はまた、PBB角がFtFを改善するように単独でまたは別の因子と組み合わせて構成される自動注入機器を提供する。
【0229】
実施例6:ICS長とFtFの間の関係
例示的始動機構組立体の例示的プランジャアームがタブをつけられた足部を含むことができるヘッド部分を有する。ICSは、始動係合機構、たとえば始動ボタンと接触させるように構成されるプランジャ・アーム・ヘッドの部分である。ICS長は始動係合機構と接触しているICSの長さである。
【0230】
始動機構の活動化中、始動ボタンが下の方に動く。始動ボタンが下の方に動くとき、ICSに対して圧力を加え、プランジャアームを変形させ、互いに向けて動かす。始動ボタンはICS長にわたりICSに沿って移動する。ICS長は、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように始動機構を活動化させるために必要とされる最小の力に影響を及ぼす。このため、ICS長は始動機構組立体のFtFに影響を及ぼす。
【0231】
ICS長とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。研究は、ICS角約38°およびSCS角約23°を有する対照プランジャを使用した。例示的プランジャでは、ICS角が約38°に保たれ、ICS長が約2.44mmから約2.64mm、2.84mm、および3.03mmまで(それぞれ約0.2mm、約0.4mm、および0.6mmの増加)変えられた。さらに、ICS角もSCS角も約38°(すなわちICSおよびSCSが遷移領域なしに1つの連続した表面を形成した)でプランジャが試験された。このことにより、プランジャが始動体から解放される前に、始動ボタンがより広い領域(この場合、ICSもSCSも包含する)にわたりICSと接触させることができるようにした。
【0232】
図24は、ICS長がそれぞれ約0.2mm、約0.4mm、約0.6mmだけ、約2.64mm、約2.84mm、および約3.03mmに増大させられた、異なる材料(元のICS長を有する対照POMプランジャ、元のICS長を有する11120プランジャ、約0.2mmだけ増大させられたICS長を有する11120プランジャ、約0.4mmだけ増大させられたICS長を有する11120プランジャ、および約0.6mmだけ増大させられたICS長を有する11120プランジャ)から作り出されたプランジャに対するFtFプロファイルのグラフを示す。結果は、FtFはICS長の増大と共に増大したことを示す。ICS長が増大すると共に、FtF力プロファイルのピークが右に移動した。
【0233】
例示的実施形態が、ICS長を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、ICS長が、より高いFtFを達成するために増大させられる。別の例示的実施形態では、ICS長が、より低いFtFを達成するために低減される。したがって、ICS長はFtFを制御して、FtFを改善するように構成されることができる。
【0234】
例示的実施形態はまた、ICS長とICS角の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0235】
例示的実施形態はまた、ICS長とプランジャの材料の曲げ弾性率の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0236】
例示的実施形態はまた、ICS長と、ICS角と、プランジャ材料の曲げ弾性率の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0237】
例示的実施形態が、ICS長が単独でまたは別の因子と組み合わせてFtFを改善するように構成される自動注入機器をさらに提供する。
【0238】
実施例7:プランジャ成型条件とFtFの間の関係
例示的始動機構組立体の例示的プランジャアームが異なる条件下で成型されることができる。これらの条件は、成型温度、冷却時間などを含むことができるがそれに限定されない。プランジャの成型条件はプランジャの物理的特性に影響を及ぼし得て、今度は、物質がシリンジから患者の体の中に排出されるように始動機構を活動化させるために必要とされる最小の力に影響を及ぼし得る。このため、成型条件は、始動機構組立体のFtFに影響を及ぼし得る。
【0239】
プランジャ成型条件とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。研究では、3つのポリアセタールグレードの熱可塑性材料から作られたプランジャが、異なる成型温度および冷却時間を使用して成型された。ポリアセタール熱可塑性共重合体(たとえばHostaform C 13031、Hostaform C 27021 GV
3/30、およびHostaform C 9021 GV1/10のグレード)に対する通常の成型温度が、10秒の冷却時間を伴う200°Fであった。成型条件は10秒の冷却時間を伴う200°Fから25秒の冷却時間を伴う100°Fに変更された。
【0240】
表7は、異なる成型条件下で成型された異なる材料のプランジャにより達成されたFtFを要約する。
【表7】
【0241】
Hostaform C 13031のFtFは、プランジャが冷却時間約25秒を伴う成型温度約100°Fで成型されたとき、約5.22N〜7.68Nから約6.44N〜10.68Nまで増大した。Hostaform C 27021 GV 3/30のFtFは、プランジャが25秒の冷却時間を伴う成型温度約100°Fで成型されたとき、約9.83N〜12.06Nから約10.71N〜13.52Nまで増大した。Hostaform C 9021 GV1/10のFtFは、プランジャが25秒の冷却時間を伴う成型温度約100°Fで成型されたとき、7.84N〜8.09Nから約9.12N〜10.43Nまで増大した。
【0242】
10%のガラス繊維充填グレード(たとえばHostaform C 9021 GV1/10)で成型されたプランジャが、両方のプランジャが同じ成型条件下で成型されたときでさえ、30%ガラス球充填グレードを有するプランジャよりも低いFtFを有した。10%グレードのプランジャは、内側に曲がり、2つのアーム間により小さな幅を有することが注目された。この内側の曲がりがより低いFtFを有する10%グレードをもたらした。
【0243】
熱可塑性材料から作られたプランジャは、材料の弾性率に関して、熱硬化性材料に対して観測されたのと同じ傾向を示す。さらに、結果は、FtFがプランジャ材料固有特性(たとえば曲げ弾性率)と成型パラメータの両方に依存したことを示す。したがって、FtFはプランジャ材料固有特性と成型パラメータの両方一体化された特性とすることができる。
【0244】
例示的実施形態が、プランジャを成型するための成型条件(たとえば成型温度、冷却時間など)を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、成型温度は、より高いFtFを達成するために成型温度が下げられ冷却時間が増大させられた。別の例示的実施形態では、より低いFtFを達成するために成型温度が上げられ冷却時間が低減された。したがって、成型温度および冷却時間は、FtFを制御して、FtFを改善するように構成されることができる。
【0245】
例示的実施形態はまた、成型条件(たとえば成型温度、冷却時間)とプランジャ材料の曲げ弾性率の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0246】
例示的実施形態は、プランジャの1つまたは複数の成型条件が単独でまたは別の因子と組み合わせてFtFを改善するように構成される自動注入機器をさらに提供する。
【0247】
実施例8:突出高さと突出角とFtFの間の関係
突出高さとFtFの間の関係、および突出角とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。突出高さおよび突出角がFtFに及ぼすこれらのパラメータの影響を決定するために変更され、FtFが測定された。突出高さおよび突出角は相互に依存する。突出高さの増大が突出角を自動的に低減する。これは、高さが増大させられたとき、内側の平面での突出パッドの基準平面線が変わらないままであるためである。
【0248】
表8はFtFについて突出高さおよび突出角を変更した結果を表にする。
【表8】
【0249】
プランジャの突出角は約82°(構成#1)から約79°(構成#2)まで低減され、突出高さは約0.17mm(構成#1)から約0.22mm(構成#2)まで増大させられた。結果は、これらの変更によりFtFが約5N〜8N(構成#1)から約8N〜10N(構成#2)までかなり増大したことを示す。
【0250】
したがって、突出高さおよび突出角は、FtFを制御して、FtFを改善するように構成されることができる。
【0251】
実施例9:プランジャ構成とFtFの間の関係
プランジャ構成とFtFの間の関係を決定するために研究が立案された。より詳細には、2つのプランジャ構成――中間点固定(MPF)および上端点固定(TPF)――が、両方ともICS角48°で、FtFに及ぼすこれらのプランジャの影響を決定するために試験された。MPF構成では、ICS角が変更されたとき、ICSとSCSの間の遷移点が固定されたまま保たれた。TPF構成では、ICSが変更されたとき、最上部の平面とICSの間の遷移点が固定されたまま保たれた。
【0252】
自動注入機器の始動中にICSに沿って始動ボタンにより移動される距離はMPF構成よりもTPF構成で大きかった。この距離は、典型的には始動ボタンとICSの間の初期接触点から、ICS−SCS遷移点までの距離であった。
図25は、ICS角38°(約0.91mm)を有する対照プランジャ、ICS角48°(約0.75mm)を有する例示的MPFプランジャ、およびICS角48°(約1.24mm)を有する例示的TPFプランジャに対する、初期始動ボタン−ICS接触点とICS−SCS遷移点の間の例示的距離を示す棒グラフである。
【0253】
図26Aは、ICS角38°を有する対照プランジャの斜視図を提供する。
図26Bは、MPF構成およびICS角約48°を有する例示的プランジャの斜視図を提供する。
図27Aは、ICS角約38°を有する対照プランジャの斜視図を提供する。
図27Bは、TPF構成およびICS角約48°を有する例示的プランジャの斜視図を提供する。
【0254】
図28Aは、MPF構成およびICS角約48°を有する例示的プランジャアームの略図を示す。この例では、プランジャアームはSCS角約23°を有していた。
図28BはTPF構成およびICS角約48°を有する例示的プランジャアームの略図を示す。この例では、プランジャアームの直径がMPF構成とTPF構成の間で一定に保たれたので、プランジャアームはSCS角約9.4°を有していた。プランジャアームの例示的直径は約8.9mmであった。
【0255】
異なる材料から作り上げられ異なる条件下で成型されたプランジャが、FtFに及ぼすMPF構成およびTPF構成の影響を決定するために試験された。例示的プランジャは、Hostaform C 13031(200°F/10秒、200°F/25秒、100°F/10秒、100°F/25秒の下で成型された)、Hostaform C 27021 GV 3/30(200°F/10秒、200°F/25秒、100°F/10秒、100°F/25秒の下で成型された)、Hostaform C 9021 GV 1/10(200°F/10秒、200°F/25秒、100°F/10秒、100°F/25秒の下で成型された)を含んでいた。結果は、TPF構成を有するプランジャのFtFが、プランジャ材料と成型条件のそれぞれの組合せで、MPF構成を有するプランジャのFtFよりも一貫して高かったことを示す。予想外に、MPF構成からTPF構成の切替えが、異なる成型条件下で異なる樹脂から成型されたプランジャのFtFを一貫して増大させることが理解された。200°F/10秒でHostaform C 13031から成型されたMPF構成プランジャの平均FtFは約11.33Nであり、同じ成型条件下で同じ樹脂から成型されたTPF構成プランジャの平均FtFは約14.55Nであった。
【0256】
200°F/10秒の下で成型されたHostaform C 13031のMPFおよびTPFの構成についてFtF力プロファイルが決定された。
図29AはMPF構成のFtF(N)プロファイルのグラフを示す。
図29BはTPF構成プランジャのFtF(N)プロファイルのグラフを示す。
図29A(MPF構成)は2つのピークを示すが、
図29B(TPF構成)は1つのピークを示す。TPF構成に第2のピークがないのは、MPF構成でのSCS角約23°と比較してより急峻なSCS角約9.4°による。
【0257】
図29A(MPF構成)は、力のプロファイルがおよそ1.00mmで始まることを示すが、
図29B(TPF構成)は、力のプロファイルがおよそ0.6mmで始まることを示す。これは、MPF構成では、始動ボタンがTPF構成と比べてプランジャのICS上のより低いところに位置するためである。さらに、始動ボタンがMPF構成よりもTPF構成でICSに沿ってより長い距離を移動するので、力の図の起点から第1のピークまでの間の距離が
図29A(MPF構成)よりも
図29B(TPF構成)で長い。
【0258】
図29Aおよび
図29Bで示される意外な結果が、TPFプランジャ構成が、典型的には同じ材料から作り上げられるプランジャについて各ICS角でMPFプランジャ構成よりも高いFtFを達成することである。すなわち、特定のICS角を有するTPFプランジャが、典型的には同じICS角を有しサンプルプランジャ材料から作り出されるMPFプランジャよりも高いFtFを達成する。このため、各ICS角で、同じ材料から作り出されるプランジャに対してMPFプランジャ構成ではなくTPFプランジャ構成を使用することにより、より高いFtFが達成されることができる。
【0259】
例示的実施形態が、プランジャ構成を修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。例示的実施形態では、FtFを増大させるためにプランジャ構成がMPFからTPFに変更される。別の例示的実施形態では、FtFを低減するためにプランジャ構成がTPFからMPFに変更される。
【0260】
例示的実施形態では、ICS角約48°を有するTPFプランジャ構成が使用される。別の例示的実施形態では、ICS角約48°を有するMPFプランジャ構成が使用される。
【0261】
例示的実施形態はまた、プランジャ構成(TPFまたはMPF)とプランジャ材料の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0262】
例示的実施形態はまた、プランジャ構成(TPFまたはMPF)とプランジャ材料とプランジャを成型するための成型条件の組合せを修正することにより改善されたFtFを達成するように始動機構組立体のプランジャを構成する方法を提供する。
【0263】
例示的実施形態はまた、プランジャ構成が単独でまたは別の因子と組み合わせてFtFを改善するように構成される自動注入機器を提供する。
【0264】
実施例10:FtFに対するプランジャ材料、突出構成組合せの間の関係
FtFに対するプランジャ材料、突出構成組合せの間の関係を決定するために研究が立案された。プランジャ材料の曲げ弾性率、突出高さ、および突出角が変えられ、FtFに及ぼすこれらのパラメータの影響を決定するためにFtFが測定された。
【0265】
表9は、改善されたFtFを達成するのに好ましいおよび最も好ましい曲げ弾性率と突出高さの組合せを表示する。
【表9】
【0266】
表10は、改善されたFtFを達成するのに好ましいおよび最も好ましい曲げ弾性率と突出角の組合せを表示する。
【表10】
【0267】
実施例11:ICS角と曲げ弾性率と成型パラメータの組合せとFtFの間の関係
以下の研究の目標は、プランジャ材料および成型過程因子を修正することに加えて、ICS角変更を組み入れることによりさらに高いFtFが達成されることができるかどうかを決定することであった。ICS角は約38°から約48まで増大させられた。
【0268】
表11は、異なる材料弾性率を有する2つの樹脂グレードを使って2つの成型条件下で作られたプランジャに起因する測定されたFtFの結果を提供する。表11はまた、初期接触面(ICS)角とプランジャ材料とプランジャの成型条件の異なる組合せに対して達成されたFtFを要約する。表11はまた、プランジャ材料と成型条件の各組合せで、ICS角が上昇すると共にFtFが増大することを示す。
【表11】
【0269】
FtFはICS角の増大(38°から48°へ)と共に増大した。ICS角の増大(38°から48°へ)は、研究された樹脂材料弾性率の増大および成型条件によりもFtFの増大に大きな影響を及ぼした。それにもかかわらず、3つのパラメータすべてがFtFに影響を及ぼすことが理解され、したがって、単独でまたは組み合わせてプランジャのFtFを改善するために使用されることができる。
【0270】
結果は、ICS角約48°でのFtFが、プランジャ材料と成型条件の各組合せに対して、ICS角約38°に対するFtFよりも高かった。たとえば、10秒間の成型温度約200°Fで成型された対照樹脂プランジャ(Hostaform C 13031)については、FtFはICS角約38°および48°でそれぞれ約5.7Nおよび14.2Nであった。成型温度約100°Fで成型され25秒間冷却された対照樹脂プランジャ(Hostaform C 13031)については、FtFはICS角約38°および約48°でそれぞれ約8.3Nおよび13.2Nであった。成型温度約200°Fで成型され10秒間冷却された30%球充填樹脂プランジャ(Hostaform C 27021)については、FtFはICS角約38°および48°でそれぞれ約10.4Nおよび21.8Nであった。成型温度約100°Fで成型され25秒間冷却された30%球充填樹脂プランジャ(Hostaform C 27021)では、FtFはICS角約38°および48°でそれぞれ約10.7Nおよび約23.8Nであった。
【0271】
さらに、ICS角約48°でのFtF値は、無充填樹脂よりも充填樹脂に対して高く、ICS角48°でのプランジャFtF値は、3,050MPaでのFtF値より材料弾性率約3,800MPaで高かった。ICS角増大約10°に基づくFtF増大は、3000MPaから4000MPaへの樹脂材料弾性率変更に基づくFtF増大よりも大きかったが、ICS角変更も樹脂材料変更もFtFの改善を示す。同様に、ICS角増大約10°に起因するプランジャFtF増大は、200°Fから100°Fへの成型温度低減または10秒から25秒への成型冷却時間増大に起因するFtF増大よりも大きかったが、ICS角も成型条件もFtFの増大を示す。
【0272】
10%ガラス繊維充填樹脂(4,800MPa)から作られたプランジャがまた、2つの成型条件下で増大したICS角を使用して試験された。200°F/10秒の条件下で成型されICS角約48°を有する10%充填樹脂プランジャについては、得られた平均FtFは48°のICS角を有する対照プランジャに類似した(すなわち対照の14.2N対10%繊維充填の14.2)。しかし、興味深いことに、FtF平均は、修正された成型条件(110°F/25秒)下での対照プランジャ(48°)については平均13.2Nを有していたが、10%充填樹脂プランジャに対する平均FtFは21.7Nであった。
【0273】
要するに、FtFは、ICS角、成型条件、または樹脂材料だけでなくそれらの任意の組合せを変えることにより増大させられることができる。前述のパラメータはFtFを約5Nから約24Nまで増大させる。特に、別のタイプの材料が同様に適していることがあり、本発明の一部と考えられるので、上記の研究で使用された材料は例示的であり、限定ではない。
【0274】
実施例12:材料の曲げ弾性率と成型条件とICS角の組合せとFtFの間の関係
以下の研究の目標は、材料および過程因子に加えてICS角変更を組み入れることによりさらに高いFtFが達成されることができるかどうかを決定することであった。表12に示されるような異なる成型条件を使用して、変更されたICS角で成型されたHostaform C GV 3/30およびHostaform C 13031の材料に対してFtFが測定された。
【0275】
表12は、プランジャ材料の曲げ弾性率、プランジャを成型するための成型条件、およびプランジャのICS角を変えることにより達成されたFtFを要約する。
【表12】
【0276】
したがって、プランジャ材料と成型条件とICS角との組合せが、FtFを制御して、改善されたFtFを達成するように構成されることができる。
【0277】
実施例13:プランジャ構成とプランジャ材料成型条件の組合せとFtFの間の関係
FtFを改善する取り組みで、プランジャの様々な条件(プランジャ構成、プランジャ材料、および成型パラメータを含む)が研究された。対照Hostaform C 13031、27021 GV3/30(30%球材料)、および9021 CV1/10(10%繊維材料)を含む(ポリアセタールファミリの)様々な弾性率の3つの樹脂も研究された。試験された成型条件は、200°F/10秒(対照)、200°F/25秒、100°F/10秒、および100°F/25秒を含む。放出時間に及ぼすプランジャ構成(TPF対MPF)の影響も研究された。
【0278】
対照樹脂(Hostaform C 13031)を使用して上記で説明された4つの成型条件の1つにより成型された様々なTPF構成プランジャに対してFtFが決定された。
図30は、様々な成型条件下で作られた、ICS角48°を有し上端点固定(TPF)の対照樹脂(13031)から作られたプランジャのFtF(N)値対幅(mm)のグラフを示す。プランジャの大多数が10N〜20Nの間のFtFを示し、9.2N〜23.9Nの範囲を有する。対照樹脂とTPF48°ICS構成の組合せが、表12に以下で説明されるように成型条件に影響されやすくないことがわかった。
【0279】
表13は、4つの異なる成型条件下で、すなわち200°Fで10秒間、100°Fで10秒間、200°Fで25秒間、および100°Fで25秒間の条件下で成型された樹脂Hostaform 13031を使用して達成されたFtFを表にする。4つの成型条件すべてについて10Nから20Nまでの間のFtFが達成された。しかし、異なる成型条件間で達成されたFtFには変動があった。FtFは、200°Fで10秒間および100°Fで10秒間の成型について――それぞれ14.6Nおよび14.7Nで――実質的に同じであった。FtFは100°Fで25秒間の成型では約16.8Nでより高く、200°Fで約25秒での成型では19.2Nで実質的により高かった。
【表13】
【0280】
次に、4つの成型条件下で対照樹脂から作られたICS=48°TPFプランジャのFtFが、4つの成型条件下で対照樹脂から作られたICS=48°MPFプランジャのFtF(N)と比較された。
図31は、様々な成型条件下で対照樹脂から作られたICS=48°のMPFプランジャ対TPFプランジャのFtFを比較する2つのグラフを提供する。結果は
図31に説明され、TPFのより長いICSがわずかにより高いFtF値をもたらしたが、計算されたFtF値の大多数が10N〜20Nの範囲内であったことを示す。
【0281】
TPF構成およびMPF構成(ICS=48°)と、材料27021GV 3/30および9021 GV 1/10の両方の、FtF(N)に及ぼす異なるポリアセタール材料の影響を決定することが対照材料(13031)に対して試験された。材料変動に加えて、2つの異なる成型条件(100°F/25秒および200°F/10秒)が27021および9021の試験プランジャについて試験された。研究の結果が
図32に提供されている。対照樹脂(13031)から作られたTPFプランジャおよびMPFプランジャの両方は、10N〜20Nの範囲内のFtF値を有していたが、その他の組合せの平均が、一般により高いFtF値をもたらした。
【0282】
図33および
図34は、様々な成型条件を使用して作成され異なる材料から作り出されたプランジャについてMPF構成とTPF構成の両方に対する放出時間を示す。放出時間は、シリンジ内に含まれた治療薬の投与量を放出するために自動注入機器によりかけられる時間である。
図33はICS=48°MPFプランジャに対する放出時間を比較するグラフを示すが、
図34はICS=48°TPFプランジャに対する放出時間を比較するグラフを示す。
図33では、対照プランジャに対する成型条件が30%球充填試験プランジャおよび10%繊維充填試験プランジャに類似するやり方で変えられた。
図33および
図34は、成型条件およびプランジャ材料を変えることが放出時間に著しい影響を及ぼさないことを示す。
【0283】
様々な材料/構成/および成型条件に対する追加の結果が
図35から
図40に説明されている。
図35から
図40は、様々な成型条件下で成型され、様々なICS角を有し、様々な材料から作り出されたプランジャに対するFtFを調べるグラフを示す。
【0284】
要するに、プランジャ構成はFtF値に影響を及ぼした。上端点固定(TPF)構成は中間点固定(MPF)構成よりも高いFtF値を有した。TPFはまた、MPF構成よりも長いICS長を有した。(ICS角約48°での)構成変更は、FtF約10N〜20Nを確立するのに十分であった。したがって、FtF約10N〜20Nが、材料および/または成型過程を変更することなく達成された。FtFはまた、成型条件および/またはプランジャ材料を変更することにより増大させられた。
【0285】
実施例14:制御できるパラメータと放出時間の間の関係
ある種の制御できるパラメータを変更することが、シリンジからすべての物質を放出するために必要とされる時間に影響を及ぼすかどうかを決定するために研究が行われた。例示的プランジャがICS角約48°を有し、異なる成型条件に従って作られた。プランジャは、自動注入機器で使用されたときの放出時間を決定するために試験された。
【0286】
表14は、プランジャ材料とプランジャ成型条件の異なる組合せに対する放出研究による結果を表にする。プランジャ材料は、ICS角48°を有する対照樹脂(Hostaform C 13031)、ICS角48°を有する30%球充填樹脂(Hostaform C 27021 GV3/30)、ICS角48°を有する10%繊維充填樹脂(Hostaform C 9021 GV3/30)、およびICS角38°を有する対照樹脂(Hostaform C 13031)を含む。プランジャ成型条件は、成型温度200°Fで10秒間冷却される成型、成型温度100°Fで25秒間冷却される成型、および対照成型条件を含む。
【表14】
表14で表にされた結果は、平均放出時間が、プランジャが異なるグレードの樹脂および/または成型条件により成型されたとき、変わらないことを示す。ICS角約48°を有するプランジャについては、放出時間は、プランジャ材料とプランジャ成型条件の異なる組合せの間で非常に狭い範囲で変わる。放出時間変動の範囲は、約3.63分から約3.80分までの間であった。さらに、表14の結果は、ICS角を48°まで増大させることによりFtFを増大させることが、放出時間が平均約3.17分であるICS角38°を有する対照プランジャと比べて、放出時間が平均約3.65分となる放出時間全体にはほとんど影響がないことを示す。類似する結果が、ICS角約38°を有するプランジャを使用して得られた。
【0287】
FtFに関する患者調査
誤始動を最小にするほど十分高く、かつ患者により快適に操作できるほど十分低い最適なFtF範囲を決定するために、異なる構成の例示的自動注入機器が患者により検査された。プランジャ構成(中間点固定(MPF)および上端点固定(TPFと、物質を機器から放出するために必要とされるFtF(FtFは約14N〜29Nの範囲内で変わる)の両方を変える構成で、8つの異なる構成が3部の患者調査で試験された。
【0288】
患者調査中、人間の協力者が、試験される機器構成を使用して模擬注入を行うよう要求された。機器のプランジャ構成および実際のFtFが知られていた。協力者は機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを見積もるよう要求された。協力者はまた、それを超えると機器を操作するのに不快を感じる、必要とされるFtF、およびそれを超えると機器を操作するのに耐えられない不快を感じる、必要とされるFtFを見積もるよう要求された。
【0289】
総計33人の患者(28人の女性および5人の男性)が研究に参加した。患者の年齢は28歳から66歳に及び、平均年齢は49.5歳であった。協力者の58%が50歳以上であった。すべての協力者がリウマチ専門医により慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis、RA)にかかっていると診断され、手に悪影響を及ぼすRAに苦しんでいた。
【0290】
協力者が、注入部位に機器を置いて、約30秒以内に始動ボタンを活動化させることができた場合、模擬注入試行が成功であると考えられた。協力者が約30秒以内に始動ボタンを活動化させることができなかった場合、模擬注入が失敗であると考えられた。
【0291】
第1部:第1部の患者調査では、自動注入機器の4つの構成、すなわちMPFプランジャ構成およびFtF約14N〜16Nを有する機器、MPFプランジャ構成およびFtF約21Nを有する機器、TPFプランジャ構成およびFtF約14N〜16Nを有する機器、ならびにTPFプランジャ構成およびFtF約21Nを有する機器が試験された。第1部の研究の目的は、患者の手に悪影響を及ぼす重いRAの患者が、(a)必要とされるFtFが14N〜16Nまたは21Nで一定に保持されたときにMPFとTPFのプランジャ構成間の違いを確実に気づいたかどうか、(b)プランジャ構成に関係なく、試験される構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFの間の違いに確実に気づいたかどうか、(c)月に2度注入を投与するために、試験される構成の任意を使用する結果として不快を経験するかどうか、または(d)月に2度投与される注入について任意の試験された構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされる力が耐えられないと考えるかどうかを決定することである。
【0292】
活動化させるために約14N〜16Nおよび約21Nの力を必要としMPFまたはTPFのプランジャ構成を使用する始動ボタンを備える1組の4つの注入機器を与えられ、重い手の障害をもつRA患者は、14N〜16NのMPF機器を、始動させるのが「最も容易」であると確実に特定することができた。しかし、これらの患者は、14N〜16NのTPFと21NのTPFと21NのMPFの注入機器とを確実に識別することができなかった。換言すれば、MPFプランジャ構成とTPFプランジャ構成の間の違いは、始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFが約14N〜16Nであったときには協力者により気づかれ、約21Nであったときには気づかれなかった。また、始動ボタンを活動化させるために約14N〜16Nまたは約21Nの力を必要とする注入機器間の違いは、MPFプランジャ構成を有する機器を使用するときには協力者により気づかれ、TPFプランジャ構成を有する機器を使用するときには気づかれなかった。
【0293】
第1部の研究によるデータを分析するために、FtF(14N〜16N、21N)およびプランジャ構成(MPF、TPF)が被験者内変数である、2×2反復測定ANOVA(分散分析)が実施された。この分析の目的は、協力者が各機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtF間を区別することができるかどうか、および協力者の見積もりが、始動ボタンを活動化させるために同じFtFを必要とするが異なるプランジャ構成を使用する機器に対して異なるかどうかを決定することであった。研究は、FtFに対する重要な主効果を発見し(F
1、30=31.05、p<.001)、その結果、協力者は、プランジャ構成に関係なく、14N〜16Nの始動ボタン(M(平均)=7.65)のFtFを21Nの始動ボタン(M=9.80)のFtFよりも小さいと見積もった。研究はまた、プランジャ構成に対する重要な主効果を発見し(F
1、30=25.94、p<.001)、その結果、協力者は、始動ボタンを活動化させるために必要とされる力の実際の量に関係なく、MPFプランジャを有する始動ボタンを活動化せるために必要とされるFtF(M=7.87)を、TPFプランジャを有する始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtF(M=9.59)よりも小さいと見積もった。
【0294】
これらの主効果の両方とも、FtFとプランジャ構成の間の顕著な相互作用により調節され(F
1、30=36.80、p<.001)、その結果、協力者は、14N〜16Nの機器(M
difference=3.48)に対して、TPFプランジャを有する始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを、MPFプランジャを有する始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFよりも大きく見積もったが、21Nの機器(M
difference=0.07)に対してはそう見積もらなかった。
【0295】
これらの結果は、平均の見積もられたFtF(すなわち協力者により見積もられた力)対実際の平均FtFの図を提供する
図41Aに要約されている。実際のFtFが14N〜16Nでは、協力者はFtFをTPF構成に対して約9.39N、およびMPF構成に対して約5.91Nと見積もった。実際のFtFが21Nでは、協力者はFtFをTPF構成に対して約9.84N、およびMPF構成に対して9.77Nと見積もった。換言すれば、TPFプランジャ構成を使って注入を投与することは協力者にとって、14N〜16Nの機器を使用するときはより困難であるが、21Nの機器を使用するときはより困難ではなかった。
【0296】
すなわち、協力者は、始動ボタンを活動化させるために最低のFtFを必要とする機器として14N〜16NのMPF機器を確実に特定した。しかし、協力者は、その他の機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを区別することができなかった。換言すれば、協力者は、FtFが約14N〜16Nであったとき、MPFとTPFのプランジャ構成間の違いを確実に特定できたが、FtFが約21Nであったとき、特定できなかった。
【0297】
見積もられた不快のポイントは、それを超えると協力者が始動ボタンを活動化させる際、不快に感じる、協力者により見積もられた力である。見積もられた耐えられないポイントは、それを超えると協力者が始動ボタンを活動化させる際、耐えられない不快を感じる、協力者により見積もられた力である。
【0298】
FtFの6レベルの被験者内操作について、すなわち第1部による4つの機器構成に加えて不快および耐えがたさについての協力者の見積もりについて、反復測定ANOVAが実施された。機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFが不快を引き起こすポイント(M=14.79)の協力者の総合的見積もりは、4つの構成のそれぞれについて見積もられたFtFよりもかなり大きかった(p<.01)。不快の見積もりはまた、機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされる力が耐えられなくなるポイント(M=23.11)の見積もりよりかなり低かった(p<.001)。
【0299】
これらの結果は、協力者により見積もられた平均FtF対MPF構成およびTPF構成の実際の平均FtFの図を提供する
図41Bに要約されている。図は、見積もられたFtFが約14.79Nよりも大きくなるとき不快が感じられ、見積もられたFtFが約23.11Nよりも大きくなるとき始動ボタンを始動させることが耐えられないくらい不快になることを示す。4つの構成(14N〜16NのMPF、14N〜16NのTPF、21NのMPF、21NのTPF)のどれも「不快」または「耐えがたさ」の範囲に入る平均の見積もられた力を引き起こさない、すなわちすべて14.79N未満に入る。換言すれば、第1部で構成の始動ボタンのそれぞれを活動化させるために必要とされるFtFは、協力者に不快を最初に気づかせる力の量よりかなり低かった。
【0300】
平均で、協力者は不快および耐えがたさのポイントを第1部の任意の構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFよりもかなり大きいと見積もったが、13%(4人の協力者)が、不快と耐えがたさの両方のポイントを機器の始動ボタンの1つまたは複数を活動化させるために必要とされるFtF以下と見積もった。さらに23%(7人の協力者)が、不快のポイントだけを機器の始動ボタンの1つまたは複数を活動化させるために必要とされるFtF以下と見積もった。
【0301】
平均で、すべての構成を始動させるために必要とされるFtFに対する協力者の見積もりが、不快のポイントおよび耐えがたさのポイントの協力者の見積もりよりもかなり低かった。すなわち、平均で、協力者は、第1部の構成すべての始動ボタンを活動化させる際に不快または耐えられない不快を感じなかった。しかし、少なくとも1つの機器を耐えられないほど不快であるとした4人の協力者を含む、31人の協力者のうち11人が機器の少なくとも1つを不快であるとした。協力者は、どの機器が不快および耐えがたさのポイントにある、またはそれを超えると判断されたかに関して一致しなかった。協力者は、どの構成が不快および耐えがたさのポイントにある、またはそれを超えると判断されたかに関して一致しなかった。しかし、すべての協力者が、14N〜16NのMPF機器を協力者の不快のレベルよりも常に下に位置づけた。
【0302】
本研究の第1部の結果に基づき、活動化させるために21Nまでの力を必要とする始動ボタンを有するMPFおよびTPFのプランジャ構成の両方が、重い手のRAにかかっている大部分の患者に受け入れられると結論づけられることができた。しかし活動化させるために16Nまでの力を必要とする始動ボタンを有するMPF機器を製造することは、より慎重な解決策である。例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約16Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。別の例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約21Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。さらに別の例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約21Nまでの間のFtFを有するTPFプランジャ構成を有する。
【0303】
第2部:患者調査の第2部では、プランジャ構成が、ICS角48°を有する中間点固定(MPF)で一定に保持された。自動注入機器10の4つの異なる構成が試験され、それぞれが機器10の始動ボタンを活動化させるために異なる量の力を、すなわち約12N、約18N、約23N、および約29Nを必要とした。第2部の研究の目的は、患者の手に悪影響を及ぼす重いRAにかかっている患者が、(a)試験されるMPF構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFの間の違いに確実に気づくかどうか、(b)月に2度注入を投与するために任意の試験される構成を使用した結果、不快を経験するかどうか、または(c)月に2度投与される注入について、任意の試験される構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを耐えられないと考えるかどうかを決定することであった。
【0304】
協力者は12Nの機器を、始動ボタンを活動化させるために最低のFtFを必要とする機器と確実に特定した。しかし、協力者は18N、23N、および29Nの機器について始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを区別することができなかった。
【0305】
第2部の研究によるデータを分析するために、FtFの4レベルの被験者内操作、すなわち12N、18N、23N、および29Nに対して反復測定ANOVAが実施された。第2部ではすべての構成がMPFプランジャ構成を使用した。この分析の目的は、協力者が各機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを区別することができるかどうかを決定することであった。
【0306】
研究はFtFに対する重要な主効果を発見し(F
2.40、71.90=31.71、p<.001)、その結果、協力者は、12Nの始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtF(M=5.53)を、18N、23N、および29Nの始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtF(それぞれM=9.97、10.14、11.26)よりも低いと見積もった。しかし、協力者は、18N、23N、または29Nの始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFを確実に区別できなかった。
【0307】
6レベルのFtFの被験者内操作に対して、すなわち第2部の4つの構成に加えて協力者の不快の見積もりおよび耐えられない見積もりに対して反復測定ANOVAが実施された。機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFが不快を引き起こすポイント(M=16.98)の協力者の総合的見積もりが、4つの構成のそれぞれの見積もられたFtFよりかなり大きかった(p<.005)。不快の見積もりはまた、機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFが耐えられなくなるポイント(M=25.48)の見積もりよりかなり小さかった(p<.001)。
【0308】
これらの結果は、平均の見積もられたFtF(すなわち協力者により見積もられた力)対機器の実際のFtFの図を提供する
図42に要約されている。図は、見積もられたFtFが約16.98Nより大きくなるとき不快が感じられ、見積もられたFtFが約25.48Nより大きくなるとき始動ボタンを始動させることが耐えられないほど不快になることを示す。4つの構成(12N、18N、23N、29N)のどれも「不快」または「耐えがたさ」の範囲内に入る平均の見積もられたFtFを必要としない、すなわちすべてが16.98N未満に入る。換言すれば、第2部の構成の始動ボタンのそれぞれを活動化させるために必要とされるFtFは、協力者に不快を最初に気づかせるFtFよりかなり低かった。
【0309】
協力者は平均で、不快および耐えがたさのポイントを第2部の任意の構成の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFよりかなり大きいと見積もったが、16%(5人の協力者)が、不快と耐えがたさの両方のポイントを、機器の始動ボタンの1つまたは複数を活動化させるために必要とされる力の量以下と見積もった。さらに19%(6人の協力者)が、不快のポイントだけを、1つまたは複数の機器の始動ボタンを活動化させるために必要とされる力の量以下と見積もった。
【0310】
活動化させるために12N、18N、23Nおよび29NのFtFを必要とし、MPFプランジャ構成を使用する始動ボタンを有する1組の4つの機器の場合、重い手の障害をもつRA患者が、12Nの機器を「最も容易」と確実に特定することができた。しかし、これらの患者は18N、23N、および29Nの注入機器を確実に区別することができなかった。29Nの機器を含むすべての機器が平均で、不快と気づくしきい値および耐えられなくなるしきい値よりも低いと協力者により判断された。しかし、少なくとも1つの機器を耐えられないとした5人の協力者を含む、11人の協力者が機器の少なくとも1つが不快であるとした。協力者は、どの機器が不快および耐えがたさのポイントにある、またはそれを超えると判断されたかに関して一致しなかったが、全員が12NのMPF機器を協力者の不快のレベルより常に低く位置づけた。
【0311】
本研究の第2部の結果に基づき、約29NまでのFtFを有するMPFプランジャ構成が、重い手のRAにかかっている大部分の患者に受け入れられることが結論づけられることができる。しかし、約12NまでのFtFを必要とする始動ボタンを有するMP機器を製造することは、より慎重な解決策である。例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約29Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。別の例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約12Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。
【0312】
第3部:第3部の患者調査では、それぞれFtFが14N〜16Nを有するMPFプランジャ構成とTPFプランジャ構成の両方が試験された。MPFプランジャ構成とTPFプランジャ構成の間の違いを特定し説明する協力者の能力をさらに探るために、第3部の研究ではより定量的手法が使用された。第3部の研究の目的は、患者の手に悪影響を及ぼす重いRAにかかっている患者が、(a)必要とされるFtFが約14N〜16Nで一定に保持されたとき、MPFとTPFのプランジャ構成の違いを説明することができるかどうか、(b)必要とされるFtFが約14N〜16Nで一定に保持されたとき、MPFプランジャ構成またはTPFプランジャ構成に対して好みを有するかどうか、および(c)協力者が最初の段階で好みを有する場合、好ましくない構成に対して必要とされるFtFを耐えられないものとするかどうかを決定することであった。
【0313】
大部分の協力者は自主的に、2つのプランジャ構成間の違いに気づき、MPF構成を好み、TPFプランジャを有する機器と比べてMPFプランジャを有する機器を「押しやすい」と説明した。しかし、さらに質問した後、ほぼすべての協力者が、感知された違いは小さく、TPFプランジャ構成を有する注入機器が自分に処方されたとしても、不平を言わないだろうと述べた。
【0314】
2つの機器間に違いがあることを協力者が知らされる前に実施された、MPF構成とTPF構成間の第1の比較中、協力者が14N〜16NのMPFおよびTPFの構成で模擬注入を投与したとき、ほぼすべて(19人中16人)の協力者がMPF機器上の始動ボタンをTPF機器上の始動ボタンより押しやすいと特定した。MPF機器とTPF機器の第2の比較前に、主催者が協力者に、2つの機器間に違いがあることを知らせた。この情報を与えられ2組目の注入を投与した後、すべての協力者がMPF機器上の始動ボタンをTPF機器上の始動ボタンより押しやすいと特定した。
【0315】
協力者が機器間の違いについて知らされる前も後も、大部分の協力者は、MPFプランジャ構成を好んだ。しかし、MPFプランジャおよびTPFプランジャを有する機器を活動化させるために必要とされるFtF間の違いは、協力者により大きいと判断されず、3人の協力者だけがTPF機器上の始動ボタンを活動化させるために必要とされるFtFについて不平を言い、そのうち2人だけが2回の試行のうち1回についてこの反応を伝えた。
【0316】
本研究の第3部の結果に基づき、重い手のRAをもつ患者が、14N〜16Nの機器に対するMPFプランジャ構成とTPFプランジャ構成間の違いに気づくが、TPFプランジャ構成を有する機器が患者に処方されるとしても、TPFプランジャ構成を有する機器について不平を言う可能性が低いことが結論づけられることができる。このことはこの研究の第1部による所見と一致する。
【0317】
この患者調査のこれらの所見に基づき、改善された自動注入機器は、MPFプランジャ構成を採用し、FtF約16Nまでを有するべきであることが決定された。しかし、21NのTPF機器および29NのMPF機器は、自分の手に悪影響を及ぼす重いRAにかかっているほとんどの患者にとって依然として受け入れ可能なものである。増大させられたFtFだけでなくTPFプランジャ構成を含むことができることが、(9NのMPF構成と比較して)誤始動の回数を低減すると期待されるが、必要とされるFtFが不快を引き起こすポイントについての協力者の見積もりよりも依然として低い。例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約16Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。別の例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約21Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。さらに別の例示的実施形態では、自動注入機器は約10Nから約29Nまでの間のFtFを有するMPFプランジャ構成を有する。
【0318】
参照による組み入れ
本出願全体にわたって列挙されることができるすべての列挙された参照(文献参照、特許、特許出願、およびWebサイトを含む)の内容は、いかなる目的に対してもその全体が参照により本明細書により明示的に組み入れられる。例示的実施形態の実施は、特に示されない限り、当技術分野で知られている成型およびFtF測定の従来の技術を利用する。
【0319】
均等物
例示的実施形態は、その精神または本質的特徴から逸脱することなく別の具体的形態で具体化されることができる。したがって、前述の例示的実施形態は、本明細書で説明される本発明の限定ではなくあらゆる点で例示的であると考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲により示され、したがって、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内のすべての変更形態が、本明細書において包含されるように意図される。