(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677415
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】洗剤分注装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-513669(P2012-513669)
(86)(22)【出願日】2010年5月24日
(65)【公表番号】特表2012-528645(P2012-528645A)
(43)【公表日】2012年11月15日
(86)【国際出願番号】GB2010001025
(87)【国際公開番号】WO2010139928
(87)【国際公開日】20101209
【審査請求日】2013年3月25日
(31)【優先権主張番号】0909363.4
(32)【優先日】2009年6月1日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】506429673
【氏名又は名称】レキット ベンキサー ナムローゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147968
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 由里子
(72)【発明者】
【氏名】ディ ボーノ ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】プレット ニコラ
【審査官】
村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−194493(JP,U)
【文献】
実開昭57−036376(JP,U)
【文献】
特開2006−027654(JP,A)
【文献】
特開昭59−199468(JP,A)
【文献】
特開平01−238898(JP,A)
【文献】
特開昭59−134163(JP,A)
【文献】
特開昭62−028365(JP,A)
【文献】
実開平04−045564(JP,U)
【文献】
実開昭56−058985(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機内へ取外し可能に挿入可能な洗剤組成物分注装置であって、
(a)洗剤組成物を収容する1次チャンバ、
(b)洗剤組成物を洗濯機の洗濯水内に放出するための2次チャンバ、
(c)前記1次チャンバから前記2次チャンバへ洗剤を移送するための機構を含み、前記機構は、
(i)前記2次チャンバ内に配置された可動ピストンと、
(ii)前記1次チャンバと前記2次チャンバの間に配置されて作動時に前記1次チャンバと前記2次チャンバの間に前記洗剤組成物が流れるようにする弁と、
を含み、
前記ピストンは、主ピストン本体と前記1次チャンバを密封する取り外し可能なプラグとの2つの部分を含み、
前記プラグは、弾性フック手段によって前記主ピストン本体に取り付けられ、
前記装置の作動は、
a)前記主ピストン本体が、前記フック手段が係合するように前記プラグに向けて押される段階、
b)前記主ピストン本体が、初期位置まで戻り、前記プラグを1次チャンバとの係合及び密封から引き離す段階、
c)前記シリンダが、前記1次チャンバからの洗剤組成物で充填される段階、及び
d)前記主ピストン本体が初期位置に到達すると、前記プラグフック手段が外れる段階、を含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置は、自動洗濯物洗濯機に使用するための装置である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピストンは、手動で作動される請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記プラグは、前記シリンダと前記2次チャンバの間に、前記シリンダと前記2次チャンバの間に前記洗剤組成物が流れるようにする前記弁を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記プラグは、付勢手段によって前記主ピストン本体から離れる方向に付勢される請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記主ピストン本体は、付勢手段によって初期位置に向けて付勢される請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記シリンダは、前記1次チャンバから最も遠い端部に円錐形フレア部を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ピストンは、使用者によって作動可能なキャップを有する請求項2から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ピストンキャップは、前記キャップが作動された回数を使用者に示す表示手段を有する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記洗剤組成物は、液体の形態である請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記洗剤組成物は、前記1次チャンバ内に補充可能である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記洗剤組成物は、前記1次チャンバ内の洗剤を含有する袋を交換することによって補充可能である請求項11に記載の装置。
【請求項13】
洗濯物洗濯作動中に洗剤を放出するために請求項1から12のいずれか1項に記載の装置を使用する方法。
【請求項14】
前記洗剤は、洗濯サイクルの本洗い段階及び/又は最後の濯ぎ段階で分注される請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤分注装置、特に、洗剤を複数のサイクルにわたって自動洗濯機内に分注するための洗剤分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動機械では、洗剤は、粉末、タブレット、又はゲルの形態のいずれであっても、通常は、使用者によって各洗濯作業の前に手動で機械内、特に洗剤ホルダ内に充填される。
【0003】
この充填工程は不便であり、洗剤の厳密な計量という問題が伴い、かつ粉末洗剤及びゲル洗剤に関しては、それらがこぼれる可能性がある。正確な用量の問題が克服されているタブレット形態の洗剤でさえも、依然として、洗濯サイクルが開始される度に洗濯用洗剤を取り扱う必要がある。これは、洗剤組成物が通常攻撃性、刺激性の性質を有し、作業に時間を浪費し、かつ洗剤を自動機械とは別に保管する必要があるので不都合である。
【0004】
洗剤タブレットのような洗剤組成物又は添加剤の単位用量を保持し、かつそのような単位用量を機械内に分注するためのいくつかの装置は公知である。
【0005】
国際公開第01/07703号は、洗剤組成物又は添加剤を保持するためのいくつかの別々の密封されたチャンバを有する洗濯機内への洗剤組成物又は添加剤の計量放出のための装置と、機械内の条件によって作動するチャンバに穴を開けるための手段とを開示している。
【0006】
この種類の装置の信頼できる作動は、分注及び割り出し機構の複雑さにより、かつ洗濯物の重量又はドラムの回転のようなこの特許に説明されている作動手段の変動性により制限される。
【0007】
国際公開第03/073906号は、食器洗浄機内に複数回分の用量の洗剤を分注するための独立型装置を開示している。この装置は、板状の構成を有する。周囲部の周りに配置された複数回分の用量を有する丸いブリスターパックが、パック内に装填される。次に、巻き取り機が回転され、1回分よりも多い用量の洗剤を分注するのに十分な機械的エネルギが装置内に負荷される。装置が食器洗浄機内で高温にさらされると、次に、熱的に作動するラッチが動き、ラチェット機構と協働して、次の用量の洗剤を分注するために待機するようにブリスターパックを移動する。洗剤を分注するために、ブリスターパックに穴が開けられるか、又はブリスターパック内の区画から用量が放出される。
【0008】
国際公開第03/073907号は、類似した形状の独立型分注装置を開示している。洗剤を分注するために、レバーを手動で操作してブリスターパックを移動し、ブリスターパック内の区画から洗剤を放出し、又はブリスターパックに穴を開ける。扉又はフラップが、最初に、露出した洗剤に機械内の洗濯水がアクセスするのを防止する。バイメタルストリップが備えられており、洗濯サイクル中に装置が高温にさらされると、扉又はフラップを移動して洗濯水が露出した洗剤にアクセスすることを可能にし、それによって洗剤を機械に分注する。
【0009】
これらの装置の両方とも、以下のいくつかの重大な制限を有する。
a)複雑な分注及び割り出し機構。
b)これらは、作動させるのに使用者の直接介入を必要とし、従って、これらを使用することによって節約される時間が低減される。
c)これらは、用量の分注が温度に依存し、温度勾配は、洗濯の温度を消費者が冷水と90℃の間で選択することができるので、洗濯物の洗濯サイクルにおいて信頼できるトリガではない。
【0010】
洗濯サイクルの条件を測定し、この条件を用いて洗濯機内への洗浄活性剤、例えば、洗濯洗剤の用量の放出をトリガする他の装置が、例えば、国際公開第02/29150号に説明されている。この文献において例示されている1つの条件は、水の存在を示すものとして用いることができる洗濯水の導電率である。しかし、水の存在の単純な測定は、洗濯サイクルにおける洗浄活性剤の投入のタイミング及び投入量の問題の解決法には決してならない。これは、例えば、洗濯される洗濯物の湿気(洗濯が開始される前に湿気が生じる)に起因する誤表示が生じる可能性があるためである。また、水平ドラム式洗濯機では、ドラムの水充填レベルにより、かつドラムの回転により、ドラムに洗濯水が入っている場合のドラムに置かれた装置(及び関連のセンサ)は、常に洗濯水と接触しているとは限らない。これも、水の存在に関する誤表示とそれに伴う関連する誤った洗剤投入を生じさせる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第01/07703号
【特許文献2】国際公開第03/073906号
【特許文献3】国際公開第03/073907号
【特許文献4】国際公開第02/29150号
【発明の概要】
【0012】
本発明は、これらの分注装置の開発に関し、かつ上述の制限を克服するものである。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、洗濯機内へ取外し可能に挿入可能な洗剤組成物分注装置が提供され、装置は、(a)洗剤組成物を収容するための1次チャンバ、(b)洗剤組成物を洗濯機の洗濯水内に放出するための2次チャンバ、及び(c)1次チャンバから2次チャンバへ洗剤を移送するためにi)2次チャンバ内に配置された可動ピストンと、ii)1次チャンバと2次チャンバの間に配置され、作動時にそれらの間へ洗剤組成物が流れるようにする弁とを含む機構を含む。
【0014】
本発明は、洗剤の不十分な/過剰な分量が使用者によって加えられないことを確実にするので有利である。更に、洗剤組成物(及びその中のいかなる化学物質)とのどのような直接的接触も未然に防止される。更に、洗剤は、自動洗濯機の心臓部内に直接に投入される。
【0015】
好ましくは、装置は、自動洗濯物洗濯機で使用するためのものである。
【0016】
一般的に、ピストンは、例えば、使用者によって手動で操作される。
【0017】
好ましくは、ピストンは、複数の部分を含む。好ましい実施形態では、ピストンは、2つの部分、すなわち、主ピストン本体と取り外し可能なプラグとを含む。
【0018】
理想的には、取り外し可能なプラグは、(1次チャンバとの係合時に)1次チャンバを密封する。
【0019】
好ましくは、プラグは、(洗剤組成物をシリンダと2次チャンバの間に流すために、シリンダと2次チャンバの間に)弁を含む。
【0020】
好ましくは、プラグは、弾性フック手段のような取り付け機構によって主ピストン本体に解除可能に取り付けられる。
【0021】
好ましくは、プラグは、1次チャンバに解除可能に取り付けられる。一般的に、プラグは、1次チャンバと2次チャンバの間の導管に解除可能に取り付けられる。所定の位置にある時に、プラグは、導管を密封する。
【0022】
好ましくは、フック手段は、作動されると主ピストン本体がプラグに向けて押され、フック手段が係合するように作動する。次に、主ピストン本体がその初期位置に戻ると、それは(プラグへの解除可能な取り付けにより)、プラグを1次チャンバとの係合及び密封から引き離すことができる。すなわち、好ましくは、ピストン及びプラグの後退時に、シリンダに1次チャンバから洗剤組成物が充填される。好ましくは、主ピストン本体がその初期位置に到達すると、フック手段が外れる。これは、シリンダの内側に配置された離脱部材との接触によって達成される。
【0023】
好ましくは、2次チャンバには、開口が空けられる。この開口を使用することにより、水液体内へ洗剤組成物が出て行くことが可能になる。変形例では、開口は、洗濯水の進入(及びその後の退出)により洗剤組成物を洗い流すことを可能にする。最も好ましくは、開口は、ピストンの効果的な作動を可能にしつつ洗剤を外に出すことができるような一方向弁である。変形例では/付加的に、ピストンのためのシリンダ(2次チャンバ内の別のサブ構造とすることができる)は、(例えば、1次チャンバから最も遠い端部に)(円錐形)フレア部を有する。シリンダの円錐形フレア部(広がり部)は、シリンダの全内腔が主ピストン本体によって覆い隠されないことを意味する。その代わりに、主ピストン本体と1次チャンバから最も遠い端部でのシリンダの内腔との間に間隙が存在する。この間隙の存在は、洗剤組成物がシリンダから浸出し、及び/又は(使用中に)洗濯水がシリンダに浸入することを可能にし、洗剤組成物が、シリンダ3から2次チャンバ2を通して除去され、洗濯水の主要な容積中に入るのを支援し/引き起こす。
【0024】
一般的に、ピストンは、バネのような付勢部材によってその初期位置に付勢される。
【0025】
好ましくは、取り外し可能なプラグは、バネのような付勢部材により、主ピストン本体から離れる方向に付勢される。
【0026】
通常は、ポンプは、2次チャンバ内に配置される。
【0027】
ピストンは、使用者によって作動可能なキャップを有することが好ましい。理想的には、作動は、主ピストン本体の押下をもたらす/引き起こす2次チャンバに向けてキャップに圧力を印加することを含む。
【0028】
選択的に、ピストンキャップは、キャップが作動された回数及び(逆に)何回分の洗剤用量が利用可能で残っているかを使用者に示すための表示手段を有する。
【0029】
好ましくは、表示手段は、キャップ内の観察窓と、キャップの下で回転するように配置された回転計数器ホイール(一般的に数値指標が配置される)とを含む。計数器ホイールの回転は、好ましくは、計数器ホイール上及び/又はピストンの外縁上の輪郭歯の係合によって引き起こされる。(好ましい機構は、普通のボールペンにおけるインクカートリッジの延長/後退に用いられるものと同様のものである)。理想的には、歯は、360°を装置の予想使用回数で割算した値だけ計数器ホイールの回転を引き起こすように配置される。通常は、装置は、10回又は12回使用されることを意図し、すなわち、計数器ホイールは、好ましくは、作動毎に30°又は36°回転する。
【0030】
装置が空である時、例えば、複数回の使用後に、使用者が補充を行うことができることが好ましい。補充の好ましい方式は、1次チャンバ内の洗剤の入った袋の挿入/交換を含む。理想的には、袋は、シリンダと流体連通して配置することができるように構成される。交換を達成するために、第1及び第2のチャンバを使用者が分離できることが好ましい。分離/再取り付けの適切な方式は、チャンバの一方上のネジ山を含む。この方法では、これらのチャンバを、第1のチャンバをねじって第2のチャンバから外すことによって分離することができる。
【0031】
表示手段(もしあれば)は、装置が補充された後でリセットできることが好ましい。
【0032】
洗剤は、最も好ましくは、自動洗濯洗剤を含む。最も好ましくは、洗剤は、液体を含む。本発明との関連では、液体という用語は、固化ゲル/懸濁液、並びに従来の液体を含むと見なすことができる。
【0033】
洗剤組成は、典型的には、以下の成分、すなわち、ビルダー、コビルダー、界面活性剤、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、酵素、ポリマー、染料、色素、香料、水、及び有機溶剤のうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0034】
選択的に、洗剤は、洗剤添加剤を含む。洗剤添加剤は、洗剤と比較した場合、洗濯サイクルの別の部分中(例えば、濯ぎ補助洗剤添加剤のための濯ぎサイクルのような)に必要になる場合があることは認められるであろう。
【0035】
本発明の第2の態様によれば、洗濯物洗濯作動中の洗剤の放出における本発明の第1の態様で説明した装置の使用方法を提供する。
【0036】
一般的に、本方法は、洗剤が、洗濯サイクルの本洗い及び/又は最後の濯ぎ段階で分注することをもたらす。
【0037】
ここで、本発明を例示する以下の非限定的な図面を参照して本発明を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明による装置の実施形態の上面図である。
【
図2】本発明による装置の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
装置は、ある一定の量の洗剤組成物を保持するように設計された1次チャンバ1と、洗濯作動において洗剤組成物の一部分を自動洗濯機内に放出するように設計された2次チャンバ2とを含む。
【0040】
好ましくは、2次チャンバ2は、洗剤組成物が水液体内へ出て行くこと、及び/又は洗濯水による洗剤組成物の洗い流しを可能にするために開口が空けられる。
【0041】
2次チャンバ2は、ポンプを含む。ポンプは、主ピストン本体4を有するシリンダ3を含む。ポンプは、使用者がピストンキャップ5を押すことによって手動で作動可能である。
【0042】
特に
図3及び
図4を参照すると、使用中のポンプの作動を見ることができる。
【0043】
作動される時に、主ピストン本体4は、その初期位置からシリンダ3の端部に当接するまで、使用者によってピストン付勢バネ6に抗して押される。この時点で、主ピストン本体4は、プラグ上のフック手段8を介してプラグ7に係合する。(プラグ7は、その静止位置で1次チャンバ1を密封するのに用いられる。)
【0044】
次に、主ピストン本体4がその初期位置に戻ると、プラグ7を1次チャンバ1との係合及び密封から引き離すことができる。主ピストン本体4及びプラグ7の後退時に、シリンダ3に1次チャンバ1から洗剤組成物が充填される。
【0045】
主ピストン本体4がその初期位置に到達すると、フック手段8が、シリンダ3の内側に配置された離脱部材9との接触によって外れる。プラグ7は、付勢バネ10によって主ピストン本体4から離れる方向に付勢される。
【0046】
洗剤組成物は、次に、シリンダ3から放出されることが可能になる。放出は、1次チャンバ1から最も遠い端部に円錐形フレア部を有するシリンダ3によって容易にされる。シリンダ3の円錐形フレア部(広がり部)は、シリンダ3の全内腔が主ピストン本体4によって覆い隠されないことを意味する。その代わりに、主ピストン本体4と、1次チャンバ1から最も遠い端部でのシリンダ3の内腔との間には間隙が存在する。この間隙の存在は、洗剤組成物がシリンダ3から浸出し、及び/又は(使用中に)洗濯水がシリンダ3に浸入することを可能にし、洗剤組成物が、シリンダ3から2次チャンバ2を通して除去され、洗濯水の主要な容積中に入るのを支援し/引き起こす。
【0047】
主ピストン本体4は、装置が作動された回数を使用者が見ることを可能にする観察窓11を有する作動キャップ5を有する。
【0048】
装置を補充するために、1次チャンバ1及び2次チャンバ2は、例えば、本明細書に示すように、1次チャンバ1をねじって2次チャンバ2から外すことによって分離することができる。これが行われると、1次チャンバ1の流体導管12が露出し、使用者は、これに新しい洗剤を含有する袋13を再装備することができる。装備後に、1次チャンバ1をねじって2次チャンバ2に取り付けることによって装置を再度組み立てることができる。
【0049】
装置が作動された回数を使用者が見ることを可能にするために、装置は、シリンダ3の一部分に隣接して配置された計数器ホイールを含む。計数器ホイールは、円盤の形態であり、それによって計数器ホイールの一部分が、観察窓11を通して消費者から見ることができる。計数器ホイールの作動は、例えば、1つ又は2つ以上の延長部分/歯(図示せず)のようなシリンダ3の一部分と共働する関連する駆動チューブ14によって駆動される。駆動チューブは、窪んだ通路15を含む。ピストンキャップ5を押下すると、駆動チューブが押し下げられて、延長部分/歯が、窪んだ通路15に係合する。窪んだ通路の配置により、この係合によって、駆動チューブ14及び計数器ホイールの回転が引き起こされる。
【符号の説明】
【0050】
1 1次チャンバ
2 2次チャンバ
3 シリンダ
6 ピストン付勢バネ
7 プラグ