(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
[情報提供システムSの概要]
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムSの概要図である。
情報提供システムSは、超音波発生装置1と、携帯端末2と、情報提供装置3と、基地局4と、GPS衛星5とを備える。
【0020】
携帯端末2は、店舗等に設置されている超音波発生装置1が発生した超音波信号を受信して、当該超音波信号に重畳された配信情報を抽出するとともに、GPS衛星5から受信した測位電波に基づいて位置特定情報を生成する。携帯端末2は、基地局4を介して、当該配信情報及び当該位置特定情報を情報提供装置3に送信する。
【0021】
ここで、基地局4は、携帯電話回線を介して携帯端末2と通信可能に接続されているとともに、インターネット網等から構成されるネットワークNを介して情報提供装置3に通信可能に接続されている。基地局4は、携帯端末2から携帯電話回線を介して受信した配信情報及び位置特定情報を、ネットワークNを介して情報提供装置3に送信する。
【0022】
情報提供装置3は、携帯端末2から配信情報及び位置特定情報を受信すると、当該配信情報に基づいて、携帯端末2に提供する提供情報を取得する。そして、情報提供装置3は、配信情報と位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に提供情報を携帯端末2に送信する。ここで、提供情報は、超音波発生装置1が設置されている店舗において使用可能なクーポンを示すクーポン情報や、当該店舗において販売されている商品を割引可能な割引情報又はポイント情報である。なお、情報提供システムSはさらに外部の管理システム8を有していてもよい。管理システム8は、情報提供装置3の情報に基づいてクーポン情報やポイント情報の管理を行う。
【0023】
[超音波発生装置1及び携帯端末2の構成例]
続いて、超音波発生装置1及び携帯端末2が備える機能について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る超音波発生装置1及び携帯端末2の機能構成図である。
【0024】
超音波発生装置1は、配信情報記憶部11と、信号発生部12とを記憶する。
配信情報記憶部11は、配信情報を記憶する。配信情報は、例えば、当該配信情報を発信する超音波発生装置1を識別する識別情報を示す装置ID、提供情報を識別する識別情報を示す提供情報IDなどである。装置IDは、例えば同一店舗に設置されている複数の超音波発生装置1で共用されてもよい。
信号発生部12は、配信情報記憶部11に記憶されている配信情報を超音波に変調することで、配信情報が重畳された超音波信号を発生する。
【0025】
携帯端末2は、超音波信号受信部21と、GPS受信部22と、端末側記憶部23と、入力部24と、表示部25と、無線部26と、端末側制御部27とを備える。
超音波信号受信部21は、例えばレシーバであり、超音波発生装置1が発生した超音波信号を受信する。
GPS受信部22は、端末側制御部27の制御に応じてGPS衛星から、定期的に測位電波を受信する。
【0026】
端末側記憶部23は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。端末側記憶部23は、携帯端末2を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、端末側記憶部23は、携帯端末2の端末側制御部27を、後述する抽出部271、位置特定情報取得部272、端末側送信部273、及び端末側受信部274として機能させるための情報取得プログラムを記憶する。端末側記憶部23は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0027】
入力部24は、例えば、ボタンや、表示部25に重畳して配置される接触センサ等により構成される。入力部24は、携帯端末2のユーザから操作入力を受け付ける。
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部25は、端末側制御部27の制御に応じて文字や図形等を表示する。
【0028】
無線部26は、端末側制御部27から出力された信号を変調してRF(Radio Frequency)信号を生成し、アンテナ(不図示)を介して当該RF信号を基地局4に無線送信する。また、無線部26は、アンテナを介して受信したRF信号を復調して、復調された信号を端末側制御部27に出力する。
【0029】
端末側制御部27は、例えば、CPUにより構成される。端末側制御部27は、端末側記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、携帯端末2に係る機能を統括的に制御する。端末側制御部27は、抽出部271と、位置特定情報取得部272と、端末側送信部273と、端末側受信部274とを備える。
【0030】
抽出部271は、入力部24において、提供情報を取得する操作が行われたことに応じて、超音波信号受信部21に超音波信号の受信を開始させる。そして、抽出部271は、超音波信号受信部21が受信した超音波信号を復調することにより、当該超音波信号に重畳された配信情報を抽出する。
【0031】
位置特定情報取得部272は、携帯端末2の位置を特定するための位置特定情報を取得する。具体的には、位置特定情報取得部272は、入力部24において提供情報を取得する操作が行われたことに応じて、GPS受信部22に測位電波を受信させる。そして、位置特定情報取得部272は、GPS受信部22が受信した測位電波に基づいて位置特定情報を算出することにより、位置特定情報を取得する。
【0032】
ここで、位置特定情報は、例えば、緯度を示す緯度情報と、経度を示す経度情報とから構成される。なお、GPS受信部22は、携帯端末2の設定により測位電波を常時受信してもよい。この場合、位置特定情報取得部272は、入力部24において提供情報を取得する操作が行われた時間から最も近い時間にGPS受信部22が受信した測位電波に基づいて位置特定情報を算出する。
【0033】
端末側送信部273は、抽出部271が超音波信号から抽出した配信情報と、位置特定情報取得部272が取得した位置特定情報とを、無線部26を介して、情報提供装置3に送信する。
端末側受信部274は、無線部26を介して、情報提供装置3から提供情報を受信する。端末側受信部274は、受信した提供情報を端末側記憶部23に記憶させる。
ここで、端末側受信部274は、端末側記憶部23に記憶された提供情報を表示部25に表示させてもよい。また、端末側受信部274は、受信した提供情報を表示部25に直接表示させてもよい。
【0034】
[情報提供装置3の構成例]
続いて、情報提供装置3が備える機能について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る情報提供装置3の機能構成図である。
情報提供装置3は、例えばサーバであり、装置側記憶部31と、装置側制御部32とを備える。
【0035】
装置側記憶部31は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。装置側記憶部31は、情報提供装置3を機能させるための各種プログラムを記憶する。装置側記憶部31は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0036】
装置側記憶部31は、位置関係情報を記憶する位置関係記憶部311を備える。位置関係記憶部311は、複数の超音波発生装置1のそれぞれの装置IDと、当該超音波発生装置1の位置を示す配信位置情報とを関連付けた位置関係情報を予め記憶している。
図4は、第1の実施形態に係る位置関係記憶部311が記憶する位置関係情報の一例を示す図である。
図4に示すように、配信位置情報は、超音波発生装置1が設置されている位置の緯度を示す緯度情報と、経度を示す経度情報とから構成されている。
また、装置側記憶部31は、配信情報に含まれる提供情報IDと、提供情報とを関連付けて記憶する提供情報記憶部312を備える。
【0037】
装置側制御部32は、例えば、CPUにより構成される。装置側制御部32は、装置側記憶部31に記憶されている各種プログラムを実行することにより、情報提供装置3に係る機能を統括的に制御する。装置側制御部32は、装置側受信部321と、配信位置特定部322と、取得部323と、装置側送信部324とを備える。
【0038】
装置側受信部321は、携帯端末2から配信情報及び位置特定情報を受信する。
配信位置特定部322は、装置側受信部321が受信した配信情報が配信された位置を示す配信位置情報を取得する。具体的には、配信位置特定部322は、位置関係記憶部311に記憶されている位置関係情報を参照し、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれている装置IDに関連付けられて位置関係記憶部311に記憶されている配信位置情報を取得する。
【0039】
例えば、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれている装置IDが「000002」である場合、配信位置特定部322は、
図4に示される位置関係記憶部311を参照し、当該装置IDに関連付けられている配信位置情報として、緯度「北緯35度36分17秒」及び経度「東経140度07分24秒」を取得する。
【0040】
取得部323は、配信情報に基づいて、携帯端末2に提供する提供情報を取得する。具体的には、取得部323は、提供情報記憶部312を参照し、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれる提供情報IDに関連付けられて、提供情報記憶部312に記憶されている提供情報を取得する。
【0041】
なお、取得部323は、例えば、
図5に示すように、情報提供装置3と通信可能に接続されたアドレス取得装置7に提供情報IDを送信し、当該アドレス取得装置7において、当該提供情報IDから変換された提供情報のアドレスを取得してもよい。具体的には、アドレス取得装置7は、
図5に示すように、識別情報受信部71と、アドレス取得部72と、アドレス送信部73とを備える。識別情報受信部71が、取得部323から送信された提供情報IDを受信すると、アドレス取得部72は、例えば、提供情報IDと提供情報のアドレスとを関連付けて記憶する変換テーブル(不図示)等に基づいて、受信した提供情報IDに関連付けられた提供情報のアドレスを取得する。アドレス送信部73が、取得した提供情報のアドレスを情報提供装置3に送信する。
【0042】
装置側送信部324は、装置側受信部321が受信した配信情報と、位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、取得部323が取得した提供情報を携帯端末2に送信する。具体的には、装置側送信部324は、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれる識別情報に基づいて配信位置特定部322が特定した配信位置情報と、位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、提供情報を携帯端末2に送信する。ここで、所定の条件は、例えば、配信位置情報と位置特定情報とが一致することをいう。なお、位置特定情報が示す位置が、配信位置情報が示す位置から所定範囲内であることを所定の条件としてもよい。
【0043】
また、情報提供装置3は外部の管理システム8と連携するものであってもよい。具体的には、クーポン情報を記憶する店舗側管理システムや、ポイント情報を管理するポイント管理システムなどである。この場合には、情報提供装置3は提供情報を携帯端末2に配信するとともに、外部の管理システム8に提供情報を配信した旨を送信する。これにより、外部の管理システム8は提供情報を提供したことに基づく携帯端末2を有するユーザの管理が可能となる。さらに、情報提供装置3は不正な要求があった旨を、外部の管理システム8に通知するようにしてもよい。これにより、不正な要求がされた情報の提供を停止、不正な使用を行った携帯端末2を有するユーザを特定することができる。なお、配信情報は、外部の管理システム8から情報提供装置3に送信するようにしてもよい。
【0044】
[情報提供システムSの通信シーケンス]
図6は、第1の実施形態に係る情報提供システムSにおいて、携帯端末2が提供情報を受信するまでの通信シーケンスの一例を示す図である。
まず、超音波発生装置1が、少なくとも、装置ID、提供情報ID、施設IDのいずれか一つを含む配信情報が重畳された超音波信号を発生する(S1)。
【0045】
続いて、超音波信号受信部21が超音波信号を受信すると、抽出部271は、当該超音波信号に含まれている配信情報を抽出する(S2)。続いて、位置特定情報取得部272は、GPS受信部22が受信した測位電波に基づいて位置特定情報を算出することにより、位置特定情報を取得する(S3)。なお、S2とS3との順番は、
図6に示す順番に限らず、S3の後にS2が行われてもよい。
【0046】
続いて、端末側送信部273は、S2において抽出された配信情報及びS3において取得された位置特定情報を情報提供装置3に送信する。
続いて、装置側受信部321は、携帯端末2から配信情報及び位置特定情報を受信する。
【0047】
続いて、配信位置特定部322は、配信情報に含まれている装置IDに基づいて位置関係記憶部311の位置関係情報に記憶されている配信位置情報を取得する。その後、取得部323は、配信情報に含まれている提供情報IDに基づいて、提供情報記憶部312に記憶されている提供情報を取得する(S4)。
【0048】
続いて、装置側送信部314は、提供情報の送信条件を満たすか否かを判定する(S5)。装置側送信部314は、例えば、装置側受信部321が受信した位置特定情報と、配信位置特定部322が取得した配信位置情報が一致している場合に、送信条件を満たしたと判定し、提供情報を携帯端末2に送信する。
続いて、端末側受信部274は、提供情報を受信し、当該提供情報を端末側記憶部23に記憶させる(S6)。
【0049】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係る情報提供システムSの携帯端末2は、超音波信号から抽出された配信情報と、携帯端末2の位置を特定するための位置特定情報とを情報提供装置3に送信する。情報提供装置3は、当該配信情報と当該位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、提供情報を携帯端末2に送信する。したがって、情報提供システムSは、超音波信号に基づいて提供する情報を、予め規定されている位置とは異なる位置において不正に取得することを防止することができる。
【0050】
また、情報提供装置3は、携帯端末2から受信した配信情報に基づいて当該配信情報が配信された位置を示す配信位置情報を取得する。また、情報提供装置3は、受信した配信情報に含まれる装置IDに関連付けて位置関係記憶部311に記憶されている配信位置情報を取得し、当該配信位置情報と、受信した位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、提供情報を携帯端末2に送信する。したがって、情報提供システムSにおいては、配信情報に位置を示す情報を含める必要がないので、配信情報のデータ量を増加させることなく、配信情報が配信された位置を特定させることができる。
【0051】
また、携帯端末2は、GPS衛星から受信した測位電波に基づいて位置特定情報を算出する。したがって、情報提供装置3は、正確に携帯端末2の位置を把握して、提供情報を送信するか否かの判定を精度よく行うことができる。
【0052】
<第2の実施形態>
[無線アクセスポイント6により位置特定情報を取得する]
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、携帯端末2が、無線アクセスポイント6から位置特定情報を受信する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0053】
図7は、第2の実施形態に係る情報提供システムSの概要図である。
第2の実施形態に係る情報提供システムSは、超音波発生装置1と、携帯端末2と、情報提供装置3と、基地局4と、無線通信装置としての無線アクセスポイント6とを備える。
【0054】
携帯端末2は、超音波発生装置1が発生した超音波信号を受信して、当該超音波信号に重畳された配信情報を抽出するとともに、無線アクセスポイント6が送信した位置特定情報を受信する。携帯端末2は、基地局4を介して、抽出した配信情報及び取得した位置特定情報を情報提供装置3に送信する。
情報提供装置3は、第1の実施形態と同様に、配信情報と位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に提供情報を携帯端末2に送信する。
【0055】
ここで、
図7に示される破線aは、超音波発生装置1が発生する超音波信号を携帯端末2が受信可能な範囲である。
図7に示される破線bは、無線アクセスポイント6が送信する位置特定情報を携帯端末2が受信可能な範囲である。
図7に示されるように、無線アクセスポイント6は、超音波発生装置1が発生する超音波信号を携帯端末2が受信可能な範囲よりも広い範囲に位置特定情報を送信する。
【0056】
[超音波発生装置1及び携帯端末2の構成例]
続いて、第2の実施形態に係る超音波発生装置1、携帯端末2及び無線アクセスポイント6が備える機能について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る超音波発生装置1、携帯端末2及び無線アクセスポイント6の機能構成図である。
第2の実施形態に係る超音波発生装置1の構成は、第1の実施形態に係る超音波発生装置1の構成と同一であるので説明を省略する。
【0057】
無線アクセスポイント6は、例えば、店舗に設置されている無線LANのアクセスポイントや、Bluetooth(登録商標)接続ポイントであってもよい。無線アクセスポイント6は、位置特定情報記憶部61と、無線送信部62とを備える。
位置特定情報記憶部61は、無線アクセスポイント6を識別するSSID(Service Set Identifier)を記憶する。
無線送信部62は、超音波発生装置1が設置されている位置を含むエリアに、位置特定情報を無線により送信する。具体的には、無線送信部62は、位置特定情報記憶部61に記憶されているSSIDを、
図7に示す範囲bにブロードキャストする。
【0058】
第2の実施形態に係る携帯端末2は、無線通信部28を備え、位置特定情報取得部272が、無線通信部28を介して無線アクセスポイント6から位置特定情報を受信する点で第1の実施形態の携帯端末2と異なり、その他の点では同じである。以下、無線通信部28及び位置特定情報取得部272について説明し、携帯端末2が備えるその他の構成については説明を省略する。
【0059】
無線通信部28は、無線アクセスポイント6と通信を行い、無線送信部62がブロードキャストするSSIDを受信する。本実施形態において、SSIDは、当該SSIDを受信した携帯端末2の位置を示す位置特定情報として用いられる。
位置特定情報取得部272は、無線通信部28を介して、無線アクセスポイント6から位置特定情報を受信する。
【0060】
[情報提供装置3の構成例]
続いて、第2の実施形態に係る情報提供装置3が備える機能について説明する。第2の実施形態に係る情報提供装置3は、位置関係記憶部311の構成が、第1の実施形態に係る位置関係記憶部311の構成と異なり、その他の点では同じである。以下、位置関係記憶部311について説明し、情報提供装置3が備えるその他の構成については説明を省略する。
【0061】
図9は、第2の実施形態に係る位置関係記憶部311が記憶している位置関係情報の一例を示す図である。位置関係記憶部311は、複数の超音波発生装置1のそれぞれの装置IDと、当該超音波発生装置1の位置において無線アクセスポイント6が送信するSSIDとを関連付けた位置関係情報を予め記憶している。無線アクセスポイント6は、超音波発生装置1が発生する超音波信号を携帯端末2が受信可能な範囲よりも広い範囲に位置特定情報を送信するので、一のSSIDは、複数の装置IDに関連付けられている。
図9に示されているように、例えば、SSID「112233445566」は、複数の装置ID「000001」、「000002」、及び「000003」に関連付けられている。情報提供システムSにおいては、無線アクセスポイント6が送信する電波の強度、及び超音波発生装置1の設置場所を調整することにより、無線アクセスポイント6の一のSSIDに対応する装置IDの数を定めることができる。
【0062】
[受信信号強度による位置の特定]
なお、本実施形態に係る携帯端末2は、無線通信部28を介して無線アクセスポイント6から位置特定情報を取得するとともに、受信した信号の強度を検出するようにしてもよい。例えば、携帯端末2は、無線アクセスポイント6から受信した電波の強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)の値を、信号強度として取得し、当該信号強度を情報提供装置3に送信する。情報提供装置3は、信号強度が所定の強度より小さい場合、携帯端末2が無線アクセスポイント6から離れた位置にいると判定し、提供情報を携帯端末2に送信しない。
【0063】
また、情報提供装置3が備える位置関係記憶部311が、無線アクセスポイント6のSSIDと、信号強度と、当該信号強度の信号を受信できる位置との関係を記憶しており、配信位置特定部322は、位置関係記憶部311を参照して、携帯端末2から受信した信号強度に対応する位置を特定してもよい。情報提供装置3は、このようにすることで、さらに厳密に特定した携帯端末2の位置に基づいて、提供情報を送信するか否かを決定することができる。
【0064】
[第2の実施形態における効果]
以上のとおり、第2の実施形態に係る情報提供システムSでは、位置特定情報取得部272が無線アクセスポイント6から位置特定情報を受信するので、携帯端末2がGPSの測位信号を受信できない場所においても携帯端末2の位置を特定して、配信情報と位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に提供情報を提供することができる。
【0065】
また、無線アクセスポイント6は、超音波発生装置1が発生する超音波信号を携帯端末2が受信可能な範囲よりも広い範囲に位置特定情報を送信する。したがって、情報提供システムSは、複数の超音波発生装置1に対して無線アクセスポイント6を共用し、無線アクセスポイント6の設置コストを削減することができる。
【0066】
<第3の実施形態>
[配信情報の配信時間に基づいて提供情報を提供する]
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、配信情報の配信時間に基づいて提供情報を提供する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
第3の実施形態に係る携帯端末2の構成は、第1の実施形態に係る超音波発生装置1及び携帯端末2の構成と同一であるので、説明を省略する。
【0067】
第3の実施形態に係る超音波発生装置1は、配信時間に応じて変化する配信時間情報を含む配信情報が重畳された超音波信号を発生する。超音波発生装置1は、例えば、店舗におけるタイムセールに係る提供情報を識別する提供情報ID等、配信時間に応じて内容が変化する配信情報が重畳された超音波信号を発生する。
【0068】
第3の実施形態に係る情報提供装置3は、位置関係記憶部311、配信位置特定部322及び装置側送信部314が、第1の実施形態に係る位置関係記憶部311、配信位置特定部322及び装置側送信部314の構成と異なり、その他の点では同じである。以下、位置関係記憶部311、配信位置特定部322及び装置側送信部314について説明し、情報提供装置3が備えるその他の構成については説明を省略する。
【0069】
図10は、第3の実施形態に係る位置関係記憶部311が記憶している位置関係情報の一例を示す図である。位置関係記憶部311は、複数の超音波発生装置1のそれぞれの装置IDと、当該超音波発生装置1の位置を示す配信位置情報と、配信情報が有効である時間を示す有効配信時間とを関連付けた位置関係情報を予め記憶している。有効配信時間は、所定日における所定の時間帯、複数の日にち等が指定される。また、配信時間は、例えば「11:00−13:00」のように、日付の指定がない場合には、毎日11時から13時に配信される配信情報が有効であることを示している。なお、配信時間は、時間を特定できる情報であればよく、上述した例に限定されるものではない。
【0070】
配信位置特定部322は、位置関係記憶部311を参照し、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれている装置IDに関連付けられて位置関係記憶部311に記憶されている配信位置情報及び有効配信時間を取得する。例えば、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれている装置IDが「000001」である場合、配信位置特定部322は、
図10に示される位置関係記憶部311を参照し、当該装置IDに関連付けられている配信情報として、緯度「北緯35度41分22秒」、経度「東経139度41分27秒」を取得し、有効配信時間として、「2013/6/20 10:00−14:00」を取得する。
【0071】
装置側送信部324は、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれる識別情報に基づいて配信位置特定部322が特定した配信位置情報と、位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、提供情報を携帯端末2に送信する。ここで、所定の条件は、例えば、配信位置情報と位置特定情報とが一致し、かつ、現在時刻が、有効配信時間が示す時間帯に含まれていることをいう。
【0072】
なお、以上の説明においては、配信情報が配信時間に応じて内容が変化するものとして説明したが、配信情報が、配信される時間帯を示す配信時間情報を含んでもよい。この場合、装置側送信部324は、装置側受信部321が配信情報を受信した時刻が、配信情報に含まれる配信時間情報を示す時間帯に対して所定の範囲内である場合に、提供情報を携帯端末2に送信する。
【0073】
[第3の実施形態における効果]
以上のとおり、第3の実施形態に係る情報提供システムSでは、配信情報の有効配信時間に基づいて提供情報を提供するので、当該有効配信時間とは異なる時間において携帯端末2が不正に取得した配信情報を送信して提供情報を取得することを防止することができる。
【0074】
<第4の実施形態>
[配信情報が配信される時間に応じて変化するトークンに基づいて提供情報を提供する]
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、配信情報が配信される時間に応じて変化する配信時間情報に基づいて提供情報を提供する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。なお、超音波発生装置1と情報提供装置3とは、それぞれ時刻が同期されているタイマーを備えているものとする。
【0075】
[超音波発生装置1及び携帯端末2の構成例]
まず、第4の実施形態に係る超音波発生装置1及び携帯端末2が備える機能について説明する。
図11は、第4の実施形態に係る超音波発生装置1及び携帯端末2の機能構成図である。第4の実施形態に係る超音波発生装置1は、第1の実施形態の超音波発生装置1が備える構成に加えて、トークン生成部13を備える。
【0076】
トークン生成部13は、例えば、配信情報が配信される時間に応じて変化する配信時間情報としてのトークンを生成する。トークンは、例えば、配信時刻を示す情報、又は配信時刻に応じて所定の規則に基づいて変化する文字列である。
信号発生部12は、配信情報記憶部11に記憶されている配信情報に、トークン生成部13が生成したトークンを含める。そして、信号発生部12は、トークンを含む配信情報を超音波に重畳させる。これにより、配信情報は、当該配信情報が配信される時間に応じて変化するトークンを含む。信号発生部12は、配信情報が重畳された超音波信号を発生する。
第4の実施形態に係る携帯端末2は、第1の実施形態に係る携帯端末2と構成が同一であるので説明を省略する。
【0077】
[情報提供装置3の構成例]
続いて、情報提供装置3が備える機能について説明する。
図12は、第4の実施形態に係る情報提供装置3の機能構成図である。第4の実施形態に係る情報提供装置3は、第1の実施形態に係る情報提供装置3が備える構成に加えて、認証情報記憶部313を備える。
【0078】
図13は、第4の実施形態に係る認証情報記憶部313が記憶している認証情報の一例を示す図である。認証情報記憶部313は、複数の時刻それぞれに対してパスワードを関連付けた認証情報を予め記憶している。
装置側送信部324は、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれるトークンが所定の第1条件を満たし、かつ、装置側受信部321が受信した配信情報と位置特定情報との関係が所定の第2条件を満たす場合に、提供情報を送信する。具体的には、装置側送信部324は、認証情報記憶部313を参照し、現在時刻に対応するパスワードを抽出する。そして、装置側送信部324は、装置側受信部321が受信した配信情報に含まれるトークンと抽出したパスワードとが一致する場合に所定の第1条件を満たすと判定する。また、装置側送信部324は、配信位置特定部322が取得した配信位置情報と、装置側受信部321が受信した位置特定情報とが一致する場合に所定の第2条件を満たすと判定する。
【0079】
[第4の実施形態における効果]
以上のとおり、第4の実施形態に係る情報提供システムSでは、配信情報が配信される時間に応じて変化するトークンに基づいて、提供情報を送信するか否かを判定するので、提供情報が不正取得される可能性をさらに低減することができる。
【0080】
<第5の実施形態>
[携帯端末2が提供情報を取得するか否かを判定する]
続いて、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、携帯端末2が提供情報を取得するか否かを判定する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0081】
[超音波発生装置1及び携帯端末2の構成例]
図14は、第5の実施形態に係る超音波発生装置1及び携帯端末2の機能構成図である。
第5の実施形態について、携帯端末2の端末側記憶部23は、位置関係記憶部231を備える。位置関係記憶部231は、第1の実施形態の情報提供装置3が備える位置関係記憶部311と同様の構成を有する。
【0082】
端末側送信部273及び端末側受信部274は、提供情報を取得する取得部として機能し、抽出部271が超音波信号から抽出した配信情報と、位置特定情報取得部272が取得した位置特定情報との関係が所定の条件を満たす場合に、配信情報に基づいて提供情報を取得する。
【0083】
具体的には、端末側送信部273は、位置関係記憶部231を参照し、抽出部271が超音波信号から抽出した配信情報に含まれている装置IDに関連付けられて位置関係記憶部311の位置関係情報に記憶されている配信位置情報を取得する。そして、端末側送信部273は、取得した配信位置情報と、位置特定情報取得部272が取得した位置特定情報とが所定の条件を満たす場合に、配信情報に含まれている提供情報IDを抽出し、無線部26を介して、当該提供情報IDを含む提供情報取得要求を情報提供装置3に送信する。
【0084】
端末側受信部274は、無線部26を介して、情報提供装置3から提供情報を受信する。そして、端末側受信部274は、受信した提供情報を端末側記憶部23に記憶させる。
【0085】
[情報提供装置3の構成例]
図15は、第5の実施形態に係る情報提供装置3の機能構成図である。情報提供装置3は、第1の実施形態に係る情報提供装置3に係る配信位置特定部322及び位置関係記憶部311を備えていない点で異なる。
【0086】
第5の実施形態に係る取得部323は、装置側受信部321が提供情報取得要求を受信すると、提供情報記憶部312を参照し、当該要求に含まれている提供情報IDに関連付けられて提供情報記憶部312に記憶されている提供情報を取得する。
装置側送信部324は、取得部323が提供情報を取得すると、当該提供情報を携帯端末2に送信する。
【0087】
図16は、第5の実施形態に係る情報提供システムSにおいて、携帯端末2が提供情報を受信するまでの通信シーケンスの一例を示す図である。
S11からS13までの処理は、第1の実施形態において示したシーケンスのS1からS3までの処理と同一であるので説明を省略する。
【0088】
続いて、端末側送信部273は、位置関係記憶部231を参照し、抽出された配信情報に含まれている装置IDに関連付けられている配信位置情報を取得する。そして、端末側送信部273は、取得した配信位置情報と、位置特定情報取得部272が取得した位置特定情報とが所定の条件を満たすか否か判定する(S14)。そして、端末側送信部273は、所定の条件を満たすと判定した場合に、提供情報IDを含む提供情報取得要求を、無線部26を介して情報提供装置3に送信する。
【0089】
続いて、情報提供装置3の装置側受信部321が提供情報取得要求を受信すると、取得部323は、当該要求に含まれている提供情報IDに関連付けられて提供情報記憶部312に記憶されている提供情報を取得する(S15)。続いて、装置側送信部324は、取得部323が提供情報を取得すると、当該提供情報を携帯端末2に送信する。
続いて、端末側受信部274は、提供情報を受信すると、当該提供情報を端末側記憶部23に記憶させる(S16)。
【0090】
[第5の実施形態における効果]
以上のとおり、第5の実施形態に係る情報提供システムSでは、携帯端末2において、配信情報と前記位置特定情報との関係が所定の条件を満たすか否かの判定を行い、所定の条件を満たす場合に限定して情報提供装置3から提供情報を取得するので、情報提供装置3への通信を抑制し、通信トラヒックを抑制することができる。
【0091】
<第6の実施形態>
[複数の位置情報を用いる]
上記の実施形態においては、GPS衛星5から得られる緯度経度情報、又は無線アクセスポイント6から得られる識別情報を用いて携帯端末2に提供情報を送信するか否かを判定する構成について説明したが、これらの情報を組み合わせて使用してもよい。
【0092】
例えば、携帯端末2は、超音波発生装置1から超音波発生装置1の識別情報と、第1の無線アクセスポイント6である無線LAN装置の識別情報と、第2の無線アクセスポイント6であるBluetooth装置の識別情報と、GPS衛星5からの測位電波に基づく緯度経度情報とを取得する。携帯端末2は、これらの情報を情報提供装置3に送信する。
【0093】
情報提供装置3の位置関係記憶部231は、超音波発生装置1の識別情報と、無線LAN装置の識別情報と、Bluetooth装置の識別情報と、提供情報とを関連付けて記憶している。装置側送信部324は、携帯端末2から受信した超音波発生装置1の識別情報と、無線LAN装置の識別情報と、Bluetooth装置の識別情報との組み合わせが、位置関係記憶部231に記憶されている組み合わせと一致する場合に、当該組み合わせに対応する提供情報を携帯端末2に送信する。
このように、複数の位置情報を組み合わせて使用することにより、情報提供システムSは、不正使用をさらに効果的に防止できる。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部または一部について、種々の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0095】
例えば、上記の実施形態においては、配信情報に、装置ID及び提供情報IDが含まれる場合について説明したが、配信情報は、超音波発生装置1に関連付けられた情報であれば、装置ID及び提供情報IDに限定されるものではない。