特許第5677566号(P5677566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アールアンドイー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000002
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000003
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000004
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000005
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000006
  • 特許5677566-廃人造大理石の処理方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677566
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】廃人造大理石の処理方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/12 20060101AFI20150205BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20150205BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20150205BHJP
   C07C 69/54 20060101ALI20150205BHJP
   C07C 67/333 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   C08J11/12ZAB
   B29B17/04
   B09B3/00 303Z
   B09B3/00 Z
   B09B3/00 302A
   C07C69/54 Z
   C07C67/333
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-511093(P2013-511093)
(86)(22)【出願日】2010年7月9日
(65)【公表番号】特表2013-531088(P2013-531088A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】KR2010004496
(87)【国際公開番号】WO2011145774
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2012年11月15日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0047140
(32)【優先日】2010年5月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512296520
【氏名又は名称】アールアンドイー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】R&E CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン−スン
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ム−シク
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−0917105(KR,B1)
【文献】 特開2003−321571(JP,A)
【文献】 特開2010−043165(JP,A)
【文献】 特開2002−220619(JP,A)
【文献】 特開平07−324716(JP,A)
【文献】 特開平07−155722(JP,A)
【文献】 特開平09−239344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 17/
C08J 11/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾粉塵状の廃人造大理石は粉塵貯蔵タンクに貯蔵し、湿粉塵状の廃人造大理石は乾燥させて前記粉塵貯蔵タンクに貯蔵し、スクラップ形態の廃人造大理石は粉砕した後、粉塵と粒とに分離させ、該分離された粉塵を前記粉塵貯蔵タンクに貯蔵し、分離された粒を粒子貯蔵タンクに貯蔵する前処理段階と、
前記粉塵貯蔵タンクから粉塵状の再生原料を供給されて熱処理して、樹脂剤混合ガスと充填剤混合固形物とに分解する第1熱分解処理段階と、前記粒子貯蔵タンクから粒状の再生原料を供給されて熱処理して、樹脂剤混合ガスと充填剤混合固形物とに分解する第2熱分解処理段階とを分離遂行する熱分解処理段階と、
前記熱分解処理段階で分解された樹脂剤混合ガスを供給されて、精製過程を通じて不純物が除去された樹脂剤を再生させる樹脂剤再生段階と、
前記熱分解処理段階で分解された充填剤混合固形物を供給されて、焼成過程を通じて不純物が除去された充填剤を再生させる充填剤再生段階と、
を含む廃人造大理石の処理方法。
【請求項2】
前記前処理段階は、
スクラップ形態の廃人造大理石を大きさによって、段階別に分離投入して粉砕する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項3】
前記樹脂剤再生段階と前記充填剤再生段階とで発生した悪臭を除去する悪臭除去段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項4】
前記熱分解処理段階は、
再生原料が水平移動と垂直移動とが同時になされて、再生原料の停滞部分がないように再生原料を撹拌させ、
前記充填剤混合固形物の油分含有量が8%〜15%を保持するように再生原料を熱分解処理することを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項5】
前記充填剤再生段階は、
前記充填剤混合固形物を供給された焼成炉を前記充填剤混合固形物の発火温度まで加熱した後、中断して、前記充填剤混合固形物が油分によって自体発熱することによって、焼成させることを特徴とする請求項4に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項6】
前記第1熱分解処理段階は、
前記粉塵貯蔵タンクから粉塵状の再生原料を供給されて、サービスタンクに貯蔵する過程と、貯蔵された再生原料を予熱炉を経て予熱させた後、熱処理する過程とを含み、
前記第2熱分解処理段階は、
前記粒子貯蔵タンクから粒状の再生原料を供給されて、サービスタンクに貯蔵する過程と、貯蔵された再生原料を予熱炉を経て予熱させた後、熱処理する過程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項7】
前記再生原料は、樹脂剤であるMMA(Methyl Methacrylane)と充填剤である水酸化アルミニウムとを含み、
前記熱分解処理段階で水酸化アルミニウムを固体状態のアルミナとガス状態の水とに分解し、MMAをガス状態に分解することを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項8】
前記樹脂剤再生段階は、
樹脂剤混合ガスを供給されて低級MMAに前処理する精製前処理過程と、前処理された低級MMAを1次精製する1次精製過程と、1次精製されたMMAを薬品処理する精製後処理過程と、薬品処理されたMMAを高級MMAに2次精製して包装する2次精製過程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項9】
前記精製前処理過程は、
樹脂剤混合ガスを凝縮した後、1次三相分離して混合MMAを抽出する過程と、抽出された混合MMAを一定温度に保持した状態で、2次三相分離して低級MMAを抽出する過程と、抽出された低級MMAを洗浄した後、油水分離させて貯蔵する過程と、貯蔵されたMMAを薬品処理して待機させる過程とを含み、
前記1次精製過程は、
前処理された低級MMAで蒸留によって残留物を除去する過程と、残留物が除去されたガス状態の低級MMAを凝縮させて、液体状態の低級MMAと不凝縮ガスとに分離する過程と、液体状態の低級MMAを抽出する過程とを含み、
前記2次精製過程は、
液体状態の低級MMAで蒸留によって残留物を除去した後、凝縮させて、液体状態の高級MMAと不凝縮ガスとに分離する過程と、分離された液体状態の高級MMAを移送させる過程で冷却させた後、不純物を除去して包装する過程とを含み、2次精製全体過程がバッチ(batch)方式でなされることを特徴とする請求項8に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項10】
前記充填剤再生段階で発生した排ガスから悪臭を除去した後、1次ボイラーを経て排ガスの熱を回収する過程と、回収された熱を前記熱分解処理段階に供給して再生原料の予熱のために使うか、前記樹脂剤再生段階に供給して精製過程に使う過程と、前記1次ボイラーを経た排ガスの熱を回収して温水ボイラーの熱として使う過程と、2次ボイラーを経て前記1次ボイラーを経た排ガスの熱を回収する過程と、前記2次ボイラーを経た排ガスの熱を湿粉塵状の廃人造大理石を乾燥させる熱として使う過程とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項11】
前記熱分解処理段階を経て分解された樹脂剤混合ガスを粉塵除去フィルターを通過させて粉塵を除去した後、前記樹脂剤再生段階に供給する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【請求項12】
前記スクラップ形態の廃人造大理石を粉砕した後、分離機によって、粉塵と粒とに分離させることを特徴とする請求項1に記載の廃人造大理石の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃人造大理石を処理して、人造大理石製造時に使われた原料を回収し、再生して、リサイクル可能にする廃人造大理石の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の高級化、快適化が追求されながら、建築用素材として人造大理石(scagliola)が多くの脚光を浴びている。人造大理石は、天然の鉱石粉や鉱物を樹脂成分やセメントと配合し、各種の顔料及び添加剤などを添加して、天然大理石の質感を具現した人造合成体を言う。
【0003】
現在、韓国では、MMA(Methyl Methacrylane)と言うアクリル樹脂(有機物質)と無機充填剤とを混合した有機系人造大理石が広く使われており、混合比率は、MMAが30〜45重量%、無機充填剤が45〜65重量%、添加剤が残りの重量%からなる。無機充填剤としては、人造大理石の強度と耐摩耗度の増進に優れた特性を有している水酸化アルミニウムがほとんど使われている。
【0004】
人造大理石は、製造後、必要な大きさに加工されて、洗面台、シンク台、キッチン上板、公共建物のカウンター、テーブル、インテリアなどの多様な機能性製品として使われているが、加工過程で、粉塵、スクラップが発生する。人造大理石の多様な長所によって、毎年生産量が急増することによって、加工過程で発生する粉塵、スクラップの俳出量と、使用後に捨てられる廃人造大理石の俳出量とが急増している趨勢である。
【0005】
ところで、現在、廃人造大理石は、通常事業場の廃棄物として取り扱って単純埋立廃棄されるために、廃棄コストが少なくなく、かつ土壌汚染という環境問題も引き起こされ、持続的に新たな埋立地を確保しなければならない社会的な問題も生んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、前述した問題点を解決するためのものであって、廃人造大理石から樹脂剤と充填剤とをより効率的に再生させることによって、廃人造大理石の廃棄による環境汚染を防止し、資源リサイクルによる資源の無駄使いを減らしうる廃人造大理石の処理方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を果たすための本発明による廃人造大理石の処理方法は、乾粉塵状の廃人造大理石を貯蔵するか、湿粉塵状の廃人造大理石を乾燥させて貯蔵するか、スクラップ形態の廃人造大理石を粉砕して貯蔵する前処理段階と、前記前処理段階で粉塵または粒状で貯蔵された再生原料を供給されて熱処理して、樹脂剤混合ガスと充填剤混合固形物とに分解する熱分解処理段階と、前記熱分解処理段階で分解された樹脂剤混合ガスを供給されて、精製過程を通じて不純物が除去された樹脂剤を再生させる樹脂剤再生段階と、前記熱分解処理段階で分解された充填剤混合固形物を供給されて、焼成過程を通じて不純物が除去された充填剤を再生させる充填剤再生段階と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多様な形態の廃人造大理石を外部から供給されて、乾粉塵状や粒状に前処理することによって、熱分解処理効率を向上させることができる。したがって、廃人造大理石から樹脂剤と充填剤とを再生及びリサイクル効率を高めるので、廃人造大理石の廃棄による環境汚染を防止し、資源リサイクルによる資源の無駄使いを減らしうる。
【0009】
そして、本発明によれば、再生原料を熱分解処理する過程で充填剤混合固形物が油分を含ませて、初期発火後、外部熱源なしに自体発火して焼成されることができるので、省エネ効果がある。また、樹脂剤混合ガスを精製前処理、1次精製、精製後処理、2次精製を順次に進行して純度の高い樹脂剤を獲得する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による廃人造大理石の処理方法についてのフローチャートである。
図2図1の前処理段階及び熱分解処理段階を説明する工程図である。
図3】樹脂剤再生段階についてのフローチャートである。
図4図3の樹脂剤再生段階を説明する工程図である。
図5図1の充填剤再生段階を説明する工程図である。
図6図1の充填剤再生段階で発生した排ガスをリサイクルする過程についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、望ましい実施形態による本発明を詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による廃人造大理石の処理方法についてのフローチャートであり、図2は、図1の前処理段階及び熱分解処理段階を説明する工程図である。
【0013】
まず、図1を参照すると、廃人造大理石の処理方法は、廃人造大理石に含まれた樹脂剤と充填剤とを再生させてリサイクルするためのものであって、前処理段階(ステップS10)と、熱分解処理段階(ステップS20)と、樹脂剤再生段階(ステップS30)、及び充填剤再生段階(ステップS40)とを含む。
【0014】
前処理段階(ステップS10)は、乾粉塵状の廃人造大理石を貯蔵するか、湿粉塵状の廃人造大理石を乾燥させて貯蔵するか、スクラップ形態の廃人造大理石を粉砕して貯蔵する。通常、廃人造大理石は、人造大理石を製造する過程で発生するか、使用後に捨てられる時に発生する。この際、廃人造大理石は、水分が10%未満である乾粉塵状や、水分が10%以上である湿粉塵状や、スクラップ形態で捨てられる。粉塵状とは、3mm未満の粒子(particle)で構成されたものと定義され、スクラップ形態とは、3mm以上の粒(grain)で構成されたものと定義される。
【0015】
前処理段階(ステップS10)では、前述したような多様な形態の廃人造大理石を外部から供給されて、水分が10%未満である乾粉塵状や粒状に前処理することによって、熱分解処理段階(ステップS20)での熱分解処理効率を向上させうる。
【0016】
熱分解処理段階(ステップS20)は、前処理段階(ステップS10)で粉塵または粒状で貯蔵された再生原料を供給されて熱処理して、樹脂剤混合ガスと充填剤混合固形物とに分解する。樹脂剤混合ガスは、樹脂剤と類似樹脂剤と水とがガス状態に分解され、微細粉塵が混合されて構成されたものである。充填剤混合固形物は、炭素と油分とが含まれた固体状態の充填剤で構成されたものである。樹脂剤混合ガスは、樹脂剤再生段階(ステップS30)に供給され、充填剤混合固形物は、充填剤再生段階(ステップS40)に供給される。
【0017】
樹脂剤再生段階(ステップS30)は、熱分解処理段階(ステップS20)で分解された樹脂剤混合ガスを供給されて、精製過程を通じて不純物が除去された樹脂剤を再生させる。再生された樹脂剤は、既存のMMAのような用途として産業の各分野で多様に使われる。充填剤再生段階(ステップS40)は、熱分解処理段階で分解された充填剤混合固形物を供給されて、焼成過程を通じて不純物が除去された充填剤を再生させる。充填剤は、再生過程を通じて酸化アルミナ(Al)に生産され、耐火剤などの産業原料として使われる。
【0018】
前述したように、本実施形態による廃人造大理石の処理方法によって、廃人造大理石から樹脂剤と充填剤とを再生させて、リサイクル可能となって、廃人造大理石の廃棄による環境汚染を防止し、資源リサイクルによる資源の無駄使いを減らすことができる。
【0019】
一方、図2に示したように、前処理段階(ステップS10)で、乾粉塵状の廃人造大理石が、バルク車に入れられて入庫される場合、入庫された乾粉塵状の廃人造大理石を空圧移送装置によって、粉塵貯蔵タンク111に貯蔵することができる。粉塵貯蔵タンク111は、バックフィルターを通じて清浄空気が大気に排出されるように構成することができる。
【0020】
前処理段階(ステップS10)で、湿粉塵状の廃人造大理石が、ダンプトラックまたは包装バックに入れられて入庫される場合、入庫された湿粉塵状の廃人造大理石を四角ホッパー113に貯蔵した後、乾燥炉114に移送して乾燥させる。以後、乾燥した廃人造大理石を空圧移送装置によって、粉塵貯蔵タンク111に貯蔵することができる。
【0021】
前処理段階(ステップS10)で、スクラップ形態の廃人造大理石が入庫される場合、入庫されたスクラップ形態の廃人造大理石を粉砕した後、分離機115によって粉塵と粒とに分離させた後、分離された粉塵を粉塵貯蔵タンク111に貯蔵し、分離された粒を粒子貯蔵タンク112に貯蔵することができる。この際、熱分解処理段階(ステップS20)は、粉塵貯蔵タンク111から粉塵状の再生原料を供給されて熱分解処理する過程と、粒子貯蔵タンク112から粒状の再生原料を供給されて熱分解処理する過程とを分離遂行する。これは、粉塵状の再生原料と粒状の再生原料との熱分解処理に必要な時間が、それぞれ異なるために、熱分解処理を分離遂行して効率を高めるためである。
【0022】
スクラップ形態の廃人造大理石を大きさによって、段階別に分離投入して粉砕することができる。例えば、入庫されるスクラップがほぼ150mm以上の大きさであれば、1次粉砕機116aを通過させて粉砕する。以後、2次粉砕機116bと3次粉砕機116cとを順に通過させて粉砕した後、分離機115に移送させる。入庫されるスクラップがほぼ150mm未満であり、12mm以上の大きさであれば、2次粉砕機116bを通過させて粉砕する。以後、3次粉砕機116cを通過させて粉砕した後、分離機115に移送させる。入庫されるスクラップがほぼ12mm未満の大きさであれば、3次粉砕機116cを通過させて粉砕した後、分離機115に移送させる。
【0023】
次いで、熱分解処理段階(ステップS20)は、粉塵貯蔵タンク111または粒子貯蔵タンク112から粉塵または粒状の再生原料を原料移送装置によって、分解炉211に1回分ずつ供給しながら、樹脂剤混合ガスと充填剤混合固形物とに熱分解させる。すなわち、非連続した方式であるバッチ(batch)方式で再生原料を熱分解させる。
【0024】
熱分解処理効率を高めるために、分解炉211を複数個設置することができる。そして、粉塵貯蔵タンク111または粒子貯蔵タンク112から粉塵または粒状の再生原料をバッファ役割のサービスタンク117に貯蔵した後、サービスタンク117に貯蔵された再生原料を分解炉211に供給することができる。また、再生原料を予熱炉118を経て予熱させた後、分解炉211に供給して熱分解処理することができる。
【0025】
再生原料を熱分解処理する過程で、分解炉211内の再生原料が停滞される区間がないように、分解炉211内の再生原料を水平及び垂直に同時に継続的に移動させるように撹拌させることができる。そして、再生原料を間接加熱することができる。これは、分解炉211内で再生原料が熱分解されながら発生するガスが発火しないようにするためである。分解炉211の下側を、電気炉212によって再生原料の内部温度が250℃〜400℃になるように間接加熱することができる。この際、電気炉212にヒーターを複数個設置して、各領域別に断続が自在になされるようにできる。
【0026】
充填剤混合固形物の油分含有量が8%〜15%である時、熱分解処理作業を終了することによって、充填剤混合固形物の油分含有量が8%〜15%を保持させる。これは、充填剤混合固形物が初期発火温度までのみ加熱された後、外部熱源なしに油分によって自体発熱することによって、焼成させるためである。この場合、充填剤再生段階は、充填剤混合固形物を発火温度まで加熱した後、中断して、充填剤混合固形物が油分によって自体発熱することによって、焼成させる。一方、自体発熱焼成を排除するならば、油分含有量が8%未満で分解を終了させうる。
【0027】
熱分解処理段階(ステップS20)を経て分解された樹脂剤混合ガスは、分解炉211の上部ガス管を通じて排出されて樹脂剤再生段階(ステップS30)に供給される。この際、樹脂剤混合ガスを粉塵除去フィルター213を通過させて粉塵を除去した後、樹脂剤再生段階(ステップS30)に供給することができる。充填剤混合固形物は、分解炉211の下部を通じて排出される。排出された充填剤混合固形物は、残余ガスと高温の油分とが含まれる。これにより、ガス排出装置によって残余ガス及び一部発生ガスを排出させ、充填剤混合固形物を固まり防止用移送装置214によって移送させる。
【0028】
再生原料は、樹脂剤としてMMAと、充填剤として水酸化アルミニウムとを含んで構成することができる。この場合、熱分解処理段階(ステップS20)で水酸化アルミニウムを固体状態のアルミナとガス状態の水とに分解し、MMAをガス状態に分解することができる。ガス状態の水とMMAとを樹脂剤再生段階(ステップS30)に供給し、固体状態のアルミナを充填剤再生段階(ステップS40)に供給する。
【0029】
一方、樹脂剤再生段階(ステップS30)は、図3及び図4のようになされうる。ここで、図3は、樹脂剤再生段階についてのフローチャートであり、図4は、図3の樹脂剤再生段階を説明する工程図である。
【0030】
図3及び図4を参照すると、樹脂剤再生段階(ステップS30)は、樹脂剤混合ガスを供給されて低級MMAに前処理する精製前処理過程(ステップS31)と、前処理された低級MMAを1次精製する1次精製過程(ステップS32)と、1次精製されたMMAを薬品処理する精製後処理過程(ステップS33)と、後処理されたMMAを高級MMAに2次精製して包装する2次精製過程(ステップS34)とを含む。
【0031】
まず、精製前処理過程(ステップS31)は、分解炉211でフィルター213を通過した樹脂剤混合ガスを凝縮した後、1次三相分離して混合MMAを抽出する過程と、抽出された混合MMAを一定温度に保持した状態で、2次三相分離して低級MMAを抽出する過程と、抽出された低級MMAを洗浄した後、油水分離させて貯蔵する過程と、貯蔵されたMMAを薬品処理して待機させる過程とを含みうる。
【0032】
例えば、精製前処理過程(ステップS31)では、凝縮機311によって樹脂剤混合ガスがMMAと類似MMAと水とに凝縮されながら、微細なアルミナ粉を含んで凝縮され、不凝縮ガスも含む。引き続き、混合MMAと混合アルミナと水及び不凝縮ガスとを1次三相分離機312によって1次に三相分離する。引き続き、混合MMAを、熱交換機313を通過させて10℃〜15℃温度に保持させる。
【0033】
一定温度の混合MMAを2次三相分離機314によって、混合MMAと水と混合アルミナ及び不凝縮ガスとに精密分離した後、1次三相分離過程と同様に処理する。2次三相分離過程を通じて分離された低級MMAを、洗浄機315を通過させてMMA以外の各種の異物を除去する。引き続き、洗浄された低級MMAを、油水分離機316によって雑物を分離させた後、貯蔵タンク317に貯蔵させる。以後、貯蔵された低級MMAの不純物を除去するために、低級MMAを薬品処理槽318を通過させ、薬品処理した後、フィルター319を通過させて1次精製過程に供給する。
【0034】
次いで、1次精製過程(ステップS32)は、前処理された低級MMAで蒸留によって残留物を除去する過程と、残留物が除去されたガス状態の低級MMAを凝縮させて、液体状態の低級MMAと不凝縮ガスとに分離する過程と、液体状態の低級MMAを抽出する過程とを含みうる。
【0035】
例えば、前処理された低級MMAを精製蒸留槽321に連続供給する。供給された低級MMAで蒸留によって残留物を除去するために、精製蒸留槽321をヒーター322によって加熱して、低級MMAを間接加熱させる。この過程で、気化した低級MMAを凝縮機324に送る。そして、気化していない低級MMAから残留物を除去し、効率を高めるために、低級MMAをリボイラー323を通過させて加熱した後、精製蒸留槽321に再供給する。このように、低級MMAを循環させながら気化させ、循環過程でリボイラー323によって追加加熱させることができるので、生産性を向上させることができる。
【0036】
気化した低級MMAは、凝縮機324を通過しながら凝縮されて、液体状態の低級MMAと不凝縮ガスとに分離され、デカントタンク325を経て液体状態の低級MMAと不凝縮ガスとに分離されて排出される。不凝縮ガスを真空チャンバ327を経て真空ポンプ328によって悪臭炉329に移送させる。液体状態の低級MMAを冷却裝置を取り揃えた分離槽326に移送させて貯蔵する。この過程を通じて1次精製された低級MMAを不純物除去のために、後処理精製過程(ステップS33)の後処理薬品槽331を経て薬品処理した後、2次精製過程(ステップS34)に供給する。
【0037】
次いで、2次精製過程(ステップS34)は、液体状態の低級MMAで蒸留によって残留物を除去した後、凝縮させて、液体状態の高級MMAと不凝縮ガスとに分離する過程と、分離された液体状態の高級MMAを移送させる過程で冷却させた後、不純物を除去して包装する過程とを含む。
【0038】
例えば、後処理された液体状態の低級MMAを精製蒸留槽341に供給し、精製蒸留槽341をヒーター341aによって加熱して、低級MMAを間接加熱させる。このような蒸留過程を通じて低級MMAから残留物を除去する。残留物が除去されたガス状態の低級MMAは、凝縮機342を通過し、液体状態の高級MMAと不凝縮ガスとに分離される。以後、デカントタンク343を経て液体状態の高級MMAと不凝縮ガスとに分離されて排出される。不凝縮ガスを真空チャンバ347を経て真空ポンプ348によって悪臭炉329に移送させる。液体状態の低級MMAを完全に液化させるために、冷却機344を経て冷却させた後、冷却裝置を取り揃えた分離槽345に移送させて貯蔵する。分離槽345に貯蔵された高級MMAをフィルター346を経て異物を除去した後、包装して出荷する。2次精製全体過程は、バッチ方式でなされうる。すなわち、低級MMAを初期注入した後、補充せず、2次精製を仕上げる。前述した樹脂剤再生段階(ステップS30)を経れば、純度の高い樹脂剤を獲得させうる。
【0039】
前述した樹脂剤再生段階(ステップS30)のうち、1次精製過程(ステップS32)及び2次精製過程(ステップS34)で発生した悪臭ガスから悪臭を除去することができる。例えば、悪臭ガスを悪臭炉329で加熱して、燃やして悪臭を除去し、悪臭が除去されたガスを、バックフィルターを通過させて、滓をフィルタリングした後、大気に排出して大気汚染を阻むことができる。充填剤再生段階(ステップS40)で、焼成炉411(図5参照)で発生した悪臭ガスからも、前述した過程を通じて、悪臭を除去することができる。
【0040】
一方、図5に示したように、充填剤再生段階(ステップS40)は、熱分解処理段階(ステップS20)を経て分解された充填剤混合固形物を焼成炉411に供給して焼成させる。この際、熱分解処理段階(ステップS20)を経て供給される充填剤混合固形物をバッファ役割のサービスタンク414に貯蔵して、焼成炉411に移送させることができる。
【0041】
充填剤と一部樹脂剤とが混合された固形物を焼成させる過程で、焼成炉411内の充填剤と一部樹脂剤とが混合された固形物を100%酸化させることができる構造の焼成炉によって焼成させることができる。熱分解処理段階(ステップS20)を経て充填剤混合固形物の油分含有量が8%〜15%である場合、バーナー412によって充填剤混合固形物の初期発火温度までのみ焼成炉411を加熱した後、中断させる。
【0042】
例えば、焼成炉411の内部温度が1000℃以上であり、充填剤混合固形物の内部温度が600℃〜800℃に到逹すれば、バーナー412動作を中断させる。以後には、充填剤混合固形物が油分によって自体発熱することによって、焼成させる。このように、充填剤混合固形物は、外部熱源なしに油分によって自体発熱することによって、焼成されることができるので、省エネ効果がある。焼成完了した充填剤、例えば、アルミナは、冷却機415を通過して冷却された後、充填剤貯蔵タンク416に貯蔵される。
【0043】
一方、充填剤再生段階(ステップS40)で発生してフード413を通じて排気されるガスは、700℃〜1000℃の温度を有し、図5及び図6に示したように、エネルギーのリサイクルに使われる。充填剤再生段階(ステップS40)で焼成炉411から排出された排ガスを、悪臭炉329を通過させて、悪臭を除去する(ステップS51)。以後、1次ボイラー511を通過させて、排ガスの熱を1次回収する(ステップS52)。この際、1次ボイラー511を通過する流体は、排ガスの熱を伝達されて加熱される。加熱された流体を熱分解処理段階(ステップS20)に供給して、再生原料の予熱のために使うか、樹脂剤再生段階(ステップS30)に供給して、精製過程に使用できる。例えば、加熱された流体を熱分解処理段階(ステップS20)の予熱機118に供給するか、精製前処理過程(ステップS31)の熱交換機313または1次精製過程(ステップS32)のリボイラー323などに供給することができる。
【0044】
1次ボイラー511を経た排ガスは、300℃〜450℃の温度を有する。このような温度を有する排ガスを、2次ボイラー512を通過させて、排ガスの熱を2次回収する(ステップS53)。この際、2次ボイラー512を通過する水は、排ガスの熱を伝達されて加熱される。加熱された水は、温水タンク513に供給されうる。温水タンク513に供給された水は、工程内の温水として使われるか、暖房または生活温水などとして使われる。2次ボイラー512を経た排ガスは、150℃〜300℃の温度を有し、このような温度を有する排ガスの熱を湿粉塵状の廃人造大理石を乾燥させる前処理段階(ステップS10)の乾燥機114に供給する(ステップS54)。乾燥炉114に供給された排ガスの熱は、湿粉塵状の廃人造大理石の乾燥に使われる。乾燥機114を経た排ガスを、集塵機514を経て、煙突515を通じて大気に放出する(ステップS55)。これにより、大気汚染を防止することができる。
【0045】
本発明は、添付した図面に示された一実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、廃人造大理石の処理方法関連の技術分野に適用されうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6