特許第5677567号(P5677567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677567
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】フロントガラス用ワイパー装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   B60S1/38 E
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-515713(P2013-515713)
(86)(22)【出願日】2010年6月23日
(65)【公表番号】特表2013-529568(P2013-529568A)
(43)【公表日】2013年7月22日
(86)【国際出願番号】EP2010058908
(87)【国際公開番号】WO2011160689
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2013年6月7日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507412128
【氏名又は名称】フェデラル−モグル エス.エー.
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【弁理士】
【氏名又は名称】安形 雄三
(72)【発明者】
【氏名】ボランド ザビエル
【審査官】 水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−502633(JP,A)
【文献】 特表2009−534242(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10322058(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2113432(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/307862(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用の、弾力性があり、細長のキャリア要素、及び拭取対象のフロントガラスに当接して設置される可撓性材料部(17)から成る細長のワイパーブレード(2)を具備するフロントガラス用ワイパー装置(1)であって、前記ワイパーブレード(2)は、フラットブレード型であり、及び少なくとも1つの溝(3)を含み、該溝(3)の中で、前記キャリア要素の長片部材(4)が並べられ、前記フロントガラス用ワイパー装置(1)は、搖動アーム(7)に相互運動を伝達するためのマウンティングヘッドを具備し、前記フロントガラス用ワイパー装置(1)は、枢軸の周りをその1つの端部に近接して前記搖動アーム(7)に前記ワイパーブレードを着脱可能に連結するための連結具(6)を更に具備し、前記連結具(6)は、U字型断面を有し、前記U字型断面を成す脚部(14)は、その向かい合う側面で、前記ワイパーブレードの可撓性材料部(17)に連結され、前記脚部(14)は、前記連結具(6)の外部端部に近接して、2組の向かい合う突起(15)が備わっており、並びに前記連結具(6)及び前記ワイパーブレード(2)の相互連結位置にて、前記長片部材(4)のいずれの側方運動をブロックするために、前記突起(15)は、横方向且つ内側に伸びており、及び前記長片部材(4)が、前記連結具(6)及び前記ワイパーブレード(2)の相互連結位置にて湾曲を示すようにするために、前記ワイパーブレード(2)の可撓性材料部(17)に横方向力のみを与えるよう配置され、そのことによって、前記長片部材(4)の上へ前記可撓性材料部(17)を局所的に押しやり、前記突起(15)の位置における前記可撓性材料部(17)の幅L’と、前記突起(15)の外側の位置における前記可撓性材料部(17)の幅Lとの間における比(L’/L)が、30〜1%の間で変動することを特徴とするフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項2】
前記突起(15)が、円形断面を有する請求項1に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項3】
前記U字型断面を成す前記脚部(14)が、開口位置から移動可能であり、前記長片部材(4)を包含する前記ワイパーブレード(2)が、閉口位置に向かって、相互連結位置において、前記連結具(6)の内側に設置され、並びに前記脚部(14)が、前記ワイパーブレードの可撓性材料部(17)の周りに挟み込んで固定される請求項1又は2に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項4】
前記U字型断面を成す前記脚部(14)が、閉口位置から開口位置の中へ向かって、バネの力に逆らって押され、且つ前記脚部(14)は、前記開口位置から前記閉口位置の中へのスプリングバックすることを許容される請求項3に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項5】
前記閉口位置において、前記ワイパーブレード(2)及び前記長片部材(4)は、前記連結具(6)及び前記ワイパーブレード(2)の相互連結位置にて、前記脚部(14)により互いに固定され、並びに前記閉口位置において、前記ワイパーブレード(2)は、前記連結具(6)及び前記ワイパーブレード(2)の相互連結位置の外側にて、前記長片部材(4)に対応した長手方向に動かすことを許容される請求項3又は4に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項6】
前記連結具(6)は、連結部材(8)の相互連結を伴って、前記搖動アーム(7)に着脱可能に連結され、及び前記連結部材(8)は、前記連結部材に備わっている窪みの中で、前記枢軸の位置にて、前記連結具(6)の突起(10)に嵌合することにより、前記連結具(6)に着脱可能に連結される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項7】
前記連結部材(8)は、前記連結具(6)との連結位置にて、U字型断面を有し、且つ前記連結部材(8)は、前記枢軸と同軸方向に備わっている前記窪み(11)が備わっている請求項6に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項8】
前記突起(10)は、前記連結具(6)のいずれかの側面に外側に向かって伸びる請求項6又は7に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項9】
前記突起(10)は、同軸スルーホールが備わっている請求項6乃至8のいずれか1項に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項10】
前記連結部材(8)は、前記搖動アーム(7)のU字型断面に基づいて備わっている弾性舌片(12)に対応する形状の穴(13)に嵌合している、少なくとも1つの弾性舌片(12)を具備し、且つ前記弾性舌片(12)は、前記搖動アーム(7)の上に前記ワイパーブレード(2)を保持する外側の位置と、前記搖動アーム(7)から前記ワイパーブレード(2)を開放する内側の位置との間の蝶番軸に沿って回転可能である請求項6乃至9のいずれか1項に記載のフロントガラス用ワイパー装置。
【請求項11】
前記フロントガラス用ワイパー装置(1)は、前記ワイパーブレード(2)の両端部に位置付けられ、且つ前記長片部材(4)の端部に連結される、連結片を更に具備する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のフロントガラス用ワイパー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用で、弾力性があり、細長のキャリア要素及び拭取対象のフロントガラスに当接して設置される可撓性材料から成る細長のワイパーブレードを具備しているフロントガラス用ワイパー装置であって、前記ワイパーブレードは、フラットブレード型であり、及び少なくとも1つの長溝を含み、前記長溝の中に、前記キャリア要素の長片部材が配置され、前記フロントガラス用ワイパー装置は、搖動アームに相互運動を伝達するためのマウンティングヘッドを具備し、前記フロントガラス用ワイパー装置は、枢軸の周りで、その1つの端部に近接して、前記搖動アームに前記ワイパーブレードを着脱可能に連結するための連結具を更に具備することを特徴とするフロントガラス用ワイパー装置に関する。
【0002】
また、本発明は、このようなフロントガラス用ワイパー装置にて使用されるためのワイパーブレードに関する。
【背景技術】
【0003】
このようなフロントガラス用ワイパー装置及びワイパーブレードは、一般的に知られている。この先行技術に係るワイパーブレードは、いわゆる“フラットブレード”若しくは“ヨークレスブレード”として設計され、使用においては、お互いに枢動可能に連結された数個のヨークから成るわけではなく、ワイパーブレードがキャリア要素によって付勢され、結果として特有の湾曲を示す。実際には、前記ワイパーブレードは、拭取対象のフロントガラスから離れて面している側面に、スポイラをよく具備する。そのスポイラはまた、“エアデフレクタ”とも称されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の事情を鑑み、改良されたフロントガラス用ワイパー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
イントロダクション(技術分野)で述べたフロントガラス用ワイパー装置に係る課題目的を達成するためには、本発明では、前記連結具が十分にU字型断面を有し、前記U字型断面を成す脚部が、その反対側で、前記ワイパーブレードの可撓性材料部に連結され、前記脚部は、前記連結具の外端部に近接して、2組の向かい合う突起が備わっており、並びに前記連結具及び前記ワイパーブレードの相互連結の位置において、いずれの側方運動をブロックするために、前記突起は、前記ワイパーブレードの可撓性材料部上の横方向力のみを与えるために、横方向且つ内側に伸び、それによって前記長片部材の上に前記可撓性材料部へ局所的に押し込んでいる。使用において、前記搖動アームそれぞれの振動運動の間中、前記連結具の外側の位置における前記ワイパーブレードは、いわゆる“フィッシュテール現象”に悩まされ、その上前記連結具の反対側にて、前記ワイパーブレードが、拭取対象のフロントガラスに沿って、制御不能な動きで震える。明らかに、この“フィッシュテール現象”は、とりわけハイスピードで、複雑な全てのマイナスな影響を伴って、悪化した拭取性能を引き起こす。本発明によれば、前記突起は、前記ワイパーブレードの可撓性材料部上の横方向力のみを与えるための前記U字型断面を成すそれぞれの脚部の垂直部分からのみ、横方向且つ内側に伸びる。拭取性能が改良されるために、“フィッシュテール現象”が、少なくとも大きな拡張に回避されるという実施の結果が示された。好ましくは、前記突起の位置における前記可撓性材料部の幅L’と、前記突起の外側の位置における前記可撓性材料部の幅Lとの間の比(L’/L)が、30%から1%の間で変動する。好ましくは、前記突起が、円形断面を有する。
【0006】
本発明は、ワイパーブレードの中心長溝にとりわけ設置される可撓性キャリア要素を形成している1つの長片部材のみの使用に限定されないことが、記される。それどころか、前記キャリア要素はまた、2つの長片部材を具備することができ、前記部材は、ワイパーブレードの向かい合う溝の中に配置される。更に、本発明は、自動車だけではなく、例えば電車及び同様のもののような速い乗り物にも触れている。
【0007】
本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の好ましい態様は、前記U字型断面を成す前記脚部が、開口位置から移動可能であり、前記長片部材を包含する前記ワイパーブレードが、それらの相互接続位置において、前記接続具の内側に設置でき、並びに前記脚部が、前記ワイパーブレードの可撓性材料部の周りに固定されることである。特殊工具の使用により、前記脚部は、閉口位置から開口位置へと、バネの力(連結具を成す材料の弾力性の結果として)に逆らってとりわけ押され、且つ前記脚部は、前記開口位置から前記閉口位置の中へと自動的にスプリングバックするようになっている。
【0008】
前記閉口位置における、本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の好ましい別態様は、前記ワイパーブレード及び前記長片部材が、前記連結具及び前記ワイパーブレードの相互連結位置にて、前記脚部により互いに固定され、前記閉口位置において、前記ワイパーブレードが、前記連結具及び前記ワイパーブレードの相互連結位置の外側で、前記長片部材に対応した長手方向に動かされることである。言い換えると、ワイパーブレード及び長片部材は、連結具の下で互いに動かされるのではなく、ワイパーブレードに沿った他のすべての領域において、前記ワイパーブレードに、いずれの拭取対象のフロントガラスの湾曲に沿うことを許容するために、わずかな運動が可能になる。前記閉口位置において、前記脚部は、前記連結具及び前記ワイパーブレードの相互連結位置にて、前記ワイパーブレード(のゴム製部分)をとりわけわずかに変形させている。
【0009】
本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の好ましい別態様は、前記連結具が、連結部材の介在を伴って、搖動アームに着脱可能に連結され、前記連結部材は、前記枢軸の位置にて、前記連結部材の中に備わっている窪みの中に前記連結具の突起を嵌合することにより、前記連結具に着脱可能に連結されることである。このことは、スナッピング若しくはクリッピング操作により好ましくは実現される。
【0010】
本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の好ましい別態様は、前記連結部材が、前記連結具との接続位置において、少なくとも十分にU字型断面を有し、前記連結部材は、前記枢軸同軸方向に前記窪みが備わっている。具体的には、突起は、前記連結具のどちらか一方の外側に伸び、且つ形状においては、好ましくは円筒形である。別の方法では、前記突起は、形状においては、球形若しくは円錐台形である。その上に与えられた力が相対的に小さくなるように、ベアリング表面として機能する前記突起は、それ故に、離れて行ったり来たりされる。別の好ましい変形態様において、前記連結部材は、前記U字型断面を成す脚部の中に、同軸スルーホールが備わっており、旋回ピンが、前記スルーホールの中に挿入される。結果的に、ワイパーブレードは、いわゆる“サイドロックシステム”に基づいて、その結果として連結され得る。搖動アームは、前記同軸スルーホールの中に挿入されるための接続ピン若しくは旋回ピンが備わっている。前記旋回ピンは、ワイパーブレードの方向に飛び出ており、且つ搖動アームの振動運動方向に伸びている枢軸を有する。
【0011】
本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の好ましい別態様は、前記連結部材が、前記搖動アームのU字型断面の基部の中に備わっている対応する形状の穴に嵌合している少なくとも1つの弾性舌片を具備し、前記弾性舌片は、前記搖動アーム上に前記ワイパーブレードを保持している外側位置及び前記搖動アームから前記ワイパーブレードを開放する内側位置の間の蝶番軸に沿って回転可能である。結果的に、ワイパーブレードは、バヨネット連結に基づく“トップロックシステム”に基づいて、搖動アームに結果として連結され得る。搖動アームの上にワイパーブレードを連結するために、弾性舌片は、バネの力に逆らって最初に押され−言わば押ボタンのように−そして、穴の中に弾性舌片を留め、それ故パチンと閉まっている搖動アームの中に備わっている穴の中にスプリングバックすることを許容される。バネの力に逆らって弾性舌片を再び続いて押すことにより、ワイパーブレードは、搖動アームから開放され得る。
【0012】
本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置は、シャフトの回転のために固定されたマウンティングヘッドを具備し、前記シャフトは、前記マウンティングヘッドを回転の中に持ち込む感覚で、交互に時計回り及び反時計回りで回転可能である。前記搖動アームは、小さなモータにより駆動される前記シャフトの回転のために固定された前記マウンティングヘッドに連結される。使用において、シャフトはまた、順に回転の中に前記搖動アームを引き込むこと、及び前記接続具が前記ワイパーブレードを動かすことによって、前記マウンティングヘッドを回転の中に運ぶ感覚で、交互に時計回り及び反時計回りで回転する。更に、本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置は、前記ワイパーブレードの両端に位置付けられ、及び前記長片部材の端部に連結された連結片を具備する。
【0013】
本発明はまた、拭取対象のフロントガラスに当接して設置され得る、可撓性材料から成る単独(分離型)構成要素として製造されたワイパーブレードであって、前記ワイパーブレードは、フラットブレード型であり、及び少なくとも1つの溝を包含し、前記溝の中には、長片部材が配置され、前記ワイパーブレードは、着脱可能に連結された連結具を具備しており、前記連結具は、十分にU字型断面を有しており、前記U字型断面を成す脚部は、それの反対側で前記ワイパーブレードの可撓性材料部に連結され、前記脚部は、前記連結具の外端部に近接した2組の向かい合う突起が備わっており、並びに前記連結具及び前記ワイパーブレードの相互連結の位置におけるいずれの側方運動をブロックするために、前記突起は、前記ワイパーブレードの可撓性材料部横方向力のみを与えるために、横方向且つ内側に伸び、それによって前記長片部材の上に前記可撓性材料部へ局所的に押し込んでいるワイパーブレードに関する。
【0014】
連結具が、一片から成ることが必要ではないだけではなく、部品のアセンブリから成ることが記される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の斜視的概略図であって、搖動アームを伴った態様である。
図1B】本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置の斜視的概略図であって、搖動アームを伴っていない態様である。
図1C図1Aの連結具の位置における断面図を示す。
図2図1に係るフロントガラス用ワイパー装置に使用されたワイパーブレードに係る長手部分の上面図である。
図3図2に係る連結具の斜視図である。
図4】いわゆる“フィッシュテール現象”を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るフロントガラス用ワイパー装置1の好ましい態様を示している。前記フロントガラス用ワイパー装置は、中心長溝3を具備している弾性(ゴム製)ワイパーブレード2から成り、バネ帯鋼から成る長片部材4が、前記長溝3に取り付けられている。前記部材4は、弾性ワイパーブレード2のための可撓性キャリア要素を形成し、言わば従って、湾曲した位置(拭取対象であるフロントガラスの操作位置における湾曲に)にて付勢されている。前記部材4の端部及び/又は前記ワイパーブレード2の端部は、各連結片若しくは“エンドキャップ”5に、フロントガラス用ワイパー装置1のいずれかの側面上で連結されている。この態様において、連結片5は、前記部材4の端部及び/又は前記ワイパーブレード2の端部の両方にフォーム−ロック及びフォース−ロックされるような分離型構成要素となる。別態様において、前記連結片5は、バネ帯鋼から成る部材4とともに一片を成す。フロントガラス用ワイパー装置1は、更に連結部材8の介在を伴って、搖動ワイパーアーム7をそれに連結するための金属からなる連結具6から成る。搖動ワイパーアーム7は、1つの端部に近接した枢軸に対して、連結具6に枢動可能に連結されている。本発明に係る図1の好ましい態様は、ゴム製ワイパーブレード2と一片を成し、且つそれの全長に沿って伸びるスポイラ若しくは“エアデフレクタ”9を具備する。
【0018】
図1に示されてはいないが、前記搖動アーム7が、小さなモータにより駆動されるシャフトの回転のために固定されたマウンティングヘッドに連結されていることは、当業者によって十分に理解される。使用においては、シャフトは、順に前記搖動アーム7を引き寄せ、前記連結具6が前記ワイパーブレード2を動かすことにより、時計回り或いは反時計回りと交互に回転し、マウンティングヘッドをも回転させる。
【0019】
図1に示されているように、連結具6は、前記連結具6のどちらか一方の側面上に外側へと伸びている2つの円筒状突起10を具備する。これらの突起10は、可撓性の連結部材8において、あらゆる点で完全に同じ形の円筒状窪み11に枢動可能に嵌合する。前記突起10は、搖動アーム7の1つの端部に近接した枢軸に対して、連結部材8(及びそれに取り付けられている搖動アーム7)を旋回するための枢軸の位置にて、ベアリング表面として作動する。突起10は、好ましくは、前記連結具6と一片を成す。別の方法では、前記突起10は、連結具6と垂直な単旋回ピンの一部である。図1によれば、連結具8は外側に伸びている弾性舌片12を具備し、舌片12が、U字型断面を基に備え付けられている同じ形の穴13に嵌合するように、それと同時に前記搖動アーム7が、前記連結部材8との連結位置において、U字型断面を有する。ワイパーブレード2を伴った連結具6は、次に示すように、搖動アーム7の上に取り付けられる。連結具6上に既に取り付けられている連結部材8は、前記連結部材8が、搖動アーム7の自由端部に、容易に滑走されるように、連結具6に対応して旋回される。この滑走運動の間、弾性舌片12は、バネの力に逆らって最初に押され、その時に、前記穴13の中へスプリングバックすることが許容され、その結果スナップし、穴13の中へ弾性舌片12を留めている。接合部8と一体となった搖動アーム7は、いつでも使用状態になるために、結果としてワイパーブレード2と平行の位置に戻るように旋回される。続いて、バネの力に逆らって、前記弾性舌片12を再び押すことにより(言わば押しボタンのように)、ワイパーブレード2と一体となった連結具6及び連結部材8は、搖動アーム7から開放され得る。搖動アーム7からワイパーブレード2とともに連結具6を取り外すことは、搖動アーム7から離れた方向に、ワイパーブレード2と一体となった連結具6及び連結部材8を滑走させることにより、その結果として実現される。
【0020】
図2及び3は、連結具6の縦断面の上面図及び横断面の斜視図を示しており、かつ、本発明に係る連結具6の動作原理を示している。先述したように、図3に関しては、この連結具6は、C型断面を有する脚部14と一体となって、U字型断面を有する。特殊工具(図示せず)の補助を伴って、前記脚部14は、非作動位置から作動位置の中へと動かされる。実際に、前記工具は、連結具6が製造される金属のバネの力に逆らって外向きに、前記脚部14を押す。このことは、該金属の弾性的性質の結果として可能になるものである。前記開口位置において、前記ワイパーブレード2は、中間位置へ向かって、相互連結の位置にて、前記連結具6の内側に取り付けられている。後の位置においては、キャリア要素の長片部材4は、ワイパーブレード2の中心長溝3の中に滑走される。もし都合の良い手段と判断されるならば、潤滑剤が、前記長溝3の内側への長片部材4の挿入を手助けするために使用される。最終的には、ワイパーブレード2及び長片部材4が、右位置にあるときに、特殊工具が動かされる。その結果として、前記連結具6の前記脚部14は、閉口位置へスプリングバックすることが許容され、その上前記脚部14は、前記ワイパーブレード2の周りに固定され、同時に、脚部14がゴムを嵌めこむ位置にて、前記ワイパーブレード2のゴム部を円滑に変形させている。前記閉口位置において、前記ワイパーブレード2及び前記長片部材4は、前記連結具6及び前記ワイパーブレード2の相互連結位置にて、前記脚部14によって互いに固定される一方、前記閉口位置において、前記ワイパーブレード2は、前記連結具6及び前記ワイパーブレード2の相互連結位置の外側にて、前記長片部材4と対応した長手方向に動かされる。
【0021】
ところで図2によれば、前記脚部14は、前記連結具6の外端部16に近接して、2組の向かい合う突起15が備わっており、前記突起15は、前記ワイパーブレード2のゴム部17に横方向力のみを与えるよう、横方向且つ内側に伸びており、それによって前記長片部材4の上へと前記ゴム部17を局所的に押し込んでいる。結果的に、前記連結具6及び前記ワイパーブレード2の相互連結位置における、前記長片部材4の側方運動のいずれもが、ブロックされる。突起15は、次の付加的機能を有する。使用において、前記搖動アーム7それぞれの振動運動の間、前記連結具6の外側の位置において、前記ワイパーブレード2が、いわゆる“フィッシュテール現象”に普通悩まされ、前記連結具6の反対側にて、前記ワイパーブレード2が、拭取対象のフロントガラスに沿って、制御不能な挙動で震える。明らかに、この“フィッシュテール現象”は、とりわけハイスピードで、関係している全てのネガティブな結果を伴って、劣化した拭取挙動を引き起こす。本発明によれば、前記突起15は、前記ワイパーブレード2のゴム部17に横方向力のみを与えるために、前記U字型断面を成す前記脚部14それぞれの垂直部18からのみ、横方向且つ内側に伸びている。従って、前記長片部材4は、前記連結具6及び前記ワイパーブレード2の相互連結位置にて(図3参照)、湾曲を示している。実施の結果は、拭取挙動が改善されるように、“フィッシュテール現象”が、大きな伸びを少なくとも避けるということが示された。好ましくは、前記突起15の位置における前記ゴム部17の幅L’と、前記突起15の外側の位置における前記ゴム部17の幅Lとの間における比(L’/L)が、30〜1%の間で変動する(図2参照)。示されているように、前記突起15は、円形断面を有する。
【0022】
図4には、本発明(左)及び先行技術における連結具6の位置におけるワイパーブレード2の縦断面図が示されている。図に示すように、突起15は、ゴム部17の上に横方向力のみ影響を及ぼしており、それにより、いわゆる“フィッシュテール現象”を避けている。先行技術では、連結具6の反対側にて、ワイパーブレード2が、拭取対象のフロントガラスに沿って、制御不能な挙動で震える。
【0023】
本発明は、上記に示されたような態様に限られるものではなく、本願の特許請求の範囲内で他の態様まで拡張できる。
【符号の説明】
【0024】
1 フロントガラス用ワイパー装置
2 ワイパーブレード
3 中心長溝
4 長片部材
5 連結片(エンドキャップ)
6 連結具
7 搖動ワイパーアーム
8 連結部材
9 スポイラ(エアデフレクタ)
10 円筒状突起
11 円筒状窪み
12 (弾性)舌片
13 穴
14 脚部
15 突起
16 外端部
17 ゴム(可撓性材料)部
18 垂直部
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4