特許第5677686号(P5677686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5677686FAX送信装置及びFAX送信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677686
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】FAX送信装置及びFAX送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   H04N1/32 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-30962(P2013-30962)
(22)【出願日】2013年2月20日
(65)【公開番号】特開2014-160965(P2014-160965A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2013年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(74)【代理人】
【識別番号】100151220
【弁理士】
【氏名又は名称】八巻 満隆
(72)【発明者】
【氏名】向 恵梨
(72)【発明者】
【氏名】伊井 俊一
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−136974(JP,A)
【文献】 特開2000−078384(JP,A)
【文献】 特開2001−268158(JP,A)
【文献】 特開平02−174347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スーパーG3モードでFAX送信を行うFAX送信部と、
前記FAX送信部が行ったFAX送信の結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が受信した結果が送信失敗を示す場合において、送信失敗の原因が送信先が送信データを受信可能でないことをエラーコードが示す場合、前記FAX送信部に処理を終了させ、送信失敗の原因が送信先が一時的に送信データを受信可能でないことをエラーコードが示す場合、FAX送信モードをスーパーG3モードのまま、前記FAX送信部に再度FAX送信させ、送信失敗の原因が回線の影響によることをエラーコードが示す場合、FAX送信モードをスーパーG3モードからG3モードに変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させるとともに、FAX送信モードを変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させた場合におけるFAX送信の結果が送信失敗を示す場合、送信速度を落として、前記FAX送信部に再度FAX送信させる送信制御部と
を備えることを特徴とするFAX送信装置。
【請求項2】
スーパーG3モードでFAX送信を行うFAX送信処理と、
前記FAX送信処理で行ったFAX送信の結果を受信する結果受信処理と、
前記結果受信処理で受信した結果が送信失敗を示す場合において、送信失敗の原因が送信先が送信データを受信可能でないことをエラーコードが示す場合、処理を終了させ、送信失敗の原因が送信先が一時的に送信データを受信可能でないことをエラーコードが示す場合、FAX送信モードをスーパーG3モードのまま、再度FAX送信させ、送信失敗の原因が回線の影響によることをエラーコードが示す場合、FAX送信モードをスーパーG3モードからG3モードに変更して、再度FAX送信させるとともに、FAX送信モードを変更して、再度FAX送信させた場合におけるFAX送信の結果が送信失敗を示す場合、送信速度を落として、再度FAX送信させる送信制御処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とするFAX送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、FAX(ファクシミリ)送信に失敗した場合における送信リトライ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
FAXの規格には、G4モード、スーパーG3モード、G3モードの3種類の送信モードが存在する。
スーパーG3モードとG3モードとは、アナログ回線及びPRI回線の両方で使用できる。スーパーG3モードは、G3モードに比べ高速であり、A4サイズの原稿1枚をG3モードの約2倍の速さである3〜4秒で送信できる。しかし、スーパーG3モードは、G3モードに比べ回線品質が悪いとエラーが発生し易い。そのため、スーパーG3モードでFAX送信する際、回線品質が悪いと、送信失敗となり易い。
なお、回線品質が悪いとは、ノイズが乗り易い等、エラーが発生し易い回線を意味する。
【0003】
特許文献1には、送信失敗となった場合、送信速度を落として送信リトライを行うことについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−326911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回線品質が悪い場合、送信速度を落として送信リトライを行っても、送信が成功せず、送信失敗を繰り返すことが多い。
この発明は、回線品質が悪い場合であっても、送信失敗を繰り返すことなく、送信を成功させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るFAX送信装置は、
FAX送信を行うFAX送信部と、
前記FAX送信部が行ったFAX送信の結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が受信した結果が送信失敗を示す場合、FAX送信モードを変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させる送信制御部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
前記送信制御部は、前記結果が送信失敗を示す場合、送信失敗の原因を示すエラーコードに応じて、FAX送信モードを変更せずに、前記FAX送信部に再度FAX送信させるか、FAX送信モードを変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させるかを切り替える
ことを特徴とする。
【0008】
前記送信制御部は、送信失敗の原因が回線の影響によることを前記エラーコードが示す場合には、FAX送信モードを変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させる
ことを特徴とする。
【0009】
前記送信制御部は、FAX送信モードを変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させた場合におけるFAX送信の結果が送信失敗を示す場合、送信速度を落として、前記FAX送信部に再度FAX送信させる
ことを特徴とする。
【0010】
前記送信制御部は、スーパーG3モードで前記FAX送信部がFAX送信を行った場合に、前記結果が送信失敗を示す場合、FAX送信モードをG3モードに変更して、前記FAX送信部に再度FAX送信させる
ことを特徴とする。
【0011】
この発明に係るFAX送信プログラムは、
FAX送信を行うFAX送信処理と、
前記FAX送信処理で行ったFAX送信の結果を受信する結果受信処理と、
前記結果受信処理で受信した結果が送信失敗を示す場合、FAX送信モードを変更して、再度FAX送信させる送信制御処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るFAX送信装置では、送信失敗した場合に、送信モードを変更して、送信リトライを行う。そのため、回線品質が悪い場合であっても、送信が成功する可能性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係るFAX送信装置10の概要の説明図。
図2】実施の形態1に係るFAX送信装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係るFAX送信装置10の動作を示すフローチャート。
図4】FAX送信装置10のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るFAX送信装置10の概要の説明図である。
FAX送信装置10は、通常時には、スーパーG3モードでFAX送信を行う。しかし、FAX送信を行った結果が送信失敗である場合には、送信モードをスーパーG3モードからG3モードへ変更して、送信リトライを行う。
回線品質が悪い場合には、スーパーG3モードで送信リトライを何度行っても送信が成功しない場合がある。しかし、送信モードをG3モードへ変更して、送信リトライを行うことにより、送信が成功する可能性が高くなる。
【0015】
図2は、実施の形態1に係るFAX送信装置10の構成図である。
FAX送信装置10は、FAX送信部11、結果受信部12、送信制御部13を備える。
FAX送信部11は、FAXの送信要求を受信すると、送信要求に従いFAX送信を行う。なお、FAXの送信要求には、送信データ(イメージデータ)や宛先等が含まれており、FAX送信部11は、FAXの送信要求に含まれる送信データを、FAXの送信要求に含まれる宛先へ送信する。
結果受信部12は、FAX送信部11が行ったFAX送信の結果を受信する。FAX送信の結果は、例えば、FAXボード等によって送信される情報である。FAX送信の結果には、送信成功又は送信失敗を示す情報と、送信失敗の場合にはその原因を示すエラーコードとが含まれる。
送信制御部13は、結果受信部12が受信したFAX送信の結果が送信失敗を示す場合、エラーコードに応じた送信リトライをFAX送信部11にさせる。
【0016】
図3は、実施の形態1に係るFAX送信装置10の動作を示すフローチャートである。
FAX送信部11は、FAXの送信要求を受信すると(S1)、FAXの送信要求に含まれる宛先の送信先FAX機を呼び出す(S2)。そして、FAX送信部11は、スーパーG3モードで送信データを送信先FAX機へ送信する(S3)。
その後、結果受信部12は、FAX送信の結果を受信する(S4)。すると、送信制御部13は、FAX送信の結果が送信成功か送信失敗かを判定する(S5)。送信成功であれば、送信制御部13は、送信履歴を更新して(S6)、処理を終了する。一方、送信失敗であれば、送信制御部13は、エラーコードの判定を行う(S7)。
【0017】
送信制御部13は、エラーコードにより以下のケース1〜3の処理に分ける。
ケース1は、エラーコードが、送信先が送信データを受信可能でないことを示す場合である。例えば、ケース1は、エラーコードが、ハードウェア障害、FAX装置の能力不足、送信先がFAX機ではないことを示す場合である。
ケース2は、エラーコードが、送信先が一時的に送信データを受信できないことを示す場合である。例えば、ケース2は、エラーコードが、送信先が話中、呼び出しタイムアウト、無応答を示す場合である。
ケース3は、エラーコードが、回線品質が悪いこと、通信環境が不安定である等、回線の影響によることを示す場合である。例えば、ケース3は、エラーコードが、ネゴシエーションタイムアウト、ネゴシエーションエラー、送信中の切断等を示す場合である。
【0018】
送信制御部13は、ケース1の場合、送信リトライせずに、送信履歴を更新して(S6)、処理を終了する。送信制御部13は、ケース2の場合、スーパーG3モードのまま、処理をS2へ戻して、FAX送信部11に送信リトライさせる。送信制御部13は、ケース3の場合、スーパーG3モードからG3モードへ送信モードを変更して(S8)、処理をS2へ戻して、FAX送信部11に送信リトライさせる。
【0019】
以上のように、実施の形態1に係るFAX送信装置10は、回線の影響により送信失敗となった場合、スーパーG3モードからG3モードへ送信モードを変更して送信リトライを行う。そのため、回線品質が悪い場合であっても、送信が成功する可能性が高くなる。
【0020】
なお、送信制御部13は、送信リトライの限度回数を予め定めておき、限度回数になるまで、FAX送信部11に送信リトライさせる。
【0021】
また、送信制御部13は、スーパーG3モードからG3モードへ送信モードを変更して送信リトライを行っても、送信失敗となった場合、送信速度を落として、FAX送信部11に2度目以降の送信リトライをさせる。このとき、予め設定された最低速度まで送信速度を落とす。これにより、送信が成功する可能性が高くなる。
【0022】
また、上記説明では、初めはスーパーG3モードでFAX送信を行い、送信失敗の場合に、G3モードに変更して送信リトライを行うとした。しかし、初めはG4モードでFAX送信を行い、送信失敗の場合に、G3モードに変更して送信リトライを行うとしてもよい。この場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0023】
図4は、FAX送信装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、FAX送信装置10は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
【0024】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0025】
プログラム群923には、上記の説明において「FAX送信部11」、「結果受信部12」、「送信制御部13」等として説明した機能を実行するソフトウェアやプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において「送信データ」等の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「データベース」の各項目として記憶される。「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0026】
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体やICチップに記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体や電波によりオンライン伝送される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組合せ、さらには、ファームウェアとの組合せで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0027】
10 FAX送信装置、11 FAX送信部、12 結果受信部、13 送信制御部。
図1
図2
図3
図4