特許第5677953号(P5677953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5677953ポリヒドロキシポリマーを含む熱可塑性物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677953
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】ポリヒドロキシポリマーを含む熱可塑性物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20150205BHJP
   C08L 29/04 20060101ALI20150205BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20150205BHJP
   C08K 5/3435 20060101ALI20150205BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   C08L77/00
   C08L29/04 D
   C08L23/08
   C08K5/3435
   C08K5/13
【請求項の数】1
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-521314(P2011-521314)
(86)(22)【出願日】2009年7月30日
(65)【公表番号】特表2011-529989(P2011-529989A)
(43)【公表日】2011年12月15日
(86)【国際出願番号】US2009052231
(87)【国際公開番号】WO2010014795
(87)【国際公開日】20100204
【審査請求日】2012年7月23日
(31)【優先権主張番号】61/137,345
(32)【優先日】2008年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェイ.パルマー
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊一
【審査官】 武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−283570(JP,A)
【文献】 欧州特許第01698661(EP,B1)
【文献】 特開平09−286887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00− 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)融点またはガラス転移を有するポリアミド樹脂;
(b)ポリアミド樹脂組成物の全重量に対して1〜15重量%の、少なくとも2000の数平均分子量を有する、エチレン/ビニルアルコールコポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択される1種または複数種のポリヒドロキシポリマー;
(c)ポリアミド樹脂組成物の全重量に対して0.1〜3重量%の、前記融点が存在する場合には、ポリアミドの前記融点を30℃下回る温度よりも高い温度の、または前記融点が存在しない場合には少なくとも250℃の、熱重量分析によって決定される10%減量温度を有する1種または複数種の補助安定剤であって、第2級アリールアミン、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数種の補助安定剤;
(d)ポリアミド樹脂組成物の全重量に対して0〜10重量%の1種または複数種の補強剤;
(e)ポリアミド樹脂組成物の全重量に対して0〜20重量%の、エチレン、およびグリシジル(メタ)アクリレートのコポリマー;エチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、および1種または複数種の(メタ)アクリレートエステルのコポリマー;不飽和カルボン酸無水物でグラフト化されたエチレン/α−オレフィンまたはエチレン/α−オレフィン/ジエンコポリマー;エチレン、および2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのコポリマー;エチレン、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、および1種または複数種の(メタ)アクリレートエステルのコポリマー;相当するイオノマーを形成するためにZn、Li、MgまたはMn化合物と反応させたエチレンおよびアクリル酸のコポリマー;からなる群から選択されるポリマー強化剤;
を含む、熱可塑性ポリアミド組成物を含む成形熱可塑性物品または押出し成形熱可塑性物品であって、
前記ポリアミド組成物から作製され、試験期間500時間の間、大気中で試験温度150℃で暴露され、ISO527−2/1Aに従って試験された4mm成形試験片が、同一組成および同一形状の非暴露対照と比較して、平均で少なくとも50%の破断点伸び保持率を有し、および、
前記ポリアミド樹脂が、
少なくとも210℃の前記融点を有し、かつ
(aa)i.炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなるモノマーから誘導される半芳香族反復単位20〜35モル%;
(bb)ii.炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
iii.炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位65〜80モル%;
を含む、(III)群ポリアミド;
(cc)(i)炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなるモノマーから誘導される半芳香族反復単位50〜95モル%;
(dd)(iv)炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
(v)炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位5〜50モル%;
を含む、(IV)群ポリアミド;
少なくとも260℃の前記融点を有し、かつ
(ee)i.炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなるモノマーから誘導される95モル%を超える半芳香族反復単位;
(ff)ii.炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
iii.炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位5モル%未満;
を含む、(V)群ポリアミド;および、
融点を持たず、かつポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(6I/6T)およびポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(6I/6T/66)からなる群から選択される、(VI)群ポリアミド;
からなる(III)〜(VI)群から独立して選択される1種または複数種のポリアミドを含む、
成形熱可塑性物品または押出し成形熱可塑性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年7月30日出願され、かつ現在係属中の米国仮特許出願第61/137,345号の優先権の利益を請求する。
【0002】
本発明は、向上した熱安定性を有する成形および押出し成形熱可塑性物品の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリアミドをベースとする高温樹脂は、望ましい耐薬品性、加工性および耐熱性を有する。このため、要求の厳しい高性能自動車および電機/電子用途に特によく適している。自転車のボンネット下の領域では150℃を超える、200℃さえ超える温度に達することが多いため、自動車分野において耐高温性構造を有することが現在、かつ一般的に望まれている。自動車ボンネット下用途および電気/電子用途などにおいて、プラスチック部品が長期間かかる高温にさらされた場合、ポリマーの熱酸化が原因で機械的性質が一般に低下する傾向がある。この現象は熱老化と呼ばれる。
【0004】
熱老化特性を向上させる試みでは、ポリアミド樹脂を含む熱可塑性組成物に熱安定剤(酸化防止剤とも呼ばれる)を添加することが従来の慣例であった。かかる熱安定剤の例としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤が挙げられる。ポリアミド組成物については、高温にさらした場合に組成物の機械的性質を維持するために、3種類の熱安定剤が従来から使用されている。1つは、上述のようにリン系協力剤と任意に組み合わされたフェノール系酸化防止剤の使用、リン系協力剤と任意に組み合わされた芳香族アミンの使用、3つ目は、銅塩および誘導体の使用である。フェノール系酸化防止剤は、老化温度120℃まで、熱可塑性組成物の機械的/物理的性質を向上させることが知られている。
【0005】
既存の技術では、長期耐熱老化性の向上が不十分となるだけでなく、その向上した熱老化特性は、例えば自動車ボンネット下用途および電気/電子用途などにおいて高温にさらされることを伴う、さらに要求の厳しい用途には不十分である。
【0006】
欧州特許第1041109号明細書には、融点150〜280℃を有する、ポリアミド樹脂、多価アルコールを含むポリアミド組成物であって、優れた流動性および機械的強度を有し、かつ射出溶接技術において有用である組成物が開示されている。
【0007】
他の問題は、一般に低レベルの補強剤を含む、または全く含まないポリアミド組成物の熱老化性能である。非強化組成物は、いくらかの可撓性を必要とする用途で一般に使用されることから、非強化熱可塑性材料の重要な特質は、熱老化された場合の破断ひずみの保持である。
【0008】
残念なことに、既存の技術では、低レベルの補強剤を含む、または全く含まない可撓性ポリアミド組成物をベースとする成形物品は、長期の高温暴露でその機械的性質の許容できない劣化を受けるか、あるいは高コストの熱安定剤を使用するため、非常に高価となる。
【0009】
物品の製造に適しており、かつ長期の高温暴露後に優れた機械的性質を示す、低コストのポリアミド組成物が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(a)融点および/またはガラス転移を有するポリアミド樹脂;
(b)少なくとも2000の数平均分子量を有する、エチレン/ビニルアルコールコポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択される1種または複数種のポリヒドロキシポリマー0.25〜20重量%;
(c)前記融点が存在する場合には、ポリアミドの前記融点を30℃超えて下回る、または前記融点が存在しない場合には少なくとも250℃の、熱重量分析によって決定される10%減量温度を有する1種または複数種の補助安定剤であって、第2級アリールアミン、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数種の補助安定剤0.1〜3重量%;
(d)1種または複数種の補強剤0〜10重量%未満;
(e)反応性官能基および/またはカルボン酸の金属塩を含むポリマー強化剤0〜20重量%;
を含む熱可塑性ポリアミド組成物を含む成形または押出し成形熱可塑性物品であって、
前記ポリアミド組成物から作製され、試験期間500時間または約500時間の間、大気中で試験温度150℃で暴露され、ISO527−2/1Aに従って試験された4mm成形試験片が、同一組成および形状の非暴露対照と比較して、平均で少なくとも50%の破断点伸び保持率を有する、成形または押出し成形熱可塑性物品が本明細書において開示され、請求される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明のために、別段の指定がない限り、「高温」とは、150℃以上の温度を意味する。
【0012】
本発明において、別段の指定がない限り、「長期」とは、500時間の暴露期間を意味する。
【0013】
本明細書において使用され、本明細書に開示されるポリアミド組成物に、またはその組成物から製造された物品に適用される、「高い熱安定性」という用語は、エアオーブン老化(AOA)条件にオーブン内で試験温度150℃で500時間または約500時間の試験期間の間、大気中で暴露され、次いでISO527−2/1A法に従って試験された当該組成物からなる厚さ4mmの成形試験片の物理的性質(例えば、引張り強さ)の保持を意味する。試験片の物理的性質は、同一組成および形状を有する非暴露対照と比較され、保持率%で表される。本明細書において、「高い熱安定性」とは、前記成形試験片が平均で、500時間または約500時間の試験期間、試験温度150℃で暴露した場合に、破断点伸びの保持率50%を満たす、または超えることを意味する。所定の暴露温度および時間に対して物理的性質の保持率が高い組成物は、優れた熱安定性を有する。
【0014】
「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートエステルおよびメタクリレートエステルを包含することを意味する。
【0015】
本発明で使用されるポリアミド樹脂は、融点および/またはガラス転移を有する。本明細書において、融点およびガラス転移は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて走査速度10℃/分にて最初の加熱走査において決定され、融点は、吸熱ピークの最大で得られ、ガラス転移は、明らかな場合にはエンタルピーにおける変化の中点と見なされる。
【0016】
ポリアミドは、1種または複数種のジカルボン酸および1種または複数種のジアミン、および/または1種または複数種のアミノカルボン酸の縮合生成物、かつ/または1種または複数種の環状ラクタムの開環重合生成物である。適切な環状ラクタムはカプロラクタムおよびラウロラクタムである。ポリアミドは完全に脂肪族または半芳香族であり得る。
【0017】
本発明の樹脂組成物において使用される完全に脂肪族のポリアミドは、脂肪族および脂環式モノマー、例えばジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸、およびその反応性等価物から形成される。適切なアミノカルボン酸は11−アミノドデカン酸である。適切なラクタムはカプロラクタムおよびラウロラクタムである。本発明の文脈において、「完全に脂肪族のポリアミド」という表現は、2種類以上のかかるモノマーから誘導されるコポリマー、および2種類以上の完全に脂肪族ポリアミドのブレンドも意味する。直鎖状、分岐状、および環状モノマーが使用される。
【0018】
完全に脂肪族のポリアミドに含まれるカルボン酸モノマーとしては、限定されないが、例えばアジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)、デカン二酸(C10)、ドデカン二酸(C12)、トリデカン二酸(C13)、テトラデカン二酸(C14)、およびペンタデカン二酸(C15)などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。ジアミンは、限定されないが、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタ−キシレンジアミン、および/またはその混合物などの、炭素原子4個以上を有するジアミンの中から選択することができる。
【0019】
半芳香族ポリアミドは、芳香族基を含有するモノマーから形成される、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは四元以上のポリマーである。1種または複数種の芳香族カルボン酸は、テレフタレート、またはテレフタレートとイソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸およびナフタル酸などの1種または複数種の他のカルボン酸との混合物であることができる。さらに、その1種または複数種の芳香族カルボン酸を、上述のように1種または複数種の脂肪族ジカルボン酸と混合することができる。その代わりとして、m−キシレンジアミン(MXD)などの芳香族ジアミンを用いて、半芳香族ポリアミドを提供することができ、その例は、MXD6、MXDおよびアジピン酸を含むホモポリマーである。
【0020】
本明細書に開示される好ましいポリアミドはホモポリマーまたはコポリマーであり、そのコポリマーという用語は、2種類以上のアミドおよび/またはジアミド分子反復単位を有するポリアミドを意味する。ホモポリマーとコポリマーは、それらそれぞれの反復単位によって識別される。本明細書に開示されるコポリマーについては、反復単位は、コポリマー中に存在する反復単位(モル%)の多い順に列挙されている。以下のリストには、ホモポリマーおよびコポリマーポリアミド(PA)におけるモノマーおよび反復単位を識別するために使用される略語を示す:
【0021】
【表1】
【0022】
当技術分野において、単独で使用された場合に「6」という用語は、ε−カプロラクタムから形成されるポリマー反復単位を意味する。その代わりに、T、例えば6Tなどの二酸と組み合わせて使用される場合の「6」は、HMDを意味する。ジアミンおよび二酸を含む反復単位において、ジアミンは最初に示される。さらに、「6」がジアミンと組み合わせて使用される場合、例えば66は、最初の「6」はジアミンHMDを意味し、2番目の「6」はアジピン酸を意味する。同様に、他のアミノ酸またはラクタムから誘導される反復単位は、炭素原子の数を表す1つの数字として示される。
【0023】
一実施形態において、ポリアミド組成物は、
前記融点210℃未満を有し、ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)(PA510)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)(PA512)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6/66)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/612)、ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613)、ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615)、ポリ(ε−カプロラクタム/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA6/4T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/デカメチレンテレフタルアミド)(PA6/10T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6/12T)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA610/6T)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA612/6T)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA614/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6I/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/66/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/612)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/610/612)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA D6/66//6T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/)(PA D6/66)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド)(PA1010)、ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)(PA1012)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA1010/10T)ポリ(デカメチレンデカンジアミド/ドデカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド(PA1010/1210/10T/12T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド)(PA11)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA11/4T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA11/6T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA11/10T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA11/12T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)(PA12)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12/4T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA12/6T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12/10T)ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA1212)、およびポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド))(PA1212/12T)の群から選択される脂肪族または半芳香族ポリアミドを含む、(I)群ポリアミド;
少なくとも210℃の前記融点を有し、かつポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA46)、ポリ(ε−カプロラクタム)(PA6)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/(ε−カプロラクタム/)(PA66/6)ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA66/610)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA66/612)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA66/1010)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA610)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA614)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサデカンジアミド)(PA616)、およびポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド)(PA46/D6)からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含む、(II)群ポリアミド;
少なくとも210℃の前記融点を有し、かつ
(aa)(i)炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族反復単位約20〜約35モル%;
(bb)(ii)炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
(iii)炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位約65〜約80モル%;
を含む、(III)群ポリアミド;
(cc)(i)炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族反復単位約50〜約95モル%;
(dd)(ii)炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
(iii)炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位約5〜約50モル%;
を含む、(IV)群ポリアミド;
少なくとも260℃の前記融点を有し、かつ
(ee)(i)炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される、95モル%を超える半芳香族反復単位;
(ff)(ii)炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
(iii)炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位5モル%未満;
を含む、(V)群ポリアミド;
融点を持たず、かつポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(6I/6T)およびポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(6I/6T/66)からなる群から選択される、(VI)群ポリアミド;
からなる群から選択される1種または複数種のポリアミドを含む。
【0024】
群(I)ポリアミドは、その融点が210℃未満である程度まで半芳香族反復単位を有し、一般に、その群の半芳香族ポリアミドは半芳香族反復単位を40モル%未満有する。半芳香族反復単位は、炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミンからなる群のうちの1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される単位として定義される。
【0025】
一実施形態は、前記ポリアミド樹脂が(II)群ポリアミドから選択される、成形または押出し成形熱可塑性物品である。
【0026】
他の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA46/4T)、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA46/6T)、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)PA46/D6/10T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA66/6T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドPA66/6I/6T、およびポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA66/D6/6T)からなる群から選択される(III)群ポリアミドから選択される成形または押出し成形熱可塑性物品である。最も好ましい(III)群ポリアミドはPA66/6Tである。
【0027】
他の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA4T/66)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA4T/6)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA4T/612)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA4T/D6/66)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6T/DT/66)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)PA6T/66、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6T/610)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA6T/614)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/ノナメチレンデカンジアミド)(PA9T/910)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/ノナメチレンドデカンジアミド)(PA9T/912)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/11−アミノウンデカンアミド)(PA9T/11)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/12−アミノドデカンアミド)(PA9T/12)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/11−アミノウンデカンアミド)(PA10T/11)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/12−アミノドデカンアミド)(PA10T/12)ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA10T/1010)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/デカメチレンドデカンジアミド)(PA10T/1012)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA10T/46)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA10T/6)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA10T/66)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA12T/1212)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA12T/6)、およびポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA12T/66)からなる群から選択される(IV)群ポリアミドから選択され;最も好ましい(IV)群ポリアミドがPA6T/66である、成形または押出し成形熱可塑性物品である。
【0028】
他の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)PA4T/DT、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)PA4T/6T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド)PA4T/10T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)PA4T/12T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA4T/DT/6T)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA4T/6T/DT)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド)(PA6T/6I)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド)PA6T/10T、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/12T)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT/10T)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/10T/12T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(PA10T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA10T/4T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA10T/DT)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA10T/12T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/(デカメチレンテレフタルアミド)(PA10T/DT/12T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA12T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12T/4T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/ヘキサメチレンテレフタルアミド)PA12T/6T、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12T/10T)、およびポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA12T/DT)からなる群から選択される(V)群ポリアミドから選択され;最も好ましい(V)群ポリアミドがPA6T/DTである、成形または押出し成形熱可塑性物品である。
【0029】
更なる好ましい実施形態は、前記ポリアミド樹脂が(V)群ポリアミドから選択され、かつ前記破断点伸び保持率が、同一組成および形状の非暴露対照と比較して少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%および90%である成形または押出し成形熱可塑性物品である。
【0030】
様々な実施形態において、ポリアミドはそれぞれ、(I)群ポリアミド、(II)群ポリアミド、(III)群ポリアミド、(IV)群ポリアミド、(V)群ポリアミドまたは(VI)群ポリアミドである。
【0031】
そのポリアミドは、2種類以上のポリアミドのブレンドであってもよい。好ましいブレンドとしては、(I)群と(II)群ポリアミド;(I)群と(III)群ポリアミド、(I)群と(VI)群ポリアミド、(II)群と(III)群ポリアミド、(II)群と(IV)群ポリアミド、(II)群と(V)群ポリアミド、(II)群と(VI)群ポリアミド、(III)群と(VI)群ポリアミド、および(IV)群と(V)群ポリアミドからなる群から選択されるブレンドが挙げられる。
【0032】
好ましいブレンドとしては、(II)群と(V)群ポリアミドが挙げられ、具体的な好ましいブレンドとしては、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)とポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT)が挙げられる。
【0033】
他の好ましいブレンドとしては、(II)群と(III)群ポリアミドが挙げられ、具体的な好ましいブレンドとしては、ポリ(ε−カプロラクタム)(PA6)とポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA66/6T)が挙げられる。
【0034】
成形または押出し成形熱可塑性物品は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)でポリマー材料について決定される少なくとも2000の数平均分子量(M)を有する、エチレン/ビニルアルコールコポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択される少なくとも1種類のポリヒドロキシポリマー0.25〜20重量%を含む。好ましくは、ポリヒドロキシポリマーはM5000〜50,000を有する。
【0035】
一実施形態において、ポリヒドロキシポリマーはエチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)である。EVOHは、ビニルアルコール反復含有率10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%、40〜75モル%、50〜75モル%、および50〜60モル%を有し、残りのモル%はエチレンである。熱可塑性組成物に適したEVOHは、日本合成化学工業株式会社(日本,東京)から入手可能なSoarnol(登録商標)AまたはDコポリマーおよび株式会社クラレ(日本,東京)から入手可能なEVAL(登録商標)コポリマーである。
【0036】
一実施形態において、ポリヒドロキシポリマーはポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVOH)である。熱可塑性組成物に適したPVOHポリマーは、Kuraray Europe Gmbhから入手可能なMowiol(登録商標)ブランドの樹脂である。
【0037】
成形または押出し成形熱可塑性物品は、熱可塑性ポリアミド組成物の全重量に対して、ポリヒドロキシポリマー1〜15重量%、1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは2〜7重量%を含み得る。
【0038】
少なくとも2000以上のMを有するポリヒドロキシポリマーを使用することによって、2000未満のMを有する多価アルコール、例えばジペンタエリトリトールと比較して、ポリアミド組成物の熱安定性における特別な利点が得られる。ポリヒドロキシポリマー組成物は、高温に長期間暴露された場合に、成形または押出し成形物品表面にポリマーの低い「ブルーム」率を有する傾向がある。多くの低分子量添加剤は、表面に「ブルーム」または移行し、結晶化する傾向があり、したがって高温に長期間暴露されると望ましくない表面の白化が形成される。さらに、EVOHなどのポリヒドロキシポリマーは、低分子量多価アルコールよりも全体的に優れた熱安定性を有する。例えば、ジペンタエリトリトールが同一条件下で70%の減量であるのに対して、EVOHは、350℃まで走査した場合に1.9重量%のTGA(走査速度10℃/分)減量を有する。
【0039】
ポリアミド組成物は、融点が存在する場合には、ポリアミド樹脂の融点を30℃下回る温度よりも高い温度、または前記融点が存在しない場合には、少なくとも250℃の、熱重量分析(TGA)によって決定される10%減量温度を有する、第2級アリールアミン、ヒンダードフェノールおよびヒンダードアミン光安定剤(HALS)、およびその混合物から選択される、1種または複数種の補助安定剤0.1〜3重量%を含む。
【0040】
本発明の目的のために、TGAの減量は、加熱速度10℃/m分を用いて空気パージストリーム中で、適切な流量0.8mL/秒にてASTM D3850−94に従って決定される。その1種または複数種の補助安定剤は好ましくは、少なくとも270℃、さらに好ましくは290℃、320℃、および340℃、最も好ましくは少なくとも350℃の、TGAにより決定される10%減量温度を有する。
【0041】
1種または複数種の補助安定剤は好ましくは、ポリアミド組成物の全重量に対して、0.1または約0.1〜3または約3重量%、さらに好ましくは0.1または約0.1〜1または約1重量%;さらに好ましくは0.1または約0.1〜0.7または約0.7重量%で存在する。
【0042】
本発明において有用な第2級アリールアミンは、低揮発性を有する高分子量有機化合物である。好ましくは、その高分子量有機化合物は、少なくとも290℃、好ましくは少なくとも300℃、320℃、340℃、最も好ましくは少なくとも350℃の熱重量分析(TGA)により決定される10%減量温度と共に、少なくとも260g/モル、好ましくは少なくとも350g/モルの分子量を有することをさらに特徴とする第2級アリールアミンからなる群から選択される。
【0043】
第2級アリールアミンとは、窒素原子に化学結合した置換基2個を含有するアミン化合物であって、少なくとも1つ、好ましくは両方の置換基が芳香族である、アミン化合物を意味する。好ましくは、例えば、フェニル、ナフチルまたはヘテロ芳香族基などの芳香族置換基の少なくとも1つは、好ましくは炭素原子1〜約20個を含有する少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0044】
適切な第2級アリールアミンの例としては、Uniroyal Chemical Company,Middlebury,Conn.からNaugard445として市販されている4,4’ジ(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン;Uniroyal Chemical CompanyからAminoxとして市販されているジフェニルアミンとアセトンの反応の第2級アリールアミン縮合生成物;Uniroyal Chemical CompanyからNaugard SAとして市販されているパラ−(パラトルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミンが挙げられる。他の適切な第2級アリールアミンとしては、ICI Rubber Chemicals,Calcutta,Indiaから入手可能なN,N’−ジ−(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミンが挙げられる。他の適切な第2級アリールアミンとしては、4,4’−ビス(α,α’−t−オクチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α−メチルベンズヒドリル)ジフェニルアミン、および欧州特許第0509282B1号明細書からの他のアミンなどが挙げられる。ポリアミド組成物に好ましい補助安定剤は第2級アリールアミンである。
【0045】
ヒンダードフェノールとは、少なくとも1つのフェノール基を含有する有機化合物であって、その芳香族部位が、置換基としてフェノールヒドロキシル基を有する炭素に直接隣接する少なくとも1つの位置、好ましくは両方の位置で置換されている、有機化合物を意味する。ヒドロキシル基に隣接する置換基は、炭素原子1〜10個を有するアルキル基から適切に選択されるアルキルラジカルであり、好ましくは第3級ブチル基である。ヒンダードフェノールの分子量は、適切には少なくとも約260、好ましくは少なくとも約500、さらに好ましくは少なくとも約600である。特に配合物を成形するために使用される加工温度で低揮発性を有するヒンダードフェノールが最も好ましく、少なくとも290℃、好ましくは少なくとも300℃、320℃、340℃、最も好ましくは少なくとも350℃の10%TGA減量温度を有することをさらに特徴とする。
【0046】
適切なヒンダードフェノール化合物としては、例えば、CIBA Specialty Chemicals,Tarrytown,N.YからIrganox(登録商標)1010として市販されているテトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート))メタンおよびこれもCIBA Specialty ChemicalsからIrganox(登録商標)1098として市販されているN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシヒドロシンナメート)が挙げられる。他の適切なヒンダードフェノールとしては、どちらもそれぞれ、CIBA Specialty ChemicalsからIrganox(登録商標)1330および259として入手可能な、1,3,5−トリメチル−2,4,6トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよび1,6ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシヒドロシンナメート)が挙げられる。ポリアミド組成物に好ましい補助安定剤はヒンダードフェノールである。Irganox1098は、この組成物に最も好ましいヒンダードフェノールである。
【0047】
ヒンダードアミン光安定剤(HALS)は、1種または複数種のヒンダードアミン型光安定剤(HALS)である。
【0048】
HALSは、以下の一般式の化合物およびその組み合わせである:
【0049】
【化1】
【0050】
これらの式中、R〜Rは、独立した置換基である。適切な置換基の例は、水素、エーテル基、エステル基、アミン基、アミド基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、シクロアルキル基およびアリール基であり、次にその置換基は官能基を含有し得る;官能基の例は、アルコール、ケトン、無水物、イミン、シロキサン、エーテル、カルボキシル基、アルデヒド、エステル、アミド、イミド、アミン、ニトリル、エーテル、ウレタンおよびそのいずれかの組み合わせである。ヒンダードアミン光安定剤は、ポリマーまたはオリゴマーの一部も形成し得る。
【0051】
好ましくは、HALSは、置換ピペリジン化合物から誘導される化合物、特にアルキル置換ピペリジル、ピペリジニルまたはピペラジノン化合物、および置換アルコキシピペリジニル化合物から誘導される化合物である。かかる化合物の例は:2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール;ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート;ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(Tinuvin(登録商標)770,MW481);N−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとコハク酸のオリゴマー(Tinuvin(登録商標)622);シアヌル酸とN,N−ジ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンのオリゴマー;ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)スクシネート;ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート(Tinuvin(登録商標)123);ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(Tinuvin(登録商標)765);Tinuvin(登録商標)144;Tinuvin(登録商標)XT850;テトラキス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサン−1,6−ジアミン(Chimasorb(登録商標)T5);N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン;2,2’−[(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニル)−イミノ]−ビス−[エタノール];ポリ((6−モルホリン−S−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−イミノヘキサメチレン−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−イミノ)(Cyasorb(登録商標)UV3346);5−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−2−シクロ−ウンデシル−オキサゾール)(Hostavin(登録商標)N20);1,1’−(1,2−エタン−ジ−イル)−ビス−(3,3’,5,5’−テトラメチル−ピペラジノン);8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4,5)デカン−2,4−ジオン;ポリメチルプロピル−3−オキシ−[4(2,2,6,6−テトラメチル)−ピペリジニル]シロキサン(Uvasil(登録商標)299);1,2,3,4−ブタン−テトラカルボン酸−1,2,3−トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−4−トリデシルエステル;α−メチルスチレン−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)マレイミドとN−ステアリルマレイミドのコポリマー;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジエタノール、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルエステルとのポリマー(Mark(登録商標)LA63);2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジエタノール、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステルとのβ,β,β’,β’−テトラメチル−ポリマー(Mark(登録商標)LA68);D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルイデン)−(HALS7);7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−ヘンエイコサン−21−オン−2,2,4,4−テトラメチル−20−(オキシラニルメチル)のオリゴマー(Hostavin登録商標)N30);プロパン二酸、[(4−メトキシフェニル)メチレン]−,ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル(Sanduvor(登録商標)PR31);ホルムアミド、N,N’−1,6−ヘキサンジイルビス[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(Uvinul(登録商標)4050H);1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N,N’’’−[1,2−エタンジイルビス[[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)(Chimassorb(登録商標)119 MW2286);ポリ[[6−[(1,1,3,33−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]](Chimassorb(登録商標)944 MW2000〜3000);1,5−ジオキサスピロ(5,5)ウンデカン3,3−ジカルボン酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペリジニル)エステル(Cyasorb(登録商標)UV−500);1,5−ジオキサスピロ(5,5)ウンデカン3,3−ジカルボン酸、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペリジニル)エステル(Cyasorb(登録商標)UV−516);N−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノ−オキサミド;4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン;1,5,8,12−テトラキス[2’,4’−ビス(1’’,2’’,2’’,6’’,6’’−ペンタメチル−4’’−ピペリジニル(ブチル)アミノ)−1’,3’,5’−トリアジン−6’−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン;HALS PB−41(Clariant Huningue S. A.);Nylostab(登録商標)S−EED(Clariant Huningue S.A.);3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン;Uvasorb(登録商標)HA88;1,1’−(1,2−エタン−ジ−イル)−ビス−(3,3’,5,5’−テトラ−メチル−ピペラジノン)(Good−rite(登録商標)3034);1,1’1’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス((シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル)トリス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)(Good−rite(登録商標)3150)および;1,1’,1’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス((シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル)トリス(3,3,4,5,5−テトラメチルピペラジノン)(Good−rite(登録商標)3159);である。Tinuvin(登録商標)およびChimassorb(登録商標)材料は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能であり;Cyasorb(登録商標)材料は、Cytec Technology Corp.から入手可能であり;Uvasil(登録商標)材料は、Great Lakes Chemical Corp.から入手可能であり;Saduvor(登録商標)、Hostavin(登録商標)、およびNylostab(登録商標)材料は、Clariant Corp.から入手可能であり;Uvinul(登録商標)材料は、BASEから入手可能であり;Uvasorb(登録商標)材料は、Partecipazioni Industrialiから入手可能であり;Good−rite(登録商標)材料は、B.F.Goodrich Co.から入手可能である。Mark(登録商標)材料は、Asahi Denka Co.から入手可能である。
【0052】
熱可塑性ポリアミド組成物に好ましい補助安定剤はHALSである。好ましいHALSとしては、約1000を超える、好ましくは約2000を超える分子量を有する、高分子量オリゴマーまたはポリマーHALSが挙げられる。
【0053】
他の具体的なHALSは、ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(Tinuvin(登録商標)770,MW481)Nylostab(登録商標)S−EED(Clariant Huningue S.A.);1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N,N’’’−[1,2−エタンジイルビス[[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)(Chimassorb(登録商標)119 MW2286);およびポリ[[6−[(1,1,3,33−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]](Chimassorb(登録商標)944 MW2000〜3000)からなる群から選択される。
【0054】
第2級アリールアミンとHALSとの混合物を使用することができる。好ましい実施形態は、上記で開示されるように、少なくとも1つが第2級アリールアミンから選択され、少なくとも1つがHALSの群から選択される、少なくとも2種類の補助安定剤を含み、補助安定剤混合物の全重量%は、少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも0.9重量%である。
【0055】
成形または押出し成形熱可塑性物品は、1種または複数種の補強剤を0〜10重量%未満、好ましくは5重量%以下含む。好ましい実施形態において、成形または押出し成形熱可塑性物品は補強剤を含まない。補強剤が存在する場合、いずれの充填剤であってもよいが、好ましくは炭酸カルシウム、円形および非円形断面を有するガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、タルク、マイカ、珪灰石、か焼クレー、カオリン、珪藻土、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸ナトリウムアルミニウム、バリウムフェライト、チタン酸カリウムおよびその混合物からなる群から選択される。
【0056】
成形または押出し成形熱可塑性物品は任意に、反応性官能基および/またはカルボン酸の金属塩を含むポリマー強化剤0〜50重量%を含む。一実施形態において、成形または押出し成形熱可塑性物品は、エチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、および任意に1種または複数種の(メタ)アクリレートエステルのコポリマー;不飽和カルボン酸無水物でグラフト化されたエチレン/α−オレフィンまたはエチレン/α−オレフィン/ジエンコポリマー;エチレン、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、および任意に1種または複数種の(メタ)アクリレートエステルのコポリマー;相当するイオノマーを形成するためにZn、Li、MgまたはMn化合物と反応させたエチレンおよびアクリル酸のコポリマー;からなる群から選択されるポリマー強化剤2〜20重量%を含む。
【0057】
本発明において、ポリアミド組成物は、当技術分野で一般に使用されている他の添加剤、他のかかる熱安定剤または酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、潤滑剤、可塑剤、および着色剤および顔料も含み得る。
【0058】
他の熱安定剤としては、銅安定剤、およびその混合物が挙げられる。
【0059】
本発明の成形または押出し成形熱可塑性物品の著しい利点は、従来の銅熱安定剤を使用することなく、高い熱安定性が提供されることである。銅熱安定剤は、高温で長期間にわたって腐食剤として作用する傾向があり;環境によっては、実際に半芳香族ポリマーの劣化を引き起こす。したがって、他の実施形態は、前記ポリアミド組成物が、原子吸光分光法で決定される25ppm未満の銅を含む、成形または押出し成形熱可塑性物品である。
【0060】
本明細書において、ポリアミド組成物は、すべてのポリマー成分が適切に混合され、すべての非ポリマー成分がポリマーマトリックス中に適切に分散されている、溶融ブレンドによる混合物である。本発明のポリマー成分および非ポリマー成分の混合に、あらゆる溶融ブレンド法を用いることができる。例えば、ポリマー成分および非ポリマー成分は、一軸スクリュー押出機もしくは二軸スクリュー押出機、撹拌機、一軸スクリューまたは二軸スクリューニーダー、またはバンバリーミキサーなどの溶融混合機に供給され、添加工程は、1度にすべての成分の添加または処理単位での逐次的な添加であることができる。ポリマー成分および非ポリマー成分が処理単位で逐次添加される場合、ポリマー成分および/または非ポリマー成分の一部を最初に添加し、次いで、適切な混合組成物が得られるまで、続いて添加される残りのポリマー成分および非ポリマー成分と溶融混合される。強化用充填剤が長い物理的形状を示す(例えば、長いガラス繊維である)場合、延伸押出し成形を用いて、強化組成物を調製することができる。
【0061】
上記で開示されるポリヒドロキシポリマー基を有するポリアミド組成物は、それから製造された成形または押出し成形物品の高温での長期熱安定性を高めるのに有用である。物品の長期熱安定性は、試験温度150℃および500時間または約500時間の試験期間で厚さ4mmの試験試料を暴露することによって(すなわち、エアオーブン老化)評価することができる。エアオーブン老化後の試験片は、ISO527−2/1A試験法に従って引張り強さおよび破断伸びに関して試験され;成形された通りに乾燥された(DAM)同一組成および形状を有する非暴露対照と比較される。DAM対照と比較することによって、引張り強さ保持率および/または破断伸び保持率が得られ、このようにして、長期熱安定性性能に関して様々な組成物が評価される。
【0062】
様々な実施形態において、熱可塑性ポリアミド組成物は、DAM非暴露対照との比較に基づいて、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60、70、80、および90%の、AOA150℃/500時間の引張り強さ保持率を有する。
【0063】
他の態様において、本発明は、高温用途での上記に開示されるポリアミド組成物の使用に関する。
【0064】
他の態様において、本発明は、本発明の熱可塑性組成物を造形することによって、物品を製造する方法に関する。物品の例は、フィルム、ラミネート、自動車部品、エンジン部品または電気/電子部品である。「造形」とは、例えば、押出し成形、射出成形、熱成形、圧縮成形または吹込み成形などのあらゆる造形技術を意味する。好ましくは、物品は射出成形または吹込み成形によって造形される。
【0065】
本明細書で開示される成形または押出し成形熱可塑性物品は、以下の基準:塩化亜鉛および塩化カルシウムなどの極性化学物質に対する高い耐薬品性、耐衝撃性基準;耐熱性;油および燃料環境に対する耐性;冷却剤などの化学剤に対する耐性;燃料およびガス、例えば二酸化炭素に対する低い透過性;のうちの1つまたは複数を満たす多くの自動車部品における用途を有する。具体的な押出し成形または成形熱可塑性物品は、液体および気体を輸送するパイプ、パイプ用の内張り、燃料ライン、空気遮断チューブ、冷却剤パイプ、エアダクト、気送管、水圧ホース、ケーブルカバー、コネクター、キャニスター、およびプッシュプルケーブルからなる群から選択される。他の非自動車用途は、ケーブルタイ、および電気/電子コネクターであり得る。
【0066】
本発明はさらに、以下の実施例によって説明される。以下の実施例は、説明のためにのみ記載されており、本発明をそれに制限するために使用されるものではないことを理解されたい。
【実施例】
【0067】
方法
配合方法A
スクリュー回転数約300rpm、押出量13.6kg/時および手動で測定された溶融温度約355℃を用いてバレル設定約310℃で操作して30mm二軸スクリュー押出機(Coperion製ZSK30)において、表に示す成分を溶融ブレンドすることによって、PA6T/DTを用いた実施例および比較例を調製した。スクリュー側方供給装置を通して、溶融物にガラス繊維を添加した。表に示す成分量は、熱可塑性組成物の全重量に対する重量%で表される。
【0068】
配合混合物をレースまたはストランド状で押出し、水浴で冷却し、顆粒に細断し、水分の吸収を防ぐために、密閉されたアルミニウム裏張りバッグに入れた。冷却および切断条件は、材料の水分レベルが0.15重量%未満に確実に維持されるように調節した。
【0069】
物理的性質の測定
機械的引張り特性、すなわち弾性率、破断応力(引張り強さ)および破断ひずみ(破断点伸び)をISO527−2/1Aに従って測定した。射出成形ISO引張り試験片で測定を行った。PA6T/DT試験片の金型温度は145〜150℃であり、溶融温度は325〜330℃であった。
【0070】
試験速度5mm/分(引張り強さおよび伸び)にてISO527/1Aに従って、試験片の厚さは4mmであり、幅は10mmであった。引張弾性率は1mm/分で測定した。
【0071】
ASTM D256ノッチ付きアイゾッド試験、試験法Aを用いて、ノッチ付きアイゾッド耐衝撃性を決定した。
【0072】
エアオーブン老化(AOA)
ISO2578に詳述される手順に従って、再循環エアオーブン(Heraeus型UT6060)において試験片を熱老化した。様々な熱老化時間で、試験片をオーブンから取り出し、室温に冷却し、試験の準備ができるまで、アルミニウム裏張りバッグ内に密閉した。次いで、Zwick引張り装置を使用してISO527に従って、機械的引張り特性を測定した。5つの試験片から得られた平均値を表に示す。
【0073】
引張り強さ(TS)および破断点伸び(EL)の保持率は、100%とみなされる対照試験片の値と比較して、500時間熱老化した後の引張り強さおよび破断点伸びのパーセンテージに相当する。対照試験片は、試験片と同様の組成および形状であったが、成形された通りに乾燥された(DAM)状態で試験され、AOA条件にはさらされていない。
【0074】
材料
PA6T/DTは、ASTM D2857法によるインヘレント粘度(IV)範囲0.8〜0.95(一般に0.88)および融点約300℃を有し、かつE.I.DuPont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware,USAから入手可能な、HTN501 NC010、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、および2−メチル−ペンタメチレンジアミンのコポリアミドを意味する。
Engage(登録商標)8180コポリマーは、Dow Chemical,Houston,TX,USAからのエチレン/オクテンコポリマーである。
TRX(登録商標)301コポリマーは、E.I.DuPont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware,USAから入手可能な無水マレイン酸変性EPDMである。
Soarnol(登録商標)Aは、日本合成化学工業株式会社(日本,東京)から入手可能な、ビニルアルコール反復単位約56モル%を有するエチレンビニルアルコールコポリマーを意味する。
銅熱安定剤は、ステアレートワックスバインダー0.5部中のヨウ化カリウム7部とヨウ化銅1部との混合物を意味する。
Naugard(登録商標)445ヒンダードアミンは、Uniroyal Chemical Company,Middlebury,Connから市販されている4,4’ジ(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを意味する。
Chimassorb(登録商標)119は、Ciba Specialty Chemicalsによって供給される(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N,N’’’−[1,2−エタンジイルビス[[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−yl]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル))である。
Wax OPは、Clariant Corp.,Charlotte,NC製の潤滑剤である。
【0075】
実施例1
EVOHを有する実施例1の非強化PA6T/DT組成物および比較例C−1〜C−6を表1に示す。150℃/500時間のAOA後の引張り特性および破断点伸びの保持率%を表1に示す。
【0076】
EVOH(Soarnol(登録商標)Aポリマー)と第2級アリールアミン(Naugard(登録商標)445安定剤)との組み合わせを含む実施例1は、150℃で500時間のAOA暴露後に破断点伸びの保持率91%を示す。
【0077】
実施例1の熱安定性性能は、同一暴露条件下での比較例C−1〜C−6すべてよりもはるかに優れている。例えば:
EVOHのみ含むC−1は、保持率15%を示し;
公知の銅安定剤を含むC−2は、保持率72%を示し;
安定剤を含まないC−3は、保持率9%を示し;
第2級アリールアミン(Naugard(登録商標)445安定剤)のみ有するC−4は、保持率14%を示し;
低分子量多価アルコールを有するC−5およびC−6はそれぞれ、保持率24%および34%を示す。これらの結果は意外かつ驚くべきものであり、ポリアミド組成物において
補助安定剤と組み合わせられたポリヒドロキシポリマーの優れた熱安定性性能をはっきりと示している。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1.(a)融点および/またはガラス転移を有するポリアミド樹脂;
(b)少なくとも2000の数平均分子量を有する、エチレン/ビニルアルコールコポリマーおよびポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択される1種または複数種のポリヒドロキシポリマー0.25〜20重量%;
(c)前記融点が存在する場合には、ポリアミドの前記融点を30℃超えて下回る、または前記融点が存在しない場合には少なくとも250℃の、熱重量分析によって決定される10%減量温度を有する1種または複数種の補助安定剤であって、第2級アリールアミン、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール、およびその混合物からなる群から選択される1種または複数種の補助安定剤0.1〜3重量%;
(d)1種または複数種の補強剤0〜10重量%未満;
(e)反応性官能基および/またはカルボン酸の金属塩を含むポリマー強化剤0〜20重量%;
を含む、熱可塑性ポリアミド組成物を含む成形または押出し成形熱可塑性物品であって、
前記ポリアミド組成物から作製され、試験期間500時間の間、大気中で試験温度150℃で暴露され、ISO527−2/1Aに従って試験された4mm成形試験片が、同一組成および同一形状の非暴露対照と比較して、平均で少なくとも50%の破断点伸び保持率を有する、成形または押出し成形熱可塑性物品。
2.1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品であって、
前記ポリアミド樹脂が、
210℃未満の前記融点を有し、かつポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)(PA510)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)(PA512)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6/66)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/612)、ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613)、ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615)、ポリ(ε−カプロラクタム/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA6/4T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/デカメチレンテレフタルアミド)(PA6/10T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6/12T)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA610/6T)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA612/6T)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA614/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6I/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/66/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/612)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/610/612)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタミド)(PAD6/66//6T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/)(PAD6/66)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド)(PA1010)、ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)(PA1012)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA1010/10T)ポリ(デカメチレンデカンジアミド/ドデカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド(PA1010/1210/10T/12T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド)(PA11)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA11/4T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA11/6T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA11/10T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA11/12T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)(PA12)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12/4T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA12/6T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12/10T)ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA1212)、およびポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド))(PA1212/12T)からなる群から選択される脂肪族または半芳香族ポリアミドを含む、(I)群ポリアミド;
少なくとも210℃の前記融点を有し、かつポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA46)、ポリ(ε−カプロラクタム)(PA6)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/(ε−カプロラクタム/)(PA66/6)ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA66/610)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA66/612)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA66/1010)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA610)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA614)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサデカンジアミド)(PA616)、およびポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド)(PA46/D6)からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含む、(II)群ポリアミド;
少なくとも210℃の前記融点を有し、かつ
(aa)i.炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される半芳香族反復単位約20〜約35モル%;
(bb)ii.炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
iii.炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位約65〜約80モル%;
を含む、(III)群ポリアミド;
(cc)(i)炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される半芳香族反復単位約50〜約95モル%;
(dd)(iv)炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
(v)炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位約5〜約50モル%;
を含む、(IV)群ポリアミド;
少なくとも260℃の前記融点を有し、かつ
(ee)i.炭素原子8〜20個を有する芳香族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する脂肪族ジアミン;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される95モル%を超える半芳香族反復単位;
(ff)ii.炭素原子6〜20個を有する脂肪族ジカルボン酸および炭素原子4〜20個を有する前記脂肪族ジアミン;
iii.炭素原子4〜20個を有するラクタムおよび/またはアミノカルボン酸;
からなる群のうちの1種または複数種から選択されるモノマーから誘導される脂肪族反復単位5モル%未満;
を含む、(V)群ポリアミド;
融点を持たず、かつポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(6I/6T)およびポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(6I/6T/66)からなる群から選択される、(VI)群ポリアミド;
からなる群から独立して選択される1種または複数種のポリアミドを含む成形または押出し成形熱可塑性物品。
3.前記ポリアミド樹脂が、(I)群ポリアミドから選択される、2.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
4.前記ポリアミド樹脂が、(II)群ポリアミドから選択される、2.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
5.前記ポリアミド樹脂が、(III)群ポリアミドから選択される、2.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
6.前記ポリアミド樹脂が、(IV)群ポリアミドから選択される、2.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
7.前記ポリアミド樹脂が、(V)群ポリアミドから選択される、2.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
8.前記ポリアミド樹脂が、
(I)群と(II)群のポリアミド;
(I)群と(III)群のポリアミド、
(I)群と(VI)群のポリアミド、
(II)群と(III)群のポリアミド、
(II)群と(IV)群のポリアミド、
(II)群と(V)群のポリアミド、
(II)群と(VI)群のポリアミド、
(III)群と(VI)群のポリアミド、および
(IV)群と(V)群のポリアミドからなる群から選択される2種類以上のポリアミドのブレンドを含む、請求項2に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
9.前記ポリアミド樹脂が、(II)群と(V)群のポリアミドのブレンドを含む、8.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
10.前記ポリアミド樹脂が、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)およびポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT)を含むブレンドを含む、9.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
11.前記の1種または複数種のポリヒドロキシポリマーが、エチレン/ビニルアルコールコポリマーを含み、かつビニルアルコール含有率40〜75モル%を有し、その残りのモル%がエチレンである、1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
12.前記の少なくとも1種類の補助安定剤が、1種または複数種の第2級アリールアミンである、1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
13.前記の少なくとも1種類の補助安定剤が、1種または複数種のヒンダードフェノールである、1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
14.前記ポリアミド組成物が、原子吸光分光法で決定された25ppm未満の銅を含む、1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
15.液体および気体を輸送するパイプ、パイプ用の内張り、燃料ライン、空気遮断チューブ、冷却剤パイプ、エアダクト、気送管、水圧ホース、ケーブルカバー、ケーブルタイ、電気/電子コネクターなどのコネクター、キャニスター、およびプッシュプルケーブルからなる群から選択される、1.に記載の成形または押出し成形熱可塑性物品。
【0078】
【表2】