特許第5677967号(P5677967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5677967仕様、推定、原因となるドライバの発見及びマーケット反応弾性又はリフト係数の自動化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677967
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】仕様、推定、原因となるドライバの発見及びマーケット反応弾性又はリフト係数の自動化
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20150205BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20150205BHJP
   G06F 19/00 20110101ALI20150205BHJP
【FI】
   G06Q10/04
   G06Q30/02 100
   G06F19/00 120
【請求項の数】22
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2011-534803(P2011-534803)
(86)(22)【出願日】2009年10月30日
(65)【公表番号】特表2012-507804(P2012-507804A)
(43)【公表日】2012年3月29日
(86)【国際出願番号】US2009062730
(87)【国際公開番号】WO2010051433
(87)【国際公開日】20100506
【審査請求日】2012年10月25日
(31)【優先権主張番号】61/110,514
(32)【優先日】2008年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509261278
【氏名又は名称】マーケットシェア パートナーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】カヴァンダー ディヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ ウェス
(72)【発明者】
【氏名】ハンセンス ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】レイ ダグラス
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0010022(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/124530(WO,A1)
【文献】 特開2006−293827(JP,A)
【文献】 特開平07−105288(JP,A)
【文献】 特開2005−182528(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/116026(WO,A1)
【文献】 特開2003−006377(JP,A)
【文献】 特開2008−112288(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/004132(WO,A1)
【文献】 特表2010−522381(JP,A)
【文献】 原田 勉 Tsutomu Harada,汎用・専用技術の経済分析 初版,株式会社白桃書房 HAKUTOUSHOBOU 大矢 栄一郎,2007年 5月26日,P.237−240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
G06F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デマンドジェネレーション方程式を構築して、特定のレベルの資源を異なるマーケティングアクティビティに配分することによって生成されるオファリングの需要レベルを予測するための、コンピュータシステムにおける方法であって、前記コンピュータシステムが、中央処理ユニット、メモリ、永続記憶装置、及びネットワーク接続手段を含み、決定されたデマンドジェネレーション方程式から得られる前記オファリングの需要レベルが、予測されるマーケティング成果変数であり、需要前記方法が、
ユーザから複数のオブザベーションを前記コンピュータシステムが受け取るステップであって、各オブザベーションが、マーケティング成果変数に対する少なくとも一つの値と複数のドライバ変数の各々に対する少なくとも一つの値とを含前記ドライバ変数にはブランドデータ、外部データ、マーケティング及び販売データ、及びインターネット固有データが含まれ、前記ブランドデータには、価格及び顧客に関するデータが含まれ、前記外部データには、経済的条件及び天気が含まれ、前記マーケティング及び販売データには、通信媒体/タッチポイントのための資源支出が含まれ、前記インターネット固有データには、ワードカウント及びワードクラスタ及び意味的フレーズのカウントを使用した自然検索の尺度を含む、ステップと、
前記複数のオブザベーションのうちの少なくとも2つに関して、
複数のドライバ変数候補の各々に関して、該ドライバ変数候補の値を前記オブザベーションに関連するものとして前記コンピュータシステムが複数のサードパーティーのプロバイダの内の少なくとも一つから取り出すステップと、
少なくとも1つのマーケティング成果変数に関して、該マーケティング成果変数の値を前記オブザベーションに関連するものとして取り出すステップと、
前記取り出したドライバ変数候補の値を使用して、前記ドライバ変数候補を前記マーケティング成果変数に関連付ける方程式を前記コンピュータシステムが推定して前記ドライバ変数候補の各々のための係数を生成するステップと、
前記推定される方程式に対して統計的診断を前記コンピュータシステムが行って前記推定される方程式を有効にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記推定が、一般最小二乗技術を使用して行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドライバ変数候補の各々がドライバ変数候補クラスに分類され、ドライバ変数候補クラス内の少なくとも1つのドライバ変数候補が非ゼロ係数を有していなければならないという制約に基づいて前記推定が行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記推定される方程式に対して統計的診断を行って前記推定される方程式を有効にするステップが、少なくとも2つの所定のビジネスルール及び統計的信頼ルールの順守を検証するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記推定される方程式を、取り出したものではないドライバ変数候補値及びマーケティング成果変数値に前記コンピュータシステムが適用して前記推定される方程式を有効にするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記推定される方程式に対して統計的診断を行って前記推定される方程式を有効にするステップが、前記推定される方程式が弾性ライブラリからの弾性ノムの範囲内にあることを必要とするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
デマンドジェネレーション方程式を構築して、特定のレベルの資源を異なるマーケティングアクティビティに配分することによって生成されるオファリングの需要レベルを予測するための方法をコンピュータシステムに実行させるコンテンツを有するコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータシステムが、中央処理ユニット、メモリ、永続記憶装置、及びネットワーク接続手段を含み、決定されたデマンドジェネレーション方程式から得られる前記オファリングの需要レベルが、予測されるマーケティング成果変数であり、前記方法は、
ユーザから複数のオブザベーションを前記コンピュータシステムが受け取るステップであって、各オブザベーションが、マーケティング成果変数に対する少なくとも一つの値と複数のドライバ変数の各々に対する少なくとも一つの値とを含前記ドライバ変数にはブランドデータ、外部データ、マーケティング及び販売データ、及びインターネット固有データが含まれ、前記ブランドデータには、価格及び顧客に関するデータが含まれ、前記外部データには、経済的条件及び天気が含まれ、前記マーケティング及び販売データには、通信媒体/タッチポイントのための資源支出が含まれ、前記インターネット固有データには、ワードカウント及びワードクラスタ及び意味的フレーズのカウントを使用した自然検索の尺度を含む、ステップと、
前記複数のオブザベーションのうちの少なくとも2つに関して、
複数のドライバ変数候補の各々に関して、該ドライバ変数候補の値を前記オブザベーションに関連するものとして前記コンピュータシステムが複数のサードパーティーのプロバイダの内の少なくとも一つから取り出すステップと、
少なくとも1つのマーケティング成果変数に関して、該マーケティング成果変数の値を前記オブザベーションに関連するものとして取り出すステップと、
前記取り出したドライバ変数候補の値を使用して、前記ドライバ変数候補を前記マーケティング成果変数に関連付ける方程式を前記コンピュータシステムが推定して前記ドライバ変数候補の各々のための係数を生成するステップと、
前記推定される方程式に対して統計的診断を前記コンピュータシステムが行って前記推定される方程式を有効にするステップと、
を含む、
ことを特徴とする媒体。
【請求項8】
前記推定が、一般最小二乗技術を使用して行われる、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項9】
前記推定が、Seemingly Unrelated Regression技術に基づいて複数の方程式をスタックすることにより、或いは2SLS、3SLS、又は最尤法を使用して連立方程式を解くことにより行われる、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項10】
前記ドライバ変数候補の各々がドライバ変数候補クラスに分類され、ドライバ変数候補クラス内の少なくとも1つのドライバ変数候補が非ゼロ係数を有していなければならないという制約に基づいて前記推定が行われる、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項11】
前記推定される方程式に対して統計的診断を行って前記推定される方程式を有効にするステップが、少なくとも2つの所定のビジネスルール及び統計的信頼ルールの順守を検証するステップを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項12】
前記推定される方程式を、取り出したものではないドライバ変数候補値及びマーケティング成果変数値に前記コンピュータシステムが適用して前記推定される方程式を有効にするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項13】
前記推定される方程式に対して統計的診断を行って前記推定される方程式を有効にするステップが、前記推定される方程式が弾性ライブラリからの弾性ノムの範囲内にあることを必要とするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の媒体。
【請求項14】
デマンドジェネレーション方程式を構築するための、コンピュータシステムにおける方法であって、前記コンピュータシステムが、中央処理ユニット、メモリ、永続記憶装置、及びネットワーク接続手段を含み、前記方法が、
ユーザから複数のオブザベーションを前記コンピュータシステムが受け取るステップであって、各オブザベーションが、マーケティング成果変数に対する少なくとも一つの値と複数のドライバ変数の各々に対する少なくとも一つの値とを含む、ステップと、
前記複数のオブザベーションのうちの少なくとも2つに関して、
ドライバ変数候補の値を前記オブザベーションに関連するものとして前記コンピュータシステムが複数のサードパーティーのプロバイダの内の少なくとも一つから取り出すことと、
マーケティング成果変数の値を前記オブザベーションに関連するものとして取り出すことと、
によりデータオブザベーションと説明変数とを含むデータスタックを作成するステップと、
前記取り出したドライバ変数候補の値を使用して、前記ドライバ変数候補を前記マーケティング成果変数に関連付けるデマンドジェネレーション方程式を前記コンピュータシステムが推定して前記ドライバ変数候補のための係数を生成するステップと、
前記デマンドジェネレーション方程式に対して統計的診断を前記コンピュータシステムが行って前記デマンドジェネレーション方程式を有効にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記推定が、一般最小二乗技術を使用して行われる、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ドライバ変数候補の各々がドライバ変数候補クラスに分類され、ドライバ変数候補クラス内の少なくとも1つのドライバ変数候補が非ゼロ係数を有していなければならないという制約に基づいて前記推定が行われる、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記推定される方程式を、取り出したものではないドライバ変数候補値及びマーケティング成果変数値に前記コンピュータシステムが適用して前記デマンドジェネレーション方程式を有効にするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記デマンドジェネレーション方程式に対して統計的診断を行って前記デマンドジェネレーション方程式を有効にするステップが、前記デマンドジェネレーション方程式が弾性ライブラリからの弾性ノムの範囲内にあることを必要とするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記オブザベーションが、時間別のメディア支出のデータ系列から成る請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記オブザベーションが、マーケットの位置別のメディア支出のデータ系列から成る請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記オブザベーションが、メディアの種類別のメディア支出のデータ系列から成る請求項1記載の方法。
【請求項22】
各ドライバ変数候補が、前記オブザベーションを含むデータスタッタ内の列ベクトルである請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、1)2008年10月31日に出願された米国仮特許出願第61/110,514号の利益を主張するものであり、該出願はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、2007年3月19日に出願された米国仮特許出願第60/895,729号、2007年11月29日に出願された米国仮特許出願第60/991,147号、2008年7月28日に出願された米国仮特許出願第61/084,252号、及び2008年7月28日に出願された米国仮特許出願第61/084,255号に関連し、これらの出願の各々はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0003】
説明する技術は、自動決定支援ツールの分野を対象とし、より詳細には自動予算編成ツールの分野を対象とする。
【背景技術】
【0004】
マーケティングコミュニケーション(「マーケティング」)とは、製品又はサービス、すなわち「オファリング」の売り手が、見込み客に対してオファリングに関する教育を行うプロセスのことである。マーケティングは、多くの場合売り手にとって主な支出であり、様々な異なる広告媒体及び/又はアウトレットなどの数多くの構成要素又はカテゴリ、並びにその他のマーケティング技術から作り上げられることが多い。支出レベルの原因を多くの構成要素に求めるマーケティング予算の開発に伴う複雑さをよそに、有用な自動決定支援ツールはほとんど存在せず、この行為を主観的な結論に依拠して手作業で行うことが一般的になっており、多くの場合不利益な結果が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有用な決定支援ツールが存在する数少ない例では、通常、ツールのユーザが、サブジェクトオファリングへの過去のマーケティング資源の配分、及びこれらがもたらした結果に関する大量のデータを提供する必要がある。多くの場合、例えば新規オファリングなどの場合には、このようなデータを利用することができない。たとえこのようなデータを利用できる場合でも、このデータにアクセスし、これを決定支援ツールに提供することは不便な場合がある。
【0006】
従って、ユーザがオファリングに関する過去のパフォーマンスデータを提供する必要なく、オファリング及びその様々な構成要素への資金又はその他の資源の有利な配分を自動的に指示するツールが非常に役立つと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ファシリティの提供に使用される典型的な配置の構成要素内におけるデータフローを示す高水準データフロー図である。
図2】ファシリティを実行するコンピュータシステム及びその他の装置の少なくともいくつかに通常組み込まれる構成要素のいくつかを示すブロック図である。
図3】過去のマーケティング努力のライブラリのサンプルコンテンツを示すテーブル図である。
図4】ファシリティへのアクセスを許可ユーザに限定するためにファシリティが使用するサインインページを示す表示図である。
図5】ビュー/編集モードにおいてファシリティが生成するページ表示を示すフロー図である。
図6】ファシリティが全体的なマーケティング予算及びその配分を指示するサブジェクトオファリングに関する情報を求めるためにファシリティが提供する表示を示す図である。
図7】ファシリティが全体的なマーケティング予算及びその配分を指示するサブジェクトオファリングに関する情報を求めるためにファシリティが提供する表示を示す図である。
図8】ファシリティが全体的なマーケティング予算及びその配分を指示するサブジェクトオファリングに関する情報を求めるためにファシリティが提供する表示を示す図である。
図9】ファシリティが全体的なマーケティング予算及びその配分を指示するサブジェクトオファリングに関する情報を求めるためにファシリティが提供する表示を示す図である。
図10】結果を見直すための分析の形式をユーザが選択できるようにするために、サブジェクトオファリングに関する情報を収集した後にファシリティが提供する結果ナビゲーション表示を示す表示図である。
図11】サブジェクトオファリングに関してファシリティが決定した最適な総マーケティング予算を伝えるためにファシリティが提供する表示を示す表示図である。
図12】支出構成情報を示すためにファシリティが提供する表示である。表示は、ファシリティが指示する全体的な予算1201を含む。
図13】ユーザから追加のオファリング属性情報を収集する段階を表すプロセス図である。
図14】サブジェクトオファリングに関する3つの導き出される尺度、すなわち認知、影響、及び経験の導出を示すプロセス図である。
図15】マーケティングアクティビティの配分の組を示すテーブル図であり、各々は、図14に示す3つの導き出される属性の様々な組み合わせに対するものである。
図16図15のテーブルにより指示された初期配分を、いくつかの特別な条件1600に関してどのように調整すべきかを示すプロセス図である。
図17】個々のマーケティングアクティビティに費やすためのドル額をファシリティがどのように決定するかを示すプロセス図である。
図18図17に示す結果への最終調整を示すプロセス図である。
図19】3つの異なる形で包装された同じ製品のようないくつかの関連するサブジェクトオファリングに関して、ファシリティが行う資源配分の指示を表すためにファシリティが提供する表示を示す表示図である。
図20】データ入力を指示し自動的に収集するための、いくつかの実施形態においてファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図21】データ入力を指示し自動的に収集するための、いくつかの実施形態においてファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図22】データ入力を指示し自動的に収集するための、いくつかの実施形態においてファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図23】データ入力を指示し自動的に収集するための、いくつかの実施形態においてファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図24】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図25】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図26】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図27】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図28】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図29】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図30】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図31】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図32】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図33】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図34】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図35】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図36】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図37】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図38】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図39】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図40】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図41】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図42】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図43】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図44】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図45】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図46】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図47】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図48】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
図49】ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
サブジェクトオファリングの定性的記述を使用して、実験的に取得した計量経済学データに基づくサブジェクトオファリングの利益などのビジネスの成果の最適化を目的とした方法で、(1)サブジェクトオファリングに関するマーケティング及び販売資源の総予算と、(2)この総予算の複数の支出カテゴリにわたる配分−−「アクティビティ」とも呼ばれる−−との両方を自動的に指定するソフトウェア機能(「ファシリティ」)を提供する。
【0009】
初期化設定段階では、ファシリティが、サブジェクトオファリングに対するマーケティング努力と必要な関係を有していない様々なオファリングのための過去のマーケティング努力に関するデータを検討する。データは、個々のこのような努力に関して、(1)マーケティングしたオファリングの特徴、(2)総マーケティング予算、(3)マーケティングアクティビティ間の配分、及び(4)ビジネスの成果を反映する。マーケティング研究を直接行ったり、学術的出版物から取り入れたりなどによる様々な方法でこのデータを取得することができる。
【0010】
ファシリティは、このデータを使用してファシリティの目的に合う資源を作成する。まず、ファシリティが、過去のマーケティング努力の全てにわたって総マーケティング予算の平均弾性尺度を計算し、これが特定のレベルの資源を総マーケティング予算に配分することによるビジネスの成果への影響を予測する。次に、ファシリティが、総マーケティング予算の平均弾性尺度に関するいくつかの調整係数を導き出し、これが過去のマーケティング努力の特定の特徴を反映させるために総マーケティング予算の平均弾性尺度をどのくらい増加又は減少させるべきかを特定する。3番目に、ファシリティが、いくつかの定性的に類似したオファリングのグループの各々の過去のマーケティング努力に関して、個々のマーケティングアクティビティがこのグループのマーケティング努力のビジネスの成果にどの程度影響を与えたかを示すアクティビティ当たり弾性尺度を導き出す。
【0011】
ファシリティは、インタービューイング技術を使用して、ユーザからのサブジェクトオファリングの定性的記述を要求する。ファシリティは、要求した定性的記述の一部を使用して、総マーケティング予算の平均弾性尺度に適用するための調整係数を特定する。ファシリティは、特定した調整係数により調整されたあるバージョンの総マーケティング予算の平均弾性尺度を使用して、サブジェクトオファリングに関する最高レベルの利益を生み出し、或いはユーザが特定する他の何らかの目的を最大化すると予想される理想的な総マーケティング予算を特定する。
【0012】
理想的な総マーケティング予算の特定後、ファシリティは、要求したサブジェクトオファリングの定性的記述を使用して、サブジェクトオファリングが他のオファリングのグループのいずれと最もよく一致するかを判定するとともに、そのグループに関して導き出したアクティビティ当たり弾性尺度の組から理想的なマーケティングアクティビティの配分の組を導き出す。
【0013】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、シンジケートメディア、シンジケート販売データ、インターネットメディア、インターネット行動データ、自然検索クエリデータ、有料検索活動データ、テレビ、ラジオ、印刷物などのメディアデータ、消費者行動データ、追跡調査データ、経済データ、天気データ、株式市場などの金融データ、競争マーケティング支出データ、及びオンライン及びオフライン販売データを含む数多くの種類の外部ソースの1又はそれ以上から受け取ったデータを検討する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、いくつかのサードパーティのソースの各々から、このサードパーティデータの回収及びマッピングを誘導するためのソースごとの所定のテンプレートを使用して成果及びドライバデータを回収する。いくつかの実施形態では、ファシリティが、クライアントに推薦する資源配分を生成するために、この回収したサードパーティデータを、販売又はクライアントから得た1又はそれ以上のその他のビジネス成果に関するクライアント固有のデータとともに使用する。いくつかの実施形態では、これにより、クライアントから成果及び/又はドライバデータを収集する必要性を未然に防ぎ、多くの場合、時間及び資源を大幅に節約することができる。
【0015】
このようにして、ファシリティは、ユーザが過去のパフォーマンスデータをサブジェクトオファリングに提供する必要なく、サブジェクトオファリングへの総マーケティング資源の配分及び分配を自動的に指示する。
【0016】
ファシリティが決定する販売又は市場反応曲線により、様々な資源ドライバの数学関数としてビジネス成果が予測される。
販売=F(いずれかのドライバ変数の組)となり、この場合、Fは正しい収益逓減の経済特性を含む統計関数を示す。
【0017】
さらに、この関係は、時系列、断面、又は時系列及び断面の両方のいずれかのデータに基づくので、この方法は本質的に、基本状態に対して直接的、間接的、及び相互作用的効果をもたらす。
【0018】
これらの効果は、販売が基本的なドライバ変数及びデータ構造の変化にどのように反応するかを記述する。多くの場合、これらの反応効果は「リフト係数」として知られている。特別なサブセット又はケースとして、これらの方法により、断面又は時系列のあらゆるオンオフ状態を読み取ることが可能になる。
【0019】
異なる種類のリフト係数の特定及び適用に適した様々なクラスの統計関数が存在する。いくつかの実施形態では、ファシリティが、リフト係数の倍数詞及び(自然対数を使用した)対数の対数及び点推定値として知られているクラスを使用する。
【0020】
ある状況では、ファシリティが、カテゴリドライバデータ及びカテゴリ成果に適用する方法を使用する。これらは、多項式ロジット法、ロジット法、プロビット法、非母数法又はハザード法として知られている確率的リフト係数のクラスを含む。
【0021】
様々な実施形態では、ファシリティが、様々な方法で求められた様々な他の種類のリフト係数を使用する。本明細書における「弾性」に関する記述は、多くの場合様々な他の種類のリフト係数にまで及ぶ。
【0022】
図1は、ファシリティの提供に使用される典型的な配置の構成要素内のデータフローを示す高水準データフロー図である。ユーザ制御下にあるいくつかのウェブクライアントコンピュータシステム110は、ページビュー要求131を生成し、インターネット120などのネットワークを介して論理ウェブサーバ100へ送信する。通常これらの要求は、ページビュー要求、及びサブジェクトオファリングに関する情報の受信、及び指示された総マーケティング予算及びその分配に関する情報の提供に関する様々な種類の他の要求を含む。ウェブサーバ内において、これらの要求を全て単一のウェブサーバコンピュータシステムへルーティングするか、或いはいくつかのウェブサーバコンピュータシステム間で負荷分散するかのいずれかを行うことができる。通常、ウェブサーバは、処理済みページ132で各々に応答する。
【0023】
上述の環境に関して様々な実施形態について説明するが、当業者であれば、単一の、モノリシック構造のコンピュータシステム、並びに様々な方法で接続されたコンピュータシステム又は同様の装置の様々な他の組み合わせを含む様々なその他の環境でファシリティを実行できることを理解するであろう。様々な実施形態では、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、テレビ、カメラなどのウェブクライアントコンピュータシステムの代わりに様々なコンピュータシステム又はその他の異なるクライアント装置を使用することができる。
【0024】
図2は、ファシリティを実行するコンピュータシステム及びその他の装置の少なくともいくつかに通常組み込まれる構成要素のいくつかを示すブロック図である。これらのコンピュータシステム及び装置200は、コンピュータプログラムを実行するための1又はそれ以上の中央処理ユニット(「CPU」)201と、使用中のプログラム及びデータを記憶するためのコンピュータメモリ202と、プログラム及びデータを永続的に記憶するためのハードドライブなどの永続記憶装置203と、コンピュータ可読媒体に記憶されているプログラム及びデータを読み取るためのCD−ROMドライブなどのコンピュータ可読媒体ドライブ204と、インターネットなどを介してコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに接続するためのネットワーク接続205とを含むことができる。通常、上述のように構成されたコンピュータシステムを使用してファシリティの動作をサポートするが、当業者であれば、様々な種類及び構成の装置を使用して、また様々な構成要素を有してファシリティを実行できることを理解するであろう。
【0025】
図3は、過去のマーケティング努力のライブラリのサンプルコンテンツを示すテーブル図である。ライブラリ300は、エントリ310、320、及び330などのエントリでできており、これらの各々は、各々が類似のコンテキストを共有する1又はそれ以上の過去のマーケティング努力の組に対応する。個々のエントリは、エントリに対応する過去のマーケティング努力に当てはまるいくつかのコンテキスト属性値を含み、これには、新製品属性311、認知スコア属性312、影響スコア属性313、経験スコア314、メッセージ明快度スコア315、及びメッセージ説得力スコア316の値が含まれる。個々のエントリは、エントリに対応する過去のマーケティング努力の以下の統計的尺度の値、すなわち結果のログ351、ベース352、ラグ係数を含む結果のログ353、外部のログ354、相対的価格のログ355、及び相対的分配のログ356をさらに含む。個々のエントリは、TV361、印刷362、ラジオ363、屋外364、インターネット検索365、インターネット問い合わせ366、ヒスパニック367、ダイレクト368、イベント369、スポンサーシップ370、及びその他371を含むいくつかのカテゴリの各々に関する広告効率値のログをさらに含む。
【0026】
図4は、ファシリティへのアクセスを許可ユーザに限定するためにファシリティが使用するサインインページを示す表示図である。ユーザは、自分の電子メールアドレスをフィールド401に、パスワードをフィールド402に入力し、サイン制御ボタン403を選択する。この方法によるサインインが困難な場合、ユーザは制御ボタン411を選択する。まだアカウントを持っていない場合、ユーザは新しいアカウントを作成するために制御ボタン421を選択する。
【0027】
図5は、ビュー/編集モードにおいてファシリティが生成するページ表示を示すフロー図である。表示はいくつかのシナリオ501〜506をリストし、これらの各々は、ユーザのために生成された、或いはユーザに関連する組織のために生成された既存のオファリング指示に対応する。個々のシナリオにつき、表示は、シナリオ名511、シナリオの説明512、シナリオの作成日513、及びシナリオの状態を含む。ユーザは、シナリオ名、又はシナリオの状態を選択することなどによりこれらのシナリオのいずれかを選択して、シナリオに関するさらなる情報を取得することができる。表示はまた、ファシリティの異なるモードに導くためにユーザが使用できるタブ領域550も含む。現在のビュー/編集モード用タブ552に加え、タブ領域には、作成モード用タブ551、比較モード用タブ553、送信モード用タブ554、及び削除モード用タブ555が含まれる。ユーザは、対応するモードを起動するためにこれらのタブのいずれかを選択することができる。
【0028】
図6図9は、ファシリティが全体的なマーケティング予算及びその分配を指示するサブジェクトオファリングに関する情報を求めるためにファシリティが提供する表示である。図6は、以下の属性、すなわち現在の収益601、現在の年間マーケティング支出602、業界全体の来年度の予想成長率603、収益のパーセンテージで表した粗利益604、及びドルのパーセンテージで表したマーケットシェア605の値を入力するための制御を示す図である。表示は、入力した属性値をセーブするためにユーザが選択できるセーブ制御ボタン698、及びコンテキスト属性値を入力する次の表示に進むためにユーザが選択できる続行制御ボタン699をさらに含む。
【0029】
図7は、サブジェクトオファリングの属性値を求めるためにファシリティが提供するさらなる表示である。この表示は、以下のコンテキスト属性、すなわち業界新規度701、マーケット新規度702、チャネル新規度703、及びマーケティング革新704の値を入力するための制御を含む。
【0030】
図8は、属性値を求めるためにファシリティが提供するさらなる表示である。この表示は、以下のコンテキスト属性、すなわちマーケティング情報コンテンツの新規度801、マーケットにおける会社のポジション802、マーケットシェア803、及び価格戦略804の値を入力するためにユーザが使用できる制御を有する。
【0031】
図9は、属性値を求めるためにファシリティが提供するさらなる表示である。この表示は、顧客層の詳細を含めるかどうかを決定するためにユーザが使用できる制御901を含む。表示は、追加のコンテキスト属性値を指定するためのチャート910及び920をさらに含む。ユーザは、チャート910を使用して、サブジェクトオファリングに関与する会社によるブランド努力、メッセージング努力及びポジショニング努力の一貫性及び明快度の値を同時に指定することができる。チャート910を使用するために、ユーザは、一貫性及び明快度の属性の両方の適当な値に対応する、チャートに含まれるグリッド内の単一のセルを選択する。セクション920も同様であり、ユーザが会社広告の説得力及び好感度に関する適当な値を同時に選択できるようにしている。
【0032】
図10は、結果を見直すための分析の形式をユーザが選択できるようにするために、サブジェクトオファリングに関する情報を収集した後にファシリティが提供する結果ナビゲーション表示を示す表示図である。表示は、結果に関するマーケットシェア情報を見直すためにユーザが選択できる制御1001と、結果に関する支出構成情報を見直すためにユーザが選択できる制御1002と、結果に関する利益及び損失情報を見直すためにユーザが選択できる制御1003とを含む。
【0033】
図11は、サブジェクトオファリングに関してファシリティが決定した最適な総マーケティング予算を伝えるためにファシリティが提供する表示を示す表示図である。表示は、総マーケティング予算に対する収益(すなわち、「マーケティング支出」)1120、及び総マーケティング予算に対する利益(すなわち、「マーケティング貢献事後経費」)1130の2つの曲線を示すグラフ1110を含む。ファシリティは、利益曲線1130のピークとしてポイント1131を特定し、従って対応するマーケティング支出のレベルである100ドルを最適なマーケティング支出として特定している。ポイント1131の高さは、このマーケティング支出によりもたらされる利益の予想レベルを示し、ポイント1121の高さは、このマーケティング支出で予想される総収益の予想レベルを示す。テーブル1150は、最適なマーケティング支出及びその計算に関する追加の情報を提供するものである。テーブルは、現在のマーケティング支出1161、理想的なマーケティング支出1162、及びこれら2つの間の差分1163の各々につき、このマーケティング支出のレベルに対して予測される収益1151、このマーケティング支出のレベルで発生すると予想される商品及びサービスのコスト1152、このマーケティング支出のレベルで生じる粗利益1153、マーケティング支出1154、及びこのマーケティング支出のレベルで予想されるマーケティング貢献事後経費1155を示す。
【0034】
利益曲線を定め、そのピークに達する総マーケティング予算レベルを特定するために、ファシリティはまず、サブジェクトオファリングに適した総マーケティング予算の弾性を決定する。この弾性値は、0.01と0.30との間の範囲に収まり、この範囲内に留まるように優先される。ファシリティは、各々がサブジェクトオファリングのための特定の属性値に関連するいくつかの調整係数に従って、0.10又は0.11などの初期弾性値を調整することにより弾性を計算する。これらの調整係数のサンプル値を以下の表1に示す。
表1
業界新規度の列は、図7に示す制御701に対応する。例えば、制御701における一番上のチェックボックスがチェックされた場合、ファシリティは業界新規度の列から調整係数0.05を選択し、制御701における真ん中の2つのボックスのいずれかがチェックされた場合、ファシリティは業界新規度の列から調整係数0を選択し、制御701における一番下のチェックボックスがチェックされた場合、ファシリティは業界新規度の列から調整係数−0.02を選択する。同様に、マーケティング革新の列は図7に示す制御704に対応し、新規情報の列は図8に示す制御801に対応し、マーケットシェアの列は図8に示す制御803に対応する。広告品質の列は、図9に示すチャート910及び920に対応する。具体的には、2つのグラフにおいて選択されたセルの、各グラフの左下隅に対する位置の和を使用して、高、中、又は低レベルの広告品質が決定される。
【0035】
次にファシリティは、以下の表2で詳細に説明するように、調整された総マーケティング予算の弾性を使用して、最大利益が発生する総マーケティング予算のレベルを決定する。
表2
【0036】
図12は、支出構成情報を示すためにファシリティが提供する表示である。表示は、ファシリティが指示する全体的な予算1201を含む。ユーザは、下方に示された分配情報への影響を調べたい場合、この予算を編集することができる。表示は、マーケティング予算の指示に関する特別な問題を特定するためにユーザが使用できる制御1202及び1203も含む。表示は、いくつかのマーケティングアクティビティの各々に関する様々な情報を示すテーブル1210をさらに含む。各行1211〜1222は、異なるマーケティングアクティビティを特定している。各行は、現在のパーセンテージ配分1204、理想的なパーセンテージ配分1205、千ドル単位で表したブランドへのドルの配分1206、千ドル単位で表した製品へのドルの配分1207、及び千ドル単位で表した現在と理想との間のドルの差分の列にさらに分割される。例えば、行1214から、ファシリティが印刷広告への配分を15%から10%へ削減することを指示し、そのうちの330万ドルがブランドのための印刷広告に使われ、そのうちの220万ドルが製品のための印刷広告に使われること、及び現在の印刷マーケティングへの配分が理想的な配分よりも185万ドル多いことが分かる。表示は、予算及びマーケティングアクティビティのいずれかを含め、或いは排除すべくバーチャートによるレポートをカスタマイズするためにユーザが使用できるセクション1230をさらに含む。ユーザが、チェックボックス1231〜1233を選択して、TV、ラジオ、及び印刷のマーケティングアクティビティに関する棒グラフを含むレポートにセクション1250、1260、及び1270を追加していることが分かる。TVマーケティングアクティビティのセクション1250には、全国放送TVへの現在のパーセンテージ配分を示すバー1252、ケーブルTVへの現在のパーセンテージ配分を示すバー1253、全国放送TVへの理想的なパーセンテージ配分を示すバー1257、及びケーブルTVへの理想的なパーセンテージ配分を示すバー1258が含まれる。他のレポートのセクションも同様である。
【0037】
図13図18は、図12に示すアクティビティ分配をファシリティが決定するプロセスを説明している。図13は、ユーザから追加のオファリング属性情報を収集する段階を表すプロセス図である。いくつかの実施形態では、図6図9に示したものに設計上類似したユーザインターフェイスを使用して、この追加の属性情報がユーザから取得される。図13は、サブジェクトオファリングに関してユーザからの値を求めるいくつかの属性1300を示す図である。
【0038】
図14は、サブジェクトオファリングに関する3つの導き出される尺度、すなわち認知、影響、及び経験の導出を示すプロセス図である。これらの導き出される尺度の値は、サブジェクトオファリングに関してユーザが提供した図13に示す属性の値に基づいて導き出される。
【0039】
図15は、マーケティングアクティビティの配分の組を示すテーブル図であり、各々は、図14に示す3つの導き出される属性の様々な組み合わせに対するものである。例えば、図15は、高い認知スコア及び中ぐらいの影響スコアを割り当てたサブジェクトオファリングの場合、マーケティング資源を以下のパーセンテージで、すなわちTV44%、印刷雑誌12%、印刷新聞0%、ラジオ5%、屋外0%、インターネット検索10%、インターネット広告ワード5%、ダイレクトマーケティング12%、スポンサーシップ/イベント7%、PR/その他5%、及び街頭0%で配分すべきであることを示している。これらの9つの配分のグループの各々は、図3に示したもののような相対的アクティビティの弾性に基づいており、ライブラリに含まれる過去のマーケティング努力のグループに使用される認知及び影響スコアによりグループ分けされる。
【0040】
図16は、図15のテーブルにより指示された初期配分を、いくつかの特別な条件1600に関してどのように調整すべきかを示すプロセス図である。
【0041】
図17は、個々のマーケティングアクティビティに費やすためのドル額をファシリティがどのように決定するかを示すプロセス図である。プロセス1700は、ユーザが指定するターゲットオーディエンスのサイズを測り、ターゲットの感情的パーセンテージで除算して購入範囲、すなわちマーケティングメッセージが表示されるユーザ数を求める。この数に調整した配分のパーセンテージを乗じて顧客当たりの頻度を求め、次にこの数に1年当たりの購入サイクル数及び1インプレッション当たりのコストを乗じて個々のアクティビティに関する推定支出を求める。
【0042】
図18は、図17に示した結果への最終調整を示すプロセス図である。プロセス1800は、ターゲットオーディエンスを拡大又は縮小して、サブジェクトオファリングに関してファシリティが決定した総マーケティング予算に一致させることを定めている。
【0043】
図19は、3つの異なる形で包装された同じ製品のようないくつかの関連するサブジェクトオファリングに関して、ファシリティが行う資源配分の指示を表すためにファシリティが提供する表示を示す表示図である。表示は、関連するサブジェクトオファリングの各々、パックA、パックB、及びパックCをグラフで示すチャート1910を含み、これらのパックの各々を円で示している。円の中心位置は、オファリングに配分された現在の及び理想的な総マーケティング予算を示しており、個々の円の45度の直線1920からの距離及び方向により、オファリングに関してマーケティング支出を増やすか又は減らすか、及びその金額を示すようになっている。例えば、パックAの円1911が45度の直線よりも上にかつ左にあるという事実は、パックAに関してマーケティング支出を増やすべきであることを示している。さらに、個々の円の直径及び/又は面積は、そのオファリングに関してファシリティが指定する理想的な総マーケティング予算が採用されると仮定した場合の対応するサブジェクトオファリングに起因する総利益を反映している。表示はまた、個々の関連するサブジェクトオファリングに関して、現在の及び理想的なマーケットシェア及び量の両方を示す棒グラフを含むセクション1930も含む。表示はまた、図11のセクション1150に示したものと同様の情報を示すセクション1940も含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、シンジケートメディア、シンジケート販売データ、インターネットメディア、インターネット行動データ、自然検索クエリデータ、有料検索活動データ、テレビ、ラジオ、印刷物などのメディアデータ、消費者行動データ、追跡調査データ、経済データ、天気データ、株式市場などの金融データ、競争マーケティング支出データ、及びオンライン及びオフライン販売データを含む数多くの種類の外部ソースの1又はそれ以上から受け取ったデータを検討する。
【0045】
様々な実施形態では、ファシリティが、以下でより詳細に説明する次のさらなる態様の1又はそれ以上を組み入れる。
1)ブランド/クライアントのニーズに対する通信タッチポイントの最小距離マッチング
2)通信ニーズの分類方法(認知、影響及び経験)
3)伝統的メディア及びインターネットメディア、並びに経験係数の相互作用
4)コアメディア、インターネットメディア及び経験係数の同時最適化
5)成果に関するユーザ固有のマルチソースデータ(USMSD)と計算に必要なドライバ変数との組み合わせ
6)モデリングのためのデータスタックの知的オートメーション
7)モデル仕様、統計的推定及び専門知識の知的オートメーション
8)マーケティング及びブランド反応の予測的モメンタム(DNM)インジケータとしての動的リアルタイムインターネット「ネイティブ」検索データの使用
9)マーケティングドライバ、ブランドモメンタム及びマーケティングROIを使用した、成果の動的相互作用、最適化、予想及び予測の測定
10)ブランド/クライアント結果の報告
【0046】
1)最小距離マッチング
(1.1)情報(Qx)、影響(Qy)及び経験(Qz)に関する入力質問を使用して、ファシリティは、これらの3次元、及び(1、2、3のように数値的にコード化された)低、中及び高の3点スケールを使用してブランド/クライアント通信ニーズを分類する。
【0047】
(1.2)ファシリティは、通信チャネルとしても知られている数多くの通信タッチポイントのいずれかを介して資源を配分することができる。個々のチャネルごとに、ファシリティは「中」の能力を検討して、ブランド/クライアント通信の情報、影響及び経験次元を配信する。
【0048】
通信チャネルを選択する場合、ファシリティは、通信ニーズと媒体/チャネルとの間の「距離」を最小化して、マーケット反応及びその後の弾性及び理想的な経済性計算の用途に関連するタッチポイントを選択する。
【0049】
距離は、ブランド/クライアントニーズと媒体/チャネルとの間の二乗差の和(SSD)として定義される。
距離=(媒体認知−ブランド認知)^2+(媒体影響−ブランド影響)^2+(媒体経験−ブランド経験)^2となり、^は累乗法を示す。
【0050】
2)分類の方法
分類の方法については、上記の段落1.1及び1.2で説明している。
3)伝統的メディアとインターネットメディアとの間の相互作用方法
コア成果の方程式は、
成果=(基準成果)*((資源1)^弾性1)*((資源2^弾性2)その他のように定義される。
資源を追加する場合は右辺を乗算する。
【0051】
ファシリティは、方程式3の伝統的メディアを、資源と成果をリンクするいわゆる「直接経路」として組み合わせる。
【0052】
ファシリティは、このモデルを2つの方法でインターネットを含むように拡張する。
【0053】
方法3.1は、伝統的メディア(TV、印刷、ラジオ、その他)と共に、オンライン表示及び有料検索のためのインターネットメトリクスを追加して含めることである。
【0054】
方法3.2は、インターネット「自然」検索(VINS)のための1又はそれ以上の変数/メトリクスも追加して含めることである。自然検索の例には、インターネット検索ボックスで使用された単語のカウントデータがある(インプレッション及びクリックとは区別される)。
【0055】
次に、ファシリティが、第2の「間接経路」方程式を追加及び適用することにより、伝統的マーケティング及び販売資源によってインターネット自然検索が説明される。
マーケティング成果=F(伝統的資源、インターネット資源、自然検索、ベース)
自然検索=F(伝統的資源、インターネット資源、ベース)
【0056】
これらの2つの式は「再帰的に」機能する。
【0057】
実際には、マーケティング及び販売資源は、消費者/マーケットの注目及び発見を促進する。発見行動は、自然検索により測定される。その後、再帰的プロセスでは、インターネット資源が注目を行動に「変換」する。
【0058】
4)同時最適化
次に、直接及び間接経路方程式が、経済的最適化の「トップライン」のメカニズムを提供する。
【0059】
ファシリティは、様々な資源入力レベルを適用し、成果を得るために再帰的トップライン方程式に成果を流し、その後(収益を落とすための)関連する弾性及び関連する資源の利幅及び費用を適用する。
【0060】
また、いくつかのケースでは、ファシリティがこの方法を第3の方程式で拡張することにより、有料検索も自然検索と同等に処理される。従って、有料検索は中間成果である。
【0061】
あらゆる動的、モメンタム、中間又は暫定ブランドメトリック(認識、検討、バズ)が、この第3の方程式の方法を使用して処理される。
【0062】
5)ユーザ固有のマルチソースデータ(USMSD)
需要/成果の方程式は、以下のデータ入力を必要とする。
・ブランド仕様
・外部業界仕様
・マーケティング及び販売資源のデータ
・ブランド/ユーザ/クライアントに関するインターネット固有のデータ
【0063】
ファシリティは、上記で概説した第2の方程式の方法を使用した需要モデリングのためにこれらの4つのデータストリームをまとめる点で独特である。
【0064】
5.1)通常、ブランドデータは、容量販売、価格設定、収益、新規顧客のカウント、既存顧客のカウント、顧客保持、顧客減少及び製品又はサービスの顧客アップセル/クロスセルを含む。ブランドデータはまた、入力質問から得られる業界及びブランド/クライアント属性も含む。
【0065】
5.2)外部データは、一連の外部係数及びドライバを含む。通常、これらは、経済的条件及び傾向並びに天気、競争者マーケティング及び販売資源及びその他を表す要素を含む。
【0066】
5.3)マーケティング及び販売データは、資源入力のための様々な尺度を含む。これらは、通信媒体/タッチポイントのための資源支出を含むことができる。これらは、媒体/タッチポイントのための資源の物理的尺度(ダイレクトメールカウントなどの時間ベースの格付けポイント又は物理的単位)を含むことができる。
【0067】
5.4)インターネット固有データは、主にワードカウント及びワードクラスタ及び意味的フレーズのカウントを使用した自然検索の尺度を含む。通常、これらの単語尺度は、ブランド名自体、ブランドに関連するキーフレーズの側面(いわゆる、ユニバーサル販売計画)、ブランドに関連する品質及びより一般的な又は一般化された単語などのブランドポジショニングの側面を処理する。
【0068】
図20図23は、いくつかの実施形態においてファシリティが提供する、これらのデータ入力のいくつか又は全てを指定して自動的に収集するための代表的なユーザインターフェイスを示す表示図である。図20は、ユーザが最も適切なカテゴリを選択するためのビジネスカテゴリのリストを含む初期表示を示している。
【0069】
図21は、4つのデータ入力のカテゴリ2110、2120、2130、及び2140のデータ検索状態を示すダッシュボードを示している。個々のタイプは、例えばインターネットデータカテゴリ2110に関しては状態インジケータ2111〜2113などの、このカテゴリにおけるデータの検索状態などを示すための状態インジケータを有する。また、ユーザはデータタイプのいずれかをクリックして、そのタイプのデータに関する詳細な情報を閲覧することができる。
【0070】
図22は、マーケティング及び販売データカテゴリにおけるデータの詳細表示を示している。この表示2200は、マーケティング及び販売データカテゴリのいくつかの異なる構成要素2211、構成要素の各々の検索状態を示す状態インジケータ2212、及びユーザが個々の構成要素の検索を開始するために操作できる制御2213を示す。
【0071】
図23は表示を示している。この表示は、オファリングに関連する自然検索用語及び有料検索用語を入力するための制御2311、個々の自然検索及び有料検索の関連する時間を指定するための制御2312、及び自然検索及び有料検索の頻度データがどこから検索され記憶されたかを指定するための制御2313を含む。
【0072】
6)知的データスタック
ファシリティは、図20図23に示すデータダッシュボードユーザインターフェイスを使用して、ユーザが適当な成果及びドライバデータの組、並びにファシリティが使用する金融係数を選択できるようにする。
【0073】
次に、ファシリティは、個々のデータクラスごとにデータ入力テンプレートを提供する(上記5.1、5.2、5.3、5.4を参照)。
【0074】
次に、ファシリティは、品質及びデータスクラビングアルゴリズムの組を適用して、指定されたデータストリームの全体的な完全性、一貫性及び精度をユーザのために検証する。
【0075】
次に、ファシリティは、これらのデータベクトルをモデリングのための全体的なファシリティマトリックス(MOM)に変換してロードする。
【0076】
通常、MOMの行構造は、時間領域、顧客セグメント、トレーディングのチャネル及び/又は地理的レイヤを含む。
【0077】
通常、MOMの列構造は、最終的成果変数、中間成果変数及びドライバ変数を含む(5.1、5.2、5.3及び5.4を参照)。
【0078】
ファシリティは、データ及び需要モデル仕様にいわゆるログ/ログ変換を使用する。
【0079】
Ln(成果)=定数+係数1*Ln(ドライバ1)+係数2*Ln(ドライバ2)+係数3*Ln(ドライバ3)、その他。
【0080】
ファシリティは、様々な式の統計的推定のための一般化最小二乗(GLS)法を適用する。
【0081】
ファシリティは、季節性を含む計量経済学で使用されるあらゆる必要な「ダミー」変数も構築する。
【0082】
7)知的推定
ファシリティは、候補モデル(CM)にわたる連鎖及び比較方法、統計的診断、モデル/方程式係数のt値及びGLS推定値を含む。
【0083】
ファシリティは、約40個のCM変数及び関連する診断のGLS推定を行う。(ファシリティは、GLSのための数値アルゴリズム及び方法を含む。)
【0084】
次に、ファシリティは、資源レベル及びミックスの経済的最適化のための反応係数(反応弾性)のBLUS(最高、線形、不偏推定値)を選択して利用する。
【0085】
この選択は、最良適合、最高t値、多重共線性の欠如、系列相関の欠如、及びエキスパートライブラリ(CEL)及び正しい数値符号(正、負)に一致する弾性推定値により決定される。
【0086】
8)動的ネイティブモメンタム(DNM)
上述したように、インターネット自然検索に関するとともにこれから得られるワードカウント及びワードカウントクラスタは、ブランドモメンタム、ブランド品質及びブランドイメージの概念を含むとともにこれに対処する。
【0087】
ファシリティは、これらのワード/意味的概念を、直接経路及び間接経路方程式(上記を参照)の2つの方程式内で関連し使用されるドライバ変数に分類する。これらの意味論的「バケット」は、ブランド名自体に関する受け取ったクエリのカウント、製品又はサービスカテゴリに関するカウント、及び(例えば、ハイブリッド技術車対レクサスRXHのような)より一般化されたテーマに関するブランド/クライアント競争者及びカウントを含む。
【0088】
ファシリティは、Google、Yahoo又はMSN又はその他(MySpaces、Facebook、YouTube)などの検索プロバイダ、並びに無線及びモバイル装置からの自然検索から得られるワードカウントの動的フィードを含む。
【0089】
通常、DNMデータは、進行中のインターネットトラフィックの動的サンプルである。ファシリティは、「x」百万クエリ当たりのカウントを使用する。
【0090】
9)最適化、予測及び予想におけるインターネットモメンタムの動的使用
ファシリティは、上述した2つの方程式の方法を使用して、資源ドライバに関してブランド/クライアント目標のトップダウン最適化を構成する。ここでは、ドライバは、伝統的マーケティング及び販売、並びに価格設定及びインターネット資源の両方を含む。
【0091】
ファシリティは、直接計算(閉形式微積分)及び分枝限定(B&B)発見的方法の両方を使用して、資源ドライバのドメインを使用して理想的な成果を計算する。
【0092】
10)ファシリティによるブランド/クライアント成果及び結果の報告
ファシリティは、ブランド/クライアント成果の視覚的報告及びGUIを含む(本明細書では、Compass SMB、Compass Agency及びCompass USMSD/DNMを参照のこと。)例えば、様々な実施形態では、ファシリティが、販売反応曲線、利益曲線、及び現状対理想棒グラフの1又はそれ以上を使用して成果を表示する。
【0093】
様々な実施形態では、ファシリティが、これらのチャネルのいくつか又は全てに、及び場合によっては追加チャネルにわたって資源を配分する。
テレビ
ムービーシアター
ラジオ
新聞
雑誌
印刷記事
顧客雑誌
自由折り込み
インターネット広告
インターネット検索
ブランド/会社のウェブサイト
電子メール
屋外
ホームショッピングTV
プロダクトプレイスメント
空港
公共交通機関
スポーツイベントの後援
他のイベントの後援
診療所
800/通話料無料回線
家庭でのメーリング
有名人のお墨付き
店内広告
店内調査
プロモーション及び特別オファー
製品サンプル
友達及び家族からの推薦
専門家からの推薦
ビデオオンデマンド
ビデオゲーム
ストリーミングビデオ
インタラクティブTV
スペックテキストテーブル
【0094】
「ACE」調整されたマルチソースマーケット反応弾性ライブラリ
通常、マーケット反応最適化(MRO)は、(1)資源レベル及びミックスにおける適当な変動、並びに(2)適当なデータ観察を具体化するデータに基づく資源反応弾性パラメータの最高、線形、不偏推定値(BLUS)を必要とする。
【0095】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、クロスブランド及びクロス資源のサードパーティデータを使用して弾性のBLUS推定値を計算するための4ステップ法を使用する。特に、いくつかの実施形態では、ファシリティが、いくつかのサードパーティのソースの各々から、このサードパーティデータの回収及びマッピングを誘導するためのソースごとの所定のテンプレートを使用して成果及びドライバデータを回収する。この4ステップ法は、異なるクライアントが追随し得るデータ収集及び報告処理の違いに関わらずクライアント全体にわたって一貫した成果及びドライバに対して、ACE−Lメタデータをサードパーティのデータと組み合わせ、BLUSのための最高統計方法とさらに組み合わせて使用する。
【0096】
値及び結果は、資源最適化に使用されるクロスブランド、クロスメディア弾性の包括的データベースである。この全体的方法は、(1)幅広いクロスブランド及びクロス資源条件にわたる販売成果に対して費やされる資源の純粋な影響、及び(2)ACE−Lスコアを介して「コンテンツ影響」を定義するための代替方法の影響を可能にして測定する。
【0097】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、クライアントに推薦する資源配分を生成するために、この回収したサードパーティデータを、販売又はクライアントから得た1又はそれ以上のその他のビジネス成果に関するクライアント固有のデータとともに使用する。いくつかの実施形態では、これにより、クライアントから成果及び/又はドライバデータを収集する必要性を未然に防ぎ、多くの場合、時間及び資源を大幅に節約することができる。
【0098】
マルチソースデータ
モデリングには2つの主なクラスのデータ−成果及びドライバが存在する。経済的モデリングでは、通常、ACE法は、組み合わせた時系列及び断面データを利用する。
【0099】
マルチソースライブラリ(MSL)及び成果(依存変数)では、ACEは、ライブラリ内のブランド/サービスに一貫した販売収益の定義を使用する。
【0100】
マルチソースライブラリ(MSL)及び資源ドライバでは、ACEは、独立変数の範囲を使用する。
【0101】
ステップ1:ファシリティが、サードパーティデータプロバイダからこれらのドライバに関するデータを取得する。例えば、時間、マーケットの位置及びメディアの種類別のメディア支出のデータ系列を1又はそれ以上のサードパーティソースから取得することができる。データクラスは、経済、競争、追跡、価格設定、チャネル資金、販売力、小売店条件、オフラインマーケティング及びオンラインマーケティング並びに特定のモメンタムデータを含む。
【0102】
通常、これらのサードパーティデータソース(3PDS)には、クライアント固有のトランザクションデータに関する既知の又は良く理解された差異(変数誤差、下記を参照)がある。しかしながら、一般にこれらの差異は一貫していると考えられる。
【0103】
マルチソースライブラリの断面は、ブランド/サービス、地理及びそれ以上から構成される。発明者らは、ブランドのライブラリデータ内及びこれらを通じて一貫して定義される3PDS資源ドライバなどを適用する。事実上、ファシリティは、ブランド/クライアントにわたるデータ定義の差異に起因するデータの変動を推定する。
【0104】
ACE調整された動的パラメータ
基本方法は、^が自然指数を示すとすると、販売=ベースボリューム時間(マーケティング資源)^弾性パラメータを定義することである。
販売=(ベース)*(資源)^(差分)
【0105】
個々のブランド(すなわち、データレコード)ごとに、ファシリティは、1〜5スケールに基づくそのACEスコア−影響(A)、認知(C)及び経験(E)を定義する。また、いくつかの実施形態では、ファシリティが、ローカルマーケット又は時間感度(L)のための1つの係数も追加する。
【0106】
ステップ2:次にファシリティは、単一のブランドと単一のマーケティング媒体との組み合わせに対する弾性を求めるために、以下の仕様を使用してモデリングを拡張する。
弾性パラメータ(差分)=(c0+c1*影響+c2*認知+c3*経験+c4*ローカル)。
【0107】
最小二乗回帰分析を使用して係数c0〜c1が求められる。ライブラリ内の個々のレコード(断面)は、ACE−Lスコアを使用するとともにこれを含む。
【0108】
特に、これの意味するところは、ブランド特性、及びメディアタイプの影響、認知及び経験に関するコンテンツを運ぶ能力により、弾性の上下の動きが可能になるということである。
【0109】
例えば、消費者の意欲を引き出すために必要な影響スコアを増加させることで、この状況ではさらに、異なるコンテンツ目標を有する他のブランドに対してTVメディアの弾性を増加できるようになる。印刷及びインターネットに関するリフト係数は情報ニーズと共に増加する。屋外、ラジオ及び新聞に関するリフトはローカルマーケットフォーカスと共に増加する。
【0110】
反応弾性の完全なBLUS推定
ACE−Lの無い基本又はコア弾性パラメータは、定式化を以下のように使用する。
コア方程式:
Ln(販売)=d1*Ln(期間前販売)+d2*Ln(ベース)+差分*Ln(資源)+その他+誤差
【0111】
個々の資源は、この定式化を同様に拡張する。「差分」を導くその他の係数については、革新を含みCompassで説明している。
【0112】
ステップ3:ファシリティは、このコア方程式にACE調整を順に代入して差分を置き換える。結果として、追加ドライバのような、ACE構成要素を含む一連の直接的影響及び「相互作用」が得られる。一例として、
コア方程式の部分構成要素=(C0*Ln(資源)+C1*影響*Ln(資源)+その他)
【0113】
これらの直接的及び相互作用パラメータの正しい推定は、データ及び定式化が特定のルールに従うことを必要とする。
【0114】
1つのルール又は仮定は、誤差項が、類似した相違ではあるが、互いに独立した同一の分布に従う(iid)ということである。
【0115】
しかしながら、断面設計に起因して、同質仮定のいくつかの側面は満たされることはない。
【0116】
この状態は、不均一分散性として知られている。
【0117】
ステップ4:不均一分散性を修正するために、ファシリティは、固定母数を使用した一般化最小二乗(GLS)推定及び対応する断面の「重み」の両方を加える。
【0118】
その他のルールとして、この方程式に前期からの販売などのビジネス成果を説明変数として含めることにより、ラグ項を使用して系列相関を修正することが挙げられる。
【0119】
ユーザインターフェイス
いくつかの実施形態では、ファシリティが、クライアントの入力を求めて結果をACE処理の一部として提示するためのユーザインターフェイスを提供する。図24図49は、ACE処理に関連してファシリティが提供する典型的なユーザインターフェイスを示す表示図である。
【0120】
図24は、ユーザが自身のアカウントにアクセスするために使用するアカウントログイン画面である。
【0121】
図25は、新規取引先に関する識別情報を入力するための会社作成フォームを示している。
【0122】
図26は、クライアントの業界を選択するためのコントロール2601を含む。図26は、ACE分析で使用するための、異なるサードパーティのソースからの利用可能な様々な種類のデータの中から選択を行うためのコントロール2602をさらに含む。
【0123】
図27は、ACE処理の様々な段階を作成して定義するためのコントロールを含む。図28は、クライアントのための1又はそれ以上のプロジェクトを作成して定義するためのコントロールを含む。図29は、特定のプロジェクトに関する識別データを入力するためのコントロールを含む。
【0124】
図30は、異なるソースからのデータ取り込み、及び様々なソースからの制御データ取り込みの状況を見極めるために使用できるコントロールを示している。
【0125】
図31は、異なるマーケティングアクティビティに対する現在の資源配分、及び現在のビジネス成果を示すレポートを示している。図32は、現在の資源配分と比較して推奨される資源配分、及び予想されるビジネス成果の違いを示すレポートを示している。図33は、推奨される資源配分、及び考えられる異なるレベルの総マーケティング支出に関して予想されるビジネス成果を示すレポートを示している。
【0126】
図34は、ACE技術により回答を受けるべく設定された一連の質問を示している。
【0127】
図35は、異なるマーケティングアクティビティが単独で業績を後押しすると理解される直接経路モデルを示している。図36は、ある種のマーケティングがインターネット検索を後押しして、これがさらに業績を後押しすると理解される直接経路モデルを示している。図37は、これらの2つのモデルをともに適用する解析手法を概説している。
【0128】
図38は、直接経路モデルの対策精度を示している。
【0129】
図39は、異なる形のマーケティングアクティビティの相対的な定量的影響すなわち「リフト」を示している。図40は、いくつかのマーケティングアクティビティをともに採用した場合の、これらが相互作用又は相乗作用を与える定量的度合いを示している。図41は、マーケティング形態の1つに対して配分を徐々に増加させることによる予想効果を示している。
【0130】
図42は、直接又は間接経路モデルに関するいくつかの結論を示している。
【0131】
図43図48は、同じクライアント、ブランド、期間に関する2組のレポートを示している。「シナリオ1」という表題の第1の組は、考えられる最小限の総マーケティング支出で特定の収益目標に到達するために推奨される配分を示している。図43は、現在の収益レベルに対する現在の配分を示している。図44は、現在の配分と比較した推奨される配分を示している。図44は、現在のビジネス成果と推奨される配分に関して予測されるビジネス成果との予想される違いをさらに示している。図45は、いくつかのレベルの総マーケティング支出のごとの予想されるビジネス成果のレベルを示している。
【0132】
「シナリオ2」という表題の第2のレポートの組は、利益総額を最大にするために最適化された配分を示している。図46は現在の配分を示している。図47は、現在の配分と比較してシナリオ2に対して推奨される配分、及びこの推奨される配分から予想される相対的ビジネス成果の表示を示している。図48は、いくつかの異なる総マーケティング支出レベルごとに、そのレベルにおいて予想されるビジネス成果を示している。
【0133】
仕様、推定、原因となるドライバの発見及びマーケット反応弾性又はリフト係数の自動化
図49は、ファシリティによりクライアントに対して生成される結論を示している。
【0134】
いくつかの実施形態では、ファシリティが、本明細書の他の箇所で説明した(単複の)フレームワークを使用して、モデルの仕様、弾性の推定、及びドライバの発見を自動化する方法を実施する。
【0135】
ファシリティはまず、利益の最適化、売買高又は収益目標、新規顧客の獲得、顧客の保持、シェアオブウォレット及びアップセルの観点から、クライアント、ビジネス、及び/又はブランド目標を取得する。これらの目標とともに、ファシリティは、行動時間計画、マーケット、地理学、取引経路及び顧客層に関する断面メタデータを取得する。これらの目標とメタデータを組み合わせて、必要なデータスタック構造及びデマンドジェネレーション方程式の数を定める。
【0136】
1)他の箇所で説明したように、ドライバデータセットは、予め定めた関数情報クラス内に又はこれら全体にわたって変数を含む。これらのクラスは、経済状態、天候及び季節性、競合要因、プロダクトイノベーション、流通、追跡及び認識、モメンタムインジケータ、価格設定、オンライン及びオフラインの両方におけるマーケティングコミュニケーション及びメイン広告媒体、該当する場合にはインターネットデータ、販売員、流通経路開拓資金及びその他を含む。
【0137】
2)上述したドライバデータセットのためのデータソースはデータ辞書に記載されている。ファシリティは、この外在物をアップロード、ダウンロード及び管理する方法を提供するとともに、これらの進行中における分析した情報の流れを提供する。
【0138】
3)個々のデータクラスは、1又はそれ以上の標準的データテンプレートファイルを含む。個々のレコード上の個々のファイル内のメタデータが、個々のデータレコードの内容を識別する。ファシリティは、抽出・変換・ロード(ELT)マクロ/手順を含む。
【0139】
4)ファシリティは、ETLマクロを実行して、計量経済学対応マトリクス(n×k次元)及びデータスタックを構築する。通常、データスタックは、時系列及び断面設計を使用する。行がデータレコード(n個の記録)であり、列(k)が成果変数及びドライバ変数である。
【0140】
5)ファシリティは、個々の変数を「ロール」というそれぞれのクラスで符号化する。スタック内の関連する時間遅延と特別な追加列の組も、遅延変数、すなわち遅延独立変数及び遅延ドライバ変数の両方を有するように予め定められる。
【0141】
6)ファシリティは、最適化のために2段階の階層化法を使用する。段階1では、以下で定めるビジネスルールに準拠することを確実にする。段階2では、統計的信頼及び最良の方法への準拠を確実にする。
【0142】
7)ファシリティは、記述された計量経済学モデルのクラスを倍数詞として使用する。販売収益が、基本売買高並びに個々のドライバ変数及びその関連する弾性の関数として記述される。この仕様は、オフライン及びオンライン両方のマーケティング及びそれ以上を含む。
【0143】
8)弾性パラメータを推定するために、ファシリティは、自然対数を使用して成果変数及びドライバ変数を変換する。この結果得られる回帰方程式は、パラメータが線形になる。データベース内のゼロ値にはわずかな定数が加算される。
【0144】
9)ETLにおける変換ステップでは、特定の変換を行ってデータスタックを組み立てる。データスタックは、N個のデータオブザベーションレコード及びK個の説明変数を含む。個々のドライバ変数候補は列ベクトルとなる。
【0145】
10)ファシリティは、断面重量を使用した母数効果を含む一般化最小二乗(GLS)技術を使用してパラメータを推定する。いくつかの実施形態では、ファシリティが複数の方程式をスタックし、このことは、Seemingly Unrelated Regression(SUR)として知られている。いくつかの実施形態では、ファシリティが、2SLS、3SLS、又は最尤法を使用して連立方程式を解く。
【0146】
11)ファシリティは、自動マクロを使用して、上記で概説した段階の各々、並びにテーブル及び図形出力を実行する。
【0147】
12)ファシリティは、複数目標探索法(multi−goal seeking method)を使用し、単純性、ビジネスロジック、統計的品質、及び安定性といった目標階層に基づいて最良の仕様及びパラメータ推定値を選択して推奨する。個々の目標は特徴の組に対応する。
【0148】
13)他の要因を同じものとすれば、単純性とは、ファシリティが、他の目標を実現する最小のドライバ変数の組、すなわち最低限の数のドライバ変数を使用しながら主なドライバクラスをカバーすることを意味する。
【0149】
14)コアとなるビジネスロジックは、販売反応曲線が凸状(収益逓増)、凹状(収益逓減)、又はS字型になることである。これらの状態は、反応弾性の値に左右される。広告を含むほとんどのドライバは、弾性が1未満(凹状)であると予想される。価格、価格促進、流通及びいくつかの経済的変数は、弾性が1よりも大きい(凸状)場合がある。また、ミクロ経済理論によれば、価格設定を除くリソースドライバの数値符号はプラスでなければならない。また、価格弾性の符号はマイナスでなければならない。
【0150】
15)いくつかの実施形態では、ファシリティが、個々のクラスから少なくとも1つのドライバ変数のための推定される方程式に非ゼロ係数を組み入れる。
【0151】
ファシリティが使用する弾性ライブラリは、同様のモデル及び弾性のデータベースである。ファシリティは、あらゆる方程式候補及びそのパラメータが、関連するブランド及びサービスメタデータのための弾性ライブラリからの弾性ノルムの範囲内にあることも必要とする。
【0152】
16)ファシリティは、いくつかの次元に関する統計的品質、すなわち信頼レベルを測定する。1つは、系列相関、共線性及び大きく異なる分散(不均一分散)を含む統計的問題が存在しないことである。第2の品質インジケータは、R**2技法で測定したときの「フィット」である。最も重要な品質測定は、個々の反応係数の個別の統計的信頼性となる傾向にある(すなわちt値が高いと対応するp値が低くなる)。
【0153】
17)ファシリティは、再帰ウィンドウ技術を使用してパラメータ推定値の安定性を評価し、この中で最小数のオブザベーションを使用してベースモデルを推定する。その後、後続するオブザベーションを1つずつ追加してパラメータの安定性を評価する。不安定性が発見された場合、ファシリティは、アナリストが介入できるように問題にフラグを立てる。
【0154】
18)ファシリティは、ハウスマンテスト及びグランガーテストなどの、内生性及び因果律のための標準テストも行う。
【0155】
19)必要な統計的診断として以下が挙げられる。
【0156】
20)ファシリティの反復及びMarcomを中心とした目標探索
【0157】
ドライバ変数がk個の場合、推定すべきドライバ変数の組み合わせ及び対応する方程式はk**2/2−1個存在し、kには遅延が含まれる。ファシリティは、個々の方程式候補の推定及び分類を行い、この候補を上記ルールに関して「採点」する。
【0158】
ビジネスルール及び統計的信頼ルールに準拠すると仮定すれば、ファシリティは、対応する弾性ライブラリの「ノーム」及びメタデータと一致するMarcomの主な構成要素(オフライン、オンライン)のための最良のt値を含む最終的な方程式を選択して推奨する。
【0159】
当業者であれば、上述したファシリティを様々な方法で容易に適合又は拡張できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0160】
100 ウェブサーバ
110 ウェブクライアント
120 インターネット
131 ページビュー要求
132 処理済みページ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図25
図26
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図35
図36
図37
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