特許第5677989号(P5677989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5677989
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20150205BHJP
   F24H 9/06 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   F24H9/02 301A
   F24H9/06 301B
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-4583(P2012-4583)
(22)【出願日】2012年1月13日
(65)【公開番号】特開2013-142528(P2013-142528A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】藤原 巨典
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 健一
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−2197(JP,A)
【文献】 特開2011−237061(JP,A)
【文献】 特開2008−267706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00 − 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクを収容する筐体を備える給湯機において、
前記筐体の前面の高さ方向下部を奥行き方向後方に後退させて、前記筐体に配管を接続するための配管接続空間が形成され、
前記筐体は、配管接続空間を形成すべく奥行き方向後方に後退した位置に配置される後退面部と、前記配管接続空間の上面として機能する空間上面部とを有し、
前記タンクを支持する脚部が前記筐体の前面側でタンクと接合され、
前記タンクと前記脚部との接合部が前記空間上面部に対応する高さ位置に設けられることを特徴とする給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクを収容する筐体を備える給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンクを収容する筐体を備える給湯機において、筐体の前面の高さ方向下部を奥行き方向後方に後退させて、筐体に配管を接続するための配管接続空間が形成され、筐体は、配管接続空間を形成すべく奥行き方向後方に後退した位置に配置される後退面部と、配管接続空間の上面として機能する空間上面部とを有し、タンクを支持する脚部が筐体の前面側でタンクと接合されるものがある(例えば、特許文献1等)。
【0003】
ところで、従来の給湯機は、タンクと脚部との接合部が空間上面部とずれた高さ位置に設けられていた。なお、図7には背面側の脚部のみ表され、前面側の脚部や接合部が表れていないが、通常は全ての脚部が同じ高さ位置でタンクと接合されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−144447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、空間上面部に対応する高さ位置は、機能部品の取り付けやメンテナンスの作業性を考慮すると、その高さ位置に機能部品を配置しにくい部分である。また、接合部は、機能部品を配置することができない部分である。
【0006】
従って、このように機能部品を配置する上で制約となる部分が分散して設けられていると、部品の取り付け自由度が低下せざるを得ない場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、タンクの前面側に配置される機能部品の配置の自由度を向上させることができる給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タンクを収容する筐体を備える給湯機において、前記筐体の前面の高さ方向下部を奥行き方向後方に後退させて、前記筐体に配管を接続するための配管接続空間が形成され、前記筐体は、配管接続空間を形成すべく奥行き方向後方に後退した位置に配置される後退面部と、前記配管接続空間の上面として機能する空間上面部とを有し、前記タンクを支持する脚部が前記筐体の前面側でタンクと接合され、前記タンクと前記脚部との接合部が前記空間上面部に対応する高さ位置に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機能部品を配置する上で制約となる部分を集約することで、タンクの前面側に配置される機能部品の配置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る給湯機を示す外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る給湯機の前面板を外した状態を示す正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る給湯機の側面板を外した状態を示す側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る給湯機の天面板を外した状態を示す平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る給湯機の正面拡大図である。
図6】本発明の実施形態に係る給湯機の側面拡大図である。
図7】従来の給湯機の側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の電気給湯機の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の電気給湯機の一実施形態を示す図である。
この電気給湯機は、筐体10と、高温の液体が貯留されるタンク13と、各種の機能部品を備える。具体的には、タンク13には、温水が貯湯される。また、タンク13に貯留する湯を作り出す熱源にはヒートポンプが採用され、前記ヒートポンプが使用する冷媒としては二酸化炭素が用いられる。ただし、熱源としてヒータを用いるものであってもよい。
【0012】
各種の機能部品とは、サーミスタや、給湯熱交換器,ポンプ,混合弁,電磁弁,配管などである。配管とは、タンク13の下部に給水するための給水管や、給水管を通じて給水された給水圧によりタンク13の上部から押し出された湯を導く給湯管などであり、タンク13の適当な箇所に接続されている。
【0013】
タンク13には、内部の水温を検知するサーミスタが設けられている。タンク13は、タンク本体とこのタンク本体を断熱する断熱材とで構成されており、サーミスタはタンク本体の表面に取り付けられた上で断熱材によって覆われている。このため、図2に示すようなタンク13の外観にはサーミスタが表れない。但し、断熱材にはサーミスタを故障時や組立時に取り付けるためのサーミスタ取付部16が設けられている。このサーミスタ取付部16は、断熱材に設けられたサーミスタ用孔部を覆う蓋状部材であってもよく、断熱材と一体的に設けられていてサーミスタを取り付ける際に事後的に切り取る位置を示した部分であってもよい。また、このサーミスタ取付部16に対応する位置に当初からサーミスタが取り付けられるものであってもよく、当初はサーミスタ取付部16に対応する位置にはサーミスタが配置されていないが故障時などに新たにサーミスタが取り付けられるものであってもよい。
【0014】
筐体10は、天面部1,底面部2,前面部3,配管接続部材4,背面部5,左側の側面部6,右側の側面部7とを備えている。
【0015】
なお、天面部1,底面部2,前面部3,配管接続部材4,背面部5,側面部6,7は、そのうちの何れか同士が一体的な部材として設けられるものであってもよく、それぞれ独立した板状部材として設けられるものであってもよい。天面部1,底面部2,前面部3,配管接続部材4,背面部5,側面部6,7がそれぞれ独立した板状部材として設けられる場合には、それぞれ、天面板,底面板,前面板,背面板,左側面板,右側面板と称することができる。
【0016】
上述した各種の機能部品は、筐体10とタンク13とによって形成される上下,前後,左右を包囲された空間に収められている。具体的には、機能部品の多くは、筐体10とタンク13との前面側の空間に収められている。
【0017】
タンクを支持する脚部は、筐体支持脚11とタンク支持脚14とによって構成されており、筐体支持脚11は底面部2を直接的に支持し、この底面部2の上にタンク支持脚14が配置されている。但し、脚部は、筐体支持脚11とタンク支持脚14とが一体的に構成されるものであってもよく、筐体支持脚11が設けられずタンク支持脚14のみによって構成されるものであってもよい。
【0018】
ここで、図1図4に基づき給湯機の寸法について説明する。給湯機の奥行き寸法L1は800mm、幅寸法L2は685mmとなっている。なお、筐体の高さ寸法L4は1972mmであるが、高さ寸法L5が160mmの筐体支持脚11が筐体に取り付けられることにより、給湯機の高さ寸法L3は2132mmとなっている。
【0019】
また、この電気給湯機は、筐体の前面の高さ方向下部を奥行き方向後方に後退させて、配管を接続するための配管接続空間(即ち、けこみ)Sが形成されている。筐体は、天面部1と、底面部2と、前面部3と、背面部5と、一対の側面部6,7とを備えるとともに、配管接続空間Sを形成すべく後退した位置に配置される後退面部8と、配管接続空間Sの上面となる空間上面部9とを備えて構成され、後退面部8と空間上面部9とは、配管接続空間Sを画成する配管接続部材4として一体的に設けられ、一対の側面部6,7のうちの少なくとも一方は、配管接続空間Sに対応して前方側下部を切り欠かれた構造となっている。即ち、けこみと形状を一致させるように、側面部6,7の一部は切り欠かれて凹部が形成されている。
【0020】
ここで、配管接続部材4は、筐体10の前面側下方に配置される。また、配管接続部材4の空間上面部9は、給水管と給湯管を筐体10外部の水道管や給湯利用端末へと導く配管と接続するための継手を固定する略水平な部位であり、後退面部8は、空間上面部9と直交する略垂直な部位である。
【0021】
空間上面部9は、現地据付作業性を良好なものとするため、接地面からの高さL9は約520mmに設定され、後退面部8は、前面部3の表面から背面部5がある奥行き方向へ向かって距離L11約92mm後退した位置に配置される。なお、寸法関係に関しては後述する。
【0022】
図2及び図3に示すように、タンク13は、タンク支持脚14によって支持されている。タンク支持脚14は、3つ設けられており、タンク支持脚14の少なくとも一つは筐体の前面側に配置されている。具体的には、前面側のタンク支持脚14は、図2に示すように、前面の幅方向中央部に配置されている。また、他のタンク支持脚14は、図3に示すように、筐体の背面側に配置されており、背面側の2つのタンク支持脚14は、幅方向中央部を挟んでその両側に配置されている。
【0023】
タンク13と前面側のタンク支持脚14との接合部15は、空間上面部9に対応する高さ位置に設けられている。従って、図2図5に示すように、前面側から見ると、接合部15は、空間上面部9と高さ方向に重複する配置となる。なお、図3図6にはタンク支持脚14や接合部15が表れていないが、側面側から見ると、空間上面部9の奥行き方向後方に位置する配置となっている。
【0024】
図5図6に基づき、各部の寸法について説明すると、タンク支持脚14の高さ寸法L6は393mmであり、高さ寸法L5が160mmの筐体支持脚11と合わせると、接地面からの高さL7は553mmとなる。また、タンク13と前面側のタンク支持脚14とは、所定長さL10に亘って接合されており、具体的には、接合部15の長さL10は90〜110mmに設定される。また、空間上面部9は、筐体の下端からの高さL8は360であるが、高さ寸法L5が160mmの筐体支持脚11と合わせると、接地面からの高さL9は、520mmとなる。
【0025】
上記構成によれば、タンクの前面側に配置される機能部品の配置の自由度を向上させることができる。即ち、空間上面部に対応する高さ位置は、機能部品の取り付けやメンテナンスの作業性を考慮すると、その高さ位置に機能部品を配置しにくい部分である。また、接合部は、機能部品を配置することができない部分である。この点、本実施形態のようにタンクと支持脚との接合部を空間上面部に対応する高さ位置に設けることで、機能部品を配置する上で制約となる部分を集約することができ、タンクの前面側に配置される機能部品の配置の自由度を向上させることができる。
【0026】
例えば、下から二番目に設けられるサーミスタ取付部16は、接合部や空間上面部に近い位置に設けられるものであるが、接合部と空間上面部とを集約することで、このサーミスタ取付部16を設けることが可能な範囲を大きくすることができ、延いてはこの位置に取り付けられるサーミスタの配置の自由度が向上している。また、サーミスタの配置自由度が向上すると、それに伴って配管の取り回しの自由度も向上させることができるといったように、機能部品同士の配置の自由度も向上させることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 天面部
2 底面部
3 前面部
4 配管接続部材
5 背面部
6,7 側面部
8 後退面部
9 空間上面部
10 筐体
11 タンク支持脚
13 タンク
14 筐体支持脚
15 接合部
16 サーミスタ取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7