【実施例】
【0010】
図1は、模範的な側壁光検出器100の等角図を描く。アクティブ溝側壁105は、基板101の地形的特徴部分上に配置されたドープ層110A、真性又はi層120A及び補足のドープ層130Aを持つp-i-n積層膜121などのフォトダイオード積層膜によって覆われている。そのp-i-n積層膜121は、基板101の側壁上に直接配置されたn型又はp型層(すなわち、p-i-n又はn-i-p積層膜を形成するために)のいずれか一方を持つ基板101の地形的特徴において配置されてよい。そのp-i-n積層膜121内の個別の層の厚さ及び構成は、選択された基板材料及び所定の波長に対して望まれる応答性に依存する。III-V材料は、本発明の一定の実施形態において使用されてよい一方、特定の実施形態において、p-i-n積層膜121は、ドープされた又は真性グループIV材料だけを含む。そのような実施形態において、そのp-i-n積層膜121は、シリコン、ゲルマニウム及びそれらの合金を含む。
【0011】
1つの実施形態において、p-i-n積層膜のドープ層110A及び補足のドープ層130Aの各々は、0.8μm未満の膜厚さを有する。そのドープ層110A及び補足のドープ層130Aは、適切のn型又はp型ドーパント種と従来技術で知られているようにドーピングされたエピタキシャル・シリコン(例えば、実質的に単結晶)又はそれらの合金であってよい。そのドープ層110Aは、また、基板101の上面エピタキシャル層104のドープ領域であってもよい。特定の実施形態において、補足のドープ層130A及びドープ層110Aのうち少なくとも1つは、SiGe電極半導体層を形成するようにゲルマニウムのバランスを持つ少なくとも60 at.%のシリコンを含む。約40 at.%までのゲルマニウムの添加は、そのフォトダイオードの主にゲルマニウムであるi層とp型/n型ドープ層との間の界面を改善することが分かっている。この界面は、p型/n型層にゲルマニウムを添加するとより滑らかになり、エピタキシャルi層120Aにおける欠陥も減らす。そのp-i-n積層膜121の堆積の選択性は、ドープ層110Aの中へゲルマニウムを導入することによっても影響を受けることから、特定の実施形態において、そのドープ層110Aはシリコンである一方、補足のドープ層130Aはシリコン・ゲルマニウム合金である。
【0012】
示される実施形態において、そのp-i-n積層膜121は、基板101において形成された深溝の側壁上に配置される。その側壁光検出器100は、アクティブ溝側壁幅W及びアクティブ溝側壁高さHに依存する検出器側壁領域を定義するアクティブ溝側壁105を含む。一般的に、そのアクティブ溝側壁105は、そのアクティブ溝側壁105に入射する光を適合するのに十分に大きい、300‐700μm
2(すなわち、直径が20‐30μm)程度又はそれよりも大きくてさえよいスポット・サイズ109を有する領域を有する。実施形態において、そのアクティブ溝側壁105は、10と30μmとの間のアクティブ溝側壁高さH及びアクティブ溝側壁幅Wを有する基板101の上面に実質的に垂直である。特定の実施形態において、そのアクティブ溝側壁高さH及びアクティブ溝側壁幅Wの両方は、約20μmであり、約300μm
2の側壁検出器領域を与える。
【0013】
示される実施形態において、そのp-i-n積層膜121の大部分は、アクティブ溝側壁105の上に配置され、そのp-i-n積層膜121のより小さい領域は、埋め込まれた絶縁層103又は基板101の上面など、非側壁基板表面に配置されている。そのようにして、その側壁光検出器100の合計のキャパシタンスは、所定のスポット・サイズ109に対して低減してよい。その側壁光検出器100は、基板101の上面に配置された電極125及び135を含み、ドープ層110A及び補足のドープ層130Aを検出器回路に電気的に結合する。当然のことながら、電極125及び135が、アクティブ溝側壁105及び/又は絶縁層103上に配置されたp-i-n積層膜121の部分上に配置された代替の実施形態も可能である。
【0014】
本文献で記載される側壁光検出器は、一般的に、薄膜光検出器に関して知られている如何なる材料系も適用可能である。例えば、基板101は、光集積素子製造に対して適切な如何なる材料で構成されてもよい。1つの実施形態において、基板101は、シリコン、シリコン・ゲルマニウム、又はリン化インジウム(InP)などのIII-V合成物半導体材料を含むがそれらに限られない材料の単結晶で構成されているバルク基板である。もう1つの実施形態において、基板101は、104バルク層102を含み、そのバルク層102の上に上部エピタキシャル層が形成されている。特定の実施形態において、そのバルク層102は、シリコン又はIII-V合成物半導体材料を含むがそれらに限られない単結晶材料で構成されている一方、上部エピタキシャル層104は、シリコン、シリコン・ゲルマニウム合金又はIII-V合成物半導体材料を含むがそれらに限られない単結晶層で構成されている。他の実施形態において、その上部エピタキシャル層104は、二酸化シリコン、窒化シリコン又は酸化窒化シリコンなどの(例えば、シリコン・オン・絶縁体基板を形成するために)介在絶縁層103によってそのバルク層102から分離されている。
【0015】
さらなる実施形態において、界面層(非表示)が、i層120Aと、ドープ層110A及び補足のドープ層130Aのうちいずれか一方との間に配置されてよい。その界面層は、その半導体膜構成をi層120Aからドープ層又は補足のドープ層のいずれか一方に移すように、グレード(graded)層、線形又は他の場合であってよい。例えば、そのi層120Aは、少なくとも80 at.%ゲルマニウムであり、p型層及びn型層は、実質的にシリコン(すなわち、40 at.%未満のGe)であり、介在界面層は、Si-Ge構成を、ドープ/補足ドープ層の構成からi層の構成に品種改良(grade)してよい。
【0016】
1つの実施形態において、その側壁光検出器は、通過型光検出器である。
図1に示されるように、アクティブ溝側壁105に入射する光は、hν
1及びhν
2などの複数のエネルギーを含む。1つの実施形態において、その側壁光検出器100は、アクティブ溝側壁105に入射する光の一定のエネルギーを、その入射光の他のエネルギーを通過させながら検出する。例えば、その側壁光検出器100は、hν
1エネルギーバンドで高い応答性を有する一方、hν
2エネルギーバンドでは低い応答性を有する。それによって、入射するhν
2の光は、p-i-n積層膜121の中を通過し、基板101の地形的特徴の中へ、示されるようにa‐a’方向に沿って入る。特定の実施形態において、側壁光検出器100は、1310nmよりも850nmでより大きい応答性に対して構成されたp-i-n積層膜を含む。そうでない場合は、アクティブ溝側壁105が上に形成される上部エピタキシャル層104によって吸収される850nm光は、従って、その上部エピタキシャル層104に光が入る前に検出される(すなわち、入射光が検出される)。しかし、光が通過した側壁光検出器100は、上部エピタキシャル層104に入り、そこでは、それはより低い程度で吸収されてよい(例えば、シリコン又はある一定のシリコン・ゲルマニウム合金は、1310nmでは、比較的、ほとんど吸収しない)。
【0017】
1つの実施形態において、その側壁光検出器100は、エピタキシャルに成長した半導体(例えば、実質的に単結晶であるシード(seed)基板の結晶性を有する)のi層120Aを含み、それは、基板半導体薄膜とは異なる格子定数を有する。上部エピタキシャル層104がシリコンである1つの例として、そのi層120Aは、その上部エピタキシャル層104よりも大きい格子定数(緩和したとき)を有するシリコンとゲルマニウムとの合金(SiGe)である。そのi層120Aのバンドギャップは、シリコンとゲルマニウムとの比をそのi層120Aの厚さ内で調整することによって、上部エピタキシャル層104のバンドギャップより低減してよく、それによって、側壁光検出器100の応答性を光の特定の波長に増加させる。
【0018】
シリコン及びゲルマニウムの割合は、応用に基づいて選択してよい。例えば、i層120Aが850nmで吸収される1つの実施形態において、そのSiGe i層120Aのシリコン含有量は、20at.%未満であり、約10と15 at.%との間であるのが望ましい。i層120Aが1310nmで吸収するもう1つの実施形態において、そのi層120Aは、実質的に純粋なゲルマニウムである。そのi層120Aの厚さも、応用及びパフォーマンス必要条件(例えば、応答性など)に基づいて選択されてよく、模範的な850nm及び1310nmの実施形態は、約1.5μmと約3.0μmとの間のi層120Aを有する。側壁光検出器100が、入射光の第1波長を検出し、光の第2波長を通過させる実施形態において、そのi層120Aの構成及び厚さは、その第1波長において第2波長よりもかなり高い応答性を供給するように調節されてもよい。
【0019】
1つの実施形態において、その側壁光検出器100が上に形成される地形的特徴は、光導波路である。
図1に示されるように、パッシブ溝側壁106及び107は、光導波路108を形成するようにアクティブ溝側壁105に対して平行でない。アクティブ溝側壁105とは異なって、そのパッシブ溝側壁106及び107は、p-i-n積層膜によって覆われていないが、むしろ、光導波路がシリコンである二酸化シリコンなどの良いインデックス・コントラストを提供する材料(非表示)において被覆されていてよい。そのようにして、その側壁光検出器100を通過したhν
2光は、次に、光導波路108を通して基板101の他の領域へ伝導してよい。
【0020】
示されるように、その模範的な光導波路108は、アクティブ溝側壁幅Wにおよそ等しいリブ(rib)又はリッジ(ridge)幅を有し、リブの高さは、側壁光検出器100が光導波路108の断面積におよそ等しい検出領域を有するように、アクティブ溝側壁高さHにおよそ等しい。しかし、代替の実施形態において、光導波路108は、アクティブ溝側壁幅Wに等しくないリブ幅又はアクティブ溝側壁高さに等しくないリブ高さを有してもよい(例えば、導波路幅又は高さが、a‐a’方向に沿って先細くなっているか又はグレードされている(graded)。)。
【0021】
1つの実施形態において、第1及び第2側壁光検出器は、光導波路の側壁上に形成される。その第1及び第2側壁光検出器は、同じ波長を検出するように設計されてよい。その代わりにその第1及び第2側壁光検出器は、第1及び第2波長でピークの応答性に対して調節されてよく、同じ導波路の異なる側壁又は第1及び第2導波路の側壁)例えば、光学デマルチプレクサーの下流方向など)のうち何れか一方に配置されてよい。1つの実施形態において、導波路の第1側壁上に配置された第1側壁光検出器は、その第1側壁に入射する光の第1波長(例えば、850nm)を検出し、その入射光の第2波長(例えば、1310nm)を光導波路の中へと通過させ、その光導波路は、第2波長の光を検出するようにその導波路の第2側壁に配置された第2側壁光検出器へ通過した光を伝導するようになっている。
【0022】
図2は、一対の光学的に結合された側壁光検出器の断面図を示す。示されるように、その側壁光検出器100は、
図1に関して記載されているように実質的に基板に形成された光導波路250の第1側壁上に配置されている。第2側壁光検出器270は、光導波路250と似た方法で光導波路250の第2側壁上に配置されており、それらの間に任意の距離255を有する。さらに示されるように、その光導波路250は、被覆層240によって覆われており、その被覆層は、例えば、光導波路250がシリコン又はシリコン・ゲルマニウムである二酸化シリコンであってよい。
【0023】
第2側壁光検出器270は、側壁光検出器100とは異なる光の波長を吸収するようにその側壁光検出器100のi層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有するi層を含む第2p-i-n積層膜を含んでもよい。そのような1つの実施形態において、第1及び第2光検出器の両方は、ゲルマニウムを含み、850nmよりも1310nmにおいて応答性がより低いように、i層120Aは、第2側壁光検出器270におけるi層のシリコン含有量よりも多いシリコン含有量を有する一方、第2側壁光検出器270は、1310nmにおいて応答性が比較的高いように、i層120Aのゲルマニウム濃度よりも高いゲルマニウム濃度を有するエピタキシャルi層を有する。側壁光検出器100が850nmで光を吸収し、第2側壁光検出器270は1310nmで光を吸収する1つの実施形態において、SiGe i層120Aのシリコン含有量は、20%未満であり、そのような1つの実施形態において、少なくとも10 at.%である一方、第2側壁光検出器270のSiGe i層は、10 at.%未満のシリコンを有し、実質的に純粋なゲルマニウムであってよい。さらなる実施形態において、側壁光検出器100におけるi層の厚さは、第2光検出器におけるi層の厚さに等しく、各々は、約1.5μmと約3.0μmとの間である。
【0024】
さらなる実施形態において、第2側壁光検出器270は、第2側壁光検出器上の第2波長の光の一部分を戻すようにp-i-n積層膜の上に反射器(非表示)を含む。そのような反射器を含むことによって、第2波長の応答性が改善し、より速い検出器に対するキャリアの経過時間が低減される。一般的に、その反射器は、p-i-n積層膜の上に堆積された2つ以上の誘電材料の交互に入れ替わる層で構成された1/4波長反射器、そのp-i-n積層膜の上に成長した半導体層で構成されたブラッグ・ミラー又は類似物などの従来技術において知られている如何なるタイプであってよい。特定の実施形態において、その反射器は、p-i-n積層膜の上に形成された(すなわち、アクティブ側壁を覆って)金属層である。1つのそのような実施形態において、その金属反射層は、また、電極125及び135のうちの1つとしての働きもする。
【0025】
図3は、模範的な集中型I/Oチップ300の平坦図を1つの実施形態に従って示しており、側壁光検出器が、光学デマルチプレクサーを通して光学的に結合されている。示されるように、その側壁光検出器100は、その側壁光検出器100を通ってエシェル回折格子355へと通過する光を伝導し、その側壁光検出器100によって通された光の波長を光学的に逆多重化(demultiplex)する光導波路250に結合されている。回折波長は、次に、そのエシェル回折格子355から光導波路250を通して第2側壁光検出器270及び側壁光検出器371、372、373などへ伝播する。特定の実施形態において、その側壁光検出器100は、850nmなどのより短い公称波長でより高い応答性を持つように構成されている一方、側壁光検出器270及び371‐373は、1310nmなどのより長い公称波長でより高い応答性を持つように構成されている。
【0026】
示されるように、側壁光検出器100は、端部を照射する大きい面積の光源と結合することにかなり適している。端部照射の応用において典型的である導波路光検出器構成とは対照的に、側壁光検出器100は、入射光をガイドするように注意深く設計された導波路を必要としない。むしろ、その側壁光検出器100は、端部照射に対して導電性である非常に大きい面積の水平に配置された検出器として働く。光学的損失における減少に加えて、光学的スポット・サイズ減少は、非常に高い帯域幅に対して必要ではない。なぜならば、ゲルマニウムを含むi層は、比較的大きな検出領域(例えば、300μm
2)でさえも、高い帯域幅を供給できるからである。
【0027】
図4A、4B、4C及び4Dは、1つの実施形態に従って、一対の光学的に結合された側壁光検出器の製造の間に形成される中間構造の断面図を示す。
図4は、基板における地形的特徴の形成を描く。例えば、光導波路250は、基板101の層において形成されてよい。1つの実施形態において、その光導波路250は、プラズマベースのエッチング工程で、実質的に垂直な側壁を持つ溝を、基板101の中へ異方的にエッチングすることによって形成される。特定の実施形態において、その溝は、絶縁層103などの下部の停止層において、アクティブ溝側壁高さHを定義する深さで終わる。その溝深さは、従って、20μm程度であってよく、望ましくは、プレーナー処理(planar processing)を促すように比較的幅が狭い。例えば、その溝深さは、3‐5μm程度であってよい。しかし、プレーナー処理が望ましくない他の実施形態では、その溝深さは、何百マイクロンの単位であってよい。その溝エッチングで光導波路250を定義した後に、その溝は、従来技術において知られているいずれかのギャップ充填又は平坦化プロセスを使用して、二酸化シリコン又は類似物などの被服材料で実質的に、充填されてよい。
【0028】
図4Aにさらに示されるように、側壁検出器が形成されるアクティブ溝側壁は、非検出器側壁(例えば、パッシブ溝側壁106及び107)が被覆層240で被覆されている間は、被覆されない。選択的被覆は、例えば、従来技術において知られているいずれかのパターンニング及びエッチング技術を使用して、その被覆層240を除去することによって、あるいは、後に被覆されることになっているパッシブ側壁(例えば、パッシブ溝側壁106及び107)を定義する第1溝を形成して被覆を堆積させ、次に、そのパッシブ側壁が被覆された後に、被覆されないアクティブ側壁(例えば、アクティブ溝側壁105)を定義することによって成し遂げてよい。
【0029】
図4Bに示されるように、そのドープ層110Aは、アクティブ溝側壁(すなわち、光導波路250のアクティブ側壁)においてp-i-n積層膜の一部として形成される。1つのそのような実施形態において、そのドープ層110Aは、導波路250のアクティブ側壁上にエピタキシャルに成長したシリコン又はシリコン・ゲルマニウム合金を含む。さらに描かれるように第2ドープ層110もまた、その光導波路250の第2アクティブ側壁上に形成される。1つのそのような実施形態において、ドープ層110A及び第2ドープ層110の両方は、同じ厚さ及び構成に同時にエピタキシャル成長する。
【0030】
以下のドープ層110Aの形成に続き、i層120Aが、そのドープ層110A上にエピタキシャルに成長する。そのドープ層110A及び基板が主にシリコンである特定の実施形態において、i層120Aは、少なくともゲルマニウム源を使用して十分な厚さに成長し、そのi層のバンドギャップを、本文献の他の箇所に記載されている光学的特徴を与えるようにその基板に関して低減する。
図4Bにさらに描かれているように、第2のi層120Aが、第2ドープ層110にも形成される。そのような1つの実施形態において、i層120A及び第2のi層120の両方が、同じ厚さ及び構成に同時にエピタキシャルに成長する。補足のドープ層130A及び130は、次に、本文献の他の箇所に記載されている構成を達成するようおう最終的なエピタキシャル成長で形成されてよく、第1及び第2光検出器に対するp-i-n積層膜を完成させてよい。
【0031】
1つの実施形態において、i層120A及び第2のi層120のうち少なくとも1つは、p-i-n積層膜の光学特性を成長する際に修正するために1種で移植される。i層が主にゲルマニウムである1つの実施形態において、ゲルマニウム・エピタキシャル層は、そのi層の光学特性を修正する(例えば、側壁光検出器100の応答性を調節する)ためにシリコンで移植される。代替の実施形態において、シリコンi層は、そのi層の光学特性を修正するためにゲルマニウムで移植される。検出器光学特性を移植で調節することは、単一のエピタキシャル・プロセスがi層120A及び第2のi層120の両方を形成するために使用されてよく、犠牲層は堆積され剥ぎ取られる必要が無いことから、特に有利である。i層120A及び120の両方の同時形成の後に、それらのi層120A又は第2のi層120のうち一方の光学特性は、次に、マスクされた移植又は高角度移植のうちいずれか一方の使用を通して選択的に修正されてよい。
【0032】
図4Cは、i層120Aが移植種フラックスを受け取る一方、第2のi層120が光導波路250の影によってその移植フラックスから保護されるように、基板が約50‐60度傾いている、有利な高角度移植実施形態をさらに描く。その模範的な実施形態において、そのi層移植は、補足のドープ層130A及び/又は130の形成後に実施されるが、そのi層移植は、また、補足のドープ層の形成の前であってもよい。アクティブ溝側壁高さHによっては、その移植種を受け取る光導波路250の端部の深溝は、被覆によって充填される非検出器側壁(例えば、パッシブ溝側壁106及び107)を定める溝よりもかなり幅広い必要がある可能性がある。例えば、そのアクティブ溝側壁高さHが20から30μmまでの単位である実施形態において、そのアクティブ溝側壁105を定める深溝は、100μmの単位の幅寸法(そのアクティブ溝側壁105に垂直な方向ベクトルに沿って測定されるように)を有し、アクティブ溝側壁の実質的に全体の移植を可能にする。
【0033】
ゲルマニウム・エピタキシャルi層120A及びゲルマニウム・エピタキシャル第2のi層120を利用する1つの実施形態において、シリコンは、高角度でそのi層120Aの中へ移植され、850nmよりも1310nmでより低い応答性を持つように、少なくとも10 at.%に達する。その高角度シリコン移植の間の光導波路250によって影になった第2のi層120は、成長する際に、ほぼ純粋なゲルマニウムのままで残り、従って、1310nmで高い応答性を維持する。第2シリコンi層が影になる間にゲルマニウムがシリコンi層に移植される代替の実施形態も可能であるが、ゲルマニウムを移植することはより困難であり、比較的大きなゲルマニウム添加量が、許容可能なパフォーマンスに対する応答性(例えば、30 at.%を超える)を調節するために必要とされてよい。
【0034】
光学特性調節移植に続いて、熱アニールが、第1のi層半導体膜の光学特性を第2のi層半導体膜に関して修正するために種類の移植を始動する。1つのそのような実施形態において、600と850℃の間の温度範囲でのアニールが、側壁光検出器100の1310nm透過率を、第2側壁光検出器270の1310nm透過率よりもかなり上のレベルまで増加させるように実施される。そのアニールの間、シリコン及びゲルマニウムのいくらかの拡散が、i層120A及び第2のi層120の両方においてあり得ると予測される。しかし、そのi層120Aにおけるシリコン濃度プロファイルは、移植を示す。例えば、そのシリコン濃度プロファイルは、i層120Aの膜厚さの非線形関数であってよい。対照的に、シリコン移植から影になった第2のi層120の堆積したようなゲルマニウムは、そのi層120の界面でシリコンの増加した濃度を有する(例えば、拡散混合(diffusion intermixing))のみであり、そのi層厚さの大部分は、実質的に純粋なゲルマニウムのままで残る。
【0035】
図4Dに描かれる構造を従来の製造技術で完成させると、例えば、電極(非表示)を側壁光検出器100及び270のp-i-n積層膜に結合させるために、光学的に結合された側壁光検出器デバイスは、光の複数の波長(例えば、hν
1及びhν
2)を検出するように動作する。
【0036】
従って、側壁光検出器、光学部品統合における製造の方法及び応用が考察されてきている。本発明は、構造的特徴及び方法論的振る舞いに特定の言語において記載されてきているが、本発明は、当然のことながら、添付の請求項において定義され、必ずしも特定の特徴又は記載された振る舞いに限定されない。開示された特定の特徴及び振る舞いは、本発明を限定するよりもむしろ説明することを試みて提供される請求項に係る発明の特に適切な実施としてのみ理解されるべきである。