特許第5678059号(P5678059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5678059電源モジュールを備えた電動機を含む自動車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5678059
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】電源モジュールを備えた電動機を含む自動車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20060101AFI20150205BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   B60K1/04 Z
   B62D25/20 J
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-520065(P2012-520065)
(86)(22)【出願日】2010年6月28日
(65)【公表番号】特表2012-533463(P2012-533463A)
(43)【公表日】2012年12月27日
(86)【国際出願番号】FR2010051336
(87)【国際公開番号】WO2011007072
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年6月17日
(31)【優先権主張番号】0954996
(32)【優先日】2009年7月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507274799
【氏名又は名称】プジョー シトロエン オートモビル エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ユロ, セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ベルジェ, フラヴィアン
(72)【発明者】
【氏名】アルプ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】スペナー, マクシム
(72)【発明者】
【氏名】リュック, ブノワ
【審査官】 鹿角 剛二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−132332(JP,A)
【文献】 特開2002−186101(JP,A)
【文献】 特開2006−185863(JP,A)
【文献】 特開2009−126452(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0152031(US,A1)
【文献】 実開平06−008042(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0277968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源モジュール(10)によって給電される電動機を備えた自動車両であって、
前記電源モジュール(10)には当該モジュールにより発生する高温空気の排気管(11)が接続され
前記排気管(11)、前記車両のトランク(6)の床板(2)に形成された開口部(3)につながり、
前記開口部(3)が、前記床板(2)のうち、前記車両のトランクの後部を画定する横ばり(7)と、車輪の上部を受ける筐体の一部を画定するホイールウェル(5)との間に配置される床板部分に形成され、
前記排気管(11)の先端部(12)がフランジ(13)によって前記開口部(3)に取り付けられており、前記開口部(3)および前記フランジ(13)が相互補完的な形状であることを特徴とする、自動車両。
【請求項2】
前記開口部(3)の周辺部が、前記開口部(3)の縁部と前記フランジ(13)との間を確実にシールするためにリブ(4)を含むことを特徴とする、請求項に記載の自動車両。
【請求項3】
シールが前記開口部(3)の縁部と前記リブ(4)との間に設置されることを特徴とする、請求項に記載の自動車両。
【請求項4】
前記開口部(3)が、前記床板に固定されて垂直方向に延びる部分(8)と、前記床板(2)の表面を形成する板金を支持するフレーム材との間に配置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の自動車両。
【請求項5】
前記開口部(3)が、部分(8)と、前記ホイールウェル(5)および前記電源モジュール(10)との間に延びるフレーム材との間に配置されることを特徴とする、請求項に記載の自動車両。
【請求項6】
高温空気の排気を加速するために使用されるブロワが、前記排気管(11)の前記先端部(12)の上流および前記電源モジュール(10)の下流に設置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の自動車両。
【請求項7】
前記電源モジュールが電池(10)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源モジュールを備えた電動機と、車両キャビンの下部を区切る底板を含む構造体とを含む自動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源モジュールの動作時に発生する高温空気を排気するために、排気管を電源モジュールに接続する。
【0003】
電源モジュールが適切に機能することを確実にするためには、電源モジュール、たとえば電池によって発生する高温空気を排出する必要がある。高温空気が排出されないと、電源モジュールおよびそのさまざまな構成部品は、破損のリスクがあり、故障するようになる。
【0004】
さらに、高温空気が排出されないと、乗客に不快感を与える可能性がある。
【0005】
したがって、高温空気を排気する必要がある。
【0006】
米国特許出願第2008/1096957号明細書に開示されるように、排気管の自由端は、車両の外装とトランクのトリムパネルとの間に配置することができる。
【0007】
しかし、この配置は、車両の外装および/またはそのさまざまな配線の調整を必要とし、これらの部品が内燃機関、電気および/またはハイブリッドのパワトレーンを備える車両に対して共通化する必要がある場合は、さらに費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、適切な排気温度を確保しながら、上記の問題を回避する概念を提案することにより、この不利な点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の目的は、そこで発生する高温空気の排気管が接続される電源モジュールを備えた電動機と、車両キャビンの下部を区切る底板を含む構造体とを含む自動車両であって、排気管の先端部の1つは、車両の床板に作製される開口部につながることを特徴とする。
【0010】
本発明の特定の実施態様によれば、車両は、次に列挙する特徴の1または複数を含み、単独で、あるいは、全ての可能な技術的な組み合わせて包含する。
−排気管の先端部は、開口部に対して相互補完的に形成されるフランジによって開口部に取り付けることができる。
−開口部の周辺部は、開口部の縁部とフランジとの間を確実にシールするようにリブを含むことができる。
−シールは開口部の縁部とリブとの間に設置してもよい。
−開口部は、車両のトランクの後部壁を区切る横ばりと、車輪の上部を囲む筐体の一部を区切るホイールウェルとの間に配置することができる。
−開口部は、床板に固定されて垂直方向に延びる部分と、床面を形成する板金を支持するフレーム材との間に配置することができる。
−開口部は、横ばりをホイールウェルに接続する閉鎖部と、ホイールウェルと電源モジュールとの間に延びるフレーム材との間に配置することができる。
−高温空気の排気を加速するのに使用されるブロワは、排気管の先端部の上流および電源モジュールの下流に設置することができる。
−電源モジュールは電池を含むことができる。
【0011】
本発明の特徴および利点は、例示を目的のために以下の記載において添付の図面を参照して明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電池が設置される自動車両後部から見た概略図である。
図2図1に示す後部領域であり、電池の高温空気排気部が配置される領域から見た概略図である。
図3】高温空気排気システムを取り外した図2に示す床板の一部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、車両の構造体1の一部を示す。この車両は、電源モジュール10を備えた電動機を含む。
【0014】
既知の方法では、構造体1は、車両キャビンの下部を区切る床板を少なくとも1つ含み、車両キャビンは、車両の内部を構築することが意図される要素を保持する。図1では、床板の後部部分2のみを示す。
【0015】
床板は、従来の方法でスタンピングした板を組立てて作製され、板は合わせて溶接される。さらに、床板は、床の表面を形成する板金を支持するフレーム材および横ばりなどの構造要素(図示せず)と、特に、車両のトランク6に位置する荷台床板を形成する板金9とを含む。
【0016】
図1に示す車両の後部は、上部がトランク板(図示せず)によって、後部が横ばり7によって、下部が荷台床板9によって区切られるトランク6を含む。
【0017】
以下に、本発明の領域を含む車両の左側についてのみ記載するが、右側は従来通りの配置に対応している。
【0018】
図1に示すように、ホイールウェル5は、垂直方向に延びて、荷台床板9と、近接配置されるフレーム材とに溶接される。ホイールウェル5の上部は、車輪の上部を受ける筐体を区切るために、構造部品(図示せず)を介して車両の外装(図示せず)に固定される。
【0019】
閉鎖部8は、垂直方向に延びて荷台床板9に溶接され、かつ横ばり7をホイールウェル5に接続することによって、横ばり7、閉鎖部8およびホイールウェル5との間に、下部ではホイールウェル5と電源モジュール10との間に延びるフレーム材(図示せず)によって区切られる荷台床板9の部分2aによって、領域Aを画定する。
【0020】
電源モジュール10は、荷台床板9に接し、車両のトランク6に近接し、第2列目の座席後部に設置され、近傍で離間する横ばりまたはフレーム材に取り付けられる。
【0021】
電源モジュールは、エネルギおよび/または電力を電動機に伝達することが意図されるあらゆる装置を含むことができる。この装置は、単一の要素、たとえば角柱状、筒状または柔らかいバッグの形状の鉛畜電池やリチウムイオン電池を含むことができ、配気回路によって互いに接続される。電源モジュール10は、エネルギおよび/または電力を伝達する装置を受けて保護することが意図される鋼体の保管場所を形成する容器および蓋をさらに含む。図1の実施例では、電源モジュール10は電池である。
【0022】
電池10からの高温空気は、管部11を介して排出される。この管部の先端部12は、車両の外部に空気を排出する。ブロワ(図示せず)は、先端部12の上流および電池10の下流に位置し、高温空気の排気を加速するのに使用される。
【0023】
本発明によれば、先端部12は車両の床板2に作製された開口部3につながる。先端部12は、先端部12に固定されるフランジ13によって取り付けられる。開口部3およびフランジ13は、開口部13にフランジ13をシールするように設置されるように、相互補完的な形状である。例示する実施態様によれば、開口部3およびフランジ13は、三角形状である。
【0024】
さらに詳しくは、開口部3は、上記の領域Aに位置する荷台床板9の部分2aに形成される。開口部3は、横ばり7とホイールウェル5との間、さらには、閉鎖部品8と、ホイールウェル5と電源モジュール10との間に延びるフレーム材との間に位置する。
【0025】
好ましくは、リブ4は、開口部3の周辺部の、開口部3の縁部から5〜20mmの距離に設けられる。このリブ4は、打抜き加工で形成され、ビーズの形状である。
【0026】
このリブ4の目的は、管部11からの高温空気の漏出と、車両の特定の走行速度でこれらの部品の隙間から入る空気とによる騒音を回避するために、開口部3の縁部とフランジ13との間の密閉性を改善することである。
【0027】
さらに、リブ4は、湿気または汚染を含む空気が入るのを防ぐ。
【0028】
シール(図示せず)は、開口部3の縁部とリブ4との間に設置されるのが好ましい。
【0029】
内装トリム(図示せず)は、管部11および上記の高温空気排気システム、つまりフランジ13および開口部3を隠すのに有利である。したがって、ブロワ、管部11および高温空気排気システムは、車両の外装パネルと内装トリムとの間に設置して、隠され、車両のユーザには見えない。
【0030】
上記の高温空気排気システムを考慮して、車両の外装およびそのさまざまな配線は、調整する必要がなく、上記の構造体に従って設計される車両が内燃機関、ハイブリッドまたは電気の推進システムを有しているかどうかに関係なく、同じである。この特徴を必要とする車両の床板は、切断および成形のみを実施して、リブを作製することによって調整する。これらの加工は、床板2を製造するのに使用される工具の変更が簡単かつ安価となる。
【0031】
さらに、この設置の位置は、乗客に対してブロワの動作による騒音公害を制限する。
【0032】
本発明が上記の実施形態に限定されないことは明らかである。高温空気排気管の先端部は、床部の他の適切な位置に接続することができる。
図1
図2
図3