【文献】
Park,Sung Bum, et al,Novel context modeling scheme for lossless image compression using statistical reference,Proc. of 6th Int. Symp. on Image and Signal Processing and Analysis,2009年 9月16日,P.250-253
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記現在スライスが、第1モードによって符号化されたブロックを含んでいることを示すフラグ情報を符号化する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の映像符号化方法。
第1ブロックのピクセル値と、現在スライスの前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックのピクセル値と、が同一であるか否かを判断し、前記第1ブロックを第1モードで符号化するか否かを決定するモード決定部と、
前記決定に基づいて選択的に、前記第1ブロックを前記第1モードで符号化する符号化部と、を含み、
前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であり、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであり、
さらに、前記符号化部は、
前記決定に基づいて、前記第1モード、周波数変換に基づいて所定のブロックを符号化する第2モード、及びピクセル値に係わる複数のビットプレーンに基づいて所定のブロックを符号化する第3モードのうち一つによって、前記第1ブロックを符号化することを特徴とする映像符号化装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態による映像符号化方法は、第1ブロックのピクセル値と、現在スライスの前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックのピクセル値と、が同一であるか否かを判断し、前記第1ブロックを第1モードで符号化するか否かを決定する段階と、前記決定に基づいて選択的に、前記第1ブロックを前記第1モードで符号化する段階と、を含み、前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であり、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであることを特徴とする。
【0008】
本発明による他の実施形態によれば、前記符号化する段階は、前記決定に基づいて、前記第1モード、離散コサイン変換に基づいて所定のブロックを符号化する第2モード、及びピクセル値に係わる複数のビットプレーン(bit plane)に基づいて、所定のブロックを符号化する第3モードのうち一つによって、前記第1ブロックを符号化する段階を含む。
【0009】
本発明によるさらに他の実施形態によれば、前記情報は、前記第1ブロックが前記第1モードによって符号化されたことを示すフラグ情報であることを特徴とする。
【0010】
本発明によるさらに他の実施形態によれば、前記映像符号化方法は、前記現在スライスが第1モードによって符号化されたブロックを含んでいることを示すフラグ情報を符号化する段階をさらに含む。
【0011】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による映像復号化方法は、第1ブロックのピクセル値と、現在スライスの前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックのピクセル値と、が同一であり、前記第1ブロックが第1モードで符号化されたことを示す情報を復号化する段階と、前記情報に基づいて選択的に、前記第1モードによって前記第1ブロックを復号化する段階と、を含み、前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であり、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであることを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による映像符号化装置は、第1ブロックのピクセル値と、現在スライスの前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックのピクセル値と、が同一であるか否かを判断し、前記第1ブロックを第1モードで符号化するか否かを決定するモード決定部と、前記決定に基づいて選択的に、前記第1ブロックを前記第1モードで符号化する符号化部と、を含み、前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であり、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであることを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による映像復号化装置は、第1ブロックのピクセル値と、現在スライスの前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックのピクセル値と、が同一であり、前記第1ブロックが第1モードで符号化されたことを示す情報を復号化するモード情報復号化部と、前記情報に基づいて選択的に、前記第1モードによって前記第1ブロックを復号化する復号化部を含み、前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であり、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであることを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために本発明は、前記映像符号化方法及び映像復号化方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0015】
本発明の他の実施形態による映像符号化方法は、映像の第1ブロックが前記第1ブロック以前に符号化された第2ブロックと同一であるか、あるいは類似しているかを判断する段階と、前記判断結果によって、前記第1ブロックの符号化モードを第1符号化モードに決定する段階と、を含み、前記第1モードは、前記第1ブロックが前記第2ブロックと同一であるか、あるいは類似しており、前記第1モードで符号化されたことを示す情報を、前記第1ブロックのピクセル値の代わりに符号化するモードであることを特徴とする。
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。構成要素リストに先行する「少なくとも一つ」のような表現は、構成要素リスト全体を変更するものであり、リスト上の構成要素を個別的に変更するものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による映像符号化装置を図示している。
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による映像符号化装置100は、モード決定部110及び符号化部120を含む。
【0018】
モード決定部110は、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定する。無線ネットワークを介したデバイスの相互連結に係わる技術は、無線ネットワークを介してHD(high-definition)以上の高画質コンデンツを送受信することを目的としている。ただし、多様なデバイス間の相互連結を可能にするために、小さいメモリと低い複雑度とにフォーカスを合わせて標準化が進められている。従って、映像の符号化にあたっても、最大限低い複雑度を追求しているが、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4 H.264/MPEG−4AVC(advanced video coding)のような従来技術による映像符号化方法と異なり、圧縮率を上げるための複雑な技法を利用してない。
【0019】
しかし、映像のピクセル値を全く圧縮せずに伝送するのは、高い伝送率の無線ネットワークを要求することになるので、これもまた、多様なデバイス間の相互連結を妨害する要素になることがある。従って、後述するスキップモード(skip mode)、ナチュラルモード(natural mode)及びグラフィックモード(graphic mode)の3種のモードを利用して、映像を符号化、復号化することによって、低い複雑度と適正レベルの圧縮率とを保証することができる。
【0020】
スキップモードは、現在ブロックが、現在ブロックに隣接したブロックと同一であるか否かに基づいて、現在ブロックを符号化するモードである。ナチュラルモードは、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであるならば、離散コサイン変換(DCT:discrete cosine transform)及びビットプレーン(bit plane)分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。グラフィックモードは、現在ブロックが文字(text)のように、人為的に(artificially)生成された映像に係わるブロックであるならば、ビットプレーン分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードについては、
図3ないし
図5を参照しつつ詳細に後述する。
【0021】
モード決定部110は、前述の複数のモードのうちいずれのモードによって、現在ブロックを符号化するかを決定する。まず、モード決定部110は、現在ブロックが、現在ブロックに隣接した以前に符号化された現在スライスの他のブロックと同一であるか、あるいは類似しているかを判断する。現在ブロックのピクセル値と、現在スライスの以前に符号化されたブロックのピクセル値とを比較し、同一であるか、あるいは類似しているかを判断する。モード決定部110の動作については、
図2及び
図3を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による映像符号化単位を図示している。
図2を参照すれば、映像符号化装置100は、スライス単位、ブロック単位、ビットプレーン単位で映像を分割して符号化する。映像符号化装置100は、現在ピクチャ210を複数のスライス212ないし216に分割する。映像符号化装置100は、現在ピクチャ210をN個のピクセル行を有するスライス212ないし216に分割してもよい。映像符号化装置100は、それぞれのスライスをNxNサイズのブロックに分割する。映像符号化装置100は、各ブロック220を、最上位ビット(MSB)に係わるビットプレーンから、最下位ビット(LSB)に係わるビットプレーンまで、複数のビットプレーンに分割することができる。例えば、もしブロックのピクセル値またはDCT係数がMビットで表現されるならば、ブロック220は、M個のビットプレーンに分割される。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態によるスキップモードを判断する方法について説明するための図である。
図3を参照すれば、
図2と関連して説明したように、現在ピクチャ310は、複数のスライスに分割されもする。映像符号化装置100が、
図3に図示されたスライス320を符号化する場合を例に挙げて説明する。
【0024】
現在スライス320の現在ブロック322を符号化するために、映像符号化装置100のモード決定部110は、現在ブロック322が、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロック324と同一であるか、あるいは類似しているかを判断する。符号化される現在ブロック322は、空間的に隣接した以前に符号化されたブロックと同一であるか、あるいは類似している確率が高い。従って、モード決定部110は、現在ブロック322が左側に隣接した以前に符号化されたブロック324と同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードに決定することができる。隣接したブロック324は、現在ブロックの符号化直前に符号化されたブロックでありうる。
【0025】
現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは類似しているか係わる判断は、多様な方法で遂行されてもよい。現在ブロック322と隣接したブロック324とのSAD(sum of absolute difference)、MSE(mean square error)、SNR(signal to noise ratio)、最大差(max difference)などに基づいてコスト(cost)を計算し、計算されたコストによって、現在ブロック322と隣接したブロック324が、同一であるか、あるいは類似しているかを判断する。SAD、MSE、最大差が「0」に近いほど、現在ブロック322と隣接したブロック324が、同一であるか、あるいは類似していると判断することができる。
【0026】
モード決定部110は、現在ブロック322と隣接したブロック324とが完全に同じ場合にのみ、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードに決定することもでき、現在ブロック322と類似している場合にも、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードに決定することもできる。換言すれば、前述のSAD、MSE、最大差などが「0」であるときだけ、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードに決定することもでき、所定臨界値以下であるときにも、現在ブロック322と隣接したブロック324が類似していると判断し、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードに決定することもできる。
【0027】
モード決定部110が、現在ブロックと隣接したブロックとが同一であるか、あるいは類似しているかを判断した結果、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、モード決定部110は、さらに現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードのうちいずれのモードで符号化するかを判断する。現在ブロックが自然映像、すなわち、人為的に生成されていない映像に係わるブロックであると判断されれば、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードに決定し、一方、現在ブロックがテキスト、コンピュータグラフィックのように、人為的に生成された映像に係わるブロックであると判断されれば、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードに決定する。
【0028】
現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードによって符号化するかを判断する基準には制限がなく、多様なアルゴリズムを利用して、現在ブロックが人為的に生成された映像に係わるブロックであるかを判断することができる。例えば、人為的な映像は、特定領域に同じピクセル値が分布する確率が高いので、現在ブロックのピクセル値を比較して、同じピクセル値が所定個数以上であるならば、人為的に生成された映像に係わるブロックであると判断することができる。
【0029】
また、本発明の他の実施形態によれば、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードによってそれぞれ符号化した後、符号化結果をRDコスト(rate distortion cost)に基づいて、ナチュラルモードまたはグラフィックモードを現在ブロックの符号化モードに決定することができるが、これに係わる詳細な説明は、
図7を参照して後述する。
【0030】
再び
図1を参照すれば、モード決定部110で、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定すれば、符号化部は、モード決定部110で決定された符号化モードによって、現在ブロックを符号化する。
【0031】
現在ブロックが、以前に符号化された隣接したブロックと同一であるか、あるいは類似しており、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードに決定されたとすれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示すフラグ情報を、現在ブロックのピクセル値の代わりに符号化することができる。
【0032】
現在ブロックのピクセル値を直接符号化する代わりに、1ビットのフラグ情報で現在ブロックを符号化することができるので、映像の圧縮率が向上する。また、スキップモードで現在ブロックを符号化するために、現在ブロックの直前に符号化されたブロックだけ参照するので、低い複雑度でスキップモードを具現することができる。
【0033】
現在ブロックが、以前に符号化された隣接したブロックと同一であるか、あるいは類似しておらず、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されたとすれば、符号化部130は、現在ブロックをナチュラルモードまたはグラフィックモードによって符号化する。モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードに決定したならば、ナチュラルモードによって現在ブロックを符号化し、モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードに決定したならば、グラフィックモードによって符号化する。ナチュラルモード及びグラフィックモードによる符号化方法は、
図4ないし
図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
図4は、本発明の他の実施形態による映像符号化装置を図示している。
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による映像符号化装置400は、モード決定部410、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440を含む。モード決定部410は、
図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440は、
図1の符号化部120に対応する。
【0035】
モード決定部410は、現在ブロックの符号化モードを決定する。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定することができる。
【0036】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードに決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0037】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードに決定すれば、ナチュラルモード符号化部420は、現在ブロックをナチュラルモードによって符号化する。現在ブロックを離散コサイン変換して離散コサイン係数を生成し、生成された係数を複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンをビットプレーン基盤(bit plane basis)符号化方法を利用して符号化する。
図5を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態によるナチュラルモード符号化部を図示している。
図5を参照すれば、本発明の一実施形態によるナチュラルモード符号化部420は、変換部510、ビットプレーン選択部520及びビットプレーン符号化部530を含む。
【0039】
変換部510は、現在ブロックを離散コサイン変換(DCT)し、離散コサイン変換係数を生成する。離散コサイン変換は、ピクセル・ドメインのピクセル値を周波数ドメインに変換し、周波数ドメインの係数を生成する方法の例示であるのみ、他の方法が現在ブロックの変換に利用されるということは、本発明が属する技術分野で当業者であるならば、容易に分かるであろう。
【0040】
変換部510が現在ブロックを離散コサイン変換して生成された離散コサイン変換係数において、DC(direct current)成分の係数に係わるビット列はそのままビットストリームに挿入される。しかし、AC(alternating current)成分の係数は、ビットプレーン基盤の符号化方法によって符号化される。
【0041】
ビットプレーン選択部520は、AC成分の係数を複数のビットプレーンに分離する。AC成分の係数の最上位ビットから構成されたビットプレーンから、最下位ビットから構成されたビットプレーンまで、複数のビットプレーンに分離する。MビットのAC成分の係数をビット単位で分離し、M個のビットプレーンを生成する。AC成分の係数に係わるビット列の最上位ビットから構成された第1ビットプレーンを分離し、最上位ビットの次のビットから構成された第2ビットプレーンを分離する。ビットプレーンの分離を最下位ビットまで反復し、M個のビットプレーンを分離する。
【0042】
ビットプレーン選択部520で、複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部530は、生成された複数のビットプレーンそれぞれをビットプレーン基盤の符号化方法を利用して符号化する。ビットプレーンを符号化する方法には制限がなく、従来技術によるあらゆるビットプレーン基盤の符号化方法を本発明に利用することができる。また、本発明の一実施形態によれば、ビットマスク(bit mask)を利用して、それぞれのビットプレーンを符号化することができる。それぞれのビットプレーンで、有意性のあるビットが存在する領域をビットマストを利用して設定し、設定された領域についてのみビットプレーン基盤符号化を遂行することができる。
【0043】
以上、
図5と関連して、DC係数及びAC係数を分離して別途に符号化する方法について説明した。しかし、
図5と関連して述べた符号化方法は、例示的なものであり、離散コサイン変換及びビットプレーン基盤の符号化方法を利用して現在ブロックを利用するあらゆる方法が、ナチュラルモード符号化部420に適用されてもよい。
【0044】
再び
図4を参照すれば、モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードに決定すれば、グラフィックモード符号化部430は、現在ブロックをグラフィックモードによって符号化する。現在ブロックのピクセル値を複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンをビットプレーン基盤の符号化方法を利用して符号化する。
図6A及び
図6Bを参照しつつ詳細に説明する。
【0045】
図6Aは、本発明の一実施形態によるグラフィックモード符号化部を図示している。
図6Aを参照すれば、本発明の一実施形態によるグラフィックモード符号化部430は、ビットプレーン選択部610及びビットプレーン符号化部620を含む。
【0046】
ビットプレーン選択部610は、現在ブロックのピクセル値を複数のビットプレーンに分離する。Pビットのピクセル値をビット単位で分離し、ピクセル値の最上位ビットから構成されたビットプレーンから、ピクセル値の最下位ビットから構成されたビットプレーンまで、P個のビットプレーンを生成する。
【0047】
ビットプレーン選択部610で複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部620は、生成された複数のビットプレーンそれぞれをビットプレーン基盤の符号化方法を利用して符号化する。
【0048】
図6Bは、本発明の一実施形態によるビットプレーン基盤の符号化方法を図示している。
図6Bを参照すれば、ビットプレーン符号化部620は、同じビット値をグループ化してビットプレーンを符号化する。ブロックのサイズが4x4であり、ピクセル値が8ビットである場合を例に挙げて説明すれば、ビットプレーン符号化部620は、まず最上位ビットのビット7に係わるビットプレーンを、
図6Bに図示されたように符号化する。ビット7に係わるビットプレーンを、「0」のグループ631と、「1」のグループ632とに分けて符号化する。最上位ビット7に係わるビットプレーンが同じビットを含んでいないので、まず「1」を符号化し、分割形態を示すために、「000111111111000」を符号化する。
【0049】
ビット6に係わるビットプレーンは、ビット7のグループに基づいて、それぞれのグループが、さらに互いに異なるビット値によって分割されているか否かによって符号化される。
図6Bに図示された実施形態では、「0」のグループ631及び「1」のグループ632がいずれも分割されていないので、「0」のグループ631が分割されていないことを示す「00」と、「1」のグループ632が分割されていないことを示す「01」とを符号化する。
【0050】
ビット5に係わるビットプレーンでは、ビット6に係わるビットプレーンである「1」のグループ632が、2つのグループ634及び644に分割される。従って、「0」のグループが分割されていないことを示す「00」をまず符号化し、「1」のグループ632が分割されたことを示すために「1」を符号化する。その後、「1」のグループ632が分割された形態を示すために、「0000011111」を符号化する。
【0051】
ビット4に係わるビットプレーンでは、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634において、「0」のグループ633がもう一度分割される。従って、「0」のグループ631が分割されていないことを示すために、「00」をまず符号化する。また、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634において、「0」のグループ633が分割されたことを示すために「1」を符号化し、「0」のグループ633の分割形態を示すために、「11100」が符号化される。その後、「1」のグループ634は、分割されていないことを示すために、「01」が符号化される。
【0052】
ビットプレーン符号化部620は、前述の同じビット値をグループ化して生成されたビットグループに基づいたビットプレーン基盤の符号化方法を、最下位ビットまで反復適用し、それぞれのビットプレーンを符号化する。
【0053】
再び
図4を参照すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックの符号化に利用されたモードに係わる情報を符号化する。モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードに決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードによって符号化されたことを示す情報を符号化する。前述のように、現在ブロックがスキップモードによって符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0054】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードに決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがナチュラルモードによって符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードによって符号化されたことを示す情報を符号化することができる。スキップモードと同様に、現在ブロックがナチュラルモードまたはグラフィックモードによって符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0055】
また、モード情報符号化部440は、現在ブロックを含む現在スライスが、スキップモード、ナチュラルモードまたはグラフィックモードによって符号化されたブロックを含んでいるか否かを示す情報を符号化することができる。現在スライスに係わるフラグ情報であるから、現在スライスの構文要素(syntax element)として、フラグ情報を符号化することができる。
【0056】
図7は、本発明のさらに他の実施形態による映像符号化装置を図示している。
図7を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による映像符号化装置700は、スキップモード決定部710、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730、モード決定部740及びモード情報符号化部750を含む。
【0057】
スキップモード決定部710及びモード決定部740は、
図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730及びモード情報符号化部750は、
図1の符号化部120に対応する。
【0058】
スキップモード決定部710は、現在ブロックをスキップモードで符号化するか否かを決定する。現在ブロックのピクセル値と、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックのピクセル値とを比較し、現在ブロックと隣接したブロックが同一であるか、あるいは類似していると判断されれば、現在ブロックの符号化モードをスキップモードに決定する。
【0059】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードに決定すれば、モード情報符号化部750は、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。前述のように、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示すフラグ情報が、モード情報符号化部750で符号化される。
【0060】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、ナチュラルモード符号化部720及びグラフィックモード符号化部730は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードでそれぞれ符号化する。
【0061】
モード決定部740は、ナチュラルモード符号化部720の符号化結果と、グラフィックモード符号化部730の符号化結果とを比較し、現在ブロックをナチュラルモードで符号化するか、あるいはグラフィックモードで符号化するかを決定する。
【0062】
ナチュラルモードで符号化した結果と、グラフィックモードで符号化した結果とに基づいて、RDコストを計算する。コスト=(rate)+(lambda)x(distortion)によってコストを計算し、コストが小さいモードを現在ブロックの符号化モードに決定する。「lambda」は、実施形態によって異なって設定され、「lambda」を調整し、ナチュラルモード及びグラフィックモードの選択比率を変更することができる。
【0063】
モード決定部740で、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードに決定すれば、モード情報符号化部750は、決定された符号化モードに係わる情報を符号化する。現在ブロックが、ナチュラルモードで符号化されたことを示すフラグ情報、またはグラフィックモードで符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0064】
また、
図6を参照して説明したように、モード情報符号化部750は、それぞれのブロックに係わるモード情報以外に、現在スライスがスキップモード、ナチュラルモードまたはグラフィックモードによって符号化されたブロックを含んでいるかを示す情報を符号化することができる。
【0065】
図8は、本発明の一実施形態による映像復号化装置を図示している。
図8を参照すれば、本発明の一実施形態による映像復号化装置800は、モード情報復号化部810及び復号化部820を含む。
【0066】
モード情報復号化部810は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックが、スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうちいずれのモードで符号化されているかを示す情報を復号化する。
【0067】
復号化部820は、モード情報復号化部810で復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードで符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似しているブロック、すなわち、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックは、現在ブロックの復号化直前に復号化されたブロックでありうる。現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードで符号化されたとすれば、
図5及び
図6Aと関連して述べた符号化方法を逆に遂行し、現在ブロックを復元する。
図9を参照しつつ詳細に説明する。
【0068】
図9は、本発明の他の実施形態による映像復号化装置を図示している。
図9を参照すれば、本発明の他の実施形態による映像復号化装置900は、モード情報復号化部910、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940を含む。モード情報復号化部910は、
図8のモード情報復号化部810に対応し、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940は、
図8の復号化部820に対応する。
【0069】
モード情報復号化部910は、
図9のモード情報復号化部810のように、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。
【0070】
スキップモード復号化部920は、復号化されたモード情報が、スキップモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをスキップモードによって復号化する。現在ブロックが隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックをそのまま複写することによって、現在ブロックを復元することができる。
【0071】
ナチュラルモード復号化部930は、復号化されたモード情報が、ナチュラルモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをナチュラルモードによって復号化する。ナチュラルモード復号化部930は、まずビットストリームに含まれている離散コサイン係数において、DC成分の係数をパージングする。その後、ビットプレーン基盤の復号化方法を利用して、離散コサイン係数において、AC成分の係数に係わる複数のビットプレーンを復元する。復元された複数のビットプレーンを結合してAC成分の係数が復元されれば、復元されたAC成分の係数、及びパージングされたDC成分の係数に基づいて、逆離散コサイン変換を遂行する。逆離散コサイン変換の結果、現在ブロックが復元される。
【0072】
グラフィックモード復号化部940は、復号化されたモード情報がグラフィックモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをグラフィックモードによって復号化する。ビットプレーン基盤の復号化方法を利用して、現在ブロックのピクセル値に係わる複数のビットプレーンを復元する。その後、復元された複数のビットプレーンを結合し、現在ブロックのピクセル値を復元する。
【0073】
図10は、本発明の一実施形態による映像符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図10を参照すれば、段階1010で、本発明の一実施形態による映像符号化装置100または400は、現在ブロックをスキップモードで符号化するか否かを決定する。スキップモードは、現在ブロックと隣接したブロックが同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化するモードである。
【0074】
段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されれば、段階1020で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードで符号化するか、あるいはグラフィックモードで符号化するかを決定する。
図1のモード決定部110と関連して説明したように、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであるか、あるいは人為的に生成された映像に係わるブロックであるかを判断し、現在ブロックをナチュラルモードで符号化するか、あるいはグラフィックモードで符号化するかを決定する。
【0075】
段階1030で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードで符号化する。段階1020の判断結果、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであると判断されれば、現在ブロックをナチュラルモードによって符号化する。ナチュラルモードの符号化方法は、
図5と関連して述べた。
【0076】
段階1040で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをグラフィックモードで符号化する。段階1020の判断結果、現在ブロックが、人為的に生成された映像に係わるブロックであると判断されれば、現在ブロックをグラフィックモードによって符号化する。グラフィックモードの符号化方法は、
図6Aと関連して述べた。
【0077】
段階1050で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードに決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。また、段階1010で、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではないと決定され、段階1030ないし1040で、ナチュラルモードまたはグラフィックモードによって現在ブロックを符号化されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードによって符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードによって符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0078】
図11は、本発明の他の実施形態による映像符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図11を参照すれば、段階1110で、本発明の一実施形態による映像符号化装置100または700は、現在ブロックをスキップモードで符号化するか否かを決定する。段階1110は、
図10の段階1010に対応する。
【0079】
段階1110で、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではないと決定されれば、段階1120及び1130で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードによってそれぞれ符号化する。
【0080】
段階1140で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモードで符号化した結果、及びグラフィックモードで符号化した結果を比較し、現在ブロックの符号化モードを決定する。ナチュラルモードで符号化した結果、及びグラフィックモードで符号化した結果に基づいて、RDコストを計算する。コスト計算の結果、コストが小さいモードを現在ブロックの符号化モードに決定する。
【0081】
段階1150で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードに決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。また、段階1110で、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではないと決定され、段階1140で、現在ブロックの符号化モードが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに決定されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードによって符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードによって符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0082】
図12は、本発明の一実施形態による映像復号化方法について説明するためのフローチャートである。
図12を参照すれば、段階1210で、本発明の一実施形態による映像復号化装置800または900は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードで符号化されたかを示す符号化モードに係わる情報を復号化する。
【0083】
段階1220で、映像復号化装置800または900は、復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。段階1210で、モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードで符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似しているブロック、すなわち、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードで符号化されたとすれば、
図5及び
図6Aと関連して述べた符号化方法を逆に遂行し、現在ブロックを復元する。
【0084】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面とによって説明されたとしても、本発明が、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野で当業者であるならば、かような記載から、多様な修正及び変形が可能であろう。従って、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、それと均等であるか、あるいは等価的な変形は、いずれも本発明の思想の範疇に属するものである。また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。
【0085】
例えば、本発明の例示的な実施形態による映像符号化装置及び映像復号化装置は、
図1、
図4、
図7、
図8及び
図9に図示されたような装置のそれぞれのユニットにカップリングされたバス、前記バスに結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。また、命令、受信されたメッセージまたは生成されたメッセージを保存するために、前記バスに結合され、前述のような命令を遂行するための少なくとも1つのプロセッサにカップリングされたメモリを含んでもよい。
【0086】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)の形態で具現されることも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行される。