(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5678144
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】同軸ケーブルコネクタアセンブリ及びレセプタクルコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/38 20110101AFI20150205BHJP
【FI】
H01R24/38
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-157780(P2013-157780)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2014-72188(P2014-72188A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2013年7月31日
(31)【優先権主張番号】201210370677.5
(32)【優先日】2012年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513192627
【氏名又は名称】ハルモト テクノロジー (シェンジェン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】チェン シーチェ
(72)【発明者】
【氏名】カン チンチュワン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャシン
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−260836(JP,A)
【文献】
特開2002−270305(JP,A)
【文献】
実公昭51−027028(JP,Y1)
【文献】
特許第4605591(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側から順に中央導体と、絶縁層と、外部導体と、外皮とで構成された同軸ケーブル用のコネクタであり、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを備え、
前記プラグコネクタは、プラグ中央端子、プラグ絶縁体及びプラグシェルを有し、
前記プラグ中央端子の両端にはそれぞれプラグ接触部とプラグ中心導体結合部を有し、前記プラグ接触部と前記プラグ中心導体結合部は前記プラグ絶縁体の前端と後端にそれぞれ設置され、前記プラグ絶縁体の前端の底面に前記プラグ接触部が露出され、前記プラグ中央導体結合部は前記同軸ケーブルの前記中央導体の結合に使用され、前記プラグシェルは前記プラグ絶縁体の前方へ伸びるストッパー構造であって前記プラグ絶縁体の前端縁を覆うように前記プラグ絶縁体が当接するストッパー構造を有し、また前記プラグシェルは前記プラグ絶縁体と反対側の表面にプラグ係合構造を有し、
前記プラグシェルの尾部に、圧着接合によってそれぞれが前記同軸ケーブルの前記外部導体及び前記外皮と一体化する複数のクリップが設けられ、前記プラグシェルと前記プラグ中央端子の前記プラグ中央導体結合部とが対応する位置に空洞が形成され、遮蔽板が延伸し、前記遮蔽板が曲がることによって前記空洞を遮蔽でき、
前記空洞は、前記プラグ中央導体結合部の背面で前記プラグ中央端子に当接して前記プラグ中央導体結合部と前記中央導体とを圧着接合する際のサポートを提供するサポーターが進入可能に設けられ、
前記レセプタクルコネクタは、レセプタクル中央端子、レセプタクル絶縁体及びレセプタクルシェルを有し、
前記レセプタクルコネクタにおいて、前記レセプタクル中央端子は、前記レセプタクル絶縁体に設置され、前記レセプタクル絶縁体の頂面に露出するレセプタクル接触部を有し、前記レセプタクル接触部は前記プラグ接触部と構造対応関係を有し、前記レセプタクル中央端子は前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクル中央端子ピンを有し、前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体と結合することによって側面差込口を有する中空状の差込空間を形成し、前記プラグコネクタの前端部分が前記側面差込口を通って前記差込空間に進入出来るようにすることによって、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部を電気的に接続し、そして前記プラグシェルと前記レセプタクルシェルを電気的に接続し、前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体側の表面にレセプタクル係合構造を有し、前記プラグ接触部が前記差込空間に進入する際に前記プラグ係合構造と係合し、また前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクルシェルピンを有し、
前記プラグ係合構造と、前記レセプタクル係合構造は、それぞれ対応して係合する凸構造と凹構造であり、前記凸構造と前記凹構造とを係合することによって、係合の有効性を確認できることを特徴とする同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記プラグシェルの後端の両側には一対の翼板が上方へ伸び、前記一対の翼板は相対的に内側へ曲がることによって前記プラグ絶縁体の上縁を遮蔽する請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記プラグ絶縁体は前記プラグシェルのストッパー構造を進入させるため、その前端周縁に凹部領域を有し、前記プラグ絶縁体の後端に前記プラグ中央導体結合部を収容するための通孔を有し、また前記通孔に隣り合う前記プラグ絶縁体の側壁に前記中央導体を通過させて前記通孔に進入させる溝を有し、前記側壁の外壁面に同軸ケーブル内部の前記絶縁層が当接する、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部は、それぞれ対応する凸部と凹部を有する、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記プラグシェルの前記ストッパー構造から離れた側の一端が延伸して第一挟持部と第二挟持部を形成する、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記レセプタクル中央端子ピンは、前記レセプタクル接触部から離れる方向に延び、前記レセプタクル中央端子ピンは、SMTピン又はスルーホールピンである、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記レセプタクルシェルピンは、前記レセプタクル係合構造から離れる方向に延び、前記レセプタクルシェルピンは、SMTピン又はスルーホールピンである、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記プラグ中央導体結合部は、前記同軸ケーブルの前記中央導体と、圧着、半田付け、又はIDCソケットにより結合し、内壁面にガイド構造を形成するため、前記レセプタクルシェルの断面積が内部から側面差込口方向へ徐々に広がる、請求項1に記載の同軸ケーブルコネクタアセンブリ。
【請求項9】
プラグ接触部とプラグシェルを有し、内側から順に中央導体と、絶縁層と、外部導層と、外皮とで構成された同軸ケーブルに用いられるプラグコネクタと嵌合するためのレセプタクルコネクタであって、
レセプタクル絶縁体と、
前記レセプタクル絶縁体に設けられたレセプタクル中央端子であって、前記レセプタクル絶縁体の頂面に露出するレセプタクル接触部と、前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクル中央端子ピンとを有するレセプタクル中央端子と、
前記レセプタクル絶縁体と結合することによって、側面差込口を有する中空状の差込空間を形成するレセプタクルシェルであって、前記プラグコネクタの一部が前記側面差込口を通って、前記差込空間に進入出来るようにすることによって、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部を電気的に接続し、且つ前記プラグシェルと前記レセプタクルシェルを電気的に接続し、前記レセプタクルシェルの前記レセプタクル絶縁体側の表面にレセプタクル係合構造が設けられ、前記差込空間に進入するプラグコネクタを係合する前記レセプタクルシェルを有し、
前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクルシェルピンを有し、
前記レセプタクル係合構造は、係合の有効性を確認するための凸構造又は凹構造であることを特徴とする、レセプタクルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は同軸ケーブルコネクタアセンブリとレセプタクルコネクタに関する。より詳しくは、側面差込タイプの同軸ケーブルコネクタアセンブリと、側面差込口を有するレセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは一般的に様々な電子製品の信号伝送に使われ、特にRF信号伝送やアンテナの分野で広汎的に用いられる。電子製品の開発が小型化の方向へと進むのに伴い、電子製品の内部に使われる同軸ケーブルのコネクタのサイズも大幅な小型化が必要とされている。一般的に、同軸ケーブルのコネクタはレセプタクルコネクタとプラグコネクタから構成される。レセプタクルコネクタ(
図1を参照)は電子製品の印刷基板(未図示)に半田付けされる。
図1に示すように、レセプタクルコネクタ1の中央部分には柱状体のレセプタクル中央端子11と筒状のレセプタクルシェル13が設けられている。レセプタクルシェル13はレセプタクル中央端子11を囲むように設置され、そしてレセプタクル中央端子11の底側から外部にレセプタクル中央端子ピン12が伸び出し、レセプタクルシェル13の底側から外部にレセプタクルシェルピン14が伸び出す。使用する際はSMT半田付けや他の接続方法により、これらのピン12、14を印刷基板(PCB,Printed Circuit Board)の指定位置に接続する。
【0003】
図2は従来のプラグコネクタの概略図である。
図2に示すように、プラグコネクタ2は、プラグ中央端子21とプラグシェル22を含み、プラグ中央端子21は同軸ケーブル3の中央導体(一般にいう心線、未図示)に電気的に接続し、プラグシェル22は同軸ケーブル3の外部導体(未図示)に電気的に接続する。プラグコネクタ2は
図1に示すレセプタクルコネクタ1に嵌合することができ、これによってプラグ中央端子21を介してレセプタクル中央端子11と電気的に接続する。連結と、プラグシェル22とレセプタクルシェル13が電気的に接続することにより、同軸ケーブル3と電子製品の印刷基板との間のRF信号の伝送が可能となる。プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合のため、現状では上下の嵌合方法が用いられている。
図3は従来のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作を示す概略図である。
図3に示すように、プラグコネクタ2は上から下へ移動してレセプタクルコネクタ1に嵌めることにより、プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ1が嵌合する(
図4を参照)。
【0004】
近年、スマートフォンなどの精密ポータブル電子製品の体積小型化要求により、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合後の全体高さをより低くすることが求められている。例えば、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合高さは、当初の3.5mmから1.2mmに減少しているが、現在さらに1.0mm以下にすることが求められている。前記の嵌合高さが低いほど、電子製品の小型化の要求に沿ったものとなるが、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの接触高さと面積が不充分となることによって、コネクタ同士の間の嵌合強度も不充分になる。そして外部からの衝撃力を受けた時にプラグコネクタがレセプタクルコネクタから離脱し、電子製品の正常機能に影響を与え、さらに電子製品に損傷を与える恐れがある。
【0005】
また、現在プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合は主に作業員の手作業によって行なわれている。しかしプラグコネクタが小さ過ぎることから、作業員の作業難度が高まり、且つ作業員の視線が指に阻まれ易くなるためレセプタクルコネクタの正確な位置を把握し難くなることによって、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを上手く嵌合することが出来ず、さらに嵌合時などに不適当な圧力によりコネクタが損傷することさえも起こり、電子製品の歩留りが低下し、その後の無駄なリワーク作業(作り直す作業)が発生する。既にあるメーカーはプラグコネクタを自動的にレセプタクルコネクタに位置決めする自動嵌合装置を実験的に導入し、それによってプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合作業の自動化が達成される。しかし、自動嵌合装置の導入には、多額の費用を要するだけでなく、さらに装置がコネクタを摘み上げて配置部に離すためのピックアンドプレース機構が占める空間が過大となるという問題も発生し、上手く生産ラインに導入することは困難である。
【0006】
これらの問題に基づいて、同軸ケーブルコネクタの構造を改良し、コネクタ同士を効果的に嵌合させながらその高さを低くして、前述の様々な問題を解決することが、この技術分野における高い関心を集めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、側面差込口を利用することによって、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを簡単且つ有効に嵌合させる、同軸ケーブルコネクタの改良構造を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、差込口をレセプタクルコネクタの側面に設置することによって、レセプタクルコネクタとプラグコネクタを嵌合させた後の全体高さを効果的に低くする、同軸ケーブルコネクタの改良構造を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、差込口をレセプタクルコネクタの側面に設置することによって、レセプタクルコネクタとプラグコネクタを嵌合させる時のコネクタ損傷を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的及び他の目的を満たすため、本発明は
内側から順に中央導体と、絶縁層と、外部導体と、外皮とで構成された同軸ケーブル用のコネクタであり、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを備え、前記プラグコネクタは、プラグ中央端子、プラグ絶縁体及びプラグシェルを有し、前記プラグ中央端子の両端にはそれぞれプラグ接触部とプラグ中心導体結合部を有し、前記プラグ接触部と前記プラグ中心導体結合部は前記プラグ絶縁体の前端と後端にそれぞれ設置され、前記プラグ絶縁体の前端
の底面に前記プラグ接触部が露出され、前記プラグ中央導体結合部は
前記同軸ケーブルの
前記中央導体の結合に使用され、前記プラグシェルは前記プラグ絶縁体の前方へ伸びるストッパー構造であって
前記プラグ絶縁体の前端縁を覆うように前記プラグ絶縁体が当接するストッパー構造を有し、また前記プラグシェルは前記プラグ絶縁体と反対側の表面にプラグ係合構造を有し、前記プラグシェルの尾部に、圧着接合によってそれぞれが
前記同軸ケーブルの
前記外部導体及び
前記外皮と一体化する複数のクリップが設けられ、
前記プラグシェルと前記プラグ中央端子の前記プラグ中央導体結合部とが対応する位置に空洞が形成され、遮蔽板が延伸し、前記遮蔽板が曲がることによって前記空洞を遮蔽でき、前記空洞は、前記プラグ中央導体結合部の背面で前記プラグ中央端子に当接して前記プラグ中央導体結合部と前記中央導体とを圧着接合する際のサポートを提供するサポーターが進入可能に設けられ、前記レセプタクルコネクタは、レセプタクル中央端子、レセプタクル絶縁体及びレセプタクルシェルを有し、前記レセプタクルコネクタにおいて、前記レセプタクル中央端子は、前記レセプタクル絶縁体に設置され、前記レセプタクル絶縁体
の頂面に露出するレセプタクル接触部を有し、前記レセプタクル接触部は前記プラグ接触部と構造対応関係を有し、前記レセプタクル中央端子は前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクル中央端子ピンを有し、前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体と結合することによって側面差込口を有する
中空状の差込空間を形成し、前記プラグコネクタの前端部分が前記側面差込口を通って前記差込空間に進入出来るようにすることによって、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部を電気的に接続し、そして前記プラグシェルと前記レセプタクルシェルを電気的に接続し、前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体側の表面にレセプタクル係合構造を有し、前記プラグ接触部が前記差込空間に進入する際に前記プラグ係合構造と係合し、また前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクルシェルピンを有
し、前記プラグ係合構造と、前記レセプタクル係合構造は、それぞれ対応して係合する凸構造と凹構造であり、前記凸構造と前記凹構造とを係合することによって、係合の有効性を確認できる同軸ケーブルコネクタアセンブリを提供する。
【0011】
また、本発明はプラグ
接触部とプラグシェルを有
し、内側から順に中央導体と、絶縁層と、外部導層と、外皮とで構成された同軸ケーブルに用いられるプラグコネクタと嵌合するためのレセプタクルコネクタであって、レセプタクル絶縁体と、前記レセプタクル絶縁体に設けられたレセプタクル中央端子であって、前記レセプタクル絶縁体の頂面に露出するレセプタクル接触部と、前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクル中央端子ピンとを有するレセプタクル中央端子と、前記レセプタクル絶縁体と結合することによって、側面差込口を有する
中空状の差込空間を形成するレセプタクルシェルであって、前記プラグコネクタの一部が前記側面差込口を通って、前記差込空間に進入出来るようにすることによって、前記プラグ接触部と前記レセプタクル接触部を電気的に接続し、且つ前記プラグシェルと前記レセプタクルシェルを電気的に接続し、前記レセプタクルシェルの前記レセプタクル絶縁体側の表面にレセプタクル係合構造が設けられ、前記差込空間に進入するプラグコネクタを係合する前記レセプタクルシェルを有し、前記レセプタクルシェルは前記レセプタクル絶縁体から外部に伸び出すレセプタクルシェルピンを有
し、前記レセプタクル係合構造は、係合の有効性を確認するための凸構造又は凹構造であるレセプタクルコネクタを提供する。
【発明の効果】
【0012】
従来の技術に比べて、本発明に係るレセプタクルコネクタは、レセプタクルシェルを有することによって、差込空間を形成しながら側面差込口を有し、プラグコネクタは側面差込口を通過して差込空間に進入することが出来、レセプタクルシェルの内壁面によって移動範囲が制限され、これによって差込空間に進入したプラグコネクタは、レセプタクルコネクタから側面差込口以外の方向に離脱することが不可能になり、コネクタの使用安定性はより高く、且つレセプタクルコネクタとプラグコネクタの嵌合高さは大幅に低下し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】従来のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作の概略図。
【
図4】従来のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作が完了した状態を示す概略図。
【
図5】本発明のレセプタクルコネクタの構造を示す概略図。
【
図6】本発明のプラグコネクタをワイヤーボンディングさせた後の構造を示す概略図。
【
図7】本発明のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作の概略図。
【
図8】本発明のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作が完了した状態を示す概略図。
【
図9】本発明のプラグコネクタをワイヤーボンディングさせる前の同軸ケーブル装着状態を示す概略図。
【
図10】
図6に示すプラグコネクタの構造分解概略図。
【
図11】
図10に示すプラグ絶縁体とプラグ中央端子の組合概略図。
【
図12】
図10に示すプラグ中央端子と同軸ケーブルが結合した状態の概念図。
【
図13】
図5に示すレセプタクルコネクタの構造分解概略図。
【
図14】
図13に示すレセプタクル絶縁体とレセプタクル中央端子の組合概略図。
【
図15】本発明のストリッププラグコネクタの概略図。
【
図16】半田付けによって結合された本発明の同軸ケーブル中央導体の概略図。
【
図17】IDCアダプタによって結合された本発明の同軸ケーブル中央導体の概略図。
【
図18】圧着接合によって結合された本発明の同軸ケーブル中央導体の概略図。
【
図19】本発明の一実施例のプラグ接触部とレセプタクル接触部に対応する接触構造を示す概略図。
【
図20】本発明の別の実施例のプラグ接触部とレセプタクル接触部に対応する接触構造を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同軸ケーブルコネクタ構造の高さを有効に低下させ、現在の産業の同軸ケーブルコネクタサイズに対する要求を満たすために、本発明は少なくともプラグコネクタとレセプタクルコネクタで構成される同軸ケーブルコネクタアセンブリと新規のレセプタクルコネクタを提供する。
図6、9〜12は、本発明のプラグコネクタの構造を示す概略図である。
図10に示すように、プラグコネクタ5は、プラグ中央端子51、プラグ絶縁体52、及びプラグシェル53を有する。プラグ中央端子51の両端にはそれぞれプラグ接触部511とプラグ中心導体結合部512を有する。プラグ接触部511とプラグ中心導体結合部512はプラグ絶縁体52の前、後両端にそれぞれ設置され、プラグ絶縁体52の前端にプラグ接触部511が露出され、プラグ中央導体結合部512は同軸ケーブル4の中央導体41(一般にいう心線)の結合に使用される。プラグシェル53は電気的遮蔽の機能を備え、また同軸ケーブル4の外部導体43と電気的に接続することによって接地信号を伝達する。
【0015】
また
図5、13〜14は、本発明のレセプタクルコネクタの構造を示す概略図である。
図13に示すように、レセプタクルコネクタ7は少なくともレセプタクル中央端子71、レセプタクル絶縁体72、及びレセプタクルシェル73で構成される。レセプタクル中央端子71はレセプタクル絶縁体72に設置され、レセプタクル絶縁体72に露出されるレセプタクル接触部711を有する。レセプタクルシェル73はレセプタクル絶縁体72と結合し、側面差込口741を有する差込空間74を形成し、プラグコネクタの前端部分が側面差込口741を通過し、差込空間74に進入出来るようにすることによって、プラグ接触部511とレセプタクル接触部711を電気的に接続し、且つプラグシェル53とレセプタクルシェル73を電気的に接続する。このようなコネクタデザインにより、同軸ケーブル4の中央導体41と外部導体43それぞれが確実に印刷基板と電気的に接続することができる。
【0016】
また、
図7と
図8は、本発明のプラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合動作を示す概略図である。プラグコネクタ5とレセプタクルコネクタ7の嵌合は、まずプラグコネクタ5のプラグ中央端子と同軸ケーブル4の中央導体を結合させ、プラグコネクタ5の尾部の複数のクリップを、圧着接合によってそれぞれが同軸ケーブル4の外部導体と外皮と一体化する。そして、プラグコネクタ5と同軸ケーブル4との結合を完成することは、即ちプラグコネクタ5の配線への取付けを完成することを意味する。同軸ケーブルに取付け済みのプラグコネクタ5をレセプタクルコネクタ7の側面差込口741に位置決めし、側面差込方式により差込空間74に差し込んで、プラグコネクタ5とレセプタクルコネクタ7との嵌合動作が完了し、
図8に示す状態となる。同様に、プラグコネクタ5とレセプタクルコネクタ7との嵌合を解除する場合は、プラグコネクタ5をレセプタクルコネクタ7の側面差込口741の挿入方向と反対の方向へ抜くだけで良い。
【0017】
図13に示すように、レセプタクル中央端子71はレセプタクル絶縁体72の外部に延びるレセプタクル中央端子ピン712を有する。レセプタクル中央端子ピン712は、レセプタクル接触部711と反対側の方向へ延び、レセプタクル絶縁体72の底部に露出する。レセプタクルコネクタ7に嵌合したプラグコネクタ5は、レセプタクル中央端子ピン712を介して印刷基板と電気的に接続可能であり、これによって同軸ケーブル4の中央導体41の電気信号を印刷基板に伝達する。
【0018】
また、レセプタクルシェル73は、レセプタクル絶縁体72の外部に延びるレセプタクルシェルピン732を有する。レセプタクルシェルピン732はレセプタクル係合構造731と反対側の方向へ伸び、レセプタクル絶縁体72の底部に露出する。プラグシェル53とレセプタクルシェル73が電気的に接続する時、同軸ケーブル4の外部導体43からプラグシェル53に伝達した接地信号は、レセプタクルシェル73とレセプタクルシェルピン732を介して印刷基板に伝達出来る。従って、レセプタクルシェル73は電気的に遮蔽する機能を提供出来る他に、レセプタクルシェルピン732を介して接地機能も提供出来る。レセプタクル中央端子ピン712やレセプタクルシェルピン732としては、印刷基板と結合するSMTピンやスルーホールピンが挙げられる。
【0019】
前述したレセプタクルシェルピン732と印刷基板との接触面、そしてレセプタクル中央端子ピン712と印刷基板との接触面は同じ水平面にあることにより、レセプタクルコネクタを印刷基板にSMT半田付け工程、もしくは他の半田付け工程が円滑に進行する。
図13に示すように、レセプタクル中央端子ピン712のピン数は1であり、レセプタクルシェルピン732のピン数は2であるが、レセプタクル中央端子ピン712とレセプタクルシェルピン732のピン数は、これに制限されることなく、状況に応じて調整可能である。
【0020】
レセプタクル接触部711は、プラグ接触部511と対応する構造を有する。例えば、プラグ接触部511とレセプタクル接触部711はそれぞれ対応構造関係を持つ凸部や凹部を有することが出来る。プラグコネクタ5がレセプタクルコネクタ7を嵌合する場合、凸部と凹部の関係によりプラグ接触部511とレセプタクル接触部711は密接し、プラグ接触部511とレセプタクル接触部711の電気的接続関係を維持して、コネクタの信頼度を高める。
【0021】
図13に示すように、レセプタクル接触部711はプラグ接触部511を収納出来る平面凹部構造である。それに対応するように、
図10と
図11に示すように、プラグ接触部511は平面凸部構造であるが、これに制限されることはなく、レセプタクル接触部711とプラグ接触部511が密接出来る構造であれば、例えばプレートや、弾片、U型、V型などの構造を使用できる。
図19に示すように、レセプタクル接触部711は凸部構造であって、それに対応して、プラグ接触部511は凹部構造である。また、
図20に示すように、レセプタクル接触部711はプラグ接触部511を挟持する挟持構造や弾片構造であってもよい。
【0022】
図10に示すように、プラグシェル53は頭部531と、頭部531と連結する尾部532を有する。頭部531はプラグシェル53の前半部にあって、プラグ絶縁体52の前端縁へ曲がるように延伸するストッパー構造5311が設置され、プラグ絶縁体52が当接する。プラグシェル53の尾部532は、頭部531と反対側の一端が延伸して第一挟持部5324と第二挟持部5325を形成する。同軸ケーブル4の外部導体43は第一挟持部5324の内部に収納でき、同軸ケーブル4の外皮(一般にいうジャケット)44は第二挟持部5325の内部に収納できる。クリンピング式圧着接合方法によって、第一挟持部5324と第二挟持部5325は同軸ケーブル4の外部導体43と外皮44をそれぞれ緊密に挟持し、圧着接合後の同軸ケーブル4の同心度を維持できる。第一挟持部5324と外部導体43の接触により、同軸ケーブル4の外部導体43から発信する接地信号をプラグシェル53に伝達することができる。
【0023】
また、
図7に示すように、レセプタクルシェル73は、レセプタクル絶縁体72に面する表面にレセプタクル係合構造731が設けられている。プラグシェル53はプラグ絶縁体52の反対側の表面(即ち、プラグシェル53の背面)にプラグ係合構造5312が設けられている。レセプタクル係合構造731は、プラグ接触部511が差込空間74に進入してレセプタクル接触部711と電気的に接続する時、プラグ係合構造5312と係合することができる。従って、係合の有効性を確認でき、プラグコネクタ5とレセプタクルコネクタ7との係合強度と信頼性を有効に増加する。さらに説明すれば、プラグ係合構造5312とレセプタクル係合構造731としては、それぞれ凸構造或いは凹構造であって、凸構造と凹構造との係合により、プラグコネクタ5とレセプタクルコネクタ7との結合力を高め、プラグコネクタ5が外力を受けた時にレセプタクルコネクタ7から離脱することを防ぐ。そして係合の有効性を確認でき、係合強度と信頼性を有効に増加する。
【0024】
さらに、レセプタクルシェル73の断面積は、内壁面にガイド構造を形成するため、内部から側面差込口741方向に広がっている。該ガイド構造は、プラグコネクタ5の前端部分をガイドして差込空間74に進入させる。このように、プラグコネクタ5の前端部分は、その進行方向と側面差込口741とが九十度より大きい導入角をなしても、前述したガイド構造のガイドにより差込空間74に進入することができる。ガイド構造としては、ガイド面或いはガイド溝であっても良い。
【0025】
図10〜11に示すように、プラグ絶縁体52の前端は、プラグ中央端子51を固定するように設計され、そして上方にプラグ接触部511が露出するようになっている。プラグシェル53のサイズはプラグ絶縁体52に適合しており、プラグシェル53の内部空間にプラグ絶縁体52を収納することができる。本実施例において、プラグ絶縁体52前端の高さは後端より低く、階段構造を形成しており、これにより、組み合わせられるレセプタクルコネクタ7も低い高さに設計することが出来る。プラグ絶縁体52の後端は中空フレーム設計を採用し、後端中央部位に通孔521を形成している。プラグ中央端子51のプラグ中央導体結合部512は、プラグ絶縁体52後端の通孔521の中に設置することができる。プラグシェル53の尾部532の両側に一対の翼板5321が上方へ伸びている。該一対の翼板5321は相対的に内側へ曲がることによってプラグ絶縁体52の上縁で通孔521を遮蔽するので、プラグ絶縁体52内部のプラグ中央導体結合部512が遮蔽され、これによりプラグコネクタ5の中の信号伝達が外部の影響を受けないようにし、また、短絡することを防止する。
【0026】
また、通孔521に隣り合うプラグ絶縁体52後端の側壁は溝522を有している。同軸ケーブル4の中央導体41は、この溝522を通過することによって、通孔521に進入する。前述の側壁は外壁面523を有し、それに同軸ケーブル4内部の絶縁層42の前端が押し付けられるので、後ろにある中央導体41とプラグ中央導体結合部512との結合作業が有利になり、溝522で中央導体41が浮いた状態となり、中央導体41とプラグシェル53の距離を保って、それにより中央導体41の電気的信号の伝達が妨害されることや、短絡することを防止する。
【0027】
図12に示すように、プラグ中央導体結合部512は、圧着接合によって同軸ケーブル4の中央導体41と結合するが、本発明はこれに限られない。また、
図16〜18に示すように、プラグ中央導体結合部512は、半田付け(
図16を参照)や、IDCソケット(
図17を参照)、圧着(
図18を参照)などの方法によって同軸ケーブル4の中央導体41との結合を完成する。
【0028】
プラグ中央導体結合部512が圧着接合によって中央導体41と結合する場合、
図9と10に示すように、プラグシェル53はプラグ中央導体結合部512の位置に対応して、空洞5322を形成することができる。そして遮蔽板5323は空洞5322の少なくとも一側壁面から延び出す。圧着接合する時、プラグシェル53のプラグ中央導体結合部512に対応する位置に設けられた空洞5322を経由してサポーターを進入させる。プラグ中央導体結合部512の背面でサポーターがプラグ中央端子51に当接することによって、プラグ中央導体結合部512と圧着接合する際のサポートを提供し、プラグ中央導体結合部512と中央導体41と一体化することができる。
図12に示すように、プラグ中央導体結合部512と中央導体41の圧着接合動作を完了した後、遮蔽板5323と翼板5321を曲げることによって、それぞれが空洞5322と通孔521を遮蔽することができ、プラグコネクタ5と中央導体4結合部位の遮蔽効果を達成する。
【0029】
プラグ中央端子51、プラグシェル53、レセプタクル中央端子71、及びレセプタクルシェル73、は金属薄板をプレス成形したものが良い。要望により表面処理を施し、酸化や劣化現象の発生を避けることにより、製品の使用年限を延長するのが良い。本発明の実施例において、プラグシェル53の前端は台形フレーム設計を採用するが、これにより制限されることはなく、レセプタクルコネクタの構造設計によって多角形、弓形、楕円形、或いは不規則な形のフレーム設計を採用することもできる。
【0030】
プラグ絶縁体52は、プラスチック成形方法で製造できる。レセプタクル絶縁体72は、素材としてSMT高温に耐えるプラスチックを使用するのが良い。インサート射出成形や組み立て式により、プラグ中央端子51とプラグ絶縁体52を、そしてレセプタクル中央端子71とレセプタクル絶縁体72を固定して一体化することができる。
図5に示すように、レセプタクル中央端子71とレセプタクル絶縁体72が結合した後、レセプタクル接触部711はレセプタクル絶縁体72の上縁に貼り付けながら露出する。また、
図15に示すように、本発明のプラグコネクタは複数個直列に接続するストラップ連結によって結合し、端子製作及びワイヤ加工の利便性に有利性をもたらすことができる。
図15に示すように、複数のプラグコネクタ5は一つのストラップ8に直列に接続する。
【0031】
以上のように、本発明は、プラグコネクトとレセプタクルコネクタを有する同軸ケーブルコネクタアセンブリ。プラグコネクタは、プラグ中央端子とプラグシェルを有する。プラグ中央端子は、同軸ケーブルの中央導体と結合できる。プラグシェルの尾部に設置された複数のクリップは、圧着接合によって同軸ケーブルの外部導体と外皮と一体化する。レセプタクルコネクタはレセプタクル中央端子とレセプタクルシェルを有する。レセプタクルシェルによって側面差込口を有する差込空間が形成される。プラグコネクタの前端部位を側面から差込空間に進入できることによって、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合が完成される。これによりプラグ中央端子とレセプタクル中央端子が電気的連結され、そしてプラグシェルとレセプタクルシェルも電気的連結される。レセプタクルシェルの内壁面は移動制限機能を持つことによって、プラグコネクタは制限され、側面口以外の方向にレセプタクルコネクタから離脱できない。このように、レセプタクルコネクタの高さが低くなっても、プラグコネクタに対して十分な嵌合強度を提供できる。従って、プラグコネクタは外力を受けてもレセプタクルコネクタから離脱し難く、コネクタの使用安定性を有効に高める。
【0032】
また、レセプタクルコネクタにレセプタクル係合構造が設けられ、差込空間に進入するプラグコネクタと係合する。この構造によって係合の正確性が有効に確認され、さらに係合強度と信頼性を有効に増加する。同じく、プラグコネクタにもプラグ係合構造を設けることができる。このプラグ係合構造とレセプタクル係合構造とが係合することによって、プラグコネクタとレセプタクルコネクタの係合効果が良くなる。
【0033】
ほかに、前述の差込空間の断面は、内部から側面差込口方向へ徐々に広がる。このように、レセプタクルシェルの内壁面にガイド構造を形成することができる。該ガイド構造は、プラグコネクタの前端部分をガイドして差込空間に進入させることによって、プラグコネクタが小型レセプタクルコネクタの側面差込口に照準を合わせ難い問題を解決できる。従って、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを嵌合する作業時間とコストを有効に減少することができる。