特許第5678207号(P5678207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5678207圧縮空気補充回路を備える圧縮空気エンジンアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5678207
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】圧縮空気補充回路を備える圧縮空気エンジンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F01B 29/10 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   F01B29/10
【請求項の数】12
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-542367(P2013-542367)
(86)(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公表番号】特表2014-525002(P2014-525002A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】CN2012073006
(87)【国際公開番号】WO2013060113
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2013年6月7日
(31)【優先権主張番号】201110331847.4
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513111983
【氏名又は名称】北京祥天華創空気動力科技研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】周 登栄
(72)【発明者】
【氏名】周 剣
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/051668(WO,A1)
【文献】 特表2010−502883(JP,A)
【文献】 実開平04−104423(JP,U)
【文献】 実開平07−004879(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01B 17/02,29/10
F16H 1/28,48/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー(40)と、圧縮空気を吸気させるためのエアチューブ穴(402)及び排ガスを排出させるための排気穴(272)が設置されるシリンダーヘッドシステム(36)と、吸気管ライン(42)と、排気管ライン(27)と、ピストン(51)と、リンク(54)と、前記ピストン(51)がリンク(54)を介して接続されるクランクシャフト(56)と、排気カムシャフト(800)と、吸気カムシャフト(200)と、前記クランクシャフト(56)とカムシャフト(800、200)に伝動するためのフロントギャケースシステム(43)と、リアギヤケース(33)と、を含むリンクシリンダーエアチューブエンジン本体(1)と、
パイプライン(14)を介して外部ガス充填装置と接続する高圧空気貯蔵タンクセット(13)と、
パイプライン(15)を介して高圧空気貯蔵タンクセット(13)と接続する定圧タンク(16)と
を含んでいる空気動力エンジンアセンブリにおいて、
パイプライン(17)を介して定圧タンク(16)と繋がる吸気制御速度調整弁(23)と、
コントローラシステム(6)と、
エンジン本体(1)のクランクシャフト(56)と接続するマルチシリンダー動力配分器(2)と、
マルチシリンダー動力配分器(2)と接続することで、クランクシャフト(56)により動力が伝達される動力設備(4)と、
センサー(24、242)により検出された信号に基づいて吸気制御速度調整弁(23)を制御する電子制御ユニットECU(29)と
排気集気管(28)の流体と接通することで、排気集気管(28)により排出される排ガスをエンジン本体(1)に補充・供給する圧縮空気補充回路と
を更に含んでいることを特徴とする圧縮空気補充回路を備えることを特徴とする空気動力エンジンアセンブリ。
【請求項2】
2ストロークエンジンアセンブリであることを特徴とする請求項1に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項3】
前記圧縮空気補充回路が、空気圧縮機(7)、排ガス回収タンク(9)、電動タービンワンウェイ排気器(19)、排ガスマフラー(22)、コンデンサー(11)、圧力制限弁(702)を含んでおり、その中で、排ガスが排気集気管(28)を介して排ガスマフラー(22)に入り、且つ電動タービンワンウェイ排気器(19)を介して排ガス回収タンク(9)内に吸われ、排ガス回収タンク(9)内に集められた排ガスは、空気圧縮機(7)で圧縮・加圧された後、コンデンサー(11)にて冷却処理されて後、圧力制限弁(702)を通じて高圧空気貯蔵タンクセット(13)に送られることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項4】
前記圧縮空気補充回路が更にシーケンスバルブ(703)を含んでおり、空気圧縮機(7)で加圧された排ガスは、圧力が15MPaより低い時に、直接にシーケンスバルブ(703)を経由して定圧タンク(16)に送られることを特徴とする請求項3に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項5】
前記空気圧縮機(7)がカップリングを介して、マルチシリンダー動力配分器(2)と接続し、マルチシリンダー動力配分器(2)から伝達された動力が空気圧縮機(7)を作動駆動することによって、排ガス回収タンク(90)からの排ガスを圧縮することを特徴とする請求項4に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項6】
前記コントローラシステム(6)が高圧コモンレール式定圧パイプ(91)、コントローラ上蓋(108)、コントローラ中部台座(98)とコントローラ下台座(97)を含んでおり、前記コントローラ上蓋(108)、コントローラ中部台座(98)及びコントローラ下台座が相次いでボルトにより着脱可能に密封接続させることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項7】
前記コントローラ中部台座(98)内には、コントローラバルブ(92)、コントローラバルブスプリング(94) 、オイルシールブッシュ(99)、コントローラバルブスプリング下台座(97)及びコントローラのバルブシートプッシュ(93)がそれぞれ取付られており、前記コントローラバルブ(92)がコントローラバルブスプリング(94)の予作用力で、エンジンが吸気する必要がない時に、コントローラバルブシートプッシュ(93)に当接することを特徴とする請
【請求項8】
前記コントローラ下台座(97)内には、コントローラバルブ(92)の開閉を制御するコントローラタペット(115)が設置され、前記コントローラタペット(115)が吸気カムシャフト(200)により作動されることを特徴とする請求項7に記載のエンジンアセンブリ。
【請求項9】
マルチシリンダー動力配分器が多段を含み、各段が遊星歯車(401)、内歯歯車(407)と太陽歯車(405)を含んでおり、前記遊星歯車(401)が内歯歯車(407)と太陽歯車(405)との間に位置し、且つ内歯歯車(407)に内接噛合し、太陽歯車(405)とに外接噛合することを特徴とする空気動力エンジンに使用されるマルチシリンダー動力配分器(2)。
【請求項10】
前記マルチシリンダー動力配分器(2)が前記内歯歯車(407)を介してクランクシャフト(56)におけるフライホイール(32)のリングギア(31)と接続することによって、クランクシャフト(56)からの動力を受けることを特徴とする請求項9に記載のマルチシリンダー動力配分器(2)。
【請求項11】
第一段(601)及び第二段(602)の遊星歯車(401)が相互に遊星歯車ピン(403)を介して接続させ、第二段(602)及び第三段(603)の太陽歯車(405)が相互に太陽歯車ピン(406)を介して接続させ、第三段(603)と第四段(604)が相互に遊星歯車ピン(403)を介して接続させ、第四段(604)及び第五段(605)とが相互に太陽歯車(405)を介して接続させることを特徴とする請求項10に記載のマルチシリンダー動力配分器(2)。
【請求項12】
前記遊星歯車ピン(403)がフラットキー(4021)を介して遊星歯車(401)と接続することによって、第一段(601)の運動を第二段(601)に伝達したり、第三段(603)の運動を第四段(604)に伝達したりすることを特徴とする請求項11に記載のマルチシリンダー動力配分器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに関し、具体的に圧縮空気を補充動力源とする空気動力エンジンアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンは、各行業界に応用され、現代交通運輸手段、例えば、自動車及び汽船等で、一般に燃料油を動力源とするピストン式内燃機関を使用する。このような燃料油を動力源とするエンジンは、燃料油の燃焼が不十分であるので、排ガスの中で大量な有害物質があり、環境を汚染する。一方、使用される燃料油が石油から取得されたので、石油資源が日増しに欠乏することによって、燃料油エンジンの発展と利用は、日増しに多い制限を受ける。従って、新しく清潔的な汚染のない代替エネルギーを開発し、或はできるだけ燃料油の消耗量を減少し、排出を低減することは、エンジン発展で緊急に解決しなければならない問題になる。圧縮空気を動力源とする空気動力エンジンはこのような要求を満たす。
圧縮空気動力エンジンの早期研究者は仏国MDI会社のデザインGuy Negreであり、彼は、2002年にNo.1の純空気動力の経済型家庭用乗用車を開発した。圧縮空気エンジンへの研究について、特許文献FR2731472A1、US6311486B1、US20070101712A1等を参照する。
特許文献FR2731472A1は、燃料供給と圧縮空気供給という二種のモードで作動できるエンジンを開示し、高速道路でガソリン或ディーゼル油のような普通燃料を使用し、低速道路、特に市街区及び郊外で、圧縮空気(或はその他の如何なる非汚染圧縮空気)を燃焼室に注入する。このようなエンジンは部分的に燃料消耗量を低減したが、依然として燃油作動モードを使用するため、排出問題を依然として解決していない。
更に汚染を低減するために、特許文献US6311486B1には、このタイプのエンジンは、三つの独立的な室、即ち、吸気圧縮室、膨張排気室と定容積燃焼室を使用し、吸気圧縮室はバルブを介して定容積燃焼室に接続し、定容積燃焼室はバルブを介して膨張排気室に接続する純空気動力エンジンを開示する。このようなエンジンの問題の一つとして、圧縮気体が吸気圧縮室から膨張排気室までの経過時間が長く、ピストンを駆動して仕事する動力源ガスの取得時間が長く、且つ膨張排気室から排出された高圧ガスが使用されていないので、このようなエンジンの作動効率及び単回ガス充填の持続作動時間を制限する。
国内で、圧縮空気エンジンの研究着手が遅く、現在研究は殆ど理論検討と概念設計段階にあり、圧縮空気の排出及び高圧圧縮空気の制御と配分問題を解決していなく、圧縮空気エンジンの製品化までのプロセスに、まだ長い道がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】仏国特許第FR2731472A1号公報
【特許文献2】米国特許第US6311486B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の出願人は、その特許文献CN101413403 A(そのパテントファミリー出願番号WO2010051668 A1)には、空気貯蔵タンク、空気配分器、エンジン本体、クラッチ、接合器、自動変速装置、差動歯車及び排気室内にある羽根車発電機を含む交通運輸手段に使用される空気動力エンジンアセンブリを開示する。このようなエンジンは圧縮空気を利用してワークし、如何なる燃料も使用しないので、排ガスの排出がなく、「ゼロ排出」を実現し、且つ排ガスを繰り返して利用して発電し、エネルギーを節約し、コストを低減することができる。但し、このようなエンジンは、伝統的な4ストロークエンジンに基づき、クランクシャフトが720度回転するたびに、ピストンはワークを一回行う。但し、動力源とする高圧空気は、シリンダー内に入る時に、ピストンを推進してワークを行ってから排出される。つまり、圧縮空気エンジンのストロークは、実際に吸気-膨張ストローク及び排出ストロークである。明らかに、特許文献CN101413403 Aに開示されたこのような4ストローク圧縮空気エンジンは、有効的なワークストロークを大きく無駄にさせ、エンジンの効率を制限する。且つ、このようなエンジンの排ガスの循環利用を良く実施していない。充分に大きな空気貯蔵タンクで高圧空気を貯蔵してから、始めて十分長い時間作動できる。
【0005】
前記問題に基づいて、本発明は、空気動力エンジンの有効的なワーク問題及び排ガス循環利用問題を解決することで、経済的に効率的なゼロ排出の新型圧縮空気エンジンを実現できる圧縮空気補充回路を備える空気動力エンジンを提供することと目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一方面によれば、シリンダー(40)と、圧縮空気を吸気させるためのエアチューブ穴(402)及び排ガスを排出させるための排気穴(272)が設置されるシリンダーヘッドシステム(36)と、吸気管ライン(42)と、排気管ライン(27)と、ピストン(51)と、リンク(54)と、前記ピストン(51)がリンク(54)を介して接続されるクランクシャフト(56)と、排気カムシャフト(800)と、吸気カムシャフト(200)と、前記クランクシャフト(56)とカムシャフト(800、200)に伝動するためのフロントギャケースシステム(43)と、リアギヤケース(33)と、を含むリンクシリンダーエンジン本体(1)と、
パイプライン(14)を介して外部ガス充填装置と接続する高圧空気貯蔵タンクセット(13)と、
パイプライン(15)を介して高圧空気貯蔵タンクセット(13)と接続する定圧タンク(16)と、を含んでいる空気動力エンジンアセンブリにおいて、
パイプライン(17)を介して定圧タンク(16)と繋がる吸気制御速度調整弁(23)と、
コントローラシステム(6)と、
エンジン本体(1)のクランクシャフト(56)と接続するマルチシリンダー動力配分器(2)と、
マルチシリンダー動力配分器(2)と接続することで、クランクシャフト(56)により動力が伝達される動力設備(4)と、
センサー(24、242)により検出された信号に基づいて吸気制御速度調整弁(23)を制御する電子制御ユニットECU(29)と
排気集気管(28)の流体と接通することで、排気集気管(28)により排出される排ガスをエンジン本体(1)に補充・供給する圧縮空気補充回路と
を更に含んでいることを特徴とする圧縮空気補充回路を備える空気動力エンジンアセンブリを提供する。
【0007】
エアチューブ本発明の実施形態では、前記空気動力エンジンアセンブリは、2ストロークエンジンアセンブリである。
【0008】
一実施形態では、前記圧縮空気補充回路は、空気圧縮機、排ガス回収タンク、電動タービンワンウェイ排気器、排ガスマフラー、コンデンサー、圧力制限弁を含んでおり、その中で、排ガスは排気集気管から排ガスマフラーに入り、且つ電動タービンワンウェイ排気器を介して排ガス回収タンクに吸われ、排ガス回収タンク内に集められた排ガスは、空気圧縮機により圧縮・加圧された後、コンデンサーにより冷却・処理されてから、圧力制限弁を介して高圧空気貯蔵タンクセットに送られる。
好ましくは、前記圧縮空気補充回路は更にシーケンスバルブを含んでおり、空気圧縮機で加圧された排ガスの圧力が15MPaより小さい時に、排ガスが直接にシーケンスバルブを経由して定圧タンクに送られる。
【0009】
好ましくは、前記空気圧縮機はカップリングを介してマルチシリンダー動力配分器と接続し、マルチシリンダー動力配分器から伝達された動力で空気圧縮機を駆動して作動させ、排ガス回収タンクの排ガスを圧縮する。
実施形態では、電動タービンワンウェイ排気器と排ガス回収タンクとの間にワンウェイバルブが設置されることによって、排ガスが排ガス回収タンクから逆に電動タービンワンウェイ排気器に流れるのを防止する。好ましくは、コンデンサーと高圧空気貯蔵タンクセットとの間のパイプラインに、排ガスフィルター及び/或はワンウェイバルブが設置される。排ガスフィルターは、加圧後の排ガスを浄化処理することによって、濾過された排ガスが高圧空気貯蔵タンクセットの貯蔵に好適する。同時に、ワンウェイバルブの存在により、高圧圧縮空気が高圧空気貯蔵タンクセットからの逆流を防止する。その他の実施形態では、前記吸気制御速度調整弁は電磁比例弁或は電磁比例弁と減圧弁との組合せであり、これでエンジンの高速、中速と低速時に圧縮空気吸気に対するニーズを便利に実現できる。
好ましくは、前記コントローラシステムは、高圧コモンレール式定圧パイプ、コントローラ上蓋、コントローラ中部台座とコントローラ下台座を含んでおり、前記コントローラ上蓋、コントローラ中部台座とコントローラ下台座は相次いでボルトを介して着脱可能に密封接続される。
【0010】
その他の実施形態では、前記センサーは、エンジン回転速度センサー或はアクセル電圧計或は両者の組合せである。
【0011】
その他の実施形態では、前記コントローラのカバーに吸気管ラインが設置され、前記吸気管ラインは、ネジで高圧コモンレール式定圧パイプに接続する。
且つ、前記コントローラ中部台座にもコントローラバルブ、コントローラバルブスプリングとコントローラバルブシートプッシュが接続され、前記コントローラバルブは、コントローラバルブスプリングの予作用力を受け、エンジンが吸気を要らない時に、コントローラバルブシートプッシュに当接する。
好ましくは、前記コントローラ下台座にコントローラバルブの開閉を制御するコントローラタペットが設置され、当該コントローラタペットは、吸気カムシャフトにより作動される。

【0012】
その他の実施形態では、前記エンジンアセンブリのシリンダーが六つのシリンダーで、そのクランクシャフトが六つのユニットリンククランクを含む。
【0013】
好ましくは、前記六つのユニットリンククランクは、それぞれ第一ユニットリンククランク、第二ユニットリンククランク、第三ユニットリンククランク、第四ユニットリンククランク、第五ユニットリンククランク及び第六ユニットリンククランクであり、且つ各ユニットリンククランクの位相を下記のように設置し、即ち、第一ユニットリンククランクが第二ユニットリンククランクに対して角度120度となし、第二ユニットリンククランクが第三ユニットリンククランクに対して角度120度となし、第三ユニットリンククランクが第四ユニットリンククランクに対して角度180度となし、第四ユニットリンククランクが第五ユニットリンククランクに対して角度-120度となし、第五ユニットリンククランクが第六ユニットリンククランクに対して角度-120度を成す。
【0014】
本発明の一方面によれば、前記空気動力エンジンは、シリンダー、シリンダーヘッドシステム、吸気管ライン、排気管ライン、ピストン、リンク、クランクシャフト、排気カムシャフト、吸気カムシャフトを含む動力エンジン本体と、パイプラインを介して外部ガス充填装置と接続する高圧空気貯蔵タンクセットと、パイプラインを介して高圧空気貯蔵タンクセットと接続する定圧タンクと、パイプラインを介して定圧タンクと接続する吸気制御速度調整弁と、を含んでおり、前記マルチシリンダー動力配分器は複数の段階を含んでおり、各段は皆遊星歯車、内歯歯車及び太陽歯車を含む。この中で、前記遊星歯車は、内歯歯車と太陽歯車との間にあり、且つ内歯歯車に内接噛合し、太陽歯車に外接噛合する空気動力エンジンに使用されるマルチシリンダー動力配分器を提供する。
本発明のマルチシリンダー動力配分器は、多種の方式を介してクランクシャフトと接続でき、モデル実施形態では、マルチシリンダー動力配分器は内歯歯車を介して、クランクシャフトにおけるフライホイールのリングギアと接合するこれで、クランクシャフトからの動力を受ける。
【0015】
本発明の実施形態では、本発明のマルチシリンダー動力配分器の多段式は5段であり、具体的に第一段、第二段、第三段、第四段及び第五段を含む。多段式の存在によって、マルチシリンダー動力配分器は、空気エンジン出力動力の安定な伝動を実現できる。
更に、マルチシリンダー動力配分器の第一段及び第二段の遊星歯車が相互に遊星歯車ピンを介して接続し、第二段及び第三段の太陽歯車との間が太陽歯車ピンを介して接続し、第三段及び第四段との間も遊星歯車ピンを介して接続し、第四段及び第五段との間も太陽歯車を介して接続する。これで、第一段から第五段までの各段との間に運動接続を実現し、且つ動力を第一段から第五段まで伝達できる。
【0016】
本発明の一実施形態では、前記遊星歯車ピンはフラットキーを介して遊星歯車と接続し、第一段の運動を第二段に伝達したり、第三段の運動を第四段に伝送したりする。好ましくは、フラットキーは円柱型である。オプションとしては、毎段の遊星歯車ピンの数量を3個、4個、5個またはより多い数量を選択できることである。これに、遊星歯車ピンもスプラインを介して遊星歯車と接続できる。
【0017】
もう一方、本発明のマルチシリンダー動力配分器の毎段の遊星歯車数量が奇数、例えば3個、5個、7個であっても良い。好ましくは、遊星歯車の数量が5個で、且つ5個の遊星歯車が太陽歯車に対して円形に均一に分布する。
【0018】
発明の更なる一方面で、本マルチシリンダー動力配分器の五段の遊星歯車は、マルチシリンダー動力配分器の動力出力端であるため、選択的にクランクシャフトからの運動を外部設備に伝達する。
【発明の効果】
【0019】
伝統的なエンジンの変速装置に対する優位性として、本発明のマルチシリンダー動力配分器が五段の遊星歯車の伝達を使用して動力再配分を行うため、力を節約すると同時に、伝達中のトルク振動を減少する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明の好ましい非限制性の実施形態により、本発明のこれらの記載及びその他の特徴、方面及び優位性は、図面を参照して、下記の詳細な説明を読んでからはっきりに自明し、その中では:
図1】本発明の2ストローク空気エンジンアセンブリによる総体見取図である。
図2図1の2ストローク空気エンジンアセンブリのエンジン本体の正面図である。
図3図1の2ストローク空気エンジンアセンブリのエンジン本体の右側面図である。
図4図1の2ストローク空気エンジンアセンブリのエンジン本体の左側面図である。
図5図1の2ストローク空気エンジンアセンブリのエンジン本体の上面図である。
図6図1の2ストローク空気エンジンアセンブリのエンジン本体のクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリで、そでは、ピストン-リンクユニットとシリンダーとの接続を示す見取図である。
図7図6のクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリ的クランクシャフトユニット構造見取図である。
図8図2のエンジン本体のカムシャフト構造見取図である。
図9A図1の2ストロークエンジンアセンブリ的コントローラシステムの立体透視図である。
図9B】コントローラシステムの縦方向断面図である。
図9C】コントローラシステムの横向横截面側面図である。
図10A図1の2ストロークエンジンアセンブリ的フロントギャケースシステムの立体透視図である。
図10B図10Aの左側面図である。
図10C図10Aの右側局部断面図の側面図である。
図11A図1の2ストロークエンジンアセンブリのマルチシリンダー動力配分器の立体透視図である。
図11B図11Aの縦方向軸線に沿う断面図である。
図11C図11Aの左側面図である。
図11D図11Aの上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
下記の説明は、本質的に例示だけで、本開示、応用または用途を制限することではない。理解すべきこととしては、全部の添付図では、相応な添付図標記は、同じ或は相応な部品と特徴を表すことである。
現在図1を参照して、図1は、本発明の2ストローク圧縮空気エンジンアセンブリによる総体見取図で、図の中での矢印は、空気気流の流れ方向を表す。図1では、圧縮空気エンジンアセンブリは、エンジン本体1、マルチシリンダー動力配分器2、動力設備4、コントローラシステム6、空気圧縮機7、コンデンサー11、排ガス回収タンク9、高圧空気貯蔵タンクセット13、定圧タンク16、吸気制御速度調整弁23、電動タービンワンウェイ排気器19、電子制御ユニットECU29、圧力制限弁702、シーケンスバルブ703と排ガスマフラー22を含む。図1の示すように、高圧空気貯蔵タンクセット13は、圧縮空気入り口パイプライン14を介して、外部ガスステーション或は外部ガス充填装置と接続するこれで、外部から必要な高圧圧縮空気を取得する。圧縮空気入り口パイプライン14に、流量計A、圧力計Pと手動制御スイッチ(示されていない)が設置されている。流量計Aは高圧空気貯蔵タンクセット13に入る圧縮空気の流量を測定・監視し、圧力計Pは、高圧空気貯蔵タンクセット13に入る圧縮空気の圧力を測定・監視する。外部ガス充填装置或はガスステーションを使用して、高圧空気貯蔵タンクセット13にガスを充填する必要がある場合、手動制御スイッチを入れ、高圧圧縮空気は高圧空気貯蔵タンクセット13に入り、圧縮空気入り口のパイプライン14での流量計Aと圧力計Pが規定数値に達する時、手動制御スイッチを切れて、高圧空気貯蔵タンクセット13のガス充填プロセスを完成するこれで、既定圧力、例えば30MPaの下での圧縮空気を取得できる。空気貯蔵タンクの安全性を保証するために、高圧空気貯蔵タンクセット13で一つ、二つ或は幾つかの安全弁(示されていない)を設置してもよい。
【0022】
高圧空気貯蔵タンクセット13は、十分容量を備える一つ、二つ、三つ、四つ或はより多い高圧空気貯蔵タンクで直列或は並列の形式で組み合わせたもので、応用場面の実際ニーズによって、高圧空気貯蔵タンクセット13の構成空気貯蔵タンク数を確定する。高圧空気貯蔵タンクセット13はパイプライン15を介して定圧タンク16に接続し、パイプライン15に同じようにそれぞれ圧縮空気流量と圧力を監視・制御する流量計A、圧力計P及び減圧弁701が設置されている。減圧弁701は、高圧空気貯蔵タンクセット13により提供された高圧圧縮空気を減圧し、適当な圧力で定圧タンク16に送られる。定圧タンク16は、高圧空気貯蔵タンクセット13からの高圧空気の圧力を安定化し、その圧力が高圧空気貯蔵タンクセット13内の圧力よりやや低く、例えば、21-25MPaとの間であり、好ましくは21MPa位である。定圧タンク16と吸気制御速度調整弁23との間にパイプライン17が設置され、パイプライン17にも圧縮空気流量と圧力を監視・制御する流量計Aと圧力計Pが設置されている。定圧タンク16からの高圧空気は、吸気制御速度調整弁23により制御・調節された後、パイプラインを介してコントローラシステム6に入る。
【0023】
現在吸気制御速度調整弁23を詳細に説明する。吸気制御速度調整弁23の役割は、電子制御ユニットECUの指令信号によって電磁弁の開き時間を制御し、圧縮空気吸気量を決めることである。電磁弁が減圧役割を持っているので、減圧調圧弁との組み合わせによって、速度調整弁を形成するこれで、エンジンの回転速度を適切な範囲内に調整できる。吸気制御速度調整弁23は、ECU29から発送された制御信号26により制御される。エンジン本体1で、選択的に多種のセンサーが設置され、例えば、エンジン回転速度を測定する速度センサー、シリンダーの上の停死点位置を判断する位置センサー及びアクセル踏み子位置を判断するアクセル電圧計、或はエンジン主体温度を測定する温度センサーであっても良い。本発明的実施形態は、速度センサー24及び/或はアクセル電圧計242を示す。速度センサー24は、現有技術でエンジン回転速度を測定する各種の速度センサーであっても良く、且つ一般にクランクシャフト56に設置されている。アクセル電圧計242は、現有技術でアクセル踏み子位置を測定する各種の位置センサーであっても良く、一般にアクセル踏み子位置箇所に設置される。非車両応用の場合、踏み子位置と類似するアクセル電圧計は、エンジン負荷センサーであっても良く、例えば、エンジン出力モーメントを測定するトルクセンサー、発電の場合で発電電流の大きさを制御する電流選択ノブの位置センサー等。ECU29は、各種のセンサー信号、例えば速度センサー24の速度信号とアクセル電圧計242の位置信号の中からの何れかの一つ或は二つの信号によって、運算処理を実施して制御信号26を発送し、制御信号26は吸気制御速度調整弁を制御することによって、吸気制御速度調整弁の高速、中速、低速ニーズを実現できて、これでエンジンの高速、中速と低速回転と相応する。
【0024】
吸気制御速度調整弁を通した高圧圧縮空気は、高圧パイプラインを通してコントローラシステム6に流れ込み、且つコントローラシステム6によりエンジン本体1の各シリンダーに高圧圧縮空気を提供され、例えば約7-18MPaとの間の圧力、好ましくは9-15MPaで、更に好ましくは11-13MPaであり、これでエンジンピストン51を駆動して、シリンダーシステム40内に往復運動(図2-6参照)をさせ、且つリンク54を経由してピストン51の往復運動をクランクシャフト56の回転運動を転換し、それでエンジンの各種の作業状況での要求を満足する。コントローラシステム6の具体的な構造について、後の部分で詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、エンジン本体1から出力された回転運動はマルチシリンダー動力配分器2を介して応用設備に配分され、図1の示すように、応用設備は、空気圧縮機7、動力設備4を含む。空気圧縮機7は、伝統的な羽根式圧縮機とピストン式圧縮機等であってもいいし、本出願の出願人により特許文献(CN 201261386Y)で開示された加圧装置であってもよい。動力設備4は、伝動システムであってもいいし、発電機であってもいいし、或は変速器システム等であってもよい。マルチシリンダー動力配分器2は、クランクシャフト56でのフライホイールと固定接続してもいいし、例えばカップリングのような接続部品を介してクランクシャフトと接続しても良い。マルチシリンダー動力配分器2は、動力を二つのルートに分け、一つのルートは、動力設備4に配分され、他のルートは空気圧縮機7に配分される。動力設備4は、接合器3或はこの類似機能のある接続装置を介してマルチシリンダー動力配分器2と接続し、空気圧縮機7ギア装置のカップリング5のような装置を介して、マルチシリンダー動力配分器2と接続する。エンジンが作動する場合、クランクシャフト56の回転は、マルチシリンダー動力配分器2を回転駆動させ、且つ動力をそれぞれ動力設備4と空気圧縮機7に配分するこれで、動力設備4及び空気圧縮機7を運転駆動させる。
【0026】
本発明による圧縮空気エンジンが高圧空気により直接駆動されるので、クランクシャフトの0-180度回転するプロセスで、高圧空気はピストン51を駆動して運動させ、ピストンが下死点に達した後、慣性により上へ運動する時に、クランクシャフトは引き続き180度〜360度回転し、エンジンは排気ストロークを行う。この時に、排気ガスは依然として高い圧力、例えば3MPa位を持ち、高い圧力のある排出ガスは直接大気に排出される一方に、高圧排ガス流れを形成し、排ガスノイズを引き起こし易く、同時に、圧縮空気に含まれるエネルギーを消耗する。従って、圧縮空気エンジンの排ガスに対する再利用は、物事の勢いから実行しなければならない肝心な技術である。本発明の圧縮空気補充回路構造について下記のようにまとめる。
【0027】
エンジン本体1の排気集気管28により排出される排ガスは、パイプライン27を介して排ガスマフラー22に伝送され、防音処理を受けた排ガスは、パイプライン18を経由して電動タービンワンウェイ排気器19に吸われる。電動タービンワンウェイ排気器19と排ガス回収タンク9が相互にパイプライン20が設置され、パイプライン20にワンウェイバルブ21が設置されている。ワンウェイバルブ21の存在により、排ガスが電動タービンワンウェイ排気器を経由して排ガス回収タンク9に入ることだけ許可し、排ガスの逆方向流れを許可しない。排ガス回収タンク9と空気圧縮機7との間のパイプライン8に、流量計Aと圧力計Pが設置され、それぞれ空気圧縮機7圧縮を経由した後の排ガスの流量と圧力を検出監視する。空気圧縮機7により圧縮された後、排ガスの圧力が著しく増え、一般に約10MPa〜25MPaとの間に達することができる。空気圧縮機7は、パイプライン705を通して、圧縮後の排ガスを二つのルートに分けてエンジン本体1に対して補充供給を行う。パイプライン705の下流箇所で分枝パイプライン704と706が設置され、パイプライン706は、高圧空気貯蔵タンクセット13に通じるパイプライン12流体と接続し、空気圧縮機7加圧された後の排ガス圧力が15MPaより大きい時、加圧排ガスは、開き圧力が15MPaのように設定された圧力制限弁を通し、その後パイプライン10を通してコンデンサー11に入り、コンデンサー11を通じて冷却された後の排ガスは、その後パイプライン12を通して高圧空気貯蔵タンクセット13に送られ、或は引き続き排ガスフィルター(未図示)を通した後高圧空気貯蔵タンクセット13に送られる。パイプライン705は、シーケンスバルブ703を介してパイプライン704流体と接続する。空気圧縮機7加圧された後の排ガス圧が15MPaより低い時、加圧排ガスは、例えば制限圧力が15MPaに設定されるシーケンスバルブ(当該シーケンスバルブは、吸気圧力が15MPaより低い時に開き、吸気圧力が15MPaより高い時に自動に閉じる)を通し、その後パイプライン704を通して定圧タンク16に入る。オプション形態では、実際ニーズによって、圧力制限弁の開け圧力とシーケンスバルブ的閉じ圧力を設定する。例えば、7MPa〜20MPaの間の何れかの圧力であっても良い。好ましくは、10、12、15、17、20MPaの中からの何れかの値である。もう一つのオプション形態としては、またコンデンサー(11)と高圧空気貯蔵タンクセット(13)との間のパイプラインにワンウェイバルブ(未図示)を設置してもよく、これで加圧された後の清潔な排ガスがワンウェイで高圧空気貯蔵タンクセット(13)に流れ込むことだけ許可する。これによって、エンジンピストン51を駆動する高圧圧縮空気は、ワークを行った後、相当な部分が圧縮空気補充回路(排ガスマフラー、圧力制限弁、シーケンスバルブ、電動タービンワンウェイ排気器、排ガス回収タンク9、エアエンジン7、コンデンサー11及びこれらの間の接続パイプラインを包含)で加圧・浄化された後、高圧空気貯蔵タンクセットに回収され、これで排ガスの再利用を実現できる。圧縮空気補充回路の存在により、相当な程度で、相当な圧力のある排ガス(通常に3MPa位)の直接大気への排出によるノイズ汚染問題を解決し、且つ大容量高圧空気貯蔵タンクセット13に対する容積ニーズ問題を有効に減少する。言い換えると、決められた容量の高圧空気貯蔵タンクセット13に対して、圧縮空気補充回路の存在により、圧縮空気エンジンの持続作動時間を大きく増えて、圧縮空気エンジンを使用する交通設備或は発電設備では、交通設備或は発電設備の持続作動時間を増えることによって、圧縮空気エンジンの効率を著しく増える。
【0028】
図2図5に戻り、図2から図5までは、異なる角度から図1のエンジン本体1を説明する図である。この中で、図2はエンジン本体の正面図であり、図3はエンジン本体1の右側面図であり、図4はエンジン本体1の左側面図であり、図5はエンジン本体の上面図である。更に図6を参照すると、エンジン本体1は、シリンダー40、シリンダーヘッドシステム36、吸気管ライン42(バルブベンチュリー管)、排気管ライン27、ピストン51、リンク54、クランクシャフト56、排気カムシャフト800(図8参照)、吸気カムシャフト200(図9の吸気カムシャフト取付穴113内に取付られる)、フロントギャケースシステム43とリアギヤケース33を含む。フロントギャケースシステム43は、クランクシャフト56とカムシャフトを伝動する。リアギヤケース33にリングギア31とフライホイール32が設置され、マルチシリンダー動力配分器2に接続できる。このエンジン本体1の実施形態では、それぞれ吸気カムシャフト200と排気カムシャフト800が、設置され、フロントギャケースシステム43を介してクランクシャフト56と接続し、且つクランクシャフト56の回転により適当に回転する。圧縮空気吸気が直接コントローラシステム6の制御と配分を受けるので、エンジン・シリンダーヘッドシステム36の上に吸気弁を取り消して、排気弁62のみを設置し、例示の実施で、排気弁は、シリンダー毎に4つ個であり、ニーズによって、1つ、2つ、4つ或は6つを設置してもよい。コントローラシステム6からの圧縮空気は、バルブベンチュリー管42を介して直接膨張排気室63(図6)に入り、エンジンの作動する時に、当該圧縮空気はピストン51を運動駆動させ、ピストン51はリンク54を介してピストン51の直線運動をクランクシャフト56の回転運動に転換し、クランクシャフト回転により、エンジンの出力を実現する。ピストン51が下死点に運動した後、クランクシャフト56は、慣性で引き続き運動し、ピストン51を動かして下死点位置から上死点位置へ運動し、この時、排気カムシャフト800は、その上のカム及び相応なロッカーによって、排気弁62を開け、排気ストロークを行う。実施形態では、好ましくは、排出される排ガスは、圧縮空気補充回路に入ることである。
エンジン本体1に、エンジンを起動する起動器39及びベルト車のような接続部品を介してクランクシャフトと接続する発電機391、潤滑油戻り用シリンダーブロックオイルパン44及びエンジンオイルを濾過するエンジンオイルフィルター2が設置される。当該発電機391は、全体式交流発電機、ブラシ無し式交流発電機、ポンプ付き式交流発電機或は永磁発電機等であってもよい。エンジンが作動する時にエンジンアセンブリに給電し、且つバッテリ或は蓄電池(未図示)を充電する。
【0029】
現在図6を参照して、図6図1の2ストロークエンジンアセンブリのエンジン本体1のクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリで、そでは、その中の一つのピストン-リンクユニットとシリンダー40との接続を示す。示された実施形態では、好ましくは、6個のシリンダー40を持ち、相応的に6個のピストン51と6個のリンク54を持つ。オプション形態では、ピストン51、シリンダー40とリンク54の数量は、それぞれ当業者が想定できる1個、2個、4個、6個、8個、12個或はその他の数量の個数である。相応に、クランクシャフト56に対して、マッチング設計を行うことによって、ピストン-リンクユニット数に適応する。実施形態では、図6及び図7の示すように、クランクシャフト56の優先的なものは、6個のユニットリンククランクを持つことであり、これらは本発明の優先的な実施形態に対応する。引き続き図6を参照して、示されたその中の一つのピストン-リンクユニットとシリンダー40との接続では、コントローラシステム6からの高圧圧縮空気は、吸気管ライン42を経由し、シリンダーカバー36でのエアチューブ穴402を介して直接膨張排気室63に入る。高圧ガスは、膨張排気室63内で膨張してワークを行い、ピストン51を動かして下へ運動し、これはワークストロークである。ワークストロークで出力されるワークはクランクシャフトリンクシステムを介して外へ動力出力する。ピストン51は、シリンダー44内で下死点位置から上死点位置へ運動する時に、排気弁62は開き、一定圧力のある空気は、膨張排気室63から排気管27を経由して排出され、これは排気ストロークである。ピストン51がもうすぐ上死点に着く時、排気弁62は閉じ、コントローラシステム6はまた膨張排気室63にガスを供給し始め、次の循環に入る。明らかに、本発明のエンジンのクランクシャフト56は、一周回転(360度)するたびに、一回ワークを行い、これは伝統的な4ストロークエンジンと違い、伝統的な方式としては、クランクシャフトが二周回転(720度)するプロセスで一回の完全な吸気、圧縮、膨張と排気ストロークを完成する。これは、2ストロークエンジンと同じであるが、伝統的な2ストロークエンジンと違い、なぜかというと伝統的な2ストロークエンジンは、通常にシリンダー底部に吸気口が設置され、且つシリンダーの適当な位置で掃気口と排気口が設置されることである。しかし、本発明の2ストロークエンジンでは、シリンダーの頂上部に高圧圧縮空気吸気用エアチューブ穴402と排ガス排出用排気穴272が設置され、且つエアチューブ穴402の連通と閉じは、吸気カムシャフト200によりコントローラシステム6を介して実現されるが、排気穴の連通と閉じは、クランクシャフトにより排気カムシャフト800を回転駆動させ、且つロッカーを介して、排気弁62の開閉を制御することによって実現される。従って、本発明の2ストロークエンジンは、伝統的な2ストロークエンジンと完全に異なり、有効に直接膨張してワークを行える高圧空気を利用し、クランクシャフト56が一周回転するたびに、ピストン51は一回ワークを行うので、同じ排気量の状況の下で、伝統的な4ストロークエンジンと比べて、パワーを一倍向上できる。
【0030】
以下、図5及び図6を参照して、クランクシャフト56は、ギア締付ボルト79、クランクシャフト前端80、ベベルギヤー61、メインジャーナル78、ユニットリンククランク71、カウンターウェイト77、クランクピン76、クランクシャフト後端75とフライホイール締付ボルト72を含む。クランクシャフト56でのメインジャーナル78とクランクピン76にそれぞれ一つ或は幾つかのエンジンオイル潤滑油穴が設置され、これでクランクシャフトに潤滑エンジンオイルを提供する。クランクシャフト前端80の右側(図中に示す方向)の隣箇所でギア締付ボルト79が設置され、フロントギャケースシステム43での相応なギアと接続し、クランクシャフト前端80の左側(図の示す方向) 隣位置にベベルギヤー61が設置され、カムシャフトの回転を動かす。クランクシャフト後端75の外側隣位置にフライホイール締付ボルト72が設置され、フライホイール32と固定接続を形成する。カウンターウェイト77でのリングに一個、二個或は幾つかの重量平衡穴が設置され、カウンターウェイト重量を調節する。本発明の優先的な実施形態では、クランクシャフトのユニットリンククランク71は、六個ユニットリンククランクを含んでおり、それぞれ第一ユニットリンククランク71a、第二ユニットリンククランク71b、第三ユニットリンククランク71c、第四ユニットリンククランク71d、第五ユニットリンククランク71e及び第六ユニットリンククランク71fである。それぞれ第一から第六リンク54或はピストン51に対応する。オプションの実施形態では、ユニットリンククランク71は、異なる数量のユニットリンククランク、例えば、1個、2個、4個、6個、8個或はより多い数量を含んでもよい。これらは全部当業者が想定し易い内容である。図6或は図7での優先的な実施形態では、各ユニットリンククランクの位相を下記のように設置し、即ち、第一ユニットリンククランク71aが第二ユニットリンククランク71bに対して角度120度と成し、第二ユニットリンククランク71bが第三ユニットリンククランク71c度となしに対して角度120度とを成し、第三ユニットリンククランク71cが第四ユニットリンククランク71cに対して角度180度と成し度となし、第四ユニットリンククランク71dが第五ユニットリンククランク71eに対して角度-120度と成し、第五ユニットリンククランク71eが第六ユニットリンククランク71f角度-120度とを成す。この設置の下でのリンククランクユニットは、実現できるリンククランクユニットの作動順序は、次の通り、即ち、第一及び第五ユニットリンククランクが同時に作動し、その後、第三及び第六ユニットリンククランクが共に作動し、最後に第二及び第四ユニットリンククランクが共に作動する。これで、相応的なエンジンシリンダーの作動順序は次の通り、即ち、1-5シリンダー、3-6シリンダーと2-4シリンダーである。本発明の教導によって、当業者は、本発明と異なるユニットリンククランク及び作業位相と作業順序を設置できるが、全部本発明の範囲に属する。
【0031】
次ぎ、図6を参照して、ピストン51は、リンク54を介してクランクシャフト56と接続する。リンク54は、リンク小端、リンク主体とリンク大端を含む。リンク大端は、リンクカバー58を含んでおり、リンクカバー58の内側は、円形のスペースを形成し、スペース内に置かれるリンク軸受胴57を介してクランクシャフトのクランクピン76と接続する。ピストン51の外円周表面にテトラフルオロエチレン・オイルリテーナー53とテトラフルオロエチレン・ピストンリング52が設置されている。図示される実施形態では、各ピストン51に4本のテトラフルオロエチレン・ピストンリング52と2本のテトラフルオロエチレン・オイルリテーナー53が設置される。オプションの実施形態では、テトラフルオロエチレン・オイルリテーナー53及びテトラフルオロエチレン・ピストンリング52の数量は変化でき、例えば、2本、3本、4本或はより多いであってもよい。テトラフルオロエチレン・オイルリテーナー53は油阻止役割を果たし、テトラフルオロエチレン・ピストンリング52は、油削り役割を果たし、これらは共同に作用して、潤滑油の信頼的な潤滑と密封を保証する。
次ぎ、図8を参照して、図8図2のエンジン本体1の排気カムシャフト800構造見取図である。排気カムシャフト800は、ユニットカム81とスプロケット83を含む。実施形態では、ユニットカム81は、6個のユニットカムを含んでおり、それぞれ第一ユニットカム81a、第二ユニットカム81b、第三ユニットカム81c、第四ユニットカム81d、第五ユニットカム81e及び第六ユニットカム81fである。オプションの実施形態では、ユニットカム81の数量は、1個、2個、4個、6個の、8個、12個或はより多いであってもよく、これは、エンジンシリンダー数と各シリンダーの排気弁個数の次第である。本発明の実施形態では、各ユニットカム81は、2個のカム82を含んでおり、各カム82はその相応な排気弁62の開きを制御する。図8での優先的な実施形態では、各個ユニットカム81の位相を次のように設置し、即ち、第一ユニットカム81aが第二ユニットカム81Bに対して120度角度と成し、第二ユニットカム81bが第三ユニットカム81cに対して120度角度となし、第三ユニットカム81cが第四ユニットカム81cに対して180度角度を成し、第四ユニットカム81dが第五ユニットカム81eに対して-120度角度となし、第五ユニットカム81eが第六ユニットカム81fに対して-120度角度を成すことである。このような設置の下でのユニットカムは、実現できるユニットカムの作動順序は、次の通り、即ち、第一及び第五ユニットカムが同時に作動し、この後第三及び第六ユニットカムが共に作動し、最後に第二及び第四ユニットカムが共に作動する。これで、相応なエンジンシリンダーの作動順序は下記の通り、即ち、1-5シリンダー、3-6シリンダー及び2-4シリンダーである。本発明の教導によって、当業者は、本発明と異なるユニットカム及び作動位相及び作動順序を設計できるが、全部本発明の範囲に属する。
【0032】
現在図9を参照して、図9A-図9B図9と総称され、図1の2ストローク圧縮空気エンジンアセンブリのコントローラシステム6の異なる図である。図9の示すように、コントローラシステム6は、高圧コモンレール式定圧パイプ91、コントローラ下台座97、コントローラ中部台座98、コントローラバルブ92、コントローラスプリング94及びコントローラ上蓋108を含む。高圧コモンレール式定圧パイプ91は円柱形外形を持ち、これも長方形、三角形等外形であってもよい。高圧コモンレール式定圧パイプ91内部を例として、円柱形のキャビテで、吸気制御速度調整弁23からの高圧吸気を受け、且つ大体にキャビテ内の圧縮空気圧力均一性を保持することによって、初回に各個シリンダー40の膨張排気室63内に入る高圧空気が同じ圧力を持つことにして、エンジンが安定に作動する。高圧コモンレール式定圧パイプ91の両側に、固定的に高圧コモンレール式定圧パイプ端カバー100が取付られ、吸気制御速度調整弁23と接続する端カバー100に外へ延びるフランジ(図で標記せず)があり、当該フランジは高圧吸気制御速度調整弁23と高圧コモンレール式定圧パイプ91との間のパイプライン内に伸び、且つネジのような接続方式で高圧パイプラインと着脱可能に固定接続される。高圧コモンレール式定圧パイプ端カバー100は、端カバー締付ボルトを介して、高圧コモンレール式定圧パイプ91と接続する。高圧コモンレール式定圧パイプ91にシリンダー40に対応する数量の上蓋接続穴111が設置され、図示される優先的な実施形態では、上蓋接続穴111の数量は6である。コントローラ上蓋108は、中心線に沿う断面で逆T形を持ち、円柱形の分枝吸気管ライン112と円形下表面(図で標記せず)を持ち、分枝吸気管ライン112は、その上端周りのネジを介して上蓋接続穴111内に接続し、高圧コモンレール式定圧パイプ91と固定させる着脱可能な接続を形成する。コントローラ上蓋108は、上蓋を介して、中部台座締付ボルト或はその他のファスナー及びコントローラ中部台座98と密封的に着脱可能に固定接続を形成する。コントローラ中部台座98は、中部台座及び下台座の締付ボルト110或はその他のファスナーを介してコントローラ下台座97と密封的に着脱可能に固定接続を形成する。
【0033】
図9の示すように、コントローラ中部台座98は、その中心箇所で異なる直径の穴が設置され、上から下まで相次いでコントローラバルブシート穿孔120、コントローラ弁口117、オイルシール裏層穿孔116とコントローラバルブスプリング穴119である。実施形態では、穴120の直径は、穴117の直径より大きく、且つ穴116の直径より大きい。孔117の直径は、穴116の直径より大きい。穴119の直径は、穴117の直径と同じであってもいいし、異なっても良い。但し、穴116の直径より大きいであることを要求する。優先的な実施形態では、穴119の直径は穴117の直径と等しいであるが、穴120の直径よりやや小さい。コントローラバルブシートプッシュ93は、コントローラバルブシート穿孔120内に取付られ、且つコントローラ弁口117の上に支えられる。コントローラ弁口117は空キャビテであり、エアチューブ穴接続穴118と接続するこれで、コントローラバルブ92が開く時に、支吸気管ライン112を経由して高圧コモンレール式定圧パイプ91からの圧縮空気をエアチューブ穴接続穴118に入らせる。エアチューブ穴接続穴118の一端はコントローラ弁口117と接続し、その他の端はシリンダーヘッドシステム36のエアチューブ穴402と接続し、常に接続することを保持するので、コントローラバルブ92が開く時に、圧縮空気を膨張排気室63に送り、これでエンジンを駆動して作動される。オイルシール裏層カバー99はオイルシール裏層穿孔116内に取付られ、且つコントローラバルブスプリング94に支えられ、この内にコントローラバルブ92のバルブ杆(図で標記せず)を通り抜ける。当該オイルシールブッシュ99は、コントローラバルブ92を密封すると同時に、バルブバーをガイドする。コントローラバルブスプリング94は、コントローラバルブスプリング穴119内に取付られ、その下端にコントローラバルブスプリング下台座95が支えられ、且つコントローラバルブロックチップでコントローラバルブスプリング下台座95にロックされる。エンジンが作動しない時に、コントローラバルブスプリング94は一定のプレ張力をロードし、コントローラバルブ92をコントローラバルブシートプッシュ93に当接させ、コントローラバルブ92は閉じされる。
【0034】
コントローラ下台座97内部に例示の6個のコントローラタペット取付穴114が設置され、エンジンシリンダー数によって、異なる数量のコントローラタペット取付穴114を設置でき、例えば、1個、2個、4個、6個の、8個、10個或はより多いであってもよい。コントローラタペット115は、コントローラタペット取付穴114内に取付られ、且つ吸気カムシャフト取付穴113内に取付られる吸気カムシャフト200に従って回転して上下往復運動する。エンジンシリンダー40に高圧圧縮空気を提供する必要がある時、吸気カムシャフト200のカムは、上へコントローラタペット115を持ち上げ、コントローラタペット115は、引き続きコントローラバルブ92のバルブバーを持ち上げ、バルブバーがコントローラバルブスプリング94の引き力を克服し、コントローラバルブシートプッシュ93から離れるようにして、これでコントローラバルブは開き、高圧圧縮空気は、高圧コモンレール式定圧パイプ91を介して膨張排気室63に入り、エンジンのガス供給ニーズを満足する。吸気カムシャフト200は、クランクシャフト56に従って一定角度回転した後、コントローラバルブ92のバルブバーは、コントローラバルブスプリング94の回復力の作用の下で改めてコントローラバルブシートプッシュ93に戻り、コントローラバルブ92は閉じて、ガス供給は終了する。本発明の圧縮空気エンジンが2ストロークエンジンであるので、クランクシャフト56は一周回転するたびに、コントローラバルブ92と排気弁62はそれぞれ一回開閉する。従って、吸気カムシャフト200と排気カムシャフト800のカム位相及びこれらとクランクシャフトとの接続関係を設置し易く、その詳細な構造及び運動伝達について、図10の例示説明を参照する。
【0035】
以下、図10を参照して、図10A図10C図10と総称され、図1の2ストローク圧縮空気エンジンアセンブリのフロントギャケースシステム43の異なる図である。図10の示すように、フロントギャケースシステムは、多角形のカバー313、伝動ギア308、クランクシャフトギア307、キャリアーギヤ303、吸気カムシャフトギア302、排気カムシャフトギア306を含む。クランクシャフトギア307は、多角形カバー313のクランクシャフト56一端の固定接続を通り抜けて、クランクシャフトからの回転を伝達する。クランクシャフトギア307の下側(図10Bの示す位置)にエンジンオイル・ポンプギアのような伝動ギア308が設置され、伝動ギア308でエンジンオイルポンプのようなものの部品を回転駆動させる。クランクシャフトギア307の上側で左から右(図10Bの示す位置)へ相次いで吸気カムシャフトギア302、キャリアーギヤ303と排気カムシャフトギア306が設置される。クランクシャフトギア307はキャリアーギヤ303と直接接合して、キャリアーギヤ303を回転駆動させる。キャリアーギヤ303は、同時に左右両側の吸気カムシャフトギア302及び排気カムシャフトギア306と接合するこれで、クランクシャフト56が回転する時に、クランクシャフトギア307とキャリアーギヤ303を介して、吸気カムシャフトギア302と排気カムシャフトギア306を回転駆動させ、これにより吸気カムシャフト200及び排気カムシャフト800を回転させ、最終的に排気弁62とコントローラバルブ92の開閉を実現する。実施形態では、排気カムシャフトギア306は直接排気カムシャフト800に固定接続され、これで排気カムシャフトギア306の回転は直接排気カムシャフト800を回転させる。しかし、吸気カムシャフトギア302の中心軸の適当な位置にベルト車が固定され(未図示)、当該ベルト車は、カムシャフト伝動ベルト35を介して、吸気カムシャフト200に設置されるベルト車と接続するこれで、吸気カムシャフト200を回転駆動させ、コントローラバルブ92の開閉を実現する。オプションの実施形態では、吸気カムシャフトギア302の中心軸の適当な位置にもスプロケット(示されていない)が固定されることができて、当該スプロケットはチェーンを介して吸気カムシャフト200に設置されているスプロケットと接続するこれで、吸気カムシャフト200を回転駆動させ、コントローラバルブ92の開閉を実現する。
【0036】
多角形カバー313に幾つかの異なる役割のある穴が設置され、例えばネジ接続穴309、ネジ穴310とボルト接続穴311。多角形カバー313は、ネジ接続穴309を介してエンジンのケースに接続し、キャリアーギヤ303は、ネジ穴310を介して多角形カバー313に接続し、ボルト接続穴311は、多角形カバー311とエンジンケースを接続する。ボルト接続穴311は、多角形カバー311における溶接柱5内に溶接されると設置できる。多角形カバー311に潤滑油流動用油穴304とつり輪取付用つり輪台12が設置される。
【0037】
以下、図11を参照して、図11A-図11C図11と総称され、図1の2ストローク圧縮空気エンジンアセンブリのマルチシリンダー動力配分器2の異なる図である。図11の示すのは本発明の実施形態で、マルチシリンダー動力配分器2は多段動力配分器で、第一段601、第二段602、第三段603、第四段604、第五段605(図10Bの示す方向は左から右まで)からなる。オプションの実施形態では、マルチシリンダー動力配分器は、本発明と異なる五段のその他の段から構成され、例えば、第三段、第四段、第六段或は第七段等。各段の構造は大体同じで、皆遊星歯車401、内歯歯車407と太陽歯車405を含む。必要に応じて均一に各段の遊星歯車個数を設定でき、例えば、3個、5個、7個或はより多い。実施形態では、各段は皆5個の均一に分布する遊星歯車401を含む。このやり方の優位性としては、遊星歯車の均一分布により、主軸の応力も均一で、伝動は安定で且つ伝動パワーは大きい。図11Bの示すように、第一段601及び第二段602の遊星歯車401との間に遊星歯車ピン403を介して接続され、これで第一段601及び第二段602を同期に回転させる。遊星歯車ピン403は、滑らかなフラットキー4021或はスプラインを介して遊星歯車401と接続する。実施形態では、遊星歯車ピン403は細い円柱型のピンであってもいいし、その外形も長方形、台形、半円形であってもいいし、その個数は、各段で二個、三個、四個、五個或はより多い個数を採用してもよい。第二段602及び第三段603の太陽歯車405は、太陽歯車ピン406を介して接続するこれで、第二段602及び第三段603との連動を実現する。第三段603及び第四段604との間の接続関係は、第一段601及び第二段604との間の接続関係と類似し、第四段604と第五段605との間の接続関係は、第二段602及び第三段603との間の接続関係と類似するこれで、マルチシリンダー動力配分器4の第一段602から第五段603に動力の伝達を実現し、第一段601からの動力を第五段605に入力してこれにより出力できる。特に注意点としては、各段の遊星歯車401は、自分の軸線を回って、自ら回転するだけで、相応な太陽歯車405を回って公転運動をせず、この配置により、マルチシリンダー動力配分器の内部構造は相対に簡単で、安定に動力を伝動し易い。
【0038】
以下、マルチシリンダー動力配分器2の作動原理を説明する。エンジン本体1のクランクシャフト51にフライホイール32が設置され、フライホイール32の周りにリングギア31が固定接続され、当該リングギア31が外リングギアを持ち、マルチシリンダー動力配分器2の第一段601での内ギアのある内歯歯車407とかみ合うことによって、クランクシャフト56の運動を第一段60の内歯歯車407に伝動する。第一段601の遊星歯車401は第二段602の遊星歯車と接続し、動力が第一段601から第二段602に伝達され、第二段602の遊星歯車401は第二段の太陽歯車405を回転駆動させる。第二段の太陽歯車405は太陽歯車ピン406を介して第三段の太陽歯車と接続し、第三段の太陽歯車405を回転駆動させる。動力が第二段602から第三段603に伝達される。第三段603は、第一段601の方式によって、第三段603の動力に対して、遊星歯車401を介して動力を第四段604に伝達する。第四段604は、第二段と類似する方式で太陽歯車405を介して第四段604の動力を第五段605に伝達する。本発明の実施形態では、第五段605の遊星歯車401の回転軸は、動力出力端で、動力は、遊星歯車401を介して幾つかのルートに分けて( 本発明で例示として二つのルートを示す)マルチシリンダー動力配分器2と接続部品に伝達し、例えば、本発明の実施形態では、当該部品は、例えば発電機の動力装置4と空気圧縮機7である。これで、動力は、エンジンのクランクシャフト56から出力され、マルチシリンダー動力配分器2を介してマルチルート出力を実現する。伝統的なエンジン変速装置と比べて、優位性の点としては、五段遊星歯車の伝達を採用して動力再配分を行うことであり、即ち、力節約を実現すると同時位、伝達でのトルク振動を減少する。
【0039】
本明細書は、本発明を詳細に開示し、この中で最敵なモードを含んでおり、且つ如何なる当業者が本発明を実践できるようにして、その中で如何なる設備或システムの製造・使用及びどんな導入された方法の施行を含む。本発明の保護範囲は、添付している特許請求の範囲により限定され、且つ、本発明保護範囲と精神を離れない下で、本発明に対する行われる各種の変型、改造及び等価形態も含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D