特許第5678209号(P5678209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5678209
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】電磁ブースター空気動力発電機システム
(51)【国際特許分類】
   F01B 29/10 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   F01B29/10
【請求項の数】14
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2013-545040(P2013-545040)
(86)(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公表番号】特表2014-516391(P2014-516391A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】CN2012073016
(87)【国際公開番号】WO2013075438
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2013年6月7日
(31)【優先権主張番号】201110373222.4
(32)【優先日】2011年11月22日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201110373210.1
(32)【優先日】2011年11月22日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513111983
【氏名又は名称】北京祥天華創空気動力科技研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】周 登栄
(72)【発明者】
【氏名】周 剣
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/051668(WO,A1)
【文献】 特表2010−502883(JP,A)
【文献】 実開平04−104423(JP,U)
【文献】 実開平07−004879(JP,U)
【文献】 特開2009−275633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01B 17/02,29/10
F16H 1/28,48/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リヤギアケースシリンダー(40)と、圧縮空気を吸気させるためのエアチューブ穴(402)及び排ガスを排出させるための排気穴(272)が設置されるシリンダーヘッドシステム(36)と、吸気パイプライン(42)と、排気パイプライン(27)と、ピストン(51)と、リンク(54)と、前記ピストン(51)がリンク(54)を介して接続されるクランクシャフト(56)と、排気カムシャフト(800)と、吸気カムシャフト(200)と、前記クランクシャフト(56)とカムシャフト(800、200)に伝動するためのフロントギャケースシステム(43)と、リアギヤケース(33)と、を含むエンジン(1)と、
パイプライン(14)を介して外部ガス充填装置と連通する高圧空気貯蔵タンクセット(13)と、
パイプライン(15)を介して高圧空気貯蔵タンクセット(13)と接続する定圧タンク (16)と
を含んている電磁ブースター空気動力発電機システムにおいて
パイプライン(17)を介して定圧タンク(16)と連通する吸気制御調速弁(23)と、
コントローラシステム(6)と、
電磁ブースター(1000)と、
エンジン(1)のクランクシャフト(56)及び接続するマルチシリンダー動力配分器(2)と、
クラッチ(3)を介してマルチシリンダー動力配分器(2)と接続する発電機システム(4)と、
センサー(24,242)により検出された信号に基づいて吸気制御調速弁(23)を制御する電子制御ユニットECO(29)と、
配電装置(1100)と
排ガス回収回路と
を含んでいることを特徴とする電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項2】
前記エンジン(1)が2行程サイクルエンジンであることを特徴とする請求項1に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項3】
前記排ガス回收回路が、排気集気管(28)、空気圧縮機(7)、コンデンサー(11)、排ガス回収タンク(9)、電動タービンワンウェイ空気抜き機(19)及び排ガスマフラー(22)を含んており、この中で、排ガスが排気集気管(28)を経由して排ガスマフラー(22)に入り、且つ電動タービンワンウェイ空気抜き機(19)を介して排ガス回収タンク(9)内に吸われ、排ガス回収タンク(9)内に集めている排ガスが空気圧縮機(7)により圧縮加圧された後、コンデンサー(11)により冷却処理された後、高圧エアタンクセット(13)に送られることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(29)が角変位センサー(1010)からの信号を受信し、電磁ブースター(1000)のコイル(1006,1003)にある電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項5】
前記空気圧縮機(7)がカップリングを介してマルチシリンダー動力配分器(2)と接続し、マルチシリンダー動力配分器(2)から伝達される動力駆動空気圧縮機(7)が作動し、排ガス回収タンク(90)からの排ガスを圧縮することを特徴とする請求項に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。

【請求項6】
前記コントローラシステム(6)が高圧コモンレール式定圧パイプ(91)、コントローラ上蓋(108)、コントローラ中部台座(98)及びコントローラ下台座(97)を含んており、前記コントローラ上蓋(108)、コントローラ中部台座(98)及びコントローラ下台座が相次いでボルトを介して着脱可能に密封接続することを特徴とする請求項2に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項7】
前記コントローラ上蓋内に、吸気パイプライン(112)が設置され、前記吸気パイプライン(112)がネジで高圧コモンレール式定圧パイプ(91)に接続され、前記コントローラ中部台座(98)にコントローラ吸気弁(92)、コントローラ吸気弁スプリング(94)、オイルシールブッシュ(99)、コントローラ吸気弁スプリング下台座(97)及びコントローラバルブシートブッシュ(93)が取付られ、前記コントローラ吸気弁(92)がコントローラ吸気弁スプリング(94)の予作用力の下で、エンジンが吸気する必要がない時に、コントローラバルブシートプッシュ(93)に当接し、前記コントローラ下台座(97)にコントローラ吸気弁(92)の開閉を制御するコントローラタペット(115)が設置され、前記コントローラタペット(115)が吸気カムシャフト(200)により作動されることを特徴とする請求項6に記載の電磁ブースター空気動力発電機システム。
【請求項8】
シリンダー(40)、シリンダーカバーシステム(36)、吸気パイプライン(42)、排気パイプライン(27)、ピストン (51)、リンク(54)、クランクシャフト(56)、排気カムシャフト(800)及び吸気カムシャフト(200)を含んでいるエンジン(1)と、
パイプライン(14)を介して外部ガス充填装置と連通する高圧エアタンクセット(13)と、
パイプライン(15)を介して高圧エアタンクセット(13と接続す定圧タンク(16)と、
パイプライン(17)を介して定圧タンク(16)と接続する吸気制御調速弁(23)と
電子制御ユニットECO(29)と
を含んており、
固定子部分、回転子部分及びブースターハウジング(1001)を含んている電磁ブースター(1000)において、
前記固定子部分が回転子部分と独立に分離設置され、前記固定子部分が前記ブースターハウジング(1001)に固定接続されることを特徴とする空気動力エンジンアセンブリに使用される電磁ブースター(1000)。
【請求項9】
前記固定子部分が、固定子鉄心固定盤(1002)、固定子鉄心(1004)及び固定子鉄心コイル(1003)を含んており、前記回転子部分が、回転子鉄心固定盤(1007)、回転子鉄心(1005)、回転子鉄心コイル(1006)及びブースターフライホイール(1008)を含んて特徴としてはいるを特徴とする請求項8に記載の電磁ブースター(1000)。
【請求項10】
前記固定子鉄心固定盤(1002)がブースターハウジング(1001)及びネジで接続する又は締り嵌めをして、前記ブースターハウジング(1001)がハウジング取付穴(1011)を通り抜けるファスナーが固定にエンジン(1)に接続され、前記回転子鉄心固定盤(1007)がブースターフライホイール(1008)及びネジで接続し又は締り嵌めをして、前記ブースターフライホイール(1008)がキー(1009)を介してエンジン(1)のクランクシャフト(56)でのクランクシャフト延長端(3071)に固定されることにより、クランクシャフト(56)に連れて回転することを特徴とする請求項9に記載の電磁ブースター(1000)。
【請求項11】
前記電磁ブースター(1000)が更に角変位センサー(1010)を含んており、前記角変位センサー(1010)が電子制御ユニットECO(29)及び接続することによって、クランクシャフト(56)の回転角変位信号を電子制御ユニットECO(29)に伝送することを特徴とする請求項9に記載の電磁ブースター(1000)。
【請求項12】
前記回転子鉄心(1005)の数量が二つであり、180度角度を成して回転子鉄心固定盤(1007)に配置され、前記固定子鉄心(1004)の数量が二つであり、180度角度を成して固定子鉄心固定盤(1002)に固定されることを特徴とする請求項9に記載の電磁ブースター(1000)。
【請求項13】
前記回転子鉄心(1005)の数量が三つであり、隣接の鉄心が120度角度で回転子鉄心固定盤(1007)に配置され、前記固定子鉄心(1004)の数量が三つであり、隣接の鉄心が120度角度で固定子鉄心固定盤(1002)に固定されることを特徴とする請求項9に記載の電磁ブースター(1000)。
【請求項14】
前記回転子鉄心(1005)の数量が四つ又は五つであることを特徴とする請求項9に記載の電磁ブースター(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機システムに関し、具体に圧縮空気を動力源とする電磁ブースターを採用する発電機システムに関し、更に空気動力発電機システムに使用される電磁ブースターに関る。
【背景技術】
【0002】
通常の発電機システムにより採用される動力源は、殆ど燃料油を採用するピストン式エンジンである。このような燃料油を動力源とするエンジンは、燃料油燃焼が不十分であり、排ガスの中に大量な有害物質が含まれ、環境を汚染する一方に、使用する燃料油が石油から精錬を介して獲得されたので、石油資源が日増しに欠乏することによって、動力源とする燃料油エンジンの発展と利用は、日増しに多い制限を受ける。従って、新しく、清潔的な且つ汚染のない代替エネルギーを開発し、またはできるだけ燃料油消耗を減少し、排出を削減することは、エンジン発展で緊急に解決する必要のある問題になる。従って、各国は、複雑的且つ苦しい探索の道路を経て、多種の動力源を研究開発して、たとえば代替燃料、電動駆動、燃料電池と太陽エネルギー電池等。但し、各種の新しい動力源又はこれらにより構成された混合動力源に不足点が存在する。従って、汚染無し、取っても使っても尽きることがない新型エネルギーを級に必要である。圧縮空気動力源はこのような要求を満足する。
【0003】
特許文献FR2731472A1は、燃料供給と圧縮空気供給という二種のモードで作動できるエンジンを開示し、高速道路でガソリン或ディーゼル油のような普通燃料を使用し、低速道路、特に市街区及び郊外で、圧縮空気(或はその他の如何なる非汚染圧縮空気)を燃焼室に注入する。このようなエンジンは部分的に燃料消耗量を低減したが、依然として燃油作動モードを使用するため、排出問題を依然として解決していない。
更に汚染を低減するために、特許文献US6311486B1には、このタイプのエンジンは、三つの独立的な室、即ち、吸気圧縮室、膨張排気室と定容積燃焼室を使用し、吸気圧縮室はバルブを介して定容積燃焼室に接続し、定容積燃焼室はバルブを介して膨張排気室に接続する純空気動力エンジンを開示する。このようなエンジンの問題の一つとして、圧縮气体が吸気圧縮室から膨張排気室までの経過時間が長く、ピストンを駆動して仕事する動力源ガスの取得時間が長く、且つ膨張排気室から排出された高圧ガスが使用されていないので、このようなエンジンの作動効率及び単回ガス充填の持続作動時間を制限する。
【0004】
出願の出願者は、その特許文献CN101413403 A(そのパテントファミリー出願番号WO2010051668 A1)には、空気貯蔵タンク、空気配分器、エンジン本体、クラッチ、接合器、自動変速装置、差動歯車及び排気室内にあるインペラ発電機を含む交通運輸手段に使用される空気動力エンジンアセンブリを開示する。このようなエンジンは圧縮空気を利用してワークし、如何なる燃料も使用しないので、排ガスの排出がなく、「ゼロ排出」を実現し、且つ排ガスを繰り返して利用して発電し、エネルギーを節約し、コストを低減することができる。但し、このようなエンジンは、伝統的な4ストロークエンジンに基づき、クランクシャフトが720度回転するたびに、ピストンはワークを一回行う。但し、動力源とする高圧空気は、シリンダー内に入る時に、ピストンを推進してワークを行ってから排出される。つまり、圧縮空気エンジンのストロークは、実際に吸気-膨張ストローク及び排出ストロークである。明らかに、特許文献CN101413403 Aに開示されたこのような4ストローク圧縮空気エンジンは、有効的なワークストロークを大きく無駄にさせ、エンジンの効率を制限する。且つ、このようなエンジンの排ガスの循環利用を良く実施していない。充分に大きな空気貯蔵タンクで高圧空気を貯蔵してからこそ、始めて十分長い時間作動できるため、圧縮空気エンジンの工業での応用前景を下げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許第FR2731472A1号公報
【特許文献2】米国特許第US6311486B1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の各種の研究で提出された空気動力エンジンは、全部ピストンがシリンダー内で下死点まで運動する時に、ピストンがクランクシャフト運動の慣性を経由してフライホイールにより作動されて下死点から引き続き上死点へ運動運動することに基づいて、作動室内の圧縮空気を排出することである。しかし、圧縮空気が作動室内で膨張してピストンを推進して仕事をつくりだした後、依然として大きな圧力を持ち、ピストンは、クランクシャフトとフライホイールの回転慣性だけで依然として一定圧力のある圧縮空気を排出することが難しくて、エンジンが低速で回転する時に、このような状況は、一層目立つ。できる限り空気動力エンジンの回転速度を向上する為に、ピストンを作動室に一層高速で運動させること。且つ、空気動力エンジン低速回転の安定なトルク出力を向上する為に、クランクシャフトにブースターを提供する必要がある。
【0007】
現在に良く使われるブースターは、通常に電磁又は永磁ブースターを使用する。中国特許文献CN2512700Yは、自転車に使用される電磁ブースターを提供し、これは、磁石と電気磁石との相互作用を利用して車輪の回転を補助することにより、省エネと補助動力の二重効果を実現する。その他の特許文献WO2004009424A1は電磁コイルを採用して運転者の疲労を軽減する電動補助動力転向装置を提供した。これから見えるように、電気磁石又は永久磁石を運動部品とするブースターは、多くの業界で実際応用を遂げた。
本発明は、圧縮空気動力エンジンを動力源とする発電機システムを提供することによって、圧縮空気の工業発電での応用を実現し、且つ本出願で提供された空気動力エンジンシステムはまたクランクシャフト補助動力に使用される電磁ブースターを含んているため、エンジンクランクシャフトに回転補助動力を提供することで、空気動力エンジンの高速回転特性及び低速回転時の安定なトルク出力を向上し、続いて空気動力エンジンの効率を向上することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一方面により、シリンダーと、圧縮空気を吸気させるためのエアチューブ穴及び排ガスを排出させるための排気穴が設置されるシリンダーヘッドシステムと、吸気パイプラインと、排気パイプラインと、ピストンと、リンクと、前記ピストンがリンクを介して接続されるクランクシャフトと、排気カムシャフトと、吸気カムシャフトと、前記クランクシャフトとカムシャフトに伝動するためのフロントギャケースシステムと、リアギヤケースと、を含むエンジンと、
パイプラインを介して外部ガス充填装置と連通する高圧空気貯蔵タンクセットと、
パイプラインを介して高圧空気貯蔵タンクセットと接続する定圧タンクと
を含んている電磁ブースター空気動力発電機システムにおいて
パイプラインを介して定圧タンクと連通する吸気制御調速弁と、
コントローラシステムと、
電磁ブースターと、
エンジンのクランクシャフト及び接続するマルチシリンダー動力配分器と、
クラッチを介してマルチシリンダー動力配分器と接続する発電機システムと、
センサーにより検出された信号に基づいて吸気制御調速弁を制御する電子制御ユニットECOと、
配電装置と
排ガス回収回路と
を含んでいることを特徴とする電磁ブースター空気動力発電機システムを提供する。
【0009】
リヤギアケース本発明の実施形態の中で、前記エンジンは2行程サイクルエンジンである。
【0010】
一つの例示的な実施形態の中で、前記排ガス回收回路は、排気集気管、空気圧縮機、コンデンサー、排ガス回収タンク、電動タービンワンウェイ空気抜き機と排ガスマフラーを含んており、その中で、排ガスは排気集気管を経由して排ガスマフラーに入り、且つ電動タービンワンウェイ空気抜き機により排ガス回収タンク内に吸われ、排ガス回収タンク内に集める排ガスは、空気圧縮機により圧縮加圧された後、コンデンサーにより冷却処理されてから、高圧エアタンクセットに送られる。
【0011】
好ましくは、前記電子制御ユニットは、角変位センサーの信号を受信し、電磁ブースターでのコイルにある電流を制御する。
【0012】
好ましくは、前記空気圧縮機は、カップリングを介してマルチシリンダー動力配分器と接続し、マルチシリンダー動力配分器から伝達される動力で空気圧縮機を駆動して作動させ、排ガス回収タンクからの排ガスを圧縮する。
好ましくは、前記コントローラシステムは、高圧コモンレール式定圧パイプ、コントローラ上蓋、コントローラ中部台座とコントローラ下台座を含んており、前記コントローラ上蓋、コントローラ中部台座とコントローラ下台座は、相次いでボルトを介して着脱可能に方式で密封接続する。
【0013】
好ましくは、前記コントローラのカバー内に吸気パイプラインが設置され、前記吸気パイプラインは高圧コモンレール式定圧パイプにネジで接続し、前記コントローラ中部台座にコントローラ吸気弁、コントローラ吸気弁スプリング、オイルシールブッシュ、コントローラ吸気弁スプリング下台座とコントローラバルブシート・カバーが設置され、前記コントローラ吸気弁がコントローラ吸気弁スプリングの予作用力の下で、エンジンが吸気を要らない時に、コントローラバルブシートプッシュに当接し、前記コントローラ下台座にコントローラ吸気弁の開閉を制御するコントローラタペットが設置され、前記コントローラタペットは吸気カムシャフトにより作動される。
【0014】
その他の実施形態の中で、前記シリンダーが六つのシリンダーで、そのクランクシャフトが六つのユニットリンククランクを含んでいる。
【0015】
好ましくは、前記六つのユニットリンククランクは、それぞれ第一ユニットリンククランク、第二ユニットリンククランク、第三ユニットリンククランク、第四ユニットリンククランク、第五ユニットリンククランク、第六ユニットリンククランクで、且つ各ユニットリンククランクを下記のように設置し、即ち、第一ユニットリンククランクが第二ユニットリンククランクに対して角度120度を成し、第二ユニットリンククランクが第三ユニットリンククランクに対して角度120度を成し、第三ユニットリンククランクが第四ユニットリンククランク相差180度を成し、第四ユニットリンククランクが第五ユニットリンククランクに対して角度120度を成し、第五ユニットリンククランクが第六ユニットリンククランクに対して角度120度を成す。
【0016】
本発明の更なる一方面により、前記空気動力エンジンアセンブリは、シリンダー、シリンダーカバーシステム、吸気パイプライン、排気パイプライン、ピストン、リンク、クランクシャフト、排気カムシャフト、吸気カムシャフトを含んでいるエンジンと、パイプラインを介して外部ガス充填装置と連通する高圧エアタンクセットと、パイプラインを介して高圧エアタンクセットと接続する定圧タンクと、パイプラインを介して定圧タンクと連通する吸気制御速度調整弁と電子制御ユニットECOと、を含んており、前記電磁ブースターは、固定子部分、回転子部分とブースターハウジングを含んており、その中で、前記固定子部分は回転子部分と分けて独立に設置され、前記固定子部分は前記ブースターハウジングに固定接続される空気動力エンジンアセンブリに使用された電磁ブースターを提供する。
【0017】
好ましくは、前記固定子部分は固定子鉄心固定盤、固定子鉄心と固定子鉄心コイルを含んており、前記回転子部分が回転子鉄心固定盤、回転子鉄心、回転子鉄心コイル及びブースターフライホイールを含んでいる。
【0018】
好ましくは、前記固定子鉄心固定盤はブースターハウジングとネジで接続する又は締り嵌めをして、前記ブースターハウジングがハウジング取付穴を通り抜けるファスナーが固定にエンジンに接続され、前記回転子鉄心固定盤がブースターフライホイールとネジで接続し又は締り嵌めをして、前記ブースターフライホイールはキーを介してエンジンのクランクシャフトでのクランクシャフト延長端に固定されることにより、クランクシャフトに連れて回転する
【0019】
好ましくは、前記電磁ブースターはまた角変位センサーを含んており、前記角変位センサーは電子制御ユニットECOと接続することによって、クランクシャフトの回転角変位信号を電子制御ユニットECOに伝送する
【0020】
本発明の一好適な実施形態の中で、前記回転子鉄心の数量が二つであり、180度角度を成して回転子鉄心固定盤に配置され、前記固定子鉄心の数量が二つであり、180度角度を成して固定子鉄心固定盤に配置される。
【0021】
もう一好適な実施形態の中で、前記回転子鉄心の数量が三つであり、隣接の鉄心は120度角度で回転子鉄心固定盤に配置され、前記固定子鉄心の数量が三つであり、隣接の鉄心は120度角度で回転子鉄心固定盤に配置される。
【0022】
また更なる好適な実施形態の中で、前記回転子鉄心の数量が四つで、隣接の鉄心は90度角度を成して回転子鉄心固定盤に配置され、前記固定子鉄心の数量が四つで、隣接の鉄心は90度角度を成して回転子鉄心固定盤に配置される。
【0023】
また更なる好適な実施形態の中で、前記回転子鉄心の数量が五つで、隣接の鉄心は72度角度を成して回転子鉄心固定盤に配置され、前記固定子鉄心の数量が五つで、隣接の鉄心は72度角度を成して回転子鉄心固定盤に配置される。
【0024】
本発明の例示的な実施形態の中で、前記固定子鉄心は一定角度をを成して斜めに前記固定子鉄心固定盤にとり付けられることによって、初期位置に位置する回転子鉄心と電磁力相互作用を発生させる。
【0025】
好ましくは、前記固定子鉄心は、ケイ素鋼板で重なるもので、前記回転子鉄心は、ケイ素鋼板で重なるものである又は全体の鋼塊で製作されるものである。
好ましくは、前記角変位センサーは、電位計式又はホール式角変位センサーである。
もう一方、本発明で、前記電子制御ユニットECOは角変位センサーの信号によって電磁コイル的開閉電流を制御する。
【0026】
例示的な実施形態の中で、前記電子制御ユニットECOは、回転子鉄心又は固定子鉄心数量によって、クランクシャフトが一周回るプロセスで、開閉電流の回数は異なる。
【0027】
好ましくは、前記固定子鉄心の数量が2である時、クランクシャフトが一周回るプロセスで、電子制御ユニットECO制御電磁コイルの開閉電流回数はそれぞれ2回である。
【0028】
好ましくは、前記固定子鉄心の数量が3である時、クランクシャフトが一周回るプロセスで、電子制御ユニットECO制御電磁コイルの開閉電流回数はそれぞれ3回である。
【0029】
好ましくは、前記固定子鉄心の数量が4である時、クランクシャフトが一周回るプロセスで、電子制御ユニットECO制御電磁コイルの開閉電流回数はそれぞれ4回である。
【0030】
好ましくは、前記固定子鉄心の数量が5である時、クランクシャフトが一周回るプロセスで、電子制御ユニットECO制御電磁コイルの開閉電流回数はそれぞれ5回である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下、本発明の好ましい非限制性の実施形態により、本発明のこれらの記載及びその他の特徴、方面及び優位性は、図面を参照して、下記の詳細な説明を読んでからはっきりに自明し、その中では:
図1】本発明の電磁ブースター空気動力発電機システムの総体見取図である。
図2図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジンの正面図である。
図3図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジンの右側面図である。
図4図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジンの左側面図である。
図5図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジンの上面図である。
図6図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジンのクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリで、その中で、その中の一つのピストン-リンクユニットとシリンダーとの接続を示す。
図7図6でのクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリのクランクシャフトユニット構造の見取図である。
図8図2のエンジンのカムシャフト構造見取図である。
図9A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのコントローラシステムの立体透視図である。
図9B図9Aのコントローラシステムの縦方向断面図である。
図9C】コントローラシステムの横方向断面の側面図である。
図10A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのフロントギアケースシステムの立体透視図である。
図10B図10Aの左側面図である。
図10C図10Aの右側局部断面の側面図である。
図11A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのマルチシリンダー動力配分器の立体透視図である。
図11B図11Aの縦方向軸線に沿う横方向断面図である。
図11C図11Aの左側面図である。
図11D図11Aの上面図である。
図12A】圧縮空気動力エンジンのP-V図で、この中で、直列段階の圧縮空気動力配分形式を示す。
図12B】圧縮空気動力エンジンのP-V図で、この中で、並列形式の圧縮空気動力配分形式を示す。
図13A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムの電磁ブースターの一好適な実施形態の立体透視図で、回転子と固定子のそれぞれ二つの鉄心の状況を示す。
図13B図13Aの正面図である。
図13C図13Aの中央断面図である。
図14A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムの電磁ブースターのその他の一好適な実施形態的立体透視図で、その中で回転子と固定子のそれぞれ三つの鉄心の状況を示す。
図14B図14Aの正面図である。
図14C図14Aの中央断面図である。
図15A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムの電磁ブースターのもう一好適な実施形態の立体透視図で、回転子と固定子にそれぞれ四つの鉄心の状況を示す。
図15B図15Aの正面図である。
図15C図15Aの中央断面図である。
図16A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムの電磁ブースターのもう一好適な実施形態の立体透視図で、回転子と固定子にそれぞれ五つの鉄心の状況を示す。
図16B図16Aの正面図である。
図16C図16Aの中央断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
下記の説明は、本質的に例示だけで、本提供、応用または用途を制限することではない。理解すべきこととしては、全部の添付図の中で、相応な添付図標記は、同じ又は相応な部品と特徴を表すことである。
本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する前に、圧縮空気エンジンのエネルギーを理論的に分析する。
圧縮空気エンジンの仕事つくりだしプロセスは比較に簡単で、圧縮空気膨張仕事つくりだしのプロセスだけである。図12Aの示すように、図1-5は、圧縮空気等温膨張プロセスで、1-6は、圧縮空気断熱膨張プロセスである。圧縮空気は、エンジン内の仕事つくりだしは、完全に等温プロセスでなく、通常に等温プロセスと断熱プロセスとの間にある。圧縮空気のエネルギー利用率を向上する為に、多段断熱プロセスを採用して、等温プロセスに近似し、又は多段等積吸熱プロセスで等温プロセスに近似する。図12Aで、圧縮空気の二段階の膨張仕事つくりだしプロセス1-2-3-4、1-2及び3-4はそれぞれ、第一目のシリンダー及び第二目のシリンダー内で完成すること、を示す。作業物質は、第一段階の断熱膨張仕事つくりだしを経た後、又一回の熱交換器での等圧吸熱2-3を経てから、初期温度に戻った後、第二シリンダー膨張仕事つくりだしに入る。理論的に言うと、エンジンの仕事作り出しプロセスは、近似に等温膨張プロセスと見なしても良く、これにより曲線1-5と座標値V1、V2との間に含まれる面積は、圧縮空気貯蔵エネルギー釈放により転換するガス膨張仕事を表す。図12Bの中で、図の曲線1、2はそれぞれ圧縮空気の等温、断熱膨張プロセスを表し、実際の減圧膨張プロセスは、曲線1、2間にある。図の中で、Aは、開始点で、B、C、D、Eは相応な段階の圧力制御時の圧力段階点で、これらの点の箇所に等積吸熱プロセス、例えばBCとDE等がある。理論的に言うと、曲線1と座標値V1、V2との間に含まれる面積は、圧縮空気貯蔵のエネルギー釈放による転換するガス膨張仕事を表す。
仮に高圧エアタンクのガス充填圧力がp1で、ガス貯蔵容積がV1である理想ガスが完全に常圧p2に等温膨張すると、作り出す全部膨張仕事は下記の通りである。
【数1】
【数2】
式の中で、(p,V)と(p,V)は相応な開始及び終了状態で、断熱膨張後の終了状態は(p,V)である。
【0033】
選択されるフランスのMDI会社のエンジンのパラメータは、開始ガス貯蔵圧力 p1=30MPa、ガス貯蔵容積V=300Lで、終了室温状態の下での圧力 p=0.1MPaで、式(1)及び式(2)から、開始及び終了状態の間の完全等温膨張の全部膨張仕事 W=51.334MJを計算できる。
仮に圧縮空気動力エンジンの作動温度は300Kで、取得できる300L、300MPa気圧の下での圧縮空気の質量は104.553キログラムであると、仮にエア貯蔵タンクのは100キログラムであると、相応的なエネルギー比は約75W・h/kgである。車搭載電池、例えば鉛酸蓄電池及びニッケルカドミウム電池と比べて、圧縮空気のエネルギー比は高く、且つ大体ニッケル水素電池と同じ、良い発展前景を持つ。随着高圧エア貯蔵タンクの大容量、大圧力と軽質量の発展に連れて、圧縮空気のエネルギー比また大幅な向上を遂げるばかりでなく、ナトリウム硫黄電池とリチウムポリマー電池さえ近づく。
【0034】
圧縮空気は、エンジンで二種の仕事つくりだし方式があり、即ち、等温膨張プロセスと断熱膨張プロセスであり、次に具体的なパラメータ計算で両者の特徴を説明する。
初期状態1(30MPa,300K)及び終了状態2(0.1MPa,300K)を選んで、単位質量圧縮空気がそれぞれ等温プロセスと断熱プロセスでつくりだす膨張仕事を計算する。等温膨張プロセスで単位質量ガスがつくりだす仕事は W=491kJ/kgで、断熱膨張プロセスで単位質量圧縮空気がつくりだす仕事は W'=242.3kJ/kgである。理論的な計算から分かるように、等温プロセスの膨張仕事は殆ど是断熱膨張プロセスのものの2倍であるので、等温膨張のエネルギー利用率は断熱膨張より高く、理論上等温膨張を採用して仕事を作り出すのは理想的である。但し、「等温」はエンジンシリンダー内で実現し難く、二次熱流導入エンジン壁を持って十分な熱量を保持しなければならない。これは、技術難度を増加し、エンジン構造を極めて複雑にする。次に、さらに圧縮空気のエネルギー利用角度から圧縮空気エンジンの二種の動力配分モードを検討する。
並列方式の下で、等量の圧縮ガスを各シリンダーに入力して膨張で仕事を作り出す。仮に初期状態1(30MPa,300K)及び終了状態2(0.1MPa,300K)で、圧縮空気がシリンダー内で等温膨張を行い、等温近似率は η=80%で、シリンダー数は四つで、エンジンに入る圧縮空気は、単位質量1キログラムで、四つのシリンダーのガスが作り出す総体技術仕事は
【数3】
【数4】
である。これから見えるように、等温膨張プロセスは理想的な仕事つくりだしプロセスであるが、膨張後のガス体積は膨張前の300倍である。この為に、仕事をつくりだすシリンダーは、必ず大きな容積を持つこと。現有のエンジンのシリンダーを等温膨張後のシリンダーとして選択すると、選択圧縮比は10で、
【数5】
W=1983kJ/kgとなる。明らかに、技術仕事は大きく低減し、断熱膨張で作り出す技術仕事に及ばないだけでなく、余った圧力は高く、エネルギーは十分に利用されていない。但し、並列の方式の優位性は、各シリンダーの寸法が同じ、配置が簡単で、動力輸出が安定であることである。従来の技術を考えると、シリンダーは完全に等温を保持できなく、且つシリンダーの圧縮比をあまり大きくすることができず、膨張仕事つくりだし後、圧縮ガスの排出圧力が高く、依然として引き続き仕事をつくりだすことができるので、多段階断熱プロセス又は閉ループで排ガス的エネルギーを回収することは現在実用的且つ有効的な方式である。
【0035】
直列の方式の下で、圧縮空気は、各シリンダー内で相次いで断熱膨張仕事をつくりだして、前段階のシリンダーの排出ガスは次のシリンダーの初期圧力である。理論的な計算分析から分かるように、直列の段階が多ければ多いほど、即ち、直列シリンダーの数量が多ければ多いほど、単位質量の圧縮空気が作り出す仕事は多く、エネルギー利用率は高い。一般に直列四段階だけで、完全等温膨張仕事の80%を実現できる。同等な級別の直列で、中間状態の圧力値は異なり、総体技術仕事は大きく相違しない。直列シリンダーの一番大きな問題は、後ろの段階のシリンダーの容積が前の段のシリンダー容積より大きいことにより、且つ各段のシリンダー間に熱交換機をロードして、等圧吸熱を行うことである。これにより、エンジンの寸法要求が日増しに大きくなり、圧縮空気を使用するエンジンの設備の全体的な配置に影響を与える。
【0036】
以上の分析から分かるように、圧縮空気エンジンは、伝統的な燃料油エンジン及び各種の電動動力装置と異なり、これは原理上実行可能で、且つ環境保護と省エネの持続可能発展戦略に合う。その上、圧縮空気の源が便利で、エネルギー貯蔵方式が電気、液圧などのその他の形式より良い。圧縮空気の動力配分形式はそれぞれ優位性と欠点を持ち、圧縮空気使用効率を向上し、高圧罐容量及び充気圧力を増えることは、一回性ガス充填持続作動時間を増える主な手段である。タンク容積とガス充填圧力が相対に固定である状況の下で、圧縮空気エネルギー使用率ηは一番変化パラメータである。エンジン構造最適化、排ガスエネルギー回收及び圧縮空気配分等の問題は、徹底的に研究する必要がある問題である。
前記の理論的な分析を介して、本出願の出願者は、圧縮空気の並列動力配分モードを採用し、圧縮空気エネルギー使用率と仕事つくりだし後排出ガスの圧力を向上する為に、出願者は、排ガス回収回路を使用し、且つエンジンの高速回転特性と低速安定トルク出力を向上する為に、クランクシャフトブースターを採用する。次に本発明の具体的な方式に対して詳細的な説明を行う。
【0037】
次ぎ、図1を参考して、図1は、本発明の電磁ブースター空気動力発電機システムによる総体見取図で、図での矢印は、空気気流の流れ方向を表す。図1の中で、電磁ブースター空気動力発電機システムは、エンジン1、マルチシリンダー動力配分器2、発電機システム4、配電装置1100、コントローラシステム6、空気圧縮機7、コンデンサー11、排ガス回収タンク9、高圧エアタンクセット13、定圧タンク16、吸気制御調速弁23、電動タービンワンウェイ空気抜き機19、電子制御ユニットECO29と排ガスマフラー22を含んでいる。図1の示すように、高圧エアタンクセット13は、圧縮空気入口パイプライン14を介して外部ガスステーション又は画部ガス充填装置と接続し、外から必要な高圧圧縮空気を取得する。圧縮空気入口パイプライン14に、流量計A、圧力計Pと手動制御スイッチ(未図示)が設置される。流量計Aは、高圧エアタンクセット13に入る圧縮空気の流量を検出し、圧力計Pは高圧エアタンクセット13に入る圧縮空気的圧力を検出する。外部ガス充填装置又はガスステーションで高圧エアタンクセット13にガス充填を行う必要がある時、手動制御スイッチを入れて、高圧圧縮空気は高圧エアタンクセット13に入り、圧縮空気入口パイプライン14での流量計Aと圧力計Pが規定数値に達する時に、手動制御スイッチを切れて高圧エアタンクセット13のガス充填プロセスを完成することにより、定格圧力、例えば30MPaの下での圧縮空気を取得できる。エア貯蔵タンクの安全性能を保証する為に、高圧エアタンクセット13に一つ、二つ又は複数の安全弁(未図示)を設置できる。
高圧エアタンクセット13は、十分な容量を持つ一つ、二つ、三つ、四つ又はより多い高圧エアタンクが直列・並列するものであっても良く、応用場面に実際必要を通じて、高圧エアタンクセット13の構成エアタンク数を決める。高圧エアタンクセット13は、パイプライン15を介して定圧タンク16に接続し、パイプライン15に同様に、それぞれ圧縮空気流量と圧力を監視・測定する流量計Aと圧力計Pが設置される。定圧タンク16は、高圧エアタンクセット13からの高圧空気的圧力を安定化し、その圧力は高圧エアタンクセット13内の圧力よりやや低く、例えば、21-28MPa、好ましくは21MPa位である。定圧タンク16と吸気制御調速弁23との間に、パイプライン17が設置され、パイプライン17にもそれぞれ圧縮空気の流量及び圧力を監視・制御する流量計Aと圧力計Pが設置される。定圧タンク16からの高圧空気は吸気制御調速弁23により制御・調節された後、パイプラインを介してコントローラシステム6に入る。
【0038】
次ぎ、吸気制御調速弁23を詳細に説明する。吸気制御調速弁23の役割は、電子制御ユニットECO29の指令信号によって、電磁弁の入れ時間を制御することによって、圧縮空気吸気量を決定することである。電磁弁が減圧役割を持つので、減圧圧力調整弁と調速弁を構成し、エンジンの回転速度を一つの適切な範囲に調整できる。吸気制御調速弁23は、ECO29により発送される制御信号26により制御される。エンジン1には、例えば、エンジン回転速度を測定する速度センサー、シリンダー上死点位置を判断する位置センサー及びアクセル踏み子位置を判断するアクセル電位計、又はエンジン主体温度を測定する温度センサーという多種のセンサーが選択的に設置されている。本発明の例示的な実施形態は、速度センサー24及び/又はアクセル電位計242を表す。速度センサー24は、現有技術で、エンジン回転速度を測定する各種速度センサーであってもよく、且つ通常にクランクシャフト56に設置される。アクセル電位計242は、現有技術でのアクセル踏み子位置を測定する各種の位置センサーであってもよく、通常にアクセル踏み子位置に設置される。非車両応用の場合、踏み子位置と類似するアクセル電位計は、エンジン負荷センサーであってもよく、例えば、エンジン出力トルクを監視するトルクセンサー、発電の場合で、発電電流を制御する電流選択ノブの位置センサー等。ECO29は、各種のセンサー信号、例えば速度センサー24の速度信号及びアクセル電位計242の位置信号のいずれかの一方又は両方に基づいて、運算処理を経て制御信号26を発送し、制御信号26は吸気制御調速弁を制御するので、吸気制御調速弁の高速、中速、低速ニーズを実現することにより、エンジンの高速、中速と低速回転に対応できる。
【0039】
吸気制御調速弁を通した高圧圧縮空気が高圧パイプラインを介してコントローラシステム6に流れ込み、且つコントローラシステム6によりエンジン1の各シリンダーに高圧圧縮空気を提供し、例えば、約7-18MPaの圧力を提供し、好ましくは9-15MPaとし、更に好ましくは11-13MPaとすることで、エンジンピストン51のシリンダーブロックシステム40内の往復運動(図2-6参照)を駆動し、且つリンク54を経由してピストン51の往復運動をクランクシャフト56の回転運動を転換することにより、エンジンの各種の作業状況の下での要求を満足する。コントローラシステム6の具体的な構造について、この文章の後で詳細に説明する。
【0040】
図1を引き続き参考して、エンジン1から出力される回転運動は、マルチシリンダー動力配分器2を介して応用設備に配分され、図1中の示すように、応用設備は、空気圧縮機7と発電機システム4を含んでいる。空気圧縮機7は、伝統的な羽根式圧縮機とピストン式圧縮機等であってもいいし、本出願の出願人により特許文献(CN 201261386Y)で提供された加圧装置であってもよい。発電機システム4は、本技術分野で公知される直流又は交流発電機であってもいいし、その他のタイプの発電機、例えば、中国特許文献CN102122862Aに公開された希土永磁鉄心無し発電機セットであってもよい。本発明の好適な実施形態の中で、発電機システム4は希土永磁鉄心無し発電機を採用する。発電機システム4は、接続装置、例えば、配電電路を介して、電気的に配電装置1100に接続する。配電装置1100は、発電機システム4により発送される電気を各種の電気使用の場合と設備に配電し、その中で、上制御パネル1102、下制御パネル1103及び給電出力端1101を含んでいる。上制御パネル1102は、三つの「A」符号で表示される電流計、一つの 「V」符号で表示される電圧計及び一つの「LWS」符号で表示される電圧切替スイッチを含んでいる。各電流計はそれぞれ三相電路での一つの相の電流を表示する。電圧切替スイッチは、発電機システム4により発送される電気を選択して切替・出力し、工業及び民用の一般的な必要を通じて、本発明の電圧切替スイッチは、220Vと380Vとに切替ることができ、電圧切替スイッチが220Vのレベルを選択する時、配置装置1100は、給電輸出端1101を介して220Vの電気を各種の電気使用の場合に伝送する。但し、電圧切替スイッチが380Vのレベルを選択する時、配置装置1100は、給電輸出端1101を介して380Vの電気を各種の電気使用の場合に伝送する。本発明のモデル実施形態の中で、電圧切替スイッチは、LW5/YH2/2型切替スイッチを採用する。電圧計は、電圧切替スイッチの操作で発電機システムの相電圧又は線間電圧を測定する。
【0041】
マルチシリンダー動力配分器2は、クランクシャフト56でのフライホイール固定接続できるし、カップリングのような接続件を介してクランクシャフトと接続できる。マルチシリンダー動力配分器2は、動力を二つのルートに分け、一つのルートは、動力設備4に配分するものであり、もう一つのルートは空気圧縮機7に配分するものであり。動力設備4は、クラッチ3又は類似する機能の接続装置を介してマルチシリンダー動力配分器2と接続し、空気圧縮機7は、ギア装置のようなカップリング5を介してマルチシリンダー動力配分器2と接続する。エンジンが作動する場合、クランクシャフト56の回転は、マルチシリンダー動力配分器2を運転駆動し、続いて動力をそれぞれ動力設備4及び空気圧縮機7に配分することにより、動力設備4及び空気圧縮機7を作動駆動する。
【0042】
本発明による圧縮空気エンジンが高圧空気により直接に駆動されるので、クランクシャフトが0-180度回転するプロセスで、高圧空気は、ピストン51を運転駆動し、ピストンが下死点后に到達した後、慣性で上へ運動する場合、クランクシャフトは引き続き180度〜360度回転し、エンジンは排気行程サイクルを行い、この時排ガスは依然として高い圧力、例えば3MPa位を持ち、高い圧力のある排出ガスは直接に大気に排出されると、高圧排ガスフローを引き起こし、且つ排ガスノイズを形成し易く、もう一方、圧縮空気に含まれるエネルギーを消耗する。従って、圧縮空気エンジンの排ガス回收は物事の勢いから実行しなければならない肝心な技術である。本発明の排ガス回收構造を下記の通り総括する:
エンジン1の排気集気管28から排出された排ガスは、パイプライン27を経由して排ガスマフラー22に伝送され、防音処理された排ガスは、パイプライン18を経由して電動タービンワンウェイ空気抜き機19に吸われる。電動タービンワンウェイ空気抜き機19と排ガス回収タンク9との間にパイプライン20が設置され、パイプライン20にワンウェイ弁21が設置される。ワンウェイ弁21の存在で、排ガスが電動タービンでワンウェイ空気抜き機を介して排ガス回収タンク9に入ることをしか許可しなく、排ガスの逆方向の流れを許可しない。排ガス回収タンク9と空気圧縮機7との間のパイプライン8に流量計A及び圧力計Pが設置され、空気圧縮機7により圧縮された後の排ガス流量及び圧力をそれぞれ検出する。空気圧縮機7により圧縮された後の排ガスの圧力は明らかに増えて、通常に約20MPa〜30MPaの間に達せ、その後パイプライン10を介してコンデンサー11に入り、コンデンサー11により冷却された排ガスは、直接にパイプライン12を介して高圧エアタンクセット13に送られ、又は排ガスフィルター(未図示)を通して高圧エアタンクセット13に入ることができる。オプションとしては、コンデンサー(11)と高圧エアタンクセット(13)との間のパイプラインにワンウェイ弁(未図示)を設置でき、加圧后後の清潔な排ガスがワンウェイで高圧エアタンクセット(13)に流れ込むことだけ許可する。これにより、エンジンピストン51を駆動する高圧圧縮空気は、仕事つくりだし後、相当な部分は、排ガス回收回路(排ガスマフラー、電動タービンワンウェイ空気抜き機、排ガス回収タンク9、エアエンジン7、コンデンサー11及びこれら間の接続パイプライン)により加圧・浄化された後、高圧エアタンクセットに回収されることにより、排ガスの再利用を実現する。排ガス回収回路の存在で、相当な程度で相当な圧力のある排ガス(通常に3MPa位)が直接に大気に排出されることによるノイズ汚染の問題を解決するだけでなく、大容量高圧エアタンクセット13の容積需要問題を有効に低減した。言い換えると、指定容量の高圧エアタンクセット13に対して、排ガス回收回路の存在によって、圧縮空気エンジンの持続作動時間を大きく増加し、圧縮空気エンジンを使用する交通設備又は発電設備の中で、交通設備又は発電設備の持続作動時間を大きく増加することにより、圧縮空気エンジンの効率を明らかに増加した。
【0043】
次ぎ、図2図5に戻り、図2図5は、異なる角度で図1のエンジン1の図を説明する。その中で、図2は、エンジンの正面図で、図3は、エンジン1の右側面図で、図4はエンジン1の左側面図で、図5は、エンジンの上面図である。更に図6を参照すると、エンジン1は、シリンダー40、シリンダーカバーシステム36、吸気パイプライン42(吸気弁ベンチュリー管)、排気パイプライン27、ピストン51、リンク54、クランクシャフト56、排気カムシャフト800(図8参照)、吸気カムシャフト200(図9での吸気カムシャフト取付穴113内に取付られる)、フロントギアケースシステム43、リヤギアケース33及び電磁ブースター1000を含んでいることが分かる。フロントギアケースシステム43は、クランクシャフト56及びカムシャフトを伝動する。リヤギアケース33にリングギア31及びフライホイール32が設置され、マルチシリンダー動力配分器2に接続する。このエンジン1の例示的な実施形態の中で、それぞれ吸気カムシャフト200と排気カムシャフト800が設置され、これらは全てフロントギアケースシステム43を介してクランクシャフト56と接続し、且つクランクシャフト56の回転に連れて適当に回転する。圧縮空気吸気は、直接にコントローラシステム6により制御・配分されるので、エンジンシリンダーカバーシステム36の上に、吸気弁を取り消して、僅か排気バルブ62を設置し、例示的な実施の中で、排気バルブは、シリンダー毎に四つあり、必要を通じて、一つ、二つ、四つ又は六つとしても良い。コントローラシステム6からの圧縮空気は、吸気弁ベンチュリー管42を介して直接に膨張排気室63(図6参照)に入り、エンジンが作動する時に、当該圧縮空気は、ピストン51を押して下へ運動させ、ピストン51は、リンク54を介してピストン51の直線運動をクランクシャフト56の回転運動に転換し、クランクシャフトは回転してエンジンの出力を実現する。ピストン51が下死点まで運動した後、クランクシャフト56は慣性で引き続き運動し、ピストン51を下死点位置から上死点位置へ運動駆動し、この時に排気カムシャフト800は、その上のカム及び相応なコントロールアームを介して、排気バルブ62を開いて、排気行程を行う。例示的な実施形態の中で、好ましくは排出される排ガスは排ガス回收回路に入る。
【0044】
エンジン1に、エンジンを起動する始動装置39及びベルト車のような接続部品及びクランクシャフトと接続する発電機391、潤滑油戻り用シリンダーブロックオイルパン44及びエンジンオイルを濾過するエンジンオイルフィルター2が設置される。発電機391は、例えば全体式交流発電機、ブラシ無し式交流発電機、ポンプ付き式交流発電機又は永磁発電機等であっても良く、エンジンで作動する時にエンジンアセンブリに給電し、且つバッテリ又は蓄電池(未図示)に充電する。
【0045】
次ぎ、図6を参照して、図6図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジン1のクランクシャフト-リンク-ピストンシステムアセンブリであり、この中で、その内の一つのピストン-リンクユニットとシリンダー40との接続を示している。示された実施形態の中で、好ましくは六つのシリンダー40を持ち、相応に六つのピストン51リヤギアケースの六つリンク54を備える。オプションの実施形態の中で、ピストン51、シリンダー40リヤギアケースリンク54の数量は、当業者が想定できる一つ、二つ、四つ、六つ、八つ、十二又はその他の数量であってもよい。相応に、クランクシャフト56に対して、適応的にマッチング性設計を行うことによって、ピストン-リンクユニット数に適応する。例示的な実施形態の中で、図6及び図7の示すように、クランクシャフト56は、好ましくは六つユニットのあるリンククランクであり、本発明の好適な実施形態に対応する。図6を引き続き参照して、示されるその中の一つのピストン-リンクユニットとシリンダー40との接続の中で、コントローラシステム6からの高圧圧縮空気は、吸気パイプライン42を経由して、シリンダーカバー36でのエアチューブ穴402を介して直接に膨張排気室63に入る。高圧ガスは、膨張排気室63内で膨張仕事をつくりだして、ピストン51を下へ運動駆動し、これは仕事つくりだし行程サイクルである。仕事つくりだし行程サイクルにより輸出される仕事は、クランクシャフトリンクシステムを介して外へ動力を輸出する。ピストン51は、シリンダー44内で、下死点位置から上死点位置へ運動する時、排気バルブ62は開き、一定圧力のある空気は、膨張排気室63で排気管27を経由して排出され、これは排気行程サイクルである。ピストン51が上死点にすぐ到達する時に、排気バルブ62は閉じて、コントローラシステム6は、又膨張排気室63にガスを供給し始め、次の循環に入る。明らかに、本発明のエンジンのクランクシャフト56は、一周回転する(360度)たびに、一回仕事をつくりだし、これは伝統的な四行程サイクルエンジンと違い、クランクシャフトが二周回転する(720度)プロセスで一回の完全な吸気、圧縮、膨張及び排気行程サイクルを完成する。これが、2行程サイクルエンジンと同じであるが、伝統的な2行程サイクルエンジンと異なる。これは、伝統的な2行程サイクルエンジンは、通常にシリンダーの底部に吸気口が設置され、且つシリンダーの適当な位置で掃気口及び排気口が設置されるからである。但し、本発明の2行程サイクルエンジンは、シリンダーの頂部で、高圧圧縮空気吸気用エアチューブ穴402及び排ガス排出の排気孔272が設置され、且つエアチューブ穴402の連通及び閉じは吸気カムシャフト200によりコントローラシステム6を介して実現され、但し、排気孔の連通と閉じは、クランクシャフトにより排気カムシャフト800を回転駆動させ、且つコントロールアーム制御排気バルブ62の連通と閉じをすることによって実現される。従って、本発明の2行程サイクルエンジンは、伝統的な2行程サイクルエンジンと完全に異なり、直接に膨張仕事つくりだせる高圧空気を有効に利用し、クランクシャフト56は一周回転するたびに、ピストン51は一回仕事をつくりだす。従って、同じ排気量の状況の下で、伝統的な四行程サイクルエンジンと比べて、パワーを一倍向上できる。
【0046】
以下、図5及び図6を参照して、クランクシャフト56は、ギア締付ボルト79、クランクシャフト前端80、ベベルギヤー61、メインジャーナル78、ユニットリンククランク71、カウンターウェイト77、クランクピン76、クランクシャフト後端75及びフライホイール締付ボルト72を含む。クランクシャフト56にあるメインジャーナル78及びクランクピン76にそれぞれ一つ又は幾つかのエンジンオイル潤滑油穴が設置されることにより、クランクシャフトに潤滑エンジンオイルを提供する。クランクシャフト前端80の右側(如図中所示方向)の隣接箇所でギア締付ボルト79が設置され、フロントギヤケースシステム43の相応なギアと接続し、クランクシャフト前端80の左側(図の示す方向)隣接位置にベベルギヤー61が設置され、カムシャフトを回転駆動する。クランクシャフト後端75の外側隣接位置にフライホイール締付ボルト72が設置され、フライホイール32との固定接続を形成する。カウンターウェイト77でのリングに一つ、二つ又は幾つかの重量平衡穴が設置され、カウンターウェイト重量を調節する。本発明の好適な実施形態の中で、クランクシャフトのユニットリンククランク71は、六つユニットリンククランクを含んており、それぞれ第一ユニットリンククランク71a、第二ユニットリンククランク71b、第三ユニットリンククランク71c、第四ユニットリンククランク71d、第五ユニットリンククランク71e及び第六ユニットリンククランク71fである。それぞれ第一から第六リンク54又はピストン51に対応する。オプションの実施形態の中で、ユニットリンククランク71は、異なる数量のユニットリンククランク、例えば、一つ、二つ、四つ、六つ、八つ又はより多い数量を含んでもよい。これらは全て当業者が想定し易い内容である。図6又は図7の好適的な実施形態の中で、各ユニットリンククランクの位相を下記のように設置し、即ち、第一ユニットリンククランク71aが第二ユニットリンククランク71bに対して角度120度を成し、第二ユニットリンククランク71bが第三ユニットリンククランク71cに対して角度120度を成し、第三ユニットリンククランク71cが第四ユニットリンククランク71cに対して角度180度を成し、第四ユニットリンククランク71dが第五ユニットリンククランク71eに対して角度−120度を成し、第五ユニットリンククランク71eが第六ユニットリンククランク71fに対して角度−120度を成す。このように設置されたリンククランクユニットが実現できる作動順序は、第一及び第五ユニットリンククランクが同時に作動し、その後、第三及び第六ユニットリンククランクが共に作動し、最後に第二及び第四ユニットリンククランクが共に作動する。ことにより、相応的なエンジンシリンダーの作動順序は、1-5シリンダー、3-6シリンダー及び2-4シリンダーである。本発明の教導によって、当業者は、本発明と異なるユニットリンククランク、作業位相及び作業順序を設置できるが、全部が本発明の範囲に属する。
【0047】
引き続き図6を参照して、ピストン51は、リンク54を介してクランクシャフト56と接続する。リンク54は、リンク小径端、リンク主体とリンク大径端を含んでいる。リンク大径端は、リンクカバー58を含んており、リンクカバー58の内側は、円形のスペースを形成し、スペース内に置かれるリンクブシュ57を介してクランクシャフトのクランクピン76と接続する。ピストン51の外円周表面にテトラフルオロエチレン製オイルリテーナー53及びテトラフルオロエチレン製ピストンリング52が設置されている。図示される実施形態の中で、各ピストン51に4本のテトラフルオロエチレン製ピストンリング52及び2本のテトラフルオロエチレン製オイルリテーナー53が設置される。オプションの実施形態の中で、テトラフルオロエチレン製オイルリテーナー53及びテトラフルオロエチレン製ピストンリング52の数量は変化でき、例えば、2本、3本、4本又はより多いであってもよい。テトラフルオロエチレン製オイルリテーナー53は油阻止役割を果たし、テトラフルオロエチレン製ピストンリング52は、油削り役割を果たし、これらは共同に作用して、潤滑油の信頼的な潤滑及び密封を保証する。
【0048】
以下、図8を参照して、図8図2のエンジン1の排気カムシャフト800の構造見取図である排気カムシャフト800は、ユニットカム81及びスプロケット83を含んでいる。例示的な実施形態の中で、ユニットカム81は、六つのユニットカムを含んており、それぞれ第一ユニットカム81a、第二ユニットカム81b、第三ユニットカム81c、第四ユニットカム81d、第五ユニットカム81e及び第六ユニットカム81fである。オプションの実施形態の中で、ユニットカム81の数量は一つ、二つ、四つ、六つ、八つ、十二つ又はより多いであっても良く、これはエンジンシリンダー数と各シリンダーの排気バルブ数に決めされる。本発明の例示的な実施形態の中で、各ユニットカム81は、二つのカム82を含んており、各カム82は且つ相応する排気バルブ62の開きを制御する。図8の好適な実施形態の中で、各ユニットカム81の位相は下記のように設置され、即ち、第一ユニットカム81aが第二ユニットカム81bに対して角度120度を成し、第二ユニットカム81bが第三ユニットカム81cに対して角度120度を成し、第三ユニットカム81cが第四ユニットカム81cに対して角度180度を成し、第四ユニットカム81dが第五ユニットカム81eに対して角度−120度を成し、第五ユニットカム81eが第六ユニットカム81fに対して角度−120度を成す。このような設置の下でのユニットカムは、実現できるユニットカムの作動順序は、第一及び第五ユニットカムが同時に作動してから、第三及び第六ユニットカムが共に作動し、最後に第二及び第四ユニットカムが共に作動するものである。これにより、相応なエンジンシリンダーの作動順序は、1-5シリンダー、3-6シリンダーと2-4シリンダーである。本発明の教導によって、当業者は、本発明と異なるユニットカム及び作動位相と作動順序を設置できるが、全部本発明の範囲に属する。
【0049】
次ぎ、図9を参照して、図9A-図9C図9と総称され、図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのコントローラシステム6の図である。図9の示すように、コントローラシステム6は、高圧コモンレール式定圧パイプ91、コントローラ下台座97、コントローラ中部台座98、コントローラ吸気弁92、コントローラスプリング94及びコントローラ上蓋108を含んでいる。高圧コモンレール式定圧パイプ91は、円柱形外形を持ち、且つ長方形、三角形等外形であっても良い。高圧コモンレール式定圧パイプ91内部は、円柱形のようなキャビティで、吸気制御調速弁23からの高圧吸気を受け、且つ大体にキャビティ内の圧縮空気圧力均衡を保持することによって、初期で各シリンダー40の膨張排気室63に入る高圧空気が同じ圧力を持つようにすることにより、エンジンが安定に作業することにする。高圧コモンレール式定圧パイプ91の両端に固定に高圧コモンレール式定圧パイプサイドカバー100が設置され、吸気制御調速弁23と接続するサイドカバー100が外へ延びるフランジ(未図示)を持ち、当該フランジは、高圧吸気制御調速弁23と高圧コモンレール式定圧パイプ91ととの間のパイプライン内に伸び、且つネジのような接続方式で高圧パイプラインと着脱可能に方式で固定接続される。高圧コモンレール式定圧パイプサイドカバー100はサイドカバー締付ボルトを介して高圧コモンレール式定圧パイプ91と接続する。高圧コモンレール式定圧パイプ91に、シリンダー40に相応する数量の上蓋接続穴111が設置され、図示される好適な実施形態の中で、上蓋接続穴111の数量が6である。コントローラ上蓋108は、中央線に沿う断面に逆T形とし、円柱形の分岐吸気パイプライン112及び円形下表面(未図示)を備え、分岐吸気パイプライン112が、その上端外周りにあるネジを介して上蓋接続穴111内に接続し、高圧コモンレール式定圧パイプ91との着脱可能な固定接続を形成する。コントローラの上蓋108は、上蓋を介して中部台座締付ボルト又はその他のファスナー及びコントローラ中部台座98との密封的に着脱可能な固定接続を形成する。コントローラ中部台座98は、中部台座を介して下台座締付ボルト110又はその他のファスナー及びコントローラ下台座97との密封的に着脱可能な固定接続を形成する。
【0050】
図9の示すように、コントローラ中部台座98は、その中心箇所で異なる直径の穴が設置され、上から下まで相次いでコントローラバルブシートブッシュ孔120、コントローラバルブポート117、オイルシールブッシュ孔116及びコントローラバルブスプリング穴119である。実施形態の中で、穴120の直径は、穴117の直径より大きく、且つ穴116の直径より大きい。孔117の直径は、穴116の直径より大きい。穴119の直径は、穴117の直径と同じであってもいいし、異なっても良い。但し、穴116の直径より大きいであることを要求する。好適な実施形態の中で、穴119の直径は穴117の直径と等しいであるが、穴120の直径よりやや小さい。コントローラバルブシートプッシュ93は、コントローラバルブシートブッシュ孔120内に取付られ、且つコントローラバルブポート117の上に支えられる。コントローラバルブポート117はキャビティであり、エアチューブ穴接続穴118と接続することにより、コントローラバルブ92が開く時に、支吸気パイプライン112を経由して高圧コモンレール式定圧パイプ91からの圧縮空気をエアチューブ穴接続穴118に入らせる。エアチューブ穴接続穴118の一端はコントローラバルブポート117と接続し、その他の端はシリンダヘッドシステム36のエアチューブ穴402と接続し、常に接続を保持するので、コントローラバルブ92が開く時に、圧縮空気を膨張排気室63に送ることにより、エンジンを駆動して作動される。オイルシールブッシュ99はオイルシールブッシュ孔116内に取付られ、且つコントローラバルブスプリング94に支えられ、この内にコントローラバルブ92のバルブ杆(未図示)を通り抜ける。当該オイルシールブッシュ99は、コントローラバルブ92を密封すると同時に、バルブバーをガイドする。コントローラバルブスプリング94は、コントローラバルブスプリング穴119内に取付られ、その下端にコントローラバルブスプリング下台座95が支えられ、且つコントローラバルブロックチップでコントローラバルブスプリング下台座95にロックされる。エンジンが作動しない時に、コントローラバルブスプリング94は一定のプレ張力をロードし、コントローラバルブ92をコントローラバルブシートプッシュ93に当接させ、コントローラバルブ92は閉じる。
【0051】
コントローラ下台座97内部に例示の六つのコントローラタペット取付穴114が設置され、エンジンシリンダー数によって、異なる数量のコントローラタペット取付穴114を設置でき、例えば、一つ、二つ、四つ、六つ、八つ、十つ又はより多いであってもよい。コントローラタペット115は、コントローラタペット取付穴114内に取付られ、且つ吸気カムシャフト取付穴113内に取付られる吸気カムシャフト200に従って回転して上下往復運動する。エンジンシリンダー40に高圧圧縮空気を提供する必要がある時、吸気カムシャフト200のカムは、上へコントローラタペット115を持ち上げ、コントローラタペット115は、引き続きコントローラバルブ92のバルブバーを持ち上げ、バルブバーがコントローラバルブスプリング94の引き力を克服し、コントローラバルブシートプッシュ93から離れることにより、コントローラバルブを開け、高圧圧縮空気は、高圧コモンレール式定圧パイプ91を介して膨張排気室63に入り、エンジンのガス供給需要を満足する。吸気カムシャフト200は、クランクシャフト56に従って一定角度回転した後、コントローラバルブ92のバルブバーは、コントローラバルブスプリング94の回復力の作用の下で改めてコントローラバルブシートプッシュ93に戻り、コントローラバルブ92は閉じて、ガス供給は終了する。本発明の圧縮空気エンジンが2行程サイクルエンジンであるので、クランクシャフト56は一周回転するたびに、コントローラバルブ92及び排気弁62はそれぞれ一回開閉をする。従って、吸気カムシャフト200及び排気カムシャフト800のカム位相及びこれらとクランクシャフトとの接続関係を設置し易く、その詳細な構造及び運動伝達について、図10の例示説明を参照する。
【0052】
次ぎ、図10を参照して、図10A-図10C図10と総称され、図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのエンジン1のフロントギアケースシステム43の異なる図である。図10の示すように、フロントギアケースシステムは多角形カバー313、伝動ギア308、クランクシャフトギア307、キャリアーギヤ303、吸気カムシャフトギア302、排気カムシャフトギア306を含んでいる。クランクシャフトギア307は、多角形カバー313を通り抜けるクランクシャフト56の一端と固定接続し、クランクシャフトからを回動駆動する。クランクシャフト56は、多角形カバー313のほかの側の突き出ている延長端3071(ここでクランクシャフト延長端と称する)は、電磁ブースター1000を接続し、電磁ブースター1000は、クランクシャフト55の回転に補助動力を提供し、エンジンの性能を向上する。電磁ブースター1000の詳細な構造及び作動プロセスについて、その文章の後部分で説明する。
【0053】
クランクシャフトギア307の下方(図10Bの示される方位)に、エンジンオイルポンプギアのような伝動ギア308が設置され、伝動ギア308を介して、エンジンオイルのポンプのような部品を回転駆動する。クランクシャフトギア307の上方で左から右(図10Bの示される方位)まで、相次いで吸気カムシャフトギア302、キャリアーギヤ303及び排気カムシャフトギア306が設置されている。クランクシャフトギア307は、キャリアーギヤ303と直接に接合してキャリアーギヤ303を回動駆動する。キャリアーギヤ303は、同時に左右両側の吸気カムシャフトギア302及び排気カムシャフトギア306に接合することによって、クランクシャフト56が回転する時に、クランクシャフトギア307及びキャリアーギヤ303を介して吸気カムシャフトギア302及び排気カムシャフトギア306を回動駆動することにより、吸気カムシャフト200及び排気カムシャフト800が回転し、最終的に排気バルブ62及びコントローラ吸気弁92の開閉を実現する。例示的な実施形態の中で、排気カムシャフトギア306は、直接に固定に排気カムシャフト800に接続されることによって、排気カムシャフトギア306の回転は直接に排気カムシャフト800を回転駆動する。吸気カムシャフトギア302の中央軸の適当な位置にベルト車(未図示)が設置され、当該ベルト車は、カムシャフト伝動ベルト35を介して吸気カムシャフト200に設置されるベルト車と接続することにより、吸気カムシャフト200を回動駆動し、コントローラ吸気弁92の開閉を実現する。オプションの実施形態の中で、吸気カムシャフトギア302の中央軸の適当な位置にもスプロケット(未図示)が固定され、当該スプロケットは、チェーンを介して吸気カムシャフト200に設置されるスプロケットと接続することによって、吸気カムシャフト200を回動駆動し、コントローラ吸気弁92の開閉を実現する。
多角形カバー313に幾つかの異なる役割のある穴、例えばネジ接続穴309、ネジ穴310及びボルト接続穴311が設置されている。多角形カバー313は、ネジ接続穴309を介してエンジンのケースに接続し、キャリアーギヤ303は、ネジ穴310を介して多角形カバー313に接続し、ボルト接続穴311は、多角形カバー311とエンジンケースを接続する。ボルト接続穴311は、多角形カバー311での溶接柱5内に溶接されて設置できる。多角形カバー311に潤滑油流動用油穴304及び吊輪取付用吊輪台座12が設置される。
【0054】
次ぎ、図11を参照して、図11A-図11C図11と総称され、図1の電磁ブースター空気動力発電機システムのマルチシリンダー動力配分器2の異なる図である。図11の示すのは、本発明の例示的な実施形態で、マルチシリンダー動力配分器2は多段動力配分器で、第一段601、第二段602、第三段603、第四段604及び第五段605(図10Bの示す方向に左から右へ)から構成される。オプションの実施形態の中で、マルチシリンダー動力配分器は、本発明と異なる五段のその他の段で構成されてもよい。例えば、第三段、第四段、第六段又は第七段等。各段の構造は大体同じ、遊星歯車401、内歯歯車407及び太陽歯車405を含んでいる。必要を通じて、均一に各段の星歯車の個数、例えば、三つ、五つ、七つ又はより多い数量を設定できる。例示的な実施形態の中で、各段は五つの均一に分布する遊星歯車401を含んでいる。このようなやり方の優位性は次の通りで、即ち、遊星歯車の均一分布により、主軸の応力が均一になり、主軸の伝動が安定になり、且つ伝動パワーが大きくなることである。図11Bの示すように、第一段601及び第二段602の遊星歯車401が遊星歯車ピン403を介して接続することにより、第一段601と第二段602とが同期に回転することに回転すること。遊星歯車ピン403が滑らかなフェザー・キー4021又はスプラインを介して遊星歯車401と接続すること。例示的な実施形態の中で、遊星歯車ピン403は、細い円柱形ピンであっても良く、その外形が長方形、台形、又は半円形であっても良く、その数量が各段で二つ、三つ、四つ、五つ又はより多いものを採用しても良い。第二段602及び第三段603の太陽歯車405が太陽歯車ピン406と接続することによって、第二段602及び第三段603の連動を実現する。第三段603と第四段604との間の接続関係が、第一段601と第二段604との間の接続関係と類似し、第四段604と第五段605との間の接続関係が、第二段602と第三段603との間の接続関係と類似する。これにより、マルチシリンダー動力配分器4の第一段602から第五段603に動力伝達を実現し、第一段601からの動力入力を第五段605から出力することができる。特に注意すべき事項としては、各段の遊星歯車401が自分の軸線の回りに自転するだけであり、相応な太陽歯車405の回りに公転せず、このような配置でマルチシリンダー動力配分器の内部構造が相対に簡単で、安定に動力を伝達できる。
【0055】
次ぎ、マルチシリンダー動力配分器2の作動原理を説明する。エンジン1のクランクシャフト51にフライホイール32が設置され、フライホイール32の周りに固定接続し、リングギア31があり、当該リングギア31がアウターリングギアを有し、これはマルチシリンダー動力配分器2の第一段601での内歯がある内歯歯車407とかみ合うことによって、クランクシャフト56の運動を第一段601の内歯歯車407に伝動する。第一段601の遊星歯車401は、第二段602の遊星歯車と接続し、動力は、第一段601から第二段602に伝達され、第二段602の遊星歯車401は、第二段の太陽歯車405を回動駆動する。第二段の太陽歯車405は、太陽歯車ピン406を介して、第三段の太陽歯車と接続し、第三段の太陽歯車405を回動駆動し、動力は第二段602から第三段603に伝達される。第三段603は、第一段601と類似する方式で、第三段603の動力を遊星歯車401で動力を第四段604に伝達する。第四段604は第二段と類似する方式で第四段604の動力を太陽歯車405で第五段605に伝達する。本発明の実施形態の中で、第五段605の遊星歯車401の回転軸は動力出力端で、動力は、遊星歯車401を介してマルチルートに分けて(本発明で例示としては二つのルートを示す)マルチシリンダー動力配分器2と接続する部品に伝達し、例えば、本発明の例示的実施形態の中で、当該部品は発電機の動力装置4と空気圧縮機7のようなものである。これにより、動力は、エンジンのクランクシャフト56から出力され、マルチシリンダー動力配分器2を介してマルチルート出力を実現する。伝統的なギアボックスと比べて、優位性のある点は、五段遊星歯車の伝達を採用して動力再配分を行り、力節約を実現し、且つ伝達でのトルク振動を減少することにある。
【0056】
次ぎ、電磁ブースター1000の詳細的な構造と作動原理を説明する。図13-16は、本発明の電磁ブースター1000の異なる実施形態を説明する。図13-16の中で、同じ標識は、完全に同じ部品を表す。現在図13A-13Cを参照して、図13A図1の電磁ブースター空気動力発電機システムの電磁ブースターの一好適な実施形態の立体透視図で、回転子及び固定子に各二つの鉄心がある状況を示す。図13B図13Aの正面図である。図13C図13Aの中央断面図である。電磁ブースター1000は、ブースターハウジング1001、固定子部分及び回転子部分を含んでいる。固定子部分は、固定子鉄心固定盤1002、固定子鉄心1004及び固定子鉄心コイル1003から構成される。回転子部分は、回転子鉄心固定盤1007、ブースターフライホイール1008、回転子鉄心1005及び回転子鉄心コイル1006から構成される。電磁ブースター1000外形は、環形シリンダー状を形成し、ブースターハウジング1001は電磁ブースター1000の一番外の周りに位置し、一般に磁気隔離材料、例えば鉄から製作される。固定子部分は固定子鉄心固定盤1002と固定接続し、ブースターハウジング1001で、固定子鉄心1004は、固定子鉄心固定盤1002の挿入接続し、この上に、固定子鉄心コイル1003が取り巻かれている。
【0057】
回転子鉄心固定盤1007は、締り嵌め又はネジ接続を介して、ブースターフライホイール1008に固定に取付られ、ブースターフライホイール1008と共に回転する。回転子鉄心固定盤1007に回転子鉄心1005が取りうけられて、回転子鉄心に回転子鉄心コイル1006が取り巻かれている。ブースターフライホイール1008はキー1009を介してクランクシャフト56と固定接続する。本発明の例示的な実施形態の中で、ブースターフライホイール1008は、スプライン又はフェザー・キー又はピン1009を介してクランクシャフト延長端3071と固定接続することによって、クランクシャフト56の回転は、ブースターフライホイール1008を回動駆動し、更に回転子鉄心1005を回転駆動する。
【0058】
以上の説明から分かるように、本発明の電磁ブースター1000は、分離式構造で、即ち、固定子部分と回転子部分とは分離式取り付であり、分離式取り付の優位性としては、電磁ブースターの構造を簡素化し、且つ回転子部分及び固定子部分の取付、修理及び保全を単独に実施できるようにする。本発明の電磁ブースター1000は分離式構造を採用するが、回転子部分と固定子とは相変わらず良く協力して作動する。図13Cの示すように、固定子部分は、固定子鉄心固定盤1002を介してブースターハウジング1001と固定接続し、ネジ接続又は締り嵌めをして、即ち、固定子部分とブースターハウジング1001とは相互に運動関係がなく、ブースターハウジング1001は、ハウジング取付穴1011を通り抜けるボルト又はネジ等のファスナーを介してフロントギアケースシステム43の多角形カバー313と固定接続することにより、固定子をエンジン1に固定に取付する。回転子部分は、ブースターフライホイール1008を介してクランクシャフト延長端3071に固定接続し、クランクシャフト56に連れて回転することにより、電磁ブースター1000の固定子部分と回転子部分は、協同に作動できる。
【0059】
図13の示す電磁ブースター構造の中で、固定子部分と回転子部分は、全部二つの鉄心からなり、即ち、二つの180度を成して放置される回転子鉄心1006に対して二つの180度を成して放置される固定子鉄心1004から構成される。図13Bの示すように、回転子部分の回転子鉄心コイル1006が固定子部分の固定子鉄心コイル1003により生成される電磁場の同極排斥による作用力がクランクシャフト56を回転駆動する為に、適当に固定子鉄心1004を傾斜させて取付、例えば、固定子鉄心1004を回転子鉄心1005の延長線に対して5°〜30°の鋭角を成させるように斜めで取付できる。好しくては、傾斜角度は、10°〜25°であってもよく、更に好しくては、傾斜角度が12°〜20°であっても良い。本発明の好適な実施例の中で、固定子鉄心1004が回転子鉄心に対する傾斜角度が5°、8°、12°、15°、20°を選定できる。コイル1006と1003により生成される磁場を利用して、鉄の磨耗を減少する為に、固定子鉄心1004は、ケイ素鋼板で重ねて、但し、回転子鉄心1005は全体の鋼で製作され、又は同じようにケイ素鋼板で重ねてある。
【0060】
以下、更に電磁ブースター1000の作動原理を説明する。電磁ブースター1000は、補助動力である原因は、電気磁石又は永久磁石同士間の同極排斥又は異極吸引の磁場特性を利用することである。図13Bの示すように、上方位置の回転子鉄心1005が頂部の固定子鉄心1004に近づくときに、この時に、二つの鉄心に逆方向の電流(図示の取り巻き方法では、方法が同じ、電流方向が逆である)が通されることにより、固定子鉄心1004と回転子鉄心1005とは逆方向の磁場を生成し(例えば、固定子鉄心のN極は円心に向け、回転子鉄心のN極は円外に向け、又は固定子鉄心のN極は円外に向け、回転子鉄心のN極は円心に向ける)、これにより内外鉄心間に排斥力を生成すると、固定子鉄心1004は回転子鉄心1005を回転駆動する。回転子部分は一定角度(2鉄心の実施形態で、180度に近づく)に回転した後、同じ回転子鉄心1005が次の固定子鉄心1004に近づく時に、同極間の排斥力は抵抗になり、この時に固定子部分及び回転子部分のコイルに対して同時に電源を切れる必要がある。電源切れにより、回転子鉄心1005と固定子鉄心1004との間の磁場は消失し、ブースターフライホイール1008は、慣性の為に引き続き運動し、同じ回転子鉄心1005が他の固定子鉄心1004を乗り越える時に、引き続きコイルを通電し、この時に回転子鉄心1005と固定子鉄心1004との間に存在する同極排斥力は、回転子部分の継続的な回転を促進し、このように繰り返して電磁作用力の下で回転し、クランクシャフト回転の補助動力目的を実現する。
前記分析から見えるように、電磁ブースター1000が信頼的な補助動力作用を果す為に、肝心なものとしては、電流開閉流のチャンスである。本発明の中で、コイル1006、1003の正しい開閉電流の実現の肝心なものは、角変位センサー1010及び電子制御ユニットECO29を採用したことである。図13Cの示すように、クランクシャフト延長端371に、角変位センサー1010が設置され、角変位センサー1010は電位計式又はホール式又は導電プラスチック式又はコンデンサー式又はインダクタンス式角変位センサーであり、これは、クランクシャフト回転による角度を検出する。初期位置、即ち、図13Bに示す位置において、頂部固定子鉄心1004は、上回転子鉄心1005と大体に同じ直線にある(固定子鉄心1004が斜めに取付られるので、実際に一つの小さい夾角がある)。この位置を参考基礎として、上回転子鉄心1005の時計周り回転角度はθとして設定され、初期位置でθが0とする。上回転子鉄心1005が時計周り方向に回転する時に、角変位センサー1010は、電子制御ユニットECO29に一つの角変位が段々増加する信号を出し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源(図示されていないが、蓄電池ユニットであってもいいし、直流電流を提供する如何なる電源であってもよい)を接続する。この時、頂部固定子鉄心1004及び上部回転子鉄心1005は、同時に極性の同じ電磁極を生成し、頂部固定子鉄心1004は上部回転子鉄心1005を排斥し、上部回転子鉄心1005を加速時計周り方向に回転させ、且つ一定の角度で回転させる。電磁排斥力による発生する運動が回転子鉄心1005の運動方向と同じであるので、補助動力回転を発生させる。上部回転子鉄心1005は、一定角度δで回転した後、角変位センサー1010は再び一つの信号を電子制御ユニットECO29に発送し、コイル1005、1003の電気を切れ、回転子部分は慣性で引き続き回転する。上部回転子鉄心1005が角度θ360/2=180度で回転する時に、角変位センサー1010は、再び電子制御ユニットECO29に一つの信号を発送し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源を入れる。この時に、上部回転子鉄心1005は、下部位置(初期位置と180度を成す)まで運動し、当該回転子鉄心1005は、底部固定子鉄心1004と共に極性の同じ電磁極を発生させ、底部固定子鉄心1004は上部回転子鉄心1005を排斥し、回転子鉄心1005を加速時計周り方向に回転させ、且つ一定の角度で回転させる。電磁排斥力による発生する運動が回転子鉄心1005の運動方向と同じであるので、補助動力回転を発生させる。固定子鉄心1004が回転子鉄心1005の数量と同じであり、且つ均一に同間隔で分布しているので、前記プロセスは、循環に実行でき、クランクシャフト56は、電磁力の作用の下で回転し、電磁補助動力の目的を実現する。
【0061】
角度δの設定は、実際必要を通じて決められても良く、電磁ブースターの補助動力作用は、磁石同極間の排斥作用によるものであるので、同じ磁性の磁極間に一定の角度の偏差がある場合、排斥作用の効果は弱くなる。且つ、省エネを考えて、補助動力作用を果す電磁ブースターを長期間に渡って通電してはいけないので、δは小さい角度を選定すべきで、例えば、10度、12度、15度等、30度より小さい角度であっても良い。
注意事項としては、本発明の電磁ブースター作動原理を説明する時、図13Bの示す方位の時計回り方向がプラスであると設定する場合、当業者は、反時計回りのクランクシャフト回転角度を設定しても良い。反時計回り方向がプラスであると設定する場合、図13Bの示すような固定子鉄心1004の取付位置の斜角は逆方向である。
且つ、電磁ブースターが作動状態にある時、電子制御ユニットECO29も、速度センサー24から伝送された信号によって電磁ブースター1000にある電流強度を調整しても良い。調節方式は次の通りであり、即ち、エンジン1が低速で回転する時に、電磁ブースター1000に供給する電流量が一番大きい。エンジン回転速度の向上に連れて、電子制御ユニットECO29は、段々に電磁ブースターにある電流を減少することによって、エンジンが低速回転時に安定なトルク出力を持つようにして、且つ高速回転時に、エンジンの高速回転特性を向上し、吸気と排気のプロセスを加速することによって、エンジンの最大回転速度を向上すると同時に、エンジンの効率を向上する。同じように、電磁ブースターが作動状態にある時、電子制御ユニットECO29は、アクセル電位計242から伝達される信号によって電磁ブースター1000の電流を調節できる。調節方式は、アクセルが大きい場合、電磁ブースター1000に供給する電流量が一番大きいものである。アクセル低減に連れて、電子制御ユニットECO29は段々電磁ブースターにある電流を減少する。
【0062】
図14図15及び図16は、本発明の電磁ブースター1010の変型で、その構成及び作動原理は、図13の示す電磁ブースター1010と大体同じで、同じ部分について、ここで詳細に述べない。当業者は、上文の説明から図14図15及び図16の示す電磁ブースターの関連明細を取得できる。その構造の区別は、主に、固定子鉄心1004と回転子鉄心1005の数量が異なることに体現する。図14は、回転子と固定子のそれぞれの三つの鉄心の状況を説明する。図14Bを参照して、三つの固定子鉄心1004は120度夾角を成して均一に固定子鉄心固定盤1002に分布し、三つの回転子鉄心1005も120度夾角を成して、均一に回転子鉄心固定盤1007に分布する。この実施形態の中で、電磁ブースター1000の電流開閉時機は図13とやや違い、その作動原理は図13と同じである。初期位置、即ち、図14Bの示す位置において、頂部固定子鉄心1004と上回転子鉄心1005とが、大体同一の直線にあり、回転子鉄心1005は時計周り方向に回転する時に、角変位センサー1010は、電子制御ユニットECO29に一つの角変位が段々増加する信号を出し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源を接続する。この時、頂部固定子鉄心1004と上部回転子鉄心1005は、同時に極性の同じ電磁極を生成し、頂部固定子鉄心1004は上部回転子鉄心1005を排斥し、上部回転子鉄心1005を加速反時計周り方向に回転させ、且つ一定の角度で回転させる。上部回転子鉄心1005が一定の角度δで回転した後、角変位センサー1010は、再び一つの信号を電子制御ユニットECO29に発送し、コイル1005と1003の電源を切れ、回転子部分は慣性で引き続き回転する。上部回転子鉄心1005は、角度θ360/3=90度で回転するたびに、角変位センサー1010は、再び電子制御ユニットECO29に一つの信号を発送し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源を入れ、この時、上部回転子鉄心1005は第二位置(開始位置に対して120度を成す)に運動し、当該回転子鉄心1005は、第二位置固定子鉄心1004と共に極性の同じ電磁極を発生させ、頂部固定子鉄心1004が回転子鉄心1005を排斥し、回転子鉄心1005を加速で時計周り方向に回転させ、且つ一定の角度で回転させ。電磁排斥力による発生させる運動は回転子鉄心1005の運動方向と同じであるので、補助動力回転を発生させる。これにより、回転子鉄心が120度回転するたびに、電子制御ユニットECO29制御電磁ブースター1005のコイルはそれぞれ一回電流の開閉をする為、前記プロセスは循環に実行でき、クランクシャフト56は、電磁力の作用の下で回転することによって、電磁補助動力の目的を実現する。
【0063】
図15を参照して、これは、回転子と固定子のそれぞれの四つの鉄心の状況を示す。図14Bを参照して、三つの固定子鉄心1004は、90度夾角を成して固定子鉄心固定盤1002に均一に分布し、三つの回転子鉄心1005も90度夾角を成して固定子鉄心固定盤1007に均一に分布する。この実施形態の中で、電磁ブースター1000の電流開閉時機は図13及び図14とやや異なり、作動原理は図13及び図14と同じである。異なる点としては、角変位センサー1010が電子制御ユニットECO29に信号を発送する時機である。図15の示す実施形態の中で、回転子鉄心1005は、角度θ360/4=90度で回転するたびに、角変位センサー1010は、再び電子制御ユニットECO29に一つの信号を発送し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源を入れることにより、補助動力を回転駆動する。これにより、回転子鉄心は90度回転するたびに、電子制御ユニットECO29は電磁ブースター1005のコイル電流を一回断接するように制御し、このプロセスを循環に実施することによって、電磁補助動力の目的を実現する。
【0064】
図16を参照して、これは、回転子及び固定子のそれぞれの五つの鉄心の状況を示す。図14Bを参照して、三つの固定子鉄心1004は、72度夾角を成して固定子鉄心固定盤1002に均一に分布し、三つの回転子鉄心1005も72度夾角を成して回転子鉄心固定盤1007に均一に分布する。この実施形態の中で、電磁ブースター1000の電流開閉時機は、図13図14及び図15とやや異なり、その作動原理は、図13図14及び図15と同じである。異なる点としては、角変位センサー1010が電子制御ユニットECO29に信号を発送する時機である。図16の示す実施形態の中で、回転子鉄心1005は、角度θ360/5=72度で回転するたびに、角変位センサー1010は、再び電子制御ユニットECO29に一つの信号を発送し、電子制御ユニットECO29は、電磁ブースター1000の電源を入れることにより、補助動力を回転駆動する。これにより、回転子鉄心は72度回転するたびに、電子制御ユニットECO29制御電磁ブースター1005のコイル電流開閉はそれぞれ一回実施し、このプロセスを循環に実施することによって、電磁補助動力の目的を実現する。
【0065】
以上をまとめると、本発明で提供された電磁ブースターは、構造が簡単で、分離式で構成されるので、保全と修理が便利で、空気動力エンジンが低速回転時に安定なトルク出力を持つことにするだけでなく、エンジンの回転速度を向上できる。電磁ブースターは、全体の空気動力発電機システムの効能を改善し、発電効率を向上した。
本明細書は、本発明を詳細に開示し、この中で最敵なモードを含んており、且つ如何なる当業者が本発明を実践できるようにして、その中で如何なる設備或システムの製造・使用及びどんな導入された方法の施行を含んでいる。本発明の保護範囲は、添付している特許請求の範囲により限定され、且つ、本発明保護範囲と精神を離れない下で、本発明に対する行われる各種の変型、改造及び等価形態も含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C