(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に係る面光源装置は、少なくとも一つの一次光源と、この一次光源から発せられる光を導光し且つ前記一次光源から発せられた光が入射する光入射端面及び導光される光が出射する光出射面を有する板状の導光体とを備えており、前記導光体が、前記光出射面及びその反対側の裏面の双方又は一方に光出射機構を備え、且つ前記光出射面及び前記裏面の双方又は一方に少なくとも一つの局所的レンズ列形成部を備え、この局所的レンズ列形成部のそれぞれは少なくとも一つの局所的レンズ列を含み、この局所的レンズ列が前記一次光源から発せられ前記光入射端面に入射した光のうちの最大強度光の入射位置での輝度分布におけるピーク光の方向と異なる方向に形成されているもので、これによって輝度不均一を解消するものである。
【0003】
特許文献2に係る照明式表示装置は、一端に開口部が形成され、内側壁が光の反射面である光源収容部を有するランプハウジングと、前記光源収容部の奥壁に設けられた照明用の光源である発光ダイオードと、前記開口部の前面に履設されて所望の表示を行うための透光形状が形成された表示板とを備え、前記光源収容部内の前記発光ダイオードと前記表示板との間に嵌合されて、前記光源収容部の内壁部との接触面を形成し、入射した光を散乱して面光源にするための導光体とを備え、前記内側壁表面にシボ加工が施されるものであり、これによって、LEDのように指向性の強い光源の照明を均一化させて表示形状の視認性を向上させるものである。
【0004】
特許文献2では、換言すれば、発光ダイオードからの光をシボ加工された内側壁面で拡散反射して拡散フィルム等の作用で均一にしている。
また、特許文献3では、光の放射面上に形成された拡散層における微小反射部からの反射光と、発光ダイオード(LED)の周辺に設けられた反射器と、の間での反射の繰り返しにより、均一光を得る旨が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献4では、LEDから出射された指向性のある光(特にLED直上の強い光)を、放射面に形成された反射部でLED側に反射させている。これにより、光の方向を変化させてLEDからの光強度を減少させ、均一な光を得る点が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置や照明等の光源として、電力消費量や発熱が少ない点から発光ダイオード(LED)の使用が検討されるが、LEDは指向性が強いため、広い面で均一光量分布を得るためには、従来上述した特許文献に開示されるような工夫が必要であった。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、LEDによる指向性の強い光を均等化するために、LED光源を放射方向に対して横に設けたりしている。このため、大きなスペースを要する。
【0009】
特許文献2では、LEDの放射方向に所定の厚みが必要であった。また、内側拡散フィルムで散乱された光は、ベース板で吸収されてしまう等、LEDからの光を全て利用するとの思想はなかった。
【0010】
また、特許文献3では、放射面やLEDの周辺の底面には反射板が設けられていても、側面には反射板が設けられていない。このため、LEDを取り囲むような空間において、光の多重反射を起こさせて全てのLEDからの光を利用しつつ均一な照明光を得ることはできない。
【0011】
さらに、特許文献4では、LEDからの光の進行経路をコントロールすることで、均一な照明を得ようとする思想である。すなわち、放射面上の反射部は光の進行方向を変えるために用いられている。しかし、これでは光強度が弱められてしまうとともに、多重反射を利用して均一な光を得ることはできない。
【0012】
このため、この発明は、LEDのような指向性の強い点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、LEDの放射方向の厚みを増大させることなく、しかも、該点光源を覆う放射側反射手段の真上部分に明るいスポットを残すことなく、また反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる面照明光源装置及び面照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、この発明の面照明光源装置は、指向性の強い点光源と、所定面積の底面及び側面並びに開口を有し内壁面に光を反射
及び乱反射させる内側及び側面反射部が設けられたケーシングと、前記開口を覆い光を透過、反射
及び乱反射させる
部材からなる放射側反射手段と、備え、前記ケーシングの底面には前記点光源が複数配設されており、前記放射側反射手段は、前記各点光源の真上部分に
前記点光源からの直接光を遮る所定範囲の中央反射部と該中央反射部の外周囲に外方反射部とを有し、前記中央反射部は孔が設けられていない光透過性を有する反射部材で形成され、前記外方反射部は、光透過性が大きい外方光透過部が設けられた光透過性を有する反射部材からなり、
前記外方光透過部は、前記中央反射部から遠ざかるに従って光透過量が大きくなる開口であり、前記内側及び側面反射部は、超微細発泡光反射部材であり、前記放射側反射手段は、超微細発泡光反射部材であることを特徴とする。
この構成によれば、LEDのような点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、点光源の放射方向の厚みを増大させることなく、また、反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる。また、この面照明光源装置を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明装置を構成することができる。
【0015】
また、前記点光源は、1個の発光ダイオード又は複数個の発光ダイオードの集合体で形成するものとすることができる。
【0016】
また、この発明の面照明光源装置は、前記中央反射部は、
前記外方反射部よりも肉薄に形成するものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、中央反射部にスポットを残すことなく、しかも中央反射部が暗くなることがない。
【0019】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシングは、平面視で方形状に形成されているものとすることができる。
【0020】
また、この発明の面照明光源装置は、前記ケーシング側面を前記底面の端部から外側へ広がった形状にするものとすることができる。この好ましい実施形態によれば、底面の端部に余剰の空間が形成されるので、この空間を例えば構造材や電気配線などに使用することが可能になる。
【0025】
また、この発明の面照明光源装置は、前記点光源は、光の三原色である赤、青、緑の発光素子を含むものであるものとすることができる。
【0026】
また、この発明の面照明装置は、上記の面照明光源装置のいずれかに記載の面照明光源装置を複数個配置することによって構成されたことを特徴とする。この面照明装置によれば、より広い範囲を均一な照明光で照明することができる。
【発明の効果】
【0027】
これらの面照明光源装置に係る発明によれば、点光源を用いても、この光を高い効率で利用しながら、点光源の放射方向の厚みを増大させることなく、しかも、この点光源を覆う放射側反射部の真上部分に明るいスポットを残すことなく、また反対にこの真上部分を暗くさせることもなくして、広い面積で均一な照明光を得ることができる。また、この面照明光源装置を複数配することによって均等な照明光を発生させる面照明装置を構成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施形態について図面により説明する。
この発明に係る面照明光源装置1は、例えば
図1に示すように、一つの発光ダイオード若しくは複数の発光ダイオードからなる発光ダイオード群である指向性の強い発光源2と、この発光源2の放射方向に放射面3Aを有する導光体3と、発光源2を囲設すると共に導光体3の放射面以外の面を閉鎖するケーシング4とによって構成されると共に、ケーシング4と導光体3の間の全体に内側反射手段としての内側反射部5が設けられ、放射面3Aには、本願の特徴である発光源2からの光を所定の割合で反射させる放射側反射手段としての放射側反射部6が設けられるものである。
【0030】
そして、これら内側反射部5および放射側反射部6には、光吸収の少ない材質が用いられている。この点は、以下の各実施形態の全てにおいて共通する事項である。
このように、ケーシング4は、その底面の内側反射部5と側面の側面反射部(図示せず)とを有しているので、発光源2から放射された光はこれらの反射部にて吸収されることなく多重反射される。これにより、発光源2から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。
【0031】
さらに、ケーシング4は、側面が上方に向かって垂直に延びる以外にも、例えば後述する
図19(c)に示すように、側面が上方に向かって広がった形状でも良い。
また、発光源2としては、発光ダイオードやレーザダイオード(LD)を含む概念である。また、前述したように、発光源2は、発光素子が1個の単体のみならず、複数の発光素子が近接して配置された集合体である場合をも含む。さらに、例えば光の三原色である赤、青、緑の発光素子を近接配置した場合も含む。
【0032】
さらに、
図1では、ケーシング4内に発光源2を1つ配置した場合を示しているが、これに限らず、ケーシング4内に複数個の発光源2を配置しても良い。この場合の発光源2の配置は、マトリクス状の配置である場合や、その他、中央に配置された1つの発光源2に対して点対称な配置である場合等が考えられる(後述する
図16参照)。しかも、ケーシング4内に複数個の発光源2を配置した場合でも、この発光源2を密に並べることなく均一な面照明を得ることができる。
【0033】
ところで、ケーシング4の大きさと放射側反射部6の形状は、放射側反射部6の均一な照明を得るために重要なファクターとなる。
そこで発明者は、例えばケーシング4の大きさを10cm×10cm×1.5cm(高さ)の直方体とし、発光源2を略1Wで64lmの光を放出するLEDを用いて実験を行った。この場合、放射側反射部6の形状は、後述する
図4(a)の形状に類するもので実施した。
【0034】
また、内側反射部5と放射側反射部6として、超微細発泡光反射板(商品名 MCPET)を用いた。そして、放射側に拡散体を配置して放射側反射部6の形状による影響を除き、均一光にして照度を測定した。すると、6000luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の94%を利用することができたことになる。
【0035】
次に、発明者は、内側反射部5として、前述した超微細発泡光反射板を用いて実験を行った。この場合、放射側反射部6として、チタンホワイトの微粒子をエマルジョン化したものを用いた。放射側反射部6の形状は、スクリーン印刷により、後述する
図4(a)の形状に類するもので実施した。
【0036】
こうして、光を均一化して照度を測定したところ、5830luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の91%を利用することができたことになる。
さらに、発明者は、放射側反射部6をポリテトラフロロエチレン(poly fluoro carbon)の微粒子(商品名 G−80Hallon)を用いたところ、5950luxの照度が得られた。このことは、LEDから出射した光の93%を利用することができたことになる。
【0037】
なお、内側反射部5として、チタンホワイトやポリテトラフロロエチレン(poly fluoro carbon)の微粒子を用いた場合にも、LEDから出射した光の90%以上の光を利用することができた。
【0038】
すなわち、本実施形態の面照明光源装置1によれば、LEDから出射した光のほとんど90%以上(略100%に近く)を利用しながら、均一な照明光を得ることができる。
なお、下記する実施形態の説明において、図面において同一の符号を付したものは同一のもの及び同様の効果を奏するものであるから、説明を省略する場合がある。
【0049】
(第2の実施形態)
図2(a)、(b)に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
図2(a) に示すように、この放射側反射部6は、導光体3に設けられた円形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方に所定の間隔を空けて同心に配された複数 のリング状の外方反射部6Bを具備する。これによって所定の間隔で外方光透過部7が形成される。さらに、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられた円形の 反射板又は反射膜であり、外方反射部6Bは、円形の反射板又は反射膜から所定の間隔で、この反射板又は反射膜に同心に形成された環状の反射板又は反射膜で ある。
【0050】
また、本実施形態では、外方反射部6Bを構成する反射板又は反射膜の幅は、外側にいくにしたがって、狭くなるように形成されている。これによって、光量の多い中央部分での光透過量を制限し、外側の光透過量を増大させることができるので、照明光の均一化をさらに図れるものである。
【0052】
さらに、
図2(b) に示すように、ケーシング4が平面視方形状の場合は、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられた楕円形の反射板又は反射膜である。また、外方反射部6Bは、楕円形の反射板又は反射膜から所定の間隔で、この反射板又は反射膜に同心に形成された楕円形の反射板又は反射膜である。また、ケーシング4が平面視方 形状である場合に、その内側の隅部に、該ケーシング4の中心に向けて光を反射する弧状の反射部材5'を配置している。これにより、ケーシング4の対向する 隅部にまで、くまなく光を反射させることができる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0053】
(第3の実施形態)
図3に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
図3に示すように、この放射側反射部6は、導光体3に設けられたケーシング4の形状と類似形に形成された方形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方 に所定の間隔を空けて配された複数の方形リング状の外方反射部6Bを具備する。また、これによって所定の間隔で外方光透過部7が形成される。
【0054】
さらに、中央反射部6Aは、放射面3Aに設けられ、ケーシング4と相似形状に形成された反射板又は反射膜であり、外方反射部6Bは所定の間隔でこの反射板又は反射膜に形成された帯状の反射板又は反射膜である。
【0055】
これによって、ケーシング4の形状に合わせて、光量の多い中央部分での光透過量を制限し、外側の光透過量を増大させることができるので、照明光の均一化をさらに図れるものである。
【0057】
(第4の実施形態)
図5に、本実施形態の放射側反射部6を示す。
本実施形態では、放射側反射部6は、発光源2の前面の放射面3Aに穿設された所定の頂角を有する錐形状の反射体8である。この反射体8は、均等に反射可能な円錐形状又はケーシング形状と相似形である角錐形状が望ましい。また、その頂角を適正に設定することによって、発光源から放射面に対して略直線状に放射される光を全反射若しくは部分反射させることができるものである。これによって、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0059】
(第6の実施形態)
図7(a)(b)は、面照明光源装置1を複数配置して形成された面照明装置20の実施形態を示している。
図7(a)は、面照明装置20の平面図であり、
図7(b)は、その正面図である。
すなわち、この面照明装置20は、上述した第1〜第5の実施形態の面照明光源装置1を所望の大きさとなるように複数配置して形成したものである。また、この場合に、面照明装置20の照明分布の均一性を向上させるために、配置された面照明光源装置1の前面に、光拡散プレート30を配するようにしたものである。
【0060】
(第7の実施形態)
図8は、面照明装置20'の他の実施形態を示している。
本実施形態では、正六角柱形状の面照明光源装置1'を複数配置することによって、ハニカム形状の面照明装置20'を構成したものである。
すなわち、前述した第1〜第5の実施形態の面照明光源装置1の導光体3を正六角柱に形成している。また、これに対応して正六角形のケーシング4を形成し、全体として正六角柱形状の面照明光源装置1'を形成したものである。
【0071】
(第9の実施形態)
図10(a)(b)は、面照明光源装置1の実施形態を示している。
図10(a)は、その平面図であり、
図10(b)は、そのN−N線に沿う断面の概略図である。
この面照明光源装置1は、その中央の特定点51を通過する直線68に対して左右対称の構造をしている。さらに、直線68と直交する方向に長い帯状の導光体3を使用している。中央には、直線68に対して左右対称の方形の反射体63が設けられている。これが、中央反射部に相当する。また、この反射体63を間に挟むように、反射体64が設けられている。反射体64は、直線68と平行なスリット群65を有する。反射体64は、これまでの実施形態の外方反射部に相当する。図の例では、反射体64は中央の直線68から離れるほど幅が細くなっている。
【0072】
一方、スリット65は、中央の直線68から離れるほど幅が広くなっている。これにより、全体として平坦な強度の光を放射できる。この実施形態の場合、反射体の形状が単純なので、製造が容易で安価にできる。また、堅牢で直線状の長手方向に均一な光を発する光源を実現できる。なお、帯状の導光体を使用する場合には、側面69での光の反射は非常に重要である。この側面69に反射率の良い反射体を配置することが好ましい。また、端面61についても、良好な反射面を設けると効率が良い。
【0073】
(第10の実施形態)
図11は、それぞれ面照明光源装置1の他の実施形態を示している。
図11は、例えば、帯状の面照明光源装置1を湾曲させたものの斜視図である。
前述した導光体3を透明プラスチックのような柔軟な板状体で構成すると、
図11のように、自由に湾曲させることができる。従って、例えば、柱等の湾曲面に取り付けて線状光源あるいは帯状光源として使用することができる。他の実施形態で説明した面照明光源装置1についても、同様に柔軟な板状体で構成すると、任意の湾曲面に沿うように湾曲して使用することができる。もちろん、硬質材料を金型等で成型して、湾曲した導光体を製造しても構わない。
【0079】
(第13の実施形態)
図14(a)は、複数の点光源2を配置した多角形の面照明光源装置1の実施例平面図である。
本実施形態では、面照明光源装置1を、例えば、様々な形状の多角形で構成することができる。直角三角形、正方形、六角形、等の形状のものを組み合わせると、建物等の壁面全体を覆う照明や光源装置として利用できる。
【0080】
図14(a)に示した壁71上の実線72が、単体の面照明光源装置1の境界である。この場合、点光源2は正六角形の中心位置にそれぞれ設けられている。そして、実線72が反射板としての隔壁となっている。なお、この隔壁は、より均一な照明光を得るために設けられるものである。しかし、この隔壁がなくても実用的には均一な照明光を得ることはできる。
【0081】
図14(b)は、複数の点光源2を配置した多角形の面照明光源装置73の他の実施形態の平面図である。
同
図14(b)に示すように、例えば、面照明光源装置73は、前述した反射板としての隔壁で6つの正三角形を組み合わせて構成してもよい。この場合、点光源2は正三角形の中心位置にそれぞれ設けられる。また、本実施形態では、6つの正三角形面に対応して放射側反射部6を形成している。この放射側反射部6により、スリット74を直線的に形成し、かつ不連続に形成している。このようにすると、既に説明したように、正六角形の構造(ハニカム構造)であるため強度も高い、また、製造も容易である。
【0082】
図14(c)(d)は、さらに他の実施形態の面照明光源装置1の断面平面図を示している。この
図14(c)では、
図14(d)から放射側反射部6を除去した状態を示している。
【0083】
この面照明光源装置1は、反射板としての正三角形の隔壁72で複数に区画されている。また、正三角形の隔壁72の中心位置に点光源2がそれぞれ設けられている。また、
図14(d)に示すように、正三角形の隔壁72で仕切られた部分ごとに、所定パターンを有する放射側反射部6を形成している。
【0087】
(第15の実施形態)
図16(a)〜(d)は、複数光源91を有する面照明光源装置90の概略説明図である。
図16(a)は導光体3の平面図である。ここでは、後述する
図16(c)で示す外方反射部6Bや中央反射部6Aの図示は省略した。
また、内側反射部5は、背面52および側面53上に配置されて、導光体3の内部を伝搬する光を放射面3Aもしくは側面53方向に反射する反射面を有している。これにより、発光源91から放射された光はこれらの反射面にて吸収されることなく多重反射される。こうして、発光源91から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となっている。
【0088】
図のように、この面照明光源装置90には、5個の点光源91が設けられている。このQ−Q断面図を
図16(b)に示す。本実施形態では、導光体3の背面に相当する部分に、5個の点光源91が点対称に配列されている。なお、点光源91の数は5個に限るものではなく、また、その配置も、例えば多数の点光源91をマトリクス状に配置しても良い。
【0089】
また、後述する
図19(c)に示すように、側面53が上方に向かって広がった形状でも構わない。
このとき、前述した外方反射部6Bや中央反射部6Aは、1個の点光源のために設計したパターン95を、図の矢印のように重ね合わせて使用するとよい。この場合、オリジナルをそのまま重ね合わせると、全体として外部へ放射される光量が減る。従って、スリットの幅を単体の場合に比べて広くして、明るくて均一な明るさの光源を実現するとよい。
【0090】
図16(c)は、上述した面照明光源装置90の平面図である。この実施形態では、放射側反射部6として、導光体3に設けられた円形の中央反射部6Aと、この中央反射部6Aから外方に所定の間隔で同心に配された複数のリング状の外方反射部6Bを備えている。これによって、所定の間隔で外方光透過部7が形成されている。なお、放射側反射部6は、円形状のものを例として説明したが、これに限らず、例えば帯状のものであっても良い。
【0091】
図16(d)は、
図9の上段に示したものと同一の形式のグラフで、
図16(a)のQ−Q線上での光強度である。また、横軸上の点y、zは点光源91の位置である。
本実施形態によれば、複数の点光源91の光が合成されることにより、広い面積で非常に平坦な特性Xが得られた。
【0109】
(第18の実施形態)
図20(a)(b)は、面照明光源装置100の他の実施の形態を示す図である。
この実施形態では、面照明光源装置200は、導光体103の背面に相当する部分に、少なくとも1つの点光源102(本実施形態では6つ)がマトリクス状に配列されている。なお、点光源102の数は任意に設定することができる。
【0110】
ずなわち
、内側反射手段110は、背面105および側面106上に配置されて、導光体103の内部を伝搬する光を放射面104もしくは側面106方向に反射する反射面を有している。これにより、発光源102から放射された光はこれら の反射面にて吸収されることなく多重反射される。こうして、発光源102から放射された光を略全て利用して、均一な照明光を得ることが可能な構造となって いる。
【0111】
また、この実施形態では、隣接する点光源102の間を仕切る反射板としての隔壁は設けられていない。さらに、
図19(c)に示したように、側面106が上方に向かって広がった形状でも構わない。
【0112】
これは、それぞれの点光源102から放射された光が、内側反射手段110の背面105及び側面106に形成された反射面や、第1の放射側反射手段120、さらに第2の放射側反射手段140で反射を繰り返し、多重反射による光量の均一化が図られるためである。しかし、より均一な照明光を得るためには、上述の隔壁を設けた方が良いのは勿論である。
【0113】
なお、面照明光源装置100の外形が大きくなってくると、装置中央部付近がたわむおそれがある。この場合には、補強板として、例えば透明板や反射板を装置中央部に取り付けても良い。
【0120】
(第20の実施形態)
図23は、本実施形態の面照明装置130を示す縦断面図である。
同
図23において、面照明装置130は、
図21で説明した面照明光源装置100を単位モジュールとして、この面照明光源装置100を平面的に多数(図では左右方向に5個)マトリクス状に配列したものである。すなわち、それぞれの面照明光源装置100は、内側反射手段110の筐体内に点光源102と、第1の放射側反射手段120を有している。そして、面照明装置130は、これら複数の面照明光源装置100の上部をまとめて覆うように配置された一枚板の大きな拡散プレート30を有している。この拡散プレート30は、第2の放射側反射手段140に相当する。
【0121】
実験によれば、1個のLEDを使用したものの実用的なサイズは、縦横10センチメートルで、この構成にすることにより数メートル四方の平坦な均一な面光源を得ることができた。
【0122】
図24は、
図19(c)で紹介した内側反射手段110を備えたモジュール160を、多数マトリクス状に配列してできた面照明装置130の正面図である。
この面照明装置130では、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の図示を省略している。
【0123】
同図において、各モジュール160は内側反射手段110を備えていて、隣接する内側反射手段110の間に余剰の空間161が形成されている。このため、この余剰の空間161を、例えば構造材や電気配線などに用いることができる。
【0124】
図25(a)〜(d)は、多数の面照明光源装置100をマトリクス状に配列して面照明装置130を形成したものの平面図である。
すなわち、この面照明装置130においても、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140の図示を省略している。
【0125】
同
図25(a)(b)において、点光源102は、格子状の隔壁162で区画されたそれぞれの面照明光源装置100ごとに1個づつ設けられている。このとき、隔壁162に相当する部分が非常に有効に機能する。また、このように、面照明光源装置100を多数配置することにより、大面積の導光体内部に複数の点光源を配置したものと比較して、出力光の均一さの点で、きわめて有利であることも実証できた。
【0126】
なお、隔壁162は、
図25(a)(b)に示すように格子状でもよいし、
図25(c)(d)に示すように、渦巻き状に形成したものでもよい。渦巻き状の隔壁162の場合は、この隔壁162がマトリクス状に配置されたそれぞれの面照明光源装置100ごとに1個づつ配置される。
【0127】
なお、この格子状又は渦巻き状の隔壁162は、
図23の第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間に配置しても良い。また、この渦巻き状の隔壁162を、大きく形成して、第1の放射側反射手段120と第2の放射側反射手段140との間にまとめて1個配置しても良い。
【0128】
一般的に、「導光板を用いたLED看板」であると、構造上、ユニットを横に繋げるため、つなぎ目のない巨大な均一照明の看板を作るのは非常に困難である。これは、LED位置と導光板位置が重なり、隣接する導光板間に隙間を設けないと並べることができないためである。しかし、本実施形態では、照明する面と同一面内にLEDを並べているので、つなぎ目のない巨大な均一照明の看板を得ることができる。
【0129】
本実施形態によれば、光のミキシング性と前方に光を投射する性能に優れる。