特許第5678285号(P5678285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5678285
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   G01R15/20 C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-38120(P2010-38120)
(22)【出願日】2010年2月24日
(65)【公開番号】特開2011-174775(P2011-174775A)
(43)【公開日】2011年9月8日
【審査請求日】2012年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】310014322
【氏名又は名称】アルプス・グリーンデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】田村 学
【審査官】 柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−184269(JP,A)
【文献】 特開2006−258447(JP,A)
【文献】 特開2007−121283(JP,A)
【文献】 特開2008−275566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を通電する導体の近傍に配設され、電流の通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ磁気センサと、前記感度軸方向において前記磁気センサの外側に配置された一対の集磁コアと、前記集磁コアより外側に配設され、前記通電方向に延在する一対の磁気シールドと、を具備し、
前記集磁コアと前記磁気シールドとが一体的に形成されていることを特徴とする電流センサ。
【請求項2】
前記一対の磁気シールドの内側であって、前記感度軸方向において集磁コアを有しないで配設され、前記通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ他の磁気センサを具備することを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
【請求項3】
電流を通電する導体の近傍に配設され、電流の通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ磁気センサと、前記感度軸方向において前記磁気センサの外側に配置された一対の集磁コアと、前記集磁コアより外側に配設され、前記通電方向に延在する一対の磁気シールドと、
前記一対の磁気シールドの内側であって、前記感度軸方向において集磁コアを有しないで配設され、前記通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ他の磁気センサと、を具備し、
前記一対の磁気シールドの内側に他の一対の集磁コアを設け、前記他の一対の集磁コアは、前記他の磁気センサが前記通電方向において前記一対の集磁コアとの間に位置するように配設されることを特徴とする電流センサ。
【請求項4】
前記磁気センサ及び/又は前記他の磁気センサは、互いに感度軸方向が180度異なる2つの磁気センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電流センサ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の一対の電流センサが、導体を挟んで対向して配設され、前記一対の電流センサにおける磁気センサの感度軸方向が互いに同じであることを特徴とする電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流の大きさを測定する電流センサに関し、特に、導体を流れる電流を磁電変換素子を介して検出する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やソーラー電池などの分野では、電気自動車やソーラー電池装置の大出力化・高性能化に伴って、取り扱う電流値が大きくなってきており、直流大電流を非接触で測定する電流センサが広く用いられている。このような電流センサとしては、検出対象となる導体に流れる電流を、導体周囲の磁界の変化を介して検出する電磁変換素子を備えたものが提案されている。
【0003】
このような電流センサにおいて、電磁変換素子の両側に一対の集磁コアを配置し、この一対の集磁コアにより、導体から発生する磁束を集磁して、小型・高感度化した構成のものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−147755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の電流センサでは、電磁変換素子の感度軸方向に直交する方向の外乱磁場などにより、感度が変化し易いという問題や、高感度化しているために電流検出レンジが狭くなるという課題がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、外部磁場による誤差を低減しつつ、電流検出レンジが広い電流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電流センサは、電流を通電する導体の近傍に配設され、電流の通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ磁気センサと、前記感度軸方向において前記磁気センサの外側に配置された一対の集磁コアと、前記集磁コアより外側に配設され、前記通電方向に延在する一対の磁気シールドと、を具備し、前記集磁コアと前記磁気シールドとが一体的に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、感度軸方向に対して直交する方向(通電方向)の磁界の影響を排除しつつ、感度を上げることができる。これにより、低電流まで精度よく検出することが可能な電流センサを実現することができる。
【0010】
本発明の電流センサにおいては、前記一対の磁気シールドの内側であって、前記感度軸方向において集磁コアを有しないで配設され、前記通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ他の磁気センサを具備することが好ましい。この構成によれば、集磁コアが配置された磁気センサにより、低電流を高感度で検出することができ、他の磁気センサにより、高電流を高精度で検出することができる。これにより、電流検出レンジの広い電流センサを実現することができる。
【0011】
本発明の電流センサにおいては、電流を通電する導体の近傍に配設され、電流の通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ磁気センサと、前記感度軸方向において前記磁気センサの外側に配置された一対の集磁コアと、前記集磁コアより外側に配設され、前記通電方向に延在する一対の磁気シールドと、前記一対の磁気シールドの内側であって、前記感度軸方向において集磁コアを有しないで配設され、前記通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ他の磁気センサと、を具備し、前記一対の磁気シールドの内側に他の一対の集磁コアを設け、前記他の一対の集磁コアは、前記他の磁気センサが前記通電方向において前記一対の集磁コアとの間に位置するように配設されることを特徴とする。
【0012】
本発明の電流センサにおいては、前記磁気センサ及び/又は前記他の磁気センサは、互いに感度軸方向が180度異なる2つの磁気センサであることが好ましい。この構成によれば、互いに感度軸方向が180度異なる2つの磁気センサにより、温度ドリフトをキャンセルすることができるので、さらに高精度な電流検出が可能となる。
【0014】
本発明の電流センサにおいては、上記一対の電流センサが、導体を挟んで対向して配設され、前記一対の電流センサにおける磁気センサの感度軸方向が互いに同じであることを特徴とする。この構成によれば、感度軸方向の外部磁場をキャンセルすることができるので、より高精度な電流検出が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電流センサは、電流を通電する導体の近傍に配設され、電流の通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ磁気センサと、前記感度軸方向において前記磁気センサの外側に配置された一対の集磁コアと、前記集磁コアより外側に配設され、前記通電方向に延在する一対の磁気シールドと、を具備するので、外部磁場による誤差を低減しつつ、電流検出レンジを広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態1に係る電流センサを示す図であり、(a)は内部透視側面図であり、(b)は内部透視平面図である。
図2】(a),(b)は、本発明の実施の形態に係る電流センサの効果を説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態2に係る電流センサを示す図であり、(a)は内部透視側面図であり、(b)は内部透視平面図である。
図4】本発明の実施の形態3に係る電流センサを示す内部透視平面図である。
図5】本発明の実施の形態4に係る電流センサを示す内部透視平面図である。
図6】本発明の実施の形態5に係る電流センサを示す内部透視平面図である。
図7】本発明の実施の形態6に係る電流センサを示す内部透視側面図である。
図8】本発明の実施の形態6に係る電流センサについての磁場方向を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電流センサを示す図であり、(a)は内部透視側面図であり、(b)は内部透視平面図である。
【0018】
図1(a)に示すように、電流が通電される導体2の近傍に電流センサ1が配設されている。この電流センサ1は、導体2上にスペーサ3を介して取り付けられている。なお、電流センサ1は、導体2を流れる電流が測定できれば、導体2上に直接配設されていなくても良い。
【0019】
電流センサ1の基板11上には、磁気センサ12が配設されている。この磁気センサ12は、図1(b)に示すように電流センサ1の中央に配設されている。また、この磁気センサ12は、電流の通電方向に対して直交する方向(電流により発生する磁場方向)の感度軸を有する。また、基板11上において、感度軸方向における磁気センサ12の外側には、一対の集磁コア13が配設されている。すなわち、一対の集磁コア13は、磁気センサ12を挟むように配設されている。また、基板11上において、集磁コア13より外側には、一対の磁気シールド14が配設されている。すなわち、一対の磁気シールド14は、一対の集磁コア13及び磁気センサ12を挟むように配設されている。この一対の磁気シールド14は、それぞれ通電方向に延在している。この他、基板11上には、磁気センサ12の出力を所望の出力信号形式に変換する信号処理回路(図示せず)が設けられており、この信号処理回路は磁気センサ12と電気的に接続されている。この電流センサ1は、筺体10によりパッケージングされている。
【0020】
筺体10としては、電子部品のパッケージに用いられるパッケージが用いられる。また、基板11としては、電子部品の基板に用いられる基板が用いられる。スペーサ3としては、例えば、セラミックや絶縁性の樹脂などが用いられる。
【0021】
磁気センサ12としては、磁気抵抗効果素子(GMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)、TMR素子(トンネル型磁気抵抗効果素子)、AMR素子(異方性磁気抵抗素子)、ホール素子などを用いることができる。
【0022】
磁気シールド14は、感度軸方向と直交する方向に延在しており、その長手方向に沿う外部磁場を長手方向に沿って集磁すると共に、感度軸方向の検出磁場を長手方向と直交する方向(幅方向)に通して一対の磁気シールド14の内側の集磁コア13に集める。このような磁気シールド14の材料としては、フェライト、パーマロイ、ケイ素鋼などが挙げられる。
【0023】
磁気シールド14の厚さtは、磁気センサ12の厚さtの10倍以上であることが好ましい。ここで、磁気シールド14の厚さtと磁気センサ12の厚さtの比と感度軸方向と直交する方向の磁場シールド率との関係について調べた。具体的には、磁気シールド14の厚さtと磁気センサ12の厚さtを同じ(1倍)とした電流センサと、磁気シールド14の厚さtを磁気センサ12の厚さtの10倍とした電流センサとについて、磁場シールド率を調べた。磁場シールド率は、シールド内に配置した磁気センサ(電流通電方向に感度軸が向くように配置)により、直交方向から加えられた磁場について、シールドを変えて測定することにより求めた。その結果を表1に示す。表1から分かるように、磁気シールド14の厚さtが磁気センサ12の厚さtの10倍である場合に、磁場シールド率が非常に高かった(1/2程度の磁場シールド率が1/10以下まで改善する)。
【表1】
【0024】
また、磁気センサ12は、図1(b)に示すように、通電方向における磁気シールド14の略中央の位置に配設されていることが好ましい。このように、磁気シールド14の厚さや磁気シールド14に対する磁気センサ12の位置を規定することにより、感度軸方向に直交する方向の磁場の影響をより低減することが可能であり、より高精度な電流検出が可能となる。
【0025】
集磁コア13は、磁気シールド14を通過した検出磁場を磁気センサ12に集束させるものである。すなわち、集磁コア13は、磁気シールド14と磁気センサ12との間に磁束を集磁する。集磁コア13の材料としては、例えば、フェライト、パーマロイ、ケイ素鋼などが挙げられる。
【0026】
図2(a),(b)は、本発明の実施の形態に係る電流センサの効果を説明するための図であり、図1に示す電流センサにおける磁場分布を示す図である。本実施の形態に係る電流センサに、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、図2(a)に示すように、外部磁場は、一対の磁気シールド14に集磁される。このとき、磁気シールド14は、通電方向に長く延在する形状を有しており、磁気センサ12の寸法よりも十分に長く設けられているので、外部磁場は磁気センサ12に到達することを防止できる。このため、磁気センサ12は外部磁場の影響を受けず、外部磁場による検出誤差が小さくなる。一方、本実施の形態に係る電流センサに、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、図2(b)に示すように、検出磁場が磁気シールド14を通過して、集磁コア13に集磁される。これにより、磁気センサ12に加わる磁束が大きくなる。その結果、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。
【0027】
このように、本実施の形態に係る電流センサによれば、感度軸方向に対して直交する方向(通電方向)の磁界の影響を排除しつつ、感度を上げることができる。これにより、低電流まで精度よく検出することが可能な電流センサを実現することができる。
【0028】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る電流センサを示す図であり、(a)は内部透視側面図であり、(b)は内部透視平面図である。なお、図3において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図3に示す電流センサ1においては、平面視において略T字形状の磁性層15が形成されている。この磁性層15は、通電方向に沿って延在する延在部15aと、延在部15a側から磁気センサ12側に延出する延出部15bとから構成されている。このような磁性層15は、集磁コアと磁気シールドとが一体的に形成されてなるものである。集磁コアの材料と磁気シールドの材料としては同じものを用いることができるので、本実施の形態のように集磁コアと磁気シールドを一体化させることができる。これにより、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0030】
本実施の形態に係る電流センサに、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁性層15の延在部15aに集磁され、磁気センサ12に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサに、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が延在部15aを介して延出部15bに集磁される。これにより、磁気センサ12に加わる磁束が大きくなる。これにより、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。このように、本実施の形態に係る電流センサにおいても、感度軸方向に対して直交する方向(通電方向)の磁界の影響を排除しつつ、感度を上げることができ、低電流まで精度よく検出することができる。
【0031】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る電流センサを示す内部透視平面図である。なお、図4において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0032】
図4に示す電流センサ1においては、一対の磁気シールド14の内側であって、感度軸方向において集磁コアを有しないで配設された他の磁気センサ16が配設されている。この磁気センサ16も、通電方向に対して直交する方向に感度軸を持つ。すなわち、磁気センサ16は、集磁コア13の間の領域に位置していない。したがって、本実施の形態に係る電流センサ1は、一対の集磁コア13の間に位置する磁気センサ12と、一対の集磁コア13の間に位置しない磁気センサ16とを有する。この磁気センサ16も基板11上の信号処理回路に電気的に接続されている。この構成によれば、集磁コア13が配置された磁気センサ12により、低電流を高感度で検出することができ、他の磁気センサ16により、高電流を高感度で検出することができる。これにより、電流検出レンジの広い電流センサを実現することができる。
【0033】
本実施の形態に係る電流センサで低電流を測定する際に、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14に集磁され、磁気センサ12に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサで低電流を測定する際に、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14を通過して集磁コア13に集磁される。これにより、磁気センサ12に加わる磁束が大きくなる。これにより、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。また、本実施の形態に係る電流センサで高電流を測定する際には、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14に集磁され、磁気センサ12に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサで高電流を測定する際に、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14を通過して磁気センサ16で検出される。このとき、磁気センサ16への検出磁場は、集磁コア13により集磁されない。このように、磁気センサ12により低電流の出力が得られ、磁気センサ16により高電流の出力が得られるので、電流検出レンジを広くすることができる。
【0034】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る電流センサを示す内部透視平面図である。なお、図5において、図4と同じ部分については図4と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0035】
図5に示す電流センサ1においては、一対の磁気シールド14の内側に他の一対の集磁コア17を設けている。この他の一対の集磁コア17は、他の磁気センサ16が通電方向において一対の集磁コア13との間に位置するように配設される。すなわち、感度軸方向において一対の集磁コア17間には、磁気センサが存在していない。したがって、本実施の形態に係る電流センサ1は、感度軸方向において間に磁気センサ12が存在する一対の集磁コア13と、感度軸方向において間に磁気センサが存在しない一対の集磁コア17とを有する。これにより、実施の形態3に係る構成よりもさらに高い電流を検出することが可能になる。
【0036】
本実施の形態に係る電流センサで低電流を測定する際に、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14に集磁され、磁気センサ12に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサで低電流を測定する際に、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14を通過して集磁コア13に集磁される。これにより、磁気センサ12に加わる磁束が大きくなる。これにより、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。また、本実施の形態に係る電流センサで高電流を測定する際には、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14に集磁され、磁気センサ12に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサで高電流を測定する際に、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14を通過して磁気センサ16で検出される。このとき、磁気センサ16への検出磁場は、集磁コア13により集磁されない。また、磁気センサ16に加わる磁場は、集磁コア13及び集磁コア17に集磁されるため小さくなる。このため、さらに高い電流を検出することが可能となる。このように、磁気センサ12により低電流の出力が得られ、磁気センサ16により高電流の出力が得られるので、電流検出レンジをさらに広くすることができる。
【0037】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る電流センサを示す内部透視平面図である。なお、図6において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図6に示す電流センサ1においては、一対の集磁コア13の内側に、互いに感度軸方向が180度異なる2つの磁気センサ12,18が配設されている。すなわち、磁気センサ12,18は、通電方向に対して直交する方法であって、180度異なる(反対方向)である方向にそれぞれ感度軸を持つ。この磁気センサ18も基板11上の信号処理回路に電気的に接続されている。これにより、それぞれの磁気センサ12,18に加わる温度ドリフトをキャンセルすることができる。その結果、さらに高精度な電流検出が可能となる。
【0039】
本実施の形態に係る電流センサに、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14に集磁され、磁気センサ12,18に到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサに、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14を通過して集磁コア13に集磁される。これにより、磁気センサ12,18に加わる磁束が大きくなる。これにより、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。また、磁気センサ12,18の出力の差分をとることにより、感度を向上させることができ、温度ドリフトをキャンセルすることができる。このように、本実施の形態に係る電流センサにおいても、感度軸方向に対して直交する方向(通電方向)の磁界の影響を排除しつつ、さらに感度を上げることができ、低電流まで精度よく検出することができる。
【0040】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る電流センサを示す内部透視平面図である。なお、図7において、図1と同じ部分については図1と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図7に示す電流センサは、一対の電流センサ1a,1bを、導体2を挟んで対向して配設されてなるものである。すなわち、図7に示す電流センサは、基板11a上に磁気センサ12a、一対の集磁コア13a、及び一対の磁気シールド14aを備え、筺体10aでパッケージングされた電流センサ1aと、基板11b上に磁気センサ12b、一対の集磁コア13b、及び一対の磁気シールド14bを備え、筺体10bでパッケージングされた電流センサ1bとが、それぞれスペーサ3a,3bを介して導体2上に配設されている。そして、筺体10a,10bがボルト19で固定されている。この場合において、電流センサ1aの磁気センサ12aと電流センサ1bの磁気センサ12bはそれぞれ信号処理回路に電気的に接続されている。また、一対の電流センサ1a,1bにおける磁気センサ12a,12bの感度軸方向が互いに同じである。この構成によれば、感度軸方向の外部磁場(地磁気などの外乱磁界)をキャンセルすることができるので、より高精度な電流検出が可能となる。
【0042】
本実施の形態に係る電流センサ1a,1bに、通電方向と同じ方向(感度軸方向に直交する方向)の外部磁場が加わると、外部磁場は磁気シールド14a,14bに集磁され、磁気センサ12a,12bに到達することが防止される。一方、本実施の形態に係る電流センサに、感度軸方向の検出磁場(電流により発生する磁場)が加わると、検出磁場が磁気シールド14a,14bを通過して集磁コア13a,13bに集磁される。これにより、磁気センサ12a,12bに加わる磁束が大きくなる。これにより、小さい電流で発生する磁場に対しても高感度で電流を検出することができる。また、磁気センサ12a,12bの出力の差分をとることにより、地磁気などの外乱磁界をキャンセルすることができ、検出精度を向上させることができる(図8参照)。このように、本実施の形態に係る電流センサにおいても、感度軸方向に対して直交する方向(通電方向)の磁界の影響を排除しつつ、さらに感度を上げることができ、低電流まで精度よく検出することができる。
【0043】
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
図1に示す構成の電流センサ(実施例)について、感度軸方向に直交する方向の1mTの外乱磁場がある環境下において、100Aの電流を導体2に通電したときの感度と、外乱磁場影響について調べた。その結果を表2に示す。また、図1に示す構成において磁気シールド14を設けない電流センサ(比較例)について、実施例と同様にして感度及び外乱磁場影響について調べた。その結果を表2に併記する。
【表2】
【0044】
表2から分かるように、実施例の電流センサによれば、外部磁場による誤差を低減することができた。
【0045】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態における材料、厚さ、大きさ、製法などは適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、電気自動車やソーラー電池などの電流検出用の電流センサに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,1a,1b 電流センサ
2 導体
3,3a,3b スペーサ
10,10a,10b 筺体
11,11a,11b 基板
12,12a,12b,16,18 磁気センサ
13,13a,13b,17 集磁コア
14,14a,14b 磁気シールド
15 磁性層
15a 延在部
15b 延出部
19 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8