(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1から
図7に基づいて、本発明を車両用のヘッドアップディスプレイ装置に適用した一実施形態を説明する。
【0014】
ヘッドアップディスプレイ装置は、
図1に示すように車両10のインパネ11内部に配設された表示ユニットである表示装置12が投射する表示光Lを投影部材である車両10のフロントガラス13で車両10の運転者(利用者)14の方向に反射させ、虚像Vの表示を行うものである。
【0015】
換言すれば、車両用ヘッドアップディスプレイ装置は、表示装置12の後述する表示器から発せられる表示光Lをフロントガラス13(前記投影部材)に照射(投射)し、この照射によって得られた虚像(表示像)Vを運転者14に視認させるものである。これにより運転者14は、運転席の正面前方に表示される虚像Vを風景と重畳させて観察することができる。
【0016】
表示装置12は、
図2に示すように照明装置である表示器20と、反射器30と、ハウジング40とから主に構成されている。
【0017】
表示器20は、
図3に詳しく示すように、基板である回路基板21上に複数個(例えば2個)の光源22が実装(配設)された光源ユニット23と、各光源22からの照明光により透過照明される被照明部材である液晶表示パネル24と、光源ユニット23と液晶表示パネル24との間に配置される拡散部材25と、この拡散部材25と液晶表示パネル24との間に位置するレンズ部材26と、各光源22を包囲するように回路基板21と拡散部材25(液晶表示パネル24)との間に配置されるケース体27と、これら各部を保持して収容する筐体28とを備えてなる。
【0018】
回路基板21は、例えば所定の配線パターンが施された熱伝導性の高いアルミ基板からなり、前記配線パターン上に各光源22が搭載されている。なお、21a、21bは、ケース体27に設けられる後述する第1、第2の貫通孔とそれぞれ連通するように設けられる略円形の第1、第2の孔部であり、これら孔部21a、21bは、回路基板21の両端側にそれぞれ形成されている(
図4参照)。
【0019】
光源22は、例えば適宜色を発するチップ型発光ダイオードからなり、拡散部材25(液晶表示パネル24)に照明光を供給する発光体である。
【0020】
液晶表示パネル24は、例えば一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルの前後面に偏光膜を各々設けたTFT(薄膜トランジスタ)型の液晶表示素子からなり、各光源22からの照明光(換言すればレンズ部材26から出射される平行出射光)を透過して表示光Lを形成するように光源ユニット23(レンズ部材26)の前方側に配置されている。
【0021】
かかる液晶表示パネル24は、車両10に設けられる車速センサやエンジン回転センサからの出力信号に基づいて車速,エンジン回転数を計測する演算回路(図示せず)並びにこの演算結果に基づいて前記液晶を駆動するパネル駆動回路(後述する)によって、車両10の速度またはエンジン回転数の計測値を数値として表示することができる。
【0022】
なお、液晶表示パネル24によって表示される表示情報は、車速やエンジン回転数に限らず任意であり、例えば走行距離情報、ナビゲーション情報、外気温情報であってもよい。
【0023】
拡散部材25は、例えば乳白色を有する光透過性の合成樹脂からなり、略平板状に形成され、ケース体27に設けられる後述する空洞部を塞ぐようにケース体27上に載置されている。かかる拡散部材25は、各光源22から発せられ、レンズ部材26側へと向かう照明光を略均一に拡散させるための光拡散板としての機能を有してなる。
【0024】
レンズ部材26は、透光性合成樹脂からなり、背面側(拡散部材25側)が平坦面であるとともに前面側(液晶表示パネル24側)が凸面である凸レンズからなり、拡散部材25から出射される拡散出射光を集光させる集光部材としての機能を有している。つまり、レンズ部材26は、前記拡散出射光に対し所望の屈折を与え、略平行光束化された平行出射光を液晶表示パネル24側に向けて出射するようになっている。
【0025】
ケース体27は、合成樹脂材料からなり、略枠形状に形成され、各光源22からの照明光が導入される空洞部50と、この空洞部50を取り囲むように設けられる本体部60とを備えている。
【0026】
空洞部50は、各光源22に対応するように設けられ、各光源22から発せられる照明光を拡散部材25側(つまり液晶表示パネル24側)へと導く照明空間として形成されている。
【0027】
本体部60は、
図4に示すように対をなすように2つに分割形成された構成となっている。具体的には、本体部60は、
図4中、左方に位置する第1の基部61と、
図4中、右方に位置する第2の基部62とに分割された構成となっている。つまり、この場合、本体部60は、空洞部50を介して一対の基部61、62を有するように分割形成された構成となっている。
【0028】
また、この場合、第1の基部61と第2の基部62とは、幾何学的に言うと、液晶表示パネル24側からケース体27を正視したときに、仮想中心点である
図4中、回路基板21の中心点C(もしくは詳細図示は省略するが各基部61、62を組み合わせた外形形状と略同一の外形形状を有する拡散部材25の中心点)を中心として点対称な形状となっている。すなわち、中心点Cを中心として第1の基部61を180度だけ回転すると、第1の基部61が第2の基部62に完全に重なる形状となっている。
【0029】
第1の基部61は、第2の基部62の後述する第3の対向壁部と対向する立壁部からなる第1の対向壁部61aと、第2の基部62の後述する第4の対向壁部と対向する立壁部からなる第2の対向壁部61bと、第1の対向壁部61aの下端側から回路基板21と平行状態をなすように
図4中、矢印X方向に延在する平板状の第1の鍔部61cとが一体形成された構成となっている。
【0030】
そして、空洞部50と第1の基部61(本体部60)との境界部分となる第1の対向壁部61aの内壁部並びに空洞部50と第1の基部61(本体部60)との境界部分となる第2の対向壁部61bの内壁部(内壁面)には、アルミ蒸着やクロムメッキ等によって鏡面状態となる鏡面層63が形成される。
【0031】
なお、詳細図示は省略するが、
図4において、第4の対向壁部62bと対向する第1の対向壁部61a箇所には、鏡面層63が形成されないようになっている。また、第1の鍔部61cには、回路基板21に設けられた第1の孔部21aと連通するように設けられ、ネジSのネジ部が貫通する第1の貫通孔61dが形成されている。
【0032】
また同様に、第2の基部62は、第1の対向壁部61aと対向する立壁部からなる第3の対向壁部62aと、第2の対向壁部61bと対向する立壁部からなる第4の対向壁部62bと、第3の対向壁部62aの下端側から回路基板21と平行状態をなすように
図4中、矢印X方向とは反対方向に延在する平板状の第2の鍔部62cとが一体形成された構成となっている。
【0033】
そして、空洞部50と第2の基部62(本体部60)との境界部分となる第3の対向壁部62aの内壁部並びに空洞部50と第2の基部62(本体部60)との境界部分となる第4の対向壁部62bの内壁部には、アルミ蒸着やクロムメッキ等によって鏡面状態となる前述した鏡面層63が形成される。
【0034】
なお、詳細図示は省略するが、
図4において、第2の対向壁部61bと対向する第3の対向壁部62a箇所には、鏡面層63が形成されないようになっている。また、第2の鍔部62cには、回路基板21に設けられた第2の孔部21bと連通するように設けられ、ネジSのネジ部が貫通する第2の貫通孔62dが形成されている。
【0035】
ここで、第1〜第4の対向壁61a、61b、62a、62aの各内壁部は、空洞部50を介して対向する2組の内壁部となる(第1の対向壁61aの内壁部と第3の対向壁62aの内壁部とで1組となり、第2の対向壁61bの内壁部と第4の対向壁62bの内壁部とで1組となる)。
図5は、各組の内壁部を簡略して示すものであり、鏡面層63等を省略して図示している。そして、第1の対向壁61aの内壁部は、光源22側に形成され光源22の発光面の法線方向Dに対して外側に角度θ1傾斜する傾斜面61eと、液晶表示パネル24側に形成され法線方向Dに対して平行な平行面61fと、を有する(
図5(a)参照)。また、第2の対向壁61bの内壁部は、光源22側に形成され法線方向Dに対して外側に角度θ2傾斜する傾斜面61gと、液晶表示パネル24側に形成され法線方向Dに対して平行な平行面62hと、を有する(
図5(b)参照)。また、第3の対向壁62aの内壁部は、法線方向Dに対して外側に角度θ1傾斜する傾斜面62eと、液晶表示パネル24側に形成され法線方向Dに対して平行な平行面62fと、を有する(
図5(a)参照)。また、第4の対向壁62bの内壁部は、光源22側に形成され法線方向Dに対して外側に角度θ2傾斜する傾斜面62gと、液晶表示パネル24側に形成され法線方向Dに対して平行な平行面62hと、を有する(
図5(b)参照)。なお、角度θ1と角度θ2とは異なる角度である。
【0036】
筐体28は、合成樹脂材料からなり、略箱形状にて形成され、光源ユニット23、液晶表示パネル24、拡散部材25、レンズ部材26並びにケース体27を収納する収納部材としての機能を有しており、液晶表示パネル24の表示エリア(図示せず)を臨ませるための開口部28aを備えている。
【0037】
次に、回路基板21とケース体27とに着目し、これら両者を組み付けるための組み付け例を説明する。まず、第1の対向壁部61aの内壁部と第3の対向壁部62aの内壁部、及び第2の対向壁部61bの内壁部と第4の対向壁部62bの内壁部とがそれぞれ向かい合うように第1の基部61と第2の基部62とを位置合わせする。
【0038】
次に、第3の対向壁部62aに対応する第2の対向壁部61b箇所となる第1の側面部R1並びに第1の対向壁部61aに対応する第4の対向壁部62b箇所となる第2の側面部R2に両面テープ(図示せず)を貼り付ける。そして、この状態から第2の基部62を矢印X方向に沿うように平行移動させることで、第1の側面部R1がこれに対向する第3の対向壁部62a箇所に接合されると同時に第2の側面部R2がこれに対向する第1の対向壁部61a箇所に接合される。すると、第1の基部61と第2の基部62とで囲まれる空間領域に前記照明空間である空洞部50が形成されるとともに、各光源22に対応するように設けられる空洞部50の周囲は全て鏡面層63によって囲まれた状態となる。
【0039】
次に、第1の鍔部61cの第1の貫通孔61dが回路基板21の第1の孔部21aに連通し、且つ第2の鍔部62cの第2の貫通孔62dが回路基板21の第2の孔部21bに連通するように、回路基板21上にケース体27を載置する。最後に、ネジSのネジ部を第1、第2の鍔部61c、61dの前面側から第1、第2の貫通孔61d、62d及び第1、第2の孔部21a、21bに各々貫通させ、回路基板21の背後に突出してなる前記ネジ部の下端部にナットNを螺合させることで、回路基板21とケース体27の組み付けが完了する。
【0040】
従って、各光源22から発せられる照明光は、ケース体27に形成された空洞部50を通過してケース体27(基部60)上に載置された拡散部材25へと導かれる。この際、各光源22の放射角(光照射領域角度)が大きいことに起因して、例えば
図3中、上側に位置する光源22から発せられる照明光の一部が、本体部60の第2の基部62の内壁部にあたって反射したり、あるいは
図3中、下側に位置する光源22から発せられる照明光の一部が、本体部60の第1の基部61の内壁部にあたって反射したりすることが考えられる。かかる構成においては、
図6(a)に簡略して示すように、例えば本体部60の内壁部全体が光源22の発光面の法線方向Dと平行である場合、光源22から発せられる照明光は本体部60の内壁部で反射することで本体部60の射出面での配光強度分布がなだらかになるため、液晶表示パネル24での配光強度の均一性は高くなる。しかし、光源22から法線方向に対して所定角度以上の角度θ0を持って出射した光L0は、本体部60から出射する際にも法線方向Dに対して同一の角度を有することとなり、拡散部材25を通過する際に拡散されるものの、レンズ部材26には入射せずに外部に放射される。したがって、本体部60の内壁部全体が光源22の発光面の法線方向Dと平行である構成では、レンズ部材26入射時の光量損失が生じ、被照明部材である液晶表示パネルに至る照明光の光量が不足するという問題が生じる。
【0041】
これに対して、本実施形態では、本体部60の複数の内壁部の光源側22に法線方向Dに対して外側に傾斜した傾斜面61e、61g、62e、62gを形成し、また、液晶表示パネル24側に法線方向Dに対して平行な平行面61f、61h、62f、62hを形成した構成となっている。例えば
図6(b)に示すように、光源22からの照明光のうち従来はレンズ部材26に入射しなかった光L0は、傾斜面61e、62eで反射されることで法線方向Dに対する角度が小さい状態で拡散部材25から出射され、レンズ部材26に入射する。これにより各光源22からの照明光がレンズ部材26に入射されるため、光源22からレンズ部材26に至る照明光の照明効率(導光効率)の低下を防止(抑制)することができる。なお、傾斜面61g、62gにおいても同様の効果が得られる。また、本体部60の複数の内壁部の液晶パネル24側を法線方向Dに対して平行な平行面61f、61h、62f、62hとすることで、光源22から法線方向Dに対して小さい角度を持って出射した光は、直接あるいは平行面61f、61h、62f、62hで反射して法線方向Dに対する角度を保ったまま本体部60から出射し、拡散部材25を通過してレンズ部材26に入射する。ここで傾斜面61e、61g、62e、62gで反射される光の強度に対して、直接出射するあるいは平行面61f、61h、62f、62hで反射される光の強度の方が大きいため、照明効率を向上させる一方で、液晶表示パネル24では従来と同様の配光強度の均一性を保つことができる。なお、傾斜面61e、61g、62e、62gは、従来の法線方向Dに対して平行な面のみではレンズ部材26に入射できない光L0を反射することを目的に形成されるものであり、これらの面積は連続形成される各平行面61f、61h、62f、62hの面積よりも小さい。また、本体部60の出射口は矩形状であり、長手方向、短手方向のそれぞれで良好な配光角を得るべく、対になる第一の対向壁部61aの傾斜面61e及び第三の対向壁部62aの傾斜面62eの法線方向Dに対する角度θ1と同じく対になる第二の対向壁部61bの傾斜面61gと第四の対向壁部62bの傾斜面62gの法線方向Dに対する角度θ2とは異なる角度となるように各傾斜面が形成されている。なお傾斜させる角度θ1及びθ2は本体部60の出射口の面積や本体部60の高さ等から適宜決定されるものである。
【0042】
また、従来のように本体部(本体部内壁部)が白色樹脂で形成されている構成では、内壁部反射時の光量損失が生じ、被照明部材である液晶表示パネルに至る照明光の光量が不足するという問題が生じる。
【0043】
ところが、本実施形態では、この内壁部反射時の光量損失を最小限とすべく、空洞部50周囲となる各基部61、62の内壁部には光反射率の高い鏡面層63が形成された構成となっている(換言すれば空洞部50と本体部60との境界部分となる本体部60の内壁部が鏡面状態となっている)ことで、第1、第2の基部61、62の内壁部にあたって反射される光源22からの照明光の一部は、減衰されることなく拡散部材25側へと導かれる。換言すれば、本体部60の内壁部を鏡面状態とすることで、前述した内壁部反射時の光量損失が十分に抑制され、これにより各光源22からの照明光がロスなく拡散部材25側に導かれるため、光源22から拡散部材25に至る照明光の照明効率(導光効率)の低下を防止(抑制)することができる。
【0044】
そして、拡散部材25から出射される前記拡散出射光は、その光量がロスすることなく、レンズ部材26を通過した後、前記平行出射光としてレンズ部材26から出射される。このレンズ部材26から出射される前記平行出射光によって液晶表示パネル24は透過照明され、これにより液晶表示パネル24から表示光Lが発せられる。かかる液晶表示パネル24から発せられる表示光Lは、その光量がロスすることなく(つまり前述した照明効率の低下が抑制された状態にて)、筐体28の開口部28aを通過して反射器30側に導かれる。
【0045】
反射器30は、液晶表示パネル24から発せられた表示光Lを反射させる凹面鏡(反射部材)31と、この凹面鏡31を保持する合成樹脂からなるミラーホルダ32とを備えてなる。
【0046】
凹面鏡31は、凹面を有するポリカーボネートからなる樹脂基板に反射層31aを蒸着形成してなるものである。かかる凹面鏡31は、その反射層31aが液晶表示パネル24並びにハウジング40の後述する透光性カバーに対向し、前記透光性カバーから臨める位置に傾斜状態にて配設される。
【0047】
また凹面鏡31は、表示器20からの表示光Lを拡大しつつ、前記透光性カバー(車両10のフロントガラス13)側へ反射させるものである。このことは、凹面鏡31が、表示器20から発せられる表示光Lを拡大し、この拡大された表示光Lを前記透光性カバーを通じてフロントガラス13に投射することを意味している。なお、凹面鏡31は、ミラーホルダ32に両面粘着テープにより接着されている。
【0048】
ハウジング40は、例えば黒色の遮光性合成樹脂材料からなり、略箱型形状に形成され、その内部空間である空間部41に表示器20及び反射器30を保持して収容するものであり、反射器30における凹面鏡31の配設位置の上部(フロントガラス13側)が開口する開口窓部42を備えてなる。
【0049】
またハウジング40には、開口窓部42を塞ぐように出射部である透光性カバー43が配設されてなる。かかる透光性カバー43は、透光性の合成樹脂材料(例えばアクリル樹脂)からなり、凹面鏡31で反射された表示光Lが透過(通過)する光透過性部材としての機能を有している。つまり、凹面鏡31によって反射された表示光Lは、ハウジング40に形成された透光性カバー43を通じてフロントガラス13に照射され、この照射によって得られた虚像Vを運転者14が視認することになる。
【0050】
以上のように本実施形態では、回路基板(基板)21に光源22が実装(配設)された光源ユニット23と、この光源ユニット23の前方側に配置され、光源22からの照明光により照明される液晶表示パネル24と、回路基板21と液晶表示パネル24との間に配置されるケース体27とを備え、このケース体27には、光源22に対応するように設けられる空洞部50と、この空洞部50を取り囲む本体部60とが形成されてなる照明装置20において、本体部60の複数の内壁部の光源22側に光源22の発光面の法線方向Dに対して外側に傾斜した傾斜面61e、61g、62e、62gを形成し、また、液晶表示パネル24側に法線方向Dに対して平行な平行面61f、61h、62f、62hを形成することにより、法線方向Dに対して大きな角度を持って出射した光L0をレンズ部材26に入射させることができ、光源22からの照明光の一部が減衰されることなくレンズ部材26(液晶表示パネル24側)へと導かれることで、各光源22から被照明部材である液晶表示パネル24に至る照明光の照明効率(導光効率)の低下を抑制することができる。
【0051】
また本実施形態では、空洞部50と本体部60との境界部分となる本体部60の内壁部を鏡面状態としたことにより、本体部60(各基部61、62)の内壁部にあたって反射される光源22からの照明光の一部が減衰されることなく拡散部材25側(液晶表示パネル24側)へと導かれることで、各光源22から被照明部材である液晶表示パネル24に至る照明光の照明効率(導光効率)の低下を抑制することができる。
【0052】
また本実施形態では、対になる第一の対向壁部61aの傾斜面61e及び第三の対向壁部62aの傾斜面62eの法線方向Dに対する角度θ1と同じく対になる第二の対向壁部61bの傾斜面61gと第四の対向壁部62bの傾斜面62gの法線方向Dに対する角度θ2とが異なる角度(傾き)となるように各組の傾斜面を形成することにより、本体部60の出射口の形状に応じて長手方向、短手方向のそれぞれで良好な配光角を得ることができる。
【0053】
また本実施形態では、本体部60が、空洞部50を介して第1の基部61と第2の基部62とを有するように分割形成されていることにより、第1の基部61における各対向壁部61a、61bの内壁部並びに第2の基部62における各対向壁部62a、62bの内壁部に鏡面層63を容易に形成することができる。
【0054】
また本実施形態では、各基部61、62の内壁部に鏡面層63が形成されている例について説明したが、例えば鏡面層63に傷等が付かないように、鏡面層63内周面に必要に応じて鏡面層63を保護する透明なオーバーコート層からなる保護層を積層形成してもよい。
【0055】
また本実施形態では、回路基板21上に2個の光源22が実装されている例について説明したが、回路基板21上に実装される光源22の個数は、1個でもよいし3個以上であってもよい。
【0056】
また本実施形態では、第1の側面部R1とこれに対向する第3の対向壁部62a箇所とが両面テープにより接合されるとともに第2の側面部R2とこれに対向する第1の対向壁部61a箇所とが両面テープにより接合されることで、第1の基部61が第2の基部62に組み付けられる例について説明したが、例えば本第1実施形態の変形例として
図7(a)、(b)に示すごとく第1の基部61と第2の基部62とを部分的に凹凸結合させる構成としてもよい。
【0057】
具体的には、
図4中、上方側となる第2の対向壁部61bと第3の対向壁部62aとの連結箇所付近である
図7(a)に示すように、第2の対向壁部61bに第3の対向壁部62a側に向けて突出する薄板状の凸部(突起部)からなる第1の位置決め部T1を設けるとともに第3の対向壁部62aに第1の位置決め部T1が位置決めされる凹部(溝)形状からなる第1の被位置決め部T2を設け、また
図4中、上方側となる第1の対向壁部61aと第4の対向壁部62bとの連結箇所付近である
図7(b)に示すように、第4の対向壁部62bに第1の対向壁部61a側に向けて突出する薄板状の凸部(突起部)からなる第2の位置決め部T3を設けるとともに第1の対向壁部61aに第2の位置決め部T3が位置決めされる凹部(溝)形状からなる第2の被位置決め部T4を設けた構成となっている。
【0058】
そして、第1の位置決め部T1が第1の被位置決め部T2に位置決めされ、第2の位置決め部T3が第2の被位置決め部T4に位置決めされることで、第1の基部61と第2の基部62とを部分的に凹凸結合させ、この凹凸結合により連結固定された状態の本体部60と回路基板21とがネジS、ナットNを用いてに固定される構成となる。
【0059】
なお前記各実施形態では、液晶表示パネル24から発せられる表示光Lが、フロントガラス13に投射される例について説明したが、例えばフロントガラス13に表示光Lを良好に運転者14方向に反射させるコンバイナフィルムを設けてもよいし、あるいはフロントガラス13とは別の専用の反射体に表示光Lを投射する構成としてもよい。