(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電機子が、環状部分によって一緒に結合された内側円筒状部分と外側円筒状部分とから構成され、該内側円筒状部分が、外側円筒状部分よりも小さい直径を有する、請求項7記載のガス制御弁。
さらに、ガス流路における流れおよび/または圧力を検知する少なくとも1つのセンサを備え、該センサが制御器に連係している、請求項1〜13のいずれか1項記載のガス制御弁。
【背景技術】
【0002】
以下では「人工呼吸器」とも呼ぶ呼吸補助装置は多様なものが今日利用可能である。
このような人工呼吸器は加圧呼吸ガスの供給源を備える。それらは、外部加圧ガス供給がそれらを動作させることを必要としないので、自律型と呼ばれる。
【0003】
この種の装置は、吸気ごとに患者に呼吸ガス(典型的には大気であるが、酸素のような補助ガスが添加されることがある)を供給する。
異なる種類の各種人工呼吸器が知られている。これらの異なる種類の人工呼吸器は、例えばそのサイズにより分類することができる。
【0004】
実際、この種の装置のサイズは重要なパラメータである。異なる場所および状況(例、家庭ならびに病院)で同じ1つの装置を動作させることが容易となり、かつ患者が動く範囲を増大させるように、そのサイズを小さくすることが一般に望まれる。
【0005】
[非運搬型装置]
第1の種類の人工呼吸器は非運搬型と呼ばれるものである。この第1の型は
図1a〜1dに模式的に示されている。
【0006】
かかる装置は、非常に大きなサイズおよび/または重さの呼吸ガス供給源S1を一般に備えている。このガス供給源は装置の内部に設けることができ、ここに説明し、
図1a〜1dに例示した例では、中央ユニット10内に配置されている。ガス供給源は装置の外部に配置することもできる。
【0007】
この種の装置では、ガスの供給源は2本のダクトを通して患者Pに連結される。即ち、吸気期に動作し、患者Pがガス供給源から加圧ガスを吸い込む通路となる吸気ダクト11と、呼気期に動作し、患者が二酸化炭素のような呼気ガスを排出する通路となる呼気ダクト12である。
【0008】
これらの非運搬型人工呼吸器はさらに吸気弁13および呼気弁14とを備える。これらの2つの弁はガス供給源S1の近くのそれぞれ吸気ダクト11および呼気ダクト12に配置される。
吸気弁13は、両呼吸期中に患者に送り込まれる加圧ガスの流量を制御することができる。
【0009】
呼気弁14は、患者の呼気ガスを呼気ダクト12から周囲の大気中に追い出すことができる。この目的のため、呼気弁はPEP (呼気正圧) によりさらに制御されることができる。
人工呼吸器のほとんどの動作モードは呼気ガス流および/または呼気圧を監視する必要がある。従って、ガス流および/または圧力を感知するセンサ19を人工呼吸器に設けなければならない。
【0010】
電力供給とデータ情報の伝送のために各センサは少なくとも3本のワイヤで人工呼吸器の中央ユニット10に接続される必要がある。
従って、既に十分に複雑で大きな二方向伝達回路の複雑さがセンサとワイヤとの追加によってさらに増すのを避けるために、センサ19は一般にガス供給源S1の近くに配置される。
【0011】
センサ19を呼気弁の近傍に配置したい場合には、従って呼気弁14をガス供給源S1の近くに配置しなければならない。
吸気弁と呼気弁の両方は、適正に動作するために、特殊でしばしば複雑な制御装置15を必要とする。
【0012】
非運搬型人工呼吸器は約150〜180cmの相対的に長いダクトを一般に備える。
この形態は、患者の容易な呼息に逆らう呼吸抵抗を生ずる。
実際、呼気弁14をガス供給源S1に近い呼気ダクト12の末端 (遠位端)に配置し、呼気ダクト12が比較的長いと、患者Pは、吐き出された空気が呼気弁に到達して大気に放出されるまで、彼の呼気を、呼気ダクト12を通して「押し出す」必要があろう。
【0013】
[運搬型人工呼吸器]
第2の種類の人工呼吸器は、
図2a〜2dに略図で示されているように、運搬型(運搬可能な)人工呼吸器と呼ぶことができる。この種の運搬型人工呼吸器は、内部呼吸ガス供給源S2を含む中央ユニット20を備える。
【0014】
ガス供給源S2は、装置が占める体積を制限するように最適化された特性を有する小型タービンであってもよい。
これらの装置の体積を制限する別の方策は、2本のダクト (吸気ダクトと呼気ダクト) を有する装置とは異なり、供給源S2と患者Pとの間に単一のガス伝達ダクト21を使用することである。
【0015】
このような人工呼吸器の操作の原理は、呼気弁22を単一ダクト21上の患者Pの近く (すなわち、ダクトの近位端) に配置して使用することに基づく。
この呼気弁22のこのような近位配置のために、特に呼気期中に、もし呼気弁がダクトの遠位端に位置していたなら呼息のために使用されるダクトの長さにより引き起こされるであろう呼吸抵抗現象を避けることができる。
【0016】
図2a〜2dに示されているような公知の運搬型人工呼吸器では、この呼気弁22は、呼気弁22の閉塞カフ24を膨らませる、呼吸ガス供給源S2(または独立したマイクロ
送風機のような別の圧力供給源)に連結された加圧空気供給導管23によって動作される空気弁である。
【0017】
従って、呼気弁のこのような制御は特別の導管23を必要とし、それは人工呼吸器の小型化を制限することになる。
呼気期中、呼気弁24は、ガス送給ダクト内に呼気正圧(PEP)を確立して、患者の肺における残留過剰圧力をバランスさせるために、開いているか、または部分的に閉じている。
【0018】
このようなPEPを確立するには、呼気弁22のカフ24の空気膨張圧を非常に厳密に制御する必要がある。これは人工呼吸器の制御装置25の複雑さを増す。
一部の呼吸モードでは、呼気弁は可及的にリアルタイムで動作されなければならないが、それはこの種の呼気弁では、それらに付随する空気圧慣性のためにきわめて困難である。
【0019】
さらに、そのような公知の人工呼吸器の形状のためにPEPの値が20 mBar付近に制限されてしまうが、人工呼吸器のモードによってはより高いPEP値 (例、40 mBar、さらにそれ以
上) が必要になることがある。
【0020】
非運搬型人工呼吸器と同じ理由で、呼気ガス流量および/または呼気圧を制御しなければならないことがあり、従って、ガス流量および/または圧力センサ29を呼気弁22の近くに設けなければならない。
【0021】
それによりやはり、ガス供給源S2を含む中央ユニット20と患者Pとの間にガス送給ダクト21に沿って複数本のワイヤー (すなわち、各圧力センサに対して電源用に2本とデータ伝送用に1本の3本のワイヤー、そして各ガス流量センサに対しては2本の電源ワイヤー) を設けることが必要となる。呼気ガス流量および圧力の測定は一般に必要であるから、従って中央ユニット20と装置の近位端の呼気弁22との間に少なくとも5本のワイヤーの接続ケーブル26が必要である。
【0022】
[呼気弁の制御不能の状況についての説明]
患者が人工呼吸器を確実に使用できるようにするため、人工呼吸器が運搬型であろうとなかろうと、この装置は当然ながら、加圧ガス供給源が無能化 (故障またはその他)した場合を含むあらゆる状況下で患者が呼吸できるようにしなければならない。従って、ガス供給源が無能化しても呼吸補助装置が動作することができるように、満たさなければならない安全基準が存在する。
【0023】
すなわち、前述したような単一のガス送給ダクト21と呼気弁22の空気制御のための特別の導管23とを有する人工呼吸器の場合、
図2dに示すように、呼気弁22の空気供給が不可能になっても、患者Pは常に空気呼気弁22を通して息を吐き出すことができる。
【0024】
実際、呼気弁の空気供給が不可能な場合 (これはガス供給源が弁を制御し、その供給源が無能化した場合である) 、呼気弁22のカフ24へのそれ以上の供給がなされず、従ってPEPの制御が妨げられるが、それでも患者Pは呼気弁22を通して呼気ガスE
Pを追い出すことができる。
【0025】
しかし、そのような場合、送給ダクト21の内部と外部との間の通路をカフ24が患者の吸息のせいで塞いでしまうため、患者はこの空気呼気弁22を通して息を吸うことができなくなる。
【0026】
従って、
図2a〜2dに示したような運搬型人工呼吸器は、ガス供給源S2の近くに安全(逆流停止)弁27を備える。
図2aに示すように、この安全弁27は、普段はガス供給源S2から来る圧力供給G
Sの作用により閉じているが、ガス供給源が無能化すると、
図2cに示すように、患者の吸気I
Pの圧力により安全弁27が開いて、患者Pは外部から空気を吸うことができる。
【0027】
ガス供給源S2の無能化は呼気弁22の空気圧制御が無能化する1つの具体的ケースに相当する。本明細書では、このようなガス供給源S2の無能化は、より一般的には、呼気弁22の空気圧制御の無能化を意味すると理解されるべきであることを明記しておく。
【0028】
安全弁27とダクト21の全長を通る安全な吸気を可能にするため、ダクトの直径は大きくしなければならない。
この点に関して、この安全性の問題に対処するために満たさなければならない圧力損失の規格上の要件が一般にあることを明記しておく。例えば、フランスの規格では供給源と患者との間の最大圧力損失は、成人用の場合で1リットル・秒について6 hPaを超えてはならず、小児用の場合で0.5 リットル・秒について6 hPaを超えてはならないと規定されている。
【0029】
そして、このような要件を満たすために、
図2a〜2dに示すような公知装置の送給ダクトは、成人用で22 mmの最小径、小児用では15 mmの最小径を有していなければならない。
このような大径のダクトはもちろん装置の小型化を妨げる。
【0030】
非運搬型人工呼吸器 (
図1a〜1dを参照) の場合は、
図1dに示すように、ガス供給源S1が無能化しても、患者Pは常に呼気ダクト12を通して息を吐くことができる。
ガス供給源S1が無能化しても、
図1cに示すように、吸気期はガス供給源S1の近くで吸気ダクト11に配置された安全逆流停止弁16を通して可能なる。
【0031】
この安全逆流停止弁16は、呼気ダクト12には配置されていない。患者Pにとって、二酸化炭素が詰まった呼気ダクト12を通して吸気することは危険となりうるからである。
運搬型人工呼吸器と同じ理由から、圧力損失要件を満たすためにダクトの直径は比較的大きくしなければならない。すなわち、安全弁16を通る安全な吸気を可能にするために、小児用は15 mm以上、成人用は22 mm以上である。
この場合もやはり、このような大きな直径は小型化を阻害する。
【0032】
[異なるモードに従った動作の可能性についての説明]
また、人工呼吸器により処置される病状および疾患はさまざまであり、従って呼吸補助装置は気圧形式または体積形式のような異なる形式のものとなったり、異なる動作モードに従って動作されるものとなったりしうることにも留意すべきである。
【0033】
各動作モードは特定の設定およびチェック変数により規定されるが、しかし特定の種類の材料によっても規定される。
ハイブリッドと呼ぶことのできる一部の装置は、いくつかの動作モードに従って作用することができる。しかし、それらの材料形状、特に付属品(ガス供給源と患者との間のダクトの種類、呼気バルブの有無、有孔マスクの使用、など)は、選択した動作モードに適合させなければならない。そして、同じ1つの装置を装置の調整(そのダクト、付属品などの調整)を必要とせずに多様なモードに従って動作させることが望ましいであろう。
一般的には、本書において上述した制約および欠点に対処することが本発明の目的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
[構造]
[装置の全般構造]
まず、本発明に係る装置(人工呼吸器)の全般構造について説明する。
図3を参照すると、本発明に係る呼吸補助装置が略図で示されている。
【0054】
この装置は中央ユニット30を含み、この中央ユニットそれ自体が患者Pに加圧呼吸ガスを供給するための内部ガス供給源Sを備えている。ガス供給源Sは典型的には小型
送風機である。
【0055】
この呼吸補助装置はさらに中央ユニット30と患者Pとの間に、患者Pが息を吸ったり吐いたりできるようにガス送給導管を備えている。
ガス調整弁32はこのガス送給導管内の近位(手前側)位置に挿入される。近位位置とは、ガス調整弁32がガス送給導管の患者Pに連結された端部付近
(すなわち、例えば、数センチメートル)に位置すると理解されるべきである。以下に記載されるように、調整弁は異なった形態に基づいて製造されうる。(そして、調整弁の配置(以下”アクティブバルブ”という。)の節において記載されるように、それはさらに、特定の弁の配置からなっていてもよい。)
ガス供給源Sは好ましくはいくつかの呼吸モードに従って動作することができるものであろう。
【0056】
このガス供給源は、患者Pに供給される大気を集めるために空気入口33aに接続されている。
別の空気入口33bを、大気を富化するために酸素のような二次呼吸ガスのために設けてもよい。
【0057】
ガス供給源Sは電源手段37から電力を供給される。この電源手段37は、内部バッテリーでも、または外部電源でもよい。
ガス送給導管は1または2以上のガス送給ダクトから構成されうる。
図3に示すように、本発明の呼吸補助装置は、単一のガス送給ダクト31からなるガス送給導管を備えることが好ましい。
【0058】
このガス送給ダクト31は、遠位端31dがガス供給源Sに連結され、近位端31pが患者Pに連結されている。
ガス送給ダクト31の近位端31pは接続手段36を介して患者Pに接続されている。この接続手段36は、例えば、気管切開に適合した装置またはマスクであってもよい。
【0059】
本呼吸補助装置はさらに、(データ送信と電源のために)接続リンク39を介してガス調整弁32を制御するための制御装置35を備える。この接続リンク39は接続ケーブル39とすることができる。
【0060】
制御装置35はセンサ34 (特に、ガス流量センサおよび圧力センサ) と連係する。
より正確には、「連係する」とは、制御装置35がかかるセンサ34を備えているか、或いは接続リンクを介してそれらに接続されていることを意味する。
【0061】
これらのセンサの一部または全部は実際、近位側、すなわち、ガス調整弁32の近くに配置することができる。また、これらのセンサの一部または全部をガス送給ダクト31の残りの部分、例えば、その遠位端31dの近くに配置することも可能である。
【0062】
制御装置35は、特に異なる複数のセンサからくる信号の処理を可能にするために、データ処理装置をさらに備える。
制御装置35のデータ処理装置は一般にすべて遠位位置、すなわち、ガス供給源Sに配置される。
【0063】
しかし、近位位置、すなわち、患者Pの近くに別のデータ処理装置38を配置してもよい。実際、ガス調整弁32の付近にあるセンサの数が多いほど、これらのセンサに電力を供給するためのみならず、異なる発信信号を集めるためにも、ガス送給ダクト31に沿った接続ケーブル39内のワイヤーの本数が多くなる。
【0064】
従って、複数のセンサからの異なる信号を処理して単一のデータ送信ワイヤーを介して制御装置35の遠位データ処理装置に送信できるようにするため、近位データ処理装置38を設けることは有利である。このようなデータ処理装置の形態は、従って、小型化手法を際立たせる。遠位側のデータ処理装置と近位側のセンサとの間の接続ケーブル39は、わずか3本のワイヤー、すなわち、データ送信の1本と、電源の2本のワイヤーしか必要としない。
【0065】
ガス送給ダクト31は異なる直径のものであってもよい。特に、このガス送給ダクト31は、
図1a〜1dおよび2a〜2dに示したもののような公知の呼吸補助装置に使用されるダクトより直径が小さくてもよい。
【0066】
すなわち、ガス送給ダクト31に挿入された本発明の特定のガス調整弁32は、
これまで最小限必要されていた大きさの径のダクトを使用しなくても、圧力損失および安全基準を満たすことができる。従って、ガス送給ダクト31は成人用の22 mmおよび小児用の15 mmより直径を小さくすることが可能である。
【0067】
ガス調整弁32は実際、呼吸補助装置のさらなる小型化を可能とする構造を有する。実際、ガス調整弁32は、気体導入管を必要とすることなく、電気的に制御され、それゆえ、さらに小型の装置をもたらす。さらに、これまで説明したように、ガス送給ダクトは通常のものよりも小さくなりうる。最終的に、呼吸補助装置の小型化は、ガス調整弁の上、すなわち近位に配置されたデータ処理装置を用いたときに増進される。
【0068】
本書でさらに明らかにするように、呼吸補助装置はなお非常に安全で信頼性がある。
【0069】
[本発明の第1の実施態様]
本発明の第1の実施態様に係る呼吸補助装置は、
図4a〜4eに示されているようなガス調整弁を含む。本発明の第1の実施態様に係るガス調整弁40は、ガス送給ダクト31に対して同軸に装着される。
【0070】
ガス調整弁40は3つの中空部分、すなわち、遠位部分41、中央部分42および近位部分43からなるケーシングを備える。
この3つの部分は、一体のケーシングを形成するように同軸に一体接続されている。各部分は、できあがったケーシングが1つの流路を構成し、その流路を通って加圧ガスがガス供給源Sから患者Pに向かう方向とその逆方向とに循環することができるように形成され
ている。
【0071】
遠位部分41および近位部分43は、それぞれガス供給源Sおよび患者Pの方向を向いて、ガス送給ダクト31に接続されるように形成されている。
近位部分43には、ガス調整弁40の内部と外部との間に漏れオリフィスを形成するように開口431が設けられている。従って、ガスはガス送給導管から大気の方に、そして逆方向に漏出しうる。この開口は可及的に広い、すなわち、開口が近位部分43の円周の大部分に及んでいることが好ましい。
【0072】
ガス調整弁40はさらに漏れオリフィスの開きを変化させるために閉塞手段、すなわち閉塞要素44を備える。閉塞要素44は、電磁気的閉塞要素であることが好ましい。
閉塞要素44は、内部にコイル442が固定される、好ましくは軟鉄製の金属円環状シース441を備える。この集成部品は近位部分43の周辺に固定され、ケーシングの中央部分42により包囲される。
【0073】
コイル442は単一の円環状コイルでもよいが、どちらも円環状シース441により包囲されている2つの同軸円環状コイルを使用する方が好ましい。コイル442には接続ケーブル39を介して制御装置35から電力が供給される。
【0074】
閉塞要素44はさらに、円環状磁石444、第1極片443および第2極片445からなる磁気要素を備える。これらの極片は、円環状磁石444の両側に同軸に固定され、互いに異なる極性のものである。極辺は円環状磁石444の回転軸に対して回転対称であって、ガス流路を備え、この流路を通ってガス供給源Sから患者Pの方向と逆方向とにガスが循環できる。
【0075】
この磁気要素は近位部分43の内部に配置され、少なくとも部分的にコイル442により包囲される。この磁気要素は近位部分43の内部で可動、すなわち、これは円環状磁石444の回転軸に沿って並進可能である。この並進移動は少なくとも部分的にコイル442内で制限され、両側の2つの限界位置はケーシングの内側に設けられたアバットメント(abutment、突当て部)により規定される。
【0076】
磁気要素は、近位部分43の漏れオリフィス431を閉塞することができる閉塞片446を備えている。この閉塞片446は磁気要素の1つの極片に固定され、従って磁気要素の並進移動に追従する。
【0077】
閉塞片446の寸法と形状は、漏れオリフィス431および磁気要素の特性に応じて決まる。すなわち、閉塞要素44は、磁気要素がその2つの限界位置の一方に位置している時に閉塞片446が漏れオリフィス431を完全に閉じるような寸法としなければならない。閉塞片446は硬質材料製であることも好ましい。
【0078】
磁気要素は従って異なる複数の部品から構成され、それらの部品の形状および集成は流路を可能にするものであって、その流路を通ってガスがガス供給源Sから患者Pに向かう方向とその逆方向とに循環することができる。
【0079】
本発明のこの実施態様の別の配置は、閉塞要素が固定磁気要素を備える、すなわち、少なくとも固定磁石と可動コイルを備えるものである。この可動コイルは、近位部分の漏れオリフィスを閉塞することができるように閉塞片を備える。そのような配置は後述する第4の実施態様において採用されてもよい。
【0080】
[本発明の第2の実施態様]
本発明に係る呼吸補助装置の別の実施態様は、
図5a〜5eに示されているようなガス調整
弁を含む。この第2の実施態様のガス調整弁50は、本発明の第1の実施態様に係るガス調整弁40に非常に似ている。
【0081】
すなわち、第2の実施態様のガス調整弁50は、本発明の第1の実施態様に係るガス調整弁40と、特に閉塞要素に関しては同一の構造を有する。しかし、このガス調整弁50は、近位部分53が、接続ケーブル39を介して制御装置35に接続されているセンサのためのハウジング532を備える。
【0082】
例えば、ガス流れ圧力センサ (熱線センサ<hot wire sensor> のような) と圧力センサとが設けられる。この場合、接続ケーブル39は少なくとも7本のワイヤーを含む。すなわち、流れ圧力センサ用の2本の電源ワイヤー、圧力センサ用の2本の電源ワイヤーと1本のデータ送信ワイヤー、そしてガス調整弁50の磁気機構に電力を供給するために別の2本のワイヤーである。
【0083】
[本発明の第3の実施態様]
本発明に係る呼吸補助装置の第3の実施態様は、
図6a〜6eに示したようなガス調整弁を含む。本発明の第3の実施態様に係るガス調整弁60は、ガス送給ダクト31に対して横方向に装着される。
【0084】
ガス調整弁60は、遠位端611と近位端612とを有するケーシング61からなり、遠位端611はガス供給源Sの方向を向いてガス送給ダクト31に連結され、近位端612は患者Pの方向を向いてガス送給ダクト31に連結されている。
【0085】
ケーシング61は、それが閉塞要素62を収容するためのハウジング613も備える点を除いて、ダクトに非常に似た形状を有する。
ケーシング61のダクト616とハウジング613の第1帯域6131との間に第1の開口614が設けられている。
【0086】
第2の開口615は、ハウジング613の第1帯域6131の内部に設けられ、ガス流れがケーシング61の内部と外部との間で循環できるようになっている。
従って、第1および第2の開口(614, 615)は漏れオリフィス617を画成している。ガスはこの漏れオリフィス617を通ってガス送給導管から大気へ、そして逆方向へ循環することができる。
【0087】
カバー63は、ハウジング613を閉鎖し、該ハウジング613の第2帯域6132内に配置された閉塞要素62を保護するためのものである。
閉塞要素62は好ましくは電磁気的閉塞要素である。
【0088】
閉塞要素62は、ハウジング613の第2帯域6132内に固定されている電気子622を含んでいる。この電気子622は軟鉄製でよい。電気子622は円筒形通路6221を有し、その回転軸はケーシング61のダクト616に垂直である。
【0089】
電気子622は好ましくは、その回転軸が円筒形通路6221の回転軸に一致する回転体である。電気子622は、その中心に円形穴を有する下部ディスク6222と、その中心に円形穴を有する上部ディスク6223とからなり、下部ディスク6222の直径および下部ディスク6222の円形穴の直径は、それぞれ上部ディスク6223の直径および上部ディスク6223の円形穴の直径より大きい。
【0090】
下部および上部ディスク(6222, 6223)は、下部ディスクの円形穴と直径が同じである外周同軸円筒形部分6224によって一緒に同軸に連結されている。
中心の同軸円筒形部分6225が、下部ディスク6222と上部ディスク6223との間で、電気子622の中に設けられている。この中心同軸円筒形部分6225は、直径が上部ディスクの円形穴と同一であり、一端は上部ディスク6223に固定されている。
【0091】
中心同軸円筒形部分6225と直径が同一の中心ディスク6226が、中心同軸円筒形部分6225の他端に同軸に固定されている。この中心ディスク6226はその中心に円形穴を備える。
この形態において、電気子622の外周および中心同軸円筒形部分(6224, 6225)が円環状空間6227を画成する。
【0092】
閉塞要素62はさらに、電気子622の第1円筒形部分を包囲するコイル621を含む。
この形態は、従って、円環状空間6227内で、コイル621と金属質電気子622の中心同軸円筒形部分6225との間にエアギャップ (空隙) を作り出す。それは電気子622の上部ディスク6223により一端が閉じられている。
【0093】
閉塞要素62はまた磁気要素を備え、この磁気要素は円環状磁石624と磁石ガイド623とから構成される。
磁石ガイド623は、下部ディスク6231とより大直径の上部ディスク6232とから構成される回転体であり、上部ディスク6232はその中心に円形穴を有し、この円形穴の直径は上部ディスクの直径と同じである。下部および上部のディスク(6231, 6232)は、直径が下部ディスク6231の直径と同一である外周同軸円筒形部分6233により同軸に連結されている。より小直径の中心同軸円筒形部分6234が、上部と下部のディスク(6232, 6231)の間で下部ディスク6231上に設けられている。
【0094】
円環状磁石624の内径は、磁石ガイド623が円環状磁石624の内部に挿入されるように、磁石ガイド623の最初に述べた (外周) 円筒形部分6233の直径にほぼ一致する。
円環状磁石624の外径は、電気子622の外周同軸円筒形部分6224の内径にほぼ一致する。磁石ガイド623の上部ディスク6232の円形開口の直径は、電気子622の中心同軸円筒形部分6225の外径にほぼ一致する。磁石ガイド623の中心同軸円筒形部分6234の外径は、電気子622の中心ディスク6226の円形穴の直径とほぼ一致する。従って、磁気要素を、電気子622の外周および中心の同軸円筒形部分(6224, 6225)により画成される円環状空間6227の内部に同軸に挿入することができる。
【0095】
この磁気要素は可動性、すなわち、電気子622の外周および中心の同軸円筒形部分(6224, 6225)により画成される円環状空間6227の内部で、電気子622の回転軸に沿って並進可能である。
【0096】
ハウジング613の内部には前記第1の開口614の周囲に環状突出部6141が設けられる。円環状磁石624の外径はこの第1の開口614の直径より大きい。従って、磁気要素の並進移動は電気子622と第1の開口614との間に制限される。より正確には、磁気要素は第1の限界位置では電気子622に突き当たり(
図6e参照)、第2の限界位置では第1の開口614の環状突出部6141に突き当たる(
図6d参照)。
【0097】
第2の限界位置(
図6d参照)では、閉塞要素62の
磁気要素が第1の開口614を閉じ、こうしてガス調整弁60のダクト616とハウジング613との間のいかなガス流れも阻止する。その結果、この第2の限界位置では、ガス調整弁60の内部と外部の間をガスが全く循環できなくなる。
【0098】
この形態の閉塞要素62では、制御装置35により制御されるコイル621の状態に応じて、磁気要素が円環状空間6227の内部を並進する。
閉塞要素62は、さらに電気子622の中心同軸円筒形部分6225の内径にほぼ一致する外径
を持つバネ626を含んでいる。このバネは電気子622の中心同軸円筒形部分6225の内部に挿入される。バネ626は好ましくは圧縮バネである。
【0099】
バネ626は、電気子622の中心同軸円筒形部分6225の内部に、磁石ガイド623の中心同軸円筒形部分6225の内部にネジ止めされているネジ627によって保持されている。従って、バネ626は、一端がネジ627の頭部に突き当たり、他端は電気子622の中心ディスク6226に突き当たっている。
【0100】
ガス調整弁60は、ケーシング61のハウジング613の内部に保護要素625を含んでいてもよい。この保護要素625は、ハウジング613の内部で第1帯域と第2帯域との境界を定め、第1帯域6131の内部には第1および第2の開口(614, 615)が位置し、第2帯域6132は閉塞要素62を収容している。
【0101】
保護要素625は
ガス不透過性であり、従って、ガス調整弁61のダクト内のガスが閉塞要素62を汚染することが防止される。
保護要素625はゴム膜でよい。この膜は中心ディスク6251から構成される回転体であり、この中心ディスク6251は比較的大きな外周円形ミゾ6252を有する。
【0102】
保護要素625の外周縁部はハウジング613の第1帯域と第2帯域との間で円形アバットメントに対して電気子622により押しつけられている。電気子622の環状突出部6228により、保護手段625の外周縁部が動くのが防止される。
【0103】
本発明のこの態様の別の構成は、磁気要素が固定され、すなわち、少なくとも磁石が固定されており、コイルが可動性で、この可動性コイルが漏れオリフィスの閉塞を可能にする閉塞要素を備える。
【0104】
ハウジング613は、ガス調整弁60のダクト内のガス流および/またはガス圧力を測定するためのガス流および/または圧力センサのようなセンサ65を収容するための第3の帯域6133を含んでいてもよい。
【0105】
センサ65は、ガス供給源Sに配置された制御装置35に接続ケーブル26を介して直接接続されていてもよい。この場合、接続ケーブル39は少なくとも7本のワイヤー (流れ圧力センサ用に2本の電源ワイヤー、圧力センサ用に2本の電源ワイヤーと1本のデータ送信ワイヤー、およびガス調整弁の磁気機構に電力を供給するための別に2本のワイヤー)を備える。
【0106】
従って、処理手段64は好ましくはセンサ65と接続ケーブル39との間に設けられる。この処理手段64は、ハウジング613内に配置され、センサ65と閉塞要素62の両方の上に位置する。
【0107】
処理手段64はセンサ65と閉塞要素62の両方に接続される。従って、処理手段64はセンサ65と閉塞要素62とに電力を供給することができる。さらに、処理手段64は閉塞要素62を正確に制御するためにセンサ65からのデータを管理することができる。処理手段64は、センサ65からのデータの処理とその結果としての閉塞要素62の動作により、PEPを制御することができる。
【0108】
処理手段64と制御装置35との間の接続ケーブル39も、3本のワイヤー、すなわち、電源両の2本のワイヤーとデータ用の1本のワイヤーだけを設ければよいので、ずっと単純である。
【0109】
ガス調整弁60の制御は処理手段64により完全に動作されるので、中央ユニット30に配置される制御装置35も、完全になくならない場合でも単純化させうる。従って、これは呼吸補助装置の小型化に寄与する。
【0110】
[第4の実施態様]
ここで、本発明に係る呼吸補助装置の第4の実施態様を説明する。
本実施態様において、制御弁は―他の全ての実施態様と同様に―患者の近くの近位位置にある。
【0111】
本発明についてこれまで開示した利点に加えて、具体的に、本実施態様が可能にするのは次のことである:
・(例えば、弁の内部要素の内壁同士間の)ガスの漏れを避けつつ、同時に、弁の主たる構成要素がダクトの長軸の周りに並ぶ、同軸の形状を可能とすることについて特に高い性能を提供すること。(なお、この形式の形状は、弁の大きさを減らし、それゆえ、能力を増加させる傾向がある。)
・このような弁の特定の形状において可動部品は慣性が少なく、すばやくかつ正確な移動が促進されるので、弁の制御―具体的にはリアルタイム制御―について優れた性能を可能とすること。
・さらに、それが有する複数の機能の中の一つとして、弁の可動部品の基準位置に滑らかに復帰させる機能を有する弾性膜を使用することにより、弁の円滑な動作を可能とすること。
【0112】
第4の実施態様は、
図9a〜9eに示されているようなガス調整弁を含む。本実施態様に係るガス調整弁90は、ガス送給ダクト31に関して同軸に取り付けられている。本発明のこの実施態様によれば、閉塞要素は、固定された磁石を有する固定された磁気要素と可動コイルとを備え、その可動コイルは、呼気弁の近位部分に設けられた漏れオリフィスを閉塞することができるようにされた閉塞片を有する。
【0113】
ガス調整弁90は、二つの中空部、すなわち、(
図9cに具体的に示されるように、)遠位部分91および近位部分93からなるケーシングを有する。
これらの二つの部分は、集積ケーシングを形作るように同軸に接続される。各部分は、できあがったケーシングが1つの流路を構成し、その流路を通って加圧ガスがガス供給源Sから患者Pに向かう方向とその逆方向とに循環することができるように形成されている。
【0114】
遠位部分91および近位部分93は、それぞれ、供給源Sおよび患者Pの方向を向いて、ガス送給ダクト31に接続されるように形成されている。
近位部分93は、ガス調整弁90の内側と外側との間で漏れオリフィスを形成するように、開口931を備える。したがって、ガスは、ガス送給導管から大気に向かう方向とその逆方向とに漏出しうる。この開口は可及的に広い、すなわち、開口が近位部分43の円周の大部分に及んでいることが好ましい。
【0115】
ガス調整弁90はさらに漏れオリフィスの開きを変化させるために閉塞要素92を備える。閉塞要素92は、電磁気的閉塞要素であることが好ましい。
図9に示される例において、閉塞要素92は、遠位部分91内に同軸に固定される金属製の電気子922を含む。この電気子922は軟鉄製でよい。
【0116】
電気子922は好ましくは、その回転軸が近位部分93および遠位部分91の両方の回転軸に一致する回転体である。電気子922は、二つの円筒状部分、すなわち、内部円筒部分9221とその直径よりも大きな直径を有する外部円筒部分9222とを含む。
【0117】
これらの二つの円筒状部分9221および9222は、電気子の近位部分側に位置する環状部分9223で一体に連結されている。環状部分9223は複数の開口を備え、各開口は曲線状溝を有することが好ましい。
【0118】
外部円筒部分9222の近位側端部は、閉塞要素92の閉塞片(925,926,927)(詳細は後述)が電気子922と近位部分93との間で押し付けられた状態で保持するための環状突出部9224備えていてもよい。
【0119】
閉塞要素92はさらに磁気要素を備え、この磁気要素は円環状磁石924と円環状金属片923とから構成される。
円環状磁石924および円環状金属片923の両方はいずれも内部円筒部分9221の外径と同じ内径を有する。円環状磁石924および円環状金属片923の両方は、電気子922の内部円筒部分9221の周囲にあり、固定されている。
【0120】
円環状磁石924および円環状金属片923の外径は、外部円筒部分9222の内径よりも小さく、それゆえ、電気子922の内部に円環状空間9225を作り出している。したがって、円環状空間9225の内部には、円環状磁石924と金属製電気子922の外部円筒部分9222との間でエアギャップ (空隙)があり、その一方の端部は電気子922の環状部分9223で閉じられている。
【0121】
閉塞要素92はさらに、円環状空間9225内に挿入され、かつその中で並進可能に構成された可動コイル921を含む。
可動コイル921は好ましくは、その回転軸が電気子922の回転軸に一致する回転体である。可動コイル921は、その中心に円形穴を有する下部ディスク9211と、その中心に円形穴を有する上部ディスク9212とからなる。下部ディスク9211の円形穴の直径および上部ディスク9212の円形穴の円形穴の直径はともに、円環状磁石924の外径と同じである。上部ディスク9212の外径は電気子922の外部円筒部分9222の内径と同じであって、上部ディスク9212は環状空間9225内を並進可能にされている。下部ディスク9211の外径は電気子922の外部円筒部分9222の内径よりも大きく、下部ディスク9211が電気子922に対して突き当たってコイル921の並進を制限することができるようにされている。
【0122】
下部ディスク9211および上部ディスク9212は、下部および上部ディスクの円形穴と直径が同じである同軸円筒形部分9213によって一緒に同軸に連結されている。
上部ディスク9212は、その円形穴の周りに複数の突出部分9214を備える。各突出部9214は、実質的に平坦であり、円筒部分9213の延長となるように円筒部分9213と同じ曲率の曲面をなしている。各突出部9214はさらに、その近位端に突起9215を有し、この突起9215が可動コイル921を閉塞片(925,926,927)に連結させている。
【0123】
閉塞片は(例えばゴムや
シリコーン製の)弾性の膜925、および環状空間9225内のコイル921の並進に応じて膜925を変形させるように構成された押付要素927からなる。
膜925は相対的に弾性を有し、コイル921が近位部分に向かって並進したときに近位部分93の漏れオリフィス931を閉塞するように構成されている。膜925は環状部分9251を有する回転体であってもよく、その環状部分9251は、相対的に大きな周辺部にある、円形であって近位側を向いている溝9252を有していてもよい。環状部分9251の周辺端部は近位部分93と電気子922の外部円筒部分9222との間で加圧された状態に保持されている。
【0124】
膜925はさらに、環状部分9251の内径と同等の直径を有する円筒部分9253を備える。この円筒部分9253は、押付要素927を膜925に対して連結させるための環状突起9254を有する。
【0125】
最後に、膜925は、円筒部分9253から延設され、(
図9eには表示されていない)環状突
起9256を有するベローズ9255を備える。この環状突起9256によって、膜925の内側の端部が電気子922上に円環状要素926とともにある状態を保持することが可能になる。
【0126】
このようなゴム膜925によって、閉塞片が移動している間にガス調整弁が受ける可能性のある衝撃の吸収が可能となる。
さらに、弾性を有していることに加え、膜925、具体的にはベローズ9255が特定の形状を有していることは、膜925が、コイル921にとって、復帰手段、すなわち復帰機構として作用することを示唆する。具体的には、後述するように、膜925は、コイル921が適切に動作しない場合において、漏れオリフィス931が閉塞されることを防ぐ。
【0127】
このような膜は、第3の実施態様と同様にダクトを横切るように設置されるガス調整弁のような、他の実施態様においても使用可能である。実際、この特定の膜はバネの代わりに復帰機構として使用されうる。
【0128】
上記のように、押付要素927はコイル921の並進に応じて膜925を変形させるように構成されている。好ましくは、押付要素927は曲線状周縁端9272を有する円環状の平坦部分9271を含む。曲線状周縁端9272は、コイル921の突出部分9214の突起9215と協働し、押付要素927がコイル921に係合されるように構成されている。円環状の平坦部分9271は、膜925の環状部分9251と協働するように構成されている。さらに詳細には、それは、コイル921の円環状空間9255内の移動に伴う、膜925、具体的には溝9252およびベローズ9255の変形を可能としている。
【0129】
この弁、特に弁内の閉塞要素の配置の具体的な実施態様は、その信頼性を向上させる。実際、可動コイルは、そこを通過して加圧ガスが供給源から患者に向かって循環するバルブの流路から切り離された専用の空間内で拘束される。したがって、この配置によって、可動要素が仮に流路内に配置された場合に可動要素と通路の内壁との間で発生するおそれのある望ましくない漏出が抑制される。
【0130】
ガス調整弁はさらに、ガス調整弁90のダクト内のガス流れおよび/またはガス圧を測定するためのガス流れおよび/または圧力センサのようなセンサ95を収容するように構成されていてもよい。
【0131】
このために、遠位部分91は、センサがそこを通じて接続される開口を有する外部チャンバー912を備える。したがって、センサの計測部分は弁のガスダクトの内部に配置される。
【0132】
このとき、センサ95は、供給源Sに配置される制御装置35に直接接続されていてもよい。しかしながら、第3の実施態様と同様に、処理手段94がセンサ95と接続ケーブル39との間に設けられることが好ましい。
【0133】
このために、遠位部分91はさらに、処理手段94を収容するように設計されている。この場合には、遠位部分91は処理手段94を収容することができるようにより大きいことが必要となろう。この場合にはカバー911は遠位部分91に近づいて、センサ95と処理手段94との両方を保護すると見込まれる。
【0134】
[第5の実施態様]
本発明の変形例、特に、
図9に示される上記の弁の発展例について説明する。本変形例は、個別のモジュールからなるモジュール組立体としての弁の集成部品の詳細な形状を示唆するので、本発明の独立した、それゆえ第5の実施態様として示される。
【0135】
このモジュール形態は、
図10にさらに詳細に示される弁とは異なる弁にも使用されうるのであって、この形態はそれ自身によって、この節において言及されるいくつかの特別な利点をもたらす。
【0136】
ガス調整弁90が
図9の手段94のような制御手段を含むことによって、実際、
図10cにさらに具体的に示されるような独立の制御モジュール104を使用することが可能となる。
図10aから10dは、第5の実施態様に係るガス調整弁100を示しており、この弁は、呼気弁90の閉塞要素と同様であるがモジュールケーシングに囲まれた閉塞要素を有する。
【0137】
第4の実施態様と同様に、ガス調整弁100は、二つの中空部、すなわち遠位部分101および近位部分103からなるケーシングを備える。
また、同様に、これらの二つの部分は集積ケーシングを形作るように同軸に接続される。各部分は、できあがったケーシングが1つの流路を構成し、その流路を通って加圧ガスがガス供給源Sから患者Pに向かう方向とその逆方向とに循環することができるように形成されている。
【0138】
しかしながら、第4の実施態様とは異なり、遠位部分101はさらに小型である。実際、遠位部分101は閉塞要素102だけを収容するように設計されている。センサ105が遠位部分101上で接続されるとする場合であっても、制御装置35の接続部またはいかなる処理手段をも収容する空間は設けられていない。したがって、計測が一切不要であれば、ガス調整弁は非常に小型で信頼性が高いままである。
【0139】
ガス調整弁のダクト内のガス流れおよび/または圧力の計測が必要とされる場合には、独立の処理モジュール104が弁に接続されればよい。この処理モジュールは、ケーシングに取り外し可能に連結されるように設計されている。すなわち、処理モジュールは独立のモジュールであって、計測が必要とされる場合には、ケーシングに対して直接、かつ簡単に取り付けられるものであってよい。処理モジュールは、例えば、遠位部分101に把持されるように設計されていてもよい。
【0140】
処理モジュール104は支持手段1041を備えてもよく、この支持手段は、遠位部分101を取り囲むように設計された把持手段1042を有し、処理モジュールが遠位部分101の周りに係合された状態を保持する。支持手段1041はさらに、処理手段1044をその上に支持するように構成されている。処理手段1044が遠位部分101上で接続されるセンサ105に接続されるように、支持手段1041を貫通する開口1043が設けられることもありうる。
【0141】
最後に、カバー1045は支持手段1041上の処理手段1044を囲い、これを保護する。処理手段1044を制御装置35に接続するために、カバー1045を貫通する開口がまた設けられる。
このガス調整弁が小型化される利点を有するだけでなく、モジュール配置は保守の観点でもまた非常に有利である。
【0142】
弁は医療用途に主として使用されるよう意図されているので、弁は、例えばオートクレーブを用いた殺菌作業に適合していなければならない。より詳細には、ガス流れによって汚染されてしまうおそれのある各要素は殺菌できるように構成されていなければならない。
【0143】
遠位部分101、閉塞要素102、近位部分103、そしてひいてはセンサ105までがその対象である。実際、処理モジュール104は完全にガス流路から独立しており、これは、他の要素とは異なり処理モジュール104はオートクレーブ処理が不要であることを意味している。オートクレーブ処理が可能な処理モジュール104、より具体的にはオートクレーブ処理が可能な処理手段1044を製造することは困難であって費用のかかることであるから、このこ
とは特に有利である。すなわち、オートクレーブ処理が可能な構成要素としての処理手段1044を有することは、費用のかかることである。さらに、接続部、具体的には処理手段1044と制御装置35との間の接続部は、オートクレーブ処理には持ちこたえられないであろう。
【0144】
独立の処理モジュールを有することのさらなる有利な点は、単独のユニットとして弁から取り外すことができ、それゆえ、処理モジュール1044または接続部に基づく損害を回避しうることである。
【0145】
[第6の実施態様]
ここでは、
図11aから11fを参照して、本発明に従って使用しうる弁の配置を説明する。
この弁の配置は特に、上記のそして一般的には
図3に示される呼吸補助装置用の調整弁に使用しうるものである。
【0146】
しかしながら、そのような弁の配置は、異なった弁および/または装置形状において使用されうる具体的な特徴を備える。
非常に小型の呼吸補助装置110の一例が
図11fに示されており、そこには次のようなものが示されている:
・患者に圧縮大気を送るための送風機111(実際は圧縮送風機であるが、一般には「送風機」と称される。)(なお、送風機は酸素のような二次的なガスのための入口を備えている場合もある。)、
・その第一の端部1121で送風機の吹き出し口1110を封じるように取り付けられる弁筐体112、
・弁筐体の内部に配置され、患者に直接取り付けられうる出口1131(すなわち、患者は出口1131から直接呼吸を行う。)を有する弁113。
【0147】
図11aでは、説明図を用いて、弁113の複数の要素を示している。
これらの要素は、弁筐体112の軸A周りに並ぶように同軸に配置されている。(なお、弁筐体112は典型的には自らが送風機の出口と並んでいる。)
図11aの説明図において、これらの要素は、弁の近位側端(弁筐体の反対側)から遠位側端(弁筐体に近い側)へと、次のようなものである:
・中空の弁本体1132上の出口1131、
○弁本体1132は軸Aに沿って並んだ二つの状態のコイル11321および11322を有する。
【0148】
・バネ1133、
・プラスチックなどの材料で作られ、軽量であって(これは、このシリンダーは容易に動く必要があるためである。)、弁本体の中央空洞部に係合されるように構成されたシリンダー1134、
・鉄などの材料でできており、コイルを有する弁本体1132の外径に相当する内径を有する、もう一つのシリンダー1135、
・二つの鉄のシリンダー11361および11362によって軸方向に囲まれた永久磁石11360で作られた組立体1136であって、これら三つのものが一片をなす単独の組立体1136を形成する。これらの全ての構成部品は中央に軸方向の穴を有しているので、この組立体は中空であって、リング状の一般的形状を有している、
・Oリング1137、
【0149】
・通常はその中心軸の周りに配置される複数の穴13380を有し、それらの穴を通ってガスの流れが循環するためフローパスリングと呼ばれるリング1138(なお、これらの穴11380は、フローパスリング11381の中心部でその周辺11382に向けてつながっている径方向アームによって分離されている。―これらのアームは図では表示されていない。)であって
、穴の個数は適宜構成されればよい(例えば、二つ、三つ、またはさらに多くの穴が、通常はその中心部の周辺部の周囲に配置される―あるいは、単独の穴でもよい。)、
○フローパスリングの中心部の外径は、組立体の内径に対応し、これらの二つの要素が軸Aに沿って相対的に移動することを可能とするゆとりを持っている、
○そして、組立体1136の遠位端は、フローパスリングの穴11380に適合した幅を有している、
■さらに詳細には、ひとたびこれらの要素が一体に組み立てられれば、弁本体の内壁とフローパスリングの中心部の外壁との間にあって穴11380に対応するリング形状を有する内部の経路11350を画成するように(
図11b参照)、フローパスリング1138は弁本体の遠位端内に封じられるように組み立てられる、
■そして、組立体1136の幅は経路11350の幅と同じであり、組立体が経路内で軸方向に摺動することを可能とするゆとりを持っている、
・例えば熱線センサ(hot wire sensor)のようなガス流れおよび/または圧力を検知するためのセンサ11385。この装置が組み立てられたときに軸A上に配置されるように、フローパスリングの中心部11381の近位端に取り付けられた軸方向アームに、このセンサは配置される。
【0150】
図11bは、これらの要素がひとたび一体に組み立てられると次の二つの主たる部分を形成することを示している:
・固定部分であって、以下のものを備える:
○コイルを有する弁本体、
○鉄のシリンダー1135によって囲まれたそのコイル、
○アームとセンサ11381とを有するフローパスリング1138であって、弁本体が弁筐体112内に取り付けられたときに、送風機からのおよび送風機へのいかなる空気も穴11380を必ず通過するように、そのフローパスリングは弁本体の遠位端に取り付けられている、
■このフローパスリング1138はさらに、空気を円滑に送風機から穴11380へと向かわせるための遠位偏向体を有する、
【0151】
・
移動部分であって、次の要素が一体に取り付けられている:
○(上記のごとく、経路11350を封止するように、その内部を軸方向に摺動するよう構成されている)組立体1136、
○シリンダー1134、
○バネ1133、
■
移動部分が固定部分の近位端側に向けて移動してしまったことでバネが圧縮されたときに固定部分の遠位端側に向けて
移動部分を押して、弁本体の内側の肩部11323に対して突き当たるように、このバネは設計されている。
【0152】
[装置の動作]
本
発明に係る呼吸補助装置は、ガス供給源Sおよび/または制御装置35が無能化(例、万一の故障)した場合でも動作させることができる。
【0153】
次に、
図7a〜7cおよび
図8a〜8bに示したように、異なる場合における呼吸補助装置の動作について説明する。
【0154】
[正常動作]
装置の正常動作は、ガス供給源Sと制御装置35が両方とも正常に動作する場合に対応する。
【0155】
吸気期中は、ガス調整弁の閉塞要素(72; 82)は、ガス調整弁の漏れオリフィス(71; 81)が
図7aおよび8aに示すように完全に閉塞されるような限界位置にある。
その結果、患者Pが吸息すると、ガス供給源Sから来る加圧ガスG
sが患者Pに送り込まれる。すなわち、ガス調整弁の漏れオリフィス(71; 81)は閉じているので、加圧ガスG
sは患者Pまでガス送給ダクト内を循環することができる。
【0156】
図4dおよび5dは、吸気期中、すなわち、漏れオリフィス(431; 531)が完全に閉じている時の本発明の第1および第2の実施態様にかかるガス調整弁(40; 50)を示す。
この場合、磁気要素がガス調整弁(40; 50)の近位部分(43; 53)内を並進してガス調整弁(40; 50)の近位部分(43; 53)内に設けたアバットメントに突き当たるように、制御装置35が閉塞要素(44; 54)のコイル(442; 542)を動作させる。
【0157】
従って、磁気要素の閉塞片(446; 546)は漏れオリフィス(431; 531)を完全に閉じている。こうして、ガス調整弁(40; 50)の内部と外部との間の通路は閉鎖され、ガス供給源Sからくる加圧ガスは遠位部分(41; 51)から近位部分(43; 53)に、そして患者Pの方に循環するだけである。
第4および第5の態様によるガス調整弁の動作は同じようなものであり、閉塞要素の位置、特に別の空間内を移動する移動部材の位置に違いがあるだけである。
【0158】
図6dは、吸気期中、すなわち、漏れオリフィス617が完全に閉じている時の、本発明の第3の実施態様に係るガス調整弁60を示す。
この場合、磁気要素はこれがハウジング613の環状リッジ
6141に突き当たるまで並進するように、制御装置35が閉塞要素62のコイル621を動作させる。
【0159】
従って、漏れオリフィス617は閉じられ、ガス調整弁60の内部と外部の間をガスが循環することはできない。すなわち、磁気要素はハウジング613の第1の開口614を通って設けられた通路を閉塞する。この状況では、ガス供給源Sから来る加圧ガスG
sは、患者Pに到達する以外にやりようがない。
【0160】
呼気期中は、
図7bおよび8bに示すように、漏れオリフィス(71; 81)は少なくとも部分的に開いている。すなわち、閉塞要素(72; 82)は、ガス流れがガス調整弁の内部と外部との間を漏れオリフィス(71; 81)を通って循環することができるような位置をとる。
【0161】
この場合、患者Pは排気しなければならない呼気ガスE
pを拒絶して追い払う。ガス調整弁の漏れオリフィス(71; 81)はこのような呼気ガスの排気を可能にする。
漏れオリフィス(71; 81)の開きをガス調整弁の閉塞要素(72; 82)により制御することは、PEPを制御する方策でもある。すなわち、PEPは患者の肺内の残留過剰圧力をバランスさせるための方策であるので、ガス送給ダクト内のPEPは患者Pが正確に呼息するのにも重要である。
【0162】
閉塞要素は電気的に制御されるので、漏れオリフィスの開きの制御はリアルタイムのプロセスとなる。
図4eおよび5eは、呼気期中の本発明の第1および第2の実施態様に係るガス調整弁(40;
50)を示す。
【0163】
すなわち、これらの図面は、漏れオリフィス(431; 531)が完全に開いているガス調整弁弁を示す。実際、閉塞要素(44; 54)は、制御装置35によって、コイル(442; 542)を通ってガス調整弁(40; 50)の遠位部分(41; 51)に設けられたアバットメントまで並進するように動作してきたものである。
【0164】
図6eは呼気期中の本発明の第3の実施態様に係るガス調整弁60を示す。
すなわち、この図は完全に開いた漏れオリフィスを示している。実際、閉塞要素62の磁気要素は、制御装置35によって、コイル621を通って電気子622に突き当たるまで並進するように動作してきたものである。
【0165】
この位置では、ダクト616とガス調整弁のハウジング613との間の第1の開口614は広く開いている。従って、ガス流れはガス調整弁60のダクト616とハウジング613との間を循環することができ、このガス流れはその後ハウジング613の第1帯域から漏れオリフィス617を通ってガス調整弁60の外部へと循環することができる。
【0166】
ダクト616とガス調整弁60のハウジング613との間の第1の開口614の開き具合は、閉塞要素62の磁気要素の並進により正確に制御できることに留意されたい。
図11a-11fを参照して説明する第6実施態様における弁構造の動作は、図11c-11eに一層明瞭に示されている。
図11cは、患者の呼気期間の弁構造を示す。この弁の構造は、適宜手段(例えば、図11f、より一般的には図3の模式図のように、あるいは、さらに一般的には、コイル11321、11322 に電力を適用することによって弁作動を行う制御手段を備えたいずれかの形式の呼吸補助装置)を使って制御できる。
呼気相では、弁構造の移動部分が、穴11380を閉じる、つまり、流路(経路)11350を通る空気の流れを阻止する軸方向位置に(磁石11360の引力によって)に移動するように、コイルが制御される。
移動部分がそのような位置にあると、送風機は患者に空気を全く送ることができず、あるいは、患者から空気を受け取ることができない。
一方、弁ハウジング(弁筐体)112の近位端には、移動部分のこの位置において、患者から出された呼気の流れを外気へ出て行くようにする穴1121が設けられている。
実際、この位置において、移動部分は、ガス供給源(送風機)と患者との間に連通を阻止しているが、弁ハウジングの穴を通して呼気を可能としている。
この位置において、患者からの呼気は、ガス供給源(送風機)のほうに流れることはなく、そのため、送風機要素(あるいはガス供給源と弁との間に何かあっても、ダクトの部位)の汚染の危険はない。
ここに、このことは、送風機を一定のモード(つまり、送風機のロータの回転速度が一定)で作動する送風機を用いることを可能とする。このことは利益的である。というのは、構成によっては、(送風機のロータの回転数を変える代わりに) 弁だけで流れを規制しながら、送風機を一定モードで運転することが望まれるためである。これにより、送風機の運転を非常に単純化することができる。
また、送風機から弁を通ってガスが流れることができないから、送風機からのガスの“損失”を防止することができる。もし、酸素のような二次ガスが使用されていれば、そのようなことは、経済的にも有利であることが分かる。
移動部分のこの位置は、(コイルに電気が送られていなければ)、バネ1133の動作にのみ服従する移動部分の基準位置に相当することになる。
図11fにおいて、移動部分は、下記を実現するために、(常にコイルの選択的電気付与によって)制御される:
― ガス供給源と患者とを隔離する(穴11380は開かれているが、流路11350は、閉塞されたままである)、
− それは、また、穴1121を通る空気の排出を阻止しながらである。
これは、移動部分の(長手方向軸Aに沿った)位置の調整によって実現される。
この態様では、移動部分は、コイルの選択的付勢によって、並進でき、(漏れ穴1121を制御された態様で開くために、例えば、図11の右手側に向かって、弁の遠位端に移動部分を動かすことによって)、穴1121を通る漏れの選択的制御を可能とする。そのような穴1121を開けておく制御期間中、流路11350は、閉塞されたままであり、PEPは、穴1121を通る漏れを制御することで規制される。
図11eは、移動部分の位置が、流路を開くように、したがって、弁の内部空間を通って患者に送風機からのガスが流れるように、選択的に制御される場合を示す。この形態では、穴1121は閉じられている。
そのような弁構造の移動部分の位置は精密に制御可能であり、リアルタイムで、流路11350の近位端出口11351を開くことによって、いつでも、流路11350を通ってガス供給源と患者との間に空気が連通するようにさせることができる。
【0167】
[ガス供給源が無能化した場合の装置の動作]
ガス供給源Sが無能化した場合、例えばこれが故障した場合であっても、患者Pは呼吸が可能でなければならない。本発明に係るガス調整弁は、このような場合に患者が正常に呼吸できるようにする。
【0168】
すなわち、本呼吸補助装置の制御装置は、吸気期中と呼気期中の両方において漏れオリフィスが開いたまま、或いは少なくとも部分的に開いたままなるようにガス調整弁を動作させる。
【0169】
すなわち、呼気期中は、患者Pは呼吸補助装置の正常動作におけるのと同様に、ガス調整弁を通して息を吐き出すことができる。
実際、呼気期中、ガス供給源から来る加圧ガスはPEPを制御する役割しか持たない。しかし、制御装置により、閉塞要素の制御を通して漏れオリフィスの開きの非常に正確なリアルタイム制御が可能である。従って、ガス供給源から来る加圧ガスがなくなると、漏れオリフィスの開きを適正に動作させることによって釣り合いをとることができる。
【0170】
吸気期も、ガス調整弁の漏れオリフィスが開いてガス調整弁の内部と外部との間でガスが流れうるので、可能である。従って、患者Pはガス調整弁の漏れオリフィスを通して大気から空気を吸い込むことができる。
【0171】
[制御装置が無能化した場合の装置の動作]
制御装置が無能化した場合、例えば、制御装置が故障した場合には、閉塞要素をもはや制御することができない。従って、制御装置からの信号が存在しない場合には漏れオリフィスが開いたままとなるようにガス調整弁内に復帰機構が設けられている。
【0172】
制御装置が無能化した場合にもガス調整弁の漏れオリフィスが開いたままなので、患者Pはガス調整弁の漏れオリフィスを通して吸息と呼息の両方が可能である。
しかし、漏れオリフィスの開き具合が制御できないので、PEPを制御することがもはや不可能となる。
【0173】
第1および第2の実施態様のガス調整弁(40; 50)は、金属質円環状シース(441; 541)と円環状磁石(444; 544)とからなる復帰機構を含んでいる。円環状磁石(444; 544)は金属質円環状シース(441; 541)内に同軸に配置されているので、これは当然磁気赤道M
Eを画成する。
【0174】
実際、
図7cに示すように、円環状磁石73は、制御装置からの信号が存在しないと、円環状磁石73と金属質円環状シース74との間で作用する磁気力のために金属質円環状シース74の中央に位置したままとなる。この円環状磁石73の位置により画成された平面が磁気赤道M
Eである。
【0175】
ガス調整弁の閉塞要素72は、制御装置が無能化した場合、すなわち、閉塞要素72の円環
状磁石73が磁気赤道M
E上に位置する場合には、漏れオリフィス71が広く開くような形状であることが好ましい。
【0176】
本発明の第3の実施態様のガス調整弁60もまた復帰機構を含む。この復帰機構はバネ626とネジ (スクリュー) 627とから構成される。
図6dおよび6eに示すように、バネ626は圧縮バネである。この圧縮バネ626は、制御装置がコイル621を制御している時には圧縮されていて、磁気要素が第1の開口614の円形突出部に突き当たるようになっている、すなわち、漏れオリフィスは閉じている場合 (
図6dに示されるように) である。
【0177】
制御装置が無能化した場合、磁気要素はもはやコイル621により拘束されなくなるので、円環状空間6227内を自由に並進することができる。しかし、磁気要素は磁石ガイド623を介して圧縮バネ626に連結されているので、圧縮バネ626は磁気要素を電気子622の上部ディスクに当たるように引っ張る。
【0178】
万が一制御装置が無能化しても、圧縮バネ626が閉塞要素62の磁気要素を並進させるので、漏れオリフィスは広く開くようになる (
図6eに示すように)。
結局、すでに説明したように、第4および第5の実施態様によるガス制御弁内にも復帰手段を想定でき、その復帰手段の具体的態様は膜925である。
実際、膜925が高弾性材料で作られる。具体的には、膜925は、特にベロー9255を用いることで、弁の壁部に向かって配置された凸曲面を備えている。そのため、制御器35が無能化した場合、コイル921はもはや拘束されず、膜925の特定形態に加えて、材料自体のもつ弾性によって、押付要素927およびそれに取り付けられたコイル921が、漏れオリフィス931が全く閉塞されない位置にまで戻される。この場合にも、患者P は制御弁を通して自由に呼吸ができるようになる。
さらに、そのように具体的設計によって、ダクト内の圧力は、膜925による復帰機構の作用を強化する。実際、内部圧力、より具体的には、吸気圧は、漏れオリフィス931が開くような位置にコイル921を保持するように膜925が変形する。ベロー9255は、円筒状部分9253と環状部分9251を引き出すようにして、より正確に変形する。そのため、押付要素927はそのまま開き位置に維持される。
図11に示す弁配置では、移動部分は、コイルが付勢されないときは図11cに示す基準位置にくる。
【0179】
[ガス供給源と制御装置の両方が無能化した場合の装置の動作]
この場合、患者Pはガス調整弁に設けた復帰機構のために呼吸が可能となる。実際、上に見たように、ガス供給源Sは、制御装置が無能化した場合に本呼吸補助装置を動作させる解決策を与えない。
【0180】
従って、ガス供給源と制御装置の両方が無能化した場合には、本発明に係る呼吸補助装置は、制御装置だけが無能化した場合と同様に動作する。
読者は、ここに記載した新規な情報と利点を超えずに多くの変更をなしうることを理解したであろう。従って、このようなすべての変更が特許請求の範囲に記載した呼吸補助装置および方法の範囲内に包含される。