(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の苗移植機では、タンク載置台が苗供給装置の下方の空間より外側に設けられていたので、空きスペースの有効利用が出来ていないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の苗移植機の課題を考慮して、供給装置の下方のスペースを有効利用出来て、機体のコンパクトが図れる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく、第1の本発明は、
走行車体(40)と、
移植対象物を供給する、前記走行車体(40)に設けられた供給装置(43)と、
前記供給装置の下方に設けられ、前記移植対象物を順次植え付ける植付装置(42)と、
前記供給装置に対向する位置に配置され、作業者が着座して前記移植対象物を前記供給装置に補給する作業を行う作業者用座席(46)と、
前記供給装置に補給される前記移植対象物を予め格納するコンテナ(130L、130R)を載置するコンテナ載置台(140L、140R)と、
前記コンテナ載置台(140L、140R)を回動可能に支持するコンテナ支持部と、を備え、
前記コンテナ支持部は、前記コンテナ載置台(140L、140R)を前記作業者用座席(46)の側方であって前記供給装置(43)の前方又は後方の位置である乗用作業位置と、前記コンテナ載置台(140L、140R)を前記供給装置(43)の側方の位置である歩行作業位置との何れかに回動可能であ
り、
圃場に散布する液剤を貯留するタンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を載置するタンク載置台(110L、110R)を備え、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンク載置台に載置される前記タンクが、前記供給装置(43)の下方であって、平面視で前記供給装置(43)と重複する位置に載置されるべく構成されており、
前記植付装置(42)は、
前記圃場に前記移植対象物を植え付けるべく、前記走行車体(40)の左右方向に四体並べて配置された植付具(20a、20b、20c、20d)と、
前記植付具(20a、20b、20c、20d)を上下移動させる上下動機構(21)とを有し、
前記上下動機構(21)は、前記四体の植付具(20a、20b、20c、20d)の内、前記走行車体(40)の左右方向を基準として左側の二体の前記植付具(20a、20b)を上下移動させる左側の上下動機構(21)と、前記四体の植付具(20a、20b、20c、20d)の内、前記左右方向を基準として右側の二体の前記植付具(20c、20d)を上下移動させる右側の上下動機構(21)とを有し、 前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンクが、前記走行車体(40)の左右方向を基準として前記上下動機構(21)の左側又は右側であって、且つ、前記走行車体(40)の前後方向を基準として前記植付具(20a、20b、20c、20d)の前側又は後側に載置されるべく構成されており、
前記走行車体(40)の後方に配置された、歩行操縦用の操縦ハンドル(47)を備え、
前記走行車体(40)は、
エンジン(41)からの動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後走行体(44)と、
前記後走行体(44)の前方に回転自在に配置された左右一対の前走行体(45)とを有し、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンクを前記走行車体(40)の前後方向に並べて載置する構成であり、
前記複数のタンク全体の重心位置が、前記前後方向を基準として、前記移植機(10)の重心位置よりも後側であって、且つ、前記後走行体(44)の回動軸(12)から前記後走行体(44)の半径以内に位置し、
前記作業者用座席(46)の左右両側において前記走行車体(40)の前後方向を基準として前側又は後側に延びた左右一対の乗降用プレート(120L、120R)とを備え、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンク載置台に載置される前記タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)が、前記左右一対の乗降用プレート(120L、120R)の外側であって、且つ前記供給装置寄りに載置されるべく構成されており、
前記供給装置(43)は、
前記移植対象物を収容する複数の収容体(22)と、
所定の配列ピッチでループ状に配置された前記複数の収容体(22)を、順次前記各植付具(20a、20b、20c、20d)の上方を通過させて周回移動させる移動機構(23)とを有し、
前記複数の各収容体(22)が、前記四体の植付具(20a、20b、20c、20d)の何れかに割当てられている、四条植えの移植機であって、
前記複数の収容体(22)の前記ループ状の周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる2つの直線状部分(28)と、前記2つの直線状部分(28)を繋ぐ左右の2つの円弧状部分(29)とを有し、
隣接する各条に対応する前記植付具(20a、20b、20c、20d)の左右の間隔は、等間隔であり、
前記周回移動経路の前記直線状部分(28)には、上死点落下供給位置(31b、31c)と、上動落下供給位置(31a)と、下動落下供給位置(31d)が設けられており、各供給位置は、左右方向に四体配列された前記植付具のそれぞれの上方位置に配置され、
前記移動機構(23)により、前記収容体(22)が、対応する前記植付具(20a、20b、20c、20d)の前記上方位置となる前記上死点落下供給位置(31b、31c)、前記上動落下供給位置(31a)又は前記下動落下供給位置(31d)に移動すると、前記収容体(22)が収容する前記移植対象物を、前記上下動機構(21)により上に移動された前記植付具(20a、20b、20c、20d)へ落下供給させる移植物落下機構(27、51、52、53、54b、54c、54d)を備え、
前記ループ状に配置された前記複数の収容体(22)は、複数の区画(25)に区切られ、前記各区画(25)に属する前記収容体(22)の数は、前記植付具(20a、20b、20c、20d)の数と同じであり、前記区画(25)に属する前記収容体(22)は、それぞれ互いに異なる前記植付具(20a、20b、20c、20d)に割当てられており、前記割当てられ方が、前記区画(25)同士において、前記周回移動の方向を基準として同一であり、
前記上死点落下供給位置(31b、31c)では、前記植付具(20b、20c)が上死点又は上死点近傍に到達したときに、前記移植対象物が前記植付具(20b、20c)へ落下供給され、
前記上動落下供給位置(31a)では、前記植付具(20a)が上死点へ向けて上動するタイミングで、前記移植対象物が前記植付具(20a)へ落下供給され、
前記下動落下供給位置(31d)では、前記植付具(20d)が上死点を過ぎて下動するタイミングで、前記移植対象物が前記植付具(20d)へ落下供給され、
前記上動落下供給位置(31a)に対応する前記植付具(20a)の移植対象物供給ガイド(32a)の投入口(32a1)の位置と、前記上死点落下供給位置(31b、31c)に対応する前記植付具(20b、20c)の移植対象物供給ガイド(32b、32c)の投入口(32b1、32c1)の位置は、前後方向にずれていることを特徴とする、移植機である。
また、第2の本発明は、
前記タンク載置台(110L、110R)は、平面視で長方形状をなし、上面側及び前面側が完全に開放されており、前記タンクを前記前面側から後方に向けてスライドさせながら載置出来る構成であり、
前記コンテナ載置台(140L、140R)は、前記コンテナ(130L、130R)の底面(130L1、130R1)を支持する底面支持板(141L、141R)と、前記底面支持板(141L、141R)が下端側に固定されて、前記コンテナ(130L、130R)の側面(130L2、130R2)に沿って下方から上方に延びる、側面視で略逆Uの字状に曲げられ、且つ、前記作業者用座席(46)側に向けて傾斜した側面支持パイプ(142L、142R)とを備える、ことを特徴とする上記第1の本発明の移植機である。
また、第3の本発明は、
前記供給装置(43)は、前記移植対象物を前記収容体(22)に補給するべく複数の前記移植対象物を載せるトレイ(160)を前記供給装置の上方に載置するトレイ載置用部材(161)を有し、
前記トレイ載置用部材(161)に載置される前記トレイ(160)の側方であって、前記作業者用座席に着座した作業者が視認可能に配置されたミラー(170)と、
前記四体の植付具(20a、20b、20c、20d)の後方に設けられた複数の覆土体(190a、190b、190c、190d)と、
前記覆土体(190a、190b、190c、190d)を回転可能に保持し、且つ上下揺動可能に支持する覆土体取り付け具(191a、191b、191c、191d)と、
左右方向の回動支点軸を中心として上下に回動可能に構成された、前記走行車体(40)を支持するスタンド(180)とを備え、
前記スタンド(180)が上側に回動された収納状態では、前記スタンド(180)の左側又は右側の端部は、最外条の位置に対応する前記覆土体(190a、190b、190c、190d)を支持する覆土体取り付け具(191a、191b、191c、191d)の下方に位置しており、
前記覆土鎮圧輪(190a、190b、190c、190d)を回転自在に支持する車軸部(196a、196b、196c、196d)に両端が固定されたスクレーパ(195a、195b、195c、195d)を備え、
前記スクレーパ(195a、195b、195c、195d)は、ワイヤーで形成されており、且つ、平面視でU字状を呈していると共に、中央部が前記覆土鎮圧輪(190a、190b、190c、190d)の後端側を回り込む構成である、ことを特徴とする上記第1又は第2の本発明の移植機である。
また、本発明に関連する第1発明は、
走行車体(40)と、
移植対象物を供給する、前記走行車体(40)に設けられた供給装置(43)と、
前記供給装置の下方に設けられ、前記移植対象物を順次植え付ける植付装置(42)と、
圃場に散布する液剤を貯留するタンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を載置するタンク載置台(110L、110R)とを、備え、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンク載置台に載置される前記タンクが、前記供給装置(43)の下方であって、平面視で前記供給装置(43)と重複する位置に載置されるべく構成されていることを特徴とする、移植機である。
【0008】
また、
本発明に関連する第2発明は、
前記植付装置(42)は、
前記圃場に前記移植対象物を植え付けるべく配置された植付具(20a、20b、20c、20d)と、
前記植付具(20a、20b、20c、20d)を上下移動させる上下動機構(21)とを有し、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンクが、前記走行車体(40)の左右方向を基準として前記上下動機構(21)の左側又は右側であって、且つ、前記走行車体(40)の前後方向を基準として前記植付具(20a、20b、20c、20d)の前側又は後側に載置されるべく構成されていることを特徴とする、上記
本発明に関連する第1発明の移植機である。
【0009】
また、
本発明に関連する第3発明は、
前記走行車体(40)の後方に配置された、歩行操縦用の操縦ハンドル(47)を備え、
前記走行車体(40)は、
エンジン(41)からの動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後走行体(44)と、
前記後走行体(44)の前方に回転自在に配置された左右一対の前走行体(45)とを有し、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンクを前記
走行車体(40)の前後方向に並べて載置する構成であり、
前記複数のタンク全体の重心位置が、前記前後方向を基準として、前記移植機(10)の重心位置よりも後側であって、且つ、前記後走行体(44)の回動軸(12)から前記後走行体(44)の半径以内に位置することを特徴とする、上記
本発明に関連する第1又は第2発明の移植機である。
【0010】
また、
本発明に関連する第4発明は、
前記供給装置に対向する位置に配置され、作業者が着座して前記移植対象物を前記供給装置に補給する作業を行う作業者用座席(46)と、
前記作業者用座席(46)の左右両側において前記
走行車体(40)の前後方向を基準として前側又は後側に延びた左右一対の乗降用プレート(120L、120R)とを備え、
前記タンク載置台(110L、110R)は、前記タンク載置台に載置される前記タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)が、前記左右一対の乗降用プレート(120L、120R)の外側であって、且つ前記供給装置寄りに載置されるべく構成されていることを特徴とする、上記
本発明に関連する第1〜第3の何れか一つの発明の移植機である。
【0011】
また、
本発明に関連する第5発明は、
前記供給装置に補給される前記移植対象物を予め格納するコンテナ(130L、130R)を載置するコンテナ載置台(140L、140R)を備え、
前記コンテナ載置台(140L、140R)を回動可能に支持するコンテナ支持部を備え、
前記コンテナ支持部は、前記コンテナ載置台(140L、140R)を前記作業者用座席(46)の側方であって前記供給装置(43)の前方又は後方の位置である乗用作業位置と、前記コンテナ載置台(140L、140R)を前記供給装置(43)の側方の位置である歩行作業位置との何れかに回動可能であることを特徴とする、上記
本発明に関連する第4発明の移植機である。
【0012】
また、
本発明に関連する第6発明は、
前記供給装置(43)は、
前記移植対象物を収容する複数の収容体(22)と、
前記複数の収容体(22)をループ状に配置して周回移動させる移動機構(23)と、
前記移植対象物を前記収容体(22)に補給するべく複数の前記移植対象物を載せるトレイ(160)を前記供給装置の上方に載置するトレイ載置用部材(161)とを有し、
前記トレイ載置用部材(161)に載置される前記トレイ(160)の側方であって、前記作業者用座席に着座した作業者が視認可能に配置されたミラー(170)を備えたことを特徴とする、上記
本発明に関連する第4又は第5発明の移植機である。
【0013】
また、
本発明に関連する第7発明は、
前記植付装置(42)は、
左右方向に3個以上配列された圃場に移植対象物を植え付ける植付具(20a、20b、20c、20d)と、
前記植付具(20a、20b、20c、20d)を所定の作動軌跡で上下動する上下動機構(21)とを有し、
前記供給装置(43)は、
前記移植対象物を収容する複数の収容体(22)と、
所定の配列ピッチでループ状に配置された前記複数の収容体(22)を、順次前記各植付具(20a、20b、20c、20d)の上方を通過させて周回移動させる移動機構(23)とを有し、
前記複数の各収容体(22)が、前記複数の植付具(20a、20b、20c、20d)の何れかに割当てられている、3条以上の移植対象物を植え付ける構成であって、
前記移動機構(23)により、前記収容体(22)が、対応する前記植付具(20a、20b、20c、20d)の上方位置となる上死点落下供給位置(31b、31c)、上動落下供給位置(31a)又は下動落下供給位置(31d)に移動すると、前記収容体(22)が収容する前記移植対象物を、前記上下動機構(21)により上に移動された前記植付具(20a、20b、20c、20d)へ落下供給させる移植物落下機構(27、51、52、53、54b、54c、54d)を備え、
前記ループ状に配置された前記複数の収容体(22)は、複数の区画(25)に区切られ、前記各区画(25)に属する前記収容体(22)の数は、前記植付具(20a、20b、20c、20d)の数と同じであり、前記区画(25)に属する前記収容体(22)は、それぞれ互いに異なる前記植付具(20a、20b、20c、20d)に割当てられており、同一の前記植付具(20a、20b、20c、20d)に割当てられている前記各区画(25)におけるそれぞれの前記収容体(22)の、前記各区画(25)内の順番は同一であり、
前記複数の収容体(22)の前記ループ状の周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる2つの直線状部分(28)と、前記2つの直線状部分(28)を繋ぐ左右の2つの円弧状部分(29)とを有し、
隣接する各条に対応する前記植付具(20a、20b、20c、20d)の左右の間隔は、等間隔であり、
前記上死点落下供給位置(31b、31c)、前記上動落下供給位置(31a)及び前記下動落下供給位置(31d)は、前記周回移動経路の前記直線状部分(28)に配置されており、
前記上死点落下供給位置(31b、31c)では、前記植付具(20b、20c)が上死点又は上死点近傍に到達したときに、前記移植対象物が前記植付具(20b、20c)へ落下供給され、
前記上動落下供給位置(31a)では、前記植付具(20a)が上死点へ向けて上動するタイミングで、前記移植対象物が前記植付具(20a)へ落下供給され、
前記下動落下供給位置(31d)では、前記植付具(20d)が上死点を過ぎて下動するタイミングで、前記移植対象物が前記植付具(20d)へ落下供給され、
前記上動落下供給位置(31a)に対応する前記植付具(20a)の移植対象物供給ガイド(32a)の投入口(32a1)の位置と、前記上死点落下供給位置(31b、31c)に対応する前記植付具(20b、20c)の移植対象物供給ガイド(32b、32c)の投入口(32b1、32c1)の位置は、前後方向にずれていることを特徴とする、上記
本発明に関連する第1発明の移植機である。
【0014】
また、
本発明に関連する第8発明は、
前記植付具(20a、20b、20c、20d)は、複数設けられており、
前記複数の植付具(20a、20b、20c、20d)の後方に設けられた複数の覆土体(190a、190b、190c、190d)と、
前記覆土体(190a、190b、190c、190d)を回転可能に保持し、且つ上下揺動可能に支持する覆土体取り付け具(191a、191b、191c、191d)と、
左右方向の回動支点軸を中心として上下に回動可能に構成された、前記走行車体(40)を支持するスタンド(180)とを備え、
前記スタンド(180)が上側に回動された収納状態では、前記スタンド(180)の左側又は右側の端部は、最外条の位置に対応する前記覆土体(190a、190b、190c、190d)を支持する覆土体取り付け具(191a、191b、191c、191d)の下方に位置していることを特徴とする、上記
本発明に関連する第2発明の移植機である。
【発明の効果】
【0015】
第1の本発明によって、乗用作業位置であるか歩行作業位置であるかに関わらず、作業者は移植対象物の取り出しを容易に行え、移植作業の汎用性が図れるという効果を発揮する。
また、第1の発明によって、供給装置(43)の下方の空きスペースを有効利用出来、機体(移植機)のコンパクト化が図れるという効果を発揮する。
また、第1の本発明によって、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を走行車体(40)の左右方向を基準として内寄りに配置出来る構成であり、機体の左右幅を縮小化出来て機体のコンパクト化が図れるという効果を発揮する。
また、第1の本発明によって、作業者が操縦ハンドル(47)を押し下げての機体の旋回操作が容易になるという効果を発揮する。
また、第1の本発明によって、作業者の乗降性が良好となる。また、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)により多量の液剤を貯留可能としながら、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を出来るだけ植付装置(42)に近づけて配置出来、散布装置のコンパクト化及び散布作業性の向上が図れるという効果を発揮する。
また、第1の本発明によって、植付具(20a、20b、20c、20d)へ的確に移植対象物を供給出来るという効果を発揮する。
また、第2の本発明によって、上記第1の本発明の効果に加えて、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を前面側から後方に向けてスライドさせながら載置出来る。
また、第3の本発明によって、上記第1又は第2の本発明の効果に加え、配置されたトレイ(160)が、ミラー(170)による視認性を妨げないという効果を発揮する。
また、第3の本発明によって、作業者は、走行車体(40)の左右方向の側方(最外条側)からスタンド(180)を容易に操作出来るという効果を発揮する。
また、第3の本発明によって、スクレーパがワイヤーで形成されているので、スクレーパ自体にも土が付着し難く、また、作業者の足が覆土鎮圧輪に当たるのを防止することも出来るという効果を発揮する。
また、本発明に関連する第1発明によって、供給装置(43)の下方の空きスペースを有効利用出来、機体(移植機)のコンパクト化が図れるという効果を発揮する。
【0016】
本発明に関連する第2発明によって、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を走行車体(40)の左右方向を基準として内寄りに配置出来る構成であり、機体の左右幅を縮小化出来て機体のコンパクト化が図れるという効果を発揮する。
【0017】
本発明に関連する第3発明によって、作業者が操縦ハンドル(47)を押し下げての機体の旋回操作が容易になるという効果を発揮する。
【0018】
本発明に関連する第4発明によって、作業者の乗降性が良好となる。また、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)により多量の液剤を貯留可能としながら、タンク(100L1、100L2、100R1、100R2)を出来るだけ植付装置(42)に近づけて配置出来、散布装置のコンパクト化及び散布作業性の向上が図れるという効果を発揮する。
【0019】
本発明に関連する第5発明によって、乗用作業位置であるか歩行作業位置であるかに関わらず、作業者は移植対象物の取り出しを容易に行え、移植作業の汎用性が図れるという効果を発揮する。
【0020】
本発明に関連する第6発明によって、配置されたトレイ(160)が、ミラー(170)による視認性を妨げないという効果を発揮する。
【0021】
本発明に関連する第7発明によって、植付具(20a、20b、20c、20d)へ的確に移植対象物を供給出来るという効果を発揮する。
【0022】
本発明に関連する第8発明によって、作業者は、走行車体(40)の左右方向の側方(最外条側)からスタンド(180)を容易に操作出来るという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0025】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の移植機の一例として玉葱苗を移植する玉葱苗移植機10を示す側面図である。
図2と
図3は、玉葱苗移植機10の平面図であるが、説明の都合上、
図2では、ミラーとテーブルを描いており、
図3では、鎮圧輪とスタンドを描いている点等で双方は異なるが、基本的に同じ玉葱苗移植機10の平面図である。また、
図4は、玉葱苗移植機10の要部のみを示した概略正面図である
尚、以下の説明では、操縦ハンドル47を配置した側を後とし、その反対側、すなわちエンジン41を配置した側を前とする。そして、機体前側に向かって右手側を右とし、左手側を左とする。
【0026】
本実施の形態の玉葱苗移植機10は、
図1〜
図4に示す通り、機体を前進走行可能とする走行車体40と、走行車体40の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル47と、圃場に苗を植付ける植付装置42と、植付装置42に苗を供給する苗供給装置43と、移植した苗に散布する水や肥料等の液剤を貯留するタンク100L1、100L2、100R1、100R2を機体の左右両側において前後方向に2つずつ並べて載置するべく左右一対のタンク載置台110L、110Rとを備えている。尚、これらタンクの載置位置は、後述する上下動機構21の左側及び右側であって、且つ、第1植付具20a、第4植付具20dの前側の位置に対応する。
【0027】
まず、最初に走行車体40を中心に説明する(
図1、
図2参照)。即ち、走行車体40は、エンジン41と、エンジン41の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の駆動車輪である後輪44と、後輪44の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪45とを備えている。
【0028】
エンジン41の後側には、ミッションケース39が配置されている。ミッションケース39は、その左側部からエンジン41の左側方に延びるケース部分を有しており、このケース部分がエンジン41の左側部と連結している。このケース部分にエンジン41の出力軸が入り込んでミッションケース39内の伝動機構に動力が伝達される構成となっている。
【0029】
ミッションケース39の左右両側部には、前後に長い走行用伝動ケース38の前部が回動自在に取り付けられている。具体的には、走行用伝動ケース38の前部の機体内側部に、走行用伝動ケース38と一体回転可能に回転するアクスルケース11を設け、このアクスルケース11をミッションケース39の左右両側部に回動自在に取付けて、走行用伝動ケース38をミッションケース39の左右両側部に対応して回動自在に取付けている。そして、この走行用伝動ケース38の後部側方に突出させた後輪車軸12に後輪44を装着している。
【0030】
走行用伝動ケース38の前部の回動軸心位置には、ミッションケース39から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで、ミッションケース39内の走行部系変速伝動部を経た走行用の動力が走行用伝動ケース38内の伝動機構に伝達される。そして、走行用の動力は走行用伝動ケース38内の伝動機構を介して、走行用伝動ケース38の後端車軸12に伝動し、後輪44が駆動回転する構成としている。
【0031】
尚、ミッションケース39内に設けた左右それぞれのサイドクラッチ(図示せず)により、左右の各後輪44の駆動を断つことが出来る構成になっている。従って、作業者が機体を旋回させるときには、サイドクラッチにより旋回内側となる左右一方の後輪44を非駆動状態にしてスムーズに旋回出来る構成としている。
【0032】
ここで、タンク載置台110L、110Rについて説明する(
図1、
図2、
図4参照)。
【0033】
即ち、タンク載置台110L、110Rは、平面視で長方形状をなし、上面側及び前面側が完全に開放されており、タンクを前面側から後方に向けてスライドさせながら載置出来る構成である(
図2の矢印A参照)。
【0034】
また、タンク載置台110L、110Rに載置された左右2つずつのタンク100L1,100L2と、100R1、100R2の全体の重心位置が、前後方向を基準として、側面視で、これらタンクが載置されていない状態での玉葱苗移植機10の重心位置よりも後側であって、後輪車軸12から後輪44の半径以内に位置するべく構成されている。
【0035】
これにより、液剤が貯留されたタンク100L1、100L2、100R1、100R2が載置されている状態の玉葱苗移植機10の重心位置が後輪44の接地位置の近傍に位置するので、作業者が操縦ハンドル47を押し下げての機体の旋回操作が容易になるという効果を発揮する。
【0036】
また、
図1、
図2に示す通り、タンク載置台110L、110Rは、タンク載置台に載置されるタンク100L1、100R1の後側半分程度が、苗供給装置43の下方であって、平面視で、苗供給装置43と重複する位置に載置されるべく構成されている。
【0037】
これにより、苗供給装置43の下方の空きスペースを有効利用出来、機体のコンパクト化が図れるという効果を発揮する。
【0038】
また、本実施の形態の玉葱苗移植機10では、作業者用座席46の左右両側において、前側に延びた左右一対の乗降用プレート120L、120Rが設けられている。そして、タンク載置台110L、110Rは、そこに載置されるタンク100L1、100L2、100R1、100R2が、左右一対の乗降用プレート120L、120Rの外側であって、且つ、苗供給装置43寄りに載置されるべく構成されている。
【0039】
これにより、乗降用プレート120L、120Rの前側に空きスペースが出来るので作業者の乗降性が良好となる。また、タンクにより多量の液剤を貯留可能としながら、タンクを出来るだけ植付装置42に近づけて配置出来、散布装置のコンパクト化及び散布作業性の向上が図れるという効果を発揮する。
【0040】
再び走行用伝動ケース38の説明に戻る。即ち、走行用伝動ケース38には、走行用伝動ケース38の前部側を回動支点として後輪44を上下させる、上下回動する駆動手段が連結されている。具体的には、走行用伝動ケース38のミッションケース39への取付部には、上方に延びるアーム13が一体的に取り付けられており、アーム13がミッションケース39に固定された昇降用油圧シリンダー(図示省略)のピストンロッド先端に取り付けた連結体の左右両側部と連結している。左右一方側(右側)は、連結ロッドで連結し、他方側(左側)は、機体の傾斜に対応して伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダー(図示省略)で連結している。
【0041】
昇降用油圧シリンダーが作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右のアーム13は後方に回動し、これに伴い走行用伝動ケース38が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダーのピストンロッドが機体前方に移動してシリンダー内に引っ込むと、左右のアーム13は前方に回動し、これに伴い走行用伝動ケース38が上方に回動して、機体が下降する。
【0042】
この昇降用油圧シリンダーは、畝面に接地して機体と畝面との上下間隔の変動に伴って動作するセンサー14によって作動する。センサー14の動作は機体に対する畝上面高さを検出する動作となり、そのセンサー14の検出動作に基づいて機体を畝上面高さに対応して設定高さに為るべく昇降用油圧シリンダーが作動する構成としている。
【0043】
また、左右水平制御用油圧シリンダーが伸縮作動すると、その左右水平制御用油圧シリンダーと連結する左側のアーム13が回動して、左側の後輪44のみを上下動させ、機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダーは、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサー(図示省略)の検出結果に基づいて作動して、機体を左右水平にする構成としている。
【0044】
エンジン41下方の左右中央位置で前後方向の軸心回りに回動自在に取り付けた横フレーム16の左右両側部に、上下に長い縦フレーム17が取付けられており、左右前輪45は、縦フレーム17の下端部側方に固着した前輪車軸18に回転自在に取り付けられている。従って、左右前輪45は、機体の左右中央の前後方向の軸心回りにローリング動自在となっている。また、横フレーム16の左右両側部を基準として、縦フレーム17が上下調節可能に設けられており、前輪45の高さ調節をすることが出来る構成としている。
【0045】
操縦ハンドル47は、機体後部に設けられており、後輪44の後輪車軸12より機体後側に位置している。具体的には、ミッションケース39に前端部を固定した機体フレーム19の後端部に取り付けられている。
【0046】
機体フレーム19は、機体の左右中央で後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。
【0047】
操縦ハンドル47は、機体フレーム19の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル47のグリップ部としている。
【0048】
尚、
図2、
図3では、グリップ部を左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル47の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0049】
次に、植付装置42を中心に説明する(
図1参照)。即ち、植付装置42は、先端が下方に向かう嘴状の複数の植付具と、植付具の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに植付具を上下動させる上下動機構21と、嘴状の植付具の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能とする閉状態と植付具の下端部が左右に開いて内側に収容していた苗を下方に放出可能とする開状態とに植付具を開閉する開閉機構21aとを備える。
【0050】
本実施の形態の植付装置42は、植付具を左右に複数体並べて配備した複数条植の構成としている。具体的には、植付具を左右方向に等間隔で四体並べて配備した4条植えの構成としており、これらの植付具を、機体左側から順に第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dとする。
【0051】
4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dは、植付駆動伝動ケース(図示省略)の左右両側部に設けられた上下動機構21に2体ずつ装着されている。尚、植付駆動伝動ケースは、ミッションケース39からの駆動力を上下動機構21に伝える機構であり、機体フレーム19に下部を固定した取付部材(図示省略)の上部に固着されている。
【0052】
上下動機構21は、植付駆動伝動ケースを基準として前部が上下回動自在に装着され、後部の左右両側に植付具が連結された昇降リンクを備えている。そして、別途設けた駆動機構により植付駆動伝動ケース内からの動力で昇降リンクを上下動させ、昇降リンクの左右に連結した、第1植付具20a及び第2植付具20b、又は、第3植付具20c及び第4植付具20dが上下動する構成となっている。
【0053】
具体的には、
図1に示す通り、第1植付具20a〜第4植付具20dの先端部を側面視で略8の字状の作動軌跡15で上下動させる構成となっている。尚、図中において、矢印の示す方向が先端部の移動方向に対応している。
【0054】
この上下動の上昇位置では各植付具20a〜20dの下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では各植付具20a〜20dの下端部が圃場面より下方に位置する。
【0055】
各植付具20a〜20dの開閉機構21aは、植付駆動伝動ケース内からの動力で作動し、上下動機構21の作動に連動して、各植付具20a〜20dが下降して下端位置に達するとその植付具20a〜20dの下部側を左右に開いて開放状態とし、各植付具20a〜20dが上昇して上端位置に達するとその植付具20a〜20dの下部側を閉じて閉塞状態とする構成である。
【0056】
4体の植付具20a〜20dの上死点における前後方向の位置は、同じである。
【0057】
従って、左側の上下動機構21によって上下動される第1植付具20a及び第2植付具20bによって圃場の左右方向に並んだ位置に同時に苗が植え付けられ、右側の上下動機構21によって上下動される第3植付具20c及び第4植付具20dによって圃場の左右方向に並んだ位置に同時に苗が植え付けられる。
【0058】
左右の上下動機構21は、互いに180度位相を異ならせて作動する構成となっているので、第1植付具20a及び第2植付具20bによって植え付けられる左側2条の苗と、第3植付具20c及び第4植付具20dによって植え付けられる右側2条の苗が、前後方向に互い違いに植え付けられていき、その結果、左右の2条分ずつ、苗が千鳥状に植え付けられていく。
【0059】
次に、苗供給装置43を中心に説明する(
図1、
図2、
図5、
図6参照)。即ち、苗供給装置43は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体22と、苗収容体22を、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方を通過させて周回移動させる移動機構23(
図2参照)と、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方位置で苗収容体22の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかに苗を供給させる苗落下機構24(
図5、
図7参照)とを備える。尚、苗落下機構24については、更に後述する。
【0060】
各苗収容体22は、上下に開口する筒状体と、その筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋27(
図6参照)とを有し、互いにループ状に連結している。
【0061】
移動機構23は、連結した各苗収容体22が各植付具20a〜20dの上方近傍を通過する状態で、機体平面視で左右に長い長円形状のループ状の軌跡で、連結した苗収容体22を左回りに周回動させる(
図2、
図5参照)。
【0062】
苗落下機構24は、苗収容体22の底蓋27を、その苗収容体22に対応する、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかの上方位置で開放する。
【0063】
本実施の形態では、苗収容体22の外周に円筒外周部を形成し、その円筒外周部に外側から回動自在に接続する係合部(丸孔)を設けて、2つの苗収容体22を連結する連結体を複数形成した。そして、その連結体の係合部を苗収容体22の円筒外周部に回動自在に接続し、その円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体22が回動自在に連結する状態として、複数の苗収容体22を互いに連結した構成としている。すなわち、苗収容体22と連結体とで無端チェーンの如く連結した構成である。
【0064】
これにより、苗収容体22は、直線的に移動する直線状部分28でも円弧状に移動する円弧状部分29でも隣接する苗収容体22との間隔が変わらないので、苗収容体22から各植付具20a〜20dに苗を供給する個所で、苗収容体22の各植付具20a〜20dに対する位置ズレが生じ難くなり、苗供給が適正に行われて適確な苗の植え付けが出来る。
【0065】
苗収容体22の個数と周回動する範囲を設定した上で、苗収容体22の上側開口部を可能な限り広く形成出来て、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体22への苗補給作業を出来るだけ容易に行えるものとなる。
【0066】
苗供給装置43の移動機構23は、無端チェーンの如く互いに連結する苗収容体22を、左右に設けたスプロケットの外周の円弧状切欠部に巻き掛け、この左右のスプロケットを植付駆動伝動ケース内から取り出した動力で駆動回転することにより、各苗収容体22を周回動させる構成としている。
【0067】
苗収容体22が周回する周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる直線状部分28と、スプロケットにより直線状部分28から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分29とを備えた長円状であり、左右の後輪44より機体内側に配置されている。
【0068】
また、各植付具20a〜20dは、後輪車軸12の位置よりも後側に配置している。
【0069】
苗供給装置43は、4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dに合わせて苗収容体22が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
【0070】
次に、
図1〜
図4を用いて、苗供給装置43に補給される玉葱苗を予め格納するコンテナ130L、130Rを載置する左右一対のコンテナ載置台140L、140Rについて説明する。
【0071】
コンテナ130L、130Rは上面側が開放された直方体形状の箱体である。
【0072】
図4に示す通り、左右一対のコンテナ載置台140L、140Rは、コンテナ130L、130Rの底面130L1、130R1を支持する底面支持板141L、141Rと、底面支持板141L、141Rが下端側に固定されて、コンテナ130L、130Rの側面130L2、130R2に沿って下方から上方に延びる、側面視で略逆Uの字状に曲げられ、且つ、作業者用座席46側に向けて少し傾斜した側面支持パイプ142L、142Rと、その側面支持パイプ142L、142Rの下端部142L1、142R1が固定された、平面視で略への字状(
図1参照)の下端支持部材143L、143Rとを備えている。
【0073】
一方、左右一対のコンテナ載置台140L、140Rを、作業者用座席46の左右両側において、回動自在に支持する左右一対のコンテナ載置台支持パイプ150L、150Rが、正面から視て、それぞれ走行車体40側から斜め上方に向けて延びている(
図4参照)。即ち、
図4に示す通り、コンテナ載置台の下端支持部材143L、143Rの一端部143L1、143R1が、コンテナ載置台支持パイプの上端部150L1、150R1において、回動自在に連結されており、平面視で矢印Bの方向に軸芯143L2、143R2(
図1参照)を中心にして180度回動可能である。
【0074】
即ちこの構成により、コンテナ載置台140L、140Rを、作業者用座席46の側方であって、苗供給装置43の前方の位置である乗用作業位置(
図2において実線で示した)と、コンテナ載置台140L、140Rを、苗供給装置43の側方の位置である歩行作業位置(
図2において二点鎖線で示した)の何れかに容易に切り替えることが可能である。
【0075】
これにより、歩行作業者(補助)にも苗を取り易い位置にコンテナ載置台を容易に移動させることが出来て、乗用作業でも歩行作業でも、苗の取り出しを容易に行えて、苗移植作業の汎用性が向上する。尚、歩行作業における作業者の立ち位置を符号Cで示した。
【0076】
次に、
図1、
図2を用いて、苗供給装置43の上方に配置されたトレイ160と、ミラー170について説明する。
【0077】
即ち、コンテナ130L、130Rに収納されている苗の束を作業者が予め取り出して、苗収容体22に補給するときの前準備として、苗収容体22に補給する際に取り易くすることを目的として、その苗束をばらして並べる作業を行う、底面が作業者側に少し傾斜した、平面視で長方形状のトレイ160が、苗落下機構24(
図7参照)から上方に延びる固定部材161に固定されている。尚、本実施の形態の固定部材161は、本発明のトレイ載置用部材の一例にあたる。
【0078】
また、トレイ160の右側であって、苗供給装置43の後方には、作業者用座席46に着座した作業者が、作業中において前方側を視認可能としたミラー170が配置されている。
【0079】
ミラー170は、ミラー本体171と、ミラー本体171が一端部に取り付けられて、他端部が苗落下機構24側に固定されたミラー取り付け部材172とから構成されている。
【0080】
これにより、ミラー本体171は、トレイ160の右端より更に右側であって、苗供給装置43の上方に位置している為、トレイ160が配置されていても、前方側の視認が確実に行える。
【0081】
次に、
図1、
図3を用いて、ワンタッチスタンド180について説明する。
【0082】
本実施の形態の玉葱苗移植機10は、第1〜第4植付具20a〜20dが植付けた苗に合わせて覆土鎮圧する第1〜第4覆土鎮圧輪190a〜190dを、第1〜第4植付具20a〜20dの苗植付け個所の後方左右両側近傍位置に設けている。
【0083】
また、
図3に示す通り、第1植付具20aの後方に配置された一対の第1覆土鎮圧輪190aを一端側で回転自在に保持する第1フレーム191aと、第2植付具20bの後方に配置された一対の第2覆土鎮圧輪190bを一端側で回転自在に保持する第2フレーム191bと、第3植付具20cの後方に配置された一対の第3覆土鎮圧輪190cを一端側で上下揺動可能に保持する第3フレーム191cと、第4植付具20dの後方に配置された一対の第4覆土鎮圧輪190dを一端側で回転自在に保持する第4フレーム191dとが、それぞれの他端において、フレーム支持軸192により回動可能に支持されている。
【0084】
次に、各覆土鎮圧輪に設けられた第1スクレーパ〜第4スクレーパについて説明する(
図10(a)、(b)参照)。
【0085】
図10(a)、
図10(b)に示す通り、第1スクレーパ195a〜第4スクレーパ195dは、第1覆土鎮圧輪190a〜第4覆土鎮圧輪190dの両側面に付着した土をそぎ落とすべく、その第1両端部195a1〜第4両端部195d1が、第1覆土鎮圧輪190a〜第4覆土鎮圧輪190dを回転自在に支持する第1車軸部196a〜第4車軸部196dにそれぞれ固定され、その中央部が第1覆土鎮圧輪190a〜第4覆土鎮圧輪190dの後端側を回り込み、平面視で略U字形状を呈している構成である。
【0086】
また、第1スクレーパ195a〜第4スクレーパ195dは、弾性体ワイヤーで形成されているので、スクレーパ自体にも土が付着し難く、また、作業者の足が各覆土鎮圧輪190a〜190dに当たるのを防止することも出来る構成である。
【0087】
また、走行車体40を支持するワンタッチスタンド180は、走行車体40下部のフレーム(図示省略)に連結された一端側を回動軸として、他端側が上下に回動可能に構成されている。
【0088】
また、
図3に示す通り、ワンタッチスタンド180は、下側に回動された作動状態において地面に接する左右方向に延びた接地バー181を備えている。
【0089】
そして、ワンタッチスタンド180が、上側に回動された収納状態(
図1参照)では、その接地バー181の左端部181aは、最外条の位置に対応する、即ち、本実施の形態では第1植付具20aに対応する第1覆土鎮圧輪190aを保持する第1フレーム191aの下方に位置するべく、左側に突き出た構成である(
図3参照)。
【0090】
これにより、作業者は、走行車体40の左方向の側方(最外条側)からワンタッチスタンド180を容易に操作出来る。
【0091】
なお、上記構成は接地バー181を左側の最外条に対応する位置まで延ばした構成であるが、接地バー181を右側の最外条に対応する位置まで延ばした構成でもよく、接地バー181を左右両側で最外条に対応する位置まで延ばした構成(
図10(a)参照)でもよい。
【0092】
即ち、
図10(a)は、上述した本実施の形態のワンタッチスタンド180の変形例を示す第2ワンタッチスタンド1180を示しており、第2接地バー1181の第2左端部1181aは、左側の最外条の位置に対応する位置まで延びており、また、第2接地バー1181の第2右端部1181bは、右側の最外条の位置に対応する位置まで延びている。また、第2ワンタッチスタンド1180の第2接地バー1181は、その中央部において、一端側がスタンド回動軸1184を軸芯として上下方向に回動自在に取り付けられた左右一対のスタンド支持フレーム1182L、1182Rに固定されている。また、左右一対のスタンド支持フレーム1182L、1182Rの間には、スタンド支持フレーム固定バー1183が設けられており、その中央には、一端1201が走行車体40の後端下部1040に固定された引っ張りバネ部材1200の他端1202が固定されている。この引っ張りバネ部材1200の復元力により、作業者は、走行車体40の左方向の側方(左側の最外条側)又は、右方向の側方(右側の最外条)から第2ワンタッチスタンド1180をより小さな力で容易に操作出来る。
【0093】
次に、
図5〜
図7を用いて、苗落下機構24による各植付具20a〜20dへの苗の供給動作について説明する。
【0094】
図5は、苗落下機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置43を上から見た模式図である。
【0095】
各植付具20a〜20dに対応して落下供給する苗を収容する苗収容体22を各別に設けている。尚、
図5は、左から2条目に対応する第2植付具20bへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示している。
【0096】
図5の各苗収容体22に記載の数字1〜4は、苗を落下供給する各植付具20a〜20dに対応する苗収容体22の区別を表している。
【0097】
第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dは、それぞれ、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dで、苗収容体22から苗が落下供給される。
【0098】
図5において、番号1の苗収容体22は、周回径路上で最初に通過する第1落下供給位置31aで底蓋27(
図6参照)が開き、第1落下供給位置31aで内側に収容している苗が第1植付具20aへ落下供給される。
【0099】
番号2の苗収容体22は、第1落下供給位置31aでは底蓋27は開かず、第2落下供給位置31bで底蓋27が開き、第2落下供給位置31bで内側に収容している苗が第2植付具20bへ落下供給される。
【0100】
番号3の苗収容体22は、第1落下供給位置31a及び第2落下供給位置31bでは底蓋27は開かず、第3落下供給位置31cで底蓋27が開き、第3落下供給位置31cで内側に収容している苗が第3植付具20cへ落下供給される。
【0101】
番号4の苗収容体22は、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31cでは底蓋27は開かず、第4落下供給位置31dで底蓋27が開き、第4落下供給位置31dで内側に収容している苗が第4植付具20dへ落下供給される。
【0102】
尚、機体の内側に配置されている第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31cが、本発明の上死点落下供給位置の一例にあたり、左端に配置されている第1落下供給位置31aが、本発明の上動落下供給位置の一例にあたり、右端に配置されている第4落下供給位置31dが、本発明の下動落下供給位置の一例にあたる。
【0103】
番号1〜4で区別した苗収容体22ごとに対応する落下供給位置で苗を落下供給させる構成例について説明する。
【0104】
図6(a)〜(d)に、苗収容体22の底蓋27部分の構成を示す。
図6(a)〜(d)は、それぞれ、
図5に示した番号1〜4の苗収容体22に対応する底蓋27部分を示している。
図6(a)〜(d)は、それぞれ、図に向かって上側を苗収容体22の周回移動経路の内側向きとして記載し、左に平面図を示し、右に側面図を示している。
【0105】
図6(b)〜(d)に示す通り、番号2〜4の苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側又は外側に突出する開閉規制板部が設けられている。
【0106】
図6(b)に示す通り、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の外側に向けて突出する第2開閉規制板部54bが設けられている。また、
図6(c)に示す通り、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側に向けて突出する第3開閉規制板部54cが設けられている。また、
図6(d)に示す通り、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側及び外側の両側に向けて突出する第3開閉規制板部54dが設けられている。一方、
図6(a)に示す通り、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27には、開閉規制板部は設けられていない。
【0107】
図7に、苗供給装置43を周回移動する苗収容体22を支持する支持構造を上から見た図を示す。
【0108】
各苗収容体22の下には、底蓋27の中央部分に接触する構成で周回経路に沿った収容体支持軸52が配置されている。
【0109】
図7に示す通り、収容体支持軸52は、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの部分では一部途切れている。収容体支持軸52が途切れて欠如している部分の一部には、周回経路の内側部分に内側支持軸51が配置され、周回経路の外側部分に外側支持軸53が配置されている。
【0110】
番号2及び番号4で区別される苗収容体22は、周回経路上の収容体支持軸52が欠如した部分を通過するときでも、第2開閉規制板部54b又は第4開閉規制板部54dが外側支持軸53によって支持されるので、外側支持軸53が配置されている部分では、底蓋27が閉じたまま周回経路を移動する。
【0111】
同様に、番号3及び番号4で区別される苗収容体22は、周回経路上の収容体支持軸52が欠如した部分を通過するときでも、第3開閉規制板部54c又は第4開閉規制板部54dが内側支持軸51によって支持されるので、内側支持軸51が配置されている部分では、底蓋27が閉じたまま周回経路を移動する。
【0112】
この構成により、各苗収容体22は、対応する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c又は第4落下供給位置31dを通過するときに底蓋27が開き、収容している苗が落下する。
【0113】
すなわち、第1落下供給位置31aでは、収容体支持軸52が欠如しているが、内側支持軸51及び外側支持軸53が配置されているので、番号2〜番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27のみが開き、苗を落下させる。また、第2落下供給位置31bでは、内側支持軸51は配置されているが外側支持軸53が無いので、番号3及び番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27が開き、苗を落下させる。また、第3落下供給位置31cでは、内側支持軸51が無いので、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27が開き、苗を落下させる。そして、第4落下供給位置31
dでは、収容体支持軸52が欠如しており、内側支持軸51も外側支持軸53も配置されておらず、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27も開き、苗を落下させる。
【0114】
本実施の形態では、
図5に示す通り、苗収容体22に番号1〜4で区別した各別の苗収容体22を1個ずつ備えて周回移動経路で隣接させた4個の苗収容体22からなる苗収容ユニット25を構成し、移動機構23により苗収容ユニット25を同一の周回移動経路で複数組(8組)周回移動させる構成とし、計32個の苗収容体22を周回移動させる。そして、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dのそれぞれに対応する4箇所の第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dを、苗収容体22の周回移動経路上の同一の直線状部分28に設定している。
【0115】
尚、上記において、底蓋27、内側支持軸51、収容体支持軸52、外側支持軸53、第2開閉規制板部54b、第3開閉規制板部54c及び第4開閉規制板部54dで構成される苗落下機構24が、本発明の移植物落下機構の一例にあたる。
【0116】
また、苗収容体22が、本発明の収容体の一例にあたり、苗収容ユニット25が、本発明の区画の一例にあたる。
【0117】
次に、本実施の形態の苗供給装置43から各植付具20a〜20dへ苗を供給する動作の詳細について説明する。
【0118】
図8(a)に、各落下供給位置31a〜31dと、それぞれに対応する植付具20a〜20dとの位置関係を示し、
図8(b)に第1苗ガイド32aの左側面図を、
図8(c)に第2苗ガイド32b及び第3苗ガイド32cの左側面図を、
図8(d)に第4苗ガイド32dの左側面図をそれぞれ示している。
【0119】
苗収容体22から落下供給される苗
を確実に供給させるべく、各植付具20a〜20dの上部には、上方の開口側に向けて広がった形状の苗ガイド32a〜32dが取り付けられている。
図8(a)では、各植付具20a〜20dの本体部分の図示を省略し、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dのそれぞれの上部に取り付けられている第1苗ガイド32a、第2苗ガイド32b、第3苗ガイド32c及び第4苗ガイド32dの部分を記載している。
【0120】
また、
図8(a)〜
図8(d)に示す通り、第1苗ガイド32aの上端側の開口を第1苗投入口32a1、第2苗ガイド32bの上端側の開口を第2苗投入口32b1、第3苗ガイド32cの上端側の開口を第3苗投入口32c1、第4苗ガイド32dの上端側の開口を第4苗投入口32d1とする。また、第1苗ガイド32aの下端側の開口を第1苗供給口32a2、第2苗ガイド32bの下端側の開口を第2苗供給口32b2、第3苗ガイド32cの下端側の開口を第3苗供給口32c2、第4苗ガイド32dの下端側の開口を第4苗供給口32d2とする。
【0121】
尚、各苗ガイドの構成については更に後述する。
【0122】
図5は、左から2条目に対応する第2植付具20bへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示している。
【0123】
このとき、上下動する第2植付具20bは、上死点近傍に到達しており、第2植付具20bと同期して上下動する第1植付具20aも上死点近傍に到達している。
【0124】
このとき、第1植付具20aへ供給すべき苗を収容している番号1で区別される苗収容体22は、
図5に示す通り、第1植付具20aの上方よりも右側にずれた位置まで移動している。従って、このとき、すなわち第2植付具20bへ苗を供給するタイミングと同時に、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27を開放しても、苗が第1植付具20aの第1苗ガイド32aから右側に外れた位置に落下してしまい、第1植付具20aへ苗を供給出来ない。
【0125】
尚、このとき、第2植付具20bへ供給すべき苗を収容している番号2で区別される苗収容体22は、
図5に示す通り、第2植付具20bの上方に位置している。従って、このタイミングで、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27を開放することにより、苗が第2植付具20bの第2苗ガイド32bの第2苗投入口32b1の位置に落下し、更に第2苗供給口32b2から第2植付具20bへと確実に苗が供給される。
【0126】
本実施の形態では、このときに、確実に第1植付具20aへ苗を落下供給させるべく、第2植付具20bへ苗が供給されるタイミングよりも早いタイミングで第1植付具20aへ苗を供給させる構成としている。
【0127】
すなわち、第1植付具20aが上死点近傍に到達したときに苗収容体22の底蓋27を開放させるのではなく、上死点近傍に到達するタイミングよりも前の、第1植付具20aが、
図1に示す作動軌跡15上を上死点に向かって上動しているタイミングで苗収容体22の底蓋27を開放させている。
【0128】
つまり、底蓋27が開放されたその時点において、第1植付具20aは、平面視で、第1落下供給位置31aを基準として後方側にずれた位置にある。従って、第1植付具20aの上端部に取り付けられた第1苗ガイド32aの下端側の第1苗供給口32a2の位置も、平面視で、第1落下供給位置31aよりも後方側にずれた位置にある。
【0129】
そこで、この位置ずれによる第1植付具20aへの苗の供給ミスを防止すべく、底蓋27が開放されたその時点における、第1苗ガイド32aの上端側の第1苗投入口32a1の位置が、平面視で、第1苗供給口32a2の位置より前方側にずれており、且つ、第1落下供給位置31aの真下に位置するべく構成されている。
【0130】
尚、具体的には、周回経路上で番号1で区別される苗収容体22を支持している収容体支持軸52の途切れる部分の位置を調節することにより、苗収容体22の底蓋27の開放タイミングを自由に調節することが出来る。
【0131】
この構成により、番号1で区別される苗収容体22が第1植付具20aの上方にきたときに、苗収容体22に収容されている苗を落下させることが出来るので、第1植付具20aへ苗を確実に供給することが出来る。
【0132】
また、苗収容体22の底蓋27が開放された時点において、第1植付具20aの位置、及び第1苗ガイド32aの第1苗供給口32a2の位置が、第1落下供給位置31aを基準として、平面視で、後方側にずれていることについては、第1苗ガイド32aの第1苗投入口32a1の位置が、第1苗供給口32a2の位置より前方側にずれていることで、第1植付具20aへ苗を確実に供給することが出来る。
【0133】
一方、第4植付具20dへ苗を確実に落下供給させるべく、第3植付具20cへ苗が供給されるタイミングよりも遅いタイミングで第4植付具20dへ苗を供給させる構成としている。
【0134】
図9は、左から3条目に対応する第3植付具20cへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示した、苗落下機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置43を上から見た模式図である。
【0135】
第3植付具20c及び第4植付具20dは、第1植付具20a及び第2植付具20bとは180度異なった位相で上下動しているので、
図5に示す状態から、苗収容体22が周回径路上を2個分移動したときに、上下動する第3植付具20c及び第4植付具20dは上死点近傍に到達し、
図9に示す状態となる。
【0136】
苗収容体22から第3植付具20cへ苗を供給するとき、第3植付具20cは、上死点近傍に到達しており、第3植付具20cと同期して上下動する第4植付具20dも上死点近傍に到達している。
【0137】
このとき、第4植付具20dへ供給すべき苗を収容している番号4で区別される苗収容体22は、
図9に示す通り、まだ第4植付具20dの上方よりも左側にずれた位置までしか移動してきていない。従って、このとき、すなわち第3植付具20cへ苗を供給するタイミングと同時に、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27を開放しても、苗が第4植付具20dの第4苗ガイド32dから左側に外れた位置に落下してしまい、第4植付具20dへ苗を供給出来ない。
【0138】
尚、このとき、第3植付具20cへ供給すべき苗を収容している番号3で区別される苗収容体22は、
図9に示す通り、第3植付具20cの上方に位置している。従って、このタイミングで、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27を開放することにより、苗が第3植付具20cの第3苗ガイド32cの第3苗投入口32c1の位置に落下し、更に第3苗供給口32c2から第3植付具20cへと確実に苗が供給される。
【0139】
本実施の形態では、このときに、確実に第4植付具20dへ苗を落下供給させるべく、第3植付具20cへ苗が供給されるタイミングよりも遅いタイミングで第4植付具20dへ苗を供給させる構成としている。
【0140】
すなわち、第4植付具20dが上死点近傍に到達したときに苗収容体22の底蓋27を開放させるのではなく、第4植付具20dが、
図1に示す作動軌跡15上を上死点を過ぎて下動し始めたタイミングで苗収容体22の底蓋27を開放させている。
【0141】
つまり、底蓋27が開放されたその時点において、第4植付具20dは、平面視で、第4落下供給位置31dを基準として後方側にずれた位置にある。従って、第4植付具20dの上端部に取り付けられた第4苗ガイド32dの下端側の第4苗供給口32d2の位置も、平面視で、第4落下供給位置31dよりも後方側にずれた位置にある。
【0142】
そこで、この位置ずれによる第4植付具20dへの苗の供給ミスを防止すべく、底蓋27が開放されたその時点における、第4苗ガイド32dの上端側の第4苗投入口32d1の位置が、平面視で、第4苗供給口32d2の位置より前方側にずれており、且つ、第4落下供給位置31dの真下に位置するべく構成されている。
【0143】
尚、具体的には、周回経路上で番号4で区別される苗収容体22を支持している収容体支持軸52の途切れる部分の位置を調節することにより、苗収容体22の底蓋27の開放タイミングを自由に調節することが出来る。
【0144】
この構成により、番号4で区別される苗収容体22が第4植付具20dの上方にきたときに、苗収容体22に収容されている苗を落下させることが出来るので、第4植付具20dへ苗を確実に供給することが出来る。
【0145】
また、苗収容体22の底蓋27が開放された時点において、第4植付具20dの位置、及び第4苗ガイド32dの第4苗供給口32d2の位置が、第4落下供給位置31dを基準として、平面視で、後方側にずれていることについては、第4苗ガイド32dの第4苗投入口32d1の位置が、第4苗供給口32d2の位置より前方側にずれていることで、第4植付具20dへ苗を確実に供給することが出来る。
【0146】
また、この構成により、4条を等間隔に設定しながら、直線状部分28を長く出来るので、4条で共通の周回移動経路で、且つ該周回移動経路に多数の苗収容体22を配置することが出来、補給作業性が向上する。また、直線状部分28が長く出来るので、苗供給装置43の前後幅を小さく出来、機体のコンパクト化が図れる。
【0147】
また、上死点よりも下方の位置にある第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を落下供給するという点で落下供給の不安要素がある本発明の上動落下供給位置(第1落下供給位置31a)及び下動落下供給位置(第4落下供給位置31d)を、左右の両端の位置に配置したことにより、これらの位置における苗の落下供給状態の確認が容易になる。
【0148】
図8(a)に示す通り、第1植付具20a及び第4植付具20dに取り付けた第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dは、第2植付具20b及び第3植付具20cに取り付けた第2苗ガイド32b及び第3苗ガイド32cよりも、上方が左右方向に大きく広がった形状としている。
【0149】
また、
図5、
図8(b)〜
図8(d)に示す通り、第1苗ガイド32aの第1苗投入口32a1の位置は、平面視で、第1苗供給口32a2の位置、即ち、第1植付具20aの位置を基準として前方側にずれている。また、第4苗ガイド32dの第4苗投入口32d1の位置は、平面視で、第4苗供給口32d2の位置、即ち、第4植付具20dの位置を基準として前方側にずれている。また、第2苗ガイド32bの第2苗投入口32b1の位置は、平面視で、第2苗供給口32b2の位置と同じである。また、第3苗ガイド32cの第3苗投入口32c1の位置は、平面視で、第3苗供給口32c2の位置と同じである。
【0150】
この構成により、第1植付具20a及び第4植付具20dの直上よりも左右方向、及び前方向に少しずれた第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dから落下してくる苗を、確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ供給させることが出来る。
【0151】
更に、第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dを、上方が左右方向に広がった広幅の形状としたことにより、苗が落下してくる位置の左右方向のズレに対応出来るので、第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dから苗を落下させるタイミングを、第1植付具20a及び第4植付具20dが、より上死点に近い位置にきたときのタイミングとすることが出来る。第1植付具20a及び第4植付具20dが、より上死点に近い位置にきたタイミングで苗を落下供給させることにより、より確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を供給することが出来る。また、第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dによる供給される苗の左右移動量を抑えることが出来、苗の落下供給を円滑に行える。
【0152】
また、本実施の形態の第1植付具20a及び第4植付具20dは、左右方向に位置を移動することが可能であり、これにより、簡単な構成で植え付け条間を変更することが出来る。
【0153】
第1植付具20a及び第4植付具20dを左右方向に移動したときでも、上記方法により、第1植付具20a及び第4植付具20dへの苗の供給落下タイミングを調節することで、確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を落下供給させることが出来る。
【0154】
尚、上記実施の形態では、タンク載置台110L、110Rの奥側に載置されるタンク100L1、100R1が、平面視で後輪車軸12の上方に位置している構成について説明したが、これに限らず例えば、手前側と奥側に載置されるタンク100L2と100L1(100R2と100R1)が、後輪車軸12を挟んで前後の位置で対称に配置される構成でも良い。
【0155】
また、上記実施の形態では、タンク載置台110L、110Rは、タンクが植付具の前側に載置される構成について説明したが、これに限らず例えば、タンクが植付具の後側に載置される構成であっても良い。
【0156】
また、上記実施の形態では、ミラー170がトレイ160の右側方に設けられている構成について説明したが、これに限らず例えば、ミラー170がトレイ160の左側方に設けられている構成でも良い。
【0157】
また、上記実施の形態では、接地バー181の左端部181aが、第1植付具20aに対応する第1覆土鎮圧輪190aを保持する第1フレーム191aの下方に位置するべく、左側に突き出た構成について説明したが、これに限らず例えば、接地バー181の右端部181b(
図3参照)が、第4植付具20dに対応する第4覆土鎮圧輪190dを保持する第4フレーム191dの下方に位置するべく、右側に突き出た構成であっても良い。
【0158】
また、上記実施の形態では、左右一対の覆土鎮圧輪190a〜190dを各フレーム191a〜191d毎に独立して配置した構成について説明したが、これに限らず例えば、一つのフレームに、各条毎の左右一対の覆土鎮圧輪が全て連結された構成であっても良い。
【0159】
また、上記実施の形態では、本発明の後走行体の一例として、円形状の後輪を用いた構成について説明したが、これに限らず例えば、クローラー(キャタピラ)構造であっても良い。
【0160】
また、上記実施の形態では、本発明の移植対象物として玉葱苗を例に説明したが、これに限らず例えば、レタス等の野菜苗や種芋等、玉葱苗以外の移植対象物であっても良い。