(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記引張チャック動作部は、後続の前記引張チャックがパリソンを把持した後に先行する前記引張チャックの移動速度を変化させることを特徴とする請求項1記載のパリソン供給装置。
前記受取手段は、受取操作が完了するまで、先行する前記引張チャックとその後続の前記引張チャックの間に位置して移動することを特徴とする請求項4に記載のパリソン供給装置。
前記受取手段は、パリソンの吐出方向に離間した一対のピックアップチャックであり、前記パリソン部分を把持して受け取り、ブロー成形型に受け渡すことを特徴とする請求項4又は5に記載のパリソン供給装置。
前記受取手段は、パリソンの吐出経路に進退可能とされたブロー成形型であり、パリソンの吐出経路に進入して前記パリソン部分を受け取ることを特徴とする請求項4又は5に記載のパリソン供給装置。
請求項1〜7のいずれか1項に記載されたパリソン供給装置を備えたブロー成形機であって、前記ブロー成形型を前記パリソンの吐出方向と交差する方向に搬送する搬送手段を備えることを特徴とするブロー成形機。
先行する前記引張チャックとその後続の前記引張チャックが共にパリソンを把持した状態で前記押出ダイから離間する受渡期間を有することを特徴とする請求項9記載のパリソン供給方法。
【背景技術】
【0002】
押出ブロー成形(ダイレクトブロー成形)は、押出成形機により熱可塑性樹脂を溶融し、溶融した樹脂を押出ダイ(ダイヘッド)から吐出させて中空パイプ状のパリソンを形成し、一対のブロー成形型でパリソンを挟み込み、パリソン内部にブローエアを吹き込んで中空体を成形するものである。
【0003】
押出ダイから吐出した状態のパリソンは、そのままの状態では先端が拘束されていないので、横揺れによる軸ずれや肉厚の変動が生じる懸念がある。特に、垂直下方に押し出されるパリソンは、パリソン自体が自重で引き延ばされる現象(ドローダウン)や、押出ダイからの吐出後にパリソン径が膨らむ現象(ダイスウェル)によって上下で肉厚に差が生じることが問題になっている。
【0004】
これに対して、押出ダイから吐出したパリソンをチャックなどで挟持する技術が提案されている。下記特許文献1には、パリソンを一対の挟持手段により挟持し、その挟持したパリソン部分をパリソン本体から切断分離し、両挟持手段をパリソン本体から遠ざけると共にこの両挟持手段を互いに離間させて縦方向に延伸させ、さらにこのパリソン部分を挟持手段によって挟持した状態でブロー成形型内に挿入することが示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、押出ノズルから押し出されたパリソンを一つの捕捉手段で捕捉し、パリソンの押出速度より速い速度でこの捕捉手段を下降させてパリソンを引っ張り、この引っ張った状態で押出ノズルの下に配置される成形型にパリソンを引き入れ、成形型で挟んだパリソン部分がパリソン本体から分離される前に成形型の上方でもう一つの捕捉手段がパリソンを捕捉することが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブロー成形による成形体の生産性を高めるためには、押出ダイから所定の押出速度で吐出されるパリソンを、連続的にブロー成形型に供給することが必要になる。また、高品質の成形体をばらつき無く生産するには、複数のブロー成形型に順次供給されるパリソンの状態を適切に保つことが求められ、製品によっては、個々のブロー成形型に供給されるパリソンの切り離し部分において長手方向に沿って適切な肉厚を有することが求められる。
【0008】
これに対して、前述した特許文献1に記載された従来技術は、一対の挟持手段が同時にパリソンを挟持した後に挟持手段の間隔を互いに離間させてパリソンを延伸させるので、パリソンの長手方向に沿って均一に近い肉厚で延伸することが難しく、パリソンの中央付近の肉厚が両端付近の肉厚に比べて薄くなり易い。このように、前述した従来技術では肉厚が比較的均一な良質パリソンをブロー成形型に供給することができない問題がある。また、特許文献1に記載された従来技術は、一対の挟持手段が同時にパリソンを挟持するものであり、パリソンを連続的に供給するためには一つのパリソンが切り離される前に一対の挟持手段が既にパリソンを挟持していることが必要になる。このため、押出ダイの吐出口からパリソンの切り離し領域に至る間に少なくとも一つの切り離し間隔分の供給スペースが必要になる。
【0009】
特許文献2に記載された従来技術は、押し出されたパリソンを一つの捕捉手段で捕捉してこの捕捉手段を下降させることでパリソンを引っ張って成形型に引き入れ、成形型で挟んだパリソン部分がパリソン本体から分離される前に成形型の上方でもう一つの捕捉手段がパリソンを捕捉するので、特許文献1に記載されるように一対の捕捉手段が同時にパリソンを捕捉する場合と比較して、パリソンの供給スペースは短くすることができる。しかしながら、2つの捕捉手段が定位置でパリソンを捕捉してパリソンの押出方向と直交する方向で成形型の入れ替えが行われるので、間欠的にパリソンの供給を行わざるを得ない。このように、特許文献2に記載された従来技術では、押出ダイから吐出されたパリソンを常時拘束することはできるが、鋳型6(5)と捕捉ジョー12(11)を同時に閉じるため、常時適切な引張状態に保ちながら、連続的にパリソンを供給することはできない(特許文献2の
図2参照)。
【0010】
本発明は、このような事情に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、押出ダイから所定の押出速度で吐出されるパリソンを連続的にブロー成形型に供給すること、連続的に成形される成形体の品質を高めるために、複数のブロー成形型に供給されるパリソンの状態を適切に保つこと、押出ダイから吐出されたパリソンを常時拘束しながら適切な引張状態に保つことで良質なパリソンの供給を実現することができること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0012】
押出ダイから吐出されたパリソンから所定長さのパリソン部分をブロー成形型に連続供給するパリソン供給装置であって、パリソンを把持して押出ダイとの間でパリソンの吐出方向に引っ張る引張チャックを複数備えると共に、複数の前記引張チャックを動作させる引張チャック動作部を備え、前記引張チャック動作部によって、個々の前記引張チャックが前記押出ダイに近い第1位置でパリソンを把持して
前記第1位置より前記押出ダイと離間した第2位置まで移動する繰り返し動作を行い、先行する前記引張チャックが前記第2位置にて前記押出ダイと設定距離だけ離間する前にその後続の前記引張チャックが前記第1位置にてパリソンを把持した後、前記ブロー成形型に前記パリソン部分を供給することを特徴とする。
【0013】
押出ダイから吐出されたパリソンから所定長さのパリソン部分をブロー成形型に連続供給するパリソン供給方法であって、パリソンを把持して押出ダイとの間でパリソンの吐出方向に引っ張る引張チャックを複数備え、個々の前記引張チャックが前記押出ダイに近い第1位置でパリソンを把持して
前記第1位置より前記押出ダイと離間した第2位置まで移動する繰り返し動作を行い、先行する前記引張チャックが前記第2位置にて前記押出ダイと設定距離だけ離間する前にその後続の前記引張チャックが前記第1位置にてパリソンを把持した後、前記ブロー成形型に前記パリソン部分を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような特徴を備えた本発明によると、押出ダイから所定の押出速度で吐出されるパリソンを連続的にブロー成形型に供給することができ、複数のブロー成形型に供給されるパリソンの状態を適切に保つことで、連続的に成形される成形体の品質を高めることができる。押出ダイから吐出されたパリソンを常時拘束しながら適切な引張状態に保つことで良質なパリソンの供給を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1において、パリソン供給装置1は、押出ダイ10から吐出されたパリソンPから所定長さのパリソン部分Psを図示省略したブロー成形型に連続供給する装置であり、複数の引張チャック2と引張チャック動作部3を備えている。以下の説明では、引張チャック2として2個の引張チャック2A,2Bを備える例を示して説明するが、一つのパリソン供給装置1が備える引張チャック2は3個以上であってもよい。
【0018】
引張チャック2A,2Bは、パリソンPを把持して押出ダイ10との間で引張を加える。引張チャック2A,2Bの引張方向はパリソンPの吐出方向と一致している。図示のようにパリソンPが押出ダイ10から垂直下向きに吐出される場合には、引張チャック2A,2Bは、パリソンPを把持した状態で下降することによってパリソンPに引張力を加える。引張チャック2A,2BがパリソンPを把持する動作タイミングは、引張チャック2A,2Bの吐出方向移動開始と同時か或いはその後であってもよい。ここで、引張チャック2A,2BのパリソンP吐出方向における移動速度(押出ダイ10に対する相対移動速度)をパリソンP吐出速度に対して速めることで、パリソンPを押出ダイ10との間で引っ張ることができる。ここで、引張チャック2A,2Bの吐出方向における移動速度は、徐々に速めたり徐々に遅くしたりするなど変化させてもよいが、より好適には、移動速度を一定にすることで、パリソンPを適切な引張速度にすることができる。なお、引張チャック2A,2Bの移動速度を一定にする際、動作をスムーズにするために、移動開始時と移動終了時には徐々に速度を速めたり遅くしたりしてもよい。
【0019】
複数の引張チャック2を動作させる引張チャック動作部3は、個々の引張チャック2A,2Bを所定の周期で繰り返し動作することで、押出ダイ10から吐出されるパリソンPの引張状態を継続させる。この引張チャック動作部3によると、個々の引張チャック2A,2Bが押出ダイ10に近い第1位置(I)でパリソンPを把持して押出ダイ10と離間した第2位置(II)まで移動する繰り返し動作を行う。ここで、定義として、設定距離Lを、引張チャック2A,2Bが押出ダイ10の開口端に対し、パリソン吐出方向に離間可能な最長距離とすると、本実施形態の設定距離Lは、図に示すように、押出ダイ10の開口端から第2位置(II)までの距離となる。
【0020】
引張チャック2A,2Bの吐出方向(図示下向き)の移動はパリソンPを拘束して引張を加える動作であるが、引張チャック2A,2Bの吐出方向と逆向き(図示上向き)の移動はパリソンPの拘束を解いて次の引張動作の準備を行うための戻り動作である。引張チャック2A,2Bの戻り動作における移動速度は、吐出方向(引張方向)の移動速度とは無関係に次の引張動作のタイミングに合わせて必要な速度に設定することができる。引張チャック2を多数(3個以上)備える場合には、引張チャック2が2個の場合と比べて個々の戻り動作の移動速度を遅くすることができる。
【0021】
引張チャック動作部3は、先行する引張チャック2A(2B)とその後続の引張チャック2B(2A)の動作タイミングを設定する。ここで「先行する」とは、先にパリソンPに引張を付加していることを意味し、「後続」とは、その後からパリソンPに引張を付加することを意味する。引張チャック動作部3によって設定される動作タイミングによると、先行する引張チャック2Aが第2位置(II)にて押出ダイ10と設定距離Lだけ離間する前にその後続の引張チャック2Bが第1位置(I)にてパリソンPを把持する。
【0022】
図1における(a)〜(e)は、パリソンPの吐出状態の変化と引張チャック2A,2Bの動作を時系列順に示している。
図1(a),(b)の状態では、引張チャック2AがパリソンPを把持しながら引張方向(吐出方向)に移動し、引張チャック2Bは、それとは逆の戻り方向にパリソンPを把持せず移動している。そして、
図1(c)においては、先行する引張チャック2Aが引張を継続している状態でその後続の引張チャック2Bが第1位置(I)にてパリソンPを把持している。
【0023】
図1(c)の状態以後は
図1(d)のように、パリソンPは一対の引張チャック2A,2Bで共に把持された状態になり、一対の引張チャック2A,2Bの間に図示省略したブロー成形型に供給されるパリソン部分Psが形成される。パリソン部分Psが後述する受取手段(ブロー成形型4を含む)或いは、図示しないカッターなどで切り離された後は、
図1(e)のように、引張チャック2Bが先行して引張方向に移動し、引張チャック2Aが第2位置(II)を経由して戻り方向に移動する。
【0024】
図2は、
図1に示した引張チャック2A,2Bの動作曲線であり、横軸を時間T、縦軸を押出ダイ10からの距離Z、実線の折れ線が引張チャック2Aの動作曲線、破線の折れ線が引張チャック2Bの動作曲線を示している。なお、
図2における時刻[1]〜[5]の状態は、
図1の(a)〜(e)の状態に対応している。
【0025】
図2に示した例では、引張チャック2A,2Bは引張方向において一定の速度で移動しており、各引張チャック2A,2Bは引張方向の移動速度に対して戻り方向の移動速度を速くして引張の開始タイミングを設定している。ここでは、先行する引張チャック2A(2B)と押出ダイ10との距離が第2位置(II)において設定距離Lに達するタイミングT2から時間Tsだけ早いタイミングT1で、後続する引張チャック2B(2A)が第1位置(I)にてパリソンPを把持し、その後先行する引張チャック2A(2B)と後続する引張チャック2B(2A)が共にパリソンPを挟持して移動する。
【0026】
ここで、個々の引張チャック2A,2Bは、それぞれ位相差を持った同一の動作曲線に従って動作しており、パリソンPを常時拘束して引張を付加している。前述した時間Tsの間は、先行する引張チャック2A(2B)とその後続の引張チャック2B(2A)が共にパリソンPを把持した状態で押出ダイ10から離間するように移動する。引張チャック2A(2B)の引張方向の移動速度を一定にすることで、時間Tsの間は、先行する引張チャック2A(2B)とその後続の引張チャック2B(2A)の間隔が一定に保持されている。
【0027】
前述した時間Tsの一部又は全部は、パリソンPからパリソン部分Psを切り離してブロー成形型に受け渡す作業を行う受渡期間に設定することができる。このような時間Tsを設けることで、パリソンPを連続吐出し、常時パリソンPを拘束して適切な引張を付加しながら、時間Ts内に設定される受渡期間で連続的にパリソン部分Psをブロー成形型に供給することができる。
【0028】
図3〜
図5は、本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1(パリソン供給方法)における受取手段(受取方法)を示した説明図である。受取手段は、パリソン部分PsをパリソンPから切り離して受け取る手段であり、
図3及び
図4に示すように、ブロー成形型自体を受取手段にすることができる。また、
図5に示すように、ブロー成形型とは異なる受取手段(例えば、ピックアップチャックなど)を別途備えることもできる。いずれの場合も、本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1が備える受取手段は、後続の引張チャック2B(2A)がパリソンPを把持してから先行する引張チャック2A(2B)が第2位置(II)にて押出ダイ10と設定距離Lだけ離間するまでの間、すなわち前述した時間Tsの間に設けられる受渡期間にパリソン部分Psを受け取るものである。
【0029】
図3に示す例は、後続の引張チャック2Bが第1位置(I)にてパリソンPを把持する動作タイミング[T1]から先行する引張チャック2Aが第2位置(II)に到達する動作タイミング[T2]までの間(時間Ts)に、
図3(a)〜(e)に示すように、引張チャック2A,2Bが一定の間隔を保って共に押出ダイ10から離れるように移動し、ブロー成形型4がそれに同期して第1位置(I)から第2位置(II)に向けて移動する。これによって、ブロー成形型4は、受取操作が完了するまで引張チャック2A,2Bの間に位置している。
【0030】
図3の例では、ブロー成形型4は、パリソンPの吐出経路に進退可能とされ、下降しながら徐々にパリソンPの中心軸に接近し(
図3(a),(b)参照)、パリソンPの吐出経路に進入してブロー成形型4の中心軸とパリソンPの中心軸が一致した時点でパリソンPを挟み込んでパリソン部分Psを受け取る(
図3(c)参照)。その後、パリソン部分Psを取り込んだブロー成形型4は、更に下降しながらパリソンPの中心軸から徐々に離れてブロー成形工程に移行する(
図3(d),(e)参照)。
【0031】
図4に示す例は、後続の引張チャック2Bが第1位置(I)にてパリソンPを把持する動作タイミング[T1]から先行する引張チャック2Aが第2位置(II)にて押出ダイ10から設定距離Lだけ離間する動作タイミング「T2」までの間(時間Ts)に、
図4(a)〜(e)に示すように、引張チャック2A,2Bが一定の間隔を保って定位置に保持され、ブロー成形型4がパリソンPの中心軸と交差するように水平移動する。これによって、ブロー成形型4は、受取操作が完了するまで引張チャック2A,2Bの間に位置している。そして、この間、引張チャック2Bと押出ダイ10との間隔が徐々に離間するように押出ダイ10が上方に移動して、パリソンPの連続的な吐出を継続させている。
【0032】
図4の例では、ブロー成形型4は、水平移動しながら徐々にパリソンPの中心軸に接近し(
図4(a),(b)参照)、ブロー成形型4の中心軸とパリソンPの中心軸が一致した時点でパリソンPを挟み込んでパリソン部分Psを切り離す(
図4(c)参照)。その後、パリソン部分Psを取り込んだブロー成形型4は、更に水平移動しながらパリソンPの中心軸から徐々に離れてブロー成形工程に移行する(
図4(d),(e)参照)。
【0033】
図4(e)の後、引張チャック2Bが第2位置(II)へ下降するとともに押出ダイ10が
図4(a)の位置まで下降する。その際、押出ダイ10の下降速度に対する引張チャック2Bの下降速度は、
図4(a)〜(d)で押出ダイ10が引張チャック2Bから離間する速度分だけ速く設定する。また、引張チャック2Bとともに押出ダイ10が下降する間、引張チャック2Aは第1位置(I)に移動する。
【0034】
図5に示す例は、後続の引張チャック2Bが第1位置(I)にてパリソンPを把持する動作タイミング[T1]から先行する引張チャック2Aが第2位置(II)に到達する動作タイミング[T2]までの間(時間Ts)に、
図5(a)〜(e)に示すように、引張チャック2A,2Bが一定の間隔を保って共に押出ダイ10から離れるように移動し、ブロー成形型4はそれに同期して水平方向に移動する。この例では、ブロー成形型4とは別の受取手段であるピックアップチャック5を備えている。ピックアップチャック5は、一対のピックアップチャック5A,5BがパリソンPの吐出方向に離間して配置される。このピックアップチャック5A,5Bは、引張チャック2A,2Bに同期して移動することで、受取操作が完了するまで引張チャック2A,2Bの間に位置して移動する。図示の例では、ブロー成形型4は水平移動しているが、所定の位置に静止しているものであってもよい。
【0035】
図5の例では、ピックアップチャック5A,5Bは、一定の間隔を保って下降しながら徐々にパリソンPに接近し(
図5(a),(b)参照)、所定のチャック位置でパリソンPを把持してパリソン部分Psを切り離して受け取り、ブロー成形型4に受け渡す(
図5(c),(d)参照)。その後、ピックアップチャック5A,5Bは、更に下降しながらパリソンPの中心軸から徐々に離れ、パリソン部分Psが供給されたブロー成形型4はブロー成形工程に移行する(
図5(d),(e)参照)。図示の例ではピックアップチャック5A,5Bは引張チャック2A,2Bと同期して移動すると共に、ブロー成形型4とも同期して移動している。これによって、受け取ったパリソン部分Psを最小限の移動量で効率良くブロー成形型4に受け渡すことができる。
【0036】
なお、パリソン部分Psを受け取った後、ピックアップチャック5A,5Bを相対移動させることによりパリソンPsの2次加工を行うことができる。例えば、押出方向に平行に離間させて、さらなる引っ張りを行ったり、押出方向と垂直の方向にずらして斜めに配置(引張)したり、押出方向を軸心として回転させ、ねじることなどができる。
【0037】
以上説明した本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1、或いはこのパリソン供給装置1を用いたパリソン供給方法によると、複数の引張チャック2(個々の引張チャック2A,2B)を交互に動作させることで、押出ダイ10から吐出したパリソンPを常時拘束して直線的な引張を加えることができる。これによって、パリソンPを垂直下向きに吐出する場合にも、ドローダウンによる肉厚不均一を抑制することができ、方向及び速度が変わらない適切な引張を加えて、この引張状態を保持したままブロー成形型4に供給することができる。このように本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1及びパリソン供給方法によると、肉厚の均一性が高く、分子配向状態なども優れた高品質のパリソン部分Psをブロー成形型4に供給することができる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1或いはパリソン供給方法によると、押出ダイ10から連続的にパリソンPを吐出させる過程で、常時パリソンPに適切な引張を加えた状態を保ちながら、一対の引張チャック2A,2BでパリソンPを把持した状態を時間Ts継続する受渡期間を有している。パリソンPに適切な引張を加えながらこのような受渡期間を確保することで、高品質のパリソン部分Psを連続的にブロー成形型4に供給することが可能になる。
【0039】
パリソン供給装置1において、ピックアップチャック5のようなブロー成形型4とは別の受取手段を備えるものでは、一対のピックアップチャック5A,5Bによってパリソン部分Psを受け取りブロー成形型4に受け渡すことができるので、ブロー成形型4や押出ダイ10の動きを引張チャック2の動きと分離して静止或いは簡素化することができる。また、一対のピックアップチャック5A,5Bの動作を任意に設定することで、ブロー成形型4の様々な搬送形態(水平ロータリ式、シャトル式、縦型ロータリ式など)においても、前述した高品質のパリソン部分Psを供給することができる。この際、常時拘束且つ引張を行ったパリソンPを、ピックアップチャック5により拘束を解くこと無く適切な張力を保ったまま受け取り、ブロー成形型4まで搬送することができるので、パリソン部分Psのたるみや揺れを防止し、安定した状態でパリソン部分Psを供給することができる。
【0040】
前述した実施形態では、引張チャック2の引張方向の移動速度が常時一定の例を示しているが、変形例としては、引張チャック2の引張方向の移動速度を変化させることで、ブロー成形型4に供給するパリソン部分Psの引張状態を所望の状態に変えることができる。一例としては、引張チャック動作部3の動作として、後続の引張チャック2B(2A)がパリソンPを把持した後に先行する引張チャック2A(2B)の移動速度を変化させる。
【0041】
なお、ピックアップチャック5と引張チャック2とを一体化し、引張チャック動作部3によりパリソン把持から引張、金型供給までを行うようにしてもよい。
【0042】
図6は、前述した変形例における引張チャックの動作曲線図を示している。
図2と同様に、横軸を時間T、縦軸を押出ダイ10からの距離Zとして、実線の折れ線が引張チャック2Aの動作曲線、破線の折れ線が引張チャック2Bの動作曲線を示している。この変形例は、先行する引張チャック2A(2B)と押出ダイ10との距離が第2位置(II)において設定距離Lに達するタイミングT2より時間Tsだけ早いタイミングT1でその後続する引張チャック2B(2A)が第1位置(I)にてパリソンPを把持し、その後先行する引張チャック2A(2B)と後続する引張チャック2B(2A)が共にパリソンPを挟持して移動する点は前述した実施形態と同様である。
【0043】
この変形例では、引張チャック2A,2Bの引張方向の移動速度を途中で変化させ、タイミングT1以降の移動速度をそれより前の移動速度より速くすることでパリソンPの引張状態に変化を加えている。この例では、先行する引張チャック2A(2B)と後続の引張チャック2B(2A)が共にパリソンPを把持した後に徐々に両引張チャック2A,2B間の間隔Zsを広げて、より高い引張力を加えている。
【0044】
本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1は、前述したように、ピックアップチャック5などの受取手段を工夫することで、様々な形式のブロー成形機に適用することができるが、特に、水平ロータリ式やシャトル式のブロー成形機に適用することで、有利な効果を得ることができる。水平ロータリ式やシャトル式のブロー成形機は、ブロー成形型をパリソンPの吐出方向(垂直方向)と交差する方向(水平方向)に搬送する成形型搬送手段(成形型ターレットなど)を備えている。
【0045】
一般に、縦型ロータリ式のブロー成形機は、縦回転する一つの成形型ターレットに配置される成形型の数に応じて成形型の全長が規制されてしまうので、成形体の高さが低い場合にも一つの成形型に供給されるパリソン部分の長さを変えることができず、押出ダイから吐出されるパリソンに対して高い歩留まりで成形体を得ることができない欠点がある。これに対して、水平ロータリ式やシャトル式のブロー成形機は、成形型の高さを成形ターレットなどに配置する成形型の数とは無関係に設定できるので、パリソン部分を成形型の高さに合わせて供給することで高い歩留まりを得ることができる。しかしながら、従来の水平ロータリ式やシャトル式ブロー成形機は、垂直方向に押し出されるパリソンを水平方向に搬送される成形型に供給するため、連続的な供給を行うことが困難であった。
【0046】
これに対して、本発明の実施形態に係るパリソン供給装置1を適用した水平ロータリ式やシャトル式のブロー成形機は、前述した時間Tsの受渡期間を利用して連続的なパリソン供給を実現することができる。これによって、前述したように高品質のパリソン部分を供給することで高品質な成形体を得ることができると共に、高い歩留まりで生産性の高いブロー成形機を提供することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。