(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体に固定されたリンケージ取付部材に基軸により回動自在に軸支され、少なくとも上下方向成分を有する長孔状の軸移動案内孔が形成された回動型サポート部材と、この回動型サポート部材の軸移動案内孔に挿通されるとともに機体に固定された載せ台上にあるカウンタウエイトを回動自在に支持するカウンタウエイト支軸と上記基軸との間に伸縮操作可能に設けられて、上記載せ台上のカウンタウエイトを取外時上昇させるとともに装着時下降させるためにカウンタウエイト上昇動作用の作動流体が導入されるリフトシリンダ上昇用圧力作用室およびカウンタウエイト下降動作用の作動流体が導入されるリフトシリンダ下降用圧力作用室を有するリフトシリンダと、上記回動型サポート部材を上記基軸を中心に回動することで、上記リフトシリンダにより上記載せ台から持ち上げた所定持上位置のカウンタウエイトを載せ台を迂回する下方への回動経路に沿って取外時下降させるとともに載せ台を迂回する上方への回動経路に沿って載せ台上の所定持上位置に装着時上昇させるためにカウンタウエイト上昇動作用の作動流体が導入されるロワシリンダ上昇用圧力作用室およびカウンタウエイト下降動作用の作動流体が導入されるロワシリンダ下降用圧力作用室を有するロワシリンダと、上記リフトシリンダおよび上記ロワシリンダに対して作動流体を貯留したタンクから作動流体を供給する作動圧源とを備えたカウンタウエイト着脱装置を制御するカウンタウエイト着脱用制御回路であって、
上記ロワシリンダのロワシリンダ上昇用圧力作用室を上記作動圧源および上記タンクのいずれか一方に連通可能である第1の通路と、
上記リフトシリンダのリフトシリンダ上昇用圧力作用室を上記作動圧源および上記タンクのいずれか一方に連通可能である第2の通路と、
上記ロワシリンダのロワシリンダ下降用圧力作用室および上記リフトシリンダのリフトシリンダ下降用圧力作用室を上記作動圧源および上記タンクのいずれか一方に連通可能である第3の通路と、
上記作動圧源に接続されて、外部からのカウンタウエイトを上昇動作させてから下降動作させるカウンタウエイト装着信号とカウンタウエイトを上昇動作させてからカウンタウエイトを下降動作させるカウンタウエイト取外信号とにより作動圧源から供給された作動流体を上記3つの通路と作動流体を作動圧源に循環させるタンクとの間で方向制御する弁装置と、
上記第1の通路中に設けられて外部からのロワシリンダ昇降用のロワシリンダ昇降用指令信号により第1の通路を閉止する状態から開通する状態に制御するロワシリンダ用ロジック弁と、
上記第2の通路中に設けられて外部からのリフトシリンダ昇降用のリフトシリンダ昇降用指令信号により第2の通路を閉止する状態から開通する状態に制御するリフトシリンダ用ロジック弁と、
上記第1の通路に設けられて上記ロワシリンダのカウンタウエイト上昇動作が不可となる上昇限界状態を検出する第1の圧力センサと、
上記第2の通路に設けられて上記リフトシリンダのカウンタウエイト上昇動作が不可となる上昇限界状態を検出する第2の圧力センサと、
上記弁装置、上記ロワシリンダ用ロジック弁および上記リフトシリンダ用ロジック弁を切換制御して、カウンタウエイト取外時は上記リフトシリンダのカウンタウエイト上昇動作から上記第2の圧力センサによる検出信号に基づき上記ロワシリンダによるカウンタウエイト下降動作に切り換えるとともに、カウンタウエイト装着時は上記ロワシリンダのカウンタウエイト上昇動作から上記第1の圧力センサによる検出信号に基づきリフトシリンダによるカウンタウエイト下降動作に切り換える制御手段と
を具備したことを特徴とするカウンタウエイト着脱用制御回路。
ロワシリンダ用ロジック弁は、ロワシリンダ昇降用の指令信号が有るときは第1の通路を開通する作動位置と、指令信号が無いときは第1の通路を閉止するスプリングリターン位置とを備え、
リフトシリンダ用ロジック弁は、リフトシリンダ昇降用の指令信号が有るときは第2の通路を開通する作動位置と、指令信号が無いときは第2の通路を閉止するスプリングリターン位置とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のカウンタウエイト着脱用制御回路。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、
図1乃至
図5に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0019】
図5は、作業機械としての油圧ショベル1を示し、機体2の一方にブーム3a、スティック3bおよびバケット3cを連結した作業装置3が突設され、機体2の他方にカウンタウエイト4が、
図2に示されたカウンタウエイト着脱装置5により設置されている。
【0020】
図2に示されるように、機体2を構成する主要構成部材である機体フレームとしての旋回フレーム11には、その地面Gより上方に位置する後端部に溶接付けなどで固定された1対の載せ台12が突出されている。カウンタウエイト4は、これらの載せ台12上に搭載された状態で、取付ボルト(図示せず)により載せ台12に固定されている。なお、カウンタウエイト4の下面側には、これらの載せ台12と嵌合する凹溝が設けられている。
【0021】
1対の載せ台12の間には、載せ台12と地面Gとの間でカウンタウエイト4を着脱する上記カウンタウエイト着脱装置5が設けられている。このカウンタウエイト着脱装置5は、機体2の旋回フレーム11の後端にリンケージ取付部材13がボルトまたは溶接などにより一体に固定され、このリンケージ取付部材13にカウンタウエイト昇降機構14の基端側が取り付けられている。
【0022】
カウンタウエイト昇降機構14の先端側は、カウンタウエイト4の中央部に設けられたリンケージ収納内空部15に連結されている。
【0023】
カウンタウエイト昇降機構14は、リンケージ取付部材13の上部軸孔に嵌着された基軸16により、回動型サポート部材17が回動自在に軸支されている。この回動型サポート部材17の軸支される部分とは反対側に位置する部分に機体前後方向成分と上下方向成分とを有する長孔状の軸移動案内孔18がそれぞれ形成されている。
【0024】
この軸移動案内孔18は、
図2(a)において、上方に向かって旋回フレーム11上から離間する斜め方向に形成されている。
【0025】
この回動型サポート部材17の軸移動案内孔18にカウンタウエイト支軸19が挿通されるとともに、このカウンタウエイト支軸19の両端部が、カウンタウエイト4の重心位置より上方でカウンタウエイト4のリンケージ収納内空部15内に回動自在かつ着脱自在に連結されている。
【0026】
すなわち、カウンタウエイト支軸19は、カウンタウエイト4の重心の真上にあるサポート位置で、リンケージ収納内空部15の左右内壁面に回動自在にかつ着脱自在に連結され、カウンタウエイト4を回動自在に支持している。
【0027】
このカウンタウエイト支軸19と基軸16との間に昇降手段としてのリフトシリンダ20が伸縮操作可能に設けられている。
【0028】
このリフトシリンダ20は、カウンタウエイト支軸19を上下方向成分を有する軸移動案内孔18に沿って動かすことで、載せ台12上のカウンタウエイト4を取外時上昇させるとともに装着時下降させる流体圧シリンダすなわち油圧シリンダである。
【0029】
リンケージ取付部材13の下部軸孔に嵌着された軸21と、回動型サポート部材17の軸移動案内孔18に隣接する先端部分の軸孔に嵌着された作動軸22との間に、ロワシリンダ23が伸縮操作可能に設けられている。
【0030】
このロワシリンダ23は、回動型サポート部材17を基軸16を中心に回動することで、上記リフトシリンダ20により載せ台12から上昇させた所定持上位置のカウンタウエイト4を載せ台12を迂回する下方への回動経路に沿って地面Gまで取外時下降させるとともに地面Gから載せ台12を迂回する上方への回動経路に沿って載せ台12上の所定持上位置まで装着時上昇させる流体圧シリンダすなわち油圧シリンダである。
【0031】
図1には、上記リフトシリンダ20と上記ロワシリンダ23とを制御するカウンタウエイト着脱用制御回路25が示されている。
【0032】
この
図1に示されるように、車載エンジンにより駆動されて作動流体(作動油)を貯留したタンク26から流体圧回路(油圧回路)に作動流体を加圧供給する油圧ポンプなどの作動圧源27に、弁装置28が接続されている。
【0033】
この弁装置28は、外部からのカウンタウエイト装着信号とカウンタウエイト取外信号とにより、作動圧源27から供給された作動流体を、3つの通路31,32,33と、作動流体を作動圧源27に循環させるタンク26との間で方向制御するものである。
【0034】
作動圧源27の吐出通路とタンク26との間には、一定の作動流体供給圧を保つためのメインリリーフ弁34が設けられている。
【0035】
上記弁装置28は、パイロット操作型オン/オフ切換弁であるロジック弁35と、メインの圧力補償付き流量制御弁36と、逆止弁37と、パイロット操作型の方向制御弁38とが直列に接続され、方向制御弁38の片方の出力ポートはリリーフ弁39を介してタンク26に接続され、上記ロジック弁35と上記圧力補償付き流量制御弁36との間から分岐された通路41には、オリフィス42と、逆止弁43と、上記メインリリーフ弁34および上記リリーフ弁39より低圧でリリーフ作用する低圧リリーフ弁44とが順次接続され、さらに通路45を経てタンク26に連通されている。
【0036】
上記圧力補償付き流量制御弁36は、絞り開度を調整する可変絞り弁36aと、この可変絞り弁36aに対し並列に接続されて上記作動圧源27から供給される作動流体のバイパス流れを止めるとともに逆方向のバイパス流れを可能とする方向性を有する逆止弁36bと、可変絞り弁36aの前後の差圧により圧力補償を行なう圧力補償弁36cとを具備した圧力補償付き流量制御弁である。
【0037】
上記方向制御弁38の一方および他方のパイロット圧作用室38p1,38p2に連通された一方のパイロットポート38aと他方のパイロットポート38bは、シャトル弁46の一方および他方の入口にも連通され、このシャトル弁46の出口は、ロジック弁35のパイロット圧作用室35pに連通されている。よって、方向制御弁38が中立位置から一方または他方のいずれかの位置に切換作動されると、その切換用のパイロット圧が、シャトル弁46を経てロジック弁35にも作用して、このロジック弁35を閉止位置から開通位置に切り換える。
【0038】
上記低圧リリーフ弁44を設置した目的は、上記リフトシリンダ20または上記ロワシリンダ23の縮み動作ではカウンタウエイト4の自重によるメータアウト制御が支配的であるが、カウンタウエイト4の取り外し後は、カウンタウエイト荷重がなく、カウンタウエイト4の自重によるメータアウト制御が不可能なため、
図3(b)および
図4(b)に示されるようにシリンダ縮み用の押し込め圧を得る目的で低圧リリーフ弁44を設けている。この低圧リリーフ弁44は、カウンタウエイト4の自重により上記リフトシリンダ20または上記ロワシリンダ23が縮み動作しているときは、開状態で作動流体をタンク26にリリーフしている。
【0039】
上記3つの通路31,32,33のうちの第1の通路31は、弁装置28と、上記ロワシリンダ23のカウンタウエイト上昇動作用の作動流体が導入されるロワシリンダ上昇用圧力作用室23a(以下、上昇用圧力作用室23aという)との間で作動流体の供給用および戻し用となる通路である。
【0040】
上記3つの通路31,32,33のうちの第2の通路32は、上記弁装置28と、上記リフトシリンダ20のカウンタウエイト上昇動作用の作動流体が導入されるリフトシリンダ上昇用圧力作用室20a(以下、上昇用圧力作用室20aという)との間で作動流体の供給用および戻し用となる通路である。
【0041】
上記3つの通路31,32,33のうちの第3の通路33は、上記弁装置28と、上記ロワシリンダ23のカウンタウエイト下降動作用の作動流体が導入されるロワシリンダ下降用圧力作用室23b(以下、下降用圧力作用室23bという)および上記リフトシリンダ20のカウンタウエイト下降動作用の作動流体が導入されるリフトシリンダ下降用圧力作用室20b(以下、下降用圧力作用室20bという)との間で作動流体の供給用および戻し用となる通路である。
【0042】
上記第1の通路31には、上記ロワシリンダ23の物理的に伸張動作できない上昇限界状態を検出する第1の圧力センサ48が接続されている。また、上記第2の通路32には、上記リフトシリンダ20の物理的に伸張動作できない上昇限界状態を検出する第2の圧力センサ49が接続されている。
【0043】
上記第1の通路31中には、ロワシリンダ昇降用の指令信号(パイロット圧)の有無により第1の通路31を開閉制御するロワシリンダ用ロジック弁51が設けられている。このロワシリンダ用ロジック弁51は、ロワシリンダ昇降用パイロット圧をパイロット圧作用室51pに受けたときに切り換わって第1の通路31を開通する作動位置51aと、上記指令信号が無いときは第1の通路31を両方向から閉止するスプリングリターン位置51bとを備えたパイロット操作型オン/オフ切換弁である。
【0044】
上記第2の通路32中には、リフトシリンダ昇降用の指令信号(パイロット圧)の有無により第2の通路32を開閉制御するリフトシリンダ用ロジック弁52が設けられている。このリフトシリンダ用ロジック弁52は、リフトシリンダ昇降用パイロット圧をパイロット圧作用室52pに受けたときに切り換わって第2の通路32を開通する作動位置52aと、上記指令信号が無いときは第2の通路32を両方向から閉止するスプリングリターン位置52bとを備えたパイロット操作型オン/オフ切換弁である。
【0045】
上記第1の通路31中には、カウンタウエイト4の地面Gに対する取外時下降速度を制御するロワシリンダ用流量制御弁53が設けられている。このロワシリンダ用流量制御弁53は、絞り開度を調整する可変絞り弁53aと、この可変絞り弁53aに対し並列に接続されて上記ロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aへの作動流体の供給を可能とするとともにこの上昇用圧力作用室23aから流出しようとする戻り流体を逆止する方向性を有する逆止弁53bと、可変絞り弁53aの前後の差圧により圧力補償を行なう圧力補償弁53cとを具備した圧力補償付き流量制御弁である。
【0046】
同様に、上記第2の通路32中には、カウンタウエイト4の載せ台12に対する装着時下降速度を制御するリフトシリンダ用流量制御弁54が設けられている。このリフトシリンダ用流量制御弁54は、絞り開度を調整する可変絞り弁54aと、この可変絞り弁54aに対し並列に接続されて上記リフトシリンダ20の上昇用圧力作用室20aへの作動流体の供給を可能とするとともにこの上昇用圧力作用室20aから流出しようとする戻り流体を逆止する方向性を有する逆止弁54bと、可変絞り弁54aの前後の差圧により圧力補償を行なう圧力補償弁54cとを具備した圧力補償付き流量制御弁である。
【0047】
上記ロワシリンダ用ロジック弁51およびロワシリンダ用流量制御弁53は、一体化されたシリンダ弁55として、ロワシリンダ23に一体的に取り付けられ、上記リフトシリンダ用ロジック弁52およびリフトシリンダ用流量制御弁54は、一体化されたシリンダ弁56として、リフトシリンダ20に一体的に取り付けられている。
【0048】
図1に示された制御手段60は、演算回路とパイロット圧出力回路とで構成され、スイッチ(図示せず)から入力されるカウンタウエイト装着信号およびカウンタウエイト取外信号と、第1の圧力センサ48からのロワシリンダ上昇限界状態の検出信号および第2の圧力センサ49からのリフトシリンダ上昇限界状態の検出信号とに基づき、弁装置28、ロワシリンダ用ロジック弁51およびリフトシリンダ用ロジック弁52をパイロット制御するものである。
【0049】
制御手段60のパイロット圧出力回路は、パイロットポンプ61から供給されるパイロット圧流体(パイロット油)をオン/オフ制御してロワシリンダ用ロジック弁51のパイロット圧作用室51pに連通されたパイロットライン62に出力されるパイロット圧を有/無で切り換える電磁弁63と、パイロットポンプ61から供給されるパイロット圧流体をオン/オフ制御してリフトシリンダ用ロジック弁52のパイロット圧作用室52pに連通されたパイロットライン64に出力されるパイロット圧を有/無で切り換える電磁弁65と、パイロットポンプ61から供給されるパイロット圧流体をオン/オフ制御して弁装置28の一方のパイロットポート38aに連通されたパイロットライン66に出力されるパイロット圧を有/無で切り換える電磁弁67と、パイロットポンプ61から供給されるパイロット圧流体をオン/オフ制御して弁装置28の他方のパイロットポート38bに連通されたパイロットライン68に出力されるパイロット圧を有/無で切り換える電磁弁69とを備えている。
【0050】
制御手段60の演算回路は、カウンタウエイト取外信号により、第2の通路32のリフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに、作動圧源27を弁装置28により第2の通路32を経てリフトシリンダ20の上昇用圧力作用室20aに連通するよう方向制御すると同時に、リフトシリンダ20の下降用圧力作用室20bを弁装置28により第3の通路33を経てタンク26に連通するよう方向制御し、リフトシリンダ20の上昇限界状態を検出した第2の圧力センサ49からの検出信号により、リフトシリンダ用ロジック弁52を閉じ第1の通路31のロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに、作動圧源27を弁装置28により第3の通路33を経てロワシリンダ23の下降用圧力作用室23bに連通するよう方向制御すると同時に、ロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aを弁装置28により第1の通路31を経てタンク26に連通するよう方向制御し、また、カウンタウエイト装着信号により、第1の通路31のロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに、作動圧源27を弁装置28により第1の通路31を経てロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aに連通するよう方向制御すると同時に、ロワシリンダ23の下降用圧力作用室23bを弁装置28により第3の通路33を経てタンク26に連通するよう方向制御し、ロワシリンダ23の上昇限界状態を検出した第1の圧力センサ48からの検出信号により、ロワシリンダ用ロジック弁51を閉じ第2の通路32のリフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに、作動圧源27を弁装置28により第3の通路33を経てリフトシリンダ20の下降用圧力作用室20bに連通するよう方向制御すると同時に、リフトシリンダ20の上昇用圧力作用室20aを弁装置28により第2の通路32を経てタンク26に連通するよう方向制御するものである。
【0051】
要するに、上記制御手段60は、電磁弁63,65,67,69からのパイロット圧により、ロワシリンダ用ロジック弁51、リフトシリンダ用ロジック弁52および弁装置28を切換制御して、カウンタウエイト取外時は、リフトシリンダ20のカウンタウエイト上昇動作から、第2の圧力センサ49による検出信号に基づきロワシリンダ23によるカウンタウエイト下降動作に自動的に切り換え、また、カウンタウエイト装着時は、ロワシリンダ23のカウンタウエイト上昇動作から、第1の圧力センサ48による検出信号に基づきリフトシリンダ20によるカウンタウエイト下降動作に自動的に切り換える機能を備えている。
【0052】
次に、
図2乃至
図4を参照しながら、このカウンタウエイト着脱用制御回路25の作用を説明する。
【0053】
先ず、カウンタウエイト4の運搬時やメンテナンス時などのカウンタウエイト脱着時において、
図2(a)に示されたカウンタウエイト4が旋回フレーム11の載せ台12上に装着されている状態から
図2(c)に示されたように地面G上に取り外す場合、作業者は、カウンタウエイト4を載せ台12に固定している取付ボルト(図示せず)を外す。
【0054】
スイッチ(図示せず)などをカウンタウエイト取外側に操作すると、
図3(a)に示されるように、制御手段60は、カウンタウエイト取外信号により電磁弁65,67をオンに制御して、第2の通路32のリフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに、作動圧源27を弁装置28のロジック弁35および方向制御弁38などにより第2の通路32を経てリフトシリンダ20の上昇用圧力作用室20aに連通するよう方向制御すると同時に、リフトシリンダ20の下降用圧力作用室20bを第3の通路33および弁装置28の低圧リリーフ弁44および通路45などを経てタンク26に連通するよう方向制御する。
【0055】
このとき、
図2(a)から(b)に示されるように、リフトシリンダ20は、回動型サポート部材17に設けられた軸移動案内孔18に沿ってカウンタウエイト支軸19を旋回フレーム11とは反対側の斜め上方に移動するように伸張動作し、カウンタウエイト支軸19に連結されたカウンタウエイト4を載せ台12上で所定持上位置まで押し上げる。
【0056】
一方、ロワシリンダ23は、
図3(a)に示されるようにロワシリンダ用ロジック弁51でロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aに封入された作動流体圧により、
図2(a)から(b)に示されるように伸張状態でロックされており、回動型サポート部材17を一定の角度に維持する。
【0057】
そして、リフトシリンダ20のロッド側エンドピンであるカウンタウエイト支軸19と、カウンタウエイト4の重心よりやや上方にあるサポート位置とが連結されているため、カウンタウエイト4は、
図2(b)に示されるように回動することなく垂直姿勢を保ちながら斜め上方に上昇する。
【0058】
このようにして、リフトシリンダ20をカウンタウエイト取外時上昇動作させ、リフトシリンダ20によりカウンタウエイト4を載せ台12から持ち上げることができる。リフトシリンダ20が
図2(b)に示された上昇限界状態に到達して、カウンタウエイト支軸19が軸移動案内孔18の上端に当接すると、カウンタウエイト4は
図2(b)に示された載せ台12上の所定持上位置で強制的に停止されるため、
図3(a)に示される第2の通路32の圧力が上昇するので、この圧力上昇を監視する第2の圧力センサ49によってリフトシリンダ20の上昇限界状態を検出できる。
【0059】
このリフトシリンダ20の上昇限界状態を検出した第2の圧力センサ49からの検出信号により、制御手段60は、
図3(b)に示されるように、電磁弁65をオフに制御するとともに電磁弁63,67をオンに制御して、リフトシリンダ用ロジック弁52を閉じ、第1の通路31のロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに、作動圧源27を弁装置28の通路41および第3の通路33を経てロワシリンダ23の下降用圧力作用室23bに連通するよう方向制御すると同時に、ロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aを第1の通路31および弁装置28の方向制御弁38を経てタンク26に連通するよう方向制御する。この
図3(b)において、カウンタウエイト4の荷重がかかるロワシリンダ23は、カウンタウエイト4の自重により下降動作しており、このとき、低圧リリーフ弁44は開状態で作動流体をタンク26にリリーフしている。
【0060】
これにより、ロワシリンダ23は、
図2(b)に示される伸張状態から
図2(c)に示される収縮動作に変化し、すなわちカウンタウエイト取外下降動作して、回動型サポート部材17を下方へ回動することで、載せ台12を迂回する下方への回動経路に沿ってカウンタウエイト4を地面Gまで自動的に下降させる。
【0061】
このように、カウンタウエイト取外下降動作にあたって最初は、
図2(a)から(b)に示されるようにリフトシリンダ20によりカウンタウエイト4が斜め上方に持ち上げられ、さらに、
図2(c)に示されるように回動型サポート部材17およびリフトシリンダ20は、ロワシリンダ23によって、基軸16を中心に下方へ回動し、回動型サポート部材17の軸移動案内孔18に嵌合されたカウンタウエイト支軸19およびこのカウンタウエイト支軸19に連結されたカウンタウエイト4が、円弧を描くように下降して地面Gに接地するため、載せ台12と干渉することなくカウンタウエイト4は地面Gに降ろされる。この下降中、カウンタウエイト4は、その重心の上方にあるサポート位置をカウンタウエイト支軸19により回動自在に支持されているため、自重によって、常に垂直姿勢に保たれる。
【0062】
次に、地面G上のカウンタウエイト4を載せ台12上へ装着する場合は、スイッチ(図示せず)などをカウンタウエイト装着側に操作すると、
図4(a)に示されるように、制御手段60は、カウンタウエイト装着信号により電磁弁63,69をオンに制御して、第1の通路31のロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに、作動圧源27を弁装置28の方向制御弁38および第1の通路31を経てロワシリンダ23の上昇用圧力作用室23aに連通するよう方向制御すると同時に、ロワシリンダ23の下降用圧力作用室23bを第3の通路33および弁装置28の低圧リリーフ弁44を経た通路45によりタンク26に連通するよう方向制御する。
【0063】
これにより、
図2(c)から(b)に示されるように、ロワシリンダ23をカウンタウエイト装着時上昇動作させ、ロワシリンダ23により回動型サポート部材17が基軸16を中心に上方へ回動するので、載せ台12を迂回する上方への回動経路に沿ってカウンタウエイト4を載せ台12上の所定持上位置まで上昇移動させることができる。ロワシリンダ23が上昇ストロークエンドなどの上昇限界状態に到達してカウンタウエイト4が載せ台12上の所定持上位置で停止すると、第1の通路31の圧力が上昇するので、この圧力上昇を監視する第1の圧力センサ48によってロワシリンダ23の上昇限界状態を検出できる。
【0064】
ロワシリンダ23の上昇限界状態を検出した第1の圧力センサ48からの検出信号により、制御手段60は、
図4(b)に示されるように、電磁弁63をオフに制御するとともに電磁弁65,69をオンに制御して、ロワシリンダ用ロジック弁51を閉じ、第2の通路32のリフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに、作動圧源27を弁装置28の通路41および第3の通路33を経てリフトシリンダ20の下降用圧力作用室20bに連通するよう方向制御すると同時に、リフトシリンダ20の上昇用圧力作用室20aを第2の通路32および弁装置28の方向制御弁38によりタンク26に連通するよう方向制御する。この
図4(b)において、カウンタウエイト4の荷重がかかるリフトシリンダ20は、カウンタウエイト4の自重により下降動作しており、このとき、低圧リリーフ弁44は開状態で作動流体をタンク26にリリーフしている。
【0065】
これにより、
図2(b)から(a)に示されるように、リフトシリンダ20をカウンタウエイト装着時下降動作させて、載せ台12上の所定持上位置にあったカウンタウエイト4を載せ台12上に自動的に載せることができる。
【0066】
このように、カウンタウエイト装着動作では、最初は
図2(c)から(b)に示されるように回動型サポート部材17およびリフトシリンダ20は、ロワシリンダ23によって、基軸16を中心に上方へ回動し、回動型サポート部材17の軸移動案内孔18に嵌合されたカウンタウエイト支軸19およびこのカウンタウエイト支軸19に連結されたカウンタウエイト4が、円弧を描くように上昇して載せ台12の上方へ移動されるため、載せ台12と干渉することなくカウンタウエイト4は載せ台12上の所定持上位置まで上昇され、そして、
図2(b)から(a)に示されるようにリフトシリンダ20によりカウンタウエイト4が斜め下方に下降されて、載せ台12上に設置される。
【0067】
最後に、作業者は、載せ台12にカウンタウエイト4を取付ボルト(図示せず)で固定すればよい。
【0068】
以上のように、制御手段60は、カウンタウエイト取外信号により、
図3(a)に示されるようにリフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに弁装置28を方向制御して、リフトシリンダ20をカウンタウエイト取外時上昇動作させ、リフトシリンダ20によりカウンタウエイト4を載せ台12から持ち上げ、リフトシリンダ20が上昇限界状態に到達してカウンタウエイト4が載せ台12上の所定持上位置で停止すると、その上昇限界状態を検出した第2の圧力センサ49からの検出信号により、
図3(b)に示されるようにリフトシリンダ用ロジック弁52を閉じ、ロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに、弁装置28を方向制御して、ロワシリンダ23をカウンタウエイト取外時下降動作させ、ロワシリンダ23により回動型サポート部材17を下方へ回動して、カウンタウエイト4を載せ台12を迂回する下方への回動経路に沿って地面Gまで自動的に下降させることができ、また、カウンタウエイト装着信号により、
図4(a)に示されるようにロワシリンダ用ロジック弁51を開くとともに弁装置28を方向制御して、ロワシリンダ23をカウンタウエイト装着時上昇動作させ、ロワシリンダ23が上昇限界状態に到達してカウンタウエイト4が載せ台12上の所定持上位置で停止すると、その上昇限界状態を検出した第1の圧力センサ48からの検出信号により、
図4(b)に示されるようにロワシリンダ用ロジック弁51を閉じ、リフトシリンダ用ロジック弁52を開くとともに、弁装置28を方向制御して、リフトシリンダ20をカウンタウエイト装着時下降動作させ、載せ台12上の所定持上位置にあるカウンタウエイト4を載せ台12上に自動的に載せることができ、リフトシリンダ20およびロワシリンダ23による複数のカウンタウエイト着脱動作を所定の動作順序で制御できる簡便な構造のカウンタウエイト着脱用制御回路を提供できる。
【0069】
ロワシリンダ用ロジック弁51およびリフトシリンダ用ロジック弁52は、ロワシリンダ昇降用およびリフトシリンダ昇降用の指令信号が無いときは第1または第2の通路31,32を閉止するスプリングリターン位置51b,52bを備えたので、指令信号が無いときはフェイルセーフ機能が働き、ロワシリンダ23およびリフトシリンダ20の作動停止状態を保持できるので、重いカウンタウエイトが自重下降するおそれを防止できる。
【0070】
カウンタウエイト4の地面Gへの取外時下降速度を制御するロワシリンダ用流量制御弁53および載せ台12上での装着時下降速度を制御するリフトシリンダ用流量制御弁54により、これらの流量制御弁53,54で設定された最適な下降速度でカウンタウエイト4を地面Gや載せ台12に降ろすことができるようにスピードコントロールできる。
【0071】
カウンタウエイト着脱用のリフトシリンダ20およびロワシリンダ23を所定の動作順序で確実に制御できる簡便なカウンタウエイト着脱用制御回路25を搭載した油圧ショベル1を提供でき、この油圧ショベル1におけるカウンタウエイト運搬時の着脱、またはカウンタウエイト4およびその周辺部品のメンテナンスなどに要する作業性を向上できる。