(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前後一対の支柱を備え、且つ、物品を載置支持する荷受部材が左右方向に突出する状態で前記前後一対の支柱に取り付けられた少なくとも一対の枠組体が、夫々の前記荷受部材を互いに向き合わせた状態で左右方向に並設され、
前記荷受部材が、前記前後一対の支柱夫々に、夫々左右方向に突出する状態で取り付けられた前後一対の腕木と、それら前後一対の腕木の先端部同士を連結する角筒状の腕木ビームとを備えて構成されたラック用の物品はみ出し防止機構であって、
上端部が前記腕木ビームの上面よりも上方に突出し且つ前記腕木ビームの四角枠状の端面における少なくとも2辺に対応する部分に当接する状態で、前記腕木ビームの長手方向の端部に配設され、並びに、当該配設状態で前記腕木ビーム内に連通するボルト挿通孔を有するストッパ本体と、
前記ストッパ本体の前記ボルト挿通孔に、頭部の挿通が阻止された状態で軸部が挿通されて支持されたボルトと、
前記腕木ビームにおける四方の側壁部のうちの一方の一対の対向する側壁部の内面同士の幅よりも広い突っ張り方向の幅を有し且つその突っ張り方向に直交する遊び方向の幅が前記腕木ビームにおける他方の一対の対向する側壁部の内面同士の幅より狭く、並びに、前記突っ張り方向に沿う方向に長い長孔を有して、その長孔に前記ボルトの軸部を挿通させた状態で、前記ボルトにぶら下げ支持された突っ張り部材と、
前記突っ張り部材がぶら下げ支持された前記ボルトの軸部における前記突っ張り部材よりも先端側に螺合された雌ネジ部材とを備え、
前記雌ネジ部材が、前記突っ張り部材に対して、前記ボルトの軸部の軸心周りでの相対回転が阻止される相対回転阻止状態に係止されるように構成されているラック用の物品はみ出し防止機構。
前記雌ネジ部材の外周部が前記腕木ビームの内面に当接することにより、前記雌ネジ部材の前記軸心周りでの回転を阻止するように、前記雌ネジ部材における前記ボルトの軸部の軸心に直交する方向での幅が設定されている請求項1又は2に記載のラック用の物品はみ出し防止機構。
前記突っ張り部材における前記突っ張り方向の前記一端を前記他端よりも前記ストッパ本体側に位置させると共に、当該一端部における前記ボルトの軸部の軸心に沿う方向での移動を規制するように当該一端部を係合させる移動規制部が、前記ストッパ本体の裏面に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のラック用の物品はみ出し防止機構。
前記ボルトの軸部における前記ストッパ本体と前記突っ張り部材との間に、コイルバネが圧縮状態で介装されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のラック用の物品はみ出し防止機構。
前記長孔が、前記突っ張り方向の前記一端が前記他端よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で前記腕木ビーム内に位置する前記突っ張り部材において、前記突っ張り方向で前記他端側に偏った位置に備えられている請求項1〜6のいずれか1項に記載のラック用の物品はみ出し防止機構。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のラックでは、腕木ビームの長手方向の端部に物品はみ出し防止用の上方突出部を設けるには、溶接作業が必要となり、このような上方突出部の取付作業が困難且つ煩雑なものとなっていた。特に、既設のラックにこのような上方突出部を取り付けるには、倉庫等、ラックが据え付けられている場所で取付作業を行う必要があるので、取付作業の困難性及び煩雑性が一層顕著なものとなっていた。
又、溶接に代えて、ドリルで腕木ビーム等にボルト挿通用の孔を開けて、ボルトとナットを用いて上方突出部を設けることが考えられるが、取付作業が困難且つ煩雑なものになるのは従来と同様である。
【0006】
そこで、このような上方突出部の取付作業の改善を図るために、腕木ビームの長手方向の端部開口に弾性により嵌め込み可能な樹脂キャップを作製すると共に、その樹脂キャップに、それが腕木ビームの端部開口に嵌め込まれた状態で腕木ビームの上面よりも上方に突出する状態となるように、板状部材をリベット等により取り付け、板状部材における腕木ビームの上面よりも上方に突出する部分を上方突出部として機能させることが考えられる。このようにすると、板状部材を備えた樹脂キャップを腕木ビームの端部開口に嵌め込むだけの容易且つ簡素な作業で、腕木ビームの長手方向の端部に物品はみ出し防止用の上方突出部を取り付けることができる。
しかしながら、枠組体の揺れにより荷受部材に載置されている物品が滑って、板状部材における腕木ビームの上面からの突出部分に当たると、樹脂キャップが腕木ビームの端部開口から抜ける虞があり、物品のはみ出しを的確に防止することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品のはみ出しを防止することができ、しかも、取付作業の容易化及び簡素化を図り得るラック用の物品はみ出し防止機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラック用の物品はみ出し防止機構は、前後一対の支柱を備え、且つ、物品を載置支持する荷受部材が左右方向に突出する状態で前記前後一対の支柱に取り付けられた少なくとも一対の枠組体が、夫々の前記荷受部材を互いに向き合わせた状態で左右方向に並設され、前記荷受部材が、前記前後一対の支柱夫々に、夫々左右方向に突出する状態で取り付けられた前後一対の腕木と、それら前後一対の腕木の先端部同士を連結する角筒状の腕木ビームとを備えて構成されたラック用の物品はみ出し防止機構であって、
第1特徴構成は、上端部が前記腕木ビームの上面よりも上方に突出し且つ前記腕木ビームの四角枠状の端面における少なくとも2辺に対応する部分に当接する状態で、前記腕木ビームの長手方向の端部に配設され、並びに、当該配設状態で前記腕木ビーム内に連通するボルト挿通孔を有するストッパ本体と、
前記ストッパ本体の前記ボルト挿通孔に、頭部の挿通が阻止された状態で軸部が挿通されて支持されたボルトと、
前記腕木ビームにおける四方の側壁部のうちの一方の一対の対向する側壁部の内面同士の幅よりも広い突っ張り方向の幅を有し且つその突っ張り方向に直交する遊び方向の幅が前記腕木ビームにおける他方の一対の対向する側壁部の内面同士の幅より狭く、並びに、前記突っ張り方向に沿う方向に長い長孔を有して、その長孔に前記ボルトの軸部を挿通させた状態で、前記ボルトにぶら下げ支持された突っ張り部材と、
前記突っ張り部材がぶら下げ支持された前記ボルトの軸部における前記突っ張り部材よりも先端側に螺合された雌ネジ部材とを備え、
前記雌ネジ部材が、前記突っ張り部材に対して、前記ボルトの軸部の軸心周りでの相対回転が阻止される相対回転阻止状態に係止されるように構成されている点にある。
【0009】
即ち、ストッパ本体の長孔に挿通支持されたボルトの軸部に突っ張り部材をぶら下げ支持すると共に、ボルトの軸部における突っ張り部材よりも先端側に雌ネジ部材を螺合する。又、突っ張り部材が長孔によりボルトの軸部に挿通されていることによる融通により、突っ張り部材をその突っ張り方向の一端が他端よりも手前となる傾斜姿勢にして、長手方向の端部開口から角筒状の腕木ビーム内に挿入することができるようにし、更に、雌ネジ部材を突っ張り部材に対して相対回転阻止状態に係止する。
そして、そのような傾斜姿勢の突っ張り部材を、その突っ張り方向を、内幅が突っ張り部材の突っ張り方向での幅よりも狭い腕木ビームの一対の対向する側壁部の並び方向に沿わせた状態で、長手方向の端部開口から腕木ビーム内に挿入して、ストッパ本体を、その上端部が腕木ビームの上面よりも上方に突出し且つ腕木ビームの四角枠状の端面における少なくとも2辺に対応する部分に当接する状態で、腕木ビームの長手方向の端部に配設する。
【0010】
すると、雌ネジ部材が突っ張り部材に対して相対回転阻止状態に係止されていて、ボルトとの供回りが阻止されるので、ボルトを回すと、突っ張り部材をストッパ本体の側に押す状態で、雌ネジ部材をストッパ本体の側に移動させることができる。そのように雌ネジ部材で押す状態で突っ張り部材をストッパ本体の側に移動させるようにボルトを締め付けると、突っ張り部材の傾斜状態を緩めて突っ張り部材をその突っ張り方向の両端で腕木ビームの一対の対向する側壁部の内面に突っ張らせて、腕木ビーム内に強固に固定することができ、そのことによって、ストッパ本体を、その上端部が腕木ビームの上面よりも上方に突出する状態で、腕木ビームの長手方向の端部に強固に固定することができる。
【0011】
そして、ストッパ本体における腕木ビームの上面よりも上方に突出する部分を物品はみ出し防止用の上方突出部として機能させることができるので、物品が荷受部材から前後方向にはみ出すのを的確に防止することができる。
しかも、そのような上方突出部の取付作業は、上述したように、突っ張り部材を傾斜姿勢で角筒状の腕木ビーム内に挿入して、ストッパ本体を腕木ビームの長手方向の端部に配設した状態で、ボルトを回すだけの作業であり、容易且つ簡素な作業である。
従って、物品のはみ出しを防止することができ、しかも、取付作業の容易化及び簡素化を図り得るラック用の物品はみ出し防止機構(以下、物品はみ出し防止機構と略称する場合がある)を提供することができる。
【0012】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記雌ネジ部材における前記突っ張り部材に対向する前面が、前記突っ張り部材の前記遊び方向視で、前記突っ張り部材の側に突出するくの字形状になるように構成され、
前記突っ張り方向の一端が他端よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で前記腕木ビーム内に位置する前記突っ張り部材における、前記長孔よりも前記腕木ビーム内の奥側に位置する部分に対して、前記雌ネジ部材の前面が当接することにより、雌ネジ部材が前記突っ張り部材に対して前記相対回転阻止状態に係止される点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、突っ張り部材は、突っ張り方向の一端が他端よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で腕木ビーム内に位置し、そのような傾斜姿勢の突っ張り部材における長孔よりも腕木ビーム内の奥側に位置する部分に対して、遊び方向視でくの字状の雌ネジ部材の前面が当接する。すると、それら突っ張り部材の後面と雌ネジ部材の前面との接触面積が広くなって静止摩擦力が大きくなるので、その静止摩擦力により、雌ネジ部材のボルトとの供回りが抑制されることになり、雌ネジ部材が突っ張り部材に対して相対回転阻止状態に係止される。つまり、雌ネジ部材をくの字形状に屈曲成形するだけで、雌ネジ部材を突っ張り部材に対して相対回転阻止状態に係止することができる。
従って、雌ネジ部材を突っ張り部材に対して相対回転阻止状態に係止する構造の簡略化により、物品はみ出し防止機構の低廉化を図ることができる。
【0014】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記雌ネジ部材の外周部が前記腕木ビームの内面に当接することにより、前記雌ネジ部材の前記軸心周りでの回転を阻止するように、前記雌ネジ部材における前記ボルトの軸部の軸心に直交する方向での幅が設定されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、ボルトを回すと、雌ネジ部材が多少共回りしたとしても、その回転により、雌ネジ部材の外周部が腕木ビームの内面に当接するので、雌ネジ部材がボルトと共回りするのを確実に阻止することができる。
従って、ボルトを回すときの雌ネジ部材の共回りを確実に阻止することができるので、物品はみ出し防止機構の取付作業を一層容易化することができる。
【0016】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記突っ張り部材における前記突っ張り方向の前記一端を前記他端よりも前記ストッパ本体側に位置させると共に、当該一端部における前記ボルトの軸部の軸心に沿う方向での移動を規制するように当該一端部を係合させる移動規制部が、前記ストッパ本体の裏面に設けられている点にある。
【0017】
即ち、突っ張り部材の長孔にボルトの軸部を挿通させると共に、突っ張り部材の突っ張り方向の一端を移動規制部に係合させた状態にすると、突っ張り部材がその突っ張り方向の一端が他端よりもストッパ本体側に位置する傾斜姿勢で保持されるので、そのままの姿勢で、突っ張り部材を腕木ビームの端部開口から挿入することが可能となる。
そして、そのような傾斜姿勢で突っ張り部材を腕木ビーム内に位置させた状態で、雌ネジ部材をストッパ本体の側に移動させるようにボルトを回すと、突っ張り部材の突っ張り方向の一端の位置が移動規制部により固定された状態で、突っ張り部材が雌ネジ部材によりストッパ本体の側に押されて、その突っ張り方向の他端がストッパ本体の側に移動するので、突っ張り部材を腕木ビームの一対の対向する側壁部の内面に一層強固に突っ張らせることができる。
従って、突っ張り部材の腕木ビーム内への挿入作業が一層容易となり、しかも、ストッパ本体を腕木ビームの長手方向の端部に一層強固に固定することができるので、物品のはみ出しを一層的確に防止することができ、しかも、取付作業を一層容易化することができる。
【0018】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記ボルトの軸部における前記ストッパ本体と前記突っ張り部材との間に、コイルバネが圧縮状態で介装されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、圧縮状態のコイルバネにより、突っ張り部材が雌ネジ部材に押し付けられるので、雌ネジ部材と突っ張り部材とを一層的確に相対回転阻止状態に係止させることができる。
又、上記の第4特徴構成に加えて本特徴構成を実施すると、突っ張り部材をその突っ張り方向の一端が他端よりもストッパ本体側に位置する傾斜姿勢で一層的確に保持することができる。
従って、ボルトを回すときの雌ネジ部材の共回りを確実に阻止することができ、しかも、突っ張り部材の腕木ビーム内への挿入作業が一層容易となるので、物品はみ出し防止機構の取付作業を一層容易化することができる。
【0020】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成にいずれか1つに加えて、
前記ストッパ本体に、前記ボルトの頭部を没入させる座ぐり孔が設けられている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、突っ張り部材を腕木ビームの一対の対向する側壁部の内面に突っ張らせるべく、ボルトを回すと、ボルトの頭部がストッパ本体に設けられた座ぐり孔に没入するので、ボルトの頭部がストッパ本体から前後方向に突出するのを十分に抑制する又は回避することができる。
つまり、並列状態の枠組体の前方には、物品搬出入用の通路(例えば、スタッカークレーンの走行路)が形成されるが、このような物品はみ出し防止機構を取り付けても、物品搬出入用の通路の幅が狭まるのを十分に抑制することができる。
【0022】
第7特徴構成は、上記第1〜第6特徴構成にいずれか1つに加えて、
前記長孔が、前記突っ張り方向の前記一端が前記他端よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で前記腕木ビーム内に位置する前記突っ張り部材において、前記突っ張り方向で前記他端側に偏った位置に備えられている点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、突っ張り部材が、その突っ張り方向における長孔に近い方の端部が奥側に位置する状態の傾斜姿勢で、腕木ビーム内に配設される。
そして、そのように突っ張り部材が腕木ビーム内に傾斜姿勢で配設される状態で、ボルトを回すと、突っ張り部材における突っ張り方向において長孔から遠い方の端部を支点にして、突っ張り部材における支点からより離れた箇所を雌ネジ部材によりストッパ本体の側に押すことになるので、当該箇所を一層強い力でストッパ本体の側に押すことができるようになり、突っ張り部材を腕木ビームの一対の対向する側壁部の内面に一層強固に突っ張らせることができる。
従って、ストッパ本体を腕木ビームの長手方向の端部に一層強固に固定することができるので、物品のはみ出しを一層的確に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、ラックは、前後一対の支柱11を備え、且つ、物品(図示せず)を載置支持する荷受部材20が左右方向に突出する状態で前後一対の支柱11に取り付けられた少なくとも一対の枠組体Fが、夫々の荷受部材20を互いに向き合わせた状態で左右方向に並設されて構成されている。
図1には、一対の枠組体Fが並設されている状態を示すが、このラックは、図示を省略するが自動倉庫で用いられるものであり、多数の枠組体Fが左右方向に並設されると共に、そのように左右方向に多数の枠組体Fが並設された枠組体列の複数列が、スタッカークレーン(図示せず)を走行させるための走行路(図示せず)を形成すべく前後方向に間隔を隔てて並設される。
図1には、枠組体列のうちの左右方向の中間部で並ぶ一対の枠組体Fを示し、これら一対の枠組体F夫々には、荷受部材20が左右方向両側に突出する状態で取り付けられている。
【0026】
図1及び
図2に示すように、各枠組体Fには、荷受部材20が、上下方向に間隔を隔てて複数個(この実施形態では、4個)取り付けられている。
各荷受部材20は、前後一対の支柱11夫々に、夫々左右方向に突出する状態で取り付けられた前後一対の腕木21と、それら前後一対の腕木21の先端部同士を連結する角筒状の腕木ビーム22とを備えて構成されている。
【0027】
図1及び
図2に基づいて、各枠組体Fの構成について説明を加える。
前後一対の支柱11が、上下一対の前後方向に延びる横連結棒12及び斜め方向に延びる複数のラチス13により連結されて、縦長長方形枠状の枠組体Fが構成される。又、前後一対の支柱11夫々の下端には、枠組体Fを床面に立設するための脚部14が取り付けられている。尚、支柱11と横連結棒12、ラチス13、脚部14等との連結は、溶接接合により行われる。
各荷受部材20は、前後一対の腕木21と、それら前後一対の腕木21の間に配設される補強ビーム23と、前後一対の腕木21の左右両端に夫々配設される左右一対の腕木ビーム22とを四角枠状に連結して構成される。尚、腕木ビーム22と腕木21や補強ビーム23とは、溶接接合で連結される。
【0028】
前後一対の支柱11夫々における荷受部材20の配設箇所の夫々には、受部材15が溶接接合により取り付けられている。
そして、各荷受部材20の前後一対の腕木21夫々の長手方向の中央を前後一対の支柱11夫々の受部材15に載置支持した状態で、各腕木21を各受部材15にボルト16及びナット(図示せず)により固定することにより、各荷受部材20が、左右方向両側に突出する状態で、前後一対の支柱11に取り付けられる。
【0029】
各荷受部材20が、上述のように前後一対の支柱11に取り付けられた状態では、各荷受部材20の角筒状の腕木ビーム22の上面は水平方向に沿う状態となり、長手方向の両端は、開口状態となっている。
又、荷受部材20が前後一対の支柱11に取り付けられた状態で、腕木ビーム22は、垂直方向に沿う方向の上下幅(側壁部22a,22c間の外寸)の方が水平方向に沿う方向の横幅(側壁部22b,22d間の外寸)よりも広い縦長長方形の横断面形状を有する四角筒状に構成され、長手方向の両端は、縦長長方形枠状に開口している。
【0030】
そして、本発明に係るラック用の物品はみ出し防止機構M(以下、物品はみ出し防止機構と略称する場合がある)は、
図1及び
図2に示すように、各荷受部材20の腕木ビーム22における長手方向の開口状態の端部に設けられるものである。
【0031】
図5〜
図7に示すように、この物品はみ出し防止機構Mは、上端部が腕木ビーム22の上面よりも上方に突出し且つ腕木ビーム22の四角枠状の端面における少なくとも2辺に対応する部分に当接する状態で、腕木ビーム22の長手方向の端部に配設され、並びに、当該配設状態で腕木ビーム22内に連通するボルト挿通孔1hを有するストッパ本体1と、ストッパ本体1のボルト挿通孔1hに、頭部2tの挿通が阻止された状態で軸部2sが挿通されて支持された六角穴付ボルト2(ボルトに相当する)と、腕木ビーム22における四方の側壁部22a,22b,22c,22dのうちの一方の(上下方向に並ぶ)一対の対向する側壁部22a,22cの内面同士の幅W
acよりも広い突っ張り方向の幅W
Lを有し且つその突っ張り方向に直交する遊び方向の幅W
Sが腕木ビーム22における他方の(横方向に並ぶ)一対の対向する側壁部22b,22dの内面同士の幅W
bdより狭く、並びに、突っ張り方向に沿う方向に長い長孔3hを有して、その長孔3hに六角穴付ボルト2の軸部2sを挿通させた状態で、六角穴付ボルト2にぶら下げ支持された突っ張り部材3と、突っ張り部材3がぶら下げ支持された六角穴付ボルト2の軸部2sにおける突っ張り部材3よりも先端側に螺合された雌ネジ部材4とを備えて構成されている。
更に、雌ネジ部材4が、突っ張り部材3に対して、六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心周りでの相対回転が阻止される相対回転阻止状態に係止されるように構成されている。
【0032】
尚、詳細は後述するが、
図5(a)は、物品はみ出し防止機構Mを腕木ビーム22の端部に取り付ける前の状態を示す図であり、
図5(b)は、物品はみ出し防止機構Mを腕木ビーム22の端部に取り付けた状態を示す図である。又、
図6(a)は、突っ張り部材3を腕木ビーム22の一対の対向する側壁部22a,22cの内面に突っ張らせる前の状態を示す図であり、
図6(b)は、突っ張り部材3を腕木ビーム22の一対の対向する側壁部22a,22cの内面に突っ張らせた状態を示す図である。
【0033】
そして、ストッパ本体1における腕木ビーム22の上面よりも上方に突出する部分を、荷受部材20に載置された物品がはみ出すのを防止する上方突出部9として機能させるように構成されている。
【0034】
この実施形態では、突っ張り部材3が、前面視で概略長方形状を呈するように構成されていて、その前面視で長方形状の突っ張り部材3の長手方向を突っ張り方向とするので、以下の説明では、突っ張り方向を長手方向と記載し、その突っ張り方向に直交する遊び方向を短手方向と記載する場合がある。又、この実施形態では、前面視で、突っ張り部材3を、その長手方向を上下方向に沿わせた姿勢で、腕木ビーム22内に配設する。
【0035】
そして、この実施形態では、突っ張り部材3における長手方向の一端(下端)の係合片部3cを他端(上端)よりもストッパ本体1側に位置させると共に、当該一端部における六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心に沿う方向での移動を規制するように当該一端部の係合片部3cを係合させる移動規制部6が、ストッパ本体1の裏面に設けられている。
又、六角穴付ボルト2の軸部2sにおけるストッパ本体1と突っ張り部材3との間に、コイルバネ5が圧縮状態で介装されている
【0036】
次に、物品はみ出し防止機構Mの各部について、説明を加える。
図3〜
図5に示すように、ストッパ本体1は、平板状のストッパ板7と、そのストッパ板7の裏面に溶接接合により一体的に取り付けられた概ねL字形状の移動規制板8とから構成されている。
ストッパ板7は、横幅が腕木ビーム22の横幅(側壁部22b,22d間の外寸)と略同一で、上下幅が腕木ビーム22の上下幅(側壁部22a,22c間の外寸)よりも長い長方形板状に構成されている。そして、そのストッパ板7は、左右両端縁及び下端縁夫々が腕木ビーム22の開口端面の左右両端縁及び下端縁夫々に重なり、上端部が腕木ビーム22の上面よりも突出する形態で、腕木ビーム22における長手方向の端部開口の端面に当接された状態で配設される。このストッパ板7における腕木ビーム22の上面よりも突出する部分が、上方突出部9として機能する。尚、ストッパ板7における腕木ビーム22の上面から上方への突出量は、物品はみ出しを防止用の上方突出部9として適切に機能させることが可能で、しかも、荷受部材20に対する物品の出し入れに影響を与えない条件で、適宜設定される。
このように、ストッパ板7が腕木ビーム22の長手方向の端部に配設された状態で、ストッパ板7の腕木ビーム22内に臨む部分における左右方向の中央で且つ上方に偏った箇所に、六角穴付ボルト2の頭部2tを挿通可能なボルト頭部挿通孔7hが形成されている。
つまり、この実施形態では、ストッパ本体1(具体的には、ストッパ板7)が、腕木ビーム22の四角枠状の端面の全周にわたって当接する状態で、腕木ビーム22の長手方向の端部に配設されることになる。
【0037】
L字形状の移動規制板8は、一方の辺部に対応する平板状の当接部分8aがストッパ板7の裏面に当接され、且つ、他方の辺部に対応する平板状の張出部分8bがストッパ板7の裏面側に突出する状態で、ストッパ板7の裏面に取り付けられる。
この移動規制板8の当接部分8aの外形形状は、腕木ビーム22の端部開口の内周縁の形状よりもやや小さい形状に構成されて、腕木ビーム22の端部開口に挿入可能に構成されている。
そして、ストッパ板7が、上述の如き形態(左右両端縁及び下端縁夫々が腕木ビーム22の開口端面の左右両端縁及び下端縁夫々に重なり、且つ、上端部が腕木ビーム22の上面よりも突出する形態)で腕木ビーム22の端部に配設されると、移動規制板8の当接部分8aを腕木ビーム22の端部開口内に入り込ませることが可能となる相対位置関係で、L字形状の移動規制板8がストッパ板7の裏面に当接して取り付けられる。
又、この移動規制板8の当接部分8aには、前述のような相対位置関係でストッパ板7の裏面に当接された状態で、ストッパ板7のボルト頭部挿通孔7hと同心状となり、六角穴付ボルト2の頭部2tよりも小径で且つ軸部2sよりも大径で、六角穴付ボルト2の軸部2sを挿通可能なボルト軸部挿通孔8hが形成されている。
【0038】
つまり、移動規制板8の当接部分8aは、ストッパ本体1を、その左右両端縁及び下端縁夫々が腕木ビーム22の開口端面の左右両端縁及び下端縁夫々に重なり、且つ、上端部が腕木ビーム22の上面よりも突出する相対位置関係で、腕木ビーム22の長手方向の端部に配設する際の位置決め手段として機能する。
【0039】
移動規制板8の張出部分8bには、後述する突っ張り部材3の係合片部3cを係合させる係合孔8cが形成されている。尚、移動規制板8の張出部分8bには、先端側の幅広部分と基端側の幅狭部分とが互いに連通する形態の孔が形成されているが、このように張出部分8bに形成された孔のうち、先端側の幅広部分が係合孔8cとして機能する。
この移動規制板8の張出部分8bにおける六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心方向に沿う方向での長さは、六角穴付ボルト2の軸部2sの長さの概ね1/2程度の長さに設定されて、係合孔8cにおける六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心方向に沿う方向での形成位置が、軸部2sの中央よりも手前になるように設定されている。
【0040】
そして、ストッパ板7と移動規制板8とを上述した相対位置関係で一体的に接合することにより、ストッパ本体1が構成され、移動規制板8のボルト軸部挿通孔8hがボルト挿通孔1hとして機能し、ストッパ板7のボルト頭部挿通孔7hが六角穴付ボルト2の頭部2tを没入させる座ぐり孔1zとして機能する。つまり、ストッパ本体1に、六角穴付ボルト2の頭部2tを没入させる座ぐり孔1zが設けられていることになる。
尚、ストッパ板7の厚さは、六角穴付ボルト2の頭部2tの高さよりも僅かに薄く設定されて、六角穴付ボルト2の頭部2tの大部分を座ぐり孔1zに没入させるように構成されている。
【0041】
突っ張り部材3は、長手方向の一端側の部分が前述の移動規制板8の係合孔8cの幅よりも狭い(但し、張出部分8bに形成された孔のうちの幅狭部分よりも広い)幅狭状に構成されて、その幅狭状の部分が柄部分に対応する如き、概略羽子板状に構成されている。そして、その羽子板状の突っ張り部材3における羽子板の柄部分に対応する幅狭部分が、移動規制板8の係合孔8cに嵌まり込ませて係合させる係合片部3cとして機能させるように構成されている。
又、長孔3hは、長手方向において係合片部3cとは反対側の端部側に寄せて、突っ張り部材3に形成されている。
【0042】
雌ネジ部材4は、長方形状の板状部材を幅方向の略中央で「く」の字状に屈曲させると共に、中央部に六角孔付ボルト2を螺合可能なネジ孔が形成されて構成されている。
又、このくの字状に屈曲した山形の雌ネジ部材4における横幅(稜線の伸びる方向での幅)は、腕木ビーム22における横方向に並ぶ一対の対向する側壁部22b,22dの内面同士の幅W
bdよりも多少小さくなるように構成されている。
【0043】
次に、
図3及び
図4に基づいて、物品はみ出し防止機構Mの組み立て方法について説明する。
図3に示すように、先ず、六角穴付ボルト2をストッパ本体1のボルト挿通孔1hに挿通して、その六角穴付ボルト2の軸部2sにコイルバネ5を通す。
続いて、突っ張り部材3を、その係合片部3cをストッパ本体1の移動規制板8の係合孔8cに嵌めこんで係合させた状態で、その長孔3hに六角穴付ボルト2の軸部2sを挿通して、六角穴付ボルト2にぶら下げ支持させる。
続いて、
図4に示すように、雌ネジ部材4を六角穴付ボルト2の軸部2sの先端から螺合して、コイルバネ5をストッパ本体1と突っ張り部材3とに挟まれて圧縮された圧縮状態にする。更に、
図4及び
図5(a)に示すように、長手方向の一端(下端)が他端(上端)よりもストッパ本体1側に位置する傾斜状態での突っ張り部材3におけるストッパ本体1の長手方向に沿う方向での高さが、腕木ビーム22における上下方向に並ぶ一対の対向する側壁部22a,22cの内面同士の幅W
acよりも多少低くなるように、六角穴付ボルト2の軸部2sに螺合した雌ネジ部材4の位置を調整する。このように突っ張り部材3を傾斜姿勢にすると、
図5(a)に示すように、ストッパ本体1をその長手方向を上下方向に沿わせた姿勢で腕木ビーム22の端部開口に近づけることにより、突っ張り部材3を腕木ビーム22の端部開口から内部に入れ込むことが可能になる。
そして、
図4に示すように、雌ネジ部材4の姿勢を、その山形の稜線の対応する部分が突っ張り部材3の短手方向に沿う姿勢にする。
【0044】
尚、突っ張り部材3を上述のような傾斜姿勢に姿勢変更することが可能な融通状態で、突っ張り部材3の係合片部3cを嵌め込み可能にすべく、移動規制板8の係合孔8cにおける六角穴付ボルト2の軸部2sに沿う方向での幅は、係合片部3cの厚さよりも多少大きくなるように設定されている。
【0045】
以上のように物品はみ出し防止機構Mを構成する各部材を組み立てると、物品はみ出し防止機構Mがユニット化されることになる。
そして、そのように物品はみ出し防止機構Mがユニット化された状態では、コイルバネ5を圧縮状態にした状態で、突っ張り部材3を腕木ビーム22の端部開口から内部に入れ込むことが可能なように、長手方向の一端(下端)が他端(上端)よりもストッパ本体1側(手前側)に位置する状態の傾斜姿勢にすることができ、しかも、圧縮状態のコイルバネ5の付勢力により、そのような傾斜姿勢の突っ張り部材3における、長手方向で長孔3hに対して係合片部3c側と反対側(他端側)の部分に、雌ネジ部材4の前面が当接する状態となる。
【0046】
つまり、移動規制板8の張出部分8bを上述した移動規制部6として機能させるように構成されている。
又、雌ネジ部材4における突っ張り部材3に対向する前面が、突っ張り部材3の短手方向視(即ち、遊び方向視)で、突っ張り部材3の側に突出するくの字形状になるように構成され、長手方向(即ち、突っ張り方向)の一端が他端よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で腕木ビーム22内に位置する突っ張り部材3における、長孔3hよりも腕木ビーム22内の奥側に位置する部分に対して、雌ネジ部材4の前面が当接することにより、雌ネジ部材4が突っ張り部材3に対して相対回転阻止状態に係止されることになる。つまり、互いに当接する突っ張り部材3の後面と雌ネジ部材4の前面との間の静止摩擦力により、雌ネジ部材4の六角穴付ボルト2との供回りが抑制されることになる。
【0047】
又、六角穴付ボルト2を回すと、雌ネジ部材4が多少共回りしたとしても、その回転により、雌ネジ部材4の外周部(横方向の端面)が腕木ビーム22の内面に当接するので、雌ネジ部材4が六角穴付ボルト2と共回りするのを確実に阻止することができる。
つまり、雌ネジ部材4の外周部が腕木ビーム22の内面に当接することにより、雌ネジ部材4における六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心周りでの回転を阻止するように、雌ネジ部材4における六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心に直交する方向での幅が設定されていることになる。
【0048】
更に、長孔3hが、長手方向の一端(下端)が他端(上端)よりも手前側に位置する状態の傾斜姿勢で腕木ビーム22内に位置する突っ張り部材3において、長手方向で他端(上端)側に偏った位置に備えられていることになる。
【0049】
次に、この物品はみ出し防止機構Mを腕木ビーム22の端部に取り付ける手順について説明する。
先ず、
図5(a)に示すように、ストッパ本体1をその長手方向を鉛直方向に沿わせた姿勢で腕木ビーム22の端部開口に近づけて、
図5(b)及び
図6(a)に示すように、突っ張り部材3を腕木ビーム22の端部開口から内部に入れ込んで、ストッパ本体1を腕木ビーム22の端面に当て付ける。そのようにストッパ本体1を腕木ビーム22の端面に当て付けた状態では、ストッパ本体1の左右両端縁及び下端縁夫々が腕木ビーム22の開口端面の左右両端縁及び下端縁夫々に重なり、上端部が腕木ビーム22の上面よりも突出する形態となる。
続いて、六角棒レンチ(図示せず)により、雌ネジ部材4をストッパ本体1の側に移動させる向きに、六角穴付ボルト2を回す。
すると、互いに当接している突っ張り部材3の後面と雌ネジ部材4の前面との間の静止摩擦力により、雌ネジ部材4の六角穴付ボルト2との供回りが抑制されると共に、雌ネジ部材4が多少共回りしたとしても、その回転により、雌ネジ部材4の外周部が腕木ビーム22の内面に当接して、雌ネジ部材4の共回りが確実に阻止されるので、突っ張り部材3の上端側の部分をストッパ本体1の側に押す状態で、雌ネジ部材4がストッパ本体1の側に移動する。
【0050】
すると、
図6の(b)に示すように、突っ張り部材3の下端が腕木ビーム22の側壁部22cの内面に当接すると共に、移動規制部6により六角穴付ボルト2の軸部2sの軸心に沿う方向での移動が規制される状態で、突っ張り部材3の上端側の箇所がストッパ本体1側に押されて、突っ張り部材3の上端が腕木ビーム22の側壁部22aの内面に押し付けられるので、突っ張り部材3をその長手方向の両端で腕木ビーム22の一対の対向する側壁部22a,22cの内面に突っ張らせて、腕木ビーム22内に強固に固定することができる。
そのように突っ張り部材3を腕木ビーム22の一対の対向する側壁部22a,22cの内面に突っ張らせる際には、突っ張り部材3における長手方向において長孔3hから遠い方の端部(下端部)を支点にして、突っ張り部材3における支点からより離れた箇所を雌ネジ部材4によりストッパ本体1の側に押すので、当該箇所を一層強い力でストッパ本体1の側に押すことができるようになり、突っ張り部材3を腕木ビーム22の一対の対向する側壁部22a,22cの内面に強固に突っ張らせることができる。
【0051】
従って、ストッパ本体1を、その上端部が腕木ビーム22の上面よりも上方に突出する状態で、腕木ビーム22の長手方向の端部に強固に固定することができる。
そして、ストッパ本体1における腕木ビーム22の上面よりも上方に突出する部分を上方突出部9として機能させることにより、その上方突出部9により、荷受部材20に載置支持されている物品がはみ出すのを的確に防止することができる。
そのようにストッパ本体1を腕木ビーム22の長手方向の端部に固定した状態では、ストッパ本体1は、腕木ビーム22から左右両側及び下方側には全く突出しておらず、又、六角穴付ボルト2の頭部2tがストッパ本体1から前後方向に突出するのも十分に抑制することができる。従って、上方突出部9を取り付けることにより、物品の収納スペースを狭めたり、物品搬出入用の通路の幅を狭めたりする影響が出るのを可及的に防止することができる。
【0052】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) ストッパ本体1の前面視での外形形状は、上記の実施形態において例示した長方形状に限定されるものではなく、腕木ビーム22の四角枠状の端面における少なくとも2辺に対応する部分に当接させることが可能な条件で、種々の形状を採用することができる。例えば、腕木ビーム22における上下方向に並ぶ一対の対向する側壁部22a,22cの端面に当接可能な細長形状でも良い。
尚、上方突出部9を取り付けても物品の収納スペースを狭めないようにするには、ストッパ本体1の前面視での外形形状は、腕木ビーム22の四角枠状の端面の左右両端縁及び下端縁からはみ出させない形状にするのが好ましい。
【0053】
(ロ) 突っ張り部材3を腕木ビーム22内に配設する姿勢は、上記の実施形態で例示した姿勢、即ち、突っ張り方向を上下方向に沿わせると共に、下端が上端よりも手前側に位置する傾斜姿勢に限定されるものではない。例えば、突っ張り方向を上下方向に向ける場合でも、下端が上端よりも奥側に位置する傾斜姿勢でも良い。
又、突っ張り方向を横方向に沿わせた姿勢でも良い。
【0054】
(ハ) 突っ張り部材3の外形形状は、上記の実施形態において例示した如き、互いに直交する方向夫々での長さが互いに異なる形状(即ち、長手方向とその長手方向に直交する短手方向とを有する概略長方形状)に限定されるものではなく、互いに直交する方向夫々での長さが同一となる形状(概略、正方形形状)でも良い。
又、突っ張り部材3の外形形状を、上記の実施形態のように長手方向と長手方向に直交する短手方向とを有する概略長方形状にする場合でも、突っ張り方向を上記の実施形態のように長手方向にするのではなく、短手方向にしても良い。
【0055】
(ニ) 雌ネジ部材4を突っ張り部材3に対して相対回転阻止状態に係止する構造は、上記の実施形態において例示した構造、即ち、平面同士の接触により生じる静止摩擦力により係止する構造に限定されるものではない。
例えば、雌ネジ部材4及び突っ張り部材3のいずれか一方に突起部を設け、他方にその突起部を嵌め込むことが可能な凹部を設けて、それら突起部と凹部とを係合させることにより係止する構造でも良い。
【0056】
(ホ) 上記の実施形態における移動規制部6及びコイルバネ5のうちのいずれか一方、又は、両方を省略しても良い。
【0057】
(ヘ) ボルトの具体例として、上記の実施形態では、六角孔付ボルト2を例示したが、六角ボルトでも良い。
【0058】
(ト) 上記の実施形態では、ストッパ本体1に座ぐり孔1zを設けたが、
図8に示すように、ストッパ本体1に座ぐり孔1zを設けなくても良い。即ち、ストッパ板7に、六角穴付ボルト2の頭部2tよりも小径で且つ軸部2sよりも大径で、六角穴付ボルト2の軸部2sを挿通可能なボルト軸部挿通孔7mを形成して、ストッパ本体1のボルト挿通孔1hを、このストッパ板7のボルト軸部挿通孔7mと移動規制板8のボルト軸部挿通孔8hとにより構成する。
本別実施形態のようにストッパ本体1に座ぐり孔1zを設けない場合、六角穴付ボルト2によりストッパ本体1にかかる張力は、そのストッパ本体1を構成するストッパ板7と移動規制板8とのうちのストッパ板7にて主に受ける。従って、移動規制板8に六角穴付ボルト2の頭部2tを当接させる場合(
図6(b)に示す場合)に比べて、移動規制板8の変形を防止して、物品はみ出し防止機構Mとしての強度を十分確保できる。