(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a1)成分および(a2)成分を反応させてなるポリイミド樹脂において、〔(a1)成分の使用モル数/(a2)成分の使用モル数〕が0.6〜1.4であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかのアルコキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂。
鎖伸長剤としての(a2)成分の使用量が、〔(a1)成分および(a2)成分を反応させてなるポリイミド樹脂中の残存カルボキシル基のモル数〕/〔鎖伸長剤としての(a2)成分のモル数〕が0.6/1〜1.4/1となる範囲である、請求項2〜7のいずれかのアルコキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂。
前記アルコキシシラン部分縮合物とエポキシアルコールの使用量が、〔アルコキシシラン部分縮合物中のアルコキシ基のモル数/エポキシアルコール中の水酸基のモル数〕が1/0.3〜1/0.01となる範囲である、請求項9〜11のいずれかのアルコキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂。
さらに、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂およびシアネートエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂(C)を含有する請求項1〜13の樹脂ワニス。
【背景技術】
【0002】
電化製品や電子機器に用いるプリント回路基板やビルドアップ基板の作製に用いる接着剤としては、従来、耐熱性や柔軟性、回路基板への密着性等に優れる芳香族系のポリイミド樹脂が賞用されてきた。また、芳香族系ポリイミド樹脂は、半導体素子等の電子部品を搬送するための仮固定手段であるキャリアテープないしシートの接着剤としても汎用されており、電化製品や電子機器を製造するうえで欠かせない材料となっている。
【0003】
ところで芳香族系ポリイミド樹脂の多くは有機溶剤に溶解し難く、ワニスとしての利用が困難とされている。そこで、古くはその前駆体(ポリアミック酸)の溶液を回路基板に塗工した後、加熱下に閉環反応を行うことによって、基板上にポリイミド樹脂の皮膜を形成していた。しかし、この方法では基板自体が熱劣化するおそれがある。また、従来の芳香族系ポリイミド樹脂は耐熱性の点で課題があった。
【0004】
そこで、有機溶剤への溶解性を高め、かつ耐熱性を高めた芳香族系ポリイミド樹脂として、例えば特許文献1には、ビフェニルテトラカルボン酸、ジアミノポリシロキサンおよびジアミノ安息香酸を反応させて得られる芳香族系ポリイミドシロキサンが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、オキシジフタル酸二無水物(ビフェニルテトラカルボン酸類二無水物)、ビスアミノプロピルポリジメチルシロキサンおよびビスアミノフェノキシベンゼンを所定の割合で反応させて得られるガラス転移温度が350℃以下の芳香族系ポリイミドシロキサンが開示されており、半導体実装用の接着テープとして有用であるとされる。
【0006】
また、特許文献3には、各種テトラカルボン酸及びジアミンより得られる、有機溶剤に可溶であって且つ所定の粘度を有する芳香族系ポリイミドシロキサンと、エポキシ樹脂とからなる組成物を塗工したフラキシブル配線基板が開示されており、保護膜の耐熱性や密着性、基板の非カール性等が良好であるとされる。
【0007】
また、特許文献4には、ビフェニルテトラカルボン酸、ジアミノポリシロキサンおよび芳香族ジアミンを反応させて得られる芳香族系ポリイミドシロキサンとエポキシ化合物とから得られる組成物を基材に塗工してなるTAB(Tape Automated Bonding)用のキャリアテープが開示されており、当該組成物は耐熱性や加工性、接着性等に優れるとされる。
【0008】
しかしながら、これら芳香族系ポリイミドシロキサンは直鎖構造をしており、ガラス転移温度以上の温度領域で溶融するため、高温時の接着性(以下、耐熱接着性ということがある。)が不十分となる。
【0009】
そこで本出願人は、特許文献5において、芳香族系ポリイミドシロキサンに更にエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物を開環エステル化反応させて得られる、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサンを提案した。このものは、分子鎖ないし分子末端にメトキシシラン類が結合しており、メトキシシリル基のゾル−ゲル硬化反応により生ずるシリカ粒子により優れた耐熱接着性や柔軟性、基材への密着性、非カール性等を示す。
【0010】
しかしながら、本出願人が検討したところ、特許文献5のシラン変性ポリイミドシロキサンは、キャリアテープないしシートの接着剤として使用した場合において糊残りを生じやすいことが判明した。糊残りとは、キャリアテープないしシートの接着面より電子部品を剥離した際、部品表面に接着剤層の一部が付着するトラブルをいい、製品の歩留まりや生産性を低下させる要因となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のアルコキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸類(a1)(以下、(a1)成分という。)および
所定の一般式(2)および/または一般式(2’)で表されるダイマージアミンを30モル%以上含むジアミン類(a2)(以下、(a2)成分という。)を反応させてなるポリイミド樹脂(A)(以下、(A)成分という。)と、エポキシ基含有アルコキシシシラン部分縮合物(a3)(以下、(a3)成分という。)とを反応させることにより得られるポリイミド樹脂(以下、ポリイミド樹脂[1]ということがある。)、ならびに、(A)成分を更に当該(a2)成分で鎖伸長してなるポリイミド樹脂(A’)(以下、(A’)成分という。)と、(a3)成分とを反応させることにより得られるポリイミド樹脂(以下、ポリイミド樹脂[2]ということがある。)である。
【0021】
<ポリイミド樹脂[1]>
前記したように、ポリイミド樹脂[1]は、(A)成分と(a3)成分を反応させることにより得られる樹脂である。
【0022】
(A)成分をなす(a1)成分としては、ポリイミドの原料として公知のものを使用できる。具体的には、例えばピロメリット酸二無水物や下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0023】
【化1】
(式(1)中、Xは単結合または下記群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)
【0025】
式(1)で表される化合物としては、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,3’,4,4’−テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、4,4’−[プロパン−2,2−ジイルビス(1,4−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物などが挙げられ、これらは2種以上組み合わせてもよい。
【0026】
(A)成分をなす(a2)成分におけるダイマージアミンは、例えば特開平9−12712号公報に記載されているように、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸から誘導される化合物である。本発明
ではダイマージアミン
として下記一般式(2)および/または一般式(2’)で表されるもの
を用いる。
【0027】
【化3】
(式(2)中、m+n=6〜17、p+q=8〜19であり、
破線部は炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を意味する。)
【0028】
【化4】
(式(2’)中、m+n=6〜17、p+q=8〜19であ
る。)
【0029】
ダイマージアミンとしては、本発明に係る接着剤の有機溶剤溶解性や初期接着性、耐熱接着性、低タック性、低糊残り性等の観点より、前記一般式(2’)で表されるものが好ましく、特に下記構造のものが好ましい。
【0031】
ダイマージアミンの市販品としては、例えばバーサミン551(BASFジャパン(株)製)、バーサミン552(コグニクスジャパン(株)製;バーサミン551の水添物)、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(いずれもクローダジャパン(株)製)等が挙げられる。
【0032】
(a2)成分におけるダイマージアミンの含有量は、耐熱接着性や低タック性、低糊残り性等の観点より、(a2)成分の全体100モル%を基準として、通常30モル%以上、好ましくは45〜100モル%である。
【0033】
また、(a2)成分には必要に応じて他のジアミンを通常70モル%未満、好ましくは55〜0モル%の範囲で含めることができる。
【0034】
当該他のジアミンとしては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばジアミノポリシロキサンが挙げられ、なかでも下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
【0035】
【化5】
(式(3)中、R
1は炭素数2〜6のアルキレン基を、R
2は炭素数1〜4のアルキル基を、rは1〜30を表す。)
【0036】
一般式(3)で表されるジアミノポリシロキサンとしては、例えば、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(5−アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(2−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(4−アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、これらは2種以上組み合わせてもよい。
【0037】
当該他のジアミンとしては、他にも例えば、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等のビスアミノフェノキシフェニルプロパン類;
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミノジフェニルエーテル類;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類;3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等のジアミノジフェニルスルフィド類;3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等のジアミノジフェニルスルホン類;3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン等のジアミノベンゾフェノン類;3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミノジフェニルメタン類;2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン等のジアミノフェニルプロパン類;2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン類;
1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン等のジアミノフェニルフェニルエタン類;1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等のビスアミノフェノキシベンゼン類;1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン等のビスアミノベンゾイルベンゼン類;1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン等のビスアミノジメチルベンゼン類;1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン等のビスアミノジトリフルオロメチルベンジルベンゼン類;2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等のアミノフェノキシビフェニル類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等のアミノフェノキシフェニルケトン類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド等のアミノフェノキシフェニルスルフィド類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のアミノフェノキシフェニルスルホン類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等のアミノフェノキシフェニルエーテル類;2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のアミノフェノキシフェニルプロパン類;その他、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エ−テル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコ−ルビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコ−ルビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコ−ルビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0038】
(A)成分は、各種公知の方法により製造できる。例えば、先ず、(a1)成分と(a2)成分を、通常60〜120℃程度、好ましくは80〜100℃の温度において、通常0.1〜2時間程度、好ましくは0.1〜0.5時間重付加反応させる。次いで、得られた重付加物を更に80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃の温度において、0.5〜50時間程度、好ましくは1〜20時間イミド化反応、即ち脱水閉環反応させることにより、目的とする(A)成分が得られる。
【0039】
(a1)成分と(a2)成分の使用量は特に限定されないが、(A)成分の後述の有機溶剤への溶解性や、初期接着性および耐熱接着性等の観点より、〔(a1)成分の使用モル数/(a2)成分の使用モル数〕が通常0.6/1〜1.4/1程度、好ましくは0.8/1〜1.2/1となる範囲である。
【0040】
(A)成分のイミド閉環率は特に限定されないが、通常70%以上、好ましくは85〜100%である。ここに「イミド閉環率」とは、(A)成分における環状イミド結合の含有量を意味し、例えばNMRやIR分析等の各種分光手段により決定できる。そして、(A)成分のイミド閉環率を70%以上とすることにより、本発明の接着剤の初期接着性や耐熱接着性がいっそう良好となり、また、本発明の硬化物に、前記イミド化反応において生じた水分に由来する発泡が生じ難くなる。
【0041】
なお、イミド化反応においては、各種公知の反応触媒、脱水剤、および後述する有機溶剤を使用できる。反応触媒としては、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類等が挙げられる。また、脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物や無水安息香酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
【0042】
こうして製造した(A)成分と(a3)成分とを反応させることにより、本発明のポリイミド樹脂[1]を得ることができる。
【0043】
(a3)成分は、シロキサン結合を連続単位とし、分子鎖中にアルキル基及びアルコキシ基が結合したケイ素原子を有し、かつ分子末端にエポキシ基を有する高分子量化合物であり、各種公知のアルコキシシラン部分縮合物とエポキシアルコールとを脱アルコール反応(即ち、加水分解反応)させることにより得られる。
【0044】
前記アルコキシシラン部分縮合物成分としては、下記一般式(4)で表されるものが好適である。
【0046】
(式(4)中、R
3は炭素数1〜3程度のアルキル基を、R
4は炭素数1〜3程度のアルキル基またはアリール基を表す。また、sは2〜100程度、好ましくは2〜50程度、いっそう好ましくは3〜8を示す。)
【0047】
前記エポキシアルコールとしては、下記一般式(5)で表されるものが好適である。
【0048】
【化7】
(式(5)中、tは1〜10、好ましくは1〜8の整数を示す。)
【0049】
前記脱アルコール反応は、各種公知の方法に従い実施できる。具体的には、例えば、アルコキシシラン部分縮合物とエポキシアルコールと50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃の条件下において、加熱により副生するアルコールを系外に留去しながら反応させればよい。
【0050】
なお、アルコキシシラン部分縮合物とエポキシアルコールの使用量は特に限定されないが、特に耐熱密着性や糊残り等の点より、通常は〔アルコキシシラン部分縮合物中のアルコキシ基のモル数)/エポキシアルコール中の水酸基のモル数〕が通常1/0.3〜1/0.01程度となる範囲であればよい。
【0051】
前記脱アルコール反応においては、必要に応じて後述の(B)成分や、各種公知の触媒を使用できる。当該触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、カドミウム、マンガン等の金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等が挙げられる。
【0052】
(A)成分と(a3)成分の反応は、所謂開環エステル化反応である。反応条件は特に限定されず、反応温度が通常40〜130℃程度、好ましくは70〜110℃であり、よび反応時間が通常1〜7時間程度である。
【0053】
前記開環エステル化反応の際には、各種公知の触媒として、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボーレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボーレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボーレート等のテトラフェニルボロン塩等を使用できる。その使用量は特に制限されないが、通常、目的とする(B)成分100重量部(固形分換算)に対して0.1〜5重量部程度である。
【0054】
また、開環エステル化反応の際には、後述する有機溶剤を使用することができ、特にシクロヘキサノン等の脂環族系溶剤が好ましい。また、各種公知の低分子アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等を添加することにより、ポリイミド樹脂[1]の溶液の粘度安定性が改善される。
【0055】
<ポリイミド樹脂[2]>
前記したように、ポリイミド樹脂[1]は、(A’)成分と(a3)成分を反応させることにより得られる樹脂である。
【0056】
該(A’)成分は、前記(A)成分を更に前記(a2)成分で鎖伸長してなるポリイミド樹脂である。
【0057】
鎖伸長反応の条件は特に限定されないが、通常は60℃以下、好ましくは50℃以下の温度において、1〜6時間程度、好ましくは1〜3時間重付加反応させればよい。また、反応の際には後述の有機溶剤を用いることもできる。
【0058】
鎖伸長剤としての(a2)成分の使用量は特に制限されないが、本発明の効果を達成し易くする目的において、通常、〔(A)成分中の残存カルボキシル基のモル数〕/〔鎖伸長剤としての(a2)成分のモル数〕が0.6/1〜1.4/1程度となる範囲である。
【0059】
なお、(A’)成分におけるイミド閉環率も特に限定されず、通常70%以上、好ましくは85〜100%である。
【0060】
こうして製造した(A’)成分と前記(a3)成分とを開環エステル化反応させることにより、本発明のポリイミド樹脂[2]を得ることができる。また、両者の反応条件は、ポリイミド樹脂[1]のそれと同じである。
【0061】
また、開環エステル化反応の際、後述する有機溶剤を使用することができ、特にシクロヘキサノン等の脂環族系溶剤が好ましい。また、各種公知の低分子アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等を添加することにより、ポリイミド樹脂[2]の溶液の粘度安定性が改善される。
【0062】
ポリイミド樹脂[1]およびポリイミド樹脂[2]にはアルコキシシリル基が残存しており、これが後述のゾル−ゲル反応の反応点となる。アルコキシシリル基の残存量は特に限定されないが、ポリイミド樹脂[1]の溶液およびポリイミド樹脂[2]のいずれについても、それぞれにおける全アルコキシシリル基の通常60%以上、好ましくは80%以上であるのがよい。
【0063】
また、ポリイミド樹脂[1]およびポリイミド樹脂[2]は自己架橋性の樹脂であるため、後述の(C)成分を格別用いなくとも耐熱接着性に優れた接着剤硬化物を与え得る。
【0064】
<樹脂ワニス>
本発明の樹脂ワニスは、前記ポリイミド樹脂[1]またはポリイミド樹脂[2]を有機溶剤(B)(以下、(B)成分という。)に溶解してなる溶液である。
【0065】
(B)成分としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム等の非プロトン性極性溶剤や、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等の脂環式溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、クレゾ−ル等のアルコール系溶剤が挙げられ、2種以上を組み合わせてもよい。
【0066】
(B)成分の使用量は特に限定されないが、通常、本発明の接着剤の不揮発分が30〜60重量%程度となる範囲で用いればよい。
【0067】
(C)成分は、エポキシ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビスマレイミド樹脂およびシアネートエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂である。
【0068】
前記エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノ−ルメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、これらエポキシ樹脂をダイマー酸で変性してなる変性エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられ、当該接着剤の透明性や耐熱性等の観点よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、市販品としては例えば、三菱化学(株)製の「jER828」や「jER834」、「jER807」、新日鐵化学(株)製の「ST−3000」、ダイセル化学工業(株)製の「セロキサイド2021P」、新日鐵化学(株)製の「YD−172−X75」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
【0069】
なお、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、各種公知のエポキシ樹脂用硬化剤を併用できる。具体的には、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、3−ドデセニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物等の酸無水物系硬化剤;ジシアンジアミド(DICY)、芳香族ジアミン(商品名「LonzacureM−DEA」、「LonzacureM−DETDA」等。いずれもロンザジャパン(株)製。)、脂肪族アミン等のアミン系硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂、フェノール性水酸基含有ホスファゼン(大塚化学(株)製の商品名「SPH−100」等)等のフェノール系硬化剤、環状ホスファゼン系化合物等が挙げられる。これらの中でもフェノール系硬化剤、特にフェノール性水酸基含有ホスファゼン系硬化剤は、本発明に係る硬化物及び積層体に難燃性を付与しやすくなるため好ましい。これら硬化剤の使用量は特に制限されないが、通常、本発明の接着剤の固形分を100重量%とした場合において0.1〜120重量%程度であり、好ましくは10〜40重量%程度である。
【0070】
また、エポキシ樹脂とその硬化剤の反応を促進するための触媒として、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾ−ル類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩等を使用することができ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。また、当該触媒の使用量は特に制限されないが、通常、本発明の接着剤の固形分を100重量%とした場合において0.01〜5重量%程度である。
【0071】
前記ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、6,6−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)、6,6−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)等が挙げられる。なお、オキサジン環の窒素にはフェニル基、メチル基、シクロヘキシル基等が結合していてもよい。また、市販品としては例えば、四国化成工業(株)社製の「ベンゾオキサジンF−a型」や「ベンゾオキサジンP−d型」、エア・ウォ−タ−社製の「RLV−100」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
【0072】
前記ビスマレイミド樹脂としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド等が挙げられる。また、市販品としては例えば、JFEケミカル(株)社製の「BAF−BMI」等が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
【0073】
前記シアネートエステル樹脂としては、例えば、2−アリルフェノールシアネートエステル、4−メトキシフェノールシアネートエステル、2,2−ビス(4−シアナトフェノール)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールAシアネートエステル、ジアリルビスフェノールAシアネートエステル、4−フェニルフェノールシアネートエステル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、4−クミルフェノールシアネートエステル、1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、4,4’−ビスフェノールシアネートエステル、および2,2‐ビス(4‐シアナトフェニル)プロパン等が挙げられ、例えば「PRIMASET BTP−6020S(ロンザジャパン(株)製)」等の市販品を使用できる。これらは2種以上を組み合わせてもよい。
【0074】
(C)成分の使用量は特に制限されないが、通常、(A)成分または(A’)成分100重量部(固形分換算)に対して1〜150重量部程度、好ましくは3〜100重量部程度、いっそう好ましくは3〜75重量部である。
【0075】
なお、本発明の樹脂ワニスには、必要に応じて各種公知の難燃剤を含めることができ、特に難燃効果の点より特にリン系難燃剤および/または無機フィラーが好ましい。前記リン系難燃剤としては、例えば、ポリリン酸やリン酸エステル、フェノール性水酸基を含有しないホスファゼン誘導体等が挙げられ、特に当該ホスファゼン誘導体、中でも環状ホスファゼン誘導体(伏見製薬所(株)製の「ラビトルFP−300」等)は、難燃性、耐熱性、耐ブリードアウト性等の点で好ましい。前記無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、黒鉛粉、ベーマイト等が挙げられる。これらの中でも特に水酸化アルミニウム(ベーマイト)が、本発明の接着剤中での分散性に優れ、また難燃性も良好であるため好ましい。難燃剤の使用量は特に制限されないが、(A)成分または(A’)成分100重量部(固形分換算)に対して通常0〜200重量部程度、好ましくは25〜150重量部程度となる範囲である。
【0076】
<ポリイミド系接着剤>
本発明のポリイミド系接着剤は、前記した本発明の樹脂ワニスからなる組成物である。また、当該接着剤には、必要に応じ、前記開環エステル化反応触媒や脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤等の添加剤を配合できる。
【0077】
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の接着剤を硬化させたものである。具体的には、当該接着剤を一旦、通常70〜200℃程度に加熱し、1〜10分間程度かけて硬化反応させる。次いで、(C)成分(熱硬化性樹脂)の硬化反応を進行させるために、更に通常150℃〜250℃程度、10分〜3時間程度加熱処理する。このように反応を二段階にすることによって、得られる硬化物の収縮を緩やかにすることができるため、基材に対する密着性を確保でき、また、前記脱水閉環反応において副生する水を原因とする発泡を抑制することもできる。なお、これら硬化反応には、(A)成分または(A’)成分に由来するポリアミック酸の脱水閉環反応や、ポリイミド樹脂[1]またはポリイミド樹脂[2]に由来するアルコキシシリル基のゾル−ゲル反応が含まれる。
【0078】
なお、本発明の接着剤より得られる硬化物には、前記ゾル−ゲル反応により生ずるシリカ(SiO
2)粒子が含まれ得る。その含有量は通常0〜15重量%程度であるが、当該接着剤を加熱硬化させる際の流動性を適切なものとし、かつ得られる硬化物と基材との密着性を良好にするため、シリカ(SiO
2)粒子の含有量が通常0.5〜15%程度、好ましくは1〜10%の範囲であるのがよい。なお、当該含有量は原料仕込み量から算出される計算値である。
【0079】
本発明の硬化物の形状は特に限定されないが、基材シートの接着用途に供する場合には、膜厚が通常1〜100μm程度、好ましくは3〜50μm程度であり、用途に応じて適宜調整できる。
【0080】
<接着シート>
本発明の接着シートは、本発明の接着剤をシート基材に塗布し、乾燥させることによって得られる。当該シート基材としては、例えば、ポリイミド、ポリイミド−シリカハイブリッド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PSt)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、エチレンテレフタレートやフェノール、フタル酸、ヒドロキシナフトエ酸等とパラヒドロキシ安息香酸とから得られる芳香族系ポリエステル樹脂(所謂液晶ポリマー;(株)クラレ製、「ベクスター」等)などの有機基材が挙げられ、これらの中でも耐熱性や寸法安定性等の点より、ポリイミドフィルム、特にポリイミド−シリカハイブリッドフィルムが好ましい。また、当該シート基材の厚みは用途に応じて適宜設定すればよい。かかる接着シートはキャリアシートやキャリアテープとして使用することができる。
【0081】
<積層体>
本発明の積層体は、前記接着シートの接着面に更にシート基材を熱圧着させることにより得られる。当該シート基材としては、ガラス、鉄、アルミ、42アロイ、銅等の金属や、ITO、シリコンおよびシリコンカーバイド等の無機基材が好適でありその厚みは用途に応じて適宜設定できる。また、当該積層体は、更に加熱処理したものであってよい。
【0082】
<フレキシブルプリント基板>
本発明のフレキシブルプリント基板は、前記積層体を用いたものであり、当該積層体の無機基材面に更に前記接着シートの接着面を貼りあわせることにより得られる。当該フレキシブルプリント基板としては、有機基材としてポリイミドフィルムを、無機基材として金属箔(特に銅箔)を用いたものが好ましい。そして、かかるフレキシブルプリント基板の金属表面をソフトエッチング処理して回路を形成し、そのうえに更に前記接着シートを貼りあわせて熱プレスすることにより、フレキシブルプリント配線基板が得られる。
【実施例】
【0083】
製造例1
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、グリシドール(商品名「エピオールOH」、日本油脂(株)製)1400gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(商品名「メチルシリケート51」、多摩化学(株)製、Siの平均個数4)8957.9gを仕込み、窒素気流下、撹拌しながら反応系を90℃まで昇温させた後、ジブチル錫ジラウレート2.0gを加え、加水分解反応を継続させた。また、反応中に副生したメタノールは分水器により除去し、その量が約630gに達した時点で反応系を室温まで5時間かけて冷却した。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノールを減圧除去することによって、エポキシ基含有メトキシシシラン部分縮合物(a3−1)を得た。
【0084】
実施例1
製造例1と同様の反応容器に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物530.0g、シクロヘキサノン1855.0g、メチルシクロヘキサン371.0gを仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついで、ダイマージアミン854.0gを滴下した後、140℃で1時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂(A−1)の溶液を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。次いで、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、前記(a3−1)成分47.0gを仕込み、90℃で3時間、脱メタノール反応させることによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[1−1]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却した後、更にメタノールを93.9g添加し、不揮発分38.0%の溶液としたのち、当該樹脂溶液を更にシクロヘキサノンで希釈することによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0085】
実施例2
製造例1と同様の反応容器に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物530.0g、シクロヘキサノン1855.0g、メチルシクロヘキサン371.0gを仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついで、ダイマージアミンを768.2g、徐々に添加した後、140℃で1時間かけてイミド化反応させることによりポリイミド樹脂(A−2)の溶液を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。次いで、別の反応容器に、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、前記(a3−1)成分44.1gを仕込み、90℃で3時間反応を実施することによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[1−2]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却した後にメタノールを88.3g添加することにより、不揮発分36.5%の樹脂溶液を得た。最後に、当該樹脂溶液を更にシクロヘキサノンで希釈することによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0086】
実施例3
製造例1と同様の反応容器に、実施例1と同様の方法で得られた(A−1)成分の溶液3610.0gと前記(a3−1)成分228.0gを仕込み、90℃で3時間反応させることによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[1−3]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却し、メタノールを456.0g添加することにより、不揮発分36.0%の溶液を得た。次いで、当該溶液を更にシクロヘキサノンで希釈して、不揮発分35.0%の樹脂ワニスとした。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0087】
実施例4
製造例1と同様の反応容器に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を530.0g、シクロヘキサノンを1484.0g、メチルシクロヘキサンを296.8仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついで、ダイマージアミンを807.4g、徐々に添加した後、140℃で3時間かけてイミド化反応させることにより、不揮発分42.0%のポリイミド樹脂の溶液を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.10であった。次いで、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、更に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化(株)製、商品名「BAPP」)40.9gを仕込み、温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、添加終了後も引き続き室温で30分攪拌し、伸長反応を進行させることによって、ポリイミド樹脂(A’−1)の溶液を得た。次いで、当該反応容器に前記(a3−1)成分46.8gを仕込み、90℃に昇温後、3時間反応させることによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[2−1]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却した後にメタノールを93.5g添加し、更にシクロヘキサノンで希釈することによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0088】
実施例5
製造例1と同様の反応容器に、実施例1と同様の方法で得られた(A−1)成分の溶液3610.0gを仕込み、更に鎖伸長剤として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(商品名「DPE/ODA」、和歌山精化(株)製)9.2gを、反応系の温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、室温で30分撹拌することによってポリイミド樹脂(A’−2)の溶液を得た。次いで、この反応容器に前記(a3−1)成分46.8gを仕込み、90℃に昇温後、3時間反応させることによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[2−2]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却した後にメタノールを93.5g添加し、更にシクロヘキサノンで希釈することによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0089】
実施例6
製造例1と同様の反応容器に、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を530.0g、シクロヘキサノンを2120.0g、メチルシクロヘキサンを424.0仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついで、ダイマージアミンを427.0g、およびα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(商品名「KF−8010」、信越化学工業(株)製)を695.9g、徐々に添加した後、140℃で1時間かけてイミド化反応させることによりポリイミド樹脂(A−3)の溶液を得た。なお、ジアミン成分中のダイマージアミンは50モル%であり、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。次いで、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、前記(a3−1)成分47.0gとを仕込み、90℃に昇温後、3時間反応させることによって、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂[1−4]の溶液を得た。次いで、当該溶液を室温まで冷却した後にメタノールを113.0g添加し、更にシクロヘキサノンで希釈することによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0090】
実施例7
実施例1で得た樹脂ワニス100.0gに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「jER828」、エポキシ当量190g/eq)を1.8g、およびシクロヘキサノン12.0gを加え、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0091】
比較例1
実施例1と同様の方法で得られた(A−1)成分の溶液をシクロヘキサノンで希釈する
ことによって、不揮発分35.0%の樹脂ワニスを得た。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0092】
比較例2
製造例1と同様の反応容器に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を530.0g、シクロヘキサノンを1855.0g、メチルシクロヘキサンを371.0g仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついでダイマージアミンに代えてα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンを1391.7g、徐々に添加した後、溶液を140℃まで加熱し、1時間かけてイミド化反応を実施することによりポリイミド樹脂の溶液を得た。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。次いで、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、前記(a3−1)成分66.1gを仕込み、90℃で3時間反応を実施した後、室温まで冷却し、メタノールを132.1g添加することにより、不揮発分が45.0%のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミド樹脂(ハ)の溶液を得た。なお、(ハ)成分の組成を表1に示す。次いで、当該溶液を更にシクロヘキサノンで希釈して、不揮発分35.0%の樹脂ワニスとした。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0093】
比較例3
製造例1と同様の反応容器に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を530.0g、シクロヘキサノンを2120.0g、メチルシクロヘキサンを424.0g仕込み、溶液を60℃まで加熱した。ついでダイマージアミン213.5gおよびα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンを1043.8g、徐々に添加した後、溶液を140℃まで加熱し、1時間かけてイミド化反応を実施することによりポリイミド樹脂の溶液を得た。なお、ジアミン成分中ダイマージアミンは25モル%であり、また、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。 次いで、当該ポリイミド樹脂溶液を室温まで冷却した後、前記(a3−1)成分56.5gを仕込み、90℃で3時間反応を実施した後、室温まで冷却し、メタノールを113.0g添加することにより、不揮発分が40.0%のメトキシシリル基含有ポリイミド樹脂(二)の溶液を得た。なお、(二)成分の組成を表1に示す。次いで、当該溶液を更にシクロヘキサノンで希釈して、不揮発分35.0%の樹脂ワニスとした。当該樹脂ワニスはそのまま接着剤として用いた。
【0094】
【表1】
【0095】
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DSDA:3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
PRIAMINE:ダイマージアミン
KF8010:α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DPE/ODA(商品名):4,4’−ジアミノフェニルエーテル(和歌山精化(株)製)
SiO
2(%):シリカ粒子含有率(仕込み重量からの計算値)
【0096】
<接着シートの作製>
実施例1の接着剤を、ブロック共重合ポリイミド−シリカハイブリッドフィルム(商品名「ポミランN25」、荒川化学工業(株)製;熱膨張係数=18ppm、引張弾性率=5.9GPa、膜厚25μm)に、乾燥後の厚みが30μmとなるようギャップコーターにて塗布した後、180℃で3分間乾燥させることによって接着シートを得た。他の実施例および比較例の接着剤についても同様にして接着シートを得た。
【0097】
次いで、各接着シートの接着面に18μm厚の電解銅箔(商品名「F2−WS」、古河サーキットフォイル(株)製)の処理面(鏡面)を重ね、これを水平方向に動かした。その際、粘着性があり電解銅箔を動かせなかった場合をタック性有りと、水平方向に動かせた場合をタック性無しと判断した。結果を表2に示す。
【0098】
<積層体(1)の作製>
実施例1に係る接着シートの接着面に、18μm厚の電解銅箔(商品名「F2−WS」、古河サーキットフォイル(株)製)の処理面を重ね合わせ、圧力10MPa、180℃及び1分間の条件で加熱プレスした後、更に200℃で1時間加熱することにより、積層体(1)を作製した。他の実施例および比較例の接着剤についても同様にして積層体(1)のそれぞれを得た。なお、積層体(1)はFPC基板としての使用を想定している。
【0099】
<積層体(2)の作製>
実施例1に係る接着剤を、ポミランN25に乾燥後の厚みが30μmとなるようギャップコーターにて塗布し、200℃で30分間加熱することにより接着シートを得た。次いで、当該接着シートの接着剤面に、前記電解銅箔(F2−WS)の処理面を重ね合わせた後、圧力10MPaおよび200℃の条件で1分間加熱プレスすることにより積層体を作製した。他の実施例および比較例についても同様にして積層体(2)をそれぞれ得た。なお、積層体(2)はキャリアシートやキャリアテープとしての使用を想定している。
【0100】
<接着性試験>
実施例および比較例の各積層体について、JIS C−6481に準じて剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
【0101】
<はんだ耐熱性試験:高温域>
実施例および比較例の積層体(1)のそれぞれを120℃で5分間加熱した後、プラスチック基材面を上にして340℃のはんだ浴に1分間浮かべた後、接着剤層の発泡や金属基材の剥がれを確認し、ついでJIS C−6481に準じて銅箔の剥離強度を測定した。結果を表2に示す。なお、積層体(1)はFPC基板としての利用が想定されているため、剥離強度の数値が大きいほど接着性が良好である。
【0102】
<難燃性>
実施例および比較例の積層体(1)のそれぞれについて、UL94規格に準拠して難燃性を評価した。積層体(1)が、UL94規格のV−0クラスに相当する場合を難燃性有りと、燃焼した場合を難燃性無しとした。
【0103】
<はんだ耐熱性:低温域>
実施例および比較例の積層体(2)のそれぞれを120℃で5分間加熱した後、プラスチック基材面を下にして260℃のはんだ浴に5分間浮かべた後、接着剤層の発泡や金属基材の剥がれを確認し、ついでJIS C−6481に準じて電解銅箔の剥離強度を測定した。その際、解銅箔の鏡面の表面状態を観察するとともに、当該基材の糊残り(付着硬化物)の有無を確認した。結果を表2に示す。なお、積層体(2)はキャリアシートやキャリアテープとしての利用を想定したものであり、仮固着した半導体素子等の電子部品を剥がす必要性があるため、剥離強度の数値が小さいほど良好とみなす。
【0104】
【表2】
【0105】
<フレキシブルプリント配線板の作製>
実施例1に係る接着剤を、ポミランN25に乾燥後の厚みが30μmとなるようギャップコーターにて塗布し、180℃で3分間乾燥させることによって接着シートを得た。次いで、該接着シートの接着剤面に前記電解銅箔(F2−WS)の処理面を重ね合わせ、180℃のラミネートロールで圧着した後、200℃,2時間処理することによってフレキシブル銅張積層板を得た。この銅張積層板の銅表面をソフトエッチング処理し、銅回路を形成し、その上にさらに前記方法で得た積層体(1)(実施例1に係る本発明の接着剤の使用)を重ねあわせ、圧力10MPa、180℃の条件及び1分間の条件で加熱プレスした後、更に200℃の条件で1時間加熱することによって、フレキシブルプリント配線板を作製することができた。他の実施例に係る接着剤についても同様にしてフレキシブルプリント配線板を作製することができた。