【実施例】
【0049】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0050】
<実験1:メマツヨイグサ抽出物のグルタチオン産生促進効果の検討>
本実験1では、メマツヨイグサ抽出物のグルタチオン産生促進効果について検討を行った。なお、本実施例においては、抽出に用いるメマツヨイグサの具体的部位として、種子部分を用いた。
【0051】
(1)メマツヨイグサ抽出物の調製
まず、アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属メマツヨイグサ(Oenothera biennis Linne)の種子を、エタノールと水の混液1:1にて抽出して濾過を行い、含有固形分量が1.0質量%となるようにメマツヨイグサ抽出物を調製した。
【0052】
(2)グルタチオン産生量の測定
正常ヒト新生児線維芽細胞を前培養後、培地に対して1v/v%の前記メマツヨイグサ抽出物を添加し、それぞれの培地条件で一週間培養した。比較対象としては、メマツヨイグサ抽出物を添加せず、培地のみで生育したものを用いた。培養後、培地を取り除きPBS(−)で1回洗浄してから線維芽細胞を回収した。
【0053】
次に、回収した細胞を遠心分離により細胞残渣を取り除いてから、細胞数をカウントし、各サンプルの細胞数が一定となるように調整した。それぞれの細胞数を調整した後、市販のグルタチオン測定キット(株式会社同仁化学製)を用いて測定した。産生されたグルタチオン量は、吸光度測定により求め、既知の濃度のグルタチオン標準液により検量線を作成することで、総グルタチオン量を算出した。
【0054】
(5)結果
算出された1細胞あたりのグルタチオン産生量を下記の表1および
図1に示す。表1および
図1に示す通り、培地のみの場合に比べ、メマツヨイグサ抽出物を添加した場合のグルタチオン産生量は、約1.6倍増加することが分かった。この結果から、メマツヨイグサ抽出物は、細胞に直接働き、細胞内のグルタチオンの産生を促進させることが分かった。
【0055】
【表1】
【0056】
<実験2:メマツヨイグサ抽出物を含有する皮膚外用剤の調製とその効果の検討>
本実験2ではメマツヨイグサ抽出物を含有する皮膚外用剤の調製とその効果を検討した。
【0057】
以下の表2および3に示す組成の実施例1および2に係る皮膚外用剤の調製およびその効果の検討を行った。なお、メマツヨイグサ抽出物としては、前記実験1と同様の方法で抽出したもの(固形分として1.0質量%)を用いた。
【0058】
[実施例1:軟膏の調製]
以下の製法により、軟膏を調製した。
(製法)
A.下記成分(3)、(4)および(9)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B.下記成分(1)、(2)、(7)および(8)を加熱混合し、75℃に保った。
C.AにBを徐々に加え、これを冷却しながら成分(9)の残部で溶解した成分(5)および(6)を加え、実施例1に係る軟膏を得た。
【0059】
【表2】
【0060】
(効果)
実施例1に係る軟膏は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させる軟膏であった。
【0061】
[実施例2:パップ剤の調製]
以下の製法により、パップ剤を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)、(3)、(4)、(6)〜(8)および(10)を混合し、70℃に保ちながら、撹拌した。
B.下記成分(2)及び(9)を混合した。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却し、成分(5)を均一に分散して実施例2に係るパップ剤を得た。
【0062】
【表3】
【0063】
(効果)
実施例2に係るパップ剤は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるパップ剤であった。
【0064】
<実験3:メマツヨイグサ抽出物を含有する化粧料の調製とその効果の検討>
本実験3では、メマツヨイグサ抽出物を含有する化粧料の調製とその効果を検討した。
【0065】
以下の表4から11に示す組成の実施例3〜10に係る化粧料の調製およびその効果の検討を行った。なお、メマツヨイグサ抽出物としては、前記実験1と同様の方法で抽出したもの(固形分として1.0質量%)を用いた。
【0066】
[実施例3:化粧水の調製]
以下の製法により、化粧水を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を混合溶解した。
B.下記成分(11)〜(17)を混合溶解した。
C.AにBを加え均一に混合して実施例3に係る化粧水を得た。
【0067】
【表4】
【0068】
(効果)
実施例3に係る化粧水は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させる化粧水であった。
【0069】
[実施例4:クリームの調製]
以下の製法によりクリームを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.下記成分(11)〜(20)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.AにBを加え混合し、均一に乳化した。
D.Cを冷却し、下記成分(21)を加え混合し、実施例4に係るクリームを得た。
【0070】
【表5】
【0071】
(効果)
実施例4に係るクリームは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるクリームであった。
【0072】
[実施例5:クレンジングクリームの調製]
以下の製法によりクレンジングクリームを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.下記成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.AにBを加え混合し、均一に乳化した。
D.Cを冷却し、下記成分(15)を加え混合し、実施例5に係るクレンジングクリームを得た。
【0073】
【表6】
【0074】
(効果)
実施例5に係るクレンジングクリームは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるクレンジングクリームであった。
【0075】
[実施例6:乳液の調製]
下記の製法により、乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(13)〜(23)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.下記成分(1)〜(12)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.AにBを加え混合し、均一に乳化した。
D.Cを冷却し、下記成分(24)および(25)を加え混合し、実施例6に係る乳液を得た。
【0076】
【表7】
【0077】
(効果)
実施例6に係る乳液は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させる乳液であった。
【0078】
[実施例7:パックの調製]
以下の製法により、パックを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を混合し、70℃にて加熱溶解した。
B.下記成分(8)〜(13)を混合溶解した。
C.下記成分(14)〜(16)を混合溶解した。
D.AにBを加え混合し冷却後、Cを加え混合し、実施例7に係るパックを得た。
【0079】
【表8】
【0080】
(効果)
実施例7に係るパックは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるパックであった。
【0081】
[実施例8:クリームファンデーション(O/W型)]
以下の製法により、クリームファンデーションを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(11)を加熱混合し、70℃に保った。
B.下記成分(12)〜(17)を加熱混合し、70℃に保った。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化した。
D.Cを冷却後、下記成分(18)を加え混合し、実施例8に係るクリームファンデーション(O/W型)を得た。
【0082】
【表9】
【0083】
(効果)
実施例8に係るクリームファンデーションは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるクリームファンデーションであった。
【0084】
[実施例9:リキッドファンデーション(O/W型)]
以下の製法により、リキッドファンデーションを調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を混合溶解した。
B.Aに下記成分(20)〜(25)を加え、均一に混合し、70℃に保った。
C.下記成分(10)〜(19)を均一に溶解し、70℃に保った。
D.CにBを添加して乳化した。
E.Dを冷却後、下記成分(26)を加えて混合し、実施例9に係るリキッドファンデーションを得た。
【0085】
【表10】
【0086】
(効果)
実施例9に係るリキッドファンデーションは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させるリキッドファンデーションであった。
【0087】
[実施例10:日焼け止め乳液]
以下の製法により、日焼け止め乳液を調製した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(10)を混合し、70℃に保った。
B.下記成分(11)〜(14)および(15)の一部を混合し、70℃に保った。
C.AにBを添加して、均一に乳化した。
D.Cを冷却後、成分(15)の残部および下記成分(16)〜(19)を加えて混合し、実施例10に係る日焼け止め乳液を得た。
【0088】
【表11】
【0089】
(効果)
実施例10に係る日焼け止め乳液は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、皮膚内のグルタチオン産生を促進させることで、しみ改善、しわ改善、肌あれ改善、肌弾力改善、キメ改善させる日焼け止め乳液であった。