【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は熱回収式の低湿空気供給システムに係り、その特徴は、
吸着剤を保持させた通気性の吸着ロータを回転させて、その吸着ロータの回転方向におけるロータ各部を除湿対象空気の通風域である吸着域と再生用空気の通風域である脱着域とに交互に位置させる吸着ロータ式の除湿装置を設け、
外気を除湿対象空気として前記除湿装置の吸着域に通過させて除湿し、この除湿空気を室内調整用の低湿空気として対象室に供給する給気手段を設けるとともに、
この給気手段による空気供給に併行して、前記対象室から排出される高温排気を再生用空気として前記除湿装置の脱着域に通過させる排気手段を設けてある熱回収式の低湿空気供給システムであって、
前記対象室から前記脱着域に送る高温排気と前記吸着域から前記対象室に送る除湿空気とを熱交換させ
て前記高温排気の保有熱により前記除湿空気を加熱する熱交換手段を設けるとともに、この熱交換手段での熱交換量
である前記高温排気による前記除湿空気の加熱量を調整する熱交換量調整手段を設け、
前記吸着域における入口空気の測定露点温度又は前記吸着域における出口空気の測定露点温度に基づき前記熱交換量調整手段により前記熱交換手段での熱交換量
である前記高温排気による前記除湿空気の加熱量を調整することで、前記吸着域における出口空気の露点温度を設定給気露点温度に調整する除湿制御手段を設けてある点にある。
【0010】
つまり、この構成では(
図1参照)、夏期など外気が高湿状態になったとき、除湿制御手段15は熱交換量調整手段14a,14bにより、対象室1から脱着域5に送る高温排気EAと吸着域4から対象室1に送る除湿空気SAとの熱交換手段12での熱交換量Q2(即ち、熱交換手段12での高温排気EAによる除湿空気SAの加熱量)を減少側に調整し、この熱交換量Q2の減少側への調整により、吸着ロータ式除湿装置2の脱着域5に再生用空気として送る高温排気EAの温度を高く保って除湿装置2の除湿能力を高くすることで、外気OAが高湿状態であることに対し、その高湿外気OAからの除湿量を大きくして、吸着域4における出口空気SAの露点温度(即ち、対象室1に送る除湿空気SAの露点温度)を設定給気露点温度に調整する。
【0011】
そして、このとき脱着域5に送られる高温排気EAの温度が高く保たれることで、吸着ロータ3の熱運搬機能により脱着域5における高温排気EAから吸着域4における除湿対象外気OAに回収される熱量Q1(即ち、除湿空気SAへの回収熱量)は大きなものになり、このことで高温排気EAから高い回収効率で熱回収される。
【0012】
一方、冬期や中間期など外気OAが低湿状態になったとき、除湿制御手段15は熱交換量調整手段14a,14bにより、熱交換手段12での上記熱交換量Q2を増大側に調整し、この熱交換量Q2の増大側への調整により、吸着ロータ式除湿装置2の脱着域5に再生用空気として送る高温排気EAの温度を低下させて除湿装置2の除湿能力を低下させることで、外気OAが低湿状態であることに対し、その低湿外気OAからの除湿量を小さくして、吸着域4における出口空気SAの露点温度(対象室1に送る除湿空気SAの露点温度)を設定給気露点温度に調整する。
【0013】
そして、このときは脱着域5に送られる高温排気EAの温度が低くなって、吸着ロータ3の熱運搬機能により脱着域5における高温排気EAから吸着域4における除湿対象外気OAに回収される熱量Q1は減少するが、これに対して、上記の如く熱交換手段12での熱交換量Q2(換言すれば、熱交換手段12において高温排気EAから除湿空気SAに回収する熱量)が増大側に調整されることで、システム全体として見れば、外気OAが低湿な場合にも高い回収効率を保って高温排気EAから熱回収することができる。
【0014】
従って、上記構成によれば、外気OAの状態変化にかかわらず、対象室1に供給する除湿空気SAを所要の低湿状態(設定給気露点温度)に安定的に保持することができ、かつ、対象室1から排出される高温排気EAの保有熱を高い回収効率を保って安定的に回収し得る優れた熱回収式の低湿空気供給システムにすることができる。
【0015】
なお、上記構成の実施において除湿制御手段15は、吸着域4における入口空気OAの測定露点温度に基づき熱交換手段12での熱交換量Q2を調整することで、吸着域4における出口空気SAの露点温度をフィードフォワード的に設定給気露点温度に調整する方式、あるいは、吸着域4における出口空気SA(即ち、対象室1に供給する除湿空気)の測定露点温度に基づき熱交換手段12での熱交換量Q2を調整することで、吸着域4における出口空気SAの露点温度をフィードバック的に設定給気露点温度に調整する方式、いずれの調整方式のものにしてもよい。
【0016】
また、上記構成の実施において熱交換手段12としては、対象室1から脱着域5に送る高温排気EAと熱媒液Wとを熱交換させる高温側熱交換器12aと、吸着域4から対象室1に送る除湿空気SAと熱媒液Wとを熱交換させる低温側熱交換器12bと、それら熱交換器12a,12bどうしの間で熱媒液Wを循環させる循環手段12c,12dとを備えるランアラウンド型の熱交換装置を用いるのが好適であるが、場合によっては、その他の方式の熱交換装置を用いてもよい。
【0017】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記吸着域に通過させる外気に前記脱着域を通過した高温排気の一部を混合する混合手段を設けるとともに、この混合手段で混合する外気と高温排気との混合比を調整する混合比調整手段を設け、
前記吸着域における入口空気の測定露点温度に基づき前記混合比調整手段により前記混合手段での外気と高温排気との混合比を調整することで、前記吸着域における入口空気の最低露点温度を設定下限露点温度に制限する下限露点補償制御手段を設けてある点にある。
【0018】
つまり(
図1参照)、冬期などで外気OAの湿度が低いとき、熱交換手段12での熱交換量Q2を最も増大側に調整(換言すれば、脱着域5に送る高温排気EAの温度を最も低下側に調整)して、吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力を最も低下側に調整しても、吸着域4における出口空気SAの露点温度が設定給気露点温度より低くなる下限側の調整不能状態が生じる場合がある。
【0019】
これに対し、上記構成において、このような下限側の調整不能状態に至るときの吸着域4における入口空気の露点温度を設定下限露点温度として設定しておけば、外気OAのみを吸着域4に通過させて除湿している状態において入口空気としての外気OAが設定下限露点温度未満まで湿度低下したとき、下限露点補償制御手段19は、混合比調整手段18a〜18cにより混合手段17での外気OAと高温排気EAとの混合比を調整して、吸着域4における入口空気(このときは外気OAと高温排気EAとの混合空気)の露点温度を混合手段17での高温排気EAの混合により設定下限露点温度に調整し、これにより、吸着域4における入口空気の最低露点温度を設定下限露点温度に制限する。
【0020】
そして、このように吸着域4における入口空気の最低露点温度が設定下限露点温度(即ち、下限側の調整不能状態に至るときの入口空気の露点温度)に制限されることで、外気OAの設定下限露点温度未満への湿度低下にかかわらず、前記の除湿制御手段15により熱交換手段12での熱交換量Q2が最も増大側に調整されて吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力が最も低下側に調整された状態で、吸着域4における出口空気SAの露点温度が目標である設定給気露点温度に調整されるようになり、これにより、外気OAが設定下限露点温度未満に湿度低下することに対しても、通常運転時と同様、対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に保つ状態が補償される。
【0021】
また、この状態から外気OAの湿度が上昇して外気OAの露点温度が設定下限露点温度以上になると、下限露点補償制御手段19は、混合比調整手段18a〜18cによる外気OAと高温排気EAとの混合比調整として、高温排気EAの混合量を減少させて混合手段17での外気OAに対する高温排気EAの混合を停止し、これにより、外気OAのみを吸着域4に通過させる形態において、除湿制御手段15が熱交換手段12での熱交換量Q2を調整して吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力を調整することで吸着域4における出口空気(対象室1に供給する除湿空気SA)の露点温度を設定給気露点温度に調整する通常運転状態に復帰する。
【0022】
従って、上記構成によれば、外気OAの低湿側への大きな湿度変化に対しても、室内調整用の低湿空気として対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に安定的に維持することができる対応性に一層優れた熱回収式の低湿空気供給システムにすることができる。
【0023】
なお、上記構成では、下限露点補償制御手段19が混合手段17において外気OAに高温排気EAを混合する運転状態(即ち、下限露点補償運転状態)にあるときにも、除湿制御手段15により熱交換手段12での熱交換量Q2が最も増大側に調整されて、熱交換手段12での高温排気EAからの回収熱量Q2が大きく保たれることで、システム全体としての高温排気EAからの熱回収効率は高く維持される。
【0024】
そしてまた、外気OAに混合する高温排気EAの保有熱も対象室1に供給する除湿空気SAに回収される運転形態になり、このことからも、高温排気EAからの熱回収効率が高くなる。
【0025】
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記吸着域に通過させる外気を冷却して除湿する冷却除湿手段を設けるとともに、この冷却除湿手段での外気の冷却量を調整する冷却量調整手段を設け、
前記吸着域における入口空気の測定露点温度に基づき前記冷却量調整手段により前記冷却除湿手段での外気の冷却量を調整することで、前記吸着域における入口空気の最高露点温度を設定上限露点温度に制限する上限露点補償制御手段を設けてある点にある。
【0026】
つまり(
図1参照)、前述した下限側の調整不能状態とは逆に、夏期などで外気OAの湿度が高いとき、熱交換手段12での熱交換量Q2を最も減少側に調整(換言すれば、脱着域5に送る高温排気EAの温度を最も上昇側に調整)して、吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力を最も増大側に調整しても、吸着域4における出口空気SAの露点温度が設定給気露点温度より高くなる上限側の調整不能状態が生じる場合がある。
【0027】
これに対し、上記構成において、このような上限側の調整不能状態に至るときの吸着域4における入口空気OAの露点温度を設定上限露点温度として設定しておけば、外気OAを吸着域4に通過させて除湿している状態において入口空気としての外気OAが設定上限露点温度を超えて湿度上昇したとき、上限露点補償制御手段23は、冷却量調整手段22により冷却除湿手段20での外気OAの冷却量を調整して、吸着域4における入口空気OAの露点温度を冷却除湿手段20での外気OAの冷却除湿により設定上限露点温度に調整し、これにより、吸着域4における入口空気OAの最高露点温度を設定上限露点温度に制限する。
【0028】
そして、このように吸着域4における入口空気OAの最高露点温度が設定上限露点温度(即ち、上限側の調整不能状態に至るときの入口空気の露点温度)に制限されることで、外気OAの設定上限露点温度を超える湿度上昇にかかわらず、前記の除湿制御手段15により熱交換手段12での熱交換量Q2が最も減少側に調整されて吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力が最も増大側に調整された状態で、吸着域4における出口空気SAの露点温度が目標である設定給気露点温度に調整されるようになり、これにより、外気OAが設定上限露点温度を超えて湿度上昇することに対しても、通常運転時と同様、対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に保つ状態が補償される。
【0029】
また、この状態から外気OAの湿度が低下して外気OAの露点温度が設定上限露点温度以下になると、上限露点補償制御手段23は、冷却量調整手段22による冷却量調整として冷却除湿手段20での冷却量を減少させて冷却除湿手段20での外気OAの冷却除湿を停止し、これにより、外気OAを冷却除湿手段20で冷却除湿することなく吸着域4に通過させる形態において、除湿制御手段15が熱交換手段12での熱交換量Q2を調整して吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力を調整することで吸着域4における出口空気(対象室1に供給する除湿空気SA)の露点温度を設定給気露点温度に調整する通常運転状態に復帰する。
【0030】
従って、上記構成によれば、外気OAの高湿側への大きな湿度変化に対しても、室内調整用の低湿空気として対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に安定的に維持することができる対応性に一層優れた熱回収式の低湿空気供給システムにすることができる。
【0031】
なお、上記構成では、上限露点補償制御手段23が冷却除湿手段20において外気OAを冷却除湿する運転状態(即ち、上限露点補償運転状態)にあるときにも、除湿制御手段15により熱交換手段12での熱交換量Q2が最も減少側に調整(換言すれば、脱着域5に送る高温排気EAの温度が最も上昇側に調整)されて、吸着ロータ3の熱運搬機能による高温排気EAからの回収熱量Q1が大きく保たれることで、システム全体としての高温排気EAからの熱回収効率は高く維持される。
【0032】
本発明の第4特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記吸着域に通過させる外気を冷却して除湿する冷却除湿手段を設けるとともに、この冷却除湿手段での外気の冷却量を調整する冷却量調整手段を設け、
前記吸着域における入口空気の測定乾球温度に基づき前記冷却量調整手段により前記冷却除湿手段での外気の冷却量を調整することで、前記吸着域における入口空気の最高乾球温度を設定上限乾球温度に制限する上限露点補償制御手段を設けてある点にある。
【0033】
つまり(
図1参照)、夏期などで外気OAの湿度が高いとき前述の如き上限側の調整不能状態が生じる場合があるのに対し、この構成では、高湿の外気OAが前述の設定上限露点温度まで冷却除湿される乾球温度を設定上限乾球温度として設定しておくことで、外気OAを吸着域4に通過させて除湿している状態において入口空気としての外気OAが設定上限乾球温度を超えて温度上昇したとき(即ち、外気OAが設定上限露点温度を超えた高湿状態になり得るとき)、上限露点補償制御手段23は、冷却量調整手段22により冷却除湿手段20での外気OAの冷却量を調整して、吸着域4における入口空気OAの乾球温度を冷却除湿手段20での冷却により設定上限乾球温度に調整し、これにより、吸着域4における入口空気OAの最高乾球温度を設定上限乾球温度に制限する。
【0034】
即ち、外気OAが設定上限乾球温度を超えて温度上昇して設定上限露点温度を超えた高湿状態になっていたとしても、上記の如く吸着域4における入口空気OAの最高乾球温度を設定上限乾球温度に制限することで、前述の第3特徴構成と同様に、吸着域4における入口空気OAの最高露点温度を設定上限露点温度(上限側の調整不能状態に至るときの入口空気の露点温度)に制限することができる。
【0035】
従って、上記構成によれば、前述の第3特徴構成と同様の機能を得ることができ、外気の高温側(高湿側)への大きな変化に対しても、室内調整用の低湿空気として対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に安定的に維持することができる対応性に一層優れた熱回収式の低湿空気供給システムにすることができる。
【0036】
また、上記構成によれば、吸着域4における入口空気OAの露点温度を測定する前述第3特徴構成に比べ、吸着域4における入口空気OAの乾球温度を測定するだけですみ、その分、システムを簡素化することもできる。
【0037】
本発明の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記上限露点補償制御手段は、外気が低温低湿状態にあるとき、前記冷却除湿手段を前記吸着域に通過させる外気に対して冷却除湿機能させるのに代え、前記冷却除湿手段に供給する熱源熱媒の保有熱により前記吸着域に通過させる外気を予熱する熱回収用の予熱手段として機能させる構成にしてある点にある。
【0038】
つまり、この構成(
図1参照)では、外気OAが低温低湿状態にあって前述した上限露点補償運転(即ち、吸着域4に通過させる外気OAを冷却除湿手段20により冷却除湿する運転)が不要なとき、冷却除湿手段20を上記の如き熱回収用の予熱手段として機能させることで、高温排気EAからの回収熱量Q1,Q2に加えて冷却除湿手段20に供給する熱源熱媒Cの保有熱も対象室1に供給する除湿空気SAに回収することができる。
【0039】
従って、上記構成によれば、熱回収によるシステムの省エネルギ効果を一層高めることができる。
【0040】
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記熱交換手段により前記除湿空気と熱交換させた前記高温排気を加熱する補助加熱手段を設けるとともに、この補助加熱手段での高温排気の加熱量を調整する加熱量調整手段を設け、
前記除湿制御手段は、前記熱交換量調整手段により前記熱交換手段での熱交換量を下限量まで減少させた状態において前記吸着域における出口空気の露点温度が設定給気露点温度まで低下しないとき、前記吸着域における入口空気の測定露点温度又は前記吸着域における出口空気の測定露点温度に基づき前記加熱量調整手段により前記補助加熱手段での高温排気の加熱量を調整することで、前記吸着域における出口空気の露点温度を設定給気露点温度に調整する構成にしてある点にある。
【0041】
つまり、この構成(
図1参照)では、除湿制御手段15が熱交換量調整手段14a,14bにより熱交換手段12での熱交換量Q2を下限量まで減少側に調整して、脱着域5に送る高温排気EAの温度を最も上昇側に調整しても、吸着域4における出口空気SAの露点温度が設定給気露点温度まで低下しないとき(即ち、夏期などで外気OAの湿度が高くて前述の如き上限側の調整不能状態が生じたとき)、上記の如く熱交換手段12で除湿空気SAと熱交換させた高温排気EAを補助加熱手段24により加熱することで吸着域4における出口空気SAの露点温度(即ち、対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度)を設定給気露点温度に調整する。
【0042】
即ち、外気OAが高湿であることに対し、補助加熱手段24による加熱で再度、温度上昇させた高温排気EAを脱着域5に通過させることで吸着ロータ式除湿装置2の除湿能力を高め、この状態で加熱量調整手段25により補助加熱手段24での高温排気EAの加熱量を調整することにより、吸着域4における出口空気SAの露点温度(対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度)を通常運転時と同様の設定給気露点温度に調整する。
【0043】
従って、上記構成によれば、前述の第3又は第4特徴構成と同様、外気OAの高湿側への大きな湿度変化に対しても、室内調整用の低湿空気として対象室1に供給する除湿空気SAの露点温度を設定給気露点温度に安定的に維持することができる対応性に一層優れた熱回収式の低湿空気供給システムにすることができる。
【0044】
なお、上記構成では、補助加熱手段24により高温排気EAを加熱する運転状態(即ち、補助加熱運転状態)にあるときにも、除湿制御手段15により熱交換手段12での熱交換量Q2が最も減少側(換言すれば、脱着域5に送る高温排気EAの温度を極力高く保つ側)に調整されて、吸着ロータ3の熱運搬機能による高温排気EAからの回収熱量Q1が大きく保たれることで、高温排気EAからの熱回収効率は高く維持される。
【0045】
また、この熱回収では、熱交換手段12で熱交換した後の高温排気EAの保有熱に加えて、補助加熱手段24での加熱により高温排気EAに付与された熱量も吸着ロータ3の熱運搬機能により除湿空気SAに回収することができる。
【0046】
上限露点補償制御手段23を設ける前述の第3又は第4特徴構成と上記構成とを併行実施する場合には、第3又は第4特徴構成による前述の上限露点補償運転を行なっても吸着域4における出口空気SAの露点温度が設定給気露点温度まで低下しないときに、上記の如き補助加熱運転を実施する運転形態(即ち、上限露点補償優先の運転形態)を採るのが望ましい。
【0047】
また場合によっては、逆に上記の如き補助加熱運転を行なっても吸着域4における出口空気SAの露点温度が設定給気露点温度まで低下しないときに、第3又は第4特徴構成による前述の上限露点補償運転を実施する運転形態(即ち、補助加熱優先の運転形態)を採用したり、第3又は第4特徴構成による上限露点補償運転と上記構成による補助加熱運転とを同時開始的に実施する運転形態を採用してもよい。