【実施例1】
【0024】
図1(a)は、本発明の第1の実施例におけるエアーフィルター清掃機構を搭載したプロジェクター装置の外観斜視図、
図1(b)は、
図1(a)のA−A断面図、
図2(a)は、同エアーフィルター清掃機構を内蔵した清掃ユニットの外観斜視図、
図2(b)は、同清掃ユニットの斜視図(蓋を開けている状態)、
図3は、同エアーフィルター清掃機構の斜視図、
図4(a)は、同エアーフィルター清掃機構の平面断面図、
図4(b)は、
図4(a)のB−B部分断面図、
図4(c)は、
図4(a)のC−C断面図、
図5は、同エアーフィルター清掃機構の裏面図、
図6は、同エアーフィルター清掃機構の設置例を示す図である。
【0025】
図1、2において、清掃ユニット1は、プロジェクター装置2に着脱自在に装着される清掃ユニットで、内部に本実施例におけるエアーフィルター清掃機構3が組み込まれている。プロジェクター装置2の本体2aの前部には、画像を投射する投射レンズを有する投射体13が設けられ、本体2aの上面には、本体2a内に外気を取り入れるための開口部2bが複数設けられている。
【0026】
本体2aの内部には、多数の電子部品等から成り投射体13により投射される画像を光学的に処理する画像表示素子体4と、画像表示素子体4に電力を供給する電源基板体5と、本体2a内の温度や圧力等を検知するセンサー6と、プロジェクター装置2を制御する制御基板12が設けられている。
【0027】
本体2aの側壁2cには、排気口2dが設けられ、更に本体2aの内部の排気口2dの近傍には、モータ9で回転駆動される冷却ファン10が設けられている。
【0028】
本体2aの清掃ユニット1を受ける面2fに開口部2gが形成されている。15は、プロジェクター装置2を操作するための操作スイッチで、16は、LEDなどから構成され、プロジェクター装置2の運転状態を表示する告知部である。
【0029】
次に、
図1〜5を用いて清掃ユニット及び本実施の形態におけるエアーフィルター清掃機構3の詳細について述べる。
【0030】
清掃ユニット1の底面には、枠体7が形成された開口1bが設けられ、その枠体7にフィルター8が一体的に設けられ、清掃ユニット1を、プロジェクター装置2の側壁2cに設けた挿入口2eより挿入し装着すると、フィルター8が、本体2aに設けた開口部2gを気密に覆うようになっている。
【0031】
本実施例におけるエアーフィルター清掃機構3(以下「清掃機構3」という)は、フィルター8に着脱自在に載置され、自走しながらフィルター8の表面に付着した塵埃17を除去するものである。
【0032】
本実施例では、清掃機構3の長さを、清掃ユニット1の開口1bの幅寸法よりわずかに小さい寸法に設定しているので、清掃機構3をフィルター8上に載置するだけで、清掃機構3の底部の両端に設けた後述の移動用駆動輪20aが、フィルター8の両端に延設されたラックギア11に確実に噛み合うようになっている。
【0033】
14は、一端(
図2(b)では、右端)が、清掃ユニット1のユニット本体1aに回動自在に設けられると共に中央に開口14aを有した蓋で、閉じると、蓋14の裏面に設けたリブ14bで、清掃機構3を摺動自在に支持すると共に、プロジェクター装置2から清掃ユニット1を取り出した時に、フィルター8上に載置された清掃機構3が、ユニット本体1aから不用意に外れるのを防止するためのものである。
【0034】
清掃機構3には、回転ブラシ状で、一端にギアA19aを備えフィルター8に付着した塵埃17を除去する回転清掃体19と、両端にラックギア11と噛み合う移動用駆動輪20aを有し、一側に、ギアA19aと噛み合うギアB20bと傘歯車A20cを有するシャフト20と、モータなどからなりその回転軸21aに、傘歯車A20cに噛み合う傘歯車B21bを有する駆動源21と、駆動源21の電源となるバッテリー22が内蔵されている。
【0035】
清掃機構3の内部は、大きく、回転清掃体19が収納された回転清掃体収納室23と、回転清掃体収納室23に隣接すると共に回転清掃体19で除去された塵埃17を収納保管する集塵室24とに二分されている。回転清掃体収納室23と集塵室24との境には、回転清掃体19の回転方向に沿うように傾斜すると共に先端が回転清掃体19に摺接し、集塵室24に収納保管された塵埃17が回転清掃体収納室23に戻るのを防止する戻り防止体25が、回転清掃体19と平行に延設されている。本実施例では、戻り防止体25は、清掃機構3の内壁に一体に形成されている。
【0036】
清掃機構3の裏面には、集塵室24を自在に開閉する蓋体27と、回転清掃体19が臨む開口3aが設けられている。
【0037】
また、本実施例では、蓋体27に、先端が櫛歯状で、かつ回転清掃体19に食い込み、回転清掃体19に絡みついた塵埃17を除去するための除塵体26が、回転清掃体19と平行に、一体的に形成されている。
【0038】
29は、清掃機構3の裏面の、それぞれの移動用駆動輪20aと反対側に回転自在に設けられた自由歯車で、移動用駆動輪20aと同一高さに位置し、清掃機構3の移動時にラックギア11に噛み合って、清掃機構3がスムーズに移動することができるようにするためのものである。
【0039】
以上のように構成された本実施例におけるエアーフィルター清掃機構と、それを搭載したプロジェクター装置の動作、作用は、以下の通りである。
【0040】
操作スイッチ15を操作することにより、プロジェクター装置2を使用することができる。本実施例におけるプロジェクター装置2は、一般的に、
図6(a)に示すように開口部2bが上を向くようにして、机やテーブルの上に置かれるが、
図6(b)に示すようにプロジェクター装置2を天井からつるして床面に投射するようにしたり、
図6(c)に示すように、プロジェクター装置2の投射体13と反対側の面を下にして机、テーブル或いは床において、天井などに投射したり、更には、
図6(d)に示すように、本体2aをひっくり返して使用しても良い。
【0041】
プロジェクター装置2を運転している間、あるいは、使用直後の所定の冷却期間の間は、モータ9で回転駆動される冷却ファン10により、外気が、本体2aの開口部2b、清掃機構3の開口14a、清掃ユニット1の開口1bに設けたフィルター8を順に通って、本体2a内に吸引され、画像表示素子体4や電源基板体5、制御基板12などの発熱部品を冷却し、排気口2dより外部に排出される。
【0042】
外気が、フィルター8を通過するときに、その外気に含まれた塵埃は、フィルター8で捕集されるので、塵埃が本体2a内に入ることは無い。
【0043】
このようにして、プロジェクター装置2を長期間使用していると、フィルター8が次第に塵埃で目詰まりし、外気が本体2a内に入り難くなって、本体2a内の発熱部品の冷却効果が低下してくるが、本実施例では、本体2a内の温度や圧力を検知するセンサー6を設けて、空気の流れが悪くなって本体2a内の温度が所定の温度を超えたり、空気が本体2a内に入り難くなって、本体2a内の空気圧力が所定の値以下になったことを検知すると、制御基板12より信号が発信され、その信号を清掃機構3に内蔵された受信機(図示せず)が受信すると、駆動源21が動作するようになっている。
【0044】
駆動源21が動作すると、その動力が傘歯車B21bを経て傘歯車A20cに伝達され、シャフト20と共に、ラックギア11に噛み合った移動用駆動輪20aが回転し、清掃機構3が、
図2中の白抜き矢印方向に移動し始める。同時に、動力が、ギアB20bを介してギアA19aに伝わり、回転清掃体19が回転する。回転清掃体19が回転すると、フィルター8に付着した塵埃17が掻き上げられ、掻き上げられた塵埃17は、回転清掃体収納室23を通って、集塵室24に送られる。又、回転清掃体19に絡みついた塵埃17は、除塵体26により梳きとられる。
【0045】
集塵室24に溜まった塵埃17を廃棄するときは、プロジェクター装置2の挿入口2eより清掃ユニット1を取り出し、蓋14を開けて、清掃機構3を取り出し、その底部に設けた蓋体27を開けるだけで簡単に済ませることができる。
【0046】
以上のように本実施例によれば、エアーフィルター清掃機構3が、広い濾過面積を有するフィルター8上を移動するだけなので、フィルター8を有する機器全体を大型化する必要がない。また、回転清掃体19が回転しながらフィルター8上の塵埃17を除去するので、塵埃除去性能が良い。また、回転する回転清掃体19でフィルター8上から除去された塵埃17は、除塵体26により回転清掃体19から集塵室24に確実に分離除去される為、フィルター8が搭載された機器の内部や外部が、フィルター8から除去された塵埃17で汚れることは無い。
【0047】
特に、本実施例では、先端が回転清掃体19に摺接する戻り防止体25を設けているので、プロジェクター装置2の使用時の向きがどのようになっても、集塵室24に一旦入った塵埃17が、回転清掃体収納室23に戻り、開口3aから外部に漏れ出て、塵埃17がフィルター8に再付着したり、プロジェクター装置2内部にこぼれたり、テーブルなどを汚すことが無い。
【0048】
また、エアーフィルター清掃機構3の移動及び回転清掃体19の回転駆動を一つの駆動源21で行っているので、エアーフィルター清掃機構3を、小型にしかも安価に製作できる。また、エアーフィルター清掃機構3内に、フィルター8上の塵埃17の除去から集塵にかかる一連の機能が集約されている為、エアーフィルター清掃機構3の製作時の組立完成及び検査が、同―場所で実施でき、品質の高いエアーフィルター清掃機構3を供給することができる。
【0049】
また、本実施例では、戻り防止体25が、清掃機構3の内壁に一体に形成されているので、部品点数が削減され、組み立て工数も減り、製造コストの低減を図ることができる。
【0050】
なお、上記実施例では、戻り防止体25を清掃機構3の内壁に一体に形成したが、
図7に示すように、戻り防止体30を、清掃機構3の内壁に取り付けられる別部品とし、それを、弾性に富んだ材料でブレード状或いはリップ状に形成したり、弾性に富んだシート部材、発泡体あるいは布部材で形成するようにすれば、万が一大きな塵埃17が回転清掃体19で掻き取られても、戻り防止体30が容易に撓むので、塵埃17の集塵室24への移動が確実に行われる。また、戻り防止体30が容易に撓みやすいので、戻り防止体30が回転清掃体19に摺接していても、回転清掃体19に加わる負荷が軽減され、回転清掃体19を駆動する駆動源21の小型化を図ることもできる。
【0051】
又、上記実施例では、回転清掃体19に絡みついた塵埃17を梳く除塵体26を清掃機構3の蓋体27に一体で形成しているので、部品点数、組み立て工数が低減し安価に構成することができ、また、蓋体27を開けたときに、除塵体26の汚れやすい先端部分が外部に露出するので、その部分の清掃も容易となる。
【0052】
また、本実施例では、
図4(c)に示すように、回転清掃体19のA点でフィルター8から除去された塵埃17は、そのまま回転清掃体19の表面に付着したまま、反時計方向に約270度回転すると、除塵体26の先端が位置するB点に達し、そこで除塵体26により、回転清掃体19の表面に付着した塵埃17が除去され、集塵室24内に収納されるようになっている。すなわち本実施例では、フィルター8上から除去され回転清掃体19に付着した塵埃17が、回転清掃体19が1回転し終わる前に、除塵体26にて除去され集塵室24へ分離収納されるので、回転清掃体19でフィルター8上から除去された塵埃17が、1回転してフィルター8上に再付着する事が無く、また、除塵体26により集塵室24に分離収納される為、回転清掃体19のフィルター8上からの塵埃除去性能が格段に向上する。
【0053】
しかも、回転清掃体19にてフィルター8上から除去された塵埃17は、1回転未満で除塵体26により集塵室24に分離収納される為、塵埃17が回転清掃体19に付着している時間が極めて短く、塵埃17の保持性能が向上し、集塵率が向上する。
【0054】
また、本実施例では、左右の移動用駆動輪20aに連結されると共にそれらを回転駆動するシャフト20を、フィルター8の略全幅にわたって横断するよう回転自在に、しかもエアーフィルター清掃機構3に一体的に設けているので、両移動用駆動輪20aの回転が同期化され、スムーズにエアーフィルター清掃機構3がフィルター8上を移動でき、静音化等の性能向上が図れる。さらに、シャフト20がエアーフィルター清掃機構3の筐体を横断して構成されている為、筐体の撓み、捩れ等の剛性の補強等に利用でき、商品の信頼性向上が図れる。
【0055】
なお、上記実施例では、清掃機構3が動作するタイミングとして、センサー6が、本体2a内の温度が高かったり、圧力が低下したときに動作するようにしたが、プロジェクター装置2の所定の累積使用時間毎に、或いは、プロジェクター装置2の電源をOFFする都度、清掃機構3を自動的に動作させるようにしても良い。
【0056】
上記実施例では、フィルター8を清掃ユニット1の底面に設けた開口1bに形成したが、プロジェクター装置2の本体2a側に設けても良い。この場合は、開口1bを全開口とし、清掃機構3は、開口1bを移動しながら、本体2aに設けたフィルター8を清掃することになる。
【実施例3】
【0062】
図9(a)は、本発明の第3の実施例におけるエアーフィルター清掃機構の内部構造を示す要部平面図(2つのギアが噛み合った状態)、
図9(b)は、
図9(a)のE−E矢視図、
図9(c)は、
図9(a)のギアA、Bの状態図、
図9(d)は、同エアーフィルター清掃機構の内部構造を示す要部平面図(2つのギアが離れた状態)、
図9(e)は、
図9(d)のE’−E’矢視図、
図9(f)は、
図9(d)のギアA、Bの状態図である。なお、上記第1、第2の実施例におけるエアーフィルター清掃機構と同一部品には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図9において、3cは、エアーフィルター清掃機構46の回転清掃体19の軸19b及びシャフト20のそれぞれの端部を回転自在に支持する支持壁で、特に、本実施例では、回転清掃体19の軸19bの端部を、支持壁3cに設けた長孔3dで回転自在に支持するようにして、回転清掃体19が前後方向に移動可能に設けたものである。47は、エアーフィルター清掃機構46の一部に設けられ、回転清掃体19のギアA19aに係脱自在に係止するストッパー片である。
【0064】
なお、他の構成は上記第1の実施例におけるエアーフィルター清掃機構と同一なので、共通する各部の説明は省略する。
【0065】
以上のように構成された本実施の形態におけるエアーフィルター清掃機構46の動作、作用を以下に説明する。
【0066】
まず
図9(a)〜(c)において、フィルター8上の塵埃17を除去するときは、駆動源21(図示せず)を動作させて、シャフト20を時計方向に回転させる。これにより、シャフト20の端部に設けた移動用駆動輪20aがラックギア11上で時計方向に回転して、エアーフィルター清掃機構46が右方向への移動を開始する。このとき、回転清掃体19は、フィルター8の表面に置かれた状態なので、エアーフィルター清掃機構46が右に移動する際、エアーフィルター清掃機構46によって左側から押されることになる。
【0067】
これにより、シャフト20に設けたギアB20bが、回転清掃体19のギアA19aに噛み合い、回転清掃体19を反時計方向に回転させる。このようにして、エアーフィルター清掃機構46が右方向に移動する間、回転清掃体19が反時計方向に回転しながら、フィルター8上の塵埃17を除去し、除去された塵埃17は、同時に集塵室24内に回収される。なお、エアーフィルター清掃機構46が右方向に移動している間は、回転清掃体19の軸19bが長孔3d内で左側に寄っているので、ギアA19aとストッパー片47は離れている。
【0068】
次に、
図9(d)〜(f)を用いて、エアーフィルター清掃機構46が左方向に、すなわち元の位置に戻る際の動作を説明する。
【0069】
エアーフィルター清掃機構46が右方向に移動して、図示しない検知手段で、エアーフィルター清掃機構46がフィルター8の右端に達したことを検知すると、自動的に駆動源21(図示せず)が逆転し、それに伴い移動用駆動輪20aが反時計方向に回転し、エアーフィルター清掃機構46が左方向への移動を開始する。このとき、回転清掃体19がフィルター8上に置かれた状態で、エアーフィルター清掃機構46が左方向に移動するので、回転清掃体19の軸19bが、支持壁3cに設けた長孔3d内で右方向に移動し、シャフト20に設けたギアB20bと回転清掃体19のギアA19aとの噛み合いが外れ、同時に、回転清掃体19の軸19bが長孔3d内で右方向に移動することにより、回転清掃体19のギアA19aに、ストッパー片47の先端が係止し、回転清掃体19の回転が阻止される。
【0070】
このように、エアーフィルター清掃機構46が左方向に移動するときは、回転を止めた回転清掃体19が、フィルター8上で引きずられることになるので、フィルター8上に残った塵埃17を左方向に掃き寄せることになる。この時、掃き寄せられた塵埃は、回転清掃体19の中心の真下近傍かあるいは少し遅れた位置となる。その後、再びエアーフィルター清掃機構46が右方向に移動する時、回転清掃体19が再び回転するので、掃き寄せられた塵埃17は取り残しなくピックアップされる。この時、1回転未満で除塵体26にて塵埃17を除去させれば、フィルター8に塵埃17が再付着することなく、構造上新規な効果が発生する。
【0071】
すなわち本実施例によれば、フィルター8上の塵埃17に対して、回転清掃体19の回転による塵埃17のピックアップ(掻き上げ力)性能と、回転清掃体19の回転停止による塵埃17の掃き寄せ力が交互に作用する為、塵埃17のフィルター8からの剥離除去性能が大幅に向上するものである。
【0072】
なお、上記実施例では、エアーフィルター清掃機構46が移動する往路において、回転清掃体19を回転駆動し、復路において、回転させないようにしたが、逆に、回転清掃体19を、復路において回転駆動し、往路において回転させないようにしても良い。