(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載されたコンバインは、排気ガス浄化装置のテールパイプの先端部をエアクリーナの下方に配置しているので、テールパイプから排出された排気ガスが再びエンジンに供給され、エンジンの燃焼効率が低下する虞があった。
特許文献3に記載されたコンバインは、後上がり傾斜したテールパイプを脱穀装置の側壁とグレンタンクの側壁の間に配置しているので、グレンタンクの左右方向の幅員を狭くする必要がありグレンタンクの貯留容量が少なくなる虞があり、また、雨天時の収穫作業時に、テープパイプの排気口から入った雨水がエンジンに浸透する虞があった。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することができるコンバインを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
【0007】
すなわち、請求項1記載の発明は、機体上の一側に穀桿を脱穀する脱穀装置(5)を備え、機体上の他側には脱穀された穀粒を貯留する
と共に排出オーガ(8)を有したグレンタンク(6)を備え、前記脱穀装置(5)の下部とグレンタンク(6)の上部を連通する第1揚穀装置(14)を、該脱穀装置(5)とグレンタンク(6)の間の部位に配置したコンバインにおいて、前記グレンタンク(6)の下部には左右一側へ向けて下がり傾斜する傾斜壁(23B)を形成し、前記グレンタンク(6)の前方にエンジン(9)を配置し、該エンジン(9)
に接続されるエアクリーナ(33)にはプレクリーナ(32)を接続し、前記エンジン(9)の排気マニホールド(30B)に接続管(50)を介して該エンジン(9)の排気ガスを浄化するDPFユニット(40)の流入口を接続し、該DPFユニット(40)の排出口には
、浄化された排気ガスを機外に排出するテールパイプ(6
1)を接続し、前記
DPFユニット(40)を、平面視において前記傾斜壁(23B)の左右方向での中央部に配置し、前記テールパイプ(6
1)の基部を傾斜壁(23B)に
形成した第1凹部(22B)に配置すると共に該傾斜壁(23B)に沿わせて上側に延設し、
前記テールパイプ(61)を下部の第1テールパイル(61A)と上部の第2テールパイプ(61B)で形成し、該第2テールパイプ(61B)を第1テールパイプ(61A)よりも後下がりに急傾斜させ、前記DPFユニット(40)の排出口に前記第1テールパイプ(61A)の基部を接続し、該第1テールパイル(61A)の排出口には、該第1テールパイプ(61A)の排出口の外径よりも大きい内径を有する第2テールパイプ(61B)の基部を接続し、前記第1テールパイプ(61A)の排出口の外周面と第2テールパイプ(61B)の基部の内周面との間に所定の間隙を設けて外気を引き込むディフューザを形成し、前記テールパイプ(61)の
上端部をグレンタンク(6)よりも上側に配置し
、該テールパイプ(61)の上端部の排気口に、機体後方を向く開口部(62A)を有すると共にテールパイプ(61)への雨水の侵入を防止するカバー(62)を配置し、該カバー(62)の開口部(62A)の上下方向の中心位置を前記プレクリーナ(32)の吸気口よりも高い位置に配置して、前記テールパイプ(61)の上端部の排気口から排出された排気ガスがプレクリーナ(32)に吸気されるのを防止する構成としたことを特徴とするコンバインである。
【0008】
請求項2記載の発明は、
前記グレンタンク(6)における脱穀装置(5)側の垂直壁(23A)に、前記第1揚穀装置(14)を配置する第2凹部(22A)を形成し、該第2凹部(22A)における第1揚穀装置(14)の前側の位置に、前記テールパイプ(61)の上部を配置した請求項1記載のコンバインである。
【0009】
請求項3記載の発明は、
前記排出オーガ(8)を受けるオーガ受けフレーム(8C)と第1揚穀装置(14)とに両端部を支持したフレーム(16)に、前記カバー(62)を左右方向から覆うガード(63)の左側下端部を支持し、該ガード(63)によってカバー(62)を跨ぎ、該ガード(63)の右側下端部を前記第1揚穀装置(14)の上端部に支持した請求項1または
請求項2記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、DPFユニット(40)の排出口にテールパイプ(6
1)を接続し、このテールパイプ(6
1)の基部を傾斜壁(23B)に沿わせて上側に延設し、テールパイプ(6
1)の
上端部をグレンタンク(6)よりも上側に配置しているので、脱穀装置(5)とグレンタンク(6)の間に形成される空間を有効に活用することができ
る。
【0011】
また、テールパイプ(6
1)から排出された排気ガスが再びエンジンに供給されることを防止し、エンジンの燃焼効率の低下を防止することができる。
【0012】
また、DPFユニット(40)を、平面視において前記傾斜壁(23B)の左右方向での中央部に配置しているので、DPFユニット(40)からの放熱によってグレンタンク(6)に貯留された穀粒の乾燥が促進され、穀粒排出時におけるグレンタンク内部での穀粒の詰まりを防止することができる。
【0013】
また、第1テールパイル(61A)の排出口の外周面と第2テールパイプ(61B)の
基部の内周面との間に所定の間隙を
設けて外気を引き込むディフューザを形成しているので、この間隙部
から外気が引き込まれ、第2テールパイプ(61B)に排出される排気ガスをより冷却でき、また、第2テールパイプ(61B)の先端部の排気口から浸入した雨水等をDPFユニット(40)の遠位に形成された間隙から外部に排出することができる。
【0014】
また、テールパイプ(6
1)の
上端部の排気口に
機体後方を向く開口部(62A)を
有したカバー(62)を配置しているので、雨天時の収穫作業時に、雨水等のテールパイプ(6
1)への浸入を防止することができる。
【0015】
そして、カバー(62)の開口部(62A)の上下方向の中心位置をプレクリーナ(32)の吸気口よりも高い位置に配置しているので、テールパイプ(61)から排出された排気ガスがプレクリーナ(32)に吸気されるのを防止することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、脱穀装置(5)とグレンタンク(6)の間に形成される空間を有効活用することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、排出オーガ(8)とカバー(62)の衝突によるカバー(62)の破損を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0020】
コンバイン1は、
図1〜
図4に示すように、圃場を走向する左右一対のクローラからなる走行装置3と、機体の前端位置で圃場から穀桿を刈取る刈取装置4と、その後方で穀桿の脱穀・選別を行なう脱穀装置5と、脱穀装置5の右側に並設され脱穀・選別された穀粒を貯留するグレンタンク6とを備え、グレンタンク6の前側で刈取装置5の背面に臨む部位に、操作者が搭乗するキャビン7を備えている。
また、グレンタンク6の後側には貯留された穀粒を機外に排出する排出オーガ8を備え、キャビン7の下方のエンジンルームEにはディーゼルエンジン9が搭載されている。
【0021】
(脱穀装置)
刈取装置4によって刈取られた穀稈は、脱穀装置5に揚上搬送され、脱穀装置5によって脱穀・選別される。脱穀装置5は、上部に穀稈の脱穀を行う扱室と、下部に穀稈の選別を行なう選別室を備えている。扱室には、前後方向に複数の扱歯を有する扱胴が軸支され、選別室には、揺動選別装置から漏下する穀粒を回収する一番受樋と、枝梗等が付着した穀粒を回収する二番受樋が設けられている。
【0022】
一番受樋によって回収された穀粒は、脱穀装置5の右側に配置された第1揚穀装置14によってグレンタンク6に揚送される。第1揚穀装置14の基部は、脱穀装置5の右側下部に形成された排出口に連通し、第1揚穀装置14の上部は、グレンタンク6の投入口に連通している。
また、第1揚穀装置14は、脱穀装置5とグレンタンク6によって挟まれた空間Sを基部から先端部に向かい前上がり傾斜して設置されている。
【0023】
二番受樋によって回収された枝梗等が付着した穀粒は、脱穀装置5の右側に設置された第2揚穀装置15によって二番処理室(図示省略)に揚送される。第1揚穀装置14の基部の後方に位置する第2揚穀装置15の基部は、脱穀装置5の右側下部に形成された排出口に連通し、第2揚穀装置15の上部は、二番処理室の投入口に連通している。また、第2揚穀装置15は、脱穀装置5とグレンタンク6によって挟まれた空間Sを基部から先端部に向かい前上がり傾斜して設置されている。
【0024】
(グレンタンク)
第1揚穀装置14によって揚送された穀粒は、グレンタンク6に貯留される。グレンタンク6は、前後方向の前壁、後壁と、左右方向の右壁、左壁と、天井壁で構成され、左壁の上部には穀粒を投入する投入口が形成され、グレンタンク6の底部には排出オーガ8に穀粒を移送する排出螺旋が設けられている。
また、グレンタンク6の左壁の上部は、多量の穀粒を貯留するために、上下方向に垂直に延在する垂直壁23Aに形成され、左壁の底部は、貯留された穀粒を能率良く排出螺旋に取り込ませるために、左側から右側に安息角度を持って傾斜した傾斜壁23Bに形成されている。
【0025】
脱穀装置5とグレンタンク6との間に形成された空間Sを有効に活用するために、左壁の垂直壁23Aには、第1揚穀装置14と、第2揚穀装置15を配置する凹部
(第2凹部)22Aが形成され、左壁の傾斜壁23Bには、後述するディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPFユニット)40の排気管60を配置する凹部
(第1凹部)22Bが形成されている。なお、左壁の傾斜壁23Bの凹部22Bに、高温状態のDPFユニット40の排気管60を配置することによって、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥が促進され穀粒の搬送を能率良く行なうことができる。
【0026】
(エンジン)
エンジン9は、エンジンマウントを介して機体フレーム2に取付けられている。エンジン9には、エンジン9に空気を過給する吸気タービン30Aとエンジン9から排気ガスを排出する排気マニホールド30Bを有する過給器30が設けられている。
吸気タービン30Aには、接続管35を介して吸気された空気中の不純物を除去するエアクリーナ33が接続され、エアクリーナ33には接続管34を介して外気を濾過しながら吸気するプレクリーナ32が接続され、排気マニホールド30には、接続管50を介して排気ガス中の不純物を除去するDPFユニット40が接続されている。
【0027】
(DPFユニット)
DPFユニット40は、吸気口(流入口)側の酸化触媒(DOC)40Aと、排気口(排出口)側のパティキュレートフィルタ(DPF)40Bが内設されており、エンジン9から排出される排気ガス中の未燃燃料はDOC40Aによって酸化され、排気ガス中の粒状化物質はDPF40Bの濾過作用によって除去される。
【0028】
DPFユニット40は、
図2等に示すように、取付け構造を簡易にするために、エンジン9と同様にマウントを介して機体フレーム2に取付けられ、エンジン9から排出される排気ガスの温度低下を防止するために、エンジン9の背面と第1揚穀装置14の基部の間に配置され、より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させるために、DPFユニット40の前端部をグレンタンク6の前壁と略同一位置に配置している。
【0029】
DPFユニット40は、
図3,4に示すように、DPFユニット40からの放熱によってグレンタンク6内に貯留された穀粒を乾燥させるために、グレンタンク6の左右方向の略中央部分の下側に配置され、平面視において、グレンタンク6の左壁の傾斜壁23Bのシルエット部の下側にDPFユニット40の排出口は配置されている。
【0030】
DPFユニット40の吸気口は、
図7に示すように、接続管50を介して排気マニホールド30Bに接続され、DPFユニット40の排気口(排出口)には、不純物等が除去された排気ガスを外部に排出する排気管60が接続されている。
【0031】
接続管50は、鋼管からなる第1接続管51と、エンジン9の振動の伝播を低減する可撓性を有するステンレス管からなるフレキシブルチューブ52と、鋼管からなる第2接続管53によって構成されている。
【0032】
側面視において、第1接続管51は、排気マニホールド30から略下側に向かって延在し、フレキシブルチューブ52は、第1接続管51の先端部から略下側に向かって延在し、第2接続管53は、フレキシブルチューブ52の先端部から略90度湾曲した後、後方に延在してDPFユニット40の吸気口に接続されている。
【0033】
背面視において、第1接続管51は、排気マニホールド30から略90度湾曲した後、略下側に延在し、フレキシブルチューブ52は、第1接続管51の先端部から略下側に向かって延在し、第2接続管53は、フレキシブルチューブ52の先端部から略下側に向かって延在した後、後方に向かって略90度湾曲しDPFユニット40の吸気口に接続されている。
【0034】
排気管60は、鋼管からなる排気管(テープパイプ)61と、排気管61への雨水等の浸入を防止する湾曲形状に形成されたカバー62よって構成されている。
【0035】
側面視において、排気管61の基部は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、前方上側に向かって傾斜して延在し、排気管61の上部は、排気管61の基部の先端部から前方の上側に向かって急傾斜して延在し、カバー62は、排気管61の上部の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管61の上部は、第1揚穀装置14を配置するグレンタンク6の垂直壁23Aに形成された凹部22Aに、第1揚穀装置14と平行に第1揚穀装置14の前方に配置されている。なお、グレンタンク6の垂直壁23Aの凹部22Aに、高温状態の排気管60の上部を配置することによって、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥が促進され穀粒の搬送を能率良く行なうことができる。
【0036】
カバー62は、排出管61から機外に排出された排気ガスがプレクリーナ32によって吸気されるのを防止するために、カバー62の開口部62Aの上下方向
の中心をプレクリーナ32の吸気口よりも高い位置に配置されている。なお、排出管61の上部の先端部に形成された排気口をプレクリーナ32の吸気口よりも高い位置に配置するのがより好適である。
また、機外に排気ガスを能率良く排出するために、カバー62の前後方向は、収納状態にある排出オーガ8の横送りチューブ(横送り筒)8Bと略平行に取付けられている。なお、排出オーガ8は、グレンタンク6の後側に縦軸回動自在に立設した揚穀チューブ(揚穀筒)8Aと、この揚穀チューブ8Aの上端部に横軸回動自在に接続した横送りチューブ8Bから構成している。
【0037】
背面視において、排気管61の基部は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、左上側に向かって傾斜して延在し、排気管61の上部は、排気管61の基部の先端部から上側に向かって延在し、カバー62は、排気管61の上部の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管61の基部は、グレンタンク6の傾斜壁23Bの凹部22Bに配置され、排気管61の上部は、第1揚穀装置14が配置されているグレンタンク6の垂直壁23Aの凹部22Aに第1揚穀装置14の前側に並列して配置されている。
【0038】
DPFユニット40の排気口の外径よりも排気管61の基部の拡径された内径は大径に形成されている。これによってディフューザ効果が得られ、DPFユニット40から排気管61に排出される排気ガスの流出によりDPFユニット40と排気管61の基部の隙間から空気を引込み排気管61内の排気ガスの温度を低下させることができ、また、カバー62の開口部62Aから浸入してきた雨水等を該隙間から機外に排水することもできる。なお、排藁等の不純物の排気管60内への浸入を防止するために、DPFユニット40と排気管61の基部の該隙間にネットが張設するのが好適である。
【0039】
慣性力による排出オーガ8とカバー62の衝突によるカバー62の破損を防止するために、
図5,6に示すように、カバー62の左右方向は、鋼材からなるガード63で覆われている。ガード63の左側下端部は、排出オーガ8のオーガ受けフレーム8Cと第1揚穀装置14に両端部が支持されたフレーム16に支持され、右側下端部は、第1揚穀装置14の上端部に支持され、ガード63は、左側下端部から右上側に向かって傾斜した後、右側に延在してカバー62を跨ぎ、その後、右下側に向かって傾斜して右側下端部に至っている。
【0040】
(他の排気管)
第1実施形態の他の排気管60は、
図8に示すように、前述した排気管61が鋼管からなる排気管(第1テープパイプ)61Aと、排気管61Aよりも大径な鋼管からなる排気管(第2テープパイプ)61Bで構成されている点において相違している。
【0041】
側面視において、排気管61Aは、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、前方上側に向かって傾斜して延在し、排気管61Bは、排気管61Aの先端部から前方の上側に向かって排気管61Aよりも急傾斜して延在し、排気管61Bの上部の先端部に形成された排気口には、カバー62が取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管61Bは、第1揚穀装置14を配置するグレンタンク6の垂直壁23Aに形成された凹部22Aに、第1揚穀装置14と平行に第1揚穀装置14の前方に配置されている。
【0042】
カバー62は、排出管61Bから機外に排出された排気ガスがプレクリーナ32によって吸気されるのを防止するために、カバー62の開口部62Aの上下方向に中心をプレクリーナ32の吸気口32Aよりも高い位置に配置されている。また、機外に排気ガスを能率良く排出するために、カバー62の前後方向は、収納状態にある排出オーガ8の横送りチューブ8Bと略平行に取付けられている。
【0043】
図示は省略するが、背面視において、排気管61Aは、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、左上側に向かって傾斜して延在し、排気管61Bは、排気管61Aの先端部から上側に向かって延在し、排気管61Bの上部の先端部に形成された排気口には、カバー62が取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管61Aは、グレンタンク6の傾斜壁23Bの凹部22Bに配置され、排気管61Bは、第1揚穀装置14が配置されているグレンタンク6の垂直壁23Aの凹部22Aに第1揚穀装置14に並列して配置されている。
【0044】
DPFユニット40の排気口の外径よりも排気管61Aの拡径された内径は大径に形成されている。これによってディフューザ効果が得られ、DPFユニット40から排気管61Aに排出される排気ガスの流出によりDPFユニット40と排気管61Aの隙間から空気を引込み排気管61A内の排気ガスの温度を低下させることができ、また、カバー62の開口部62Aから浸入してきた雨水等を該隙間から機外に排水することもできる。なお、排藁等の不純物の排気管61A内への浸入を防止するために、DPFユニット40と排気管61Aの該隙間にネットが張設するのが好適である。
【0045】
排気管61Aの排気口の外径よりも排気管61Bの内径は大径に形成されている。これによって、排気管61Aから排気管61Bに排出される排気ガスの流出により排気管61Aと排気管61Bの隙間から空気を引込み排気管61B内の排気ガスの温度を低下させることができ、また、カバー62の開口部62Aから浸入してきた雨水等を該隙間から機外に排水することもできる。なお、排藁等の不純物の排気管61B内への浸入を防止するために、排気管61Aと排気管61Bの該隙間にネットが張設するのが好適である。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0047】
第2実施形態のDPFユニット40は、
図9〜11に示すように、吸気口側のDOC40Aと、中央部のパティキDPF40Bと、排気口側の尿素SCR40Cが内設されており、エンジン9から排出される排気ガス中の未燃燃料はDOC40Aによって酸化され、排気ガス中の粒状化物質はDPF40Bによって除去され、排気ガス中の窒素酸化物は尿素SCR40Cで浄化される。
【0048】
DPFユニット40の吸気口は、接続管50を介して排気マニホールド30Bに接続され、DPFユニット40の排気口には、不純物等が除去された排気ガスを外部に排出する排気管60が接続されている。
【0049】
接続管50は、鋼管からなる第1接続管51と、エンジン9の振動の伝播を低減する可撓性を有するステンレス管からなるフレキシブルチューブ52と、鋼管からなる第2接続管53によって構成されている。
【0050】
排気管60は、鋼管からなる排気管(テープパイプ)71と、排気管71への雨水等の浸入を防止する湾曲形状に形成されたカバー62よって構成されている。
【0051】
側面視において、排気管71の基部は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、前方上側に向かって傾斜して延在し、排気管71の上部は、排気管71の基部の先端部から前方上側に向かって急傾斜して延在し、カバー62は、排気管71の上部の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管71の上部は、脱穀装置5の右側に設置された第2揚穀装置15を配置するグレンタンク6の垂直壁23Aに形成された凹部22Cに、第2揚穀装置15と平行に第2揚穀装置15の後方に配置されている。
【0052】
背面視において、排気管71の基部は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、左上側に向かって傾斜して延在し、排気管71の上部は、排気管71の基部の先端部から上側に向かって延在し、カバー62は、排気管71の上部の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管71の基部は、グレンタンク6の傾斜壁23Bの凹部22Dに配置され、排気管71の上部は、第2揚穀装置15が配置されているグレンタンク6の垂直壁23Aの凹部22Cに第2揚穀装置15の後側に並列して配置されている。
【0053】
DPFユニット40の排気口の外径よりも排気管71の基部の拡径された内径は大径に形成されている。これによってディフューザ効果が得られ、DPFユニット40から排気管71に排出される排気ガスの流出によりDPFユニット40と排気管71の基部の隙間から空気を引込み排気管71内の排気ガスの温度を低下させることができ、また、カバー62の開口部62Aから浸入してきた雨水等を該隙間から機外に排出することもできる。
【0054】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
第3実施形態のDPFユニット40は、
図12〜14に示すように、吸気口側のDOC40Aと、中央部のパティキDPF40Bと、排気口側の尿素SCR40Cが内設されており、エンジン9から排出される排気ガス中の未燃燃料はDOC40Aによって酸化され、排気ガス中の粒状化物質はDPF40Bによって除去され、排気ガス中の窒素酸化物は尿素SCR40Cで浄化される。
【0055】
DPFユニット40の吸気口は、接続管50を介して排気マニホールド30Bに接続され、DPFユニット40の排気口には、不純物等が除去された排気ガスを外部に排出する排気管60が接続されている。
【0056】
接続管50は、鋼管からなる第1接続管51と、エンジン9の振動の伝播を低減する可撓性を有するステンレス管からなるフレキシブルチューブ52と、鋼管からなる第2接続管53によって構成されている。
【0057】
排気管60は、鋼管からなる排気管(テープパイプ)81と、排気管81への雨水等の浸入を防止する湾曲形状に形成されたカバー62よって構成されている。
【0058】
側面視において、排気管81は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在し、カバー62は、排気管81の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。また、排気管81から放熱によって操作者が搭乗するキャビン7内の温度上昇を抑制するために、第2揚穀装置15の後方の脱穀装置5の右側の後部に排気管81は配置されている。
【0059】
背面視において、排気管81の基部は、DPFユニット40の排気口から上側に向かって延在した後、左上側に向かって傾斜して延在して脱穀装置5の右側に臨んでいる。排気管81の上部は、排気管81の基部の先端部から上側に向かって延在し、カバー62は、排気管81の上部の先端部に形成された排気口に開口部62Aを後方に向けて取付けられている。
脱穀装置5とグレンタンク6の間に形成される空間Sを有効に活用するために、排気管81の基部は、グレンタンク6の傾斜壁23Bの凹部22Dに配置され、平面視において、排気管81の基部は、排出オーガ8の横送りチューブ8Bを超えて脱穀装置5の右側に延在している。また、排気管81から放熱によって操作者が搭乗するキャビン7内の温度上昇を抑制するために、排気管81の上部は、脱穀装置5の右側に配置されている。
【0060】
DPFユニット40の排気口の外径よりも排気管81の基部の拡径された内径は大径に形成されている。これによってディフューザ効果が得られ、DPFユニット40から排気管81に排出される排気ガスの流出によりDPFユニット40と排気管81の基部の隙間から空気を引込み排気管81内の排気ガスの温度を低下させることができ、また、カバー62の開口部62Aから浸入してきた雨水等を該隙間から機外に排出することもできる。