(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示信号に基づいて光に対する透過率を変調して画像を表示する表示部と、前記表示部に前記光を照射する光源部と、供給される映像情報に基づき前記表示信号を生成し、且つ、補正情報に基づいて前記表示信号を補正する映像信号処理部とを備える表示装置における補正方法であって、
前記表示部に全画面黒画像の表示を行い、前記表示部に表示された前記全画面黒画像の表示状態として表示位置ごとに検出された表示位置ごとの明るさ情報と、前記表示位置を示す位置情報とを含む黒ムラ情報を検出する黒ムラ検出過程と、
前記映像情報に基づき算出される前記表示する画像の平均輝度情報が予め定められた値よりも低い場合に、前記黒ムラ情報の前記明るさ情報に基づいて輝度が低いと判定される位置の前記透過率を高くする前記補正を行わせる前記補正情報を生成し、前記映像信号処理部に前記補正情報を供給する透過率補正過程と、
前記平均輝度情報が予め定められた値よりも低い場合に、前記補正情報に基づいて前記光源部の発光量を減らす光源補正過程と
を含むことを特徴とする補正方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による補正方法及び表示装置を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による表示装置と調整冶具による表示補正システムを示すブロック図である。
図1が示す表示補正システム100は、表示装置であるLCD(Liquid Crystal Display)モニター1と調整冶具2とを備える。
【0011】
LCDモニター1は、信号受信部10、映像信号処理部20、制御部30、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)40、LVDS(Low voltage differential signaling)インタフェース部50、液晶パネル60、及びバックライト部70を備える。
信号受信部10は、映像信号処理部20と信号線により接続される。信号受信部10は、図示しない外部装置から供給されるビデオ信号などの映像信号を受信し、映像信号処理部20に供給する。
【0012】
映像信号処理部20は、信号受信部10とLVDSインタフェース部50との間に配置される。映像信号処理部20は、信号受信部10から供給される映像信号を、LCDモニター1が使用可能な解像度に変換するスケーラーである。映像信号処理部20は、映像信号に基づいて解像度を変換した表示信号を生成し、生成した表示信号をLVDSインタフェース部50に供給する。
また、映像信号処理部20は、制御信号線により制御部30と接続される。映像信号処理部20は、制御部30から制御信号線を介して供給される補正情報に基づいて、表示信号の補正を行う。また、映像信号処理部20は、信号受信部10から供給される映像信号に基づいて、平均輝度情報であるAPL(Average Picture Level:平均画像レベル)情報を算出する。算出されたAPL情報は、制御信号線を介して制御部30に供給される。なお、APL情報は、表示する画像の平均輝度の値を示す。
【0013】
LVDSインタフェース部50は、映像信号処理部20と液晶パネル60との間に配置される。LVDSインタフェース部50は、映像信号処理部20から供給される表示信号を液晶パネル60が使用する小振幅の差動信号に変換する。LVDSインタフェース部50は、表示信号を変換した小振幅の差動信号を液晶パネル60に供給する。
液晶パネル60は、映像を表示する表示面を有する表示部であり、LVDSインタフェース部50から供給される小振幅の差動信号に基づき、バックライト部70から照射される光に対する透過率を変調して画像を表示する。
バックライト部70は、液晶パネル60に対して表示面の裏側となる背面に配置され、液晶パネル60の背面側から光を照射する光源部である。
【0014】
制御部30は、映像信号処理部20及びバックライト部70に制御信号線を介して接続され、映像信号処理部20及びバックライト部70を制御する。また、制御部30は、EEPROM40に信号線を介して接続される。制御部30は、調整冶具2から供給される情報をEEPROM40に記憶させる。また、制御部30は、EEPROM40を参照して得た情報に基づいて、補正情報を生成する。制御部30は、生成した補正情報を映像信号処理部20に供給して、液晶パネル60の透過率を補正する。また、制御部30は、生成した補正情報に基づいて、バックライト部70の発光量を制御する。ここで、調整冶具2から供給される情報は、例えば、全画面黒表示の状態を測定して検出された液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報である。
EEPROM40は、電気的に書き換え可能な不揮発性の記憶部である。EEPROM40は、制御部30によって書き込まれた液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を記憶する。
【0015】
調整冶具2は、LCDモニター1の黒ムラを補正するために使用する冶具であり、主にLCDモニター1の出荷前の調整工程において使用される。調整冶具2は、調整工程を行う際にLCDモニター1と接続される。
ここで、黒ムラについて示す。液晶パネル60は、全画面黒表示される場合に光に対する透過率が最も低くなる。また、液晶パネル60周辺部分の光漏れや液晶パネル60周辺部に圧力がかかることによる液晶の変化などの要因により透過率が均一にならず、部分的に明るい部分が発生する。この部分的に明るい部分を黒ムラという。
【0016】
調整冶具2は、カメラ部80及び調整部90を備える。カメラ部80は、調整部90に信号線を介して接続される。また、カメラ部80は、LCDモニター1の表示面に対向して配置され、液晶パネル60に表示される画像を検出し、検出した画像情報を調整部90に供給する。
調整部90は、調整工程を行う際に、LCDモニター1の制御部30に信号線を介して接続される。調整部90は、カメラ部80から供給される画像情報を処理し、液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を検出する。また、調整部90は、検出した液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を制御部30に供給する。
【0017】
次に、本実施形態における黒ムラの補正方法について説明する。
図2は、本実施形態における表示補正原理を示す図である。
図2(a)は黒ムラの補正前の状態、
図2(b)は液晶透過率補正を行った状態、
図2(c)はバックライト補正を行った状態をそれぞれ示す。また、
図2において、上の段から、液晶パネル60の表示状態を示す画像イメージ、液晶パネル60の横方向の断面における輝度(明るさ)を示す画像イメージ(明るさ)波形、液晶パネル60の透過率の変化を示す液晶透過率波形、及びバックライト輝度(明るさ)の変化を示すバックライト輝度(明るさ)波形をそれぞれ示す。
【0018】
図2(a)は、黒ムラの補正前の状態を示している。この図において、LCDモニター1は、液晶パネル60の画面全体に黒を表示する全画面黒表示の状態である。この状態において、液晶パネル60を正面から見た状態を示す画像イメージ61は、表示パネル60の左右の両端付近に明るい部分(黒ムラ)が発生する。また、その際の横方向の断面における画像イメージ波形91では、同じく左右の両端付近が明るくなっていることが示される。また、液晶透過率波形21では、同様に左右の両端付近の透過率が高いことが示される。バックライト輝度波形71では、あるレベルの明るさにおいて均一な光を照射していることが示される。
【0019】
図2(b)は、
図2(a)の状態に、液晶の透過率を補正する透過率補正処理を行った状態を示している。透過率補正処理は、黒ムラが発生していない液晶パネル60の中央付近を、黒ムラが発生している左右の両端付近の明るさと均一になるように、液晶パネル60の透過率を高める補正を行う。つまり、透過率補正処理は、黒ムラが発生している部分で最も明るい位置の明るさと均一になるように、液晶パネル60の透過率を高める補正を行う。液晶透過率波形22がこの状態を示す。なお、この透過率を高める補正は、映像信号処理部20によって行われる。この透過率補正処理により、画像イメージ62及び画像イメージ波形92が示すように、表示ムラはないが、全体的に明るくなった表示状態となる。
また、この図において、バックライト輝度波形72は、バックライト輝度波形71と同じ均一なレベルの明るさを示す。
【0020】
図2(c)は、
図2(b)の状態に、光源補正処理であるバックライト補正処理を行った状態を示している。バックライト補正処理は、バックライト部70の発光量を減らして、液晶パネル60の全画面が、
図2(a)に示される補正前の中央部分の黒レベル(黒の明るさ)と等しくなるように、バックライト部70の発光量を減らす補正を行う。つまり、バックライト輝度波形73が示すように、光源補正処理は、液晶パネル60の透過率を補正する前の最も暗い位置の明るさと等しくなるようにバックライト部70の発光量を減らす補正を行う。その結果、画像イメージ63及び画像イメージ波形93が示すように、
図2(a)に示される状態に比べて、黒ムラのない均一な黒を表示する状態となる。
なお、この図において、液晶透過率波形23は、液晶透過率波形22と同じ波形を示す。
【0021】
次に、本実施形態による補正方法の動作を、
図1及び
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態における補正処理を示すフローチャートである。
図3において、ステップS301とステップS302の処理は、LCDモニター1の出荷前の調整工程における処理を示す。
調整冶具2は、調整工程を行う際にLCDモニター1と接続される。具体的には、LCDモニター1における制御部30が信号線を介して調整冶具2における調整部90に接続される。また、液晶パネル60の表示面に対向した位置にカメラ部80が配置される。
【0022】
まず、ステップS301において、LCDモニター1は、液晶パネル60に全画面黒表示をする。この処理は、例えば、図示しない外部装置から供給される映像信号に基づいて、行われても良い。調整冶具2のカメラ部80は、液晶パネル60に表示される画像を検出し、検出した画像情報を調整部90に供給する。調整部90は、カメラ部80から供給される画像情報を処理し、黒ムラの液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を検出する。そして、調整部90は、検出した液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を液晶パネル60の黒ムラ情報として、LCDモニター1の制御部30に供給する。
【0023】
次に、ステップS302において、LCDモニター1の制御部30は、調整部90から供給された液晶パネル60の黒ムラ情報をEEPROM40に記憶させる。このステップS302の処理により、調整工程が完了する。
【0024】
続くステップS303とステップS304の処理は、図示しない外部装置から供給される映像信号に基づいて表示する通常動作状態におけて行われる補正処理を示す。
【0025】
ステップS303において、制御部30は、EEPROM40が記憶する黒ムラ情報を参照し、この黒ムラ情報に基づいて補正情報を生成する。補正情報は、黒ムラが発生している最も明るい位置の明るさと均一になるように、液晶パネル60の各位置の透過率を高める補正値を示す情報である。制御部30は、黒ムラ情報に基づいて生成した補正情報を映像信号処理部20に供給する。
映像信号処理部20は、映像信号に基づいて解像度を変換した表示信号を生成する。また、映像信号処理部20は、制御部30から供給された補正情報に基づいて表示信号に液晶の透過率を高める補正を行い、LVDSインタフェース部50に供給する。LVDSインタフェース部50は、映像信号処理部20から供給される表示信号を小振幅の差動信号に変換し、表示信号を変換した小振幅の差動信号を液晶パネル60に供給する。これにより、黒ムラが発生している最も明るい位置の明るさと均一になるように、液晶パネル60の各位置の透過率を高める補正(透過率補正処理)が行われる。
【0026】
次に、ステップS304において、制御部30は、透過率を高める補正値を示す補正情報に基づいて、バックライト部70の発光量を減らす制御を行う。つまり、制御部30は、全画面黒表示である場合に検出された黒ムラ情報の中で、最も暗い位置の明るさ(黒表示レベル)と等しくなるようにバックライト部70の発光量を減らす制御を行う。これは、補正情報の内、最も大きい透過率補正値により上昇した分の輝度を、バックライト部70の発光量を減らすことによって、画面の輝度を下げる補正である。従って、制御部30は、バックライト部70の発光量を減らすための制御情報を、補正情報の最大透過率補正値から算出する。なお、この制御情報は、輝度に対する透過率と発光量の関係(比率)により算出する。これにより、全画面黒表示である場合に最も暗い位置の明るさと等しくなるようにバックライト部70の発光量を減らす補正(光源補正処理)が行われる。
【0027】
なお、上述の透過率補正処理(ステップS303の処理)、及び光源補正処理(ステップS304の処理)は、液晶パネル60の画面が全体的に暗いと判定された場合に、制御部30によって行われる。その判定では、制御部30により、映像信号処理部20から制御信号線を介して供給されるAPL情報が、予め定められた値(例えば、最大輝度値の1/4の値)よりも低いか否かが判定される。制御部30は、APL情報が予め定められた値よりも低いと判定した場合に、透過率補正処理(ステップS303の処理)、及び光源補正処理(ステップS304の処理)を行う。
一方、液晶パネル60の画面の一部に明るい部分がある場合には、透過率補正処理(ステップS303の処理)において、明るい部分が飽和する場合が生じる。更にこの飽和された状態において、光源補正処理(ステップS304の処理)を行うと、補正前の輝度よりも輝度が低下する場合も生じる。従って、予め定められた輝度値は、例えば、透過率補正処理(ステップS303の処理)により、表示する画像の大部分が飽和するか否かを考慮して定めても良い。
【0028】
以上のように、本実施形態における補正方法及びLCDモニター1は、液晶パネル60に全画面黒表示させる。制御部30は、全画面黒表示の明るさ情報と位置情報を調整冶具2が検出した液晶パネル60の黒ムラ情報を受信して、記憶部であるEEPROM40に記憶させる。また、制御部30は、映像信号処理部20から供給されるAPL情報に基づいて液晶パネル60の画面が全体的に暗いと判定された場合に、透過率補正処理(ステップS303の処理)、及び光源補正処理(ステップS304の処理)を行う。制御部30は、全画面黒表示の状態で検出した液晶パネル60の黒ムラ情報に基づいて、液晶パネル60の透過率を高める透過率補正処理(ステップS303の処理)とバックライト部70の発光量を減らす光源補正処理(ステップS304の処理)を行う。このため、本実施形態における補正方法及びLCDモニター1では、黒ムラを改善することができる。
【0029】
また、光源補正処理(ステップS304の処理)は、黒ムラ情報に基づいて生成された補正情報に基づいて、バックライト部70の発光量を減らす補正を行う処理である。このため、補正方法及びLCDモニター1では、画像の表示に使用できる輝度幅を広げることができる。これにより、補正方法及びLCDモニター1は、コントラストの低下を防止できる。つまり、本実施形態における補正方法及びLCDモニター1は、コントラストを維持しつつ、黒ムラを改善できる。
【0030】
また、透過率補正処理(ステップS303の処理)は、黒ムラが発生している最も明るい位置の明るさと均一になるように透過率を高める補正処理である。このため、制御部30は、全画面黒表示の明るさ情報と位置情報を含む黒ムラ情報から容易に補正情報を算出できる。また、光源補正処理(ステップS304の処理)は、全画面黒表示である場合に最も暗い位置の明るさと等しくなるようにバックライト部70の発光量を減らす補正処理である。このため、制御部30は、バックライト部70の発光量を減らすための制御情報を、輝度に対する透過率と発光量の関係(比率)を用いて補正情報の最大透過率補正値から算出できる。また、制御部30は、表示領域ごとにバックライトの明るさを制御するなどの複雑な制御を行わずに黒ムラの補正ができる。本実施形態における補正方法及びLCDモニター1は、特許文献1又は特許文献2が示す補正方法に比べて簡易な制御により、黒ムラを改善できる。
【0031】
なお、本発明の実施形態によれば、表示信号に基づいて光に対する透過率を変調して画像を表示する液晶パネル60と、液晶パネル60に光を照射するバックライト部70と、供給される映像信号に基づき液晶パネル60に画像を表示させる表示信号を生成し、且つ、補正情報に基づいて表示信号を補正する映像信号処理部20とを備えるLCDモニター1における補正方法は、液晶パネル60に全画面黒画像の表示を行い、液晶パネル60に表示された全画面黒画像の表示状態として表示位置ごとに検出された表示位置ごとの明るさ情報と、その表示位置を示す位置情報とを含む黒ムラ情報を検出する黒ムラ検出過程(ステップS301、S302)と、表示する画像の輝度情報(APL情報)に応じて、EEPROM40が記憶する黒ムラ情報の明るさ情報に基づいて輝度が低いと判定される位置の透過率を高くする補正を行わせる補正情報を生成し、映像信号処理部20に補正情報を供給する透過率補正過程(ステップS303)と、表示する画像の輝度情報(APL情報)に応じて、補正情報に基づいてバックライト部70の発光量を減らす光源補正過程(ステップS304)とを含む。
【0032】
この補正方法では、全画面黒表示の状態で検出した液晶パネル60の黒ムラ情報に基づいて、透過率を高める補正とバックライト部70の発光量を減らす補正とが行われる。これにより、黒ムラが改善される。また、光源補正過程(ステップS304)では、画像の輝度情報(APL情報)に応じて、黒ムラ情報に基づいて生成された補正情報に基づいて、バックライト部70の発光量を減らす補正が行われる。このため、この補正方法では、画像の表示に使用できる輝度幅を広げることができる。これにより、この補正方法では、コントラストの低下を防止することができる。つまり、本実施形態における補正方法では、コントラストを維持しつつ、黒ムラを改善することができる。
【0033】
また、本実施形態に示される補正情報は、全画面黒表示である場合において検出された黒ムラ情報の中で最も明るい位置の明るさと均一になるように透過率を高めるための情報である。また、光源補正過程(ステップS304)では、補正情報に基づいて、全画面黒表示である場合において検出された黒ムラ情報の中で最も暗い位置の明るさと等しくなるようにバックライト部70の発光量を減らす補正が行われる。
これにより、補正情報は、全画面黒表示の明るさ情報と位置情報を含む黒ムラ情報から比較的簡単に算出できる。また、光源補正過程(ステップS304)では、バックライト部70の発光量を減らすための制御情報が、補正情報の最大透過率補正値から容易に算出できる。また、光源補正過程(ステップS304)では、表示領域ごとにバックライトの明るさを制御するなどの複雑な制御を行わずに補正ができる。この補正方法では、簡易な制御により、黒ムラを改善できる。
【0034】
また、本実施形態に示される表示する画像の輝度情報は、映像信号処理部20が映像情報に基づき算出した平均輝度情報(APL情報)であり、透過率補正過程と光源補正過程とは、平均輝度情報(APL情報)が予め定められた値よりも低い場合に行われる。
これにより、液晶パネル60の画面に明るい部分がある場合、透過率補正過程(ステップS303)において明るい部分が飽和して、光源補正過程(ステップS304)において、補正前の輝度よりも輝度が低下することを防止できる。
【0035】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記の実施形態において、記憶部としてEEPROM40を用いる形態を説明したが、これに限定されるものではなく、フラッシュメモリやバックアップ電源付きのSRAM(Static Random Access Memory)などのメモリを用いる形態でも良い。また、液晶パネル60に表示信号を供給するインタフェースとしてLVDSインタフェースを用いる形態を説明したが、これに限定されるものではなく、他の小振幅インタフェースを用いる形態でも良いし、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)レベルのインタフェースを用いる形態でも良い。
また、上記の実施形態において、調整工程を行う際に、液晶パネル60に全画面黒表示をする処理は、図示しない外部装置から供給される映像信号に基づいて行われる形態を説明した。しかし、これに限定されるものではなく、制御部30の制御に基づき、映像信号処理部20が、映像信号を用いずに全画面黒表示する状態を作り出しても良い。
【0036】
また、調整工程を行う際に、制御部30がEEPROM40に液晶パネル60上の位置情報と明るさ情報を液晶パネル60の黒ムラ情報として記憶させる形態を説明した。しかし、これに限定されるものではなく、制御部30が、調整工程のステップS302において、透過率を高めるための補正情報や、バックライト部70の発光量を減らすための制御情報を予め生成して、EEPROM40に記憶させる形態でも良い。
また、液晶パネル60の画面が全体的に暗い場合の判定に、平均輝度情報であるAPL情報を用いる形態を説明したが、これに限定されるものではなく、他の情報を用いても良い。例えば、LCDモニター1の使用者によるキー入力操作により、画面全体の輝度が設定されるような場合では、設定される輝度値に基づいて判定する形態でも良い。この場合、液晶パネル60の画面が全体的に暗い場合の判定は、設定される輝度値が予め定められた値より低いか否かによって行われても良い。また、画面の輝度を検出するセンサーなどを設けて、検出された画像の輝度情報を用いる形態でも良い。
【0037】
また、APL情報の算出は、映像信号の1画面分全画素の情報から算出しても良いし、表示領域を分割して間引いた画素の情報から算出しても良い。また、透過率を高めることで明るい部分が飽和し易い液晶パネル60の中央部分の画素の情報から算出しても良い。
【0038】
上述のLCDモニター1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した補正処理の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。