(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、情報配信システム1について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による情報配信システム1の構成を示すブロック図、
図2は、一実施の形態による監視・切替部19の機能を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報配信システム1は、投票端末3−1、・・・、3−n、ホスト5、および情報配信装置7が、ネットワーク6を介して接続されたシステムである。情報配信システム1の外部には、TV(Television)25−1、・・・、25−m、カメラ29−1、・・・、29−lが接続されている。ここで、n、m、lは正の整数である。なお、投票端末3−1、・・・、3−nは、以下まとめて、あるいは代表して投票端末3ともいう。TV25−1、・・・、25−mは、以下まとめて、あるいは代表してTV25ともいう。カメラ29−1、・・・、29−lは、以下まとめて、あるいは代表してカメラ29ともいう。
【0013】
投票端末3は、例えば競馬、競輪、競艇などの公営競技の投票を行うための端末であり、利用者が投票を行うと、投票情報がネットワーク6を介して、ホスト5に送信される。また、投票端末3は、投票内容等を記載した投票券を利用者に発券する。
【0014】
ホスト5は、投票端末3からの投票内容を取得して、例えば投票券の発券の許可を投票端末3に出力したり、所定の演算を行うことにより、例えば、オッズなどの投票情報を情報配信装置7に出力したりする情報処理装置である。ネットワーク6は、例えばインターネットやローカルエリアネットワーク等の有線または無線による情報網である。
【0015】
情報配信装置7は、ネットワーク6によりホスト5と接続されている。情報配信装置7は、通信制御部9、データ取得部11、オッズ画面作成部13−1、13−2、テロップ画面作成部15−1、15−2、映像コンバータ17−1、17−2、監視・切替部19、映像スイッチャ21、変調・混合器23を有している。
【0016】
オッズ画面作成部13−1、13−2、テロップ画面作成部15−1、15−2、映像コンバータ17−1、17−2は、それぞれ一方の画面生成部による表示画面用のデータが映像スイッチャ21から変調・混合器23へ送出される。他方の画面生成部により生成される表示画面用のデータは、一方が正常に動作していないと検出された場合に変調・混合器23へ送出される予備となる。各画面生成部の前者を「現用系」といい、後者を「予備系」という。なお、オッズ画面作成部13−1、13−2、テロップ画面作成部15−1、15−2、映像コンバータ17−1、17−2は、それぞれまとめて、または代表して、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17ともいう。
【0017】
情報配信装置7は、情報配信システム1の外部のカメラ29と接続されることにより、公営競技の実況映像などの動画を取得する。さらに、情報配信装置7は、情報配信システム1の外部のTV25と接続されており、TV25へ表示用の情報を出力する。
【0018】
通信制御部9は、ホスト5との間の通信を制御し、例えばホスト5から何らかの信号(イベント)を受信した場合には、受信したイベントに応じて、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、監視・切替部19にイベントを出力する。データ取得部11は、オッズ画面作成部13またはテロップ画面作成部15がデータ取得に関するイベントを受信すると、ホスト5からオッズ画面を作成するためのオッズ情報、テロップ画面を作成するためのテロップ情報等を取得する。
【0019】
オッズ画面作成部13は、データ取得部11を介してホスト5から取得したオッズ情報に基づき、オッズ画面を表示するためのオッズ画面データを作成し、映像スイッチャ21に出力する。このとき、オッズ画面作成部13−1、13−2は、一方が正常に動作しない場合に備えていずれもが、オッズ画面データを作成して出力するようにしてもよい。
【0020】
テロップ画面作成部15は、データ取得部11を介してホスト5から取得したテロップ情報に基づき、テロップ画面を表示するためのテロップ画面データを作成し、映像スイッチャ21に出力する。このとき、テロップ画面作成部15−1、15−2は、一方が正常に動作しない場合に備えて、いずれもテロップ画面データを作成して出力するようにしてもよい。
【0021】
映像コンバータ17は、情報配信システム1外部のカメラ29から、例えば公営競技の実況映像を受信し、映像スイッチャ21の入力インタフェースにあわせて信号変換を行い、映像スイッチャ21に変換済みの映像信号を出力する。なお、このとき、映像コンバータ17−1、17−2は、一方が正常に動作しない場合に備えていずれもが、実況映像を映像スイッチャ21の入力インタフェースに合わせて信号変換を行い、変換済みの映像信号を出力するようにしてもよい。
【0022】
映像スイッチャ21は、監視・切替部19からの指示に応じて、変調・混合器23へ出力する画面データを切り替える。映像スイッチャ21は、複数のチャンネルを有することが好ましく、それぞれのチャンネルに応じて画面データを出力することができ、各チャンネル毎に様々な画像または映像を送出する。変調・混合器23は、各チャンネルに応じて信号を変調した後、一本のケーブルに複数チャンネルの信号を混合する機能を有する。
【0023】
図2に示すように、監視・切替部19は、ホスト監視部31、表示パターン記憶部33、制御部35、通信監視部37、診断監視部39、故障判定部41、現/予切替部43、および映像スイッチャ切替部45を有している。ホスト監視部31は、通信制御部9を介して、ホスト5から送信されるイベントを監視する。表示パターン記憶部33は、公営競技の進行状況に関連付けて、TV25に表示させる画面の種類を記憶するメモリである。通信監視部37は、映像スイッチャ21との間で行われる情報の授受を監視する。
【0024】
診断監視部39は、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、および映像コンバータ17に、例えば一定時間毎に信号を送信することにより、正常に動作しているか否かを監視する。故障判定部41は、診断監視部39により送信された信号に対して、例えば送信から一定時間内に正常に返信があるか否かを判別することにより、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17が正常に動作しているか否かを判定する。
【0025】
現/予切替部43は、例えば、オッズ画面作成部13−1、13−2のうちのいずれからの画面データを変調・混合器23へ出力させるかを切り替える指示を映像スイッチャ21に出力する。すなわち、現/予切替部43は、「現用系」および「予備系」のいずれからのデータを変調・混合器23へ出力させるかを切り替える指示を、映像スイッチャ21に出力する。例えば、診断監視部39からの信号に対して「現用系」から正常に返信がない場合には、「予備系」からの画面データを出力させるように切り替える指示を出力する。
【0026】
映像スイッチャ切替部45は、ホスト5からの、例えば公営競技の進行状況に応じた指示に応じて、映像スイッチャ21を制御し、変調・混合器23に送出する画面データを切り替える。また、映像スイッチャ切替部45は、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17のいずれかが「現用系」「予備系」とも故障と判別された場合などに、表示パターン記憶部33に記憶された情報に基づき、変調・混合器23へ出力する信号を、別の情報の表示に切り替える。
【0027】
制御部35は、不図示のメモリより所定のプログラムを読み込んで実行することにより監視・切替部19の上記各部の機能を実現するとともに、情報配信装置7全体の動作を制御する。
【0028】
図3は、状況に応じて本来表示すべきデータ、およびデータを作成するオッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17のいずれかが正常に動作していない場合に、代行して表示する情報を示す表示パターンの表である。
図3に示すように、表100は、公営競技の「進行状況」を「当回発売開始」「当回発売締切」「当会発売停止」「最終レース払戻停止」の4つの状況とし、それぞれの状況において、「オッズ表示」、「テロップ表示」、「実況映像」をどのような状態とするかを示している。
【0029】
なお、「当回発売開始」とは、例えば、次に行われるレースの投票を受け付けている状況であり、「当回発売締切」とは、次に行われるレースの投票を締め切った状況である。「当回発売停止」とは、次に行われるレースの投票の受付を締め切った後に、発売を完全に停止している状況であり、「最終レース払戻停止」とは、当日の最終レースの払戻を停止した状況である。
【0030】
「当回発売開始」の時には、「オッズ表示」が「正規表示」となる。すなわち、オッズ画面作成部13−1、13−2のいずれかが正常に動作している場合には、TV25にはオッズ画面が表示される。このとき、オッズ画面作成部13−1、13−2がいずれも正常に動作していないことが検出されると、「実況映像」が「代行表示」として表示される。
【0031】
すなわち、故障判定部41により、「現用系」である例えばオッズ画面作成部13−1が正常に動作していないことが検出されると、現/予切替部43により「予備系」であるオッズ画面作成部13−2からの画面データが変調・混合器23に送信されるように、映像スイッチャ21が切り替えられる。その後、オッズ画面作成部13−2も正常に動作していないことが検出されると、映像スイッチャ切替部45は、映像コンバータ17から出力される画面データを変調・混合器23に送出させるように映像スイッチャ21を切り替える。このとき、故障判定部41は、「代行表示」である「実況映像」をTV25に表示させる。
【0032】
さらに、故障判定部41が、映像コンバータ17−1、17−2のいずれもが正常に動作しないと判定した場合には、「テロップ表示」が「代行予備」として表示されるように映像スイッチャ切替部45が切替を行う。以下同様に、「正規表示」の画面作成部の「現用系」と「予備系」のいずれも正常に動作しない場合に「代行表示」が割り当てられた画面データが変調・混合器23に送出される。「代行表示」の画面作成部がいずれも正常に動作しない場合には、「代行予備」が割り当てられた画面データが変調・混合器23に送出される。
【0033】
「当回発売締切」の時には、「テロップ表示」が「正規表示」であり、「実況映像」は「代行表示」とされ、「オッズ表示」は表示の対象とはされない。「当回発売停止」の時には、「実況映像」が「正規表示」であり、「テロップ表示」が「代行表示」とされ、「オッズ表示」は表示の対象とはされない。「最終レース払戻停止」の時には、「テロップ表示」が「正規表示」であり、「実況映像」が「代行表示」とされ、「オッズ表示」は表示の対象とはされない。
【0034】
以上のように構成された情報配信システム1の動作を、
図4、
図5のフローチャートを参照しながら説明する。
図4、
図5は、本実施の形態による情報配信システム1の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、情報配信装置7は、オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17の診断を開始する(S201)。
【0035】
通信制御部9が、ホスト5からのイベントを受信すると(S202)、通信制御部9は、受信したイベントが「当回発売開始」を示すイベントであるか否か判別する(S203)。受信したイベントが「当回発売開始」を示すイベントである場合には(S203:YES)、オッズ画面作成部13の「現用系」が正常に動作しているか否かを判別する。すなわち、診断監視部39は、オッズ画面作成部13の「現用系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にオッズ画面作成部13の「現用系」からの応答があるか否かを判別する(S204)。
【0036】
故障判定部41が、オッズ画面作成部13の「現用系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S204では、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。タイムアウトの回数が3回目である場合には(S204:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に、変調・混合器23に出力する画面データを「現用系」のものから「予備系」に切り替えるよう指示を行う(S205)。S204において、タイムアウトの回数が3回目でない場合には(S204:NO)、故障判定部41は、処理をS206に進める。
【0037】
診断監視部39は、オッズ画面作成部13の「予備系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にオッズ画面作成部13の「予備系」からの応答があるか否かを判別する(S206)。
【0038】
故障判定部41が、オッズ画面作成部13の「予備系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S206では、故障判定部41が、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。3回目である場合には(S206:YES)、制御部35は、故障判定部41が、映像スイッチャ21にオッズ画面データを「予備系」からのものに切り替える指示を出力済みであるか否かを判別する(S207)。予備系に切り替え済みである場合には(S207:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、代行表示に切り替えるように指示を行い(S208)、処理をS202に戻す。
【0039】
S206で、タイムアウトの回数が3回でない場合(S206:NO)、および、S207で、「予備系」に切り替え済みでない場合には(S207:NO)、故障判定部41は、S209に処理を進める。S209で、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、変調・混合器23にオッズ画面作成部13からの信号を出力させるように指示を行い、処理をS202へ戻す。
【0040】
S203で、受信したイベントが「当回発売開始」を示すイベントでない場合には(S203:NO)、受信したイベントが「当回発売締切」を示すイベントであるか否かが判別される(S210)。受信したイベントが「当回発売締切」を示すイベントである場合には(S210:YES)、テロップ画面作成部15の「現用系」が正常に動作しているか否かが判別される。すなわち、診断監視部39は、テロップ画面作成部15の「現用系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にテロップ画面作成部15の「現用系」からの応答があるか否かを判別する(S211)。
【0041】
故障判定部41が、テロップ画面作成部15の「現用系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S211では、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。タイムアウトの回数が3回目である場合には(S211:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に、変調・混合器23に出力する画面データを「現用系」のものから「予備系」に切り替えるよう指示を行う(S212)。S211において、タイムアウトの回数が3回目でない場合には(S211:NO)、故障判定部41は、処理をS213に進める。
【0042】
診断監視部39は、テロップ画面作成部15の「予備系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にテロップ画面作成部15の「予備系」からの応答があるか否かを判別する(S213)。
【0043】
故障判定部41が、テロップ画面作成部15の「予備系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S213では、故障判定部41が、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。3回目である場合には(S213:YES)、制御部35は、故障判定部41が、映像スイッチャ21にテロップ画面データを「予備系」からのものに切り替える指示を出力済みであるか否かを判別する(S214)。予備系に切り替え済みである場合には(S214:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、代行表示に切り替えるように指示を行い(S215)、処理をS202に戻す。
【0044】
S213で、タイムアウトの回数が3回でない場合(S213:NO)、および、S214で、「予備系」に切り替え済みでない場合には(S214:NO)、故障判定部41は、S216に処理を進める。S216で、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、変調・混合器23にテロップ画面作成部15からの画面データを出力させるように指示するとともに、処理をS202に戻す。
【0045】
S210で、受信したイベントが「当回発売締切」を示すイベントでない場合には(S210:NO)、受信したイベントが「当回発売停止」を示すイベントであるか否かが判別される(S221)。S221で受信したイベントが「当回発売停止」を示すイベントである場合には(S221:YES)、映像コンバータ17の「現用系」が正常に動作しているか否かが判別される。すなわち、診断監視部39は、映像コンバータ17の「現用系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内に映像コンバータ17の「現用系」からの応答があるか否かを判別する(S222)。
【0046】
故障判定部41が、映像コンバータ17の「現用系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S222では、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。タイムアウトの回数が3回目である場合には(S222:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に、変調・混合器23に出力する画面データを「現用系」のものから「予備系」に切り替えるよう指示を行う(S223)。S222において、タイムアウトの回数が3回目でない場合には(S222:NO)、故障判定部41は、処理をS224に進める。
【0047】
診断監視部39は、映像コンバータ17の「予備系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内に映像コンバータ17の「予備系」からの応答があるか否かを判別する(S224)。
【0048】
故障判定部41が、映像コンバータ17の「予備系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S224では、故障判定部41が、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。3回目である場合には(S224:YES)、制御部35は、故障判定部41が、映像スイッチャ21に実況映像の画面データを「予備系」からのものに切り替える指示を出力済みであるか否かを判別する(S225)。予備系に切り替え済みである場合には(S225:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、代行表示に切り替えるように指示を行い(S226)、処理をS202に戻す。
【0049】
S224で、タイムアウトの回数が3回でない場合(S224:NO)、および、S225で、「予備系」に切り替え済みでない場合には(S225:NO)、故障判定部41は、S227に処理を進める。S227で、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、変調・混合器23に映像コンバータ17からの画面データを出力させるように指示するとともに、処理をS202に戻す。
【0050】
S221において受信したイベントが「当回発売停止」を示すイベントでない場合には(S221:NO)、受信したイベントが「最終レース払戻停止」を示すイベントであるか否かが判別される(S228)。S228において、受信したイベントが「最終レース払戻停止」を示すイベントでない場合(S228:NO)、処理はS202へ戻される。受信したイベントが「最終レース払戻停止」を示すイベントである場合には(S228:YES)、テロップ画面作成部15の「現用系」が正常に動作しているか否かが判別される。すなわち、診断監視部39は、テロップ画面作成部15の「現用系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にテロップ画面作成部15の「現用系」からの応答があるか否かを判別する(S229)。
【0051】
故障判定部41が、テロップ画面作成部15の「現用系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S229では、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。タイムアウトの回数が3回目である場合には(S229:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に、変調・混合器23に出力する画面データを「現用系」のものから「予備系」に切り替えるよう指示を行う(S230)。S229において、タイムアウトの回数が3回目でない場合には(S229:NO)、故障判定部41は、処理をS231に進める。
【0052】
診断監視部39は、テロップ画面作成部15の「予備系」に所定の信号を出力し、故障判定部41は、所定時間以内にテロップ画面作成部15の「予備系」からの応答があるか否かを判別する(S231)。
【0053】
故障判定部41が、テロップ画面作成部15の「予備系」からの応答を所定時間以内に確認できない場合には、診断監視部39は、繰り返し所定の信号を出力する。S231では、故障判定部41が、所定時間以内に応答を確認できないタイムアウトの回数が3回目か否かを判別する。3回目である場合には(S231:YES)、制御部35は、故障判定部41が、映像スイッチャ21にテロップ画面データを「予備系」からのものに切り替える指示を出力済みであるか否かを判別する(S232)。予備系に切り替え済みである場合には(S232:YES)、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、代行表示に切り替えるように指示を行い(S233)、処理をS235に進める。
【0054】
S231で、タイムアウトの回数が3回でない場合(S231:NO)、および、S232で、「予備系」に切り替え済みでない場合には(S232:NO)、故障判定部41は、S234に処理を進める。S234で、映像スイッチャ切替部45は、映像スイッチャ21に対して、変調・混合器23にテロップ画面作成部15からの画面データを出力させるように指示するとともに、処理をS235に進める。
【0055】
S235において、ホスト監視部31は、後処理に関するイベントをホスト5から受信するまで監視を続ける(S235:NO)。後処理とは、その日の処理を終了するために情報配信装置7において行う処理をいう。後処理に関するイベントを受信すると(S235:YES)、情報配信装置7はその日の処理を終了する。尚、本フローチャートでは、タイムアウトの回数を3回としたが、これに限らず、他の所定の回数で行なってもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態による情報配信システム1は、投票端末3、ホスト5、情報配信装置7がネットワーク6を介して接続されている。情報配信システム1によれば、情報配信装置7は、それぞれ「現用系」と「予備系」とを備えたオッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17を有している。また、情報配信装置7は、監視・切替部19に表示パターン記憶部33を有し、例えば公営競技の進行状況に応じて、外部のTV25の画面に表示させる情報の種類を格納している。
【0057】
情報配信装置7の通信制御部9が、ホスト5から例えば、公営競技の進行状況に関する情報などのイベントを受信する。このとき、データ取得部11が、ホスト5から例えばオッズなど、投票に関する情報を取得する。情報配信装置7は、表示パターン記憶部33を参照しながら、映像スイッチャ21に指示を出力することにより、競技の進行状況に応じた映像をTV25に出力させる。オッズ画面作成部13、テロップ画面作成部15、映像コンバータ17は常に正常に動作しているか否かを診断監視部39により監視されており、正常であることが確認されない場合には、「現用系」を「予備系」に切り替えるか、代行表示または代行予備の表示を行う。
【0058】
なお、オッズ画面データ、テロップ画面データ、実況映像の画面データは、本発明の配信用データの一例であり、表示パターンは、本発明の接続情報の一例である。
【0059】
以上のように、情報配信システム1によれば、1台の情報配信装置7により、オッズ画面、テロップ画面、実況映像のそれぞれの画面表示用の画面データを作成できる。よって、複数種類の情報を表示するデータを作成する装置を個別に設置する場合に比べて、設置するスペースが狭くなるとともに、設置および運用のコストも安くできる。また、投票に関する複数種類の情報を自動的に表示することができるとともに、いずれかのデータを作成する装置に故障があった場合、自動的に別な画面に切り替えることが可能であり、人手による操作が不要である。よって、人件費の削減が可能であるとともに、故障によって情報配信システム1の運用が停止してしまうことを防止することができる。また、例えば無人の投票券発売所などに設置することにより、顧客に対する利便性を向上させることが可能である。
【0060】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。例えば、表示する画面は、オッズ画面、テロップ画面、実況映像を例にして説明したが、これに限定されず、他の情報でもよい。また、情報の種類は3種類に限らず、それより多くても少なくてもよい。情報配信装置7の詳細な構成については、説明した例に限定されず、同様の作用効果を奏するものであれば、別の構成も可能である。本実施の形態による情報配信システム1による情報配信方法は、公営競技のトータリゼータシステムに適用可能であるが、複数の情報を配信する他のシステムに適用することもできる。
【0061】
上記情報配信システム1の情報配信装置7は、標準的なコンピュータによっても実現可能である。その際には、本実施の形態の情報配信の処理をコンピュータに行わせるための制御プログラムを作成して、例えば取り外し可能なメモリなどに記憶させる。そして、この制御プログラムを、演算処理装置に読み込ませて実行させる。
【0062】
ここで、上記実施の形態による情報配信方法の動作をコンピュータに行わせるために共通に適用されるコンピュータの例について説明する。
図6は、標準的なコンピュータのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、コンピュータ300は、Central Processing Unit(CPU)302、メモリ304、入力装置306、出力装置308、外部記憶装置312、媒体駆動装置314、ネットワーク接続装置等がバス310を介して接続されている。
【0063】
CPU302は、コンピュータ300全体の動作を制御する演算処理装置である。メモリ304は、コンピュータ300の動作を制御するプログラムを予め記憶したり、プログラムを実行する際に必要に応じて作業領域として使用したりするための記憶部である。メモリ304は、例えばRandom Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)等である。入力装置306は、コンピュータの使用者により操作されると、その操作内容に対応付けられている使用者からの各種情報の入力を取得し、取得した入力情報をCPU302に送付する装置であり、例えばキーボード装置、マウス装置などである。出力装置308は、コンピュータ300による処理結果を出力する装置であり、表示装置などが含まれる。例えば表示装置は、CPU302により送付される表示データに応じてテキストや画像を表示する。
【0064】
外部記憶装置312は、例えば、ハードディスクなどの記憶装置であり、CPU302により実行される各種制御プログラムや、取得したデータ等を記憶しておく装置である。媒体駆動装置314は、可搬記録媒体316に書き込みおよび読み出しを行うための装置である。CPU302は、可搬型記録媒体316に記録されている所定の制御プログラムを、記録媒体駆動装置314を介して読み出して実行することによって、各種の制御処理を行うようにすることもできる。可搬記録媒体316は、例えばConpact Disc(CD)−ROM、Digital Versatile Disc(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ等である。ネットワーク接続装置318は、有線または無線により外部との間で行われる各種データの授受の管理を行うインタフェース装置である。バス310は、上記各装置等を互いに接続し、データのやり取りを行う通信経路である。
【0065】
上記実施の形態による情報配信方法をコンピュータに実行させるプログラムは、例えば外部記憶装置312に記憶させる。CPU302は、外部記憶装置312からプログラムを読み出し、コンピュータ300に情報配信の動作を行なわせる。このとき、まず、情報配信の処理をCPU302に行わせるための制御プログラムを作成して外部記憶装置312に記憶させておく。そして、入力装置306から所定の指示をCPU302に与えて、この制御プログラムを外部記憶装置312から読み出させて実行させるようにする。また、このプログラムは、可搬記録媒体316に記憶するようにしてもよい。