(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の場合、圧着不良が判定された後、不良電線が排出されても、端子が電線にかしめ付けされず、端子圧着装置のかしめ部に残留している場合がある。また、特許文献2の装置の場合、端子が存在しないことが検出された後も、端子圧着処理が続行される。この場合も、電線末端に圧着し損ねた端子が、端子圧着装置内に残留しているおそれがある。このような状態で、端子圧着装置が圧着処理を継続して行うと、残留した端子が詰まったり、金型が破壊されたりするなどして端子圧着装置が破損するおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、端子圧着ミスにより、端子圧着を行う装置が破損することを抑制するとともに、圧着不良が発生する度に圧着処理が停止されることで、電線処理効率が低下することを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、連続して電線端末に端子圧着する自動電線処理装置において、電線端末に端子を圧着する端子圧着処理部と、前記端子の圧着不良を検出する圧着不良センサと、前記端子圧着処理部によって前記電線に圧着された前記端子を検出する端子検出センサと、前記自動電線処理装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記圧着不良センサにより前記端子の圧着不良が検出され、かつ、前記端子検出センサにより前記端子が検出された場合に、圧着不良が検出された前記電線を排出後、前記端子圧着処理部を継続運転し、前記端子検出センサにより前記端子が検出されない場合に、前記端子圧着処理部による端子圧着処理を停止させる。
【0009】
また、第2の態様は、第1の態様に係る自動電線処理装置において、前記制御部は、前記圧着不良センサにより前記端子の圧着不良が検出され、かつ、前記端子検出センサにより前記端子が検出された場合に、前記端子圧着処理部による端子圧着処理を少なくとも1回継続して行わせる。
【0010】
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る自動電線処理装置において、前記制御部は、前記圧着不良センサにより前記端子の圧着不良が検出された場合に、前記端子検出センサによる前記端子の有無を判定する。
【0011】
また、第4の態様は、第1から第3の態様までのいずれか1態様に係る自動電線処理装置において、前記制御部は、前記圧着不良センサによって前記端子の圧着不良が複数回検出された場合に、前記端子圧着処理部による端子圧着処理を停止させる。
【0012】
また、第5の態様は、第1から第4の態様までのいずれか1態様に係る自動電線処理装置において、前記圧着不良センサは、前記圧着処理部が前記端子を前記電線に圧着する際に負荷される圧力を検出する圧力センサである。
【0013】
また、第6の態様は、第1から第5の態様までのいずれか1態様に係る自動電線処理装置において、前記端子検出センサは、非接触式のセンサである。
【0014】
また、第7の態様は、電線端末に端子を圧着する自動電線処理方法において、(a)圧着処理部によって電線端末に端子を圧着させるステップと、(b)前記(a)ステップにおける前記端子の圧着不良を検出するステップと、(c)前記(a)ステップにより前記電線端末に圧着された前記端子を検出するステップと、(d)前記端子圧着処理部の動作を制御するステップとを含み、前記(d)ステップは、前記(b)ステップにて圧着不良が検出され、かつ、前記(c)ステップにて前記端子が検出された場合に、圧着不良が検出された前記電線を排出し、前記端子圧着処理部を継続運転し、前記(c)ステップにて前記端子が検出されない場合に、前記(a)ステップの前記端子圧着処理部による端子圧着処理を停止させる。
【0015】
また、第8の態様は、第7の態様に係る自動電線処理方法において、前記(d)ステップは、前記(b)ステップにて圧着不良が検出され、かつ、前記(c)ステップにて前記端子が検出された場合に、前記(a)ステップを少なくとも1回継続して行う。
【0016】
また、第9の態様は、コンピュータに読取可能なプログラムであって、前記コンピュータが前記プログラムを読み取り、前記コンピュータのCPUがメモリを用いて前記プログラムを実行することにより、前記コンピュータを、端子圧着処理部により電線端末に前記端子を圧着したときの圧着不良を検出する圧着不良センサと、前記端子圧着処理部により前記電線端末に圧着された端子を検出する端子検出センサと、の検出結果に基づいて、前記端子圧着処理部の動作を制御する制御部として機能させ、前記制御部は、前記圧着不良センサにより前記端子の圧着不良が検出され、かつ、前記端子検出センサにより前記端子が検出された場合に、圧着不良が検出された前記電線を排出後、前記端子圧着処理部を継続運転し、前記端子検出センサにより前記端子が検出されない場合に、前記端子圧着処理部による端子圧着処理を停止させる。
【0017】
また、第10の態様は、第9の態様に係るプログラムにおいて、前記制御部は、前記圧着不良センサにより前記端子の圧着不良が検出され、かつ、前記端子検出センサにより前記端子が検出された場合に、前記端子圧着処理部による端子圧着処理を少なくとも1回継続して行わせる。
【発明の効果】
【0018】
第1の態様によると、電線末端において端子が検出されなかったときに、端子圧着処理部の動作を停止させる様にすることで、電線に圧着し損ねた端子により、端子圧着処理部が破損することを抑制できる。また、圧着不良の度に圧着処理が停止されることを抑制できるため、電線処理効率を向上することができる。
【0019】
また、第2の態様によると、端子の圧着不良が発生した場合であっても、端子が検出された場合には、端子圧着処理が少なくとも1回継続されるため、生産性が低下することを抑制できる。
【0020】
また、第3の態様によると、圧着不良が起こった場合に、端子が電線に取り付けられているかどうかを判定することができる。したがって、電線の端部処理を効率よく行うことができる。
【0021】
また、第4の態様によると、圧着不良が複数回検出された場合に端子圧着処理部が停止される。したがって、連続運転に支障のない単発的な圧着不良が起こる度に、端子圧着処理部が停止されることを抑制できる。よって、自動電線処理装置の生産性が低下することを抑制できる。
【0022】
また、第5の態様によると、圧着処理時に端子に負荷される圧力に基づいて、圧着不良を検出することができる。
【0023】
また、第6の態様によると、端子の有無を非接触で検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施形態に係る自動電線処理装置について詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0026】
<1. 第1実施形態>
<全体構成>
まず、電線処理装置の全体構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る端子付電線11を示す概略斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る自動電線処理装置20を示す概略平面図である。また
図3は、
図2に示した自動電線処理装置20の部分拡大説明図である。
【0027】
自動電線処理装置20は、連続的に供給される電線10を所要の長さで切断して、その両端部の被覆部を皮剥ぎする。そして皮剥ぎされた電線10の末端部に所要長さの芯線部12を露出させ、中間部に被覆部14が形成された所定長の電線10を製造する。さらに自動電線処理装置20は、端部に露出した芯線部12に端子18を圧着して、端子付電線11を製造する(
図1参照)。以下の説明では、長尺な電線10が自動電線処理装置20に供給される際において、送給方向前方側を電線10のF側、送給方向後方側を電線10のR側と記述する場合がある。
【0028】
自動電線処理装置20は、測長ユニット22と、F側搬送機構部30と、端部処理ユニットとしてのF側端子圧着ユニット40と、切断皮剥ユニット50と、R側搬送機構部60と、端部処理ユニットとしてのR側端子圧着ユニット70とを備えている。
【0029】
測長ユニット22は、長尺な電線10を測長しつつ送給する。リール等に電線10を巻回収容している電線供給部21から、電線10が、測長ユニット22によって測長されつつ、F側搬送機構部30およびR側搬送機構部60に送り込まれる。
【0030】
F側搬送機構部30に送込まれた電線10は、F側搬送機構部30によって保持された状態で、切断皮剥ユニット50において切断される。電線10のF側端部は、切断皮剥ユニット50によって皮剥処理された後、F側端子圧着ユニット40に移動し、端子圧着処理される。つまり、F側端子圧着ユニット40は、端子圧着処理部の一例である。端子圧着処理の後、電線10のF側端部は、切断皮剥ユニット50に対向する位置に戻り、R側搬送機構部60に受け渡される。
【0031】
F側端部に端子18が圧着された電線10は、測長ユニット22によって測長されつつさらに送給される。電線10が所要長分送給されると、電線のR側の端部がR側搬送機構部によって保持された状態で、切断皮剥ユニット50において切断される。これにより、電線10が所要長に切断される。所要長に切断された電線10のR側端部は、切断皮剥ユニット50によって皮剥処理された後、R側端子圧着ユニット70に移動し、端子圧着処理され、製品電線として排出される。そして、電線10のR側端部は、切断皮剥ユニット50に対向する位置に戻る。このようにして、電線10のF側端部およびR側端部の両方に端子18が圧着されることによって、端子付電線11が製造される。
【0032】
より具体的に説明すると、上記F側搬送機構部30は、電線10の端部付近を保持する電線保持部32と、電線保持部32を移動させる移動機構部34とを有している。移動機構部34としては、電線保持部32を電線10の長尺方向に沿って進退移動させる進退移動機構部36と、電線保持部32を切断皮剥ユニット50からF側端子圧着ユニット40に向けて移動させる旋回移動機構部38とを有している。
【0033】
電線保持部32は、電磁的な、または、エア圧の駆動等によるF側保持駆動部32a(
図5参照)によって電線10を挟み込むなどして、電線10を保持または保持解除可能に構成されている。
【0034】
進退移動機構部36は、長尺部材に形成され、その一端部にブラケット36bを介して電線保持部32を直線方向に沿って移動駆動可能に支持している。この進退移動機構部36は、直線方向の位置制御および位置信号の出力が可能なF側進退駆動部36a(
図5参照)を有している。
【0035】
旋回移動機構部38は、基台23に取り付け固定されている。旋回移動機構部38は、サーボモータなど、回転角度の制御および回転角度信号の出力が可能なF側旋回駆動部38a(
図5参照)を有している。
【0036】
進退移動機構部36の他端部は、旋回移動機構部38の駆動軸部に連結されている。旋回移動機構部38の正逆両方向への回転駆動によって、進退移動機構部36が旋回移動機構部38の回転軸周りに旋回駆動される。これにより、電線保持部32が、後述する切断皮剥ユニット50の切断刃52に対向する切断位置と、F側用のストリップ刃54に対向する皮剥位置と、F側端子圧着ユニット40に対向する圧着位置との間で、旋回移動する(
図3参照)。
【0037】
ストリップ刃54と、F側端子圧着ユニット40との間には、光学センサ101が設けられている。光学センサ101は、ストリップ刃54によって、電線10のF側端部の被覆部14が正常に皮剥処理されたかどうかを非接触で検出するために利用される。また、光学センサ101は、F側端子圧着ユニット40によって、電線10のF側端部に端子18が圧着されているかどうかを非接触で検出するために利用される。このように、本実施形態では、光学センサ101が、ストリップ確認センサおよび端子検出センサの一例である。同一の光学センサ101を使って、電線10の皮剥ぎ状況の検出と端子18の有無の検出とを行うようにする。これにより、自動電線処理装置20の構成を簡略化でき、装置コストを抑制できる。なお、光学センサ101の構成については、後に詳述する。
【0038】
図4は、F側端子圧着ユニット40の概略側面図である。F側端子圧着ユニット40は、端子圧着に用いられる下側の金型42および上側の金型44を備えている。これらの金型42,44間に電線10のF側端部の芯線部12および端子18が配設され、モータ、エアシリンダまたは油圧シリンダなどの駆動力によって、上側の金型44が下側の金型42に接近移動する。そして、端子18のかしめ部が芯線部12に圧着されることによって、電線10のF側端部に端子18が取り付けられた端子付電線11が製造される。
【0039】
なお、上記切断刃52、ストリップ刃54およびF側端子圧着ユニット40の金型42,44は、旋回移動機構部38の回転軸を中心とする弧状ラインに沿って配設されている。このため、旋回移動機構部38によって旋回移動する電線保持部32に保持された電線10の端部は、切断刃52によって切断された後、ストリップ刃54間を経てF側端子圧着ユニット40の金型間に移動するようになっている。
【0040】
F側端子圧着ユニット40には、圧力センサ102(例えばピエゾセンサ)が取り付けられている。圧力センサ102は、下側の金型42が載置されているベース板46に内蔵されている。端子圧着処理において、圧力センサ102は、下側の金型42またはベース板46などを介して圧力を受け、その圧力値に応じた信号を出力する。自動電線処理装置20は、この圧力センサ102から出力される圧力値の時間的変化をデジタル処理する。そして、あらかじめRAM83(または外部記憶装置84)などに記憶された正常時の基準波形データと、検査時に出力された検出波形データとを比較することにより、端子の圧着不良が発生したかどうかが判定される。なお、端子圧着時に端子18に負荷される圧力を検出できる限りにおいて、圧力センサを任意の位置に取り付けることができる。
【0041】
また、R側搬送機構部60およびR側端子圧着ユニット70は、F側搬送機構部30およびF側端子圧着ユニット40と同様の構成とされており、それらF側搬送機構部30およびF側端子圧着ユニット40に対して上記切断皮剥ユニット50を中心として180度回転対称位置に設けられている。
【0042】
また、上記切断刃52、R側用のストリップ刃56およびR側端子圧着ユニット70の端子圧着用の金型も、R側搬送機構部60の旋回軸を中心とする弧状ラインに沿って配設されている。これにより、電線10のR側の端部に対しても、F側の端部と同様に、皮剥処理および端子圧着処理を施せるようになっている。また、これらの電線10のR側の端部を処理する部分に対しても、上記と同様に、光学センサ101および圧力センサ102が設けられている。以下では、電線10のF側の端部に対して行われる皮剥処理、端子圧着処理を中心に説明するが、電線10のR側の端部に対しても同様の処理が行われるものとする。
【0043】
図5は自動電線処理装置20を示すブロック図である。自動電線処理装置20は、制御ユニット80の制御により、電線10の切断、皮剥ぎおよび端子圧着処理を実行可能に構成されている。この処理を行う際に、制御ユニット80は、後に詳述するように、光学センサ101および圧力センサ102の検出結果に基づいて、F側端子圧着ユニット40またはF側搬送機構部30の動作を制御する。
【0044】
制御ユニット80は、CPU81、ROM82、RAM83および外部記憶装置84などがバスライン85を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM82は基本プログラムなどを格納しており、RAM83(メモリ)はCPU81が後述する各種処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置84は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置84には、電線10の切断、皮剥ぎおよび端子圧着処理を行うための加工処理プログラム84aが格納されている。また、加工処理プログラム84aには、F側端子圧着ユニット40またはF側搬送機構部30の動作を停止させる停止処理を実行するための手順が記述されている。この加工処理プログラム84aに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU81が演算処理を行うことにより、電線10の切断、皮剥ぎおよび端子圧着処理といった電線10の端部処理が実行されると共に、その実行中に適宜停止処理を行う各種機能が実現される。
【0045】
加工処理プログラム84aは、通常、予め外部記憶装置84などの記憶装置に格納されて使用されるものであるが、CD−ROMまたはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリなどの可搬性のある非一過性の記録媒体に記録された形態で提供され、または、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され、追加的又は交換的に外部記憶装置84などの記憶装置に格納されるものであってもよい。なお、制御ユニット80が行う加工処理(停止処理を含む。)の一部または全部の機能が、専用の論理回路などでハードウエア的に実現されてもよい。
【0046】
また、制御ユニット80においては、センサ用入出力回路部86、入出力回路部87、および図示しない入力部および表示部が、バスライン85に接続されている。
【0047】
センサ用入出力回路部86は、増幅回路、AD変換回路などを有している。光学センサ101から出力された検出信号は、センサ用入出力回路部86によってデジタル信号に変換され、例えば、物体の有無に応じた振幅を持つ時系列のデータとしてRAM83(または外部記憶装置84)に保存される。また、圧力センサ102から出力された検出信号は、センサ用入出力回路部86によってデジタル信号に変換され、例えば、圧力に応じた振幅を持つ時系列データとしてRAM83(または外部記憶装置84)に保存される。なお、センサ用入出力回路部86は、アナログ処理回路に限らず、デジタル処理回路であってもよい。
【0048】
入出力回路部87は、CPU81による制御下、F側搬送機構部30(F側旋回駆動部38a、F側進退駆動部36aおよびF側保持駆動部32a)、または、自動電線処理装置20の各部に動作制御信号を出力する。また、入出力回路部87は、それらから必要に応じてモニタ信号などの入力を受け付けるように構成されている。入出力回路部87を通じて、F側搬送機構部30のF側旋回駆動部38aおよびF側進退駆動部36aに移動位置を示す動作制御信号が出力可能に構成されると共に、それらのF側旋回駆動部38aおよびF側進退駆動部36aの各動作中の位置を示すモニタ信号が入力可能に構成されている。
【0049】
なお、図示しない入力部としては、各種スイッチ、タッチパネル、キーボードまたはマウスなどが用いられる。この入力部を通じて、停止処理を行うための設定値、または、加工処理を行うための諸指示などが入力される。また、図示しない表示部は、液晶表示装置などにより構成されており、CPU81による制御下、処理中の諸情報(異常状態の表示など)を表示可能に構成されている。
【0050】
<光学センサの構成>
図6は、光学センサ101によって皮剥ぎ状況(ストリッピング)を検出するときの光学センサ101の概略側面図である。また、
図7は、電線10のF側端部に取り付けられた端子18を検出するときの光学センサ101の概略側面図である。
図6または
図7に示したように、光学センサ101は、投光器101aおよび受光器101bを備えており、投光器101aから出射された光線が、受光器101bに入射するように構成されている。
【0051】
電線10の皮剥ぎ状況を検出する場合、
図7に示したように、投光器101aと受光器101bとの間を、電線10端部の露出した芯線部12が通過する。この電線10は、ストリップ刃54にてF側端部が皮剥ぎされた直後のものであって、F側端子圧着ユニット40に向けた搬送途中にある電線10となっている。
【0052】
ここで、ストリップ刃54によって皮剥処理が適切に行われている場合、芯線部12が光軸上を通過することで、芯線部12の太さに応じた時間分、投光器101aから出射された光線が遮光されることとなる。
【0053】
これに対して、皮剥処理が適切に行われなかった場合、被覆部14で覆われたままの電線10が投光器101aから出射される光線の光軸上を通過することとなる。このため、芯線部12が通過する場合と比較すると、遮光時間に違いが生じることとなる。このように、光学センサ101により検出される遮光の継続時間に基づいて、被覆部14の皮剥処理が適切に行われているかどうか(つまり、皮剥処理の良否)が判断される。
【0054】
また、光学センサ101によって、電線10末端における端子18の有無が検出される場合、
図7に示したように、投光器101aおよび受光器101bの間を、端子付電線11の端子18部分を通過させる。この端子付電線11は、F側端子圧着ユニット40にて端子が圧着された直後のものであって、F側端部が切断皮剥ユニット50に対向する位置に戻る途中にある端子付電線11である。端子圧着処理が適切に行われた場合、光学センサ101によって、端子18の幅の長さに応じた遮光時間が検出される。これに対して、端子圧着が適切に行われず、電線10に端子18が取り付けられなかった場合、光学センサ101では、端子18の無い電線10の一部分(
図7に示す例では、芯線部12)が検出されることとなる。
【0055】
本実施形態では、
図7に示したように、端子18のうち、電線10(芯線部12を含む。)が存在しない部分181具体的には、例えば、芯線部12のF側端部からさらにF側に1mm以上離間する位置に光線が投光される。このような位置に光線を投光することで、電線10の先端に端子18が無いときは、遮光が起こらないこととなる。つまり、光学センサ101における遮光の有無から、端子18の有無を直接判定することができる。したがって、制御部8による端子18の有無に関する判定の精度を高めることができる。
【0056】
図7に示したように端子18の有無を検出する場合、光学センサ101によってストリッピングを検出するときに比べて、端子圧着処理後の電線10の位置をR側に所要距離だけずらすようにすればよい。このとき、光学センサ101を移動させて、投光器101aが出射する光線の位置をずらすようにしてもよい。
【0057】
なお、電線10をR側に相対的に移動させずに、端子18の有無を検出することは可能である。この場合、投光器101aから出射された光線が、端子18のうち、芯線部12と重なる部分に投光される。これに対して、端子18が電線10の末端に取り付けられなかった場合は、芯線部12自体の通過により遮光が起こることとなる。したがって、端子18の有無によって、遮光時間の長さの相違が生じることとなる。よって、遮光時間に基づいて、端子18の有無を検出することができる。
【0058】
また、本実施形態では、同一の光学センサ101によって、ストリッピングの検出と、端子18の有無の検出とを行うようにしている。しかしながら、それぞれの検出を異なるセンサによって行うようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、投光器101aと受光器101bとを対向する位置に配置しているが、受光器101bを投光器101a側に設けられている反射型タイプの光学センサを利用してもよい。また、光学センサ101は非接触センサの一例であり、その他の近接センサ(電磁コイル、コンデンサ、超音波、または、レーザ光などを利用するもの)、走査型センサ、画像センサ(CCDカメラを利用するものなど)の非接触センサを利用してもよい。また、本実施形態では、皮剥ぎ状況の検出または端子18の検出が、電線10の移動中に行われているが、電線10を一時的に停止させた状態で行われてもよい。
【0060】
<電線10のF側端部の端部処理の流れ(1)>
図8は、自動電線処理装置20による端部処理を示すフローチャートである。ここでは、電線10のF側端部に対して端部処理するときの自動電線処理装置20の動作について説明するが、R側の端部の処理についても同様の処理が行われるものとする。また、以下に説明する自動電線処理装置20の動作は、特に断らない限り、制御ユニット80の制御下で実行されるものとする。
【0061】
まず、自動電線処理装置20において、カウンタCpの値が設定される(ステップS11)。本実施形態に係る自動電線処理装置20は、圧力センサ102の検出結果に基づいて判定される端子18の圧着不良が、あらかじめ設定されたカウンタCpに対応する回数だけ発生した場合に、F側搬送機構部30およびF側端子圧着ユニット40の動作を停止させる。このカウンタCpの値は、オペレータの入力操作などに基づいて適宜設定される。
【0062】
次に、端子圧着処理が実行される(ステップS12)。具体的には、上述したように、連続的に送給される電線10が切断皮剥ユニット50にて切断された後、F側旋回駆動部38aの駆動によって、電線10のF側端部を保持した電線保持部32が皮剥位置へ移動する(
図4参照)。そして、F側進退駆動部36aによる電線保持部32の進退駆動動作およびストリップ刃54の接近移動動作により、電線10の端部の被覆部14が皮剥される。さらに、旋回移動機構部38の駆動により、電線保持部32が圧着位置へ移動する。これにより、電線10の端部がF側端子圧着ユニット40に向けて移動される。そしてF側端子圧着ユニット40において、端子圧着処理が行われる。
【0063】
なお、ステップS11において、皮剥処理後の電線10は、光学センサ101による検出結果に基づいて、皮剥処理が適切に行われたかどうかが判定される。皮剥処理が不適切と判定された場合は、自動電線処理装置20は、ステップS14と同様の排出処理を行って、電線10を外部に排出するようにしてもよい。排出処理の具体的な内容については、後述するステップS15の排出処理と同様であり、説明を省略する。なお、皮剥処理が不適切とされた電線10についても、皮剥処理が適切な電線10と同様に端子圧着処理を施して、その後、排出処理が行われるようにしてもよい。
【0064】
ステップS12の端子圧着処理が完了すると、端子18の圧着不良が発生したかどうかが判定される(ステップS13)。具体的には、上述したように、ステップS12の端子圧着処理の際に端子18に負荷される圧力の時間的変化が、圧力センサ102によって検出される。そして、正常時の基準波形データと、実際に出力された検出波形データとを比較することにより、圧着不良が発生したかどうかが判定される。具体的には、基準波形データおよび検出波形データが示す波形面積の相違、または、基準波形データと検出波形データとの相関係数に基づいて、圧着不良の有無が判定される。なお、時間的に連続する波形データではなく、ある一時点(例えばピーク時)、または、いくつかの時点における瞬間的な圧力値の比較に基づいて、圧着不良の発生の有無が判定されるようにしてもよい。
【0065】
図9は、電線10の末端に圧着された端子18の例を示す図である。
図9(a)は、正常に端子圧着が行われた端子18を示している。正常に端子圧着が行われると、端子18が有する一対のバレル片18a,18bが内側に折り込まれ、それぞれ電線10の被覆部14と芯線部12に圧着される。これに対して、端子圧着が適切に行われなかった場合、各種の圧着不良(具体的には、芯線こぼれ(
図9(b)参照)、芯線下がり(
図9(c))または被覆噛み(
図9(d)など)が発生する。
【0066】
芯線こぼれは、
図9(b)に示したように、芯線部12の一部がバレル片18aに圧着されない状態をいう。また、芯線下がりは、
図9(c)に示したように、被覆部14を掴むべきバレル片18bが芯線部12を掴んでしまっている状態をいう。さらに、被覆噛みは、
図9(d)に示したように、芯線部12を掴むべきバレル片18aが被覆部14を掴んでしまっている状態をいう。
【0067】
図10は、端子圧着時に検出される圧力波形を示す図である。なお
図10においては、圧着が正常に行われたときの圧力波形91、芯線こぼれが起こったときの圧力波形92、芯線下がりが起こったときの圧力波形93,および、被覆噛みが起こったときの圧力波形94をそれぞれ例示している。
【0068】
図10に示した例では、正常に圧着が行われた場合の圧力波形91が、2段階のピーク値をとるように変化している。これに対して、圧力波形92では、2段階目のピーク値が圧力波形91に比べて若干低い値となっている。これは、芯線部12の一部が外部に漏れたため、圧着に必要な力が減少したことによる。さらに圧力波形93では、2段階目のピーク値が圧力波形91,92に比べて著しく低くなっている。一方、圧力波形94では、1段階目のピーク値付近で、圧力波形91とは相違する圧力変化を示している。
【0069】
図10に示したように、圧着不良の内容に応じて、それぞれの圧力波形は、固有の変化を示す。したがって、正常時の圧力波形(基準波形データ)と、検出された圧力波形(検出波形データ)とを比較することによって、圧着不良の発生の有無だけでなく、圧着不良の内容を特定することができる。
【0070】
図8に戻って、ステップS13において、圧着不良がないと判定された場合、一般的には、端子圧着ユニット40などの動作を停止させる必要はない。このため、自動電線処理装置20は、ステップS11に戻り、端子圧着ユニット40を継続駆動させ、端子圧着処理を継続して行わせる(連続運転)。端子圧着処理後の電線10(端子付電線11)については、そのF側端部が、切断皮剥ユニット50に対向する位置に戻される。そして、R側搬送機構部60に受け渡された後、所要長分送出され、切断刃52により切断される。そして、R側端部の端部処理が行われる。R側の端部処理については、F側端部の端部処理とほぼ同じ要領で行うことができるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
一方、ステップS13において、圧着不良があったと判定された場合には、自動電線処理装置20は、端子18の有無を判定する(ステップS14)。具体的には、自動電線処理装置20は、F側旋回駆動部38aの駆動により、端子圧着処理後の電線10を光学センサ18の位置に搬送する。このとき、自動電線処理装置20は、電線10の先の端子18の部分を、光学センサ101の光軸に交差させる。そして、自動電線処理装置20は、遮光時間の長さに基づいて、端子18の有無を判定する。
【0072】
ステップS14において、端子18がないと判定された場合、その電線10を外部に排出する排出処理が行われる(ステップS15)。具体的には、自動電線処理装置20は、端子18がないと判定された電線10のF側端部を、切断皮剥ユニット50に対向する位置に戻す。そして、R側搬送機構部60に受け渡して、所定長分電線10を送出して、切断刃52により電線10を切断し外部に排出する。なお、端子18がないと判定された場合、不良電線を保持した状態で即時電線処理を停止するようにしてもよい。
【0073】
この排出処理の際、排出する電線10を通常よりも短い(または長い)長さで切断するようにしてもよい。これにより、適切に処理された電線10(つまり、良品の電線10)と、適切に処理されなかった電線10(不良品の電線10)との識別が容易となる。また、排出処理の際、不良品の電線10は、良品の電線10とは異なる場所に排出されることが望ましい。このように異なる場所に排出するためには、例えば、図示しない案内部材によって、不良品の電線10の移動方向と、良品の電線10の移動方向とを適宜切替えるようにすればよい。
【0074】
ステップS14の排出処理が完了すると、自動電線処理装置20は、F側搬送機構部30およびF側端子圧着ユニット40などの動作を停止させる(ステップS16)。これにより、自動電線処理装置20は、F側端部の端部処理を終了する。
【0075】
端子圧着処理においては、端子18を電線10に圧着するためにある程度大きな力が必要とされる。このため、F側端子圧着ユニット40は、比較的大きな力を金型42,44に負荷するように構成されている。したがって、ステップS12において、電線10に取り付け損なった端子18が、F側端子圧着ユニット40内に残留した場合、継続運転によって次の新たな端子18が供給され、F側端子圧着ユニット40がそのまま圧着動作を続けてしまう。このような場合、端子18が内部に詰まったり、金型42,44などが破壊されたりするなど、F側端子圧着ユニット40に致命的な破損が生じる虞がある。これに対して、本実施形態では、端子圧着処理後の電線10の末端に端子18がない場合、F側端子圧着ユニット40の動作を停止(瞬停)させる。このため、F側端子圧着ユニット40が破損することを抑制することができる。したがって、装置の維持コストを低減することができる。
【0076】
ステップS14において、電線10に端子18が取り付けられていると判定された場合、電線10の排出処理が行われる(ステップS17)。これにより、端子18は取り付けられているものの、ステップS13にて圧着不良とされた電線10は、良品の電線とは異なる場所に排出される。このステップS17の排出処理は、ステップS15の排出処理とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
また、自動電線処理装置20は、カウンタCpの示す値を1つ減算し(ステップS18)、カウンタCpの示す値が0(ゼロ)になったかどうかを判定する(ステップS19)。これらの工程により、ステップS11で設定されたカウンタCpの値が示す回数の圧着不良が生じたかどうかが判定される。
【0078】
ステップS19において、圧着不良の発生回数がカウンタCpの初期値を越えていると判定された場合、自動電線処理装置20は、ステップS16に進んで、F側搬送機構部30およびF側端子圧着ユニット40などを停止させる。そして、操作者により、不良電線が続いて発生する原因が特定され、その要因が解消された後、連続運転が再開される。なお、ステップS12で取得された圧力の波形データから特定される圧着不良の内容を、ステップS13にて特定しておき、その特定された内容を、ステップS16において警告画面として表示部に表示してもよい。このような警告画面は、圧着不良の発生の原因を特定するのに有効な情報源となり得る。
【0079】
一方、ステップS19において、圧着不良の発生回数がカウンタCpの初期値以内であると判定された場合には、自動電線処理装置20は、ステップS12に戻り、端子圧着処理を継続して行う。つまり、ステップS13において圧着不良があったと判定されたとしても、ステップS14において端子18が取り付けられていると判定された場合には、少なくとも1回の端子圧着処理(つまり、1本の電線10のF側端部に対して端子18を圧着する処理)が継続して行われる。
【0080】
このように、本実施形態おいては、圧着不良が発生した場合においても、直ちに自動電線処理装置20の動作が停止されない。したがって、連続して製品電線を製造するうえで、あまり連続運転に支障のない圧着不良によって、自動電線処理装置20の動作が毎回停止されることを抑制できる。よって、自動電線処理装置20の生産性(電線処理効率)が著しく低下することを抑制できる。
【0081】
なお、ステップS18(カウンタCpを1減らす処理)は、圧着不良が発生する度に実行されるようにしてもよいが、連続して圧着不良が発生した場合だけ実行されるようにしてもよい。また、ステップS1において、圧着不良の発生頻度を設定しておき、そして圧着不良の発生回数のカウントに基づいて、その発生頻度の条件が満たされた場合に、端子圧着処理の停止が実行されるようにしてもよい。例えば、「端子圧着処理した10本の電線10のうち2本に圧着不良が発生した場合に、端子圧着処理を停止させる。」というように、停止条件として発生頻度の条件が設定されるようにしてもよい。
【0082】
また、圧着不良の内容に応じた端子圧着処理の停止条件を設定することも可能である。例えば、ステップS1において、
図9(b)〜(c)に示したような圧着不良の内容毎に、それぞれカウンタCpを設定しておく。そして、制御部8が、ステップS13にて発生した圧着不良の内容を特定しておき、ステップS18において、その特定された圧着不良に対応するカウンタCpの値を減算する。そして、制御部8が、ステップS19において圧着不良の内容毎に設定されたカウンタCpの初期値分、その圧着不良が発生したかどうかを判定する。このようにして、圧着不良の内容に応じた端子圧着処理の停止条件を設定することができる。
【0083】
また、圧着不良の内容毎に重み付けをすることにより、圧着処理の停止条件を設定することも可能である。例えば、ステップS18においてカウンタCpから減算する値の大きさを、圧着不良の内容に応じた値としておく(例えば、芯線切れに関しては「1」、芯線下がりに関しては「2」とするなど)。そして、制御部8が、ステップS13において、圧着不良の内容を特定し、その内容に応じた値をカウンタCpから減算する。このようにして、圧着不良の内容に応じて、端子圧着処理の停止条件を設定することができる。
【0084】
また、特定の圧着不良が起こった場合は、カウンタCpの数値に関係無く、端子圧着処理を停止させるようにしてもよい。例えば、ステップS13において、制御部8が、F側端子圧着ユニット40を即座に停止すべき圧着不良が起こったと判定した場合に、ステップS16に進んで圧着処理を停止させるようにすればよい。なお、特定の圧力不良の発生については、あらかじめ検出条件(例えば、想定外の圧力波形の検出など)を設定をしておくことで、その有無を制御部8により判定することができる。
【0085】
また、特定の圧着不良に関しては、発生したとしてもカウントしないようにしてもよい。例えば、圧着不良ではあるものの、偶発的に起こるような圧着不良に関しては、端子圧着処理を停止させなくてもよい場合がある。このような場合、ステップS18において、カウンタCpの値を減算しないようにすればよい。
【0086】
<2. 第2実施形態>
<電線10のF側端部の端部処理の流れ(2)>
図8に示した端部処理の流れでは、圧着不良があらかじめ設定された回数分発生した場合に、F側端子圧着ユニット40などの動作を停止させるようにしている。しかしながら、端部処理の流れは、このようなものに限定されない。
【0087】
図11は、第2実施形態に係る自動電線処理装置20による端部処理を示すフローチャートである。なお、
図11に示した各処理と、第1実施形態の
図8に示した各処理とにおいて、共通する処理については、適宜同符号を付している。
図11に示した端部処理の流れにおいては、
図8に示した各処理のうち、カウンタCpの初期値を設定数処理(ステップS11)、カウンタCpの値を1つ減算する処理(ステップS18)、および、カウンタCpの示す値が0(ゼロ)になったかどうかを判定する処理(ステップS19)が省略されている。
【0088】
具体的に、本実施形態に係る端部処理の流れにおいては、ステップS14において、端子18が取り付けられていないと判定された場合には、F側端子圧着ユニット40などの動作を停止させる(ステップS16)。この点は、
図8に示した端部処理の流れと共通する。しかしながら、本実施形態においては、ステップS13において圧着不良が検出されたとしても、ステップS14において端子18が取り付けられていると判定された場合には、端子圧着処理を継続して行うように構成されている。つまり、圧着不良が起こったとしても、端子18があると判定される限り、F側端子圧着ユニット40の動作を停止させずに運転を継続するように構成されている。
【0089】
本実施形態においても、圧着処理後の電線10に端子18が取り付けられていない場合には、F側端子圧着ユニット40の動作を停止させるため、F側端子圧着ユニット40の破損を抑制することができる。また、圧着不良が発生したとしても、F側端子圧着ユニット40の運転を継続させる。このため、圧着不良の発生によって、F側端子圧着ユニット40を停止させることによる生産性が低下することを抑制できる。
【0090】
なお、本実施形態においても、ステップS13において圧着不良の内容を特定するようにしてもよい。そして制御部8が、ステップS13において、特定の圧着不良が発生したと判定した場合には、そのままステップS16に進んで端子圧着処理を停止するようにしてもよい。
【0091】
<3. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0092】
例えば、上記実施形態では、圧力センサ102により端子18に負荷される圧力が検出され、さらにその検出結果に基づいて、制御部8が圧力不良の発生の有無を判定する。そしてその後、光学センサ101における遮光時間の検出結果に基づいて、制御部8が端子の有無を判定している。ここで、制御部8による圧着不良の有無の判定と端子の有無の判定とは、どちらが先に行われてもよい。つまり、制御部8により、端子18の有無が判定されてから、その後圧着不良の有無の判定がなされてもよい。つまり、ステップS14が行われてから、ステップS13が行われてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、端子圧着処理後の電線10における端子18の有無を、光学センサ101によって非接触方式で検出するようにしている。しかしながら、接触方式で検出するようにしてもよい。例えば、電線10の先の端子18が通過する位置に2つの金属片を用意して、端子18と2つの金属片との接触により導通状態となるか否かを検出するようにすればよい。もちろん、その他の接触方式による端子18の検出方法を採用してもよいことはいうまでもない。
【0094】
また、上記実施形態では、被覆部14の皮剥ぎを検出するために、光学センサ48を使用しているが、その他の態様で検出するようにしてもよい。例えば、特開2011−188669号公報に開示されているように、共振型AEセンサを用いて皮剥処理の良否を検出するようにしてもよい。
【0095】
さらに、上記実施形態および変形例にて説明した各構成は、互いに矛盾の生じない限り、適宜組み合わせたり、または省略したりすることができる。