(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679563
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】電動車椅子のシート取付装置
(51)【国際特許分類】
A61G 5/04 20130101AFI20150212BHJP
【FI】
A61G5/04 506
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-48119(P2011-48119)
(22)【出願日】2011年3月4日
(65)【公開番号】特開2012-183183(P2012-183183A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(72)【発明者】
【氏名】山内 丞次
(72)【発明者】
【氏名】福本 運弥
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆司
(72)【発明者】
【氏名】田中 茂
【審査官】
貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−286285(JP,A)
【文献】
実開平6−38705(JP,U)
【文献】
実開平5−54186(JP,U)
【文献】
特開2002−34714(JP,A)
【文献】
特開2003−164352(JP,A)
【文献】
実開昭63−34419(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00 〜 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面の四角部に弧状曲面(1)を形成した角パイプ材からなり車体上側に立設の支持ソケット(2)に、丸パイプ材からなり外周面に平プレート(3)を接合して運転シート(4)の下面に突設した支持パイプ(5)を、前記支持ソケット(2)の上端から嵌合させて取付支持すると共に、この支持パイプ(5)を前記支持ソケット(2)の外側から挿通するセットボルト(6)により締付けることにより、前記平プレート(3)の両側端角縁(7)を前記支持ソケット(2)の弧状曲面(1)部に接当させて締付固定することを特徴とする電動車椅子のシート取付装置。
【請求項2】
前記平プレート(3)の上端部には左右に張出すストッパ(8)を形成し、この支持パイプ(5)のストッパ(8)と対向する側にはストッパプレート(9)を取付けて、これらストッパ(8)、及びストッパプレート(9)の下縁を前記支持ソケット(2)の上端縁に係合させることを特徴とする請求項1に記載の電動車椅子のシート取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動車椅子のシート取付装置に関し、運転シートの着脱、支持を簡単、容易化し、安定に支持させる。
【背景技術】
【0002】
車体側の支持ソケットと運転シート側の支持パイプとを、大径、小径の類似形丸パイプ材で構成して、嵌合支持させる技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−85270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車体側の支持ソケットに対して嵌合させて取付けるための運転シート側の支持パイプが、精密加工された類似形断面形態であると、これら支持パイプの着脱操作が行い難く、又、運転シートの方向性も決め難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、内周面の四角部に弧状曲面1を形成した角パイプ材からなり車体上側に立設の支持ソケット2に、丸パイプ材からなり外周面に平プレート3を接合して運転シート4の下面に突設した支持パイプ5を、前記支持ソケット2の上端から嵌合させて取付支持すると共に、この支持パイプ5を前記支持ソケット2の外側から挿通するセットボルト6により締付けることにより、前記平プレート3の両側端角縁7を前記支持ソケット2の弧状曲面1部に接当させて締付固定することを特徴とする電動車椅子のシート取付装置の構成とする。
【0006】
前記角パイプ材からなる支持ソケット2内に差込まれる平プレート3の幅方向の両側端角縁7は、この支持ソケット2の左右角部の弧状曲面1間に位置して接圧支持されるものであるから、この平プレート3の幅は支持ソケット2の内幅よりも狭く形成され、しかも、この平プレート3を一体として支持ソケット2内に嵌合される丸パイプ材からなる支持パイプ5の径も小さい形態として設定されるため、これら支持ソケット2の内周面と支持パイプ5の外周面との間には、大きい間隙部Kを形成して、この支持パイプ5の差込、抜外操作が行われ易い。又、差込時には、平プレート3の外側面を支持ソケット2の上端部の前辺縁等に接当させるようにして、支持パイプ5を嵌合させると、運転シート4の方向を決める位置合せも簡単で、容易である。
【0007】
このようにして支持パイプ5を支持ソケット2に嵌合させた状態では、この前側に位置する平プレート3の左右両側端角縁7が、支持ソケット2の内周面左右両側部の弧状曲面1部に接して、この平プレート3の横幅方向の中央部と、この平プレート3と接近対向する支持ソケット2内周面との間に間隔部Cを形成する。そして、セットボルト6をこの平プレート3の位置する側の支持ソケット2の前外側から差込んで、ボルト締めすると、この支持ソケット2の前辺部側に支持パイプ5が引き寄せられて、同時に平プレート3をこの支持ソケット2の前辺部側へ引き寄せて、これらの間の間隔部Cを狭くするように締め付ける。この締め付けによって平プレート3の両側角縁7は、支持ソケット2内周の弧状曲面1に喰込むように支持して、支持パイプ5の回動、及び揺動等を阻止する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記平プレート3の上端部には左右に張出すストッパ8を形成し、この支持パイプ5のストッパ8と対向する側にはストッパプレート9を取付けて、これらストッパ8、及びストッパプレート9の下縁を前記支持ソケット2の上端縁に係合させることを特徴とする。
【0009】
前記のように運転シート4側底部に構成される支持パイプ5には、平プレート3の上端に形成のストッパ8と、この対向する側にストッパプレート9が設けられて、この支持パイプ5を支持ソケット2に差込んで取付けたときは、この支持ソケット2の上端縁の前側にストッパ8が受けられて、かつ後側にストッパプレート9が受けられて、運転シート4の高さや、支持姿勢を安定した状態に支持する。しかも、この状態で前記セットボルト6によって締付けられる平プレート3の両側端角縁7が支持ソケット2の弧状曲面1に喰込むようにして固定支持されるため、この平プレート3の上下方向、及び左右幅方向等の全体域で支持ソケット2に支持されて、取付構成、及び操作を簡単にしながら、強固で安定した取付支持を維持させることができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、前記外周面に平プレート3を形成した支持パイプ5として、角平プレート3を形成した支持パイプ5として、角パイプ形態の支持ソケット2内周部に差込んで着脱するものであるから、運転シート4の着脱を簡単、容易に行うことができる。又、これら角部に弧状曲面1を形成した角パイプ材に所定幅の平プレート3を嵌合させて、この平プレート3の両側端縁7全長を前記弧状曲面1に接当支持させた状態で、セットボルト6で締付固定するものであるから、支持パイプ5の支持ソケット2に対する固定が強固で安定させることができ、操作も行い易い。しかも、支持パイプ5は丸パイプ材に平プレート3を接着させて、又支持ソケット2は角パイプ材を主体とするものであるから、構成を簡単、安価にすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記のように支持ソケット2上に差込んだ支持パイプ5は、この支持パイプ5の前後に配置の平プレート3上のストッパ8と、ストッパプレート9とによって係止支持されるものであるから、運転シート4の位置決めが直ちに行われて、しかも支持パイプ5の前後揺動や左右揺動等が行われ難く、セットボルト6の締付によってこの平プレート3の両側端角縁7全長が、支持ソケット2の角部の弧状曲面1に喰込むよう圧接支持させて、強固で安定した状態に支持固定させることができる。しかも、構成は、単に丸パイプ材を用いて、この外周面の前後に対向させてストッパ8を有した平プレート3とストッパプレート9を固定するものであるから、簡単であり、安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図7】ステップフロア部の斜視図とフェンダ部の一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面に基づいて、電動車椅子は、車体フレーム16の前後中央部上にステップフロア10を平坦状に敷設し、この車体フレーム16の前端部にハンドルポスト11のハンドル17によって操向自在の左右一対の前輪12を配置し、後端部に、リヤカバー18下に搭載の電動モータMによって回転駆動する左右一対の後輪19を配置する。前記リヤカバー18の左右両側にリヤフェンダ20を配置し、前側にシートカバー21を設けて、各々開閉可能の構成としている。このシートカバー21の内部には電動モータMを駆動するための左右一対のバッテリBを、後下り傾斜面に形成のバッテリベース22に載置して、締付ボルト23で前側への滑り出しを阻止するように固定する。このバッテリBの上側にコントロールボックス25を配置させている。運転シート4を取付支持するための角パイプ材からなる支持ソケット2が、このバッテリベース22の後側と、電動モータMの前側との間の、車体フレーム16上方に垂直に立設されている。前記モータMは中央部の伝動ケース27の横側に設けられて、この電動モータMの駆動によって後輪19の軸28を回転して走行できる構成としている。
【0014】
前記ハンドルポスト11の前側にはフロントボード29を設け、バスケット30を取付けている。前記ハンドルポスト11上に設けるハンドル17は、左右方向へループ形態に張出すグリップ部31を形成し、この中央部に操作パネル32を有して、前進後進切替スイッチ33や、車速を調節する車速調整ダイヤル34等を配置し、この横側にはアクセルレバー35、ブレーキレバー36、及びバックミラー37等を配置する。
【0015】
前記運転シート4は、バックレスト38、及びアームレスト39を有し、下面中央部に前記支持ソケット2に差込んで着脱する支持パイプ5をシートボード41から下方へ突出して形成する。この支持ソケット2の前側にセットボルト6を差込んで、支持パイプ5を着脱することができるように構成している。又、このセットボルト6を締付するためには、前記シートカバー21を開放して行う形態とするもよい。
【0016】
前記ステップフロア10の前端中央部には、ハンドルポスト11が配置されて、この左右外側にフロントフェンダ13が配置される。これらステップフロア10や、フロントフェンダ13等は、板金製、又は合成樹脂性として、各別に分離形態として成形するか、又は全体として一体成形することもできる。ステップフロア10の前端部幅Wsは、左右のフロントフェンダ13の外側端幅Wfと略同幅に広く形成されて、中央前部にはハンドルポスト11に連接するフロントカバー部40が前上り傾斜面に形成され、このフロントカバー部40の左右両外側において、フロントフェンダ13が前上り傾斜面に形成される。
【0017】
ここにおいて、請求項1に記載の発明は、内周面の四角部に弧状曲面1を形成した角パイプ材からなり車体上側に立設の支持ソケット2に、丸パイプ材からなり外周面に平プレート3を接合して運転シート4の下面に突設した支持パイプ5を、前記支持ソケット2の上端から嵌合させて取付支持すると共に、この支持パイプ5を前記支持ソケット2の外側から挿通するセットボルト6により締付けることにより、前記平プレート3の両側端角縁7を前記支持ソケット2の弧状曲面1部に接当させて締付固定することを特徴とする電動車椅子のシート取付装置の構成とする。
【0018】
前記角パイプ材からなる支持ソケット2内に差込まれる平プレート3の幅方向の両側端角縁7は、この支持ソケット2の左右角部の弧状曲面1間に位置して接圧支持されるものであるから、この平プレート3の幅は支持ソケット2の内幅よりも狭く形成され、しかも、この平プレート3を一体として支持ソケット2内に嵌合される丸パイプ材からなる支持パイプ5の径も小さい形態として設定されるため、これら支持ソケット2の内周面と支持パイプ5の外周面との間には、大きい間隙部Kを形成して、この支持パイプ5の差込、抜外操作が行われ易い。又、差込時には、平プレート3の外側面を支持ソケット2の上端部の前辺縁等に接当させるようにして、支持パイプ5を嵌合させると、運転シート4の方向を決める位置合せも簡単で、容易である。
【0019】
このようにして支持パイプ5を支持ソケット2に嵌合させた状態では、この前側に位置する平プレート3の左右両側端角縁7が、支持ソケット2の内周面左右両側部の弧状曲面1部に接して、この平プレート3の横幅方向の中央部と、この平プレート3と接近対向する支持ソケット2内周面との間に間隔部Cを形成する。そして、セットボルト6をこの平プレート3の位置する側の支持ソケット2の前外側から差込んで、ボルト締めすると、この支持ソケット2の前辺部側に支持パイプ5が引き寄せられて、同時に平プレート3をこの支持ソケット2の前辺部側へ引き寄せて、これらの間の間隔部Cを狭くするように締め付ける。この締め付けによって平プレート3の両側角縁7は、支持ソケット2内周の弧状曲面1に喰込むように支持して、支持パイプ5の回動、及び揺動等を阻止する。
【0020】
又、前記平プレート3の上端部には左右に張出すストッパ8を形成し、この支持パイプ5のストッパ8と対向する側にはストッパプレート9を取付けて、これらストッパ8、及びストッパプレート9の下縁を前記支持ソケット2の上端縁に係合させることを特徴とする。
【0021】
前記のように運転シート4側底部に構成される支持パイプ5には、平プレート3の上端部に形成のストッパ8と、この対向する側にストッパプレート9が設けられて、この支持パイプ5を支持ソケット2に差込んで取付けたときは、この支持ソケット2の上端縁の前側にストッパ8が受けられて、かつ後側にストッパプレート9が受けられて、運転シート4の高さや、支持姿勢を安定した状態に支持する。しかも、この状態で前記セットボルト6によって締付けられる平プレート3の両側端角縁7が支持ソケット2の弧状曲面1に喰込むようにして固定支持されるため、この平プレート3の上下方向、及び左右幅方向等の全体域で支持ソケット2に支持されて、取付構成、及び操作を簡単にしながら、強固で安定した取付支持を維持させることができる。
【0022】
前記セットボルト6は、一箇所に設定するもよいが、
図3のように上下二箇所に配置することもできる。上端部に左右に張出すストッパ8を有して略T字形態に形成する平プレート3は、できるだけ上下に長く形成するのがよく、両側端角縁7を平行に形成し、直角状の断面形態にして、前記支持ソケット2の左右両側部の弧状曲面1に喰込み易い形態としている(
図6−A参照)。セットボルト6を締付けていないときは、この支持ソケット2の前側辺部の内側面と、平プレート3の前面との間には小間隔部Cを形成するが、(
図6−A)、セットボルト6を締付けて支持ソケット2の前辺部と支持パイプ5の間を引き寄せることにより(
図6−B)、前記間隔部Cが狭くなり、乃至密着されて、この平プレート3の両側端角縁7が全長にわたって弧状曲面1に圧接されて、強固な取付状態を維持できる。
【0023】
又、前記支持パイプ5に対する平プレート3や、ストッパプレート9の取付は、溶接等によって一体的に取付ける。平プレート3の横幅は、前記支持ソケット2の内周面の横幅間隔よりも適宜狭く形成して、この平プレート3の側縁と支持ソケット2の内周面との間に適宜間の隔部Dを形成して、平プレート3部の支持ソケット2内への差込を行い易く形成している。しかも、この平プレート3と前記支持ソケット2の前辺部の内側面との間には小間隔部Cを形成し、かつ、その支持パイプ5と、支持ソケット2の後辺部の内側面との間には小間隔部Eを形成して、この支持パイプ5を支持ソケット2に差込し易い形態としている。
【0024】
運転シート4前下方のステップフロア10の前端部には、ハンドルポスト11の左右両側に位置して前輪12上側部を覆うフロントフェンダ13を設けてある。これらステップフロア10の前端部幅Wsはフロントフェンダ13の外側端幅Wfと略同幅に形成し、前記ステップフロア10の前端部を外側上りで、かつ前上りの傾斜面に形成して、前記フロントフェンダ13の幅域に広く滑らかに連接する足載傾斜面14を形成してある。
【0025】
運転者がステップフロア10に踏み上って運転シート4上に着座して運転走行姿勢となるとき、ステップフロア10の外側縁が前側のフロントフェンダ13の外側縁と略同幅域に広く形成しており、乗り降りが行い易いものである。運転姿勢の位置では、ステップフロア10の幅域が左右に広く形成されているため、足元位置を大きく移動し易く、しかも前側のフロントフェンダ13側へ移動させても、このステップフロア10の平坦面位置から足載傾斜面14への傾斜変化が、前方外方へ向うに従って順次滑らかな上り傾斜面となるように形成されているため、この傾斜面に従ってつま先の移動、乃至つま先の角度を順次緩やかに変化させることができて、運転者の足元の移動域を広く、大きく選択しながら運転操作を長時間継続することができる。又、フロントフェンダ13は、前輪12の回転上側部を幅広く覆うものであるが、走行中に何らかの構造物等に衝突しても、後端縁全幅が前記足載傾斜面14部でステップフロア10の前端部に幅広く連結されているために、このフロントフェンダ13の剛性を維持して、ステップフロア10の緩衝を有効に行わせる。
【0026】
更には、前記ステップフロア10の前側部のフロントフェンダ13の後上面に運転者の足を載せることのできる凹曲面15を形成してある。
【0027】
前記のように、ステップフロア10上面の足元位置は、この左右両側前方位置のフロントフェンダ13の後側上面の凹曲面15位置にまで拡張して移動載置させることができる。このフロントフェンダ13の凹曲面15上につま先を載せた状態では、つま先位置が左右に移動し難く、つま先を踏張っても、左右への滑りや、踏み外し等を生じ難いものである。従って、足元を前方へ延ばした状態でも安定した運転姿勢を長時間維持させる。このフロントフェンダ13は、前記ステップフロア10の前端部に、足載傾斜面14を介して連結させるものであるが、このフロントフェンダ13の後上面には凹曲面15が形成されて、強度を高く構成されて、この足載傾斜面14の構成を補強する。
【0028】
前記ステップフロア10は、左右のフロントフェンダ13間のフロントカバー部40の幅に対応するセンタフロア幅Cfを若干前方上り傾斜面に形成し、この前側のフロントカバー部40の左右両側のフロントフェンダ13に対応するフェンダ幅Tfを左右外側に下り傾斜の傾斜面50に形成している(
図7参照)。前記フェンダ幅Tfとサイドフロア幅Tsは略同幅に形成してあり、足載傾斜面14は、前記サイドフロア幅TsのサイドフロアSf前端部において、外側端縁に向けて順次高くなるように形成し、かつ前側のフロントフェンダ13側に向けて順次高くなるように傾斜させて形成したもので、この前端縁をフロントフェンダ13面に連接させている。この足載傾斜面14の前端縁に続いて前記凹曲面15が形成される。この凹曲面15の左右両側部は、フロントフェンダ13の上縁面として高く形成されて、これらの凹曲面15の谷面と上縁面との間に適宜の段差Hをを形成する。
【0029】
このようなステップフロア10の形態では、運転者が足元部をセンタフロアCf部上に載せた状態から、つま先を踵部周りに左右外へ移動すると、足載傾斜面14に沿って外側へ振り向けられる形態となり、局部的なフロアの傾斜面変化がないため、足元部の移動に違和感を生じない。又、この足元部を前側へ移動させてつま先で凹曲面15を踏圧するときも(
図8参照)、同様であり、足元を前側へ延した運転姿勢をとることができる。このときは、つま先で凹曲面15を踏張ることがあるが、この凹曲面15による踏圧を受けて安定した運転姿勢を保持させる。又、この凹曲面15は足元による踏圧力を受けても、足載傾斜面14によって後側のステップフロア10のサイドフロアSf部と連結されているために、前記した凹曲面15の形成と相俟って、フロントフェンダ13が前側へ傾斜したり歪むことはなく、安定したフロントフェンダ13構成を維持する。しかも、これら足載傾斜面14、サイドフロアSf部、フロントカバー部40及びフロントフェンダ13等の構成によって、幅広く形成したステップフロア10の形態は、簡潔で乗り降りし易い安全な構成とすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 弧状曲面
2 支持ソケット
3 平プレート
4 運転シート
5 支持パイプ
6 セットボルト
7 両側端角縁
8 ストッパ
9 ストッパプレート