特許第5679600号(P5679600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679600
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150212BHJP
【FI】
   A63F5/04 513B
【請求項の数】1
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2013-171476(P2013-171476)
(22)【出願日】2013年8月21日
(62)【分割の表示】特願2010-18518(P2010-18518)の分割
【原出願日】2010年1月29日
(65)【公開番号】特開2014-4452(P2014-4452A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2013年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(72)【発明者】
【氏名】荒木 章広
(72)【発明者】
【氏名】久米 善雄
(72)【発明者】
【氏名】高祖 晶朗
(72)【発明者】
【氏名】三好 康一
【審査官】 太田 恒明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−297580(JP,A)
【文献】 特開2000−300776(JP,A)
【文献】 特開平10−322518(JP,A)
【文献】 特許第5350288(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が設けられたリールと、
第1相〜第M(M:M≧2の自然数)相の励磁相が予め定められた励磁パターンで励磁されて回転子が回転することにより前記リールを回転駆動するステッピングモータとを備えた遊技機において、
前記回転子の回転に伴う実際の回転位置を、前記各励磁相にそれぞれ対応づけて区分された第1〜第Mの回転子位置のいずれかとして格納する位相カウンタと、
前記リールの重さなどの物理的な諸条件から予め導出可能な前記リール停止時の余分な回転量に基づき、前記位相カウンタが格納する前記回転子位置を補正する補正手段と、
前記各励磁相の励磁状態を表すMビットの励磁データを有する励磁データテーブルを記憶する記憶手段と、
前記励磁データに基づいて前記各励磁相を励磁する駆動制御手段とを備え
前記励磁データテーブルは、第1の前記回転子位置で停止した前記回転子を回転させるときの前記励磁データである基準励磁データを有し、
前記駆動制御手段は、
停止状態の前記回転子を回転させるときに、前記位相カウンタに格納され前記補正手段により補正された前記回転子位置が第n(n:1≦n≦Mの自然数)の位置であれば、前記基準励磁データのビットデータを1回シフトすることによる最上位・最下位間におけるビットデータのローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰り返すことにより生成した前記励磁データに基づいて前記各励磁相を励磁する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄が設けられたリールを備えるスロットマシンなどの遊技機に関し、詳しくはリールを回転駆動するステッピングモータを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンなどの遊技機が備えるリールはステッピングモータにより回転駆動され、一般的なステッピングモータの回転子は、複数の励磁相が予め定められた励磁順で励磁されることにより回転する(例えば特許文献1参照)。具体的に説明すると、各励磁相の励磁態様を示す複数の励磁データが予め定められた順序で並べられて形成された励磁データテーブルがメモリに格納されている。各励磁データはそれぞれ回転子の回転子位置に対応して設けられており、各励磁データは、それぞれ対応する回転子位置に応じた各励磁相の励磁態様を示している。そして、ステッピングモータの各励磁相は、励磁データテーブルから参照した励磁データが示す励磁態様に基づいて励磁される。したがって、励磁データテーブルに並べられた順に各励磁データを参照し、参照した各励磁データに基づいて各励磁相の励磁態様が順に切換えられることで、各励磁相が予め定められた励磁順で励磁されて回転子が一定方向に回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−160663号公報(段落[0143]〜[0181]、図21〜27など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、回転子位置に対応してそれぞれ設けられた各励磁データは、回転子の回転方向における回転子位置の順に励磁データテーブルに並べられてメモリに格納されている。したがって、停止状態の回転子を回転させるときは、停止した回転子の回転子位置に対応した励磁データを選択し、選択した励磁データから順番に励磁データテーブルの励磁データを参照して各励磁相が励磁される。これにより、回転子の回転開始位置に応じた励磁態様で各励磁相の励磁が開始されて、回転子が一定方向へ回転する。
【0005】
すなわち、上記した従来の技術では、励磁データテーブルに並べられた順に各励磁データを参照することにより各励磁相が予め定められた励磁順で励磁されれば、回転子が一定方向に回転するように各励磁データが設けられている。したがって、停止状態の回転子を回転させるときに、停止した回転子の回転子位置に応じて励磁データを選択し、選択した励磁データから順に励磁データテーブルの各励磁データを参照して各励磁相の励磁態様が順に切換えられれば、回転子は一定方向へ回転する。
【0006】
ところが、励磁データテーブルに並べられた順に先頭から各励磁データを参照して各励磁相の励磁態様が切換えられると、例えば、回転子の回転方向が途中で切換わるように各励磁データが設けられていることがある。このような場合、励磁データテーブルの各励磁データを先頭から参照して各励磁相が励磁されなければ、回転子は本来の回転態様で回転しない。
【0007】
具体的には、例えば、回転子が一定角度回転した後、回転方向が切換わって一定角度回転するように、各励磁データが設けられていれば、励磁データテーブルに並べられた各励磁データの途中から励磁データの参照が開始されれば、回転子が一定角度回転しないうちに回転方向が切換わるおそれがある。したがって、従来では、各回転子位置に対応した励磁データをそれぞれ先頭にして形成された複数の励磁データテーブルをメモリに格納しておき、停止状態の回転子を回転させるときは、停止した回転子の回転子位置に応じた励磁データが先頭に配置された励磁データテーブルを選択する必要があった。
【0008】
すなわち、各励磁データテーブルは、停止状態の回転子の各回転子位置にそれぞれ対応しており、停止した回転子の回転子位置に応じて選択した励磁データテーブルに並べられた各励磁データを先頭から順に参照して各励磁相が励磁されることにより、停止状態の回転子は本来の回転態様で回転することができる。しかしながら、停止した回転子の回転子位置に応じた複数の励磁データテーブルを形成してメモリに格納する必要があり、励磁データのデータ量の増大を招いていた。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、励磁データのデータ量の増大を抑制できるステッピングモータの制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、複数種類の図柄が設けられたリールと、第1相〜第M(M:M≧2の自然数)相の励磁相が予め定められた励磁パターンで励磁されて回転子が回転することにより前記リールを回転駆動するステッピングモータとを備えた遊技機において、前記回転子の回転に伴う実際の回転位置を、前記各励磁相にそれぞれ対応づけて区分された第1〜第Mの回転子位置のいずれかとして格納する位相カウンタと、前記リールの重さなどの物理的な諸条件から予め導出可能な前記リール停止時の余分な回転量に基づき、前記位相カウンタが格納する前記回転子位置を補正する補正手段と、前記各励磁相の励磁状態を表すMビットの励磁データを有する励磁データテーブルを記憶する記憶手段と、前記励磁データに基づいて前記各励磁相を励磁する駆動制御手段とを備え、前記励磁データテーブルは、第1の前記回転子位置で停止した前記回転子を回転させるときの前記励磁データである基準励磁データを有し、前記駆動制御手段は、停止状態の前記回転子を回転させるときに、前記位相カウンタに格納され前記補正手段により補正された前記回転子位置が第n(n:1≦n≦Mの自然数)の位置であれば、前記基準励磁データのビットデータを1回シフトすることによる最上位・最下位間におけるビットデータのローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰り返すことにより生成した前記励磁データに基づいて前記各励磁相を励磁することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、第1相〜第M(M:M≧2の自然数)相の励磁相が予め定められた励磁パターンで励磁されて回転子が回転するステッピングモータによりリールが回転駆動されるときに、回転子の回転に伴う実際の回転位置が、各励磁相にそれぞれ対応づけて区分された第1〜第Mの回転子位置のいずれかとして位相カウンタにより格納され、記憶手段には、第1の回転子位置で停止した回転子を回転させるときの励磁データであるMビットの基準励磁データを有する励磁データテーブルが記憶されている。
【0012】
そして、駆動制御手段は、停止状態の回転子を回転させるときに、位相カウンタに格納された回転子位置が第n(n:1≦n≦Mの自然数)の位置であれば、基準励磁データのビットデータを1回シフトすることによる最上位・最下位間におけるビットデータのローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより、基準励磁データから第nの回転子位置に対応した励磁データを生成し、生成した励磁データに基づいて各励磁相を励磁する。ここで、位相カウンタに格納される回転子位置が、補正手段により、リールの重さなどの物理的な諸条件から予め導出可能なリール停止時の余分な回転量に基づき補正されるので、例えばリールがその重みによる慣性で本来停止すべき回転子位置よりも回転し過ぎた状態で停止しても、位相カウンタに格納される回転子位置は、回転し過ぎた回転量に相当する分が補正されて誤差の発生が防止される。
【0013】
このように、励磁データテーブルが基準励磁データを有していれば、駆動制御手段は、基準励磁データのビットデータのローテーションを停止状態の回転子の回転子位置に応じた回数繰返すことにより、各回転子位置に対応した励磁データを生成することができ、生成した励磁データに基づいて回転子の回転を開始することができる。したがって、停止状態の回転子の回転子位置が第1〜第nの回転子位置のいずれの位置であっても、駆動制御手段は、第1〜第nの各回転子位置にそれぞれ対応した複数の励磁データを励磁データテーブルが有していなくとも各回転子位置に対応した励磁データを生成して回転子の回転を開始することができるため、記憶手段に記憶される励磁データのデータ量の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかる遊技機の一実施形態たるスロットマシンの斜視図である。
図2】スロットマシンの内部構成を示す右側面図である。
図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図4】メイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
図5】リールモータを示す図である。
図6】メイン制御基板とリールモータとの接続状態を示す図である。
図7】リールを通常駆動するときの励磁データテーブルの一例である。
図8】バウンドスタート演出を行うときの励磁データテーブルの一例である。
図9図8の励磁データテーブルに基づいて励磁される励磁相を示す図である。
図10】クラッシュ演出を行うときの励磁データテーブルの一例である。
図11図10の励磁データテーブルに基づいて励磁される励磁相を示す図である。
図12】3相励磁を行うときの励磁データテーブルの一例である。
図13図12の励磁データテーブルに基づいて励磁される励磁相を示す図である。
図14】ウェイト用の励磁データテーブルの一例である。
図15図14の励磁データテーブルに基づいて励磁される励磁相を示す図である。
図16】演出データテーブルの一例である。
図17】リール制御テーブルの一例である。
図18】ローテーションを説明するための図である。
図19】メイン処理を示すフローチャートである。
図20】リール回転用割込処理を示すフローチャートである。
図21図17のリール制御テーブルが初期化された状態の一例を示す図である。
図22図17のリール制御テーブルが初期化された状態の一例を示す図である。
図23】リール演出処理を示すフローチャートである。
図24】励磁データ設定処理を示すフローチャートである。
図25】第2実施形態におけるメイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
図26】励磁データテーブルの構造を説明するための図である。
図27】励磁データテーブルの一例である。
図28図27の励磁データテーブルに基づいて励磁される励磁相を示す図である。
図29】演出データテーブルの一例である。
図30】リール制御テーブルの一例である。
図31】第2リール演出処理を示すフローチャートである。
図32】ローテーション回数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
(構成)
図1は本発明にかかる遊技機の一実施形態たるスロットマシン1の斜視図である。図2はスロットマシン1の内部構成を示す右側面図である。この実施形態におけるスロットマシン1は、例えば図1および図2に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0016】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「赤7」「白7」「BAR」「オレンジ」「ベル」「桃チェリー」「紫チェリー」「Replay」の複数種類(この実施形態では例えば8種類)の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13R,13Lがそれぞれ形成される。そして、リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。
【0017】
また、図2に示すように、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0018】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(この実施形態では、遊技状態に応じて1枚または3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rの回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させるための左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、ゲームに必要なメダル投入数は、1,2,3枚の3種類が設定されている。
【0019】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知する演出を行うための液晶表示器27が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、これら液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0020】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルの払出口39や、この払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0021】
図2に示すように、リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体47は、筐体3の後壁3aに固定されている。支持枠体47の下方には、メダルを払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側(図2の紙面奥側)には、操作ボックス49が筐体3の左側壁3bに固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダ51および押しボタン式の設定変更ボタン52が設けられている。
【0022】
図3はスロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。図4はメイン制御基板63およびサブ制御基板73の機能を示す機能ブロック図である。
【0023】
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0024】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0025】
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダ51の内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダ51に挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。
【0026】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルを払出口39に向けて払い出すものである。
【0027】
また、このスロットマシン1では、遊技に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、遊技に関連する演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。メイン制御基板63のRAM65はデータを一時的に記憶し、これにより、通常遊技状態および特別遊技状態など、スロットマシン1の遊技状態に応じて設定された規定数まで、投入センサ53により検出されたメダルの数を記憶するベット枚数カウンタ651や、クレジットメダルの枚数を記憶するクレジット枚数カウンタ652、各リールモータ14L,14M,14Rを制御するためのリール制御テーブル653などが構成されている。また、RAM65により、各リールモータ14L,14M,14Rの回転子の回転子位置を格納する位相カウンタ654が構成されている。また、ROM67(本発明の「記憶手段」に相当)は予め設定されたデータ(抽選テーブル671、停止テーブル672、演出データテーブル673、励磁データテーブル674など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0028】
また、メインCPU61は、スロットマシン1の遊技状態を示すデータ、エラー状態などのスロットマシン1の状態を示すデータ、後述する設定制御手段170により設定される設定値に関するデータ、投入センサ53によりメダルが検出されたり、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17が操作されることにより生成され、メダルが投入されたことを示すデータ、ベット枚数カウンタ651に記憶されたメダルのベット枚数を示すデータ、後述する抽選手段110の抽選結果に関するデータ、払出センサ54によりメダルが検出されたり、クレジット枚数カウンタ652が加算されることにより生成され、メダルが払い出されたことを示すデータ、などの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0029】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムを記憶するROM部とを備えている。また、サブCPU71は、メインCPU61から送信される遊技機に関する各種のデータ(スロットマシン1の遊技状態、メダルが投入されたか、抽選手段110の抽選により複数の役のいずれかに当選したか、メダルが払い出されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、主に遊技に関連する演出の制御を行う。次に、メイン制御基板63について詳細に説明する。
【0030】
(メイン制御基板)
図4に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0031】
(1)通常遊技制御手段100
通常遊技制御手段100は、一般的な遊技である通常遊技を制御するものである。以下、通常遊技状態における遊技について説明する。なお、この実施形態では、通常遊技状態において、最大3枚のメダルにより遊技が行われるように構成されており、ベット枚数カウンタ651は、投入メダルの数を3枚まで記憶する。
【0032】
投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17によりメダルの投入を検出すると、投入枚数に応じた本数の入賞ラインが有効になる。例えば、有効となる最大の入賞ライン数を5ラインとした場合、メダルの投入枚数が1枚の場合には、中央の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となり、メダルの投入枚数が2枚の場合には、前記センターラインに、上段の水平なラインと下段の水平なラインを加えた3本の入賞ラインが有効となり、メダルの投入枚数が3枚の場合には、前記3本の入賞ラインに、右上がりに傾斜したラインと右下がりに傾斜したラインを加えた5本のラインが有効となる。そして、規定枚数のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19が操作されたことを検出すると、抽選手段110により予め設定された複数の役のいずれかに当選したかあるいはハズレかの抽選が行われる。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、リール窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角に合わせて判別することを開始する。
【0033】
その後、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効になり、左ストップスイッチ21Lが操作されたことを検出すると左リールを停止させ、中ストップスイッチ21Mが操作されたことを検出すると中リール13Mを停止させ、右ストップスイッチ21Rが操作されたことを検出すると右リール13Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
【0034】
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が、有効となった入賞ライン上の所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、(抽選手段110の抽選による当選役の)入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、または払出口39から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
【0035】
また、当選役としては、例えば、第1特別役(ビッグボーナス(BB))、第2特別役(ミドルボーナス(MB))、第3特別役(スモールボーナス(SB))、第1小役、第2小役、第1特定小役、第2特定小役、再遊技役といった複数の役が予め設定されている。そして、抽選手段110の抽選結果には、第1特別役当選(BB当選)と、第2特別役当選(MB当選)と、第3特別役当選(SB当選)と、第1小役当選と、第2小役当選と、第1特定小役当選と、第2特定小役当選と、再遊技役当選(Replay当選)と、ハズレとがある。
【0036】
また、入賞には、第1特別遊技(ビッグボーナス(BB)ゲーム)への移行に係る第1特別役入賞(BB入賞)と、第2特別遊技(ミドルボーナス(MB)ゲーム)への移行に係る第2特別役入賞(MB入賞)と、所定の第3特別遊技(スモールボーナス(SB)ゲーム)への移行に係る第3特別役入賞(SB入賞)と、所定枚数(例えば10枚)のメダルの払い出しに係る第1小役入賞と、所定枚数(例えば第1小役入賞とは異なる6枚)のメダルの払い出しに係る第2小役入賞と、所定枚数(例えば1枚)のメダルの払い出しに係る第1特定小役入賞および第2特定小役入賞と、再遊技(Replay)の実行に係る再遊技役入賞(Replay入賞)とがある。
【0037】
なお、第1ないし第3特別遊技(ビッグボーナス(BB)ゲーム、ミドルボーナス(MB)ゲーム、スモールボーナス(SB)ゲーム)とは、例えば小役および特定小役の当選確率を通常遊技状態に比べて高く設定するなど、遊技メダルの払い出しを受けやすい遊技である。したがって、第1ないし第3特別遊技は、通常遊技に比べて遊技者に有利な遊技であり、遊技者がより多くのメダルを獲得し得る遊技である。
【0038】
また、この実施形態では、第1ないし第3特別遊技の各々は、各特別遊技におけるメダル払出枚数が、互いに異なる所定の上限枚数を超えたときに、各特別遊技(ボーナスゲーム)を終了して通常遊技へ移行するよう設けられている。例えば、第1特別遊技での上限枚数は第1払出上限枚数(300枚)と設定され、第2特別遊技での上限枚数は第2払出上限枚数(200枚)と設定され、第3特別遊技での上限枚数は第3払出上限枚数(100枚)と設定される。また、この実施形態では、各特別遊技における各払出上限枚数は全ての設定値で共通の値に設定されている。
【0039】
そして、例えば、「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第1特別役入賞となって、ビッグボーナスゲーム(第1特別遊技)が実行され、「白7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第2特別役入賞となって、ミドルボーナスゲーム(第2特別遊技)が実行され、「BAR」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第3特別入賞となって、スモールボーナスゲーム(第3特別遊技)が実行される。すなわち、第1特別役入賞となる図柄の組合せ(第1特別役の入賞態様)は「赤7−赤7−赤7」であり、第2特別役入賞となる図柄の組合せ(第2特別役の入賞態様)は「白7−白7−白7」であり、第3特別役入賞となる図柄の組合せ(第3特別役の入賞態様)は「BAR−BAR−BAR」である。
【0040】
なお、この実施形態では、第1ないし第3特別役入賞によるメダル払出はなく(第1ないし第3特別役の規定払出枚数は0)、各特別役に係る各入賞態様が成立した遊技の後に各ボーナスゲームへ移行するように構成されているが、各特別役の規定払出枚数に所定枚数(例えば10枚)を設定し、メダルを払出した後に各ボーナスゲームへ移行するようにしてもよい。
【0041】
また、例えば、「オレンジ」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第1小役入賞となり、10枚のメダルが払い出される。また、例えば、「ベル」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第2小役入賞となり、6枚のメダルが払い出される。また、例えば、左リール13Lの回転を停止させたときに「桃チェリー」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中・右リール13M,13Rに表示されている図柄にかかわらず、第1特定小役入賞となり、1枚(中段に停止したとき)または2枚(上段または下段に停止したとき)のメダルが払い出される。また、例えば、左リール13Lの回転を停止させたときに「紫チェリー」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中・右リール13M,13Rに表示されている図柄にかかわらず、第2特定小役入賞となり、1枚(中段に停止したとき)または2枚(上段または下段に停止したとき)のメダルが払い出される。また、例えば、「Replay」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、Replay入賞となり、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
【0042】
抽選結果が第1特別役当選となると、第1特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われるが、このとき、第1特別役の入賞態様(「赤7−赤7−赤7」)が引き当てられないと、この第1特別役当選は、第1特別役の入賞態様が引き当てられるまで持越されることとなっている。また、第2特別役当選および第3特別役当選についても、第1特別役当選と同様である。また、第1小役当選は、抽選結果が第1小役当選となった遊技で第1小役入賞図柄配列を引き当てられないと、次回の遊技には持ち越されないこととなっている。第2小役当選、第1特定小役当選、第2特定小役当選およびReplay当選についても同様である。
【0043】
(2)特別遊技制御手段101
特別遊技制御手段101は、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技である特別遊技(ボーナスゲーム)を制御するものである。この実施形態では、特別遊技制御手段101は、特別遊技(ボーナスゲーム)として、ビッグボーナス(BB)ゲームと、ミドルボーナス(MB)ゲームと、スモールボーナス(SB)ゲームとを行うように構成されている。以下、ビッグボーナスゲームを中心に説明する。
【0044】
抽選手段110の抽選結果が第1特別役当選となると、第1特別役当選に基づいた図柄の停止制御が行われる。このとき、「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第1特別役入賞となる。そして、第1特別役入賞となった場合に、第1特別遊技(ビッグボーナスゲーム)へ移行する。なお、この実施形態では、特別役当選と再遊技役当選と小役当選(特別小役当選を含む)との間には、各リール13L,13M,13Rの図柄の停止制御における優先順序が設定されており、再遊技役当選、小役当選、特別役当選の順に優先的に図柄の停止制御を行うように設定されている。例えば、第1特別役当選を持越した状態で再遊技役当選となると、再遊技役に対応する図柄(Replay図柄)を優先して有効ライン上に停止する停止制御が行われて再遊技役入賞となる。
【0045】
ビッグボーナス(BB)ゲーム(第1特別遊技)は、複数回の遊技からなる所定の特定遊技終了条件(RBゲーム終了条件)が設定された所定の特定遊技(レギュラーボーナス(RB)ゲーム)を、繰返し実行することで構成される。詳しくは、BBゲームを開始する場合には、まず、第1回目のRBゲーム(複数回の遊技)を実行し、このRBゲームの実行中にRBゲーム終了条件が成立すると、当該RBゲームを終了させる。この第1回目のRBゲームの終了に続いて、第2回目のRBゲーム(複数回の遊技)をRBゲーム終了条件が成立するまで実行する。同様に、第3回目以降のRBゲームも各RBゲーム終了条件が成立するまで実行する。このように、RBゲーム(特定遊技)を繰返し実行することで、BBゲーム(第1特別遊技)が構成される。
【0046】
ただし、この実施形態では、BBゲームにおいてRBゲームが繰り返し実行されているときに、ボーナスゲーム中に払い出されたメダルの払出枚数が第1払出上限枚数(300枚)を超えた場合には、RBゲーム終了条件とは無関係に、BBゲームを終了(RBゲームの終了と同意)する。
【0047】
なお、この実施形態における特別遊技制御手段101は、各RBゲームの開始前に、まず第1払出上限枚数を超えているか否かを判定し、第1払出上限枚数を超えていれば、BBゲーム(RBゲームの開始)を終了し、第1払出上限枚数を超えていなければ、RBゲーム終了条件が成立しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて、RBゲームを実行する。
【0048】
また、MBゲーム(第2特別遊技)およびSBゲーム(第3特別遊技)は、BBゲーム(第1特別遊技)と同様に、所定のRBゲーム(特定遊技)を繰り返し実行するように構成されている。ただし、この実施形態では、ボーナスゲームの終了条件であるメダル払出枚数が各ボーナスゲームでそれぞれ異なっており、MBゲーム(第2特別遊技)における払出上限枚数は200枚に、SBゲーム(第3特別遊技)における払出上限枚数は100枚に設定されている。
【0049】
なお、RBゲーム(特定遊技)では、通常遊技と異なり、最大1枚のメダルを投入することが可能であり、1本の有効な入賞ラインが設定されて遊技が行われる。そして、予め設定された役に当選したかあるいはハズレかの抽選が抽選手段110により毎回行われる。また、3個すべての左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止した際に、当選した役に対応して予め定められた所定の図柄が所定の位置に停止しているか否かによって、入賞か否かの判定が入賞判定手段150により行われる。
【0050】
また、RBゲームの終了条件として、RBゲームの実行回数が12回に達するか、および、RBゲームでの入賞回数が8回に達するか、の2つの終了条件が設定されている。そして、2つの終了条件のうち、少なくともいずれか一方の終了条件が成立すれば、RBゲームを終了する。
【0051】
ただし、この実施形態では、第1ないし第3特別遊技における各特定遊技(RBゲーム)は、全く同一の遊技ではなく、規定投入枚数が異なっており、有効な最大入賞ライン数を異ならせている。具体的には、ミドルボーナスゲーム(第2特別遊技)においては最大2枚のメダルを投入することが可能であり、スモールボーナスゲーム(第3特別遊技)においては最大3枚のメダルを投入することが可能である。
【0052】
また、この実施形態では、BBゲーム中におけるRBゲームでは、通常遊技における抽選手段110の抽選時の当選確率を規定する通常遊技用抽選テーブルから、第1特別遊技における抽選手段110の抽選時の当選確率(通常遊技の場合よりも高確率)を規定する第1特別遊技用抽選テーブルへ切り換わることで、通常遊技中よりも、小役および特別小役の当選確率が高くなるように設定されている。同様に、MBゲーム中におけるRBゲームでは、第2特別遊技用抽選テーブルに切り換わり、SBゲーム中におけるRBゲームでは、第3特別遊技用抽選テーブルに切り換るように設定されている。この結果、第1ないし第3特別遊技(ボーナスゲーム)は、通常遊技に比べて、遊技者に有利な遊技となる。
【0053】
(3)ROM67(記憶手段)
ROM67は、異なる抽選確率が設定された複数の抽選テーブル671と、リール13L,13M,13Rを停止制御するための複数の停止テーブル672と、種々のリール演出を実行するための演出データテーブル673および励磁データテーブル674とを格納する。
【0054】
抽選テーブル671は、予め定められた複数の役のいずれかへの当選かあるいはハズレかの抽選を行うためのものであって、後述する乱数発生手段111が発生させる全範囲の乱数について、複数の役のいずれかに当選か否かがあらかじめ所定の割合(抽選確率)で定められている。すなわち、この抽選テーブル671は、乱数発生手段111が発生させる全範囲の乱数について、特別役当選にするか、小役当選にするか、特定小役当選にするか、Replay当選にするか、あるいはハズレにするかを、あらかじめ所定の割合で定めている。
【0055】
また、抽選テーブル671として、抽選におけるメダル数増加の期待値が異なる複数種類の抽選テーブルが設けられており、この実施形態では、期待値が最も低い設定1から期待値が最も高い設定6までの6種類の抽選テーブルが設けられている。また、これらの複数種類の抽選テーブルのそれぞれには、通常遊技用や特別遊技(ボーナスゲーム)用の抽選テーブルがさらに設けられている。また、通常遊技用では、メダル投入数(ベット枚数)ごとに出玉期待値が異なるように抽選テーブルが設けられている。
【0056】
なお、演出データテーブル673および励磁データテーブル674については後で詳細に説明する。
【0057】
(4)設定制御手段170
設定制御手段170は、設定値(設定1〜設定6)を設定することで、後述するテーブル選択手段120により選択される抽選テーブル671を選択するものであって、ROM67に格納された複数の抽選テーブル671のそれぞれに各設定値が対応付けられている。設定制御手段170は、電源投入時に変更処理開始スイッチ56のオンオフ状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がオンの状態で電源が投入されると所定の設定変更処理を開始する。
【0058】
この実施形態では、通常遊技の抽選における当選確率は複数種類の設定値(この実施形態では6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、各段階の抽選確率がそれぞれ設定された抽選テーブル671が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。
【0059】
この手順は例えば以下のようにして行われる。すなわち、管理者は、前面パネル5を開放して、電源スイッチ50がオフの状態で設定変更キー(図示省略)を操作ボックス49のキーシリンダ51に挿入して回転し、変更処理開始スイッチ56をオンにする。この状態で、電源スイッチ50をオンにすることで、設定変更処理が開始される。
【0060】
そして、管理者による設定変更ボタン52の操作ごとに当選確率の設定値が設定1〜設定6にサイクリックに切り換えられる。この設定値は、例えば7セグメント式の設定値表示用LEDにより1〜6を表示することで報知される。設定変更ボタン52の操作により当選確率の設定値が所望の値になった(設定値表示用LEDの表示値が所望の値になった)ときに、スタートスイッチ19を操作すると設定値が確定する。そして、キーシリンダ51に挿入されている設定変更キーを回転して変更処理開始スイッチ56をオフにすると設定変更処理が終了する。その後、メダル投入口25からメダルが投入されるとゲームが開始される。
【0061】
(5)テーブル選択手段120
テーブル選択手段120は、メイン制御基板63における通常遊技制御手段100および特別遊技制御手段101により制御される遊技の種類(通常遊技やBB,RB遊技など)、設定制御手段170により設定される設定値(設定1から設定6)、および遊技者により投入されるメダル投入数(ベット枚数)に基づき、複数の抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択抽選テーブルとして選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段120は、選択抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて、メダル投入数が1枚の場合、2枚の場合、3枚の場合にそれぞれ対応した抽選テーブル671を選択する。
【0062】
(6)抽選手段110
抽選手段110は乱数抽選を行うもので、図4に示すように、抽選手段110にのみ使用される、乱数発生手段111、乱数抽出手段112および抽選判定手段113を備えている。乱数発生手段111は、抽選用の乱数を、所定の範囲内(この実施形態では例えば、10進数で0〜16383)で発生させるものである。この乱数発生手段111は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。
【0063】
なお、この乱数発生手段111は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。また、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。
【0064】
乱数抽出手段112は、乱数発生手段111が発生させた乱数を抽出するもので、乱数発生手段111が発生させた乱数を所定の条件(この実施形態では例えばスタートスイッチ19の操作)で抽出する。なお、乱数発生手段111は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段111が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ19が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段112が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
【0065】
抽選判定手段113は、乱数抽出手段112が抽出した乱数と、テーブル選択手段120が選択した選択抽選テーブルとを照合して、乱数抽選結果の判定を行うものである。すなわち、この抽選判定手段113は、乱数抽出手段112が抽出した乱数と、複数の抽選テーブル671からテーブル選択手段120により選択された選択抽選テーブルとを照合して、乱数抽選の結果が、第1特別役当選か、第2特別役当選か、第3特別役当選か、第1小役当選か、第2小役当選か、第1特定小役当選か、第2特定小役当選か、再遊技役(Replay)当選か、あるいはハズレかを判定する。
【0066】
(7)検出手段130
検出手段130は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。すなわち、この検出手段130は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
【0067】
(8)停止制御手段140
停止制御手段140は、抽選手段110の抽選結果に基づき、停止テーブル672を用いてリール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。停止テーブル672は、抽選手段110の抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。この停止テーブル672は、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するためのものであって、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものである。停止テーブル672は、例えば、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルからなる。なお、停止テーブル672は、すべてのリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を一括して定めた全リール用停止テーブルに限られず、例えば、左リール13Lのみの滑りコマ数を定めたもの(左リール用停止テーブル)と、中・右リール13M,13Rの滑りコマ数を定めたもの(中・右リール用停止テーブル)とを備えるようにしてもよい。また、停止テーブル672は、例えば左リール13Lが1番目に停止(第1停止)されたときと、2番目に停止(第2停止)されたときと、3番目に停止(第3停止)されたときとで滑りコマ数(テーブルデータ)を異なるようにするなど、各リール13L,13M,13Rの停止操作順序に対応して定めてもよい。
【0068】
そして、停止制御手段140は、まず、抽選手段110の抽選結果に基づいて、複数の停止テーブル672の中から一の停止テーブル672を選択する。次に、この選択した一の停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定する。
【0069】
ここで、滑りコマ数が0と決定されれば、直ちにリール13L,13M,13Rの回転を停止させる。すなわち、滑りコマ数が0と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、そのまま表示窓11の上段に停止表示される。また、滑りコマ数が1と決定されれば、1コマ分だけリール13L,13M,13Rを回転させて停止させる。すなわち、滑りコマ数が1と決定されると、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、リール13L,13M,13Rの回転方向に1コマずれて、表示窓11の中段に停止表示される。
【0070】
また、この実施形態の停止制御手段140は、抽選手段110の抽選結果が複数の役のいずれかの当選であれば、この抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選した役に入賞するようにリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。また、この実施形態の停止制御手段140は、抽選手段110による抽選結果がハズレであれば、この抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の役のいずれにも入賞しないようにリール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
【0071】
ところで、滑りコマ数には上限が設けられており、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段140は、たとえ抽選手段110による抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であっても、表示窓11に表示される図柄が当選役に対応した入賞態様で停止表示されるようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。したがって、この実施形態では、抽選手段110の抽選結果が複数の役のうち、対応する図柄が「赤7」「白7」「BAR」である特別役への当選、対応する図柄が「桃チェリー」である第1特定小役への当選、対応する図柄が「紫チェリー」である第2特定小役への当選である場合には、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段140は、これらの当選役に入賞するようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。
【0072】
換言すれば、停止制御手段140は、抽選手段110の抽選結果が複数の役のうち、特別役への当選、第1特定小役への当選、第2特定小役への当選である場合、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されるという、これらの当選役に対応して予め定められた特定の操作がストップスイッチ21L,21M,21Rに対して行われたことを条件にして、表示窓11に表示される図柄が当選役それぞれに対応した入賞態様で停止表示されるようにリール13L,13M,13Rを停止制御する。
【0073】
また、この実施形態では、「桃チェリー」および「紫チェリー」の図柄が、互いに7個以上の図柄を挟んで離れて(すなわち、所謂リール引込み制御が可能な範囲よりも離して)、左リール13Lの回転軸を挟んで対向するように、左リール13Lの周面に配置されることで、「桃チェリー」と「紫チェリー」とを同時に表示窓11に停止表示できないように構成されている。したがって、遊技者は、ストップスイッチ21Lを操作することにより、対応図柄が「桃チェリー」である第1特定小役か、対応図柄が「紫チェリー」である第2特定小役のいずれか一方の入賞しか狙えないようになっている。
【0074】
すなわち、遊技者は、第1特定小役へ入賞するために所定のタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rを操作するという、第1特定小役へ入賞するための特定操作か、第2特定小役へ入賞するために所定のタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rを操作するという、第2特定小役へ入賞するための特定操作の、いずれか一方の特定操作しか行えないように構成されている。したがって、常に第1特定小役へ入賞するための特定操作が遊技者により行われれば、抽選手段110の抽選結果が第2特定小役への当選であっても、当選した第2特定小役への入賞を逃す結果となる。また、常に第2特定小役へ入賞するための特定操作が遊技者により行われれば、抽選手段110の抽選結果が第1特定小役への当選であっても、当選した第1特定小役への入賞を逃す結果となる。
【0075】
(9)入賞判定手段150
入賞判定手段150は、検出手段130により所定の図柄が所定の位置に停止したことが検出されると、すなわち、抽選手段110の抽選結果が複数の役のいずれかへの当選であったときに、停止制御手段140により、当該当選した役に対応して予め定められた入賞態様で図柄が停止表示されたことが検出されると、当該当選した役に入賞したと判定するものである。
【0076】
具体的には、入賞判定手段150は、「赤7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うとBB入賞と判定し、「白7」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うとMB入賞と判定し、「BAR」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うとSB入賞と判定する。また、入賞判定手段150は、「オレンジ」または「ベル」の図柄が入賞ライン上に3個揃うと小役入賞と判定する。また、左リール13Lの「桃チェリー」または「紫チェリー」および中・右リール13M,13Rのいずれかの図柄が入賞ライン上で停止すると、それぞれ特定小役入賞と判定する。また、入賞判定手段150は、「Replay」の図柄が入賞ライン上に3個揃うと再遊技役入賞と判定する。
【0077】
(10)払出制御手段160
払出制御手段160は、入賞判定手段150により、複数の役のいずれかに入賞したと判定されたときに、メダル払出のある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に払出数だけメダルを払い出すものである。また、払出制御手段160は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払出として、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させるものである。
【0078】
(11)メダル制御手段102
メダル制御手段102は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。また、メダル制御手段102は、メダルセレクタ48がメダル受入可のときに、投入センサ53からメダル検出信号が出力されれば、ベット枚数カウンタ651またはクレジット枚数カウンタ652を更新する。
【0079】
具体的には、メダル制御手段102は、ベット枚数カウンタ651の値が0の状態で、投入センサ53からメダル検出信号が出力されると、ベット枚数カウンタ651に1加算する。その後、1遊技あたりのメダルの最大投入枚数に達するまで、投入センサ53からメダル検出信号が出力される度に、ベット枚数カウンタ651に1加算する。また、通常遊技制御手段100または特別遊技制御手段101は、ベット枚数カウンタ651を参照することにより、メダルの投入枚数に応じて入賞ラインを有効化する。
【0080】
また、メダル制御手段102は、ベット枚数カウンタ651の値が最大投入枚数の状態で投入センサ53からメダル投入信号が出力されると、クレジット枚数カウンタ652に1加算する。また、メダル制御手段102は、クレジット枚数カウンタ652の値が最大貯留枚数(本実施例では50枚)に達すると、メダルセレクタ48をメダル受入不可の状態に切換える。
【0081】
また、メダル制御手段102は、精算スイッチ23が操作されると、ベット枚数カウンタ651およびクレジット枚数カウンタ652を“0”に初期化する。また、このとき、通常遊技制御手段100または特別遊技制御手段101は、払出制御手段160を制御して、ベット枚数カウンタ651およびクレジット枚数カウンタ652に記憶されていたメダル枚数と同数のメダルを払い出す。また、メダル制御手段102は、再遊技役に入賞したときは、ベット枚数カウンタ651に対して加算処理を行う。
【0082】
また、メダル制御手段102は、ベットスイッチ15が操作されたときに、クレジット枚数カウンタ652の値が1以上であれば、クレジット枚数カウンタ652の値を1減算して、ベット枚数カウンタ651の値に1加算する。また、通常遊技制御手段100または特別遊技制御手段101は、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達した場合には、以降のベットスイッチ15の操作を無効化する。
【0083】
また、メダル制御手段102は、最大ベットスイッチ17が操作されたときに、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達するように、クレジット枚数カウンタ652の値を減算し、ベット枚数カウンタ651の値を加算する。また、通常遊技制御手段100または特別遊技制御手段101は、ベット枚数カウンタ651の値が、1遊技あたりの最大投入枚数に達すると、以降の最大ベットスイッチ17の操作を無効化する。
【0084】
また、メダル制御手段102は、1遊技(ゲーム)が終了したときに、ベット枚数カウンタ651の値を0に設定する。また、メダル制御手段102は、1遊技が終了したときに、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17を有効化する。
【0085】
(12)サブ制御コマンド送信手段103
サブ制御コマンド送信手段103は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、種々のデータを含む通信コマンドを一方通行で送信するものである。すなわち、サブ制御コマンド送信手段103は、設定制御手段170により設定される設定値、通常遊技状態および特別遊技状態などの遊技状態、抽選手段110の抽選結果、入賞判定手段150による入賞状態、リール13の回転・停止状態、払出制御手段160によるメダルの払出状態、前面パネル5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態など、スロットマシン1の状態を表すデータをサブ制御基板73へ送信する。
【0086】
また、サブ制御コマンド送信手段103は、投入センサ53により投入メダルが検出されたとき、ベットスイッチ15が操作されたとき、最大ベットスイッチ17が操作されたとき、再遊技役の入賞による再遊技に係る遊技を開始するとき(例えば、投入枚数(自動投入)を報知するランプを点灯させるとき)、ベット枚数カウンタ651に格納されるベット枚数分のメダル投入が行われたことを表すデータをサブ制御基板73に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段103は、払出制御手段160により払い出されるメダル数を表すデータをサブ制御基板73に送信する。
【0087】
また、サブ制御コマンド送信手段103は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータをサブ制御基板73に送信する。
【0088】
(13)リール制御手段105
リール制御手段105(本発明の「駆動制御手段」に相当)は、ステッピングモータの駆動回路を備え、ROM67に格納された演出データテーブル673および励磁データテーブルに基づいてステッピングモータの各励磁相を励磁して各リールモータ14L,14M,14Rを駆動することにより、各リール13L,13M,13Rを所定の回転態様で回転させるものである。リール制御手段105および各リールモータ14L,14M,14Rの構成および動作については後で詳細に説明する。
【0089】
(14)リール演出制御手段106
リール演出制御手段106は、抽選手段110の抽選結果に応じてリール制御手段105に制御指令を与えることにより各種リール演出を行うものである。リール演出制御手段106は、リール演出として、
・各リール13L,13M,13Rの回転を開始する際に、各リール13L,13M,13Rを小刻みに上下動させる演出(以下、「バウンドスタート演出」と称する)、
・各リール13L,13M,13Rを不規則に上下動させる演出(以下、「クラッシュ演出」と称する)、
の2つを実行するように構成されている。
【0090】
上記したように、対応する図柄が「赤7」「白7」「BAR」である特別役への当選、対応する図柄が「桃チェリー」である第1特定小役への当選、対応する図柄が「紫チェリー」である第2特定小役への当選である場合には、リール13L,13M,13Rがそれぞれ所定の回転位置にあるタイミングでストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されなければ、停止制御手段140は、これらの当選役に入賞するようにリール13L,13M,13Rを停止制御することができない。
【0091】
そこで、リール演出制御手段106は、抽選手段110の抽選結果が、特別役、第1特定小役および第2特定小役のいずれかへの当選である場合に、当選役に対応したリール演出を行うことで、特別役、第1特定小役または第2特定小役へ当選したことを遊技者に報知することにより、遊技者の特別役および特定小役への入賞を補助するかしないかの報知抽選を行い、報知抽選の結果が当選であればリール演出による当選役の報知を行うように構成されている。このように、特別役、第1特定小役および第2特定小役のいずれかに当選したことが遊技者に報知されれば、遊技者は報知内容に基づいて、「赤7」「白7」「BAR」「桃チェリー」または「紫チェリー」の図柄が入賞態様で表示窓11(入賞ライン上)に停止表示されるように停止制御手段140が各リール13L,13M,13Rを停止制御できるタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rを操作することができる。このため、特別役、第1特定小役および第2特定小役のいずれかに当選したときに、当選した特別役、第1特定小役または第2特定小役への入賞を逃すことが防止される。
【0092】
なお、各リール13L,13M,13Rによるリール演出は、バウンドスタート演出およびクラッシュ演出をどのように組合わせてよく、また、各リール13L,13M,13Rのそれぞれが異なるリール演出を行うようにしてもよいし、各リール13L,13M,13Rを選択的に用いてリール演出を行ってもよい。また、報知抽選の結果によらず、かならずリール演出を行うようにしてもよい。
【0093】
例えば、左リール13Lのみを使用するリール演出と、全てのリール13L,13M,13Rを利用するリール演出とを、選択的に実行できるように構成することができる。そして、左リール13Lのみを使用するリール演出は、抽選手段110による抽選結果がハズレの場合および特別役に当選している場合に実行されるように構成し、全てのリール13L,13M,13Rを利用するリール演出は、抽選手段110による抽選結果が特別役に当選している場合に実行されるように構成してもよい。
【0094】
このように構成すれば、遊技者は、どのリール13L,13M,13Rにおいてリール演出が実行されたのかを確認することにより、特別役に当選している可能性の高低(所謂、期待度)を知ることができる。
【0095】
また、例えば、左リール13Lのみでリール演出が行われる第1リール演出態様と、左リール13Lでのリール演出が終了した後に中リール13Mでのリール演出が行われる第2リール演出態様と、全てのリール13L,13M,13Rで順次リール演出が行われる第3リール演出態様とを、選択的に実行できるように構成することができる。そして、特別役に当選したとの期待度が、第1リール演出態様、第2リール演出態様、第3リール演出態様の順で高くなるように構成してもよい。このように構成すれば、遊技者の興趣をより一層高めることができる。
【0096】
(サブ制御基板)
サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図4に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
【0097】
(15)サブ制御コマンド受信手段104
サブ制御コマンド受信手段104は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段103により送信された種々のデータを含む通信コマンドを受信するものである。サブ制御コマンド受信手段104は、メイン制御基板63から送信される通信コマンドを受信し、通信コマンドを受信すれば、通信コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0098】
そして、サブ制御コマンド受信手段104により受信された通信コマンドに応じて、遊技の進行や抽選手段110の抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンに基づいて液晶表示器27に動画が表示されたり、スピーカ31L,31Rから音楽が流れたり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源が一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出が実行される。
【0099】
また、サブ制御コマンド受信手段104により受信されたベット枚数を通知するコマンドが含むベット枚数カウンタ651に記憶された投入メダルの数を表すデータに基づいて、投入メダルの数に応じた演出が行われる。具体的には、サブ制御コマンド受信手段104によりベット枚数を通知するコマンドが受信されたときに、この通知コマンドが含むパラメータを参照することにより、ベット数に応じて、ベット数が0〜2枚(パラメータが1または2)のときには、
“まだベットする事ができる”
旨の演出が行われ、ベット数が3枚(パラメータが3)のときには、この実施形態における1遊技の最大賭け数(投入数)に達しているので、
“スタートスイッチを操作すべき”
旨の演出が行われる。
【0100】
(リール制御手段およびリールモータの構成および動作)
図5はリールモータ14を示す図であり、(a)は断面図、(b)は回転子14aを示す図、(c)励磁相φA〜φDを示す模式図である。図6はメイン制御基板63とリールモータ14との接続状態を示す図である。図7はリール13を通常駆動するときの励磁データテーブル674の一例であって、(a)は通常リール駆動用励磁データテーブル674aを示し、(b)は各励磁データの励磁継続時間を示す。図8はバウンドスタート演出を行うときのバウンドスタート演出用励磁データテーブル674bの一例である。図9図8の励磁データテーブル674bに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す図である。図10はクラッシュ演出を行うときのクラッシュ演出用励磁データテーブル674cの一例である。図11図10の励磁データテーブル674cに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す図である。
【0101】
図12は3相励磁を行うときの3相励磁用励磁データテーブル674dの一例である。図13図12の励磁データテーブル674dに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す図である。図14はウェイト用のウェイト用励磁データテーブル674eの一例である。図15図14の励磁データテーブル674eに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す図である。図16は演出データテーブル673の一例であって、(a)はバウンドスタート演出用演出データテーブル673aを示し、(b)はクラッシュ演出用演出データテーブル673bを示す。図17はリール制御テーブル653の一例であって、(a)は左リール13L用のリール制御テーブル653を示し、(b)は中リール13M用のリール制御テーブル653を示し、(c)は右リール13R用のリール制御テーブル653を示す。図18はローテーションを説明するための図である。
【0102】
(a)左・中・右リールモータ14L,14M,14R
図5に示すように、この実施形態の各リールモータ14L,14M,14Rは、それぞれハイブリッド型のステッピングモータにより構成されている。図5(a)に示すように、各リールモータ14L,14M,14Rは、回転子14aと、45°の間隔で配置された8つの磁極を有する固定子14bとを備えている。また、図5(b)に示すように、回転子14aは、回転軸14a1と、外周に多数の歯が設けられた鉄心14a2と、回転軸と同方向に磁化された永久磁石14a3とを備え、2個の鉄心14a2は外周に設けられた歯のピッチが1/2ずれるように配置されており、永久磁石14a3を挟んで、一方がN極に、他方がS極に磁化されている。
【0103】
また、図5(c)に示すように、固定子14bの各磁極にコイルが巻回されて第A相(第1相)〜第D相(第4相)の4相の励磁相φA〜φDが構成されている。そして、各リールモータ14L,14M,14Rは、第A相〜第D相の励磁相φA〜φDが、所謂、1相励磁方式、1−2相励磁方式または2相励磁方式などで励磁されたり、所定の順序で励磁されたりするなど、予め定められた励磁パターンで励磁されて回転子14aが回転することにより各リール13L,13M,13Rを回転駆動する。また、図6に示すように、メイン制御基板63と各リールモータ14L,14M,14Rの第A相〜第D相とが接続されており、これにより、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDはリール制御手段105により任意に励磁される。
【0104】
(b)リール制御手段105
リール制御手段105による各リールモータ14L,14M,14Rの制御に用いられる、位相カウンタ654、励磁データテーブル674、演出データテーブル673、リール制御テーブル653と、リール制御手段105により行われる励磁データを構成するビットデータのローテーションについて説明する。
【0105】
(b−1)位相カウンタ654
位相カウンタ654は、各リールモータ14L,14M,14Rのそれぞれの回転子14aの回転に伴う実際の回転位置を、各励磁相φA〜φD(第A相〜第D相)にそれぞれ対応付けて区分された第1〜第4の回転子位置のいずれかとして格納する。具体的には、位相カウンタ654は、
第1の回転子位置(第A相)…”0”、
第2の回転子位置(第B相)…”1”、
第3の回転子位置(第C相)…”2”、
第4の回転子位置(第D相)…”3”、
として、回転子14aの回転子位置を格納する。したがって、回転子14aが一方向(図5(c)中の矢印方向)に回転することにより、回転子14aの回転子位置が、
第1の回転子位置→第2の回転子位置→…→第4の回転子位置→第1の回転子位置→…、
へと順次移動するのに伴い、位相カウンタ654には、
0→1→2→3→0→1→2→…、
の値が格納される。
【0106】
また、位相カウンタ654に格納される値は、リール制御手段105が各リールモータ14L,14M,14Rに与える制御指令に基づいて更新される。すなわち、一般的に、ステッピングモータ(各リールモータ14L,14M,14R)の回転子14aの回転子位置(第1の回転子位置〜第4の回転子位置)は、各励磁相φA〜φD(第A相〜第D相)の励磁状態により特定することができるため、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDをどのように励磁するかというリール制御手段105の制御指令に基づいて、位相カウンタ654の値は更新される。なお、この実施形態では、後で説明する「ローテーション」処理を容易に行うために、第1〜第4の回転子位置が、それぞれ、”0”〜”3”の値として位相カウンタ654に格納されるように構成されているが、各回転子位置が、それぞれ、”1”〜”4”の値として位相カウンタ654に格納されるように構成してもよく、要は、回転子14aの回転子位置が確実に特定できる態様で回転子位置が位相カウンタ654に格納されればよい。なお、この実施形態では、回転子14aの一方向(図5(c)中の矢印方向)への回転を順方向への回転とし、回転子14aの他方向(図5(c)中の矢印と反対方向)への回転を逆方向への回転とする。
【0107】
(b−2)励磁データテーブル674
励磁データテーブル674は、最上位ビットが第A励磁相φAに対応し最下位ビットが第D励磁相φDに対応し各励磁相φA〜φD(第A相〜第D相)の励磁状態を表す4ビットの励磁データを有しており、リール制御手段105は、励磁データに基づいて各励磁相φA〜φD(第A相〜第D相)を励磁する。すなわち、この実施形態では、リール制御手段105は、励磁データを構成する各ビットデータに”1”が格納されれば、対応する励磁相を励磁し、各ビットデータに”0”が格納されていれば、対応する励磁相を励磁しない。次に、この実施形態が備える、通常リール駆動用励磁データテーブル674a、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674b、クラッシュ演出用励磁データテーブル674c、3相励磁用励磁データテーブル674d、ウェイト用励磁データテーブル674eについてそれぞれ説明する。
【0108】
・通常リール駆動用励磁データテーブル674a
図7に示すように、通常リール駆動用励磁データテーブル674aは、第1の回転子位置(位相カウンタ654…”0”)に対応する第1パターン〜第4の回転子位置(位相カウンタ654…”3”)に対応する第4パターンの励磁データを有している。すなわち、位相カウンタ654の値が”0”であれば、リール制御手段105により第1パターンが選択されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁され、位相カウンタ654の値が”1”であれば、リール制御手段105により第2パターンが選択されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁され、位相カウンタ654の値が”2”であれば、リール制御手段105により第3パターンが選択されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁され、位相カウンタ654の値が”3”であれば、リール制御手段105により第4パターンが選択されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁される。
【0109】
また、この実施形態では、図7に示す励磁継続時間が経過するごとに、リール制御手段105による各パターンの選択が切換えられる。なお、後述するように、この実施形態のリール駆動処理は約1msごとの割込み処理として実行されるため、励磁継続時間は割込み回数で表されている。すなわち、通常リール駆動用励磁データテーブル674aを用いたリール駆動処理が実行されるときは、回転子14aの回転が開始される際に最初に選択された励磁パターンにより、約42ms(1ms×42回)の間、各励磁相φA〜φDの励磁が行われる。後で説明する各処理においても、励磁継続時間は全て割込み回数(繰返し回数)で表されており、その説明は省略する。
【0110】
以上のように、通常リール駆動用励磁データテーブル674aを用いたリール駆動処理が実行されるときは、回転子14aの回転が開始される際の位相カウンタ654の値が参照されて、参照された値に対応した励磁パターンが選択される。すなわち、位相カウンタ654の値が”0”であれば、第1パターンが選択されて、1相用励磁データ(1000)に基づいて1割込みの間、各励磁相φA〜φDの励磁が行われた後、2相用励磁データ(1100)に基づいて41割込みの間、各励磁相φA〜φDの励磁が行われれば、位相カウンタ654の値が更新される(この実施形態では、位相カウンタ654の値が”1”に更新される)。
【0111】
そして、更新された位相カウンタ654の値(”1”)に対応した第2パターンが選択されて、1相用励磁データ(0100)に基づいて1割込みの間、各励磁相φA〜φDの励磁が行われた後、2相用励磁データ(0110)に基づいて6割込みの間、各励磁相φA〜φDの励磁が行われれば、位相カウンタ654の値が更新される(この実施形態では、位相カウンタ654の値が”2”に更新される)。図7に示す励磁継続時間に基づいて同様の処理を繰返し、各リール13L,13M,13Rの回転速度が一定の速度になると、1相用励磁データおよび2相用励磁データに基づく各励磁相φA〜φDの励磁を1割込みずつ行って励磁パターンを切換える処理が各リール13L,13M,13Rが停止されるまで繰返して実行される。
【0112】
・バウンドスタート演出用励磁データテーブル674b
図8に示すように、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674bは、先頭の1バイト目に励磁データの個数が格納されており、2バイト目以降に各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674bの励磁データが、
&h1014→&h1013→&h1012→…
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが小刻みに上下動するように構成されている。
【0113】
具体的には、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674bを用いたリール駆動処理が実行されるときは、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674bの励磁データが、
&h1014→&h1013→&h1012→…
の順にリール制御手段105により使用される。したがって、図9に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が8割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが小刻みに上下動する。なお、図9中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
【0114】
なお、この実施形態では、バウンドスタート演出用励磁データテーブル674bに基づくリール演出を実行したときに、リール演出が終了すれば、各リール13L,13M,13Rは、リール演出を開始したときのリール位置に戻るように各励磁データが設けられている。
【0115】
・クラッシュ演出用励磁データテーブル674c
図10に示すように、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cは、先頭の1バイト目に励磁データの個数が格納されており、2バイト目以降に各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cの励磁データが、
&h1029→&h1028→&h1027→…
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが不規則に上下動するように構成されている。
【0116】
具体的には、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cを用いたリール駆動処理が実行されるときは、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cの励磁データが、
&h1029→&h1028→&h1027→…
の順にリール制御手段105により使用される。したがって、図11に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が、各励磁データと一緒に格納されている繰返し回数の割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが不規則に上下動する。なお、図11中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
【0117】
なお、この実施形態では、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cを使用して各リールモータ14L,14M,14Rの各相φA〜φDを励磁することにより、各リールモータ14L,14M,14Rを意図的に脱調させるように構成されているため、各リール13L,13M,13Rの回転開始時および回転中の回転子14aの回転子位置の微妙な位置関係により、クラッシュ演出を実行するたびに異なる動きを実現することができる。すなわち、同じ励磁データを使用して各リールモータ14L,14M,14Rの各相φA〜φDを励磁しても、順方向に回転する場合もあれば、逆方向に回転する場合もある。
【0118】
・3相励磁用励磁データテーブル674d
図12に示すように、3相励磁用励磁データテーブル674dは、先頭の1バイト目に励磁データの個数が格納されており、2バイト目以降に各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、3相励磁用励磁データテーブル674dの励磁データがリール制御手段105により使用されて各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、所定の位置で回転子14aが停止するように構成されている。
【0119】
具体的には、3相励磁用励磁データテーブル674dを用いたリール駆動処理が実行されるときは、クラッシュ演出用励磁データテーブル674cの励磁データがリール制御手段105により使用されて、図13に示すように、励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が8割込みの間行われて、これにより、回転子14aが所定の位置で停止する。なお、図13中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
【0120】
なお、この実施形態では、3相励磁用励磁データテーブル674dを用いて各リールモータ14L,14M,14Rの回転を停止することで、各リールモータ14L,14M,14Rの回転子14aが所定の回転子位置が停止するように、各励磁データが設けられている。
【0121】
・ウェイト用励磁データテーブル674e
図14に示すように、ウェイト用励磁データテーブル674eは、先頭の1バイト目に励磁データの個数が格納されており、2バイト目以降に各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、ウェイト用励磁データテーブル674eの励磁データがリール制御手段105により使用されれば、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDは励磁されない。
【0122】
具体的には、ウェイト用励磁データテーブル674eを用いたリール駆動処理が実行されるときは、ウェイト用励磁データテーブル674eの励磁データがリール制御手段105により使用されて、図15に示すように、各励磁相φA〜φDが励磁されない状態が8割込みの間続くこととなる。
【0123】
(b−3)演出データテーブル673
図16は演出データテーブル673を示し、(a)はバウンドスタート演出用演出データテーブル673a、(b)はクラッシュ演出用演出データテーブル673bを示す。演出データテーブル673は、リール演出制御手段106によりリール演出が行われるとの抽選結果を得たときに参照されるデータテーブルであって、2バイト1組の演出データを複数組合わすことにより構成されており、2バイト1組の演出データのうち一方の1バイトには、励磁データテーブル674を参照するためのデータ(この実施形態ではメモリアドレス)が格納され、他方の1バイトには、参照先として指定した励磁データテーブル674を繰返し使用する回数が格納されている。
【0124】
このように、この実施形態では、各リール13L,13M,13Rの基本的な回転態様を規定するための複数の励磁データテーブル674がROM67に格納されており、演出データテーブル673に選択する励磁データテーブル674のメモリアドレスを格納することにより、必要な励磁データテーブル674を参照するように構成されている。そして、演出データテーブル673により、参照した励磁データテーブル674を繰返し使用する回数が規定されており、これにより、任意のリール演出を、各リール13L,13M,13Rごとに行えるように構成されている。
【0125】
したがって、基本的な励磁データテーブル674をROM67に格納しておけば、格納された各励磁データテーブルを組合わせることで、各種リール演出を各リール13L,13M,13Rごとに行えるため、リール演出ごとに励磁データを組合わせたデータテーブルを形成するのに比べ、データ量の抑制を図ることができる。
【0126】
(b−4)リール制御テーブル653
図17に示すリール制御テーブル653は、リール制御手段105により各リールモータ14L,14M,14Rを制御するためのデータを一時的に格納するものであり、回胴フラグ、励磁データ繰返し数カウンタ、励磁データ個数カウンタ、励磁データテーブル繰返し数カウンタ、演出データ個数カウンタ、演出データテーブル取得用フラグを備えている。
【0127】
・回胴フラグ:
回胴フラグは、各リール13L,13M,13Rの回転の状態をプログラムが認識するためのフラグで、各リール13L,13M,13Rの回転状態を各ビットに対応付けて格納する。最下位ビット(0ビット目)と1ビット目は各リール13L,13M,13Rの回転の状態を示し、回転していない場合は”0”が格納され、回転開始かつ回転が一定の速度に到達していない場合は”1”が格納され、回転が一定の速度に到達した場合は”2”が格納され、回転中に異常を検知した場合は”3”が格納される。また、停止可能状態であるか否かやリールインデックスを適切に検知することができたか否かが各ビットと対応付けて格納されている。また、2ビット目は、リール演出を行うか否かを示し、リール演出をしない場合は”0”が格納され、リール演出を実行する場合には”1”が格納される。
【0128】
・励磁データ繰返し数カウンタ:
励磁データテーブル674を参照することにより、同一の励磁データを繰返し使用する回数を格納する。
・励磁データ個数カウンタ:
一の励磁データテーブル674を構成する励磁データの個数を格納する。
・励磁データテーブル繰返し数カウンタ:
演出データテーブル673を参照することにより、同一の励磁データテーブルを繰返し使用する回数を格納する。
・演出データ個数カウンタ:
一の演出データテーブル673を構成する演出データの個数を格納する。
・演出データテーブル取得用フラグ:
演出データテーブル673の読み込み開始位置のアドレスを格納する。
【0129】
なお、設定される初期値は、どのようなリール演出が実行されるかによるものであり、実行されるリール演出によって、演出データテーブル取得用フラグの値および演出データ個数カウンタの値は異なる。また、この実施形態では、バウンドスタート演出が選択されている場合は、各リール13L,13M,13Rごとに初期設定される値を異ならせている。また、クラッシュ演出の場合は、全リール13L,13M,13Rに同一の初期設定を行っている。このように、この実施形態では、各テーブルデータの参照開始位置とデータ個数とにより使用される励磁データを特定するように構成されているため、各リール13L,13M,13Rごとに異なる動作をさせるときであっても、リール13L,13M,13Rごとに異なる演出データテーブルを設ける場合と比べ、データ量の削減を実現できる。
【0130】
(b−5)ローテーション
この実施形態では、バウンドスタート用励磁データテーブル674bおよびクラッシュ演出用励磁データテーブル674cを構成する各励磁データは、第1の回転子位置に停止している回転子14aを回転させると、本来のリール演出を実現できるように構成されている。そこで、この実施形態では、リール制御手段105は、停止状態の回転子14aを回転させるときに、位相カウンタ654に格納された回転子位置が第nの位置であれば、バウンドスタート用励磁データテーブル674bおよびクラッシュ演出用励磁データテーブル674cを構成する各励磁データのビットデータを下位方向に1回シフトして最下位ビットの値を最上位ビットの値とするローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁するように構成されている。
【0131】
具体的に説明すると、図18に示すように、リール制御手段105は、励磁データが、
”1100”である場合に、位相カウンタ654の格納値が”0”(第1の回転子位置)であればローテーションは行わずに励磁データをそのまま出力し、位相カウンタ654の格納値が”1”(第2の回転子位置)であれば1回のローテーションを行って生成した励磁データである、”0110”を出力し、位相カウンタ654の格納値が”2”(第3の回転子位置)であれば2回のローテーションを行って生成した励磁データである、”0011”を出力し、位相カウンタ654の格納値が”3”(第4の回転子位置)であれば3回のローテーションを行って生成した励磁データである、”1001”を出力する。また、励磁データが、”0100”である場合も、図18に示すように、リール制御手段105は、同様にしてローテーションを行って励磁データを生成して、生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁する。
【0132】
なお、通常のリール駆動が行われているときは、リール制御手段105は、各励磁相φA〜φDの全てを所定期間励磁することにより各リールモータ14L,14M,14Rの回転を停止する。このとき、停止用の駆動信号を受けたにも関わらず、各リール13L,13M,13Rの重さなどの物理的な諸条件により、各リールモータ14L,14M,14Rの回転子14aが余分に回転することがある。ところが、この「余分に回転する」回転量は、各リール13L,13M,13Rの重さなどの物理的な諸条件により一意的に決まる固定量であるので、各リール13L,13M,13Rを停止した際に、各リール13L,13M,13Rが固定量の過回転をしたとして、位相カウンタ654の更新を行うことで、位相カウンタ654の補正を行って誤差を防止することができる。この実施形態では、この各リール13L,13M,13Rの余分な回転がないものとして説明を行う。
【0133】
(動作)
次に、図19図24を参照して、この実施形態における動作の一例について説明する。図19はメイン処理を示すフローチャートである。図20はリール回転用割込処理を示す図である。図21図17のリール制御テーブル653が初期化された状態を示す図である。図23はリール演出処理を示す図である。図24は励磁データ設定処理を示す図である。なお、以下で説明する動作は、上記した種々の機能および手段と、説明は省略したが、メイン制御基板63のメインCPU61およびサブ制御基板73のサブCPU71が種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能とにより実行される処理である。
【0134】
1.メイン処理
図19はメイン処理を示すフローチャートである。スロットマシン1の電源がオンされれば、メイン制御基板63が備えるRAM65およびサブ制御基板73が備えるメモリ75の状態がチェックされて、各メモリにエラーが生じていないかどうかが判定される。そして、各メモリのチェックが終了し、異常が無ければ通常遊技状態へ移行して、規定枚数のメダルが投入されたかどうかが判定されて(ステップS1)、規定枚数のメダル投入があるまで待機する(ステップS1でNO)。そして、規定枚数のメダル投入があると判定されれば(ステップS1でYES)、スタートスイッチ19が操作されたかどうかが判定される(ステップS2)。
【0135】
スタートスイッチ19が操作されるまで待機し(ステップS2でNO)、スタートスイッチ19が操作されたと判定されれば(ステップS2でYES)、抽選手段110による抽選処理が行われる(ステップS3)。そして、抽選手段110による抽選結果が、特別役、第1特定小役および第2特定小役のいずれかへの当選であれば、リール演出制御手段106により、リール演出を実行するかどうかの抽選が行われる。
【0136】
続いて、後で図20を参照して説明する「リール回転用割込処理」が実行されて各リール13L,13M,13Rの回転が開始される(ステップS4)。次に、回転中の各リール13L,13M,13Rにそれぞれ対応する各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されるまで待機し(ステップS5でNO)、各ストップスイッチ21L,21M,21Rのいずれかが操作されれば(ステップS5でYES)、操作されたストップスイッチ21に対応するリール13の回転が停止される(ステップS7)。
【0137】
そして、全てのリール13の回転が停止されるまでステップS5〜ステップS7までの処理を繰返して実行し(ステップS7でNO)、全てのリール13が停止されれば(ステップS7でYES)、入賞判定手段150により入賞したかどうかの判定が行われる(ステップS9)。入賞判定手段150による判定結果が、いずれかの当選役への入賞であれば、入賞態様に応じたメダルが払出制御手段160により払い出されて処理を終了する。
【0138】
2.リール回転用割込処理
図20はリール回転用割込処理を示すフローチャートである。図20に示す割込処理は約1msごとに実行される処理であり、スタートスイッチ19が操作されて各リール13L,13M,13R(各リールモータ14L,14M,14R)の回転が停止されるまで実行される。また、図20のリール回転用割込処理が実行されるのに先立って、図19のステップS3におけるリール演出制御手段106の抽選結果が、リール演出を実行するものであれば、例えば、図21および図22に示すようにリール制御テーブル653が初期化される。
【0139】
なお、図21はバウンドスタート演出が実行されるときにリール制御テーブル653が初期化される例を示し、(a)は左リール13L用のリール制御テーブル653、(b)は中リール13M用のリール制御テーブル653、(c)は右リール13R用のリール制御テーブル653を示す。図21に示すようにリール制御テーブル653が初期化されれば、左リール13Lでは、バウンドスタート用励磁データテーブル674c→3相励磁用励磁データテーブル674d→ウェイト用励磁データテーブル674eの順で励磁データテーブル673が参照されるため、左リール13Lは直ちに回転を開始する。
【0140】
また、中リール13Mでは、ウェイト用励磁データテーブル674e→バウンドスタート用励磁データテーブル674c→3相励磁用励磁データテーブル674d→ウェイト用励磁データテーブル674eの順で励磁データテーブル67が参照されるため、中リール13Mは左リール13Lよりも遅れて回転を開始する。また、右リール13Rでは、ウェイト用励磁データテーブル674e→ウェイト用励磁データテーブル674e→バウンドスタート用励磁データテーブル674c→3相励磁用励磁データテーブル674d→ウェイト用励磁データテーブル674eの順で励磁データテーブル67が参照されるため、右リール13Rは中リール13Mよりも遅れて回転を開始する。
【0141】
以上のように、リール制御テーブル653の演出データテーブル取得用フラグにより演出データテーブル673に演出データとして設定されている励磁データテーブル674のうち、どの励磁データテーブル674から参照を開始するのかを、各リール13L,13M,13Rごとに異なるように指定することで、各リール13L,13M,13Rごとに異なる動作を実現することができる。
【0142】
また、図22はクラッシュ演出が実行されるときにリール制御テーブル653が初期化される例を示し、各リール13L,13M,13R用のリール制御テーブル653が共通する値に初期化される。
【0143】
図20に示すように、ステップS101において、設定された励磁データに基づいて各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDの励磁が行われる。この実施形態では、常に一定のタイミングで各励磁相φA〜φDの励磁を開始するために、割込処理の最初に各励磁相φA〜φDの励磁が行われるように構成されている。仮に、割込処理の途中で各励磁相φA〜φDの励磁が行われる構成とすれば、割込処理中の他の処理の処理時間が一定でないため、一定間隔で各励磁相φA〜φDの励磁が行えないこととなる。
【0144】
次に、リール制御テーブル653の回胴フラグの2ビット目を確認することで、リール演出が実行されるかどうかが判定され、リール演出を実行すると判定されれば(ステップS102でYES)、後述する「リール演出処理」が実行されて処理を終了する(ステップS108)。一方、リール演出を実行しないと判定されれば(ステップS102でNO)、通常のリール駆動用の処理(ステップS103〜ステップS107)が実行される。
【0145】
通常のリール駆動用の処理では、一の励磁データによる各励磁相φA〜φDの励磁が、図7を参照して説明した励磁継続時間行われたかどうかが判定され(ステップS103)、YESと判定されれば、位相カウンタ654の更新処理が行われる(ステップS104)。そして、更新された位相カウンタ654の値に基づいて、図7(a)に示す4つの励磁パターンから1つの励磁パターンが選択される(ステップS105)。
【0146】
次に、選択された励磁パターンのうち、1相用励磁データが次の励磁データとして設定されて処理を終了する(ステップS106)。一方、ステップS103においてNOと判定されれば、位相カウンタ654の値に基づいて選択されている励磁パターンのうち、2相用励磁データが次の励磁データとして設定されて処理を終了する(ステップS107)。上記したように、この実施形態では、位相カウンタ654の格納値により、図7(a)に示す第1パターン〜第4パターンのいずれが選択されるかを管理している。すなわち、所定の励磁継続時間が経過する(ステップS103)と回転子14aが所定角度回転して位相カウンタ654が更新(ステップS104)されるという処理が行われるため、所定の励磁継続時間が経過すれば、各励磁相φA〜φDの励磁態様が切換わることとなる。
【0147】
3.リール演出処理
図23はリール演出処理を示すフローチャートである。この処理では、ステップ201において、リール制御テーブル653に格納されている励磁データ繰返し数カウンタの値に基いて、励磁データを切換えるかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS201において、励磁データ繰返し数カウンタの値から1減算し、減算後の励磁データ繰返し数カウンタの値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップS202に進み(ステップS201でNO)、”0”以外であればYESと判定されて処理を終了する(ステップS201でYES)。
【0148】
次に、ステップS202において、リール制御テーブル653に格納されている励磁データ個数カウンタの値に基づいて、選択されている励磁データテーブル674に未処理の励磁データがあるかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS202において、励磁データ個数カウンタの値から1減算し、減算後の励磁データ個数カウンタの値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップS203に進み(ステップS202でNO)、”0”以外であればYESと判定されてステップS206に進む(ステップS202でYES)。
【0149】
続いて、ステップS203において、リール制御テーブル653に格納されている励磁データテーブル繰返し数カウンタの値に基づいて、励磁データテーブル674の変更を行うかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS203において、励磁データテーブル繰返し数カウンタの値から1減算し、減算後の励磁データテーブル繰返し数カウンタの値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップS207に進み(ステップS203でNO)、”0”以外であればYESと判定されてステップS204に進む(ステップS203でYES)。
【0150】
そして、ステップS204において、励磁データテーブル674を参照するために、演出データテーブル653の演出データを参照して、励磁データテーブル参照用フラグが取得される。なお、ステップS203でYESと判定されてステップS204に進んだときは、前回使用した励磁データテーブル674が再度選択される。
【0151】
次に、ステップS205において、ステップS204において参照用フラグが取得された励磁データテーブル674が参照されて、励磁データの個数が励磁データ個数カウンタに格納され、励磁データテーブル参照用フラグの値と励磁データ個数カウンタの値から励磁データの読み始めのアドレスが算出される。そして、後述する「励磁データ設定処理」が実行されて処理を終了する(ステップS206)。
【0152】
一方、ステップS207において、リール制御テーブル653に格納されている演出データ個数カウンタの値に基づいて、未処理の励磁データテーブル674の有無が判定される。未処理の励磁データテーブル674がある場合には(ステップS207でYES)、ステップS204で参照される演出データテーブル653の演出データを参照するための参照用アドレスが更新される。また、演出データ個数カウンタの値を1減算するとともに、リール制御テーブル653に格納される励磁データテーブル繰返し数カウンタの値を、更新された参照用アドレスで参照した演出データの値で更新して、ステップS204に進む。
【0153】
また、未処理の励磁データテーブル674が無いときには(ステップS207でNO)、リール演出フラグ(回胴フラグの第2ビット)をオフにし、励磁データ出力用のI/Oバッファに0を設定して、初期化が行われて処理を終了する(ステップS208)。
【0154】
4.励磁データ設定処理
図24は励磁データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS301において、励磁データテーブル674から一の励磁データを繰返し使用する回数を示すデータが取得されて、リール制御テーブル653の励磁データ繰返し数に設定され、励磁データテーブル674に格納されている励磁データが取得される(ステップS302)。そして、リール演出を開始したときの位相カウンタ654の値に基づいてローテーションが行われ(ステップS303)、ローテーションが行われて生成された励磁データが次の励磁データとして設定されて処理を終了する(ステップS304)。
【0155】
以上説明したように、この実施形態によれば、第A相〜第D相の励磁相φA〜φDが予め定められた励磁パターンで励磁されて回転子14aが回転する各リールモータ14により各リール13が回転駆動されるときに、回転子14aの回転に伴う実際の回転位置が、各励磁相φA〜φDにそれぞれ対応づけて区分された第1〜第4の回転子位置のいずれかとして位相カウンタ654により格納され、ROM67には、最上位ビットが第A励磁相φAに対応し最下位ビットが第D励磁相φDに対応し各励磁相φAの励磁状態を表す4ビットの励磁データを有する励磁データテーブル674が記憶されている。励磁データテーブル674は複数の励磁データを有し、第1の回転子位置(第A相)で停止した回転子14aを回転させるときに、リール制御手段105により励磁データテーブル674が有する各励磁データが並べられた順に先頭から使用されて各励磁相φA〜φDが励磁されることで回転子14aが所定の態様で回転する。
【0156】
リール制御手段105は、停止状態の回転子14aを回転させるときに、位相カウンタ654に格納された回転子位置が第nの位置であれば、励磁データテーブル674が有する各励磁データのビットデータを下位方向に1回シフトして最下位ビットの値を最上位ビットの値とするローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aを所定の態様で回転させる励磁データ群から、第nの回転子位置で停止した回転子を所定の態様で回転させる励磁データ群を生成し、生成した各励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁する。このように、励磁データテーブル674が、第1の回転子位置で停止した回転子14aを所定の態様で回転させる励磁データ群を有していれば、リール制御手段105は、各励磁データのビットデータのローテーションを停止状態の回転子14aの回転子位置に応じた回数繰返すことにより、各回転子位置に停止した回転子14aを所定の態様で回転させる励磁データ群を生成することができ、生成した各励磁データに基づいて回転子14aの回転を開始することができる。したがって、停止状態の回転子14aの回転子位置が第1〜第nの回転子位置のいずれの位置であっても、リール制御手段105は、第1〜第nの各回転子位置にそれぞれ対応した励磁データ群を励磁データテーブルが有していなくとも各回転子位置に対応した励磁データ群を生成して回転子14aの回転を開始することができるため、ROM67に記憶される励磁データのデータ量の増大を抑制することができる。
【0157】
<第2実施形態>
図25は第2実施形態におけるメイン制御基板63およびサブ制御基板73の機能を示す機能ブロック図である。図26は励磁データテーブル674の構造を説明するための図である。図27は励磁データテーブル674の一例であって、(a)は順回転用励磁データテーブル674fを示し、(b)は逆回転用励磁データテーブル674gを示し、(c)は低速回転用励磁データテーブル674hを示し、(d)は低速逆回転用励磁データテーブル674iを示す。
【0158】
図28図27の励磁データテーブル674に基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す図であり、(a)は順回転用励磁データテーブル674fに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示し、(b)は逆回転用励磁データテーブル674gに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示し、(c)は低速回転用励磁データテーブル674hに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示し、(d)は低速逆回転用励磁データテーブル674iに基づいて励磁される励磁相φA〜φDを示す。図29は速度変化演出用演出データテーブル673cの一例である。図30はリール制御テーブル653aの一例である。
【0159】
この実施形態が上記した第1実施形態と異なる点は、励磁データテーブル674が第1の回転子位置(第A励磁相φA)で停止した回転子14aを一方向(順方向:図5(c)中の矢印方向)または他方向(逆方向:図5(c)中の矢印の反対方向)に回転させるときの基準励磁データのみを有している点である。そして、リール制御手段105によるローテーションの回数を規定するカウンタであって、回転子14aが回転するのに伴い値が更新されるローテーション回数カウンタ655を備え、リール制御手段105は、ローテーション回数カウンタ655の値が更新されるのに応じて基準励磁データの各ビットデータのローテーションを、更新されたローテーション回数カウンタ655に格納された値の回数繰返すことで生成した励磁データにより各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDを励磁するように構成されている。以下では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、その他の構成および動作についてはその構成および動作の説明を省略する。
【0160】
(励磁データテーブル674)
上記したように、この実施形態の励磁データテーブル674は、回転子14aの回転子位置が第1の回転子位置(第A励磁相φA)であるときの、各励磁相φA〜φDの励磁態様を示す基準励磁データのみを有している。また、図26に示すように、第1実施形態の励磁データテーブル674と異なり、1バイト目の第6ビットおよび第7ビットにより構成された回転方向フラグを備えている。
【0161】
回転方向フラグは、励磁データテーブル674の基準励磁データによる回転子14aの回転方向が順方向および逆方向のいずれかであることを表すものである。図26に示すように、励磁データテーブルの1バイト目には、「最下位ビット〜第5ビット」に2バイト目以降に格納されている励磁データの個数が格納され、「第6ビットおよび第7ビット」に回転子14aの回転方向を表す回転方向フラグが格納されている。なお、後で詳細に説明するが、ローテーション回数カウンタ655の値は回転子14aの回転方向に応じてカウントアップまたはカウントダウンされるものである。すなわち、この実施形態では、回転方向フラグの、
第6ビットがOFFかつ第7ビットがOFF…回転しない(ローテーション回数カウンタ655の値は更新しない)、
第6ビットがONかつ第7ビットがOFF…逆方向に回転する(ローテーション回数カウンタ655の値をカウントダウンする)、
第6ビットがOFFかつ第7ビットがON…順方向に回転する(ローテーション回数カウンタ655の値をカウントアップする)、
ように設定されている。
【0162】
次に、図27および図28を参照して、この実施形態が備える、順回転用励磁データテーブル674f、逆回転用励磁データテーブル674g、低速順回転用励磁データテーブル674h、低速逆回転用励磁データテーブル674iについて説明する。
【0163】
・順回転用励磁データテーブル674f
図27(a)に示すように、順回転用励磁データテーブル674fは、先頭の1バイト目に励磁データの個数と順方向の回転を示す回転方向フラグが格納されており、2バイト目以降に、回転子14aが第1の回転子位置(第A励磁相φA)にあるときに各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、順回転用励磁データテーブル674fの励磁データが、
&h1102→&h1101
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが順方向に回転開始するように構成されている。
【0164】
具体的には、順回転用励磁データテーブル674fを用いたリール駆動処理が実行されるときは、順回転用励磁データテーブル674fの励磁データが、
&h1102→&h1101
の順にリール制御手段105により使用されて回転子14aが回転開始する。したがって、図28(a)に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が1割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aの順方向への回転が開始される。なお、図28(a)中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
・逆回転用励磁データテーブル674g
図27(b)に示すように、逆回転用励磁データテーブル674gは、先頭の1バイト目に励磁データの個数と逆方向の回転を示す回転方向フラグが格納されており、2バイト目以降に、回転子14aが第1の回転子位置(第A励磁相φA)にあるときに各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、逆回転用励磁データテーブル674gの励磁データが、
&h1112→&h1111
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが逆方向に回転開始するように構成されている。
【0165】
具体的には、逆回転用励磁データテーブル674gを用いたリール駆動処理が実行されるときは、逆回転用励磁データテーブル674gの励磁データが、
&h1112→&h1111
の順にリール制御手段105により使用されて回転子14aが回転開始する。したがって、図28(b)に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が1割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aの逆方向への回転が開始される。なお、図28(b)中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
【0166】
・低速順回転用励磁データテーブル674h
図27(c)に示すように、低速順回転用励磁データテーブル674hは、先頭の1バイト目に励磁データの個数と順方向の回転を示す回転方向フラグが格納されており、2バイト目以降に、回転子14aが第1の回転子位置(第A励磁相φA)にあるときに各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、低速順回転用励磁データテーブル674hの励磁データが、
&h1122→&h1121
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが順方向に回転開始するように構成されている。
【0167】
具体的には、低速順回転用励磁データテーブル674hを用いたリール駆動処理が実行されるときは、低速順回転用励磁データテーブル674hの励磁データが、
&h1122→&h1121
の順にリール制御手段105により使用されて回転子14aが回転開始する。したがって、図28(c)に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が15割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aの順方向への回転が開始される。なお、図28(c)中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
・低速逆回転用励磁データテーブル674i
図27(d)に示すように、低速逆回転用励磁データテーブル674iは、先頭の1バイト目に励磁データの個数と逆方向の回転を示す回転方向フラグが格納されており、2バイト目以降に、回転子14aが第1の回転子位置(第A励磁相φA)にあるときに各リールモータ14L,14M,14Rに出力する励磁データと、励磁データを使用する繰返し回数(励磁継続時間)とが4ビットずつ計1バイトの形式で格納されている。この実施形態では、低速逆回転用励磁データテーブル674iの励磁データが、
&h1132→&h1131
の順にリール制御手段105により使用されて、各リールモータ14L,14M,14Rの各励磁相φA〜φDが励磁されることにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aが逆方向に回転開始するように構成されている。
【0168】
具体的には、低速逆回転用励磁データテーブル674iを用いたリール駆動処理が実行されるときは、低速逆回転用励磁データテーブル674iの励磁データが、
&h1132→&h1131
の順にリール制御手段105により使用されて回転子14aが回転開始する。したがって、図28(d)に示すように、各励磁データを用いた各励磁相φA〜φDの励磁が15割込みずつ行われて、これにより、第1の回転子位置で停止した回転子14aの逆方向への回転が開始される。なお、図28(d)中のモータの励磁状態を示す模式図は、●が励磁されている励磁相を示している。
【0169】
(演出データテーブル673)
図29は速度変化演出用演出データテーブル673cを示す。上記した第1実施形態と同様に、速度変化演出用演出データテーブル673cは、リール演出制御手段106によりリール演出が行われるとの抽選結果を得たときに参照されるデータテーブルであって、2バイト1組の演出データを複数組合わすことにより構成されており、2バイト1組の演出データのうち一方の1バイトには、励磁データテーブル674を参照するためのデータ(この実施形態ではメモリアドレス)が格納され、他方の1バイトには、参照先として指定した励磁データテーブル674を繰返し使用する回数が格納されている。
【0170】
(リール制御テーブル653a)
図30に示すリール制御テーブル653aは、リール制御手段105により各リールモータ14L,14M,14Rを制御するためのデータを一時的に格納するものであり、第1実施形態におけるリール制御テーブル653の励磁データ個数カウンタの代わりに、励磁データフラグを格納するように構成されている。
【0171】
・励磁データフラグ
励磁データフラグは、励磁データテーブルの1バイト目のデータを格納するためのフラグであり、励磁データテーブルの1バイト目のデータがそのままのデータ構成で格納される。
【0172】
(ローテーション回数カウンタ655)
図25に示すように、RAM65によりローテーション回数カウンタ655が構成されている。ローテーション回数カウンタ655は、カウントアップまたはカウントダウンして、”0”〜”3”の値をサイクリックにカウントする。そして、リール制御手段105により各励磁相φA〜φDの励磁が行われて回転子14aが回転するのに伴い、回転方向フラグに応じてリール制御手段105によりカウントアップ(順方向回転)またはカウントダウン(逆方向回転)される。
【0173】
なお、この実施形態では、位相カウンタ654と同様に、後で説明する「ローテーション」処理を容易に行うために、ローテーション回数カウンタ655は、”0”〜”3”の値をサイクリックにカウントするように構成されているが、例えば、”1”〜”4”の値をサイクリックにカウントするように構成してもよく、要は、回転子14aの回転子位置が確実に特定できる態様でローテーション回数カウンタ655によるカウントが行われればよい。
【0174】
(ローテーション)
この実施形態では、順回転用励磁データテーブル674f、逆回転用励磁データテーブル674g、低速順回転用励磁データテーブル674h、低速逆回転用励磁データテーブル674iは、励磁データとして、第1の回転子位置に停止している回転子14aを回転させるときの基準励磁データのみ有している。そこで、この実施形態では、リール制御手段105は、停止状態の回転子14aを回転させるときに、位相カウンタ654に格納された回転子位置が第nの位置であれば、nの値をローテーション回数カウンタ655に格納し、各基準励磁データのビットデータを下位方向に1回シフトして最下位ビットの値を最上位ビットの値とするローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁するように構成されている。
【0175】
そして、リール制御手段105は、回転方向フラグに応じてローテーション回数カウンタ655をカウントアップまたはカウントダウンする。続いて、基準励磁データに対して第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを所定時間励磁することにより、ローテーション回数カウンタ655に格納された新たな値がn+1のときは、すなわち、回転子14aの回転子位置が順方向への回転によりn+1であるときは、基準励磁データに対するローテーションを第1から第n+1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁する。
【0176】
また、基準励磁データに対して第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを所定時間励磁することにより、ローテーション回数カウンタに格納された新たな値がn−1のときは、すなわち、回転子14aの回転子位置が逆方向への回転によりn−1であるときは、基準励磁データに対するローテーションを第1から第n−1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁する。
【0177】
(動作)
次に、図31および図32を参照して、この実施形態における動作の一例について説明する。図31は第2リール演出処理を示す図である。図32はローテーション回数カウンタ更新処理を示す図である。なお、この実施形態における動作が上記した第1実施形態と異なる点は、図20のリール回転用割込処理におけるステップS108において、第2リール演出処理が実行される点である。したがって、以下では、第2リール演出処理と、第2リール演出処理において実行されるローテーション回数カウンタ更新処理の説明のみ行い、その他の動作の説明についてはその説明を省略する。
【0178】
5.第2リール演出処理
図31は第2リール演出処理を示すフローチャートである。この処理では、ステップ401において、リール制御テーブル653aに格納されている励磁データ繰返し数カウンタの値に基いて、励磁データを切換えるかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS401において、励磁データ繰返し数カウンタの値から1減算し、減算後の励磁データ繰返し数カウンタの値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップS402に進み(ステップS401でNO)、”0”以外であればYESと判定されて処理を終了する(ステップS401でYES)。
【0179】
次に、ステップS402において、リール制御テーブル653aに格納されている励磁データフラグの下位ビットに格納されている励磁データの個数に基づいて、選択されている励磁データテーブル674に未処理の励磁データがあるかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS402において、励磁データフラグの下位ビットに格納されている励磁データの個数の値から1減算し、減算後の励磁データフラグの下位ビットに格納されている励磁データの個数の値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップ403に進み(ステップS402でNO)、”0”以外であればYESと判定されてステップS407に進む(ステップS402でYES)。
【0180】
続いて、ステップS403において、リール制御テーブル653aに格納されている励磁データテーブル繰返し数カウンタの値に基づいて、励磁データテーブル674の変更を行うかどうかが判定される。この実施形態では、ステップS403において、励磁データテーブル繰返し数カウンタの値から1減算し、減算後の励磁データテーブル繰返し数カウンタの値が”0”であるかどうかを判定して、”0”であればNOと判定されてステップS408に進み(ステップS403でNO)、”0”以外であればYESと判定されてステップS404に進む(ステップS403でYES)。
【0181】
そして、ステップS404において、励磁データテーブル674を参照するために、演出データテーブル653の演出データを参照して、励磁データテーブル参照用フラグが取得される。なお、ステップS403でYESと判定されてステップS404に進んだときは、前回使用した励磁データテーブル674が再度選択される。
【0182】
次に、ステップS405において、ステップS404において参照用フラグが取得された励磁データテーブル674が参照されて、励磁データテーブル674の1バイト目のデータ(回転方向フラグおよび励磁データの個数)がそのままリール制御テーブル653aの励磁データフラグに格納され、励磁データテーブル参照用フラグの値と励磁データフラグの下位ビットに格納されている励磁データの個数の値から励磁データの読み始めのアドレスが算出される。そして、後述する「ローテーション回数更新処理」が実行され(ステップS406)、励磁データ設定処理が実行されて処理を終了する(ステップS407)。
【0183】
一方、ステップS408において、リール制御テーブル653aに格納されている演出データ個数カウンタの値に基づいて、未処理の励磁データテーブル674の有無が判定される。未処理の励磁データテーブル674がある場合には(ステップS408でYES)、ステップS404で参照される演出データテーブル653の演出データを参照するための参照用アドレスが更新される。また、演出データ個数カウンタの値を1減算するとともに、リール制御テーブル653aに格納される励磁データテーブル繰返し数カウンタの値を、更新された参照用アドレスで参照した演出データの値で更新して、ステップS404に進む。
【0184】
また、未処理の励磁データテーブル674が無いときには(ステップS408でNO)、リール演出フラグ(回胴フラグの第2ビット)をオフにし、励磁データ出力用のI/Oバッファに0を設定して、初期化が行われて処理を終了する(ステップS409)。
【0185】
6.ローテーション回数カウンタ更新処理
図32はローテーション回数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。ローテーション回数カウンタ655は、図20のリール回転用割込処理におけるステップS102において、位相カウンタ654の値が格納された直後に1減算されることにより初期化される。
【0186】
ローテーション回数カウンタ更新処理では、まず、ローテーション回数カウンタ655の値を更新するかどうかがリール制御テーブル653aの励磁データフラグの第6ビットおよび第7ビット(回転方向フラグ)の値に基づき判定されて(ステップS501)、NOと判定されれば処理を終了する。一方、ローテーション回数カウンタ655の値を更新すると判定されれば(ステップS501でYES)、ローテーション回数カウンタ655の値をカウントアップするか、カウントダウンするかが、回転方向フラグの値に基づき判定される(ステップS502)。
【0187】
ローテーション回数カウンタ655の値をカウントアップすると判定されれば(ステップS502でYES)、ローテーション回数カウンタ655の値がカウントアップされて処理を終了する(ステップS503)。一方、ローテーション回数カウンタの値をカウントダウンすると判定されれば(ステップS502でNO)、ローテーション回数カウンタ655の値がカウントダウンされて処理を終了する(ステップS504)。
【0188】
なお、この実施形態では、上記した第1実施形態と異なり、図24の励磁データ設定処理におけるステップS303において、ローテーション回数カウンタ655の値に基づいてローテーションが行われる。
【0189】
以上説明したように、この実施形態によれば、第1の回転子位置(第A励磁相φA)で停止した回転子14aを一方向または他方向に回転させるときの励磁データであって、最上位ビットが第A励磁相φAに対応し最下位ビットが第D励磁相φDに対応し各励磁相φA〜φDの励磁状態を表す4ビットの基準励磁データと、基準励磁データによる回転子14の回転方向が一方向および他方向のいずれかであることを表す回転フラグとを有する励磁データテーブル674が記憶されている。
【0190】
そして、リール制御手段105は、カウントアップまたはカウントダウンして”0”〜”3”の値をサイクリックにカウントするローテーション回数カウンタ655を有し、停止状態の回転子14aを回転させるときに、位相カウンタ654に格納された回転子位置が第nの位置であれば、nの値をローテーション回数カウンタ655に格納し、基準励磁データに対するローテーションを、第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより、基準励磁データから第nの回転子位置に対応した励磁データを生成し、生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁するとともに、回転方向フラグに応じてローテーション回数カウンタ655をカウントアップまたはカウントダウンする。
【0191】
このように、励磁データテーブル674が基準励磁データを有していれば、リール制御手段105は、基準励磁データのビットデータのローテーションを停止状態の回転子14aの回転子位置に応じた回数繰返すことにより、各回転子位置に対応した励磁データを生成することができ、生成した励磁データに基づいて回転子14aの回転を開始することができる。したがって、停止状態の回転子14aの回転子位置が第1〜第nの回転子位置のいずれの位置であっても、リール制御手段105は、第1〜第nの各回転子位置にそれぞれ対応した複数の励磁データを励磁データテーブル674が有していなくとも各回転子位置に対応した励磁データを生成して回転子14aの回転を開始することができるため、ROM67に記憶される励磁データのデータ量の増大を抑制することができる。
【0192】
また、リール制御手段105は、停止状態の回転子14aを回転させるときに、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを所定時間励磁することにより、ローテーション回数カウンタ655に格納された新たな値がn+1のときは、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第n+1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁し、ローテーション回数カウンタ655に格納された新たな値がn−1のときは、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第n−1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁するため、リール制御手段105は、励磁データテーブル674が基準励磁データを有していれば、停止状態の回転子14aがいずれの方向に回転開始しても各励磁相φA〜φDを励磁するために必要な励磁データを順次生成することができるため、データ量が少なくて済み効率がよい。
【0193】
<その他>
なお、上記した第2実施形態では、リール演出が行われるときに位相カウンタ654の値によりローテーション回数カウンタ655を初期化し、このローテーション回数カウンタ655の値を回転子14aの回転に伴い更新して、更新されたローテーション回数カウンタ655の値に基づいて基準励磁データのビットデータに対するローテーションを行ったが、回転子14aの回転子位置を格納する位相カウンタ654に格納された回転子位置に基づいて、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを行ってもよい。
【0194】
このように構成しても、励磁データテーブル674が基準励磁データを有していれば、リール制御手段105は、基準励磁データのビットデータのローテーションを停止状態の回転子14aの回転子位置に応じた回数繰返すことにより、各回転子位置に対応した励磁データを生成することができ、生成した励磁データに基づいて回転子14aの回転を開始することができる。したがって、停止状態の回転子14aの回転子位置が第1〜第nの回転子位置のいずれの位置であっても、リール制御手段105は、第1〜第nの各回転子位置にそれぞれ対応した複数の励磁データを励磁データテーブル674が有していなくとも各回転子位置に対応した励磁データを生成して回転子14aの回転を開始することができるため、ROM67に記憶される励磁データのデータ量の増大を抑制することができる。
【0195】
また、リール制御手段は、停止状態の回転子14aを回転させるときに、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第nまでの位相差に応じた回数繰返すことで生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを所定時間励磁することにより、位相カウンタ654に新たに格納された回転子位置が第n+1の位置であれば、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第n+1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁し、位相カウンタ654に新たに格納された回転子位置が第n−1の位置であれば、基準励磁データのビットデータに対するローテーションを第1から第n−1までの位相差に応じた回数繰返すことにより生成した励磁データに基づいて各励磁相φA〜φDを励磁するため、停止状態の回転子14aがいずれの方向に回転したとしても、リール制御手段105は、励磁データテーブル674が基準励磁データを有していれば、各励磁相φA〜φDを励磁するために必要な励磁データを順次生成することができるため効率がよい。
【0196】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0197】
また、上記した実施形態では、ハイブリッド型のステッピングモータを例に挙げて説明したが、リールモータ14L,14M,14Rを構成するステッピングモータを、PM型またはVR型のステッピングモータで構成してもよく、どのような方式のステッピングモータを採用してもよい。
【0198】
また、上記したリール演出の他に種々のリール演出を実現することができるが、例えば、ウェイト用励磁データテーブル674eのみを使用するスタートフリーズ演出用演出データテーブルをさらに備える構成としてもよい。このように構成すれば、リール制御手段105によりスタートフリーズ演出用演出データテーブルが選択された場合には、遊技者によりスタートスイッチ19が操作されても、スタートフリーズ演出用演出データテーブルにより設定された時間だけリールの回転が開始されるのが遅れるため、遊技者に違和感を与えることができ、これにより、特別役に当選しているのかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0199】
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、パチンコ機や、スロットマシンとパチンコ機とを組合わせた遊技機(所謂、パロット)に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0200】
1…スロットマシン(遊技機)
13(13L、13M、13R)…リール
14(14L、14M、14R)…リールモータ(ステッピングモータ)
14a…回転子
67…ROM(記憶手段)
654…位相カウンタ
655…ローテーション回数カウンタ
673…演出データテーブル
674…励磁データテーブル
105…リール制御手段(駆動制御手段)
φA〜φD…励磁相
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
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図20
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図28
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図31
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