特許第5679708号(P5679708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679708
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】設置が容易なデジタルドアロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 9/08 20060101AFI20150212BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20150212BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
   E05B9/08 E
   E05B47/00 H
   E05B49/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-146098(P2010-146098)
(22)【出願日】2010年6月28日
(65)【公開番号】特開2011-7036(P2011-7036A)
(43)【公開日】2011年1月13日
【審査請求日】2013年6月5日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0058288
(32)【優先日】2009年6月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509352772
【氏名又は名称】ティー ラブ コリア インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】505149044
【氏名又は名称】株式会社シーズンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(72)【発明者】
【氏名】キム ソッチン
【審査官】 神崎 共哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−343129(JP,A)
【文献】 実開昭64−053373(JP,U)
【文献】 特開2005−264589(JP,A)
【文献】 特開2009−084826(JP,A)
【文献】 特開2007−032120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア(10)に取り付けられた既存のシリンダー錠(14)のドア(10)からの突出部分に嵌める本体ケース(30)と、前記ドア(10)のサムターン(13)に換えて取り付けられるコントローラー(20)とからなり、
上記本体ケース(30)は、ケーブル(47)でもって上記コントローラー(20)に接続する非接触読み取り手段(40)を備えるとともに、ケース(30)後方のシリンダー錠(14)を嵌めるための開口に裏面カバー(34)を取り付けるようになっており、
前記裏面カバー(34)は、シリンダー錠(14)の後端を突出させる貫通孔が設けられている設置が容易なデジタルドアロック。
【請求項2】
上記本体ケース(30)内に段差を設けて後方ほど径を大きくしてシリンダー錠(14)が密着するようにした請求項1に記載の設置が容易なデジタルドアロック。
【請求項3】
上記本体ケース(50)の前面にシリンダー錠(14)を挿入するための開口を設けるとともに、ケース(50)内に段差を設けて前方ほど径が大きくなるようにし、
一方、前記開口に係合する係合部(55b)を周縁(55a)に形成した前面カバー(55)を取り付けることにより離脱を防ぎ設置を容易にした請求項1に記載のデジタルドアロック。
【請求項4】
上記非接触読み取り手段(40)が、インターフェース基板(42)、認証信号を受信する用のRF基板(43)、タッチセンサ基板(44)とで構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の設置が容易なデジタルドアロック。
【請求項5】
上記裏面カバー(34)の貫通孔に、シリンダー錠の突起を嵌める切り込み溝(34a)を設けた請求項1に記載のドアロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、設置が容易なデジタルドアロックに関するもので、さらに、詳しく述べるとドアを傷めることなく、既存のドアロックに換えて、迅速に、かつ、簡単に設置できるようにしたドアロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子式(デジタル式)のドアロックは、通常、解錠操作を数字キーパッドで行うものが主流となっているが、これ以外にも、ICカード方式、指紋認証方式、虹彩認証方式など様々な方式がある。
【0003】
しかし、これらの電子式ドアロックを既設のドアに取り付ける場合、ドアに備えつけられた施錠装置を全て外してドアを加工するなどの複雑な作業を行わなければならず、設置に時間も費用も掛かるため、十分な市場規模を確保することができない問題があった。
【0004】
例えば、特許文献1に示す「デジタルオートドアロック装置」によると、第1マグネットセンサ(11)によって作動(有効になる)する複数のリミットスイッチ(12)及び前記リミットスイッチ(12)により駆動するソレノイド(13)、前記ソレノイド(13)内に挿入される第1シャフト(15)、第1シャフト(15)とピン(17)で固定された作動片(16)、ピン(18)で第2シャフト(20)に固定され、固定軸を中心左右回転可能なガイドロール(19)、フランジ裏面に永久磁石(23)が固定された解錠部材(21)、上記第2シャフト(20)及び解錠部材(21)の外周面に位置する第1スプリング(24)と第2スプリング(25)、上記第1スプリング(24)によりリミットスイッチ(12)を駆動するプレート(26)とからなる構成を開示している。
【0005】
また、特許文献2には、「室内側ロック手段の外側に突出しないように装着され、上記ドアのロックを手動に設定したり、解除したりできるよう固定部材を移動させる手動操作部を構成し、上記室内側ロック手段の本体内部を閉鎖するよう装着した固定プレートの固定片に上記本体の外側面に向かって通された固定片へネジを水平に留め固定させる連結部の構成によるデジタルドアロックを開示する。
【0006】
すなわち、前者は、重力方向にシャフトを動かすようにすることで簡単な構造とし、より少ない電力で作動するようにしたもので、同時に、エラーが現れる前に不良機能を修復し、誤動作を防ぐことを目的とするものである。また、後者は、利便性がよくて安全に使用でき、しかも構造が簡便で設置作業が容易にできることを目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許 第0489333号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案 第0370948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のドアロックは、両者とも構造の簡便さと設置作業の容易なことを主張しているが、既存のドアにそのまま設置する事は難しく、交換作業に時間を要し、費用が嵩む問題がある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、施錠装置を備えた既存のドアの構造を大きく変えることなく、迅速に設置できるようにすることで、時間と費用の削減による普及の活性化が期待できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明では、シリンダー錠のドアからの突出部分に嵌める本体ケースと、前記ドアのサムターンに換えて取り付けられるコントローラーとからなり、上記本体ケースは、ケーブルでもって上記コントローラーに接続する非接触読み取り手段を備えるとともに、ケース後方のシリンダー錠を嵌めるための開口に裏面カバーを取り付けるようになっており、前記裏面カバーは、シリンダー錠の後端を突出させる貫通孔が設けられている構成を採用したのである。
【0011】
このような構成を採用することにより、本体ケースは、ケース内にドアから取り外したシリンダー錠を嵌め、裏面カバーを取り付けて、シリンダー錠が外れないようにしてドアに取り付ける。一方、コントローラーはドアのサムターンを外して取り付ける。こうすることで、ドアの構造を大きく変えることなく、ドアロック装置を迅速に設置できるようにする。
【0012】
このとき、本体ケース内に段差を設けて後方ほど径を大きくしてシリンダー錠が密着するようにした構成を採用することができる。
【0013】
このような構成を採用することにより、本体ケースのケース内は後方ほど径を大きくしてあるので、シリンダー錠を後方の開口から容れやすく、ケース内に入れられたシリンダー錠は、前方が狭くなっているので、ガタツキなどが生じないようピタリと取り付けられる。
【0014】
また、このとき、上記本体ケースの前面にシリンダー錠を挿入するための開口を設けるとともに、ケース内に段差を設けて前方ほど径が大きくなるようにし、一方、前記開口に係合する係合部を周縁に形成した前面カバーを取り付けるようにした構成を採用することができる。
【0015】
このような構成を採用することにより、本体ケース内は前方ほど径を大きくしてあるので、シリンダー錠を前方の開口から容れることが簡単にできる。また、シリンダー錠を容れた状態で、開口に前面カバーを取り付けると、取り付けた前面カバーの係合部が開口と係合して中のシリンダー錠が外れるのを防止する。
【0016】
また、このとき、上記非接触読み取り手段が、インターフェース基板、認証信号を受信する用のRF基板、タッチ入力基板とからなる構成を採用することができる。
【0017】
このような構成を採用することにより、鍵を使用せずに、ICカードやトランスポンダーで解錠や施錠が行える。
【0018】
また、上記裏面カバーの貫通孔に、シリンダー錠の突起が嵌る切れ込み溝を設けた構成を採用することができる。
【0019】
このような構成を採用することにより、突起が切れ込み溝に嵌るとシリンダーと本体ケースは一体になるので、本体ケースの回転を防止できる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、上記のように構成したことにより、既存のドアの構造を大きく変えないで、迅速に設置ができて時間と費用の節減ができる。そのため、普及の活性化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態の分解斜視図
図2図1の細部に亘って分解した斜視図
図3図2をドアに設置した斜視図
図4】実施例1の分解斜視図
図5図4をドアに設置した斜視図
図6】既設のドアの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明のドアロックの分解斜視図、図2は、図1の細部を分解した斜視図、図3は、図2をドアに設置した斜視図である。
【0023】
本願発明は、既存のドア10のサムターン13に換えて設置されるものである(シリンダー錠は使用する)。そのため、まず、既存のドアの構造を図6に示す。
【0024】
すなわち、既存のドアロックは、図6に示すように、シリンダー錠(以下、シリンダー)14とサムターン13とからなる施錠装置と、室内側ドアハンドル11と室外側ドアハンドル12及び錠箱Aで構成されている。
錠箱Aは、ドア10に穴(mortise)を設けて取り付けられている。このドア10に内蔵した錠箱Aに、室内側及び室外側のドアハンドル11、12を取り付けて、ドアハンドル11、12を回動すると錠箱Aからラッチ16bを進退させられるようになっている。
また、錠箱Aには、シリンダー14とサムターン13が、図6のようにピン15でもって固定すると、鍵あるいはサムターンの操作で、錠箱Aからデッドボルト16aを進退させて施錠と解錠を行うようになっている。また、ピン15で固定した後は、プレート17をネジ止めする構造になっている。
【0025】
既存のドア10は、上記のような構造になっており、本願発明は、ドア10から既存のサムターン13を取り外し、その取り外したサムターン13に換えて、図1のように、コントローラー20はアダプター25を使用して設置する。
コントローラー20は、モータによる駆動手段を備えており、モータにより取り外したサムターン13に換わってデッドボルト16aの進退を行うようになっている。また、その進退をコントロールするための制御手段を備えており、制御手段は、ICカードまたはトランスポンダーの接触(翳す)による認証処理を遂行するようになっている。
【0026】
一方、シリンダー14には、図1に示すように、本体ケース30が取り付けられる。前記ケース30は、シリンダー14を収容する中空(実施形態では貫通孔30a)構造となっており、シリンダー14、デッドボルト16a、ラッチ16b、及び室内外のハンドル11、12の作動に干渉しない状態でドア10から突出したシリンダー14を被う構造となっている。
【0027】
このように、既存のシリンダー14を、其のまま使用するため、本体ケース30は、サイズの小さな楕円形の構造が望ましく、小型化のため、鍵に換わるものとして、数字キーパッドよりICカードもしくはトランスポンダーなどのRF(電波)による方式を採用している。
また、この本体ケース30は、先に述べたように、貫通孔30aが形成されており、貫通孔30aには段差が形成されている。前記段差は、収容したシリンダー14との間に隙間が生じないようにするためのもので、シリンダー14を緊密に装着できるようになっている。この貫通孔30aの段差は必ずしも一定である必要はなく、シリンダー14の抜き差しが円滑にできればよい。また、本体ケース30は、図2のように、読み取り手段を内蔵している。
【0028】
読み取り手段40は、インターフェース基板42、認証信号を受信するRF基板43、タッチ入力用のタッチセンサ基板44で構成されている。
タッチセンサ基板44は、指、手の接近を検出して信号を出力する。また、RF基板43は、ICカード、トランスポンダーと送受信を行って認証信号を受信する。インターフェース基板42は、RF基板43、タッチセンサ基板44とコントローラー20との間の信号のやり取りを行うためのもので、前記信号に基づいて、後述のようにLEDランプ30bによる表示も行うようにしてある。
【0029】
ここで、タッチセンサ基板44には、手の接触の有無を検知するものであるため、様々な種類のものを使用することが可能であるが、静電容量方式の接触センサを使用するのが望ましい。これは、冬季に手袋を使用した場合でも、手袋を外さなくても手の接触を感知でき、過度の湿気や雨水などによる通電で誤動作することがないようにしたものである。
【0030】
その他、本体ケース30には、前述のLED30bが設けられている。LED30bは、インジケータで手の接触時に点灯する。これは、手をタッチセンサ基板44が正確に検出して、ICカード、トランスポンダーによる認証過程が正しく行われていることを表示するためである。
【0031】
図2の符号46は、非常用端子であり、符号47はケーブルである。非常用端子46は、コントローラー20内の電池が切れた場合に、新しい電池を接続することで、外部からの電源でコントローラー20を正常に作動させられるように設けたものである。一方、ケーブル47は、インターフェース基板42とコントローラー20とをコネクターによって接続するためのものである。
【0032】
また、本願発明によると、本体ケース30には、シリンダー14の取り付け用のスペーサー32を備えている。前記スペーサー32は、図2のように、ドーナツ形でシリンダー14の中央の円筒部分に嵌める。スペーサー32は、嵌める枚数を増やすほど、シリンダー14の後方(ドアの貫通孔内)に出る量を少なくすることができるため、厚みのないドア10で使用する用途に使われる。
【0033】
また、本願発明によると、本体ケース30をシリンダー14に取り付けるため、裏面カバー34を装着する。裏面カバー34は、シリンダー14の後部を突出させるための貫通孔を設けた形状で、本体ケース30の裏面にネジで固定する。そのため、裏面カバー34は、切り込み溝(引っ掛かり溝)34aを設けてシリンダー14の結合突起14aと嵌合するようになっており、本体ケース30に嵌め込んだシリンダー14の回転を防ぐようにしてある。
すなわち、本体ケース30にシリンダー14を嵌め込み、裏面カバー34を取り付け、サンドイッチ状態で蓋をすることで、一つの組み立て品(ユニットにして)としてドア10へ取り付けるのである。
【0034】
なお、シリンダー14を取り付けた本体ケース30をドア10に装着した後、グラツキや水の進入を防ぐには、パッド36を使用する。そのため、前記パッド36は、裏面カバー34と同じ形状にしてある。
【0035】
このように構成されるドアロックでは、既設のドア10に装着する場合は、例えば、ドア10の室内側と室外側のドアハンドル11、12を邪魔にならないように外す。次いで、シリンダー14及びサムターン13からなるキーセットを取り外し、サムターン13を廃棄して、ドア10の内側にコントローラー20を取り付ける。このコントローラー20の取り付けは、アダプター25を介在させて行う。アダプター25は、図2のように、ドアの取り付け孔から錠箱Aに挿入しピン15で留めるようになっており、ピン15で留めたアダプター25にコントローラー20をネジ止めする。
【0036】
一方、取り外したシリンダー14は、本体ケース30に嵌めて裏面カバー34をネジ止めし、仮組み立て状態とする。そして、その仮組み立て状態で裏面カバー34から突出したシリンダー14の後端を錠箱Aに、ドアの取り付け孔を介して挿入し、図2のように、ピン15で留める。そして、プレート17をネジ止めし、ドアハンドル11、12を取り付ければ、図3のように組み立てが完了する。このとき、ドア10の厚みに合わせてスペーサー32を使用することは当然である。また、ケーブル47をコントローラー20と接続しておくことも当然である。
【0037】
使用においては、ユーザーが手を本体ケース30の指定された位置に近づけると、タッチセンサ基板44が作動し、コントローラー20を待機状態から作動状態に転換し、続いてICカードやトランスポンダーを翳すと、認証を経てドア10の施錠あるいは解錠が行われる。
【実施例1】
【0038】
図4に本願発明の実施例1の分解斜視図を示し、図5図4を組み立てて設置した状態の斜視図を示す。
【0039】
実施例1の技術思想は、実施形態と同じである。
すなわち、裏面カバー34が取り付けられた本体ケース50にシリンダー14を嵌め込み、一つの組み立て品(ユニットにして)としてドアへ取り付けることは同じである。
また、本体ケース50に収容される読み取り手段40は、インターフェース基板42、認証信号を受信するRF基板43、タッチ入力用のタッチセンサ基板44で構成されており、細部構成は実施形態と同じものである。
【0040】
一方、実施例1の本体ケース50は、図4に示すように、シリンダー14を本体ケース50の前方から装着するようにしたものである。
すなわち、本体ケース50は、貫通孔50aの内径が前方ほど大きくなるように段差を設けた形状となっている。
このため、シリンダー14は、シリンダー14の後端を本体ケース50の前方から貫通孔50bに挿入する。すると、シリンダー14は、径の大きな前面の開口から径の小さな孔50bの内側に挿入されて本体ケース50の貫通孔50bと緊密に結合される。このとき、貫通孔50bの段差は必ずしも一定である必要はなく、シリンダー14の抜き差しが円滑にできる程度とする。
また、本体ケース50に挿入したシリンダー14が抜けないように、前面に前面カバー(枠体)55を取り付ける。前面カバー55はドーナツ状で、その外周に内側へ折り曲げた縁55aを形成してある。そして、その縁55aの外周に複数のフック状の係合突起55bが一定の間隔で設けてある。前記係合突起55bは、本体ケース50の開口の内周に形成された溝50bに嵌るようになっている。
そのため、シリンダー14を前方から貫通孔50aに挿入して、挿入した貫通孔50aの開口に前面カバー55を嵌めると、前面カバー55の係合突起55bが開口の溝55bに嵌り、弾性的にかみ合って結合し、シリンダー14が外れるのを防ぐ。
【0041】
このように構成されるドアロックでは、既設のドア10への装着は、まず、ドア10の室内側と室外側のドアハンドル11、12とシリンダー14及びサムターン13からなるキーセットを取り外し、サムターン13を廃棄して、ドア10の内側にコントローラー20を取り付ける。このコントローラー20の取り付けは、先にも述べたように、アダプター25を介在させて行う。すなわち、錠箱Aにピン15で留めたアダプター25にコントローラー20をネジ止めする。
一方、取り外したシリンダー14は、例えば、裏面カバー34をネジ止めした本体ケース50の前方から挿入し、前面カバー55を嵌めて仮組み立て状態にする。そして、裏面カバー34から突出したシリンダー14の後端をドア10の取り付け孔から錠箱Aに挿入し、図4のように、ピン15で留めて固定し、プレート17を取り付けて、図5のように組み立てを完了する。
このとき、ドア10の厚みに合わせてスペーサー32を使用することは実施形態と同じである。また、このとき、ケーブル47をコントローラー20と接続しておくことも実施形態と同じである。
【0042】
使用においても実施形態と同じである。
すなわち、ユーザーが手を本体ケース50の指定された位置に近づけると、タッチセンサ基板44が作動し、コントローラー20を待機状態から作動状態に転換し、続いてICカードやトランスポンダーを翳すと、認証を経てドア10の施錠あるいは解錠が行われる。
【0043】
なお、図2のように、本体ケース30、50の前面にカバー板39をつけても作動に支障はないため、図5のように、シリンダー14の前面にカバー板39を取り付けて鍵を使用しないようにもできる。
【0044】
また、本願発明は、記載された実施形態あるいは実施例1に限定されるものではなく、本願発明の思想及び範囲を外さなければ、様々に修正、変形が可能なのは、この技術の分野である程度の知識を持つ者には自明である。したがって、それら変形や修正例は、本願発明の特許請求範囲に属していると言える。
【符号の説明】
【0045】
10 ドア
11 室内側ドアハンドル
12 室外側ドアハンドル
13 サムターン
14 シリンダー
15 ピン
16a デッドボルト
16b ラッチ
20 コントローラー
30 本体ケース
32 スペーサー
34 裏面カバー
34a 切り込み溝
36 パッド
39 カバー板
40 非接触読み取り手段
42 インターフェース基板
43 RF基板
44 タッチセンサ基板
50 本体ケース
52 スペーサー
55 前面カバー
55a 縁
55b 係合突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6