【文献】
GREEN, J.A. et al.,"The establishment of an ELISA for the detection of pregnancy-associated glycoproteins (PAGs) in the serum of pregnant cows and heifers.",THERIOGENOLOGY,2005年 3月15日,Vol.63, No.5,P.1481-1503
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ATCC寄託番号PTA−8566の下に寄託された単離細胞、または配列番号3のポリペプチド配列および配列番号4のポリペプチド配列を含む抗体を産生するその子孫細胞。
PAG4、PAG6、PAG9、PAG16、PAG17、PAG19、PAG20およびPAG21に特異的に結合する抗体重鎖または軽鎖ドメインをコードする単離ポリヌクレオチドであって、前記重鎖または軽鎖ドメインが、
a)配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有するポリペプチド配列;
b)配列番号2と少なくとも92%の配列同一性を有するポリペプチド配列;
c)配列番号1を含むポリペプチド配列;および
d)配列番号2を含むポリペプチド配列
から成る群より選択される、単離ポリヌクレオチド。
PAG4、PAG6、PAG9、PAG16、PAG17、PAG19、PAG20およびPAG21に特異的に結合する抗体重鎖または軽鎖ドメインを含む単離ポリペプチドであって、前記重鎖または軽鎖ドメインが、
a)配列番号1と少なくとも97%の配列同一性を有するポリペプチド配列;
b)配列番号2と少なくとも92%の配列同一性を有するポリペプチド配列;
c)配列番号1を含むポリペプチド配列;および
d)配列番号2を含むポリペプチド配列
から成る群より選択される、単離ポリペプチド。
【発明を実施するための形態】
【0032】
妊娠を検出するいくつかのアッセイが利用可能であるにもかかわらず、特に分娩後2〜3か月以内またはより早期に交配されるウシにおいて、妊娠の正確で早期の検出のための改善されたアッセイを提供する必要性が残されている。本発明のいくつかの実施形態は、ウシの妊娠の指標であるPAGに結合する抗体、モノクローナル抗体2D9などのポリペプチドと、動物から得た試料中のPAGとの結合を測定する呈色試験を実施することによってウシの妊娠状態を決定する方法に関する。呈色試験は受精後26日目などの早期に実施することができる。呈色試験は、試験管またはELISAプレートなどの様々な形式のいずれかで使用できる。特定実施形態では、試験は、二次抗体を用いるサンドイッチ免疫検定法の原理を利用する。青色などの色が陽性試験を指示し、透明な試験管が陰性試験を指示する。本発明の方法の実施形態は、人工受精後30日より前に容易に実施でき、高度に感受性で特異的である。さらに、多数の試料を同時に容易且つ迅速に分析することができ、このことは本発明の方法の価値をさらに高める。
【0033】
対象における妊娠を検出する方法において適用できる特定の新規PAG結合ポリペプチド、および本明細書で述べるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供される。残りの部分の開示は、本発明の様々な特徴およびそれらの実施を説明する。
【0034】
I.ポリペプチド
本明細書で述べる本発明のいくらかの実施形態は、配列番号1と97%より大きい配列同一性または配列番号2と92%より大きい配列同一性を有するPAG結合ドメインを含む、単離され、精製されたポリペプチドに関する。いくらかの実施形態では、PAG結合ドメインは、配列番号1と97.1%、97.3%、97.5%、97.7%、97.9%、98.1%、98.3%、98.5%、98.7%、98.9%、99.1%、99.3%、99.5%、99.7%、99.9%より大きいか、または100%の配列同一性を有する。いくらかの実施形態では、PAG結合ドメインは、配列番号2と92.2%、92.6%、93.0%、93.4%、93.8%、94.2%、94.6%、95.0%、95.4%、95.8%、96.2%、96.6%、97.0%、97.4%、97.8%、98.2%、98.6%、99.0%、99.4%、99.8%より大きいか、または100%の配列同一性を有する。
【0035】
本明細書で使用される「ポリペプチド」は、任意の長さの連続するアミノ酸セグメントを指す。本発明の方法のいくらかの実施形態では、使用されるポリペプチドは、配列番号1と97%より大きい配列同一性または配列番号2と92%より大きい配列同一性を有するアミノ酸配列をその配列内に含む、連続するアミノ酸である。当業者は、当業者に周知の多くの実験的方法のいずれかを使用し、本明細書で述べる開示を考慮してそのようなポリペプチドを作製する方法を理解する。
【0036】
「パーセント配列同一性」という用語は、当該技術分野において公知のように、配列を比較することによって決定される、2以上のポリペプチド配列または2以上のポリヌクレオチド配列の間の関係である。当該技術分野では、「同一性」もまた、一連のそのような配列間の一致によって決定される、場合によってポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の方法によって容易に算定でき、そのような方法は、Computational Molecular Biology(1988);Biocomputing:Informatics and Genome Projects(1993);Computer Analysis of Sequence Data,Part I(1994);Sequence Analysis in Molecular Biology(1987);およびSequence Analysis Primer(1991)に記載されているものを含むが、これらに限定されない。同一性を決定するための好ましい方法は、試験する配列間で最大の一致が得られるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムにおいて体系化されている。配列アラインメントおよびパーセント同一性の算定は、LASERGENEバイオインフォマティクスコンピュータパッケージソフトのMegalignプログラム(DNASTAR Inc.,Madison,Wis.)を用いて実施し得る。配列の多重アラインメントは、Clustal法のアラインメント(HigginsとSharp(1989))をデフォルトパラメータ(ギャップペナルティー=10、ギャップ長ペナルティー=10)で使用して実施し得る。Clustal法を使用したペアワイズアラインメントについてのデフォルトパラメータは、KTUPLE 1、ギャップペナルティー=3、ウインドウ=5およびダイアゴナルズセイブド(DIAGONALS SAVED)=5である。
【0037】
「ポリペプチド」の定義において固有であるのは、分子の定義された部分内で作製されてよく、且つ、依然として許容されるレベルの配列同一性または機能、例えば、PAGに結合する能力を備えた分子を生じさせ得る変化の数に制限があるという概念であることは当業者によってよく理解されている。
【0038】
ポリペプチドが指定される配列同一性を保持する限り、任意の長さのアミノ酸配列が本明細書で述べるポリペプチドの定義の中で意図される。本明細書で述べるポリペプチドのPAG結合ドメインは、C末端またはN末端のいずれかに付加的なアミノ酸を有し得る。例えば、ポリペプチド等価物は、PAG結合ドメインのC末端またはN末端のいずれかに結合した4、5、6、7、8、9、10、15、20、50、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはより多数の付加的な核酸を含み得る。
【0039】
言うまでもなく、異なる置換を有する複数の別個のポリペプチドが本発明に従って容易に作製され、使用され得る。
【0040】
本発明は、天然源からまたは組換え生産された物質から精製されたポリペプチドを利用し得る。当業者は、組換え生産された物質からこれらのポリペプチドを生成する方法を理解している。この物質は、天然に合成されるタンパク質の中の20の共通アミノ酸、または1もしくは複数の修飾もしくは異常アミノ酸を使用し得る。一般に、「精製された」とは、様々な他のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを除去するための分画に供されたポリペプチド組成物であって、その活性を実質的に保持するポリペプチド組成物を指す。精製は、そのポリペプチドが主要な種である場合、実質的精製であり、または精製レベルが正確な分解配列決定を許容する場合、均一精製であり得る。
【0041】
アミノ酸配列変異体は本発明に包含され、「ポリペプチド」の定義に含まれる。ポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、置換変異体または挿入変異体であり得る。挿入変異体は、典型的にはペプチド内の非末端部位における物質の付加を含む。これは、数個の残基;免疫反応性エピトープ;または単に1個の残基の挿入を含み得る。付加された物質は、例えば、メチル化、アセチル化等によって修飾され得る。あるいは、付加的な残基がペプチドのN末端またはC末端に付加され得る。
【0042】
アミノ酸置換は、一般にアミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、大きさ等に基づく。アミノ酸側鎖置換基の大きさ、形状およびタイプの分析は、アルギニン、リシンおよびヒスチジンがすべて正に荷電した残基であること;アラニン、グリシンおよびセリンがすべて類似の大きさであること;ならびにフェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンのすべてが概ね類似の形状を有することを明らかにする。それゆえ、これらの考慮事項に基づき、アルギニン、リシンおよびヒスチジン;アラニン、グリシンおよびセリン;ならびにフェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、本明細書では生物学的な機能的等価物と定義される。
【0043】
変化を作製する場合、アミノ酸の疎水親水指数が考慮され得る。各々のアミノ酸には、それらの疎水性と電荷特性に基づき疎水親水指数が割り当てられており、これらは以下のとおりである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。
【0044】
タンパク質に相互作用性の生物学的機能を付与する場合の疎水親水アミノ酸指数の重要性は当該技術分野において一般的に理解されている(参照により本明細書に組み込まれる、KyteとDoolittle,1982)。特定のアミノ酸が、類似の疎水親水指数またはスコアを有する他のアミノ酸に置換されて、なおも同様の生物学的活性を保持し得ることは公知である。疎水親水指数に基づいて変化を作製する場合は、疎水親水指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、±0.5以内であるものがさらに一層好ましい。
【0045】
アミノ酸が、類似の親水性値を有する別のアミノ酸で置換され、なおも生物学的に等価のタンパク質を与え得ることは理解されている。米国特許第4,554,101号に詳述されるように、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リシン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。
【0046】
類似の親水性値に基づいて変化を作製する場合は、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、±0.5以内であるものがさらに一層好ましい。
【0047】
II.ポリヌクレオチド
本発明の様々な態様は、配列番号1と97%より大きい配列同一性または配列番号2と92%より大きい配列同一性を有するドメインを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本明細書で述べる他の実施形態は、配列番号1と97%より大きい配列同一性または配列番号2と92%より大きい配列同一性を有するドメインを含むポリペプチドをコードする、単離され、精製されたポリヌクレオチドに関する。また、配列番号5と98%より大きい配列同一性または配列番号6と95%より大きい配列同一性を有する核酸配列を含むポリヌクレオチドも開示される。配列番号5は、2D9の軽鎖をコードするcDNAの核酸配列を指し、配列番号6は、2D9の重鎖をコードするcDNAの核酸配列を指す。
【0048】
いくらかの実施形態では、前記ポリヌクレオチドは、配列番号5と98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%または100%の配列同一性を有する。いくらかの実施形態では、前記ポリヌクレオチドは、配列番号6と95.2%、95.4%、95.6%、95.8%、96.0%、96.2%、96.4%、96.6%、96.8%、97.0%、97.2%、97.4%、97.6%、97.8%、98.0%、98.2%、98.4%、98.6%、98.8%、99.0%、99.2%、99.4%、99.6%、99.8%より大きいか、または100%の配列同一性を有する。
【0049】
前記ポリヌクレオチドは、天然源から入手され得るかまたは当業者に公知の任意の方法を使用して化学合成され得る。本発明はまた、これらの配列の化学合成された変異体を包含する。
【0050】
ある実施形態では、他のエレメントを含む構築物、例えば、C−5プロピンピリミジンを含むものを使用することが望ましいと考えられる。ウリジンおよびシチジンのC−5プロピン類似体を含むオリゴヌクレオチドは、高い親和性でRNAに結合することが示された(Wagnerら、1993)。いくらかの実施形態では、前記ポリヌクレオチドは、PAGに結合し得る1または複数の付加的なアミノ酸セグメントをコードする。
【0051】
III.抗体および抗体フラグメント
本発明の特定実施形態は、抗体または抗体フラグメントを含む。「抗体」という用語は、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子を指すために使用され、Fab’、Fab、F(ab’)
2、単一ドメイン抗体(DAB)、Fv、scFv(一本鎖Fv)等のような抗体フラグメントを包含する。様々な抗体に基づく構築物およびフラグメントを作製し、使用するための手法は当該技術分野において周知である。抗体を作製し、特徴づけるための手段も当該技術分野で周知である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988参照)。
【0052】
「ミニ抗体」または「ミニボディ」も本発明に関する使用について意図される。ミニボディは、ヒンジ領域によってsFvから分離された、C末端にオリゴマー化ドメインを含むsFvポリペプチド鎖である。Packら(1992)。オリゴマー化ドメインは、付加的なジスルフィド結合によってさらに安定化され得る、自己会合するαへリックス、例えば、ロイシンジッパーを含む。オリゴマー化ドメインは、ポリペプチドの機能的結合タンパク質へのインビボでの折りたたみを促進すると考えられるプロセスである、膜を横断する一方向性フォールディング(vectorial folding)と適合性であるように設計される。一般に、ミニボディは当該技術分野で周知の組換え法を使用して生成される。例えば、Packら(1992);Cumberら(1992)参照。
【0053】
抗体様結合ペプチドミメティックも本発明において意図される。Liuら、2003は、短縮抗体(pared−down antibodies)として働き、より長い血清中半減期ならびにより簡単な合成方法という特定の利点を有するペプチドである、「抗体様結合ペプチドミメティック(ABiP)」を述べている。
【0054】
モノクローナル抗体(MAb)は、いくつかの利点、例えば、再現性および大規模生産などの利点を有することが認識されており、それらの使用は一般に好ましい。本発明は、それゆえ、ヒト、マウス、サル、ラット、ハムスター、ウサギ、およびさらにはニワトリ起源のモノクローナル抗体を提供する。作製が容易であり、試薬が容易に入手できることから、マウスモノクローナル抗体がしばしば好ましい。
【0055】
しかしながら、ヒト定常領域および/または可変領域ドメインを担持するマウス、ラットまたは他の種からのキメラ抗体、二重特異性抗体、組換えおよび操作された抗体、ならびにそれらのフラグメントと同様に、「ヒト化」抗体も意図される。本明細書で使用される、「ヒト化」免疫グロブリンという用語は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(通常はマウスまたはラット)免疫グロブリンからの1または複数の相補性決定領域(CDR)を含む免疫グロブリンを指す。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは「アクセプター」と呼ばれる。「ヒト化抗体」は、ヒト化軽鎖とヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体である。
【0056】
「抗体」という用語は、酵素切断、ペプチド合成または組換え技術などの、しかしこれらに限定されない任意の公知の手法によって提供される、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、キメラ抗体、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、可溶性または結合形態で標識できる抗体、ならびにそのフラグメント、領域または誘導体を包含する。本明細書で述べる抗体はPAGに結合することができる。
【0057】
「ポリクローナル抗体」は、本明細書では、抗原で免疫された動物の血清に由来する抗体分子の不均一な集団を指すと定義される。これらの種々の抗体は、同じ抗原上のいくつかのエピトープを認識し得る。「モノクローナル抗体」は、抗原に特異的な抗体の実質的に均一な集団を含み、前記集団は実質的に類似のエピトープ結合部位を含む。MAbは当業者に公知の方法によって入手し得る。例えば、その内容が各々参照により本明細書に組み込まれる、KohlerとMilstein,1975;米国特許第4,376,110号;Ausubelら、1992);HarlowとLane,1988;Colliganら、1993参照。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、GILDおよびその任意のサブクラスを含む、任意の免疫グロブリンクラスのものであり得る。本発明のmAbを産生するハイブリドーマは、インビトロ、インサイチューまたはインビボで培養され得る。インビボまたはインサイチューでの高い力価のmAbの生産により、これは現在好ましい生産方法となっている。
【0058】
「キメラ抗体」は、その種々の部分が異なる動物種に由来する分子、例えば、マウスmAbに由来する可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域を有するものであり、これらは主として、適用される際の免疫原性を低下させ、生産の収率を高めるために使用される。キメラ抗体およびその生産のための方法は当該技術分野において公知である。例示的な生産方法は、各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Cabillyら、1984;Boulianneら、1984;およびNeubergerら、1985に記載されている。
【0059】
「抗イディオタイプ抗体」(抗Id)は、一般に抗体の抗原結合部位に関連する固有の決定基を認識する抗体である。Id抗体は、mAbの供給源と同じ種および遺伝子型(例えば、マウス系統)の動物を、それに対する抗Idを作製しようとするmAbで免疫することによって作製され得る。免疫された動物は、これらのイディオタイプ決定基に対する抗体(抗Id抗体)を産生することによって免疫抗体のイディオタイプ決定基を認識し、それに応答する。そのような抗体を作製する例示的な方法は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,699,880号に認められる。
【0060】
本発明の抗体は、少なくとも1本の重鎖、少なくとも1本の軽鎖、重鎖定常領域、重鎖可変領域、軽鎖可変領域および/または軽鎖定常領域を含んでよく、ポリクローナルAb、モノクローナルAb、そのフラグメントおよび/または領域は、PAGの一部に結合する少なくとも1つの重鎖可変領域または軽鎖可変領域を含む。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態は、動物から試料を得ること、その試料を、boPAG4、boPAG6、boPAG9、boPAG20および/またはboPAG21の1または複数と結合するドメインを含む抗体または抗体フラグメントと接触させること、ならびに試料中のPAGと前記抗体または抗体フラグメントの接触を検出することであって、ここでPAGの検出が、動物が妊娠していることを示す、動物において妊娠を検出するための方法に関する。当業者に公知の任意の方法が、PAGに結合する抗体を同定するために使用できる。IgGの可変領域を定義するための方法を取り上げた参考文献の例は、参照により本明細書に組み込まれる、Moら(1993)およびLeibigerら(1999)を含む。
【0062】
IV.検出方法およびアッセイ形式
本発明のいくつかの実施形態は、動物から得た試料を本明細書で提供される抗体と接触させること、および試料中の少なくとも1つの妊娠関連抗原を検出することであって、ここでPAGの検出が、動物が妊娠していることを示す、動物において妊娠を検出する方法に関する。当業者に公知の任意の方法が、試料中のPAGに結合した抗体または抗体フラグメントを検出するために使用できる。
【0063】
本発明は、それゆえ、PAGの免疫学的検出における抗体の使用を提供する。種々の有用な免疫検出法が、例えば、Nakamuraら(1987)などの学術文献に記載されている。免疫検定法は、それらの最も単純で直接的な意味において、結合アッセイである。ある種の免疫検定法は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)および放射免疫検定法(RIA)である。組織切片を使用した免疫組織化学的検出法も特に有用である。しかしながら、検出はそのような手法に限定されず、ウエスタンブロット法、ドットブロット法、FACS分析等も本発明に関連して使用し得ることは容易に認識される。
【0064】
一般に、免疫結合法は、タンパク質、ペプチドまたは抗体を含むことが疑われる試料を得ること、および免疫複合体の形成を可能にするために有効な条件下で、場合によって、本発明に従って抗体またはタンパク質またはペプチドと試料を接触させることを含む。好ましい試料は、本発明によれば、乳、尿、血液、血清または唾液などの体液である。
【0065】
特定実施形態では、抗体は試験管またはウエルの内壁などの固体支持体に結合され、PAGを含むことが疑われる試料が、固定化された抗体に適用される。
【0066】
抗体被覆された試験管系は、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,646,346号および国際公開公報WO98/16832に記載されている。PAG−抗体複合体の存在を、その後、特定条件下で検出することができる。場合により、そのような免疫複合体を定量してもよい。
【0067】
選択した生物学的試料を、免疫複合体(一次免疫複合体)の形成を可能にするために有効な条件下で、そのために十分な時間、抗体と接触させることは、一般に、単に抗体組成物を試料に添加し、抗体が試料中に存在する何らかのPAGと免疫複合体を形成する、すなわち結合するのに十分な時間、前記混合物をインキュベートすることである。この時間後、試料−抗体組成物を、一般に、何らかの非特異的に結合した抗体種を除去するために洗浄し、一次免疫複合体中の特異的に結合した抗体だけが検出されるようにする。
【0068】
一般に、免疫複合体形成の検出は当該技術分野において周知であり、数多くのアプローチの適用を介して達成され得る。これらの方法は、一般に、放射性、蛍光、生物学的および酵素タグのいずれかのような、標識またはマーカーの検出に基づく。そのような標識の使用に関する米国特許は、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号および同第4,366,241号を含む。タンパク質の免疫学的測定のための方法および前記方法を実施するためのキットは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,721,105号に認められる。
【0069】
特定実施形態では、前記方法は、当該技術分野で公知のように、第二の抗体および/またはビオチン/アビジンリガンド結合形態(ligand binding arrangement)などの二次結合リガンドの使用を含む。検出において使用される二次抗体は、それ自体が検出可能な標識に連結されていてもよく、その後、単にこの標識を検出し、それによって組成物中の一次免疫複合体の量が測定され得る。免疫捕捉、ビオチン/アビジン増幅、およびホースラディッシュペルオキシダーゼ発色を使用した被検試料中の生体分子の検出のための方法は、米国特許出願公開番号2003/508381に認められる。
【0070】
通常、一次免疫複合体は、PAGまたはPAG特異的な最初の抗体に対して結合親和性を有する第二の結合リガンドによって検出され得る。これらの場合、第二の結合リガンドは検出可能な標識に連結され得る。第二の結合リガンドはしばしばそれ自体が抗体であり、それゆえ「二次」抗体と称され得る。二次免疫複合体の形成を可能にするために有効な条件下で、そのために十分な時間、一次免疫複合体を、標識した二次結合リガンドまたは抗体と接触させる。次に二次免疫複合体を、一般に、何らかの非特異的に結合した標識二次抗体またはリガンドを除去するために洗浄し、その後二次免疫複合体中の残りの標識を検出する。
【0071】
さらなる方法は、2段階アプローチによる一次免疫複合体の検出を含む。PAGに対して結合親和性を有する抗体または抗PAG抗体などの第二の結合リガンドを使用して、上述したように二次免疫複合体を形成する。第二の結合リガンドは、基質を検出可能な生成物へとプロセシングし、それゆえ、経時的にシグナルを増幅することができる酵素を含む。洗浄後、二次免疫複合体を基質と接触させ、検出を可能にする。
【0072】
本発明の1つの実施形態では、酵素結合免疫検定法(ELISA)を使用し得る。例えば、Engvall,1980;Engvall,1976;Engvall,1977;Gripenbergら、1978;Maklerら、1981;Sarangadharanら、1984参照。ELISAは、実験室条件下での取り扱いを容易にするために物質がプラスチックなどの固体支持体に受動的に吸着されることを可能にする。ELISAに関する包括的な説明については、当業者は、“ELISA;Theory and Practise”(Crowther,1995)が参照できる。
【0073】
ELISA法の感受性は、使用される酵素の代謝回転および酵素反応の生成物の検出の容易さに依存する。これらのアッセイ系の感度の増強は、酵素に対する蛍光および放射性基質の使用によって達成され得る。本発明に包含される免疫検定法は、米国特許第4,367,110号(二重モノクローナル抗体サンドイッチアッセイ)および米国特許第4,452,901号(ウエスタンブロット法)に記載されているものを含むが、これらに限定されない。他のアッセイは、インビトロおよびインビボの両方での、標識リガンドの免疫沈降法および免疫細胞化学を含む。
【0074】
1つの実施形態では、本発明は、本発明の抗PAG抗体をポリスチレンマイクロタイタープレートのウエル、試験管または試験紙などの選択した表面に固定化する、「サンドイッチ」ELISAを含む。次に、PAGを含むことが疑われる試験組成物、例えば、臨床試料を前記表面と接触させる。結合させ、非特異的に結合した免疫複合体を除去するために洗浄した後、結合抗原をPAGに対する第二の抗体によって検出し得る。
【0075】
もう1つの例示的ELISAでは、試料からのポリペプチドを表面に固定化し、抗PAG抗体と接触させる。結合させ、非特異的に結合した免疫複合体を除去するために洗浄した後、結合抗体を検出する。最初の抗体が検出可能な標識に連結されている場合は、一次免疫複合体を直接検出し得る。あるいは、第二の抗体が検出可能標識に連結されている場合は、第一の抗体に対して結合親和性を有する第二の抗体を使用して免疫複合体を検出し得る。
【0076】
PAGが固定化されているもう1つのELISAは、検出における抗体競合の使用を含む。このELISAでは、標識抗体をウエルに添加し、PAGに結合させて、それらの標識によって検出する。試料中のPAGの量は、被覆したウエルとのインキュベーションの前またはインキュベーションの間に試料を標識抗体と混合することによって測定される。試料中のPAGの存在は、ウエルへの結合のために利用可能な抗体の量を低減し、それゆえ最終的なシグナルを低減するように働く。
【0077】
使用される形式にかかわりなく、ELISAは、被覆、インキュベーションまたは結合、非特異的結合種を除去するための洗浄、および結合免疫複合体の検出などの、共通するいくつかの特徴を有する。プレートを抗原または抗体のいずれかで被覆する場合、一般にプレートのウエルを抗原または抗体の溶液と共に一晩または指定された時間インキュベートする。次にプレートのウエルを洗浄して、不完全に吸着された物質を除去する。その後、ウエルの残りの利用可能な表面を、試験抗血清に対して抗原的に中性である非特異的タンパク質で「被覆」する。これらは、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、粉乳の溶液または他の抗原的に中性のタンパク質を含み得る。被覆は、固定化表面上の非特異的吸着部位をブロックすることを可能にし、それゆえ、表面への抗血清の非特異的結合によって引き起こされるバックグラウンドを低減する。
【0078】
「免疫複合体(抗原/抗体)の形成を可能にするために有効な条件下で」は、条件が、好ましくは、抗原および抗体をBSA、ウシγグロブリン(BGG)、無糖練乳または粉乳、およびリン酸緩衝食塩水(PBS)/TWEENなどの溶液で希釈することを含むことを意味する。これらの添加物質はまた、非特異的バックグラウンドの低減を助ける傾向がある。
【0079】
「適切な」条件も、インキュベーションが有効な結合を可能にするために十分な温度および期間であることを意味する。インキュベーション工程は、典型的には約1時間〜2時間〜4時間で、好ましくは約25℃〜27℃の温度であり、または約4℃前後で一晩であってもよい。
【0080】
検出手段を提供するため、第二または第三の抗体は、検出を可能にする関連標識を有する。しばしば、これは、適切な発色基質と共にインキュベートしたとき色の発現を生じさせる酵素である。それゆえ、例えば、第一または第二の免疫複合体を、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたは水素ペルオキシダーゼ結合抗体と接触させ、前記抗体と共に、さらなる免疫複合体形成の進行に好ましい期間および条件下でインキュベートすること(例えば、PBS−TWEENなどのPBS含有溶液中にて室温で2時間のインキュベーション)が望ましい。
【0081】
標識抗体とのインキュベーション後、および非結合物質を除去するための洗浄の後に、例えば、ペルオキシダーゼが酵素標識である場合は、尿素とブロモクレゾールパープルまたは2,2’−アジド−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホン酸[ABTS]とH
2O
2のような発色基質とのインキュベーションによって、標識の量を定量化する。次に、例えば、可視スペクトルの分光光度計を使用して、色の生成の程度を測定することによって定量化が達成される。
【0082】
ELISAの変法は、ユニバーサルな検出系として標識酵素RVV−XAと組み合わせた凝固カスケードを使用する、酵素結合凝固アッセイまたはELCA(米国特許第4,668,621号)である。本発明にとってのこの系の利点は、凝固反応が多種多様な緩衝液に存在下に生理的pHで実施できることである。それゆえ、複雑な分析物の完全性を保持することが可能である。
【0083】
免疫組織化学(IHC)も、本発明に従ってPAGの同定において使用し得る。これは、新鮮凍結組織ブロックと、IHCによる試験から調製した、ホルマリン固定し、パラフィン包埋した組織ブロックの両方の試験を含む。例えば、各々の組織ブロックは、残留「粉砕(pulverized)」胎盤組織50mgから成る。これらの微粒子標本から組織ブロックを調製する方法は、例えば、乳房における、これまでの様々な予後因子のIHC試験において成功裏に使用されており、当業者に周知である(Brownら、1990;Abbondanzoら、1990;Allredら、1990)。
【0084】
簡単に述べると、凍結切片は、凍結した「粉砕」胎盤組織50mgを、小さなプラスチックカプセル内でリン酸緩衝食塩水(PBS)にて室温で再水和し、遠心分離によって粒子をペレット化して、それらを粘性包埋剤(OCT)に再懸濁し、カプセルを反転させて、遠心分離によって再びペレット化し、−70℃のイソペンタン中で瞬間凍結して、プラスチックカプセルを切断し、凍結組織柱(frozen cylinder of tissue)を取り出して、組織柱を低温ミクロトームのチャック(cryostat microtome chuck)上に固定し、平均約500の著明に無傷の胎盤細胞を含む25〜50の連続切片を切り出すことによって調製し得る。
【0085】
永久切片は、試料50mgをプラスチック微量遠心管において再水和し、ペレット化して、10%ホルマリンに再懸濁して4時間固定し、洗浄/ペレット化して、温かい2.5%寒天に再懸濁し、ペレット化して、氷水中で冷却して寒天を固化し、組織/寒天ブロックを微量遠心管から取り出して、そのブロックをパラフィン中に浸潤させて包埋し、50までの連続永久切片を切り出すことを含む、同様の方法によって調製し得る。
【0086】
V.タンパク質の精製
いくつかの実施形態は、単離もしくは精製されたポリペプチド、または単離もしくは精製されたポリペプチドを使用する方法に関する。タンパク質精製技術は当業者に周知である。これらの技術は、あるレベルでは、細胞環境をポリペプチド画分と非ポリペプチド画分に粗分画することを含む。ポリペプチドが他のタンパク質から分離されれば、対象とするポリペプチドをクロマトグラフィーまたは電気泳動技術を使用してさらに精製し、部分的または完全な精製(または均一精製)を達成し得る。純粋なペプチドの調製に特に適する分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は、高速タンパク質液体クロマトグラフィー、さらにはHPLCである。
【0087】
本発明のいくつかの態様は精製に関し、特定実施形態では、コードされるタンパク質またはポリペプチドの実質的な精製に関する。本明細書で使用される「精製されたポリペプチド、タンパク質またはペプチド」という用語は、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図されており、その場合、タンパク質またはペプチドは、その天然に得られる状態と比較して任意の程度に精製されている。精製タンパク質またはペプチドはまた、それゆえ、それが天然に存在し得る環境から解き放たれたタンパク質またはペプチドを指す。
【0088】
一般に、「精製された」は、様々な他の成分を取り除くための分画に供されたタンパク質またはペプチド組成物であって、その発現される生物活性を実質的に保持する組成物を指す。「実質的に精製された」という用語が使用される場合、この呼称は、そのタンパク質またはペプチドが組成物の主要成分を形成する、例えば、組成物中のタンパク質の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%またはより多くを構成する組成物を指す。
【0089】
タンパク質精製における使用に適する様々な技術は当業者に周知である。これらは、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体等による沈殿、または夾雑タンパク質の熱もしくは酸性pHによる変性とそれに続く遠心分離;イオン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシルアパタイトおよびアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー工程;等電点電気泳動;ゲル電気泳動;ならびにそのような技術や他の技術の組合せを含む。一般に当該技術分野で公知のように、様々な精製工程を実施する順序は変更し得る、または特定の工程を省略して、なおも実質的に精製されたタンパク質またはペプチドを調製するための適切な方法を生じさせ得ると考えられる。
【0090】
ポリペプチドが常にその最も精製された状態で提供されるという一般的な必要条件はない。実際に、それほど実質的に精製されていない生成物がいくつかの実施形態で有用性を有することが考慮される。部分的精製は、より少ない精製工程を組み合わせて使用することによって、または同じ一般的精製スキームの異なる形態を利用することによって達成され得る。例えば、HPLC装置を利用して実施される陽イオン交換カラムクロマトグラフィーは、一般に低圧クロマトグラフィーシステムを利用する同じ手法よりも「倍数」レベルの高い精製を生じさせる。より低い度合の相対的精製を示す方法は、タンパク質生成物の全体回収において、または発現されるタンパク質の活性を維持するうえで利点を有し得る。
【0091】
VI.キット
さらなる実施形態では、本発明は、PAGの検出のための上述した免疫検出に関する使用のためのキット、例えば、ウシにおける妊娠を診断するための免疫検出キットを提供する。特定実施形態では、配列番号1と97%より大きい配列同一性または配列番号2と92%より大きい配列同一性を有するドメインを含む抗体がキットに含まれる。キットは1または複数の容器を含み得る。容器は、例えば、バイアル、チューブ、フラスコ、バイアルまたは注射器であり得る。
【0092】
特定実施形態では、抗体はモノクローナル抗体2D9である。特定実施形態では、キットは、あらかじめ結合された抗体を有する1または複数のチューブまたはマイクロタイタープレートのウエルを含む。あるいは、キットは、カラムマトリックスにあらかじめ結合された抗体を含み得る。キットは、単一試料のアッセイまたは2以上の試料のアッセイを可能にし得る。いくらかの実施形態では、キットは、多数の試料の同時または連続的免疫検出を可能にする、抗体で被覆された複数のマイクロタイタープレートまたはチューブを含む。
【0093】
キットの免疫検出試薬は、所与の抗体に関連するおよび/または連結された検出可能な標識を含む、様々な形態のいずれか1つをとり得る。二次結合リガンドに関連するおよび/または連結された検出可能な標識も意図される。例示的な二次リガンドは、第一抗体に対して結合親和性を有する二次抗体である。
【0094】
いくらかの実施形態では、キットは、第一抗体に対して結合親和性を有する二次抗体を含む。第二の抗体は、検出可能標識に連結されていてもよくまたは連結されていなくてもよい。いくらかのさらなる実施形態では、キットは、第二の抗体に対して結合親和性を有する第三の抗体を含み、前記第三の抗体は検出可能標識に連結されている。上記のように、多くの例示的な標識が当該技術分野において公知であり、および/またはすべてのそのような標識が本発明に関連して使用され得る。
【0095】
キットは、場合により、陽性対照を提供するためにPAGの適切に等分された組成物を含む。キットの成分は、水性媒質中でおよび/または凍結乾燥形態で包装され得る。
【0096】
VII.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を明らかにするために含まれるものである。以下の実施例において開示される技術は、本発明の実施において良好に機能するように本発明者によって発見された手法であり、それゆえ、その実施のための好ましい様式を構成するとみなし得ることが当業者に認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本発明の開示に照らして、開示される特定実施形態において多くの変更を加えることができ、なおも本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様のまたは類似の結果を得ることができることを認識するべきである。
【実施例1】
【0097】
2D9結合PAGの同定
2D9に結合するタンパク質を同定するため、2D9抗体を特徴づけ、配列決定するため、および2D9へのPAGの結合部位をマッピングするための試験を実施した。これを達成するため、2つのアプローチ(以下で述べる)を採用した。
【0098】
材料および方法
2D9被覆磁気ビーズによるPAGの免疫沈降反応。
精製2D9を、製造者の指示(Dynal)に従って、トシル活性化Dynal磁気ビーズに結合した。抗体被覆した磁気ビーズをPAG富化製剤(55日目の胎盤から得た)100μgと共に1×PBS中で30分間インキュベートし、同じ緩衝液で十分に洗浄した。pH3.0の酢酸を使用して結合タンパク質を溶出し、ゲル電気泳動とウエスタンブロット分析に供した。ウエスタンブロットをウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開した。免疫反応性タンパク質バンドをSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供した(
図3)。
【0099】
妊娠55日目のウシの子宮小丘(子宮内膜)および胎盤分葉(胎盤)組織から調製した組織抽出物のイムノアフィニティークロマトグラフィー。簡単に述べると、精製2D9(10mg)を、製造者の指示(Sigma,St.Louis)に従って、CNBr活性化セファロース1gに結合した。2D9親和性樹脂(約5.0ml)を、pH7.0で組織抽出物25mlと共に結合のために一晩インキュベートした。翌日、樹脂をカラムに充填し、1×PBSで洗浄して非結合物質を除去し、pH3.0の酢酸で溶出した。溶出した物質のpHを、溶出の直後に1M TrisでpH7.0に中和した。溶出した物質をゲル電気泳動とウエスタンブロット分析に供した。ウエスタンブロットをウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開した。タンパク質バンド1〜7をSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供した(
図4)。BLAST解析を使用してペプチド配列の同一性を決定した。
【0100】
2D9に対するPAGの結合親和性を、2D9結合抗原をPAG標準品(イムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製した)として作成したELISAデータのlog−log変換(
図5)によって決定した。アッセイは、0.05ng/ml〜50ng/ml(0.083nM〜8.3nM)の範囲の一連のPAG標準品を用いて実施した。ELISAアッセイを8回反復した。データをSoftMax(商標)(Molecular Devices,Inc.,Sunnyvale,CA)で解析した。
【0101】
結果
2D9結合磁気ビーズによるPAGの免疫沈降反応。
磁気ビーズ溶出物質のSDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析は、67kDの単一タンパク質バンドを示した。ペプチドフィンガープリンティングおよびLC−MS−MS分析はこのタンパク質バンドをboPAG6と同定した(
図3)。しかしながら、この分析は免疫沈降実験のためにPAG富化製剤100μgを使用したので、2D9に結合するすべてのPAGを明らかにしたわけではなかった。この物質をpH5.0で胎盤組織抽出物のペプスタチンアフィニティークロマトグラフィーによって単離し、続いてpH9.5で溶出した。この製剤を、早期PAG抗原の富化製剤、「酸性PAG」とも称した。2D9に結合するすべてのPAGを同定するため、組織抽出物に関するイムノアフィニティークロマトグラフィーを実施した(以下参照)。
【0102】
2D9イムノアフィニティークロマトグラフィーで組織抽出物から精製したPAGの分析。
イムノアフィニティーカラムで溶出した物質のクマシーブルー染色は、分子量67kD、55kDおよび50kDの3つのタンパク質バンドを示した。3つのタンパク質バンドすべてが、ウサギ抗PAG抗体によるウエスタンブロット分析においても免疫反応性であることが認められた。これらの結果に基づき、SDS−PAGE後にすべてのタンパク質バンドを切り出し(
図4)、ペプチドフィンガープリンティングおよびLC−MS−MSに供した。生じたペプチド配列の同一性をBLAST解析によって決定した。表1は、BLAST解析によるペプチド配列結果およびboPAG−4、boPAG−6、boPAG−9、boPAG−20およびboPAG21配列に対応するPAGとしてのそれらの同定の要約を示す。表1中のパラメータの意味については、
図3の説明参照。
【0103】
【表1-1】
【0104】
【表1-2】
【0105】
【表1-3】
【0106】
【表1-4】
【0107】
【表1-5】
【0108】
この解析は、3つのタンパク質バンドの各々が2以上のPAGを有することを示した(表1)。67kDのバンドは、boPAG6およびboPAG20に対応するペプチドを含んでいた。55kDのタンパク質バンドは、boPAG6およびboPAG9に属するペプチドを含んでいた。50kDのタンパク質バンドはboPAG4とboPAG21に対応し、boPAG9を少量成分として含んでいた。これらの結果は、2D9モノクローナル抗体がboPAG4、boPAG6、boPAG9、boPAG20およびboPAG21に結合することを示す。このモノクローナル抗体は、5つのPAGすべてに共通するエピトープに結合する。配列比較は、これらのPAGの間で高い度合の配列同一性を示した。
【0109】
2D9結合PAGを標準品として使用することによって得たPAG ELISAの結果(
図5)を、SoftMax(商標)を用いてKd値を算定するために使用した。2D9のKd値は0.9nMと決定された(
図5)。それゆえ、2D9はPAGに対して高親和性のモノクローナル抗体である。これらの結果は、PAGモノクローナル抗体、2D9が、55日目の胎盤組織抽出物からのboPAG4、boPAG6、boPAG9、boPAG20およびboPAG21に結合することを示す。LC−MS−MSによって得たペプチド配列の同一性は、これらの5つのPAG(boPAG4、boPAG6、boPAG9、boPAG20およびboPAG21)のこれまでに特徴づけられた配列と一致した。
【実施例2】
【0110】
タンパク質およびmRNAの配列決定
精製2D9のタンパク質配列決定。
2D9のPAG抗原結合配列を同定するため、2D9の配列決定を実施した。2D9の配列決定は、タンパク質およびDNA配列決定法によって実施した。最初に、2D9抗体の重鎖と軽鎖を変性ゲル電気泳動によって分離した。ゲルのバンドを切り出し、別々にトリプシンおよびキモトリプシン酵素消化に供した。生じたペプチドを分離し、LC−MS−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析−質量分析)法によって配列決定した。質量分析および配列分析において>90%の信頼度スコアを有するペプチドを選択した。得られたペプチド配列を使用して、軽鎖配列の約80%および重鎖配列の約50%を構築した。
【0111】
2D9重鎖および軽鎖mRNAの配列決定。
2番目のアプローチでは、2D9重鎖および軽鎖に対応するmRNAを、2D9 PAGハイブリドーマ細胞から調製した全RNAによる逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)技術を使用して配列決定した。
【0112】
簡単に述べると、PAGモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を無血清組織培養培地で増殖させ、1×10
6細胞を生産した。細胞を遠心分離し、生じた細胞ペレットを液体窒素中で瞬間凍結した。細胞ペレットを使用時まで−80℃で保存した。第一の鎖の相補的DNA(cDNA)を、Ambion,Inc.,Austin,TXから購入したCell−to−cDNAキットIIを使用して作製した。ハイブリドーマ細胞のRNAを逆転写して、別途のRNA抽出工程なしでcDNAを作製した。生じたcDNA鋳型を、マウス重鎖および軽鎖のすべてのサブクラスを増幅するために設計されたプライマーのセットによるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用することによって軽鎖および重鎖を増幅するために使用した(Chardesら、1999)。生じたPCR産物を配列決定した。配列データをDNA STAR(商標)ソフトウエアパッケージで収集した。配列の正確さを確実にするために試験全体を反復した。PCR増幅および配列決定の2回目の反復には、対象範囲を増大させるために付加的なプライマーを含めた。
【0113】
配列分析は、2D9重鎖がマウスIgG1γサブクラスに由来し、軽鎖がκ型に由来することを示した。重鎖は448アミノ酸残基から成り、軽鎖は219アミノ酸残基から成った。2D9軽鎖のアミノ酸配列を配列番号3に示す。2D9重鎖のアミノ酸配列を配列番号4に示す。2D9軽鎖の核酸配列を配列番号5に示す(
図1)。2D9重鎖の核酸配列を配列番号6に示す(
図2)。
【実施例3】
【0114】
ウシにおける免疫検定法に基づく妊娠検査の実行可能性試験
乳牛の繁殖管理における28日目の早期妊娠検査の経済性を評価するため、大規模試験を実施した。試験動物は2つの異なる施設に所在し、1つはCalifornia、1つはWisconsinであった。各施設につき1,050頭の動物が割り当てられた。初期交配に続いて、以下で述べる免疫検定法に基づく妊娠検査、または標準的な触診を実施した。試料を翌日検査室に輸送した。試験は、ウサギ抗PAGポリクローナル抗体による最適化したサンドイッチELISAを使用した。PAG ELISAは、試行試験に基づき1.7ng/mlのカットオフ値を使用した。血液試料を28日目に採集し、妊娠検査のために検査室に輸送した。妊娠診断をPAG ELISAによって実施し、結果の報告を作成して、24時間以内に農場の職員に送達した。早期再同期化群についてはPAG試験からの妊娠診断結果に基づいて交配の決定が行われた。後期再同期化群(対照)についての交配の決定は、35〜45日目の触診に基づいて為された。2つの施設からの結果を
図6〜8に示す。
【0115】
図6は、超音波検査に基づく妊娠診断と比較した、PAG ELISAによる検査室ベースの妊娠診断の精度を示す。
図6は、2つの試験施設、WisconsinとCaliforniaにおける28日目の超音波検査での妊娠診断と比較した、検査室ベースのELISAを使用することによる28日目の妊娠診断の精度を示す。乳牛の繁殖管理における28日目の妊娠検査の経済性をこのβ試験において検討した。ポリクローナル抗体による検査室ベースのPAG ELISAを妊娠診断のために使用した。Wisconsinの施設は厳密な同時交配を使用したのに対し、Californiaの施設は同時交配プラス発情交配を使用した。各施設当たり約1000頭のウシを試験において使用した。血液試料を28日目に採集し、妊娠検査のために検査室に輸送した。交配の決定を可能にするため結果を24時間以内に農場に送達した。妊娠の状態を28日目の採血の時点で超音波検査によっても測定した。
【0116】
図7および
図8は、2つの異なる交配スキームで乳牛の繁殖管理における早期妊娠検出の経済性を測定するために使用した交配パラメータの結果を示す。結果は、対照群と比較して早期再同期化群では空胎日数の10〜15日間の有意の低減が存在することを明らかに示す。加えて、受精の間の日数の低減も両施設で認められた。
【0117】
これらの結果は、受精の27〜30日後のPAG ELISAによる早期妊娠検査が触診と比較してより早期の交配を可能にしたことを示す。早期妊娠検査は、ウシの再交配における「空胎日数」を有意に低減した。加えて、早期妊娠検査は受精の間の日数を有意に低減した。早期妊娠検査を伴う発情交配戦略は、受胎当たりの受精の回数を低減することが示された。
【実施例4】
【0118】
農場での検査の概念:ウシ妊娠検査(試験紙)
試験紙による「農場での(on−farm)」妊娠検査を開発するうえでの2D9の使用の実行可能性を評価するため、さらなる試験を実施した。試験紙は、家庭用妊娠検査で使用されるのと同じ技術である、側方流動技術を使用した。側方流動試験紙は、試料を適用する末端にコロイド状金結合抗体を有し、試験紙の中央部にはテストラインとして位置づけられた捕捉抗体を有する。試験抗原(PAG)が試料中に存在する場合には、金結合抗体が抗原に結合し、生じた複合体がテストラインの方へ移動する。テストラインにおいて、捕捉抗体(同じくPAGに対して惹起された)はこの複合体に結合し、ラインに集中する。十分な複合体が抗体サンドイッチとしてテストラインに保持されたとき、試験抗原に結合したコロイド状金標識抗体のために目に見える紫色のラインが出現する。抗体(捕捉抗体としての2D9を含む)の40以上の組合せを有する側方流動試験紙を作成し、試験した。試験したいずれの側方流動試験紙の組合せも、許容される感受性と特異性を生じなかった。結果として、他の迅速な診断検査形式を「農場での」検査を開発するために評価した。評価した形式の中で、内部フィンを有するプラスチックチューブが有望な結果を示した。このことから、チューブ形式を呈色試験としてのさらなる最適化のために選択した。
【実施例5】
【0119】
農場での検査の概念:ウシ妊娠検査(マルチウエルプレート)
さらなる試験において、確認された28日目の妊娠ウシから採集した血漿試料を使用して、呈色試験の感受性と特異性を測定した。試料溶液を2D9で被覆したマルチウエルプレートに移すことによって色の強さを測定した。プレートをプレートリーダー(SpectraMax,Molecular Devices,Inc.,CA)で読み取った。血漿パネルは、20の妊娠試料と20の空胎(非妊娠)試料から成った。各々の試料を2回検定した。40の試料から得た色強度の光学密度に基づき、0.2OD単位のカットオフ値をバックグラウンドの色として使用することにより、試験は100%の感受性と100%の特異性を示した(
図9)。
【実施例6】
【0120】
農場での検査の概念:ウシ呈色妊娠検査(プラスチックチューブ)
材料および方法。
以下のプロトコールは、2D9被覆プラスチックチューブによる妊娠検査のための最適化手順を述べる。検査は、K3EDTA採血管で収集した全血試料または血漿試料に関して実施することができる。
【0121】
材料。
内部リブを有するチューブ(No.214−2131−010)をEvergreen Scientific Company,Los Angeles,Californiaより購入した。PAGモノクローナル抗体、2D9およびウサギポリクローナル抗体は、プロテインGアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。ウサギポリクローナル抗体のビオチン標識化は、Rocheビオチン標識化キット(No.1−418−165,Roche Applied Science,Indianapolis,Indiana)を製造者の指示に従って使用して実施した。ストレプトアビジン−PolyHRP20(登録商標)(No.RDI−PHRP20−SA)はResearch Diagnostics,Inc,Concord,MAより購入した。Sure Blue Reserve(登録商標)(No.53−00−03)はKPL,Inc,Gaithersburg,MDより調達した。TWEEN20(登録商標)(No.37516)とSuperBlockはPierce Biotech,Rockford,ILより入手した。既知の濃度を有するリン酸緩衝食塩水(pH7.4)中の精製2D9モノクローナル抗体;被覆緩衝液:0.1M Na
2CO
3、pH9.3;洗浄緩衝液:0.05% Tween20を含む1×PBS;希釈緩衝液:洗浄緩衝液中の10%SuperBlock(商標)。
【0122】
ポリクローナル抗体のビオチン標識化。
精製ウサギポリクローナル抗体(1mg)を、キット製造者(Roche)による推奨手順に従ってビオチン標識化のために使用した。簡単に述べると、DMSO中の活性化ビオチン試薬7.6μlを1.5mlチューブ内のPBS溶液1.0ml中の抗体1mgに添加した。チューブを、45rpmに設定した回転振とう器上に室温で2時間置いた。この工程後、内容物を透析カセットSlide−A−lyzer(商標)(Pierce Biotech,No.63380)に移し、緩衝液を2回交換して1×PBSに対して4℃で16時間透析した。ビオチン標識IgGをSlide−A−lyzerから回収し、PBS中の1%BSAを含む1:100希釈保存溶液として保存した。この溶液を、妊娠検査のために使用の前に希釈緩衝液で1:2000に希釈した。
【0123】
チューブの抗体被覆。
精製モノクローナル抗体2D9を、チューブを被覆するために0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.3)で1.25μg/mlの濃度に希釈した。チューブを、被覆のために炭酸ナトリウム緩衝液0.4ml中の抗体0.5μgで4℃にて16〜18時間被覆した。インキュベーションのために、チューブを、堅く閉じた気密蓋と湿潤さのための湿ったペーパータオルの付いたプラスチック容器の内側に置き、4℃に保持した。インキュベーション後、抗体溶液を取り出し、チューブを洗浄緩衝液で2回洗った。次にチューブをSuperblock−TWEEN20 0.4mlで37℃にて1時間ブロックした。インキュベーション後、Superblockを取り出し、チューブを室温で2時間乾燥室に置くことによって乾燥した。この工程後、チューブを密封し、使用時まで湿度フリーのプラスチック容器において4℃で保存した。被覆したチューブは、検査性能の最小限の損失で6か月間使用可能であった。
【0124】
試料の採集。
OvSynch同期化プロトコールを使用してウシを発情同期化交配させた。約200頭のウシを各々の同時交配のために使用した。合計815頭のウシを人工授精(AI)によって交配し、AIの日を0日目とした。26日目と28日目に、800頭のウシからの血液試料を抗凝固剤K3EDTA(BD No.366643)を含むチューブに採集し、翌日配達によって氷中で検査室に輸送した。血液試料を、受領後直接呈色試験において使用した。ウシを約29日目に超音波検査によって妊娠状態を確認し、約60日目に直腸触診によって再確認した。797頭のウシの妊娠診断データが試験の終了時に利用可能であり、検査の精度の分析のために使用した。
【0125】
呈色試験手順:
試料の移動を容易にするために血液試料を10回まで反転させることによって混合した。血液400μl(0.4ml)を各々のチューブに移し、チューブを37℃の水浴で15分間インキュベートした。このインキュベーション後、血液試料を吸引し、チューブを洗浄緩衝液(0.05% Tween20を含む1×PBS)で満たした。洗浄緩衝液を吸引し、チューブを洗浄緩衝液でさらに2回洗浄した。3回目の洗浄後、希釈緩衝液(洗浄緩衝液中に10%SuperblockT20(商標))に1:2000希釈したビオチン標識抗PAGポリクローナル抗体0.4mlを各々のチューブに添加し、水浴にて37℃で15分間インキュベートした。インキュベーション後、チューブを吸引し、洗浄緩衝液で2回洗浄した。次に、希釈緩衝液中のストレプトアビジン−PolyHRP20(1:30,000)0.4mlを各々のチューブに添加し、水浴にて37℃で15分間インキュベートした。3回目のインキュベーション後、各チューブの内容物を吸引し、チューブを洗浄緩衝液で2回洗浄した。次に、HRP基質、SureBlueReserve(商標)0.4mlを添加し、室温で15分間インキュベートした。インキュベーション後、妊娠ウシからの試料を添加したチューブにおいて深青色が認められた(
図10)。非妊娠動物からの試料を添加したチューブは透明なままであった(
図10)。色を目視で読み取って、妊娠状態を推測することができる。しかしながら、検査室において色を定量化するため、等容量(0.4ml)の反応停止溶液(1N HCl)を各々のチューブに添加して、青色を黄色にした。次に各々の試料からのアリコート(0.2ml)をELISAプレートに移し、光学密度を430nmで記録した。0.2に等しいまたはそれ以上のOD値を「妊娠」とみなし、それより下の値を「空胎」とみなした。0.2ODの色強度カットオフ値は、妊娠診断のために使用した血漿試験パネル試料に関して事前に確立した。
【0126】
以下はチューブ試験手順のための工程の簡単な要約である:
1.試料400μlを添加する、37℃で15分間
2.血液については3回、血漿については2回洗浄する
3.ビオチン標識400μlを添加する、37℃で15分間
4.2回洗浄する
5.PolyHRP20 400μlを添加する、37℃で15分間
6.2回洗浄する
7.SureBlueReserve(商標)400μlを添加する
8.読み取る−5分間〜15分間(青色=妊娠;透明=空胎(非妊娠))
【0127】
試験分析パラメータの定義:
感受性:妊娠ウシを妊娠と同定する血液検査の能力
特異性:空胎(非妊娠)ウシを空胎と同定する血液検査の能力
【0128】
呈色試験の利点:
試験の必要品は、血液採集のための紫色のキャップの血液チューブ(3.0ml、K
2EDTAを含む)、あらかじめ被覆したチューブ、試薬、噴出式のビン(squirt bottle)、およびホールピペットを含む。37℃のインキュベーター/湯沸かし装置(waterback)/ブロックが必要である。プレートELISAと異なり、全血を試験において直接使用できるので、この試験は血漿を分離するための遠心機を必要としない。この試験はまた、プレート振とう器のような装置、洗浄のための装置(プレートウォッシャー)または読取りのための装置(プレートリーダー)も必要としない。洗浄は噴出式のビンで実施でき、ホールピペットを各々の洗浄の間での洗浄緩衝液の除去のために使用する。色は目視で読み取ることができる。しかしながら、検査室では、呈色試験の最後に(工程8の後)反応停止溶液1N HCl 0.4mlをすべてのチューブに添加し、アリコート(0.2ml)をELISAプレートに移して、色強度をプレートリーダーに記録する。総検定時間は、従来のプレートELISA(4時間)と比較して約2時間である。この色検定は、場合により、96穴、48穴または24穴プレートなどで多重化することができる。
【0129】
結果。
28日目の血漿試験パネル(20の空胎試料と20の妊娠試料)に関する呈色試験の結果を
図11Aに示し、55日目の血漿試験パネル(20の空胎試料と20の妊娠試料)に関する試験の結果を
図11Bに示す。すべての空胎試料は≦0.2ODの色強度値を有し、一方妊娠試料は>0.2ODの色強度を示した。このカットオフ値を使用することにより、両方の試験パネル(
図11Aおよび11B)が>95%の感受性と特異性を示した。ひと組の新鮮血漿試料もこのシステムにおいて試験し、空胎ウシと妊娠ウシの明確な分離を提供することが示された(
図12)。
【実施例7】
【0130】
農場での検査の概念:ウシ呈色妊娠検査(プラスチックチューブ)
検査は、37℃の水浴を使用し、付加的な装置なしで前述したように「農場で」実施した。この圃場試験では、58の血液試料を検査した。呈色試験を血液試料0.4mlに関して実施し(
図13)、超音波検査によって妊娠の確認を行った(
図14)。色は3名の職員が読み取り、検査結果の目視スコアリングに不一致はなかった。呈色試験は14頭の妊娠ウシすべてを同定することができた。3名全員が、2つの試料を青色のバックグラウンドのために「不確定」と判定し、試料は「空胎」であることが認められた。この圃場試験は、超音波検査と比較して100%の感受性と92.5%の特異性(37/40)を示した。
【実施例8】
【0131】
サンドイッチ免疫検定法に基づく呈色妊娠検査(プラスチックチューブ)
材料および方法。
サンドイッチ免疫検定法に基づく検査を、捕捉抗体としてPAGモノクローナル抗体2D9、および第二の抗体としてビオチン標識ウサギポリクローナル抗体を使用することによって開発した。PAGモノクローナル抗体を透明プラスチックチューブまたはウエルの内側に被覆し、トラップとして使用する。使用したチューブは、抗体被覆のための表面積を増大させるために内部にリブを備えたチューブであった(Evergreen Scientific,Los Angeles,CA)。複合体はストレプトアビジン−HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)/HRP基質系で検出する。ストレプトアビジンPoly−HRP20はResearch Diagnostics Inc.,Concord,MAより入手し、ホースラディッシュペルオキシダーゼはKPL,Inc.,Gaithersburg,MDより入手した。複合体の検出はチューブまたはウエルの色(青色または黄色)によって指示され、試料中のPAGの存在を示す。妊娠ウシおよび未経産ウシの血清中のPAGの検出のためのELISAの一般的確立に関する情報は、Greenら、2005に認められる。アッセイ標準は0.5ng〜6.0ngであった。検査は完了までに約4時間を要する。
【0132】
検査は、農場または同様の場所で簡単な検査用品を用いて実施できる。この実施例では、37℃のインキュベーターとピペットが、試薬必要品を別にして必要とされる唯一の品である。呈色試験の概念は、ウシのための繁殖管理ツールの一部として排卵同期化(Ovsynch)、再同期化(Resynch)、および定時人工授精法(Timed Artificial Insemination(TAI))と組み合わせることができる。この検査の概念はまた、診断の精度を高めるためまたは26日より前の妊娠の検出を促進するためにプロゲステロンおよび他の妊娠抗原などの他の分析物に拡大適用できる。多重化は、例えば、96穴または48穴トレイを使用することによってまたは多数のチューブを使用することによって実施できる。
【0133】
【表2】
【0134】
結果。26日目と28日目の動物から採集した797の血液試料の妊娠検査を、29日目の超音波検査および60日目の直腸触診結果と比較することによって感受性と特異性に関して評価した。血漿試料を得た。妊娠診断のための0.2OD単位のカットオフ値。表3は、29日目の超音波に基づく妊娠診断および60日目の直腸触診と比較した血液検査の精度を示す。
【0135】
【表3】
【0136】
これらの結果は、PAGモノクローナル抗体、2D9に関して開発されたウシ妊娠検査が、低い偽陰性結果で商業的に許容される精度を提供することを示す。この抗体は、交配後26日目の早期に高い感受性と特異性でウシの妊娠状態を検出するための迅速な検査形式を開発する際に適用できる。さらなる分析は、カットオフ値を0.35OD単位に調整することによって検査精度を99%の感受性と94%の特異性に改善できることを示した。
【実施例9】
【0137】
ウシ妊娠検査を開発するのに適した早期PAGタンパク質の小群の単離
組織の収集。
胎児側胎盤分葉組織を、受精後50〜60日目の早期妊娠ウシから収集した。妊娠50〜60日目は、早期PAGタンパク質の小群が妊娠のこの段階またはその前後に総PAGタンパク質の高いパーセンテージを占めるので、好ましい妊娠期である。しかしながら、望ましい早期PAGタンパク質のパーセンテージは受精後50〜60日目またはその前後に高いが、総タンパク質および利用可能な組織の量が少ない。受精後61〜250日目またはその前後には、総PAGタンパク質ならびに胎児側胎盤分葉および子宮小丘組織の量がはるかに多い。
【0138】
2D9に結合するタンパク質を同定するためおよび2D9へのPAGの結合部位をマッピングするために実施し得る方法。
2D9に結合するタンパク質を同定するため、2D9抗体を特徴づけ、配列決定するため、および2D9へのPAGの結合部位をマッピングするために採用し得る4つのアプローチがある。以下の試験を実施した:
【0139】
1.2D9被覆磁気ビーズによるPAG(55日目の胎盤から得た)の免疫沈降反応。
精製2D9を、製造者の指示(Dynal)に従って、トシル活性化Dynal磁気ビーズに結合した。抗体被覆した磁気ビーズをPAG富化製剤100μgと共に1×PBS中で30分間インキュベートし、同じ緩衝液で十分に洗浄した。pH3.0の酢酸を使用して結合タンパク質を溶出し、ゲル分析とウエスタンブロット分析に供した。ウエスタンブロットをウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開した。免疫反応性タンパク質バンドをSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供した。
【0140】
以下の方法は、実施し得る代替的な免疫沈降法である:
【0141】
2.2D9被覆磁気ビーズによるPAG(61〜250日目の胎盤から得た)の免疫沈降反応。
精製2D9を、製造者の指示(Dynal)に従って、トシル活性化Dynal磁気ビーズに結合し得る。抗体被覆した磁気ビーズを、PAG富化製剤100μgと共に1×PBS中で30分間インキュベートし、同じ緩衝液で十分に洗浄し得る。pH3.0の酢酸を使用して結合タンパク質を溶出し、ゲル分析とウエスタンブロット分析に供し得る。ウエスタンブロットはウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開し得る。次に免疫反応性タンパク質バンドをSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供し得る。早期PAGタンパク質(特にPAG4、6、9、20および21)の小群の高度に精製された製剤を、この手順を使用して精製し得る。
【0142】
以下の試験を実施した:
【0143】
3.妊娠55日目のウシの子宮小丘(子宮内膜)および胎盤分葉(胎盤)組織から調製した組織抽出物のイムノアフィニティークロマトグラフィー。
簡単に述べると、精製2D9(10mg)を、製造者の指示(Sigma,St.Louis)に従って、CNBr活性化セファロース1gに結合した。2D9親和性樹脂(約5.0ml)を、pH7.0で組織抽出物25mlと共に結合のために一晩インキュベートした。翌日、樹脂をカラムに充填し、1×PBSで洗浄して非結合物質を除去し、pH3.0の酢酸で溶出した。溶出した物質のpHを、溶出の直後に1M TrisでpH7.0に中和した。溶出した物質をゲル分析とウエスタンブロット分析に供した。ウエスタンブロットをウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開した。タンパク質バンド1〜7をSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供した。BLAST解析を使用してペプチド配列の同一性を決定した。
【0144】
以下は、実施し得る代替的クロマトグラフィー手順である:
【0145】
4.妊娠61〜250日目のウシの子宮小丘(子宮内膜)および胎盤分葉(胎盤)組織から調製した組織抽出物のイムノアフィニティークロマトグラフィー。
簡単に述べると、精製2D9(10mg)を、製造者の指示(Sigma,St.Louis)に従って、CNBr活性化セファロース1gに結合し得る。2D9親和性樹脂(約5.0ml)を、pH7.0で組織抽出物25mlと共に結合のために一晩インキュベートし得る。翌日、樹脂をカラムに充填し、1×PBSで洗浄して非結合物質を除去し、pH3.0の酢酸で溶出し得る。溶出した物質のpHを、溶出の直後に1M TrisでpH7.0に中和し得る。溶出した物質をゲル分析とウエスタンブロット分析に供し得る。ウエスタンブロットはウサギ抗PAGポリクローナル抗体で展開し得る。タンパク質バンド1〜7をSDS−PAGEから切り出し、トリプシン消化後LC−MS−MS分析に供し得る。BLAST解析を使用してペプチド配列の同一性を決定し得る。早期PAGタンパク質(特にPAG4、6、9、20および21)の小群の高度に精製された製剤を、この手順を使用して精製し得る。
【実施例10】
【0146】
付加的な2D9結合PAGの同定
実施例1で要約したようにMAb 2D9は5つのPAGアイソフォーム(4、6、9、20および21)を認識することが認められた。これらのアイソフォームは、交配後55日目に採集した胎盤組織から得た精製PAG試料のLC/MS/MSペプチド配列決定によって同定された。MAb 2D9を、CNBr活性化樹脂にこの抗体を結合してイムノアフィニティーカラムを作製することにより、PAGの精製および同定のためにさらに利用した。精製試料中に存在するPAGは2D9によって結合(認識)され得る。同様に、PAG ELISAにおいてウシ全血または血漿試料中に存在するPAGは2D9によって結合され、妊娠を指示する陽性ELISA応答を惹起し得る。免疫精製手順の間の精製PAGの溶出を、pHを3.0から2.5に調整することによって変化させ、溶離液収集の間に直ちにpH7.0に中和した。精製試料に関するSDS−PAGEによる精製PAGの視覚化を、基本的に上述したように(例えば、実施例1)実施した。50〜75kDaの3つの主要なバンドを示す、同様のバンドパターンが認められた。
【0147】
交配後55日目のウシから採集した胎盤組織に加えて、交配後215日目のウシから採集した胎盤組織からもPAGを精製した。PAGタンパク質ファミリーのいくつかの成員(アイソフォーム)は、他の成員よりも妊娠の早期に発現される。妊娠のより早期に発現されるPAGのセットは一般に早期PAGと称され、妊娠のより後期に発現されるPAGのセットは一般に後期PAGと称される。交配後55日目からの胎盤組織は早期PAGを発現する妊娠期間を代表し、交配後215日目からの胎盤組織は後期PAG発現を含む妊娠期間を代表する。55日目と215日目の胎盤組織からのSDS−PAGEによる精製PAGの視覚化は、両者について50〜75kDaの同じ3つのバンドを示すが、より高い分子量のバンドの割合(強度)は215日目の胎盤組織からの方が大きい。
【0148】
55日目と215日目の胎盤組織からのPAG試料からのペプチドを2D9イムノアフィニティーカラムで精製し、試料中に存在するPAGアイソフォームを同定するためにLC/MS/MSペプチド配列決定によって分析した。ペプチド配列を、表4に列挙するUniProtデータベース(www.uniprot.org)から得たPAGアイソフォーム配列と比較した。表5は、ペプチド配列結果およびBLAST解析によるboPAG−16、boPAG−17およびboPAG−19配列に対応するPAGとしてのそれらの同定の要約を示す。表5の中で言及される「レーン」および「バンド」(下、中央)は
図17に示されている。精製PAG試料において特徴づけられたPAGアイソフォームの要約を表6に示す。
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
【表6】
【0152】
表4に示すポリペプチド配列を、例えば、PHYLIPパッケージ(Felsenstein,1989)からの、PROTDISTバージョン3.5cを使用して整列した。PROTDISTの近隣系統樹解析パッケージを整列した配列に関して使用し、
図15に示す系統樹を作成した。PAGのアラインメントを
図16に示す。PAGアイソフォーム1、4、6、9、16、17、19、20および21のこの解析は、それらの類似性の領域と相違の領域に基づいてアイソフォームの近縁性を視覚化するために実施した。解析によれば、PAG1を別にして、PAG4、6、9、16、17、19、20および21は一つに集まる。
【0153】
本明細書で開示し、特許請求する組成物および方法のすべてが、本明細書の開示を考慮して過度の実験を必要とせずに作製され、実施され得る。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態の観点から説明したが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で述べる組成物に対しておよび本明細書で述べる方法の工程または工程の順序において変形を適用し得ることは当業者に明白である。より具体的には、同じまたは類似の結果を達成しつつ、化学的および生理的に関連するいくつかの物質を本明細書で述べる物質の代わりに使用し得ることは明白である。当業者に明白であるそのような類似の置換および変更のすべてが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲および概念内であるとみなされる。
【0154】
参考文献
以下の参考文献は、本明細書中に記載したものを補足する例示的な手順上またはその他の詳細を提供する範囲で、参照として明確に本明細書に組み入れられる:
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米国特許第3,850,752号
米国特許第3,939,350号
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