(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5679851
(24)【登録日】2015年1月16日
(45)【発行日】2015年3月4日
(54)【発明の名称】リモコンを備えた装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20150212BHJP
F24H 1/00 20060101ALI20150212BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
F24H1/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-23725(P2011-23725)
(22)【出願日】2011年2月7日
(65)【公開番号】特開2012-165161(P2012-165161A)
(43)【公開日】2012年8月30日
【審査請求日】2014年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】北中 浩次
【審査官】
松平 英
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−212707(JP,A)
【文献】
特開昭64−049326(JP,A)
【文献】
特開2000−137567(JP,A)
【文献】
特開平07−095660(JP,A)
【文献】
特開昭60−058795(JP,A)
【文献】
特開昭63−299699(JP,A)
【文献】
特開昭64−054818(JP,A)
【文献】
特開2009−033638(JP,A)
【文献】
実開平02−130184(JP,U)
【文献】
実開昭63−055694(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H03J 9/00−9/06
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04N 5/00
H04Q 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体とは別途の場所に設置され、内部に複数個の抵抗を有し、これら複数の抵抗を直列に接続すると共に、各抵抗に並列に接続した操作スイッチを設け、操作スイッチのオンオフ状態によって変化する分圧された直流の電圧値を装置本体内のマイコンに入力させるリモコンを備えた装置において、上記マイコンのリセット直後から所定時間が経過するまでの間における、操作スイッチのいずれもがオンされていない状態で検知される上記直流の電圧値から、装置本体に接続されているリモコンの固有のバラツキを検知して、操作スイッチのオンオフ状態を判断する基準電圧を補正することを特徴とする、リモコンを備えた装置。
【請求項2】
リモコン内の負荷および装置本体内の負荷が稼働することによる上記直流の電圧値の変化を検知して、操作スイッチのオンオフ状態を判断する基準電圧を補正することを特徴とする請求項1に記載の、リモコンを備えた装置。
【請求項3】
上記基準電圧を補正する際の補正値を装置本体側にあらかじめ記憶させておくことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の、リモコンを備えた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体とこの装置本体に接続されたリモコンとからなる、リモコンを備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば装置としてガス給湯装置を例にすると、ガス給湯装置では排気ガスの排出を容易にし、また燃焼音が使用者にとって騒音とならないように屋外に設置されている場合が多い。そのため、給湯装置本体の作動を制御する操作は給湯装置本体に対して行うのではなく、給湯装置本体に接続されているリモコンに対して行われる。
【0003】
リモコンには各種の操作を行うための操作スイッチが設けられており、リモコンを台所の壁面等の室内に設置しておき、リモコンの操作スイッチを押し操作することにより給湯装置本体の作動を制御するように構成されている。リモコン内にマイコンを内蔵させ、操作スイッチがオンされると、そのオンされた操作スイッチに対応する制御内容をデジタル信号に変換して給湯装置本体に送信するタイプのリモコンも存在するが、操作内容をデジタル信号に変換するものではリモコン内のマイコンの入力ポートが多くなるなどの理由でリモコンの単価が高くなるという不具合がある。
【0004】
そこで、リモコン内に複数の抵抗を直列に接続し、これら抵抗を分圧抵抗としたものがある。そして、各操作スイッチを各分圧抵抗に並列に接続しておけば、操作スイッチがオンされると、そのオンされた操作スイッチが接続されている分圧抵抗が短絡されるため、分圧された電圧値が変化する。アナログ信号であるその電圧値を給湯装置本体内のマイコンに入力させれば、変化した電圧値から器具本体のマイコン側でどの操作スイッチが押し操作されたかかを判断して、そのマイコンが給湯装置本体の制御を行うことができる。このように、分圧抵抗に操作スイッチを並列に接続して分圧された電圧値からどの操作スイッチがオンされたかを判断するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、このようなリモコンは給湯装置の制御をするものに限定されず、例えば浴室内の天井に設置された照明装置を装置本体として、この照明装置の照度やオンオフ状態を制御するために浴室内の壁面に設置されたリモコンを備えたものにも適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のものでは、直列に接続された分圧抵抗の両端に印加する電圧は正確な値で一定に保持されることが望ましい。そのため、レギュレータを介して一定の電圧を印加することが望まれるが、レギュレータの固体毎のバラツキがあるため、同じ規格のギュレータを使用してもリモコンの固体ごとにレギュレータの出力電圧が一定しないという不具合がある。このように、分圧される電圧値の基となる電圧がばらついたのでは、どの操作スイッチが押し操作されたかという判断を誤判断する可能性が生じる。
【0008】
また、装置として給湯装置の場合には、給湯装置本体にはモータなどの負荷が内蔵され、リモコンにはブザー等の負荷が内蔵されており、これら負荷が作動すると、レギュレータへの供給電圧が変化し、その結果、レギュレータの出力電圧が変化したり、マイコンへの供給電圧が変化することが考えられる。このように電圧が変化すると、上述のようにどの操作スイッチが押し操作されたかという判断を誤判断する可能性が生じる。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、リモコンの操作スイッチのうちのどの操作スイッチが押し操作されたかという判断を誤ることのない、リモコンを備えた装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明によるリモコンを備えた装置は、装置本体とは別途の場所に設置され、内部に複数個の抵抗を有し、これら複数の抵抗を直列に接続すると共に、各抵抗に並列に接続した操作スイッチを設け、操作スイッチのオンオフ状態によって変化する分圧された
直流の電圧値を装置本体内のマイコンに入力させるリモコンを備えた装置において、上記マイコンのリセット直後から所定時間が経過するまでの間における、操作スイッチのいずれもがオンされていない状態で検知される上記
直流の電圧値から、装置本体に接続されているリモコンの固有のバラツキを検知して、操作スイッチのオンオフ状態を判断する基準電圧を補正することを特徴とする。
【0011】
リモコン内の負荷および装置本体内の負荷が稼働することによる上記
直流の電圧値の変化を検知して、操作スイッチのオンオフ状態を判断する基準電圧を補正することにって負荷の稼働に伴う電圧変化の影響を排除する。
【0012】
また、上記基準電圧を補正する際の補正値を装置本体側にあらかじめ記憶させておいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明は、いずれの操作スイッチもオン状態になっていない状態で分圧された電圧値を読み込み、基準電圧と比較することによってレギュレータのバラツキなど、リモコンの固体毎のバラツキを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】給湯装置本体およびリモコンの内部構造を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照して、装置として給湯装置を例に本発明の実施の形態を以下に説明する。1は給湯装置本体であり、屋外に設置されている。2はこの給湯装置本体1の作動を制御するためのリモコンであり、給湯装置1とリモコン2とは3本のケーブルで連結されている。これら3本のケーブルは、給湯装置本体1からリモコン2への電源供給のための電力ライン31,32と、制御信号(分圧された電圧値)をリモコン2から給湯装置本体1へ送信する通信線33とから構成されている。
【0016】
リモコン2には操作スイッチ21,22,23が設けられており、
図2に示すように、分圧抵抗のうち、3個の分圧抵抗41,42,43の各々に対して並列に接続されている。電力ライン31はプラス側であり、給湯装置本体1内の12ボルトレギュレータ53からの出力電圧がリモコン2内の5ボルトレギュレータ4に入力される。なお、各分圧抵抗41,42,43は各々違う抵抗値である。
【0017】
この5ボルトレギュレータ4の出力電圧が上記分圧抵抗41,42,43に印加される。そして、中間点Aの電圧(中間電位)が上述のように通信線33を介して、給湯装置1内のマイコン5に入力される。操作スイッチ21,22,23のいずれかが押し操作されオンの状態になると、そのオン状態になった操作スイッチに並列接続されている分圧抵抗が短絡するので、分圧抵抗全体の抵抗値が変化する。そのため、A点の電圧値が変化する。その変化した電圧値からマイコン5はその操作スイッチが押し操作されたかを判断することができる。なお、51は給湯装置本体1内に設置されたモータ等の負荷であり、52は5ボルトレギュレータである。
【0018】
リモコン2に組み込まれた5ボルトレギュレータ4は固体毎に若干出力電圧がばらつく場合がある。そこで、マイコン5がリセットによりスタートすると、そのスタートの時点から所定の時間として1秒程度を設定し、その設定時間内であればいずれの操作スイッチ21,22,23も押し操作されていないものとして、その時点でのA点の電圧をマイコン5が取り込む。5ボルトレギュレータ4の出力電圧が設定値通りであれば、マイコン5内にあらかじめ記憶させている基準電圧と、取り込まれたA点の電圧とが一致する。仮に一致しない場合には、5ボルトレギュレータ4の出力電圧がずれているものと判断して、各操作スイッチ21,22,23が押し操作されたと判断するための基準電圧を各々シフトして補正する。
【0019】
また、その状態で運転が継続した場合、負荷24,51が作動したときの電圧降下分をマイコン5が検知し、各負荷24,51が稼働している状態でどの程度基準電圧をシフトさせるかを判断するようにした。
【0020】
上記のように、あらかじめマイコン5に一律の値として格納させた基準電圧を、実際に接続されたリモコン2の固体毎のバラツキや、実際に接続されている負荷24,51の稼働に伴う補正を行うことによって、どの操作スイッチ21,22,23が押し操作されたかという判断を、誤判断することなく的確に行うことができる。
【0021】
また、上記実施の形態では、基準となる電圧からのずれをその都度実測して補正しているが、補正量をあらかじめマイコン側に記憶させておき、負荷の稼働状況に応じてあらかじめ設定した補正を行うようにしてもよい。
【0022】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。例えば、装置として給湯装置に限定されるものではなく、例えば浴室の天井に設置される照明装置を装置としてもよく、その他、本発明が適用できるなら特にいずれの装置であるかに限定するものではない。
【符号の説明】
【0023】
1 給湯装置本体
2 リモコン
21,22,23 操作スイッチ
5 マイコン