【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の第1の態様によれば、直接的な電気伝導接触を必要とすることなく電力を伝送するシステムが提供され、
i)このシステムは実質的に層状である充電表面及び電磁場を発生する少なくとも一つの手段を含む一次ユニットを具備し、この手段は、充電表面内にある、若しくは、充電表面に平行である所定の領域と実質的に同じ広さである充電表面の少なくとも一つの充電領域を画成するように、所定の領域中に2次元的に分布し、充電領域が充電領域は充電表面に幅と長さをもち、この手段は、その手段に所定の電流が供給され、一次ユニットが有効に電磁的に遮蔽されているときに、その手段によって発生された電磁場が電磁力線の方向と平行に測定された充電領域の四分の1の長さ部分に亘って平均化されたときに充電表面の近傍で充電表面に対して45°以下の角度範囲に入り、充電表面の上に2次元的に分布する電磁力線を有するように構成され、その手段は、充電領域に対して実質的に垂直方向に測定された高さが充電領域の幅と長さの何れかよりも短く、
ii)このシステムは少なくとも一つの電気的導体を含む少なくとも一つの二次装置を具備し、
少なくとも一つの二次装置が一次ユニットの充電領域に又は充電領域の近傍に置かれたとき、電磁力線が少なくとも一つの二次装置の少なくとも一つの導体と結合し、導体の中を流れる電流を誘導する。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、直接的な電気伝導接触を必要とすることなく電力を伝送する一次ユニットが提供され、この一次ユニットは、実質的に層状である充電表面と電磁場を発生する少なくとも一つの手段とを含み、この手段は、充電表面にある、若しくは、充電表面に平行である所定の領域と実質的に同じ広さである充電表面の少なくとも一つの充電領域を画成するように、所定の領域中に2次元的に分布し、充電領域は充電表面に幅と長さをもち、この手段は、その手段に所定の電流が供給され、一次ユニットが有効に電磁的に遮蔽されているときに、その手段によって発生された電磁場が電磁力線の方向と平行に測定された充電領域の四分の1の長さ部分に亘って平均化されたときに充電表面の近傍で充電表面に対して45°以下の角度範囲に入り、充電表面の上に2次元的に分布する電磁力線を有するように構成され、その手段は、充電領域に対して実質的に垂直方向に測定された高さが充電領域の幅と長さの何れかよりも短い。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、一次ユニットから二次装置へ非導電的に電力を伝送する方法が提供され、この一次ユニットは、実質的に層状である充電表面と電磁場を発生する少なくとも一つの手段とを含み、この手段は、充電表面の少なくとも一つの充電領域を画成するように、充電表面にある、若しくは、充電表面に平行である所定の領域中に分布し、充電領域が所定の領域と実質的に同じ広さであり、充電領域は充電表面に幅と長さをもち、この手段は充電領域に対して実質的に垂直方向に測定された高さが充電領域の幅と長さの何れかよりも短く、二次装置は少なくとも一つの電気的導体を有し、
i)所定の電流で給電されたときにその手段によって発生され、一次ユニットが有効に電磁的に遮蔽されているときに測定された電磁場が、電磁力線の方向と平行に測定された充電領域の四分の一の長さ部分に沿って平均化されたときに充電表面の近傍で充電表面に対して45°以下の角度範囲に入り、充電領域に亘って平均化されたときに少なくとも一つの充電領域の上に2次元的に分布する電磁力線を有し、
ii)電磁場は、二次装置が充電領域に若しくは充電領域の近傍に置かれたとき二次装置の導体と結合する。
【0036】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様のシステム、第2の態様のユニット、又は、第3の態様の方法と共に使用する第2の装置が提供され、この第2の装置は、少なくとも一つの電気的導体を含み、実質的に層状である形状係数を有する。
【0037】
本願との関連において、用語「層状(laminar)」は薄板又は薄層の形をした幾何学的性質を表す。薄板又は薄層は実質的に平坦でもよく、又は、湾曲していてもよい。
【0038】
一次ユニットは、電磁場を発生する少なくとも一つの手段のための一体電源を含み、或いは、少なくとも一つの手段を外部電源へ接続することを可能にするコネクタなどが設けられる。
【0039】
一部の実施例において、電磁場を発生する手段は充電領域の幅の半分若しくは長さの半分よりも短い高さを有し、一部の実施例において、この高さは充電領域の幅の1/5若しくは長さの1/5よりも短い。
【0040】
第2の装置の少なくとも一つの電気的導体は、磁束を内部に集中させるために役立つコアの周りに巻き付けられる。特に、コア(設けられている場合)によって、一次ユニットによって発生された電磁場の磁束線に対して最小抵抗のパスが得られる。コアはアモルファス透磁性材料でもよい。一部の実施例では、アモルファスコアを使う必要はない。
【0041】
アモルファスコアが設けられた場合、好ましくは、アモルファス磁性材料は、アニール処理が加えられず、すなわち、実質的に鋳造されたままの状態である。この材料は、少なくとも70%がアニール処理を施されず、好ましくは、少なくとも90%がアニール処理を施されない。なぜならば、アニーリングは、アモルファス磁性材料を脆くする傾向があり、これは、例えば、誤って落とされることにより乱暴に取り扱われる携帯電話機のような装置に含有されたときに不利であるからである。特に好ましい一実施例において、アモルファス磁性材料は、一つ以上の層、又は、一つ以上の同種若しくは異種のアモルファス磁性材料からなるフレキシブルなリボンの形で設けられる。適当な材料には、鉄、ホウ素、及び、ケイ素又はその他の適当な材料を含有する合金が含まれる。合金は融解され、次に、凝固するときに液晶化するための時間がない程度で急速に冷却(「急冷」)されるので、合金はガラス状のアモルファス状態のままにされる。適当な材料は、Metglas(登録商標)2714A及び類似した材料を含む。パーマロイ若しくはミューメタルなどを使用してもよい。
【0042】
二次装置のコアは、設けられているならば、好ましくは、高透磁性コアである。このコアの透磁率は、好ましくは、少なくとも100であり、より好ましくは、少なくとも500であり、最も好ましくは少なくとも1000であり、少なくとも10000又は100000の大きさが特に有利である。
【0043】
電磁場を発生する少なくとも一つの手段は、例えば、1本のワイヤ、若しくは、プリントストリップの形をしたコイルでもよく、適切な構造の導電性プレートの形でもよく、又は、導体の適切なアレイにより構成してもよい。好ましい材料は銅であるが、その他の導電性材料、一般に金属も必要に応じて使用される。用語「コイル」は、本明細書において、電流が内部を流れ、それにより、電磁場を発生する電気回路を形成するあらゆる適切な電気的導体を包含することが意図されていることが理解されるべきである。特に、「コイル」は、コア、若しくは、コアのようなものの周りに巻き付けなくてもよいが、単純なループ若しくは複雑なループでもよく、等価的な構造でもよい。
【0044】
好ましくは、一次ユニットの充電領域は、二次装置の導体及び/又はコアを複数の姿勢で収容するために十分足りる大きさがある。特に好ましい一実施例において、充電領域は、二次装置の導体及び/又はコアをあらゆる姿勢で収容するために十分足りる大きさがある。このようにして、一次ユニットから二次装置への電力伝送は、二次装置を一次ユニットの充電表面に設置するとき、二次装置の導体及び/又はコアを特定の方向に揃えることを必要とすることなく実現される。
【0045】
一次ユニットの実質的に層状である充電表面は実質的に平面的でもよく、又は、自動車のダッシュボードなどの小物入れのような所定の空間に組み込むために湾曲していてもよく、その他の構造でもよい。特に好ましくは、電磁場を発生する手段は、充電表面から上又は下に突起若しくは突出しない。
【0046】
一次ユニットにおける電磁場を発生する手段の主要な特徴は、一次ユニットが有効に電磁的に遮蔽されているときに(すなわち、二次装置が充電表面又は充電表面の近傍に存在しないときに)測定された場合に、この手段によって発生された電磁力線が、少なくとも一つの充電領域の上で二次元に分布し、充電領域の近傍(例えば、充電領域の高さ又は幅未満)で、電磁力線の方向にほぼ平行である方向で測定された充電領域の四分の一の部分の長さに亘って、充電領域に対して45°以下の角度範囲に入る。この点について、電磁力線の測定は、瞬間的な点測定ではなく、充電領域の四分の一の長さに亘って平均化されたときの電磁力線の測定であると理解されるべきである。一部の実施例において、電磁力線は30°以下の角度範囲に入り、一部の実施例では、当該充電領域の少なくとも中央部分と実質的に平行である。これは、電磁力線が一次ユニットの表面に対して実質的に垂直である従来技術のシステムと明確に相違する。充電領域に対しておおよそ平行である電磁場、又は、充電領域に対して平行である少なくとも有意な分解成分を有する電磁場を発生することにより、電磁場の角度変化が充電領域の平面内、又は、平面と平行になるよう電磁場を制御することが可能であり、充電表面上の二次装置が特別の姿勢にあるときに充電効率を低下させる定常的なゼロが電磁場に生ずることを防止するために役立つ。電磁力線の向きは、一方向又は両方向に完全円又は部分円の範囲で回転される。或いは、この向きは、「ゆらぎ」すなわち変動を誘発し、又は、二つ以上の向きの間で切り替えられる。より複雑な構造では、電磁力線の向きは、リサージュパターン等として変化する。
【0047】
一部の実施例において、電磁力線は、所与の充電領域の上で互いに実質的に平行であるか、又は、所定の時点で互いに実質的に平行であって充電領域の平面内にある又は平面と平行である少なくとも分解成分を有する。
【0048】
電磁場を発生する一つの手段は、二つ以上の充電領域に電磁場を生ずるために機能し、また、二つ以上の手段が唯一の充電領域に電磁場を生ずるために機能することが好ましい。換言すると、電磁場を発生する手段と充電領域との間に一対一の対応関係がなくても構わない。
【0049】
二次装置は、コアの厚さが2mm以下である実質的に平坦な形状係数を採用する場合がある。1枚以上のアモルファス金属シートのような材料を使用すると、サイズ及び重量が重要であるアプリケーションのためコアの厚さを1mm以下まで薄くすることが可能である。
図7aを参照のこと。
【0050】
好ましい一実施例において、一次ユニットは、相互に実質的に平行である直線区分を有し隣接した同一平面上にある巻線を有する一対の導体を含み、これにより、巻線の平面に対してほぼ平行に、又は、45°以下の角度範囲内で、しかし、平行な区分に対して実質的に直角に広がる実質的に一様な電磁場を生成することができる。
【0051】
本実施例における巻線は、一般に螺旋形状で形成され、実質的に平行な直線区分を有する一連の巻きからなる。
【0052】
有利的には、一次ユニットは、実質的に平行な平面で重ね合わされた第1及び第2の導体のペアを含み、第1のペアの実質的に平行な直線区分は第2のペアの実質的に平行な直線区分に対してほぼ直角に配置され、巻線の平面と実質的に平行である平面内で回転する合成電磁場を発生するように第1及び第2の導体のペアを駆動するため配置された駆動回路をさらに具備する。
【0053】
本発明の第5の態様によれば、非接触式で電力を伝送するシステムが提供され、このシステムは、
・少なくとも一つの電気コイルからなる一次ユニットが設けられ、各コイルは少なくとも一つのアクティブ領域を備え、二つ以上の導体は、二次装置が特定の方向へ流れる正味の瞬時電流が実質的に非ゼロであるこのアクティブ領域の一部分の近傍に配置できるように、この領域の上に実質的に分布し、
・正味の瞬時電流が実質的に非ゼロである一次ユニットの表面の領域の近傍に二次装置を配置することが可能であるように、高透磁率コアの周りに巻き付けられた導体からなる少なくとも一つの二次装置が設けられ、
これにより、巻線の中心軸が一次ユニットのアクティブ領域の近傍にあり、一次ユニットのアクティブ領域の平面に対して実質的に垂直ではなく、一次ユニットの少なくとも一つのコイルのアクティブ領域内の導体と実質的に平行ではないときに、少なくとも一つの二次装置は電磁誘導を用いて電力を受信する能力を備えている。
【0054】
二次装置が誘導式に再充電可能なバッテリ又は電池を具備する場合、バッテリ又は電池は一次軸を有し、バッテリ又は電池の一次軸に流れる交番電磁場によって再充電することが可能であり、バッテリ又は電池は、
・寸法が業界標準のバッテリ又は電池と類似した筐体及び外部電気接続部と、
・エネルギー蓄積手段と、
・オプションの磁束集中手段と、
・電力受信手段と、
・外部電気接続部を介してセルの外側へ配給するため、若しくは、エネルギー蓄積手段を再充電するため、又は、これらの両方のため受信電力を適した形式へ変換する手段と、
を具備する。
【0055】
提案された発明は、従来の誘導式電力伝送システムの構造と著しく相違する。従来のシステムと提案されたシステムとの間の相違点は、それぞれの磁束線パターンを観察することによって最もよく説明される(
図2a及び4を参照)。
【0056】
・従来のシステム:従来のシステムにおいて(
図2aを参照)、典型的に、垂直方向に平面から出る磁力線を有する磁場を発生する平面的な一次コイルが存在する。二次装置は、典型的に、これらの磁束線の一部若しくは全部を取り囲む円形若しくは四角形のコイルを有する。
【0057】
・提案されたシステム:提案されたシステムにおいて、磁束は、
図2aに示されているように平面からそのまま出るのではなく、平面の表面を横切って実質的に水平方向へ進む(
図4を参照)。したがって、二次装置は、磁気コアの周りに巻かれた細長い巻線を有する。
図7a及び7bを参照のこと。二次装置が一次ユニットに設置されたとき、磁束線は、リラクタンスが最も小さいパスである二次装置の磁気コアの中を進むように引き込まれるであろう。これにより、二次装置と一次ユニットは効率的に結合される。二次コア及び巻線は非常に薄い構成要素を形成するため実質的に平板化される。
【0058】
本発明を説明する際に、特定の用語が明解さのため使用される。しかし、本発明はこのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、特定の用語のそれぞれは、同様の目的を達成するため類似した態様で動作するすべての技術的に等価な事項を含むことに注意すべきである。
【0059】
また、本願で使用される用語「充電領域」は、電磁場を発生する少なくとも一つの手段の領域(例えば、コイルの形をした一つ以上の導体)、又は、二次装置が効率的に磁束を結合することができる一次導体の組み合わせにより形成された領域を表す。充電領域の一部の実施例は
図6a乃至6l及び9cに構成要素740として示されている。「充電領域」の特徴は、電磁場を発生する少なくとも一つの手段が一方向で瞬時的な正味の磁束の流れを得るため駆動できるように構成された一次ユニットの有意な領域の上の導体の分布である。一次ユニットは二つ以上の充電領域を設けてもよい。ある充電領域は、磁束が境界でどのように回転しても(
図7aに示されるような)二次装置によって効率的に結合され得ないときに、別の充電領域から区別される。
【0060】
本特許出願で使用される用語「コイル」は、上記のような充電領域を特色とするすべての導体構造を表すことに注意する必要がある。コイルは、ワイヤの巻線、印刷されたトラック、又は、
図8eに示されるような平面を含む。導体は、銅、金、合金、又は、その他の適切な材料で作られる。
【0061】
本願は複数の場所における二次装置の回転について言及する。二次装置が回転させられる場合に、対象となる回転の軸は充電領域の平面に対して垂直な軸であることを明らかにする必要がある。
【0062】
この根本的な構造の変化は従来のシステムの多数の問題点を解決する。提案された発明の効果は以下の通りである。
【0063】
・正確な位置合わせが不要:二次装置は一次ユニットの充電領域の至る所に設置することが可能である。
【0064】
・一様なカップリング:提案されたシステムにおいて、一次ユニットと二次装置との間のカップリングは、従来の一次及び二次コイルよりも充電領域の上で非常に一様性が高い。従来の大型コイルシステムの場合(
図2aを参照)、電磁場強度は、コイルの平面内でコイルの中央で最小値まで低下する(
図2bを参照)。これは、十分な電力を中央で効率的に伝送しなければならないならば、最小値における電磁場強度はある閾値を越えなければならないことを意味する。最大値における電磁場強度は、したがって、必要な閾値よりも過度に大きく、これにより望ましくない効果が生じる。
【0065】
・汎用性:電力必要量さえ異なる多種多様な二次装置が電力を同時に受信するため一次ユニットの充電表面の充電領域内に設置可能である。
【0066】
・カップリング効率の増加:二次装置に存在するオプションの高透磁率磁性材料は、低リラクタンスパスを設けることにより、誘導される磁束を著しく増加させる。これは電力伝送を著しく増加させることが可能である。
【0067】
・二次装置の望ましい形状係数:このシステムの幾何学的形状は、(アモルファス金属リボンのような)磁性材料の薄いシートを使用できるようにする。すなわち、二次装置は薄いシートの形状係数をもつことが可能であるので、携帯電話機又はその他の電子装置の裏面に組み込むため適するようになる。磁性材料が従来のコイルの中央で使用されるならば、二次装置のかさ高性が増大する可能性がある。
【0068】
・最小化された電磁場の漏れ:1台以上の二次装置が一次ユニットの充電領域に存在するとき、磁気回路の半分以上が低リラクタンス材料であるような形で、磁性材料を使用することが可能である(
図4dを参照)。すなわち、より多くの磁束が一定の起磁力(mmf)に対して流れる。誘導電圧はリンクされた磁束の変化率に比例するので、この結果として二次装置への電力伝送が増加する。磁気回路内のエアーギャップの数が少なくなり、短くなると、磁束は一次ユニットの表面のより近くに保たれるので、漏れは最小限に抑えられる。
【0069】
・費用対効果:多重コイル構造とは異なり、本発明の解決策は、より簡単な制御システムと、より少数の構成要素だけを必要とする。
【0070】
・二次装置の自由な軸回転:二次装置が薄いか、又は、オプション的に円筒形であるならば(
図10を参照)、二次装置はその最長軸周りの回転とは無関係に磁束に十分に結合し続けるように構成される。このことは、二次装置が別の装置内に収容されたバッテリセルであり、二次装置の軸回転を制御することが困難であるとき、特に有利である。
【0071】
・二次装置の磁気コアは、その装置内又はその装置付近の他の金属の平行平面、例えば、銅印刷回路基板又はアルミニウムカバーの近くに位置する。この例では、本発明の実施例の性能は、従来の装置のコイルを通る電磁力線は、コイルが金属平面に突き当てて配置されるならば磁束排除の影響を受けるので(なぜならば、磁束線はコイルの平面に対して垂直に進まなければならないので)、従来のコア巻きコイルの性能よりも非常に優れている。本発明の実施例において、磁束線はコアの平面に沿って進み、したがって、金属平面にも沿って進むので、性能が改良される。さらなる効果として、本発明の実施例の二次装置における磁気コアは、一次ユニットによって発生された電磁場と、磁気コアの反対側にある物(例えば、電気回路、バッテリセル)との間のシールドとして作用し得る。
【0072】
・本発明の実施例の二次装置の磁気コアは、その透磁率が空気の透磁率よりも高いので、磁束を集中させるため作用し、これにより、等価的な空気の断面を通過していたより多くの磁束を捕捉する。コアの「形状係数」(等価的な磁束捕捉球)のサイズは、コアの最長の平面的な寸法による一次近似まで決められる。したがって、本発明の実施例の二次装置のコアが実質的に正方形ではないアスペクト比の平面的な寸法を有するならば、例えば、1:1の正方形ではなく、4:1の矩形であるならば、二次装置のコアは、その最長の平面的な寸法の方向と平行に進む磁束のうち比例的に多くの部分を捕捉する。したがって、アスペクト比が制約された装置(例えば、ヘッドセット又はペンのような細長い装置)で使用されるならば、性能は、同じ面積の従来型のコイルの性能よりも著しく向上するであろう。
【0073】
一次ユニットは、典型的に、以下の構成要素を具備する(
図5を参照)。
【0074】
・電源:電源は、幹線の電圧をより低い電圧の直流電源へ変換する。この電源は、典型的に、従来型の変圧器又はスイッチモード電源である。
【0075】
・制御ユニット:制御ユニットは、電磁場を発生する手段のインダクタンスが二次装置の存在によって変化する場合に、回路の共振を維持する機能を提供する。この機能を可能にさせるため、制御ユニットは、回路の電流状態をフィードバックする検出回路に接続される。制御ユニットは、また、必要に応じてオンとオフに切り替えられるコンデンサの集まりに接続される。電磁場を発生する手段が二つ以上の駆動回路を必要とするならば、制御ユニットは、また、種々の駆動回路の位相差、又は、オン/オフ時間のようなパラメータを調整するので、望ましい効果が得られる。また、システムのQ(品質係数)は、上記の制御システムの必要性がなくなるように、インダクタンスの範囲に亘って機能するように設計することが可能である。
【0076】
・駆動回路:駆動ユニットは制御ユニットによって制御され、電磁場を発生する手段、又は、その手段の構成要素を通る変動する電流を駆動する。2個以上の駆動回路がその手段の独立した構成要素の個数に応じて存在する。
【0077】
・電磁場を発生する手段:この手段は、予め定められた形状と強度を有する電磁場を発生するため、駆動回路から供給された電流を使用する。この手段の精密な構造が発生される電磁場の形状と強度を定める。この手段は、磁束ガイドとして作用する磁性材料と、一つ以上の独立に駆動される構成要素(巻線)と、を含み、それらが一体となって充電領域を形成する。多数の実施例の構成が考えられ、その例が
図6に示されている。
【0078】
・検出ユニット:検出ユニットは、関連したデータを取得し、解釈のため制御ユニットへ送る。
【0079】
二次装置は、典型的に、
図5に示されるように以下の構成要素を具備する。
【0080】
・磁気ユニット:磁気ユニットは、一次ユニットによって発生された磁場に蓄積されたエネルギーを電気エネルギーへ戻す。これは、典型的に、非常に高い透磁性のある磁気コアの周りに巻かれた巻線を用いて実施される。コアの最大寸法は、典型的に、巻線の中心軸と一致する。
【0081】
・変換ユニット:変換ユニットは、磁気ユニットから受信された変動電流を接続された装置の役に立つ形式へ変換する。例えば、変換ユニットは、全波ブリッジ整流器と平滑コンデンサを用いて変動電流を調整されていない直流電源へ変換する。その他のケースでは、変換ユニットは加熱素子又はバッテリ充電器へ接続される。また、典型的に、一次ユニットの動作周波数で共振回路を形成するため、磁気ユニットと並列又は直列にされたコンデンサが設けられる。
【0082】
典型的な動作では、1台以上の二次装置が一次ユニットの充電表面の上部に設置される。磁束は二次装置の少なくとも一つの導体及び/又はコアの中を通り、電流が誘導される。一次ユニットの電磁場を発生する手段の構造に応じて、二次装置の回転方向が結合される磁束の量に影響を与える。
【0083】
一次ユニット
一次ユニットは、例えば、
・テーブルの上部及びその他の平坦な表面に載せることができる平坦なプラットフォーム又はパッド
・一次ユニットが目に付かないようにデスク、テーブル、カウンタ、椅子、本棚などの家具に組み込まれた形
・引き出し、箱、自動車の小物入れ、電動工具のような外装物の一部
・壁に取り付けられ、縦型で使用できる平坦なプラットフォーム又はパッド
などのような様々な形式で存在する。
【0084】
一次ユニットは、例えば、
・幹線AC電源コンセント
・自動車のライター用ソケット
・バッテリ
・燃料電池
・太陽パネル
・人力
などのような様々なソースから給電される。
【0085】
一次ユニットは、1台の二次装置だけが単一の充電領域において充電表面に収容されるよう十分に小型でもよく、或いは、場合によっては異なる充電領域に多数の二次装置を同時に収容できるよう十分に大型でもよい。
【0086】
一次ユニットにおける電磁場を発生する手段は、幹線の周波数(50Hz又は60Hz)或いはそれよりも高い周波数で駆動される。
【0087】
一次ユニットの検出ユニットは、二次装置の有無、存在する二次装置の台数、及び、二次装置の一部ではない他の磁性材料の有無さえ検出する。この情報は、一次ユニットの電磁波を発生する手段へ配給される電流を制御するため使用される。
【0088】
一次ユニット及び/又は二次装置は実質的に防水形又は防爆形である。
【0089】
一次ユニット及び/又は二次装置は、IP66のような規格に準じて密閉される。
【0090】
一次ユニットは、一次ユニットの現在状態、二次装置の有無、存在する二次装置の台数、或いは、これらの任意の組み合わせを示すため、視覚的なインジケータ(例えば、発光ダイオード、電子蛍光ディスプレイ、発光ポリマーのような発光デバイス、又は、液晶ディスプレイのような光反射デバイス、又は、MITの電子ペーパーを含むが、これらの例に限定されない)。
【0091】
電磁場を発生する手段
本願に記載される電磁場を発生する手段は以下のすべての導体の構造を含む。
【0092】
・導体は平面に実質的に分布する。
【0093】
・平面のかなりの領域で非ゼロである正味瞬時電流が流れる。正しい姿勢が与えられた二次装置が効率的に結合し、電力を受信する領域が存在する(
図6を参照のこと)。
【0094】
・導体は、電磁力線が45°以下の角度範囲に入るか、又は、平面のかなりの領域と実質的に平行である、電磁場を発生する能力を備えている。
【0095】
図6は、このような一次導体について考えられる一部の例を示す。殆どの構造は事実上コイル巻線であるが、同じ効果が典型的にはコイルではないと考えられる導体平面で達成されることがわかる(
図6eを参照)。これらの図は、典型例であり、網羅的ではない。これらの導体又はコイルは、二次装置が一次ユニットの充電領域上のあらゆる回転状態で効率的に結合するように組み合わせて使用される。
【0096】
磁性材料
性能を向上させるため一次ユニットで磁性材料を使用することが可能である。
【0097】
・磁性材料は、磁束が磁束のパスを完成するため導体の下側にも低リラクタンスパスが存在するように、一つ以上の充電領域又は全充電表面の下に置かれる。理論的には、磁気回路と電気回路との間で類推することができる。電圧は起磁力(mmf)と類似し、抵抗はリラクタンスと類似し、電流は磁束と類似している。この点から、所定のmmfに対して、磁束の流れは、パスのリラクタンスが減少するならば増加することがわかる。磁性材料を充電領域の下側に設けることにより、磁気回路のリラクタンスは基本的に減少する。これにより、二次装置によってリンクされた磁束はかなり増加し、最終的に伝送される電力が増加する。
図4dは、充電領域の下に設置された磁性材料のシートと得られた磁気回路を例示する。
【0098】
・磁気材料は、磁束ガイドとして作用するように、充電表面及び/又は充電領域の上、ならびに、二次装置の下に設置してもよい。この磁束ガイドは次の二つの機能を実行する。第一に、磁気回路全体のリラクタンスがさらに減少され、より多くの磁束を通すことが可能になる。第二に、充電領域の上面に沿って低リラクタンスパスが得られるので、磁束線は、空中を通ることを優先してこれらの磁束ガイドの中を通る。したがって、電磁場を空中ではなく一次ユニットの充電表面の付近に封じ込める効果が得られる。磁束ガイドのため使用される磁性材料は、二次装置の(設けられているならば)磁気コアに様々な磁気特性を持たせるように戦略的又は意図的に選ばれる。例えば、より低い透磁性とより高い飽和性を備えた材料が選ばれる。高い飽和性は材料がより多くの磁束を伝搬し得ることを表し、低い透磁性は、二次装置が近傍にあるとき、相当量の磁束が磁束ガイドを優先して二次装置の中を進むように選択することを表す(
図8を参照)。
【0099】
・一次ユニットの電磁場発生手段の一部の構造では、
図6a及び6bにおいて構成要素745で示されているような充電領域の一部を形成しない導体が存在する。このようなケースでは、これらの導体の影響を遮蔽するため磁性材料を使用することが望まれる。
【0100】
・使用されるある種の材料の例には、アモルファス金属(MetGlas(登録商標)のような金属ガラス合金)、磁性材料から作られたメッシュワイヤ、鋼鉄、フェライトコア、ミューメタル及びパーマロイが含まれるが、これらの例に限定されない。
【0101】
二次装置
二次装置には様々な形状と形式がある。一般に、優れた磁束漏れを得るため、導体(例えば、コイル巻線)の中心軸は充電領域に対して実質的に垂直にならないようにすべきである。
【0102】
・二次装置は平坦化された巻線の形状でもよい(
図7aを参照のこと)。内部の磁気コアは、アモルファス金属のような磁性材料のシートにより構成することができる。この幾何学的形状は、携帯電話機、携帯情報端末、及び、ラップトップのような電子装置の裏面に、その装置の嵩を大きくすることなく、二次装置を組み込むことを可能にする。
【0103】
・二次装置は長い円筒形でもよい。長い円筒形のコアは導体を巻き付けることが可能である(
図7bを参照のこと)。
【0104】
・二次装置は磁性材料が周りに巻き付けられた物体でもよい。一例は、例えば、円筒の周りに磁性材料が巻き付けられ、円筒本体の周りに巻線が巻き付けられた標準サイズ(AA、AAA、C、D)又はその他のサイズ/形状(例えば、特定のアプリケーションのための専用/特注)の再充電可能なバッテリセルである。
【0105】
・二次装置は、上記の二次装置の二つ以上の組み合わせでもよい。上記の実施例は従来型のコイルと組み合わせてもよい。
【0106】
以下の網羅的ではないリストは、電力を受信するため二次装置に接続することが可能な物体の一部の例を説明する。可能性は以下の例に限定されない。
【0107】
・移動通信装置、例えば、ラジオ、携帯電話機、又は、無線機
・携帯型通信装置、例えば、携帯情報端末、パームトップコンピュータ、又は、ラップトップコンピュータ
・携帯型娯楽装置、例えば、音楽再生装置、ゲームコンソール、又は、おもちゃ
・パーソナルケア製品、例えば、歯ブラシ、シェーバー、ヘアカーラー、ヘアローラー
・携帯型映像装置、例えば、ビデオカメラ、又は、カメラ
・加熱を要する内容物の容器、例えば、コーヒーマグ、皿、料理用ポット、マニキュア液及び化粧品容器
・消費者装置、例えば、懐中電灯、時計、送風機
・電動工具、例えば、コードレスドリル及びねじ回し
・ワイヤレス周辺装置、例えば、ワイヤレスコンピュータマウス、キーボード及びヘッドセット
・時間記録装置、例えば、時計、腕時計、ストップウォッチ、及び、アラーム時計
・上記の装置の何れかに挿入するためのバッテリパック
・標準サイズのバッテリセル
バッテリセルのようなインテリジェントでない二次装置の場合、ある種の高機能充電制御手段がセルへの誘導電力を測定し、装置内の多数のセルが種々の充電状態をとる状況を扱うために必要である。さらに、二次セル又はバッテリは別の電気装置の内部に位置するときに簡単に見ることができないので、一次ユニットは「充電された」状態を表示し得ることがより重要になる。
【0108】
誘電式に再充電可能なバッテリ又はセルと一次ユニットを含む可能なシステムは
図10に示されている。一次ユニット910と相対的に、バッテリ920を(X,Y)に自由に配置し、随意的にrZでバッテリを回転させる自由度に加えて、バッテリは、電力を受信し続けたままで、そのrA軸周りに回転させることも可能である。
【0109】
ユーザがバッテリを携帯型装置に挿入するとき、バッテリが所定の軸回転を有することを保証することは容易でない。したがって、本発明の実施例は、バッテリがrA軸周りにランダムな向きにあるときに電力を受信し得ることを保証するので非常に有利である。
【0110】
バッテリ又はセルは、以下の様々な方法で配置することができる磁束集中手段を含む。
【0111】
1.
図11aに示されるように、セル930は、磁束集中材料931の円筒で覆われ、磁束集中材料の周りはワイヤのコイル932で覆われる。
a.円筒はセルの長さより長くても短くても構わない。
【0112】
2.
図11bに示されるように、セル930は、セルの表面上に磁束集中材料931の一部分を有し、磁束集中材料の周りはワイヤのコイル932で覆われる。
a.磁束集中材料の一部分はセルの表面に倣うか、又は、セルの中に埋め込まれる。
b.磁束集中材料の領域は、セルの周囲より広くても狭くてもよく、セルの長さより長くても短くてもよい。
【0113】
3.
図11cに示されるように、セル930は、磁束集中材料931の一部分をセルの内部に格納し、磁束集中材料の周りはワイヤのコイル932で覆われる。
a.一部分は実質的に平坦、円筒形、棒状、又は、任意のその他の形状である。
b.磁束集中材料の幅はセルの直径より広くても狭くてもよい。
c.磁束集中材料の長さはセルの長さより長くても短くてもよい。
【0114】
上記の何れのケースにおいても、磁束集中部は、バッテリ筐体の機能的部品(例えば、外側鉛電極)でもよく、又は、バッテリ自体(例えば、内側電極)でもよい。
【0115】
二次セル(例えば、電気製品内の元の位置で再充電可能なAAタイプのセル)の充電に関する問題点には以下の項目が含まれる。
・端子電圧が通常よりも高くなる可能性がある。
・特に一部のセルが充電され、その他が充電されていない状況において、直列のセルが異状な動作をすることがある。
・装置を動かし、セルを充電するために十分な電力を供給する必要がある。
・高速充電が誤って実行された場合、セルが破壊される。
【0116】
したがって、電気製品及びセルへの誘導電力を計測するため、ある種の高機能充電制御手段を設ける方が有利である。さらに、二次セル又はバッテリは別の電気装置の内部に位置するときに簡単に見ることができないので、一次ユニットは「充電された」状態を表示し得ることがより重要になる。
【0117】
このような方式で有効にされたセル又はバッテリは、別の装置に取り付けられたままの状態で、装置を一次ユニットの上に置くことにより充電され、或いは、セル又はバッテリを一次ユニットの上にそのまま置くことにより装置の外側にある状態で充電される。
【0118】
このような方式で有効にされたバッテリは、典型的な装置のように(例えば、端と端を接して、又は、隣り合って)セルのパケットに並べられ、単一のパケットでセルの組を置き換えることを可能にする。
【0119】
或いは、二次装置は、装置内でバッテリの上に適合し、バッテリ電極と装置接点との間に押し下げられる薄い電極を備えた平坦な「アダプタ」により構成してもよい。
【0120】
回転する電磁場
図6、9a及び9bに示されるようなコイルでは、二次装置は、一般に、巻線が矢印1で示されるように一次導体内の正味の電流の流れの向きと実質的に平行に置かれたときに限り効率的に結合する。一部のアプリケーションでは、
・二次導体の中心軸が平面と垂直ではなく、かつ、
・二次装置が一次ユニットの密接している
という条件を満たす限り、二次装置の回転とは無関係に二次装置へ効率的に電力を伝送する一次ユニットが必要である。
【0121】
これを可能にするため、例えば、一方が他方の上部に配置されるか、又は、一方が他方に織り込まれるか、若しくは、他方と関連付けられた二つのコイルを設けてもよく、第2のコイルは一次ユニットのアクティブ領域の任意の点で第1のコイルの向きと実質的に垂直に正味の電流の流れを発生させることが可能である。これらの二つのコイルは、それぞれがある期間に作動されるように交互に駆動されてもよい。別の可能性として、回転する磁気双極子が平面内に発生されるように二つのコイルを直交関係で駆動してもよい。これが
図9に示されている。これは、また、他のコイル構造と組み合わせることも可能である。
【0122】
共振回路
並列若しくは直列共振回路を用いてコイルを駆動することは技術的に知られている。例えば、直列共振回路において、コイルとコンデンサのインピーダンスは、共振時に大きさが等しく逆向きであるので、回路の総インピーダンスは最小化され、最大電流が一次コイルの中を流れる。二次装置は、典型的に、誘導電圧又は電流を最大化するため、動作周波数にチューンされる。
【0123】
電動歯ブラシのような一部のシステムでは、一般的に、二次装置が存在しないときにデチューンされ、二次装置が所定の位置に置かれているときにチューンされる回路が設けられる。二次装置に存在する磁性材料は、一次ユニットの自己インダクタンスをシフトさせ、回路を共振させる。受動無線タグのような別のシステムでは、二次装置に磁性材料が存在しないので、システムの共振周波数に影響を与えない。これらのタグは、また、典型的に小型であり、一次ユニットから遠い場所で使用されるので、たとえ磁性材料が存在するとしても、一次側のインダクタンスが著しく変化させられることがない。
【0124】
提案されたシステムでは事情が異なる。
・高透磁性である磁性材料が二次装置に存在し、一次ユニットの非常に近くで使用される。
・1台以上の二次装置が同時に一次ユニットの非常に近くに運ばれる。
【0125】
これは、一次側のインダクタンスを著しくシフトさせ、また、パッド上に存在する二次装置の台数に応じて異なるレベルへシフトさせる効果がある。一次ユニットのインダクタンスがシフトされたとき、回路を特定の周波数で共振させるために必要な容量も変化する。回路を共振状態に保つため以下の3通りの方法がある。
・制御システムを用いて、動作周波数を動的に変化させる。
・制御システムを用いて、共振が所定の周波数で実現されるように容量を動的に変化させる。
・システムがあるインダクタンスの範囲に亘って共振状態を維持する低Qシステムを用いる。
【0126】
動作周波数を変えることによって生じる問題点は、二次装置が典型的に所定の周波数で共振するように構成されていることである。動作周波数が変化すると、二次装置はデチューンされるであろう。この問題点を解決するため、動作周波数の代わりに容量を変えることが可能である。二次装置は、一次ユニットの近傍に置かれた付加的な装置のそれぞれがインダクタンスを量子化されたレベルへシフトさせ、適切なコンデンサが回路を所定の周波数で共振させるため切り替えられるように設計可能である。この共振周波数のシフトのため、充電表面の装置の台数を検出可能であり、一次ユニットは、また、何かが充電表面の近くへ移動されたとき、又は、何かが充電表面から取り去られたときを検出可能である。有効な二次装置以外の透磁性物体が充電表面の付近に置かれた場合に、システムを所定の量子化されたレベルへシフトさせる可能性は低い。このような状況において、システムは、自動的にデチューンし、コイルへ流れ込む電流を減少させる。
【0127】
本発明をより良く理解し、かつ、本発明が実施される形態を説明するため、次に、一例としての目的のためだけに添付図面を参照する。