(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
連続状の台紙上に接着剤が塗布され、当該台紙上にRFIDのインレットを所定間隔で貼付させてRFIDラベルとするに際して、インレットが基体上に所定間隔に形成された連続状のRFIDラベル元シートから読取検査で良品とされたインレットのみを台紙上に貼付させるための軸起点で回転する少なくとも3本の貼付アームを備え、当該貼付アームが当該インレットを吸着する吸着孔が形成された先端部分を突出、非突出の進退駆動させるエアシリンダ機構とされ、良品のインレットが供給されたときには先端部分を突出させて吸着し、回転により台紙上に位置したときに当該先端部分を突出させて貼付させ、インレットが不良品のために供給されないときには台紙上で当該先端部分を非突出とさせるインレット貼付機構を所定数備えるインレット貼付部を有するRFIDラベルシート製造装置であって、
前記インレット貼付部は、
前記各貼付アームの先端部分の吸着孔にインレットを吸着させるための負圧のエアを供給するインレット吸引機構と、
前記エアシリンダ機構による各貼付アームの先端部分を進退させる制御エアを伝達するものであり、前記インレット貼付機構の各貼付アームと共に回転して各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構と制御エアを連通させる連通管で接続されるエア伝達外輪部にエア伝達内輪部が非回転で内包され、当該エア伝達内輪部におけるエア伝達外輪部の連通位置に応じた外周上に、インレットを吸着する吸着回転領域に対応の貼付アームが位置したときに当該貼付アームの先端部分を進退させる第1エア駆動部に連通し、当該第1エア駆動部からの制御エアを各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構に伝達する第1エア伝達溝、及び、吸着したインレットを台紙上に貼付する貼付回転領域に対応の貼付アームが位置したときにインレットが吸着されているか否かに応じて先端部分を進退させる第2エア駆動部に連通し、当該第2エア駆動部からの制御エアを各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構に伝達する第2エア伝達溝が形成されるエアシリンダ駆動伝達部と、
を有することを特徴とするRFIDラベルシート製造装置。
【背景技術】
【0002】
近年、ICモジュールとアンテナを備えて非接触でデータ授受可能なRFIDメディアが安価となってICカードの他にラベルとして使用されることも一般化してきている。このようなインレットと称されるRFIDをラベルとして多数貼付したシートとして出荷する際に、基本的にはインレットが総て良品であることが必要であり、製造の高速化による大量生産を装置コストを上げずに実現することが望まれる。
【0003】
従来、RFIDラベルシートを製造する際に、貼付されるインレットを不良品を排除して総て良品とさせるものが、例えば特許文献1,2に開示されている。特許文献1,2は、製造されたRFIDラベル元シート上の各インレットを順次通信検査し、通信状態により良品と判定された良品ICラベルのみをインレット搭載機により接着剤が塗布されている台紙(剥離紙)上に順次貼付する装置として開示されている。
【0004】
上記のようなインレット搭載機は、高速化による大量生産するために、例えば特許文献1,2に示されるように4本の吸着アームを回転させ、各吸着アームに良品のインレットを各個吸着し、回転によって対応のアームが台紙上に位置したときにアームの吸着部分をシリンダによって突き出させて台紙面上に貼付させるものである。この場合、貼付されるインレットはRFIDラベル元シートと同じ配列とされるもので、不良品と判定されたインレットは排除されることから、当該不良品のインレットの部分は除かれたいわゆる歯抜け状態の配列となる。
【0005】
すなわち、インレットを台紙上に貼付させる各アームは、インレットを吸着する吸着部を先端に備え、当該先端部分は、良品のインレットが吸着されているときには台紙上で突出され、不良品のインレットと判定されてインレットが吸着されていない状態のときには台紙上で突出させないシリンダ制御が行われるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記インレット搭載機における各アームに対して、インレットを吸着させる負圧の吸引エアを供給する吸引機構と、各アームの先端部分を個別に突出、非突出で進退させる各アーム内のシリンダを制御するエア制御機構とを有している。当該エア制御機構は、シリンダの進退を行わせるエアを各シリンダに供給する制御をそれぞれ電磁バルブによって行っている。
【0008】
この場合、大量のインレットを台紙上に貼付させるためにはインレット搭載機においてアーム数が多いほど高速化を図ることができるものであるが、当該アーム数に応じた個数の電磁バルブを使用して制御する必要があって、装置コストが嵩むことになるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、インレットを台紙上に貼付するに際して高速化による大量生産を装置コストを上げずに実現するRFIDシート製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、連続状の台紙上に接着剤が塗布され、当該台紙上にRFIDのインレットを所定間隔で貼付させてRFIDラベルとするに際して、インレットが基体上に所定間隔に形成された連続状のRFIDラベル元シートから読取検査で良品とされたインレットのみを台紙上に貼付させるための軸起点で回転する少なくとも3本の貼付アームを備え、当該貼付アームが当該インレットを吸着する吸着孔が形成された先端部分を突出、非突出の進退駆動させるエアシリンダ機構とされ、良品のインレットが供給されたときには先端部分を突出させて吸着し、回転により台紙上に位置したときに当該先端部分を突出させて貼付させ、インレットが不良品のために供給されないときには台紙上で当該先端部分を非突出とさせるインレット貼付機構を所定数備えるインレット貼付部を有するRFIDラベルシート製造装置であって、前記インレット貼付部は、前記各貼付アームの先端部分の吸着孔にインレットを吸着させるための負圧のエアを供給するインレット吸引機構と、前記エアシリンダ機構による各貼付アームの先端部分を進退させる制御エアを伝達するものであり、
前記インレット貼付機構の各貼付アームと共に回転して各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構と制御エアを連通させる連通管で接続されるエア伝達外輪部にエア伝達内輪部が非回転で内包され、当該エア伝達内輪部におけるエア伝達外輪部の連通位置に応じた外周上に、インレットを吸着する吸着回転領域に対応の貼付アームが位置したときに当該貼付アームの先端部分を進退させる第1エア駆動部
に連通し、当該第1エア駆動部からの制御エアを各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構に伝達する第1エア伝達溝、及び、吸着したインレットを台紙上に貼付する貼付回転領域に対応の貼付アームが位置したときにインレットが吸着されているか否かに応じて先端部分を進退させる第2エア駆動部
に連通し、当該第2エア駆動部からの制御エアを各貼付アームのそれぞれのエアシリンダ機構に伝達する第2エア伝達溝が形成されるエアシリンダ駆動伝達部と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、インレット貼付機構における各エアシリンダ機構の回転する少なくとも3本の貼付アームの先端部分でインレットを連続状の台紙に所定間隔で貼付させてRFIDラベルとするに際して、インレットを吸着する吸着回転領域に対応の貼付アームが位置したときに当該貼付アームの先端部分を進退させる第1エア駆動部
に連通し、当該第1エア駆動部からの制御エアを各エアシリンダ機構に伝達する第1エア伝達溝、及び、吸着したインレットを台紙上に貼付する貼付回転領域に対応の貼付アームが位置したときにインレットが吸着されているか否かに応じて先端部分を進退させる第2エア駆動部
に連通し、当該第2エア駆動部からの制御エアを各エアシリンダ機構に伝達する第2エア伝達溝が
エア伝達外輪部に内包されるエア伝達内輪部の外周上に形成される
エアシリンダ駆動伝達部を備える構成とすることにより、貼付アームが3本以上であってもインレット吸着とインレット貼付の2領域で制御エアが供給されることから、貼付アーム数に応じた個数のエア駆動部を設ける必要がなく、インレットを台紙上に貼付するに際して高速化による大量生産を装置コストを上げずに実現することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
図1に、本願発明に係るRFIDラベルシート製造装置の概略構成図を示す。本実施形態では、6列のRFIDラベル元シートから同じ配列のRFIDラベルシートを作製する場合を示すが、1列のものであっても適用することができ、2列以上の複数列で作製するものに適用することができるものである。
【0015】
図1(A)は、RFIDラベルシート製造装置の概念図を示したもので、RFIDラベルシート製造装置11は、ロール形態の連続状のRFIDラベル元シート12から例えば送りローラ13A,13Bにより搬送される。このRFIDラベル元シート12は、
図1(B)に示すように、シート基材42上に6列でRFIDであるインレット41が所定間隔で形成されたものである。
【0016】
上記送りローラ13A,13B間にRFID読取検査部14が配置され、RFIDラベル元シート12上の各インレット41を6列1段で同時に読み取り検査を行って良品か不良品かの判定を行い、判定結果を後述の制御部(17)に送出する。RFIDラベル元シート12は、検査後に単位インレット断裁部15に送り込まれる。単位インレット断裁部15は、インレット断裁上刃21とインレット断裁下刃22とにより構成され、6列1段で同時に回転断裁によって単位インレット41とさせる。当該インレット断裁下刃22は単位インレットを個々に吸引保持する機構である。
【0017】
断裁後の単位インレット41は、該当のインレット41が良品であるか、不良品であるかの情報に基づいて制御部17がインレット断裁下刃22の吸引が制御され、良品のインレットのみが吸引保持され、不良品と判定されたインレット41の場合には吸引保持されずに不良インレット回収部23に回収させる。
【0018】
インレット断裁下刃22に吸引保持されたインレット41は、当該インレット断裁下刃22の回転でインレット貼付部16の単位インレット送りローラ31に渡される。当該単位インレット送りローラ31においても単位インレット41を当該単位インレット断裁部15と同じ配列で吸引保持する機構であり、吸引保持した単位インレット41を回転搬送によりインレット貼付部16のインレット貼付機構32に供給する。ここまでの構成は前述の特許文献1,2と同様である。
【0019】
インレット貼付機構32は、詳細を
図2〜
図4で説明するが、回転アーム群と、インレット吸引機構と、エアシリンダ駆動伝達部とを有して構成され、単位インレット送りローラ31より供給される個々の単位インレット41をRFIDラベル元シート12と同じ配列で連続状の台紙20上に貼付していくものである。
【0020】
上記インレット貼付機構32には、エア供給源18よりエア制御駆動部19を介して正圧及び負圧の2種類のエアをそれぞれ制御エアとして供給される。エア供給のタイミングは制御部17により制御される。ここで、制御部17は、RFIDラベルシート製造装置11を統括的に制御するものであり、特に、RFID読取検査部14からの個々のインレットにおける位置情報と、良品若しくは不良品の検査判定結果とを受け取り、インレット断裁下刃22による良品インレットの吸引保持の制御、インレット貼付機構32による台紙20上への貼付を行わせるエア制御駆動部19を制御するものである。
【0021】
当該エア制御駆動部19は、図示しないが、後述の第1エア伝達溝(77−1)への制御エアを供給駆動する第1エア駆動部である第1電磁バルブを備え、後述の第2エア伝達溝(77−2)への制御エアを供給駆動する第2エア駆動部である第2電磁バルブを備える。
【0022】
上記台紙20は剥離剤が形成されたもので、当該台紙20の剥離剤上に接着剤が塗布され、
図1(B)に示すように、インレット貼付機構32によりRFIDラベル元シート12と同じ配列で良品と判定されたインレット41のみが貼付されるものである。この場合、不良品と判定されたインレット41の位置がいわゆる歯抜け状態となる。すなわち、貼付されたインレット41は、接着剤を保持したRFIDラベルとなり、台紙20に対して剥離剤によって仮着された状態となるものである。
【0023】
ここで、
図2に
図1のインレット貼付部及び貼付ローラの概略構成図を示すと共に、
図3に
図2のインレット貼付部におけるエアシリンダ駆動部の概略構成図を示す。
図2(A)は、インレット貼付機構32の概念図を示したもので、回転シャフト51に回転アーム群52、インレット吸引機構53及びエアシリンダ駆動伝達部54が連結されて構成される。エアシリンダ駆動伝達部54は、エア伝達外輪部55及びエア伝達内輪部56により構成される。回転シャフト51の回転によって回転アーム群52、インレット吸引機構53及びエアシリンダ駆動伝達部54のエア伝達外輪部55が共に回転し、エアシリンダ駆動伝達部54のエア伝達内輪部56は非回転の固定状態である。
【0024】
回転アーム群52は、RFIDラベル元シート12の1段6列に応じて6つの回転アーム52A〜52Fがインレット配置と同じ間隔で配置される。ちなみに、RFIDラベル元シート12が1列の場合には、一の回転アーム52となる。一の回転アーム52Aを例にとると、
図2(B)、(C)に示すように、回転中心部より同間隔で3つの貼付アーム62(62A〜62C)が延出し、貼付アーム62A〜62C内のそれぞれににシリンダとなる可動軸63が内包され、当該可動軸63の先端に可動先端部61(61A〜61C)が一体で形成されている。
【0025】
すなわち、各貼付アーム62A〜62Cは、回転アーム52Aの先端部分となる可動先端部61A〜61Cを突出、非突出の進退駆動されるエアシリンダ機構のもので、良品のインレット41が供給されたときには先端部分である可動先端部61A〜61Cを突出させて吸着し、回転により台紙20上に位置したときに当該先端部分である可動先端部61A〜61Cを突出させて貼付させ、インレット41が不良品のために供給されないときには台紙20上に接触させないために当該先端部分である可動先端部61A〜61Cを非突出とさせるものである。
【0026】
また、可動先端部61A〜61Cは、
図2(C)に示すように、可動部先端部61Aを例とすると、インレット保持面64にインレット吸着孔65が内部通気孔を通じてインレット保持エア供給口66と連通する。このインレット保持エア供給口66はインレット吸引機構53と連通接続される。当該インレット吸引機構53は、各貼付アーム62A〜62Cの可動先端部61A〜61Cのインレット吸着孔65にインレット41を吸着させるための負圧のエアを供給するものである。
【0027】
一方、可動先端部61A〜61Cと一体の可動軸63を内包する貼付アーム62A内は当該可動軸63を進退させる空間領域が形成され、適宜の位置に当該可動軸63の位置を規制する規制突起が形成される。そして、当該空間領域には駆動エア供給口67が形成され、エアシリンダ駆動伝達部54のエア伝達外輪部55に形成された接続口(
図3(A)の71A)とエア継ぎ手57Aを介して連通接続されるものである。
【0028】
ところで、貼付アームの個数は、3本以上で本発明の効果を奏することができるものであり、配置を等間隔とする場合には3の倍数の個数で実現することができる。また、3の倍数以外の個数とする場合には、一の貼付アームの点対称の位置に他の貼付アームを配置させないようにすることで実現することができるものである。
【0029】
続いて、
図3(A)は、エアシリンダ駆動伝達部54を斜視的に示したもので、エア伝達外輪部55は円筒状のもので、一方が回転シャフト51と固定するための軸孔が設けられ、他方にエア伝達内輪部56を内包するための開放口が形成される。そして、外周には各貼付アーム62A〜62Cに対応した6つの接続口71(71A〜71F)が形成され、ここにインレット貼付機構32の各貼付アーム62のそれぞれのエアシリンダ機構と制御エアを連通させる連通管であるエア継ぎ手57(57A〜57F)とが接続される。
【0030】
エアシリンダ駆動伝達部54のエア伝達内輪部56は、エア伝達外輪部55内に内包される内輪筒72と、当該エア伝達外輪部55の端部に係合するフランジ73とを有する。すなわち、
図3(B)に示すように、内輪筒72は、その外周上に所定間隔で7つのシールド嵌合溝75が形成されて例えばゴム製の環状シールド76が嵌合される。環状シールド76は、エア伝達外輪部55の内壁と回転可能に密着させるもので、後述の第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)及び第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)に供給される制御エアの漏れを防止するためのものである。
【0031】
上記シールド嵌合溝75間であって、エア伝達外輪部55に形成された接続口71A〜71Fの連通位置に対応して6つの第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)と、6つの第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)とが、例えば
図3(C)のように、互いに連続されずに形成される。ここでは、第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)を貼付アーム62A〜62Cがインレット41を吸着する吸着回転領域に合致させるものとし、第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−1F)を貼付アーム62A〜62Cが吸着しているインレット41を台紙20上に貼付する貼付回転領域に少なくとも一部を合致させるものとしている。
【0032】
また、第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)及び第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)の他の形態として、
図3(D)に示すように、第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)を第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)より小としてインレット貼付に必要な最小長さとすることとしてもよい。これらの比率は、適宜選択することができるものである。
【0033】
図3(B)に戻り、フランジ73の端面には、それぞれ第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)と連通する6つの駆動エア通路74−1(74−1A〜74−1F)が形成されると共に、それぞれ第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)と連通する6つの駆動エア通路74−2(74−2A〜74−2F)が形成される。当該駆動エア通路74−1(74−1A〜74−1F)は上記エア制御駆動部19の第1電磁バルブに連通され、駆動エア通路74−2(74−2A〜74−2F)は上記エア制御駆動部19の第2電磁バルブに連通される。
【0034】
総括的に、第1エア伝達溝77−1(77−1A〜77−1F)は、インレット41を吸着する吸着回転領域に対応の貼付アーム62が位置したときに当該貼付アーム62の可動先端部61を進退させる第1電磁バルブからの制御エアを各貼付アーム62のそれぞれのエアシリンダ機構に伝達する。また、第2エア伝達溝77−2(77−2A〜77−2F)は、所定の貼付アーム62が吸着したインレット41を台紙20上に貼付する貼付回転領域に対応の貼付アーム62が位置したときにインレット41が吸着されているか否かに応じて可動先端部61を進退させる第2電磁バルブからの制御エアを各貼付アーム62のそれぞれのエアシリンダ機構に伝達するものである。
【0035】
そして、内輪筒72の端部(エア伝達外輪部55の内奥)とフランジ73の端部にはそれぞれベアリング78,79が設けられて回転シャフト51が回転されても固定状態とさせる。
【0036】
ここで、
図4に、
図2のエアシリンダ機構の動作説明図を示す。
図4(A)において、貼付アーム62A及び可動先端部61Aについてのものであり、貼付アーム62Aのインレット保持エア供給口66にはインレット吸引機構53より負圧のエアが供給されることで可動先端部61Aのインレット吸着孔65にはインレット吸着用の負圧がかかることとなる。また、貼付アーム62Aの駆動エア供給口67に第1電磁バルブの制御により負圧の制御エアが供給されたときには可動軸63は引き込む動作となり、正圧の制御エアが供給されたときには可動軸63は突出される動作となる。
【0037】
すなわち、
図4(B)に示すように、良品のインレット41が供給された場合には、貼付アーム62Aの駆動エア供給口67に第1電磁バルブの制御により正圧の制御エアが供給されたときには可動軸63を突出させることでインレット吸着孔65に当該インレット41が吸着保持されることとなる。なお、インレット41が不良品と判定されて供給されなかった場合であっても、駆動エア供給口67に第1電磁バルブの制御により正圧の制御エアが供給されて可動軸63を突出させてもインレット41を吸着しないだけで問題はない。
【0038】
そして、可動先端部61Aでインレット41を吸着した貼付アーム62Aが回転して台紙20上に位置したときに、駆動エア供給口67に第2電磁バルブの制御により正圧の制御エアが第2エア伝達機構77−2に供給されて可動軸63を突出させることで吸着したインレット41を台紙20上に貼付させるものである。この場合、台紙20上には接着剤が塗布されていることから、当該インレット41が吸着状態であっても可動先端部61Aより離すことができるものである。
【0039】
そこで、
図5及び
図6に、
図2のエアシリンダ機構駆動動作の説明図を示す。
図5及び
図6は、第1エア伝達溝77−1A及び第2エア伝達溝77−2Aの制御エアの正圧、負圧状態で回転アーム52Aにおける各貼付アーム62A〜62Cの突出、非突出の関係で示したもので、制御エアが供給される位置をエア継ぎ手57の位置関係で示したものである。なお、
図5は良品のインレット41が連続して供給された場合を示しており、
図6は不良品のインレット41であって供給されなかった次に良品のインレット41が供給された場合を示している。そして、第1電磁バルブ及び第2電磁バルブの駆動制御は、上述のように、RFID読取検査部14からの良否判定の情報に基づいて制御部17が行うものである。
【0040】
まず、
図5(A)において、良品のインレット41が供給されたときに第1エア伝達溝77−1Aには正圧の制御エアが供給され、これに伴って貼付アーム62Aの可動先端部61A(エア継ぎ手57)が当該第1エア伝達溝77−1Aの吸着回転領域に入ったときに第1電磁バルブの制御により正圧の制御エアが供給されて各貼付アーム62A〜62Cのそれぞれの可動軸63が突出することで可動先端部61Aのインレット吸着孔65に当該インレット41を吸着保持する。この場合、破線で示す第2エア伝達機構77−2Aの領域にはエア継ぎ手57が位置されていないことから制御エアの供給は正圧、負圧の何れでもよいが、次に供給されるインレット41が良品の場合には予め正圧の制御エアを供給させることとしてもよい。
【0041】
続いて、回転アーム52Aが回転して、貼付アーム62A(エア継ぎ手57)が第1エア伝達溝77−1Aの領域を抜けて第2エア伝達機構77−2Aに達しても、
図5(B)に示すように、次の貼付アーム62Bの可動先端部61Bは突出状態を維持してインレット41の吸着位置に到達したときに可動先端部61Bのインレット吸着孔65にインレット41が吸着される。
図5(B)の状態では、貼付アーム62Aが台紙20上に達していないことから、第2エア伝達機構77−2Aへの制御エアの供給は正圧、負圧の何れでもよい。
【0042】
そして、回転アーム52Aが回転して、貼付アーム62A(エア継ぎ手57)が、少なくとも台紙20上の貼付回転領域に達したときに第2エア伝達機構77−2Aに対して正圧の制御エアが供給されることで可動先端部61Aが突出してインレット41を台紙20上に貼付させるものである。このとき、貼付アーム62Cは可動先端部61Bが突出状態を維持しており、インレット41の吸着位置に到達したときに可動先端部61Cのインレット吸着孔65にインレット41が吸着されるものである。
【0043】
次に、
図6(A)において、インレット41が不良品の場合、インレット41は供給されないことから、第1エア伝達溝77−1Aに正圧の制御エアを供給して貼付アーム62Aの可動先端部61A(エア継ぎ手57)を突出させてもインレット41を吸着しないだけであり、次の貼付アーム62Bの可動先端部61B及び貼付アーム62Cの可動先端部61Cを突出状態とさせる。
【0044】
回転アーム52Aが回転して、貼付アーム62A(エア継ぎ手57)が第1エア伝達溝77−1Aの領域を抜けて第2エア伝達機構77−2Aに達した場合、
図6(B)に示すように、次の貼付アーム62Bの可動先端部61Bは突出状態を維持しており、インレット41の吸着位置に到達したときに可動先端部61Bのインレット吸着孔65にインレット41を吸着させる。
【0045】
そして、回転アーム52Aが回転して、貼付アーム62A(エア継ぎ手57)が、少なくとも台紙20上の貼付回転領域に達したときに第2エア伝達機構77−2Aに対して負圧の制御エアが供給されることで可動先端部61Aを引き込ませて台紙20上に接触させないようにしている。このとき、貼付アーム62Cは可動先端部61Bも引き込まれた状態であることから、貼付アーム62A(エア継ぎ手57)が台紙20上を過ぎた直後に第2エア伝達機構77−2Aに対して正圧の制御エアを供給して総ての可動先端部61A〜61Cを突出させることで、可動先端部61Cによる良品のインレット41を吸着させるものである。この場合、貼付アーム62Aの可動先端部61Cも突出状態となるが、台紙20上の貼付回転領域を過ぎていることから接触を起こすことはない。
【0046】
すなわち、各貼付アーム62A〜62Cの可動先端部61A〜61Cが台紙20上の貼付回転領域を過ぎれば、突出、非突出の何れの状態であっても問題がないことから、3本の貼付アーム62A〜62Cに対して2つのエア伝達の制御で対処できるものである。このことは、貼付アームが3本以上であってもインレット吸着とインレット貼付の2領域で制御エアが供給されることから、貼付アーム数に応じた個数の電磁バルブを設ける必要がなく、インレット41を台紙20上に貼付するに際して高速化による大量生産を装置コストを上げずに実現することができるものである。